JP4504796B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却貯蔵庫に関する。
例えば冷蔵庫では、内部の冷蔵室が冷却されることに伴って冷蔵庫本体の底面も冷却され、特に外気が高温多湿の状態であると、結露が生ずるおそれがある。そこで従来では、冷蔵庫の上面に設けられた機械室において、冷凍装置の凝縮器等を冷却したあとの排熱が生成されることに着目し、この排熱を、冷蔵庫本体の背面等に別途に設けたダクトによって底面まで導き、底面を加熱することで結露の発生を防止したものが知られている(特許文献1)。
特開平11−63790号公報
しかるに上記従来構造では、ダクトを背面等の全高にわたって設ける必要があることから、冷蔵庫の外形が嵩張り、またダクトの取り付け作業にも手間が掛かるという問題があった。
本発明は、上記のような事情に基づいて完成されたものである。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、貯蔵庫本体の底面には、送風ファンをケーシング内に収容した送風装置が設けられ、前記ケーシングの下面に吸込口が、側面に吹出口がそれぞれ設けられるとともに、前記吸込口にはフィルタが装備され、かつこのフィルタは、前記吹出口が設けられた側面側の端部に取手を設けて同側面側からの着脱可能とされている構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記送風装置が、前記貯蔵庫本体の底面における幅方向の一縁に沿うようにして、前記吹出口を内方に向けた姿勢で配置され、前記吹出口から吹き出された空気が前記貯蔵庫本体の底面を幅方向の他縁側に向けて流通可能とされているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記吸込口は、前記ケーシングにおける正面側の端部寄りに設けられているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記貯蔵庫本体の底面には排水を溜めて蒸発させる蒸発皿が設けられ、この蒸発皿の奥側に、前記送風装置が前記吹出口を連通して設けられるとともに、この送風装置の前記ケーシングの下部側に連通して、吸込ダクトが前記蒸発皿の下側を通って正面側に延出して配され、この吸込ダクトにおける正面の端部側の下面に前記吸込口が設けられ、かつ前記蒸発皿の正面の端部側に蒸気の排出開口が形成されているところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記排出開口が、前記蒸発皿の左右の側壁に形成されているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
送風ファンの駆動により、外気が吸込口により下面からケーシング内に吸い込まれたのち、吹出口により側面から吹き出される。貯蔵庫本体の底面に送風装置を設けるのであるから、冷却貯蔵庫の嵩高を招くことなく本体底面に沿った空気流を得ることができる。
冷却貯蔵庫の設置位置の床面には塵や埃が溜まりやすく、外気の吸い込み時に舞い上がって一緒に吸い込まれるおそれがあるが、吸込領域は吸込口に限られ、しかもフィルタが装備されているから、塵や埃は捕捉されて送風ファンに入り込むことが防止される。通常、吹出口の前方にはスペースが確保されるが、フィルタは、同吹出口が設けられた側面側からスペースを利用して簡単に着脱でき、フィルタの清掃等を行う場合に便利となる。
<請求項2の発明>
送風装置の吹出口から吹き出された外気は、貯蔵庫本体の底面を横切るようにして流通する。静止空気であるよりも、空気が移動する場合の方が湿度を低く抑えることができ、その分結露することをより確実に防止できる。
フィルタは、貯蔵庫本体の下面の広いスペースを利用して能率良く着脱することができる。
<請求項3の発明>
フィルタの着脱操作が極力正面に寄った位置で行うことができ、より簡単となる。
<請求項4の発明>
送風ファンが駆動されると、外気が吸込ダクトを通ってケーシングの下部に吸い込まれた後、吹出口から蒸発皿内を正面側に吹き抜け、蒸気ともども蒸発皿の正面の端部側の排出開口から吹き出される。フィルタは、吹出ダクトの正面側の端部において正面側から着脱できるから、着脱の作業が簡単である。
また冷却貯蔵庫の底面に蒸発皿を装備した場合、従来では正面側から外気を吸い込んだのち、蒸発皿を通って奥側に吹き出すようにしていた。冷却貯蔵庫は、背面を壁に当てて設置する場合が多いため、湿った空気が壁の前で淀み、壁等に結露するおそれがあった。その点この発明では、蒸気が正面側に排出されるようにしたから、湿った空気が冷却貯蔵庫の背面側で淀むことがなくなり、壁等に結露することが防止される。
<請求項5の発明>
蒸発皿からの蒸気は、その手前側の端部から左右方向に向けて排出される。冷却貯蔵庫の正面に立った作業者の足等に蒸気が吹き付けられることが避けられ、不快感を覚えることが防止される。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図6によって説明する。この実施形態では、業務用冷蔵庫に適用した場合を例示している。
図1において、符号10は冷蔵庫本体であって、前面に開口した断熱箱体により形成され、内部が冷蔵室11となっており、冷蔵室11の前面開口には、観音開き式の断熱扉12が上下二段に分かれて装着されている。
冷蔵庫本体10の底面14の四隅には脚15が装着され、底面14が床面Xから所定寸法浮いた状態で支持されている。脚15は、図2に示すように、その上面にねじ棒16が突設されるとともに、底面14の四隅には、裏側に図示しないナットを装着する等によりねじ孔17が形成されていて、ねじ棒16をねじ孔17にねじ込むことで着脱可能に装着されるようになっている。
冷蔵庫本体10の上面には機械室13が設けられて冷凍装置や電装箱等(図示せず)が装備され、冷凍装置により生成された冷気が冷蔵室11内に循環供給されることで冷蔵室11内が冷却保持され、断熱扉12を開閉しつつ冷蔵室11内に貯蔵物が出し入れされて収容されるようになっている。
冷蔵庫本体10の底面14には、送風装置20が取り付けられている。この送風装置20は大まかには、ケーシング30内にクロスフローファン21が収容された構造である。
ケーシング30は金属板製であって、図2及び図3に示すように、冷蔵庫本体10の奥行寸法に匹敵する程の長さを持った細長形状で、かつ上面開放の箱形に形成されている。ケーシング30における長さ方向の両端面の上縁には、外側に直角曲げされた取付板31が形成され、各取付板31には、上記した脚15のねじ棒16を径方向に挿入可能な取付溝32が、後縁側から切り込み形成されている。
ケーシング30の底面には、図3及び図5に示すように、図3の右側における半分強の領域において、一段立ち上がった取付台34が装着されており、この取付台34における図3の左側の半分強の領域、ケーシング30全体から見れば、長さ方向に3分割されたほぼ中央の領域に、クロスフローファン21が設けられている。クロスフローファン21は、外周面に複数枚の羽根を設けた軸線方向に細長い形状をなすファン本体22を備え、このファン本体22の両端部が取付台34に立てられる支持板23に回転自由に支持されて、一方の支持板23に設けられたモータ24と連結されている。また、ファン本体22の後面(図3の上側)から上面にわたってカバー25が設けられている。これによりクロスフローファン21は、例えば下方から吸い込んだ空気を、これと直角をなす前方に向けて均一な平面流として吹き出すことができるようになっている。
取付台34におけるクロスフローファン21の配設位置の下方と、モータ24の配設位置の下方とには、それぞれ窓孔35,36が開口されている。また、モータ24のリード線24Aは、ケーシング30の後面板を貫通して外部に引き出されている。
ケーシング30の下面には、図2に示すように、同図の右側の半分強の領域にわたって、図示4個の吸込口37が並んで開口されている。一方、ケーシング30の前面には、その上縁部におけるクロスフローファン21の全長と対応した領域に、複数の小さな吹出口38が並んで形成されている。
ここで、上記した吸込口37の形成領域にわたって装着可能なエアフィルタ40が設けられている。エアフィルタ40は、図2に示すように、ステンレス鋼板等の金属板製の枠体41内に、同じくステンレス鋼の金属メッシュ42が張られた構造である。また、枠体41の手前側の端縁には、立ち上がったのち前方に直角曲げされた断面鈎形をなす取手43が全幅にわたって形成されている。
一方、ケーシング30の前面における下縁には、吸込口37の形成領域にわたって、エアフィルタ40を抜き差し可能な差込溝45が形成されている。したがってエアフィルタ40を差込溝45に対して、取手43がケーシング30の前面に当たるまで差し込むと、エアフィルタ40が全吸込口37の上面を覆うことができるようになっている。
続いて、本実施形態の作用を説明する。まず、送風装置20が、冷蔵庫本体10の底面14における正面から見た右側縁に沿って取り付けられる。それには、同底面14の右側の前後に設けられた脚15のねじ棒16が緩められる。脚15が緩められたら、送風装置20が、吹出口38を左側に向けた姿勢で冷蔵庫本体10の底面14に当てられ、取付板31の取付溝32が底面14との隙間に臨んだねじ棒16に対して径方向に挿通されつつ、右側に摺動される。両ねじ棒16が対応する取付溝32の奥端に当たるまで摺動されたところで、両脚15を再び締め付けると、両取付板31が挟み付けられることで、ケーシング30すなわち送風装置20が脚15と併せて固定される。それとともに、ケーシング30の差込溝45にエアフィルタ40が差し込まれる。
これにより、図6に示すように、冷蔵庫本体10の底面14の右側縁に沿って送風装置20が装着される。なお、モータ24から引き出されたリード線24Aは、例えば冷蔵庫本体10の背面や側面に沿って立ち上がって配線され、機械室13内に設けられた電装箱内の給電部と接続される。
冷蔵庫の稼働中は、クロスフローファン21のモータ24には常時通電されて駆動される。クロスフローファン21が駆動されると、図6の矢線に示すように、ケーシング30の下面の吸込口37から外気が吸引されてケーシング30内に導入され、取付台34の窓孔35を通ったのちファン本体22により同図の左側に向きを変えて、吹出口38から吹き出される。それに続いて、冷蔵庫本体10の底面14に沿って左側縁に向けて流通する。
冷蔵庫本体10の底面14は、冷蔵室11内の冷気で冷却されるために、接触した外気により結露が生ずる可能性があるが、上記のように、底面14に沿って空気が流れる場合、静止空気であるときと比べると湿度が低く抑えられ、それだけ結露がし難くなる。
なお、冷蔵庫の設置位置の床面Xには塵や埃が溜まりやすく、外気の吸い込み時に舞い上がって一緒に吸い込まれるおそれがある。しかしながら吸込領域は、吸込口37に限られ、その吸込口37にはエアフィルタ40が装着されているから、エアフィルタ40により塵や埃は捕捉されてクロスフローファン21に入り込むことが防止される。また、吸い込んだ外気の一部をモータ24を冷却することに利用しているが、その冷却空気も同様にエアフィルタ40に通されたものであるから、同じく塵や埃がモータ24に侵入することは回避される。
一方、エアフィルタ40は適宜に清掃をする必要がある。その場合は、冷蔵庫本体10の底面14に手を入れ、取手43を掴んでエアフィルタ40を、図6の鎖線に示すようにケーシング30から左側に向けて引っ張り出し、引き続いて手前側に抜き取る。水洗い等を行ったら、上記とは逆に、エアフィルタ40を正面から冷蔵庫本体10の底面14側に入れ、ケーシング30の差込溝45から差し込んで装着する。
この場合、送風装置20の左側は、冷蔵庫本体10の底面14のほぼ全域に対応するほどの広いスペースが確保されているし、エアフィルタ40の差込溝45も、ケーシング30において極力手前側に形成されているから、エアフィルタ40の抜き差し操作も簡単に能率良く行うことができる。
以上のように本実施形態によれば、送風装置20に装備されたクロスフローファン21が駆動されると、ケーシング30内に下面の吸込口37から外気が吸い込まれたのち側面の吹出口38から吹き出されて、冷蔵庫本体10の底面14に沿うように流通し、同底面14に接触する空気の湿度を下げることで結露が生ずることが防止される。冷蔵庫本体10の底面14に送風装置20を設けるのであるから、冷却貯蔵庫の嵩高を招くことなく本体底面14に沿った空気流を得ることができる。
一方、冷蔵庫の設置位置の床面Xには塵や埃が溜まりやすく、外気の吸い込み時に舞い上がって一緒に吸い込まれるおそれがあるが、吸込領域は吸込口37に限られ、しかもエアフィルタ40が装備されているから、塵や埃は捕捉されてクロスフローファン21に入り込むことが防止される。
エアフィルタ40は適宜に水洗い等の掃除をする必要があり、そのつどケーシング30から抜き差しする必要があるが、エアフィルタ40の引き出し方向であるケーシング30の左側には、冷蔵庫本体10の底面14のほぼ全域に対応するほどの広いスペースが確保され、またエアフィルタ40の差込溝45も、ケーシング30における比較的手前側に形成されているから、エアフィルタ40の抜き差し操作も簡単に能率良く行うことができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図7ないし図9によって説明する。
この実施形態2では、冷蔵庫本体10の底面14に、除霜水を蒸発廃棄するための蒸発ユニット50を装備した冷蔵庫を例示している。なお、上記実施形態1と同じ機能を有する部位については、適宜に同一符号を付して説明する。
蒸発ユニット50は、蒸発皿51、収納ケース55、送風装置20A及び吸込ダクト70から構成されている。蒸発皿51は、ステンレス鋼板等の金属板により平面長方形の浅皿状に形成されており、冷蔵庫本体10の底面14における奥行の半分強の奥行寸法と、同底面14の幅の1/3程度の幅寸法を有している。蒸発皿51の内底面には、コードヒータ等の蒸発ヒータ52が、例えばジグザグ状をなしてほぼ全面にわたって配線されている。
収納ケース55は、蒸発皿51と同様の金属板製であって、上面が開口された平面長方形の箱形に形成されており、蒸発皿51と比べると、高さ寸法が5倍程度、幅寸法が同程度、奥行寸法が所定量大きく形成されている。この収納ケース55の底部の前端側に寄った位置に、上記した蒸発皿51が収納され、例えば側面をねじ56で止めて固定されている。収納ケース55の左右の側面板57の上縁には、取付板58が外側に直角曲げされて形成され、冷蔵庫本体10の底面14にねじで止められるようになっている。
収納ケース55内には、蒸発皿51の奥端と背面板59との間において収納空間60(本発明のケーシングに相当)が設けられ、ここにクロスフローファン21が収納されることで送風装置20Aが構成されている。クロスフローファン21は、上記実施形態1と同様に、外周面に複数枚の羽根を設けた軸線方向に細長い形状をなすファン本体22が、モータ24により軸線回りの回転可能に組み付けられているとともに、ファン本体22の後面(図7の右側)から上面にわたってカバー25が設けられた構造となっている。これによりクロスフローファン21は、下方から吸い込んだ空気を、これと直角をなす前方に向けて均一な平面流として吹き出すことができるようになっている。このクロスフローファン21のカバー25が、収納ケース55の背面板59にねじ62で止められている。
一方、上記した収納空間60の底板には、クロスフローファン21の下面に対応する位置に、吸気用の窓孔63が形成されており、カバー25の下面側の開口と対応している。また、カバー25の前面の開口が吹出口65となって、上記した蒸発皿51の上方の空間を指向している。また、収納ケース55の左右の側面板57には、その正面側の端部に寄った位置の上縁側に、前後2個ずつの排出開口67が切り欠き形成されている。
収納ケース55の外底面には、吸込ダクト70が配設されている。この吸込ダクト70は、同じく金属板によって、平面長方形をなす浅皿状に形成されており、図8に示すように、収納ケース55と比べ、奥行寸法並びに幅寸法が所定量小さく形成されている。吸込ダクト70の左右の側面板の上縁には、取付板71が外側に直角曲げされて形成されているとともに、背面板72は、他の周面板よりも若干背が高く形成されている。
この吸込ダクト70が、収納ケース55の外底面における幅方向の中央部において、その背面板72を収納ケース55の背面板59の下部の外側に重ねるようにして当てられ、取付板71をねじ71Aで止めることによって固定される。これにより、吸込ダクト70の奥側が、収納空間60の底板に設けられた吸気用の窓孔63を覆ってこれと連通する。また吸込ダクト70の前面板73が、収納ケース55の前面から所定寸法奥に引っ込んで位置するようになっている。
吸込ダクト70の底板における手前側の領域には、前後方向を向いた複数のスリットがほぼ全幅にわたって並んで形成されることにより、吸込口75が形成されている。
ここで、上記した吸込口75の形成領域にわたって装着可能なエアフィルタ80が設けられている。エアフィルタ80は、ステンレス鋼板等の金属板製の枠体81内に、同じくステンレス鋼の金属メッシュ82が張られた構造である。また、枠体81の手前側の端縁には、立ち上がったのち前方と下方に2度直角曲げされた断面門形をなす取手83が全幅にわたって形成されている。
一方、吸込ダクト70の前面板73における下縁には、エアフィルタ80を抜き差し可能な差込溝85が形成されている。したがってエアフィルタ80を差込溝85に対して、取手83が吸込ダクト70の前面板73に当たるまで差し込むと、エアフィルタ80が吸込口75の上面を覆うことができるようになっている。また、このとき取手83は、収納ケース55の前面とほぼ面一に収まるようになっている。
蒸発ユニット50は上記のように組み付けられ、冷蔵庫本体10の底面14の幅方向の中央部において、収納ケース55の前面を冷蔵庫本体10の前面に合わせて当てられ、収納ケース55の取付板58を複数箇所においてねじ止めすることによって取り付けられている。
また図示はしないが、除霜運転時等に生成された除霜水は、例えば冷蔵庫本体10の側壁や底壁にわたって設けられた排水路を通って蒸発皿51内に流入されるようになっている。また、蒸発皿51にはサーミスタが設けられ、検知温度が所定以上の場合は蒸発ヒータ52への通電が遮断され、いわゆる空焚きが防止されるようになっている。
続いて、本実施形態の作用を説明する。
除霜水が蒸発皿51に流入して溜められると、蒸発ヒータ52に通電されて加熱されることで除霜水が強制的に蒸発される。このとき併せてクロスフローファン21が駆動されると、図7の矢線に示すように、吸込ダクト70の手前側端部の下面の吸込口75から外気が吸引されて、吸込ダクト70内を奥側に向けて流れ、奥側から窓孔63を通してクロスフローファン21に向けて上方に導入されたのち、前方(同図左側)に向きを変えて、吹出口65から蒸発皿51の上方に吹き出される。吹き出された外気は、蒸発皿51から立ち上っている蒸気を含みつつ、図9の矢線に示すように、収納ケース55の左右の側面板57の排出開口67から、冷蔵庫本体10の底面14に沿うようにして左右に排出される。
この実施形態においても、冷蔵庫の設置位置の床面Xには塵や埃が溜まりやすく、外気の吸い込み時に舞い上がって一緒に吸い込まれるおそれがある。しかしながら吸込領域は吸込口75に限られ、その吸込口75にはエアフィルタ80が装着されているから、エアフィルタ80により塵や埃は捕捉されて、吸込ダクト70やクロスフローファン21に入り込むことが防止される。
一方、エアフィルタ80は適宜に清掃をする必要がある。その場合は、冷蔵庫本体10の底面14に手前側から手を入れ、取手83を掴んでエアフィルタ80を手前側に抜き取る。水洗い等を行ったら、上記とは逆に、エアフィルタ80を吸込ダクト70の前面板73の差込溝85から差し込んで装着すればよい。
冷蔵庫の底面に除霜水の蒸発皿を装備して、立ち上った蒸気を送風により外部に排出する場合、従来では正面側から外気を吸い込んだのち、蒸発皿を通って奥側に吹き出すようにしていたが、冷蔵庫は、背面を壁に当てて設置する場合が多いため、湿った空気が壁の前で淀み、壁等に結露するおそれがあった。
その点この実施形態では、蒸気が冷蔵庫の正面側に排出されるようにしたから、湿った空気が背面側で淀むことがなくなり、壁等に結露することが防止される。特に蒸気は、正面側ではあっても、左右方向に向けて排出されるから、冷蔵庫の正面に立った作業者の足等に蒸気が吹き付けられることが避けられ、不快感を覚えることが避けられる。
外気は、吸込ダクト70の手前側の下面に設けられた吸込口75から吸い込まれるようになっており、一方、冷蔵庫の設置位置の床面Xには塵や埃が溜まりやすく、外気の吸い込み時に舞い上がって一緒に吸い込まれるおそれがあるが、吸込領域は吸込口75に限られ、しかもエアフィルタ80が装備されているから、塵や埃は捕捉されてクロスフローファン21に入り込むことが防止される。
エアフィルタ80は適宜に水洗い等の掃除をする必要があり、吸込ダクト70から抜き差しする必要があるが、エアフィルタ80の引き出し方向は、広いスペースのある手前側に設定されているから、エアフィルタ80の抜き差し操作も簡単に能率良く行うことができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)送風ファンには、クロスフローファンを用いることに限らず、通常の軸方向に送風するファンとガイドとを絡めて、吸引した外気を90度向きを変えて吹き出すことができるようにしてもよい。
(2)実施形態1において、送風装置が冷蔵庫本体の底面の正面から見た左側縁に設けられ、同底面に沿って右向きに送風されるようにしてもよい。
(3)実施形態2において、蒸気を排出する向きは正面側のみであっても良く、また正面側と左右の側面側との両方であっても良く、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(4)同実施形態2において、蒸発皿に貯留される排水は、庫内排水であってもよく、また除霜水と庫内排水の両方であってもよい。
(5)同実施形態2において、蒸発皿と収納ケースとが一体形成され、これを本発明の蒸発皿と見なしてもよい。
(6)本発明は上記実施形態に例示した冷蔵庫に限らず、冷蔵ショーケース、冷凍庫、急速凍結庫等、本体底面に結露するおそれのある冷却貯蔵庫全般に広く適用することができる。また同様に、貯蔵庫本体の底面に蒸発ユニットを装備した冷却貯蔵庫全般に広く適用することができる。
本発明の実施形態1に係る冷蔵庫の正面図 送風装置の取付部分の分解斜視図 送風装置の平面図 送風装置が取り付けられた冷蔵庫の底部の構造を示す斜視図 その一部切欠側面図 その一部切欠正面図 本発明の実施形態2に係る冷蔵庫の底部の構造を示す一部切欠側面図 その底面図 その一部切欠正面図
符号の説明
10…冷蔵庫本体(貯蔵庫本体) 14…底面 20,20A…送風装置 21…クロスフローファン(送風ファン) 30…ケーシング 37…吸込口 38…吹出口 40…エアフィルタ(フィルタ) 43…取手 45…差込溝 50…蒸発ユニット 51…蒸発皿 52…蒸発ヒータ 55…収納ケース 60…収納空間(ケーシング) 65…吹出口 67…排出開口 70…吸込ダクト 75…吸込口 80…エアフィルタ(フィルタ) 83…取手 85…差込溝 X…床面

Claims (5)

  1. 貯蔵庫本体の底面には、送風ファンをケーシング内に収容した送風装置が設けられ、前記ケーシングの下面に吸込口が、側面に吹出口がそれぞれ設けられるとともに、前記吸込口にはフィルタが装備され、かつこのフィルタは、前記吹出口が設けられた側面側の端部に取手を設けて同側面側からの着脱可能とされていることを特徴とする冷却貯蔵庫。
  2. 前記送風装置が、前記貯蔵庫本体の底面における幅方向の一縁に沿うようにして、前記吹出口を内方に向けた姿勢で配置され、前記吹出口から吹き出された空気が前記貯蔵庫本体の底面を幅方向の他縁側に向けて流通可能とされていることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。
  3. 前記吸込口は、前記ケーシングにおける正面側の端部寄りに設けられていることを特徴とする請求項2記載の冷却貯蔵庫。
  4. 前記貯蔵庫本体の底面には排水を溜めて蒸発させる蒸発皿が設けられ、この蒸発皿の奥側に、前記送風装置が前記吹出口を連通して設けられるとともに、この送風装置の前記ケーシングの下部側に連通して、吸込ダクトが前記蒸発皿の下側を通って正面側に延出して配され、この吸込ダクトにおける正面の端部側の下面に前記吸込口が設けられ、かつ前記蒸発皿の正面の端部側に蒸気の排出開口が形成されていることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。
  5. 前記排出開口が、前記蒸発皿の左右の側壁に形成されていることを特徴とする請求項4記載の冷却貯蔵庫。
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