JP4827591B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、貯留水の蒸発を効率良く行い、かつ蒸発皿を引き出すときに送風ファンと干渉することを防止するところにある。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記付属室には、前記蒸発皿からの蒸気を引いて前記付属室の外部に排出する排気ファンが設けられているところに特徴を有する。
送風ファンからの送風、特に蒸発皿の外側に向かう送風がガイドで案内されることによって蒸発皿の内側の領域に向けられ、それだけ貯留された排水に対して多量の風が当てられることとなって蒸発がより促進され、すなわち貯留された排水を効率良く蒸発させて排出することができる。
また、蒸発皿がレールに沿って引き出され、室外に出たところ等で前下がり、すなわち後上がりに傾いたとしても、蒸発皿の側縁がガイドに当たることで送風ファンと干渉することが回避され、送風ファンが損傷を受けること等が防止される。
ガイドを別部材として設けた場合と比べると、構造が簡単となって安価に対応できる。また、ガイドを切り起こした跡にできる孔が蒸気を逃がす孔として機能し、蒸発をより促進することができる。
<請求項3の発明>
蒸発皿からの蒸気は、排気ファンで引かれて速やかに室外に排出される。これによっても、蒸発皿からの蒸発が促進される。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図6によって説明する。この実施形態では、冷蔵ショーケースに適用した場合を例示している。
本実施形態の冷蔵ショーケースは、図1及び図2に示すように、縦長のケース本体10の下面側に、背の低い機械室11が設けられた構造であって、機械室11の下面に取り付けられた脚12によって支持されている。ケース本体10は前面開口の断熱箱体により形成され、内部が貯蔵室14とされており、その前面開口には、一対のガラス扉15が観音開き式の開閉可能に装着されている。
貯蔵室14の天井部には、エアダクトを兼ねたドレンパン30が張設されて、その上方に冷却器室31が形成されている。ドレンパン30の底面は、奥縁(図2の右側)に向けて下り勾配となるように形成されている。冷却器室31の底面における手前側の位置には吸込口32が設けられているとともに、奥面側には吹出口33が形成されている。
除霜運転は、除霜ヒータ38に通電して冷却器35を加熱することで行われ、除霜水はドレンパン30で受けられたのち排水通路40、排水ホース42を流下し、機械室11内に設置された蒸発ユニット50の蒸発皿51で受けられるようになっている。
蒸発皿51は、ステンレス鋼板等の金属板製であって、図4にも示すように、やや深めで、奥行方向に細長い角皿状に形成されている。蒸発皿51の奥行は、機械室11の奥行の2/3程度である。蒸発皿51の前面の上縁には、手前と下方とに二度直角曲げされた鈎型をなす把手52が形成されている。
そしてレール55は、同図に示すように、底板57の前縁が、機械室11の底面枠17における前縁枠17Aに上面から当てられて、左右両端部がねじ44で止められるとともに、アングル56が、底面枠17における前縁から少し入った位置に配された横枠17Bに前面から当てられ、同じく左右両端部がねじ45で止められるようになっている。なお、底板57を止めるねじ44は、皿ねじ等を用いることにより、頭部が底板57の上方に突出しないようにすることが望ましい。
支持部材70は詳細には、若干奥行方向に長い長方形をなす上面板71の左右の側縁から、脚板72A,72Bが下向きに直角曲げされて形成されている。上面板71の中央部には、送風ファン60の羽根63を挿通可能な正方形の窓孔73が開口されている。また、上面板71の前縁からは、垂下長が脚板72A,72Bの半分程度の取付板74が、直角曲げされて形成されている。
この支持部材70には、ブラケット65ごと送風ファン60が支持される。送風ファン60を取り付けたブラケット65は、その水平板66が、支持部材70の上面板71の幅方向の中央部において、窓孔73の前後の口縁間に渡され、ねじ47で止められて固定される。送風ファン60の羽根63は、図5に示すように、窓孔73を通って上面板71の下面側に突出した状態となる。
このファンカバー80は、前面板82の下端部が支持部材70の取付板74の外側に重ねられ、幅方向の両端部がねじ48で止められるとともに、後縁の取付板83が、上記したブラケット65の縦板67の上端部の内側に重ねられて、ねじ49で止められており、これにより、ファンカバー80が送風ファン60の上方を覆って取り付けられている。
なお、機械室11における蒸発ユニット50の設置位置の後方位置、詳細には、背面開口11Bの少し手前の天井部において、蒸気排出用の排気ファン87が設けられている。排気ファン87は、軸線が後方の斜め上方に傾いた姿勢を取り、例えば横方向に2個並んで配されている。
詳細には、図3ないし図5に示すように、支持部材70の正面から見た左側の脚板72Aには、前後両端部に寄った位置、言い換えると、送風ファン60の羽根63の前縁、後縁とほぼ対応する位置において、下縁から約2/3高さにわたって縦向きの切り込みが入れられている。そして両切り込みの間の領域における下側の約2/3が切除され、残った上部の約1/3の高さの板面が、内側に向けて45度程度の角度で叩き出されることによってガイド板75が形成されている。
ガイド板75は、図5に示すように、送風ファン60の羽根63と干渉しないように、羽根63よりも下方位置に設けられている。また、ガイド板75は、レール55内に収容された蒸発皿51における左側板54の上縁よりも、所定間隔を開けた上方に配されているが、ガイド板75の突出端は、左側板54の上縁よりも内側に突出している。したがって、蒸発皿51が上方に移動した場合に、左側板54の上縁がガイド板75に当たることで、それ以上の上方への移動が規制されるようになっている。
蒸発ユニット50は、一部既述したように、機械室11内の中央幅位置から少し右側に寄った位置に設置され、図3に示すように、レール55の底板57の前縁が機械室11の底面枠17の前縁枠17Aに、外底面のアングル56が底面枠17の横枠17Bにそれぞれねじ44,45で止められ、同ユニット50が、底面枠17の前縁から奥行の中間よりも少し奥まで延びた状態で固定される。蒸発皿51はレール55の奥まで押し込まれる。
それとともに送風ファン60並びに排気ファン87が駆動される。送風ファン60の駆動に伴い、図5に示すように、蒸発皿51に溜められた貯留水Wに向けて送風ファン60から風が下向きに当てられ、これにより貯留水Wの蒸発が促される。蒸気は、主に蒸発皿51の奥側の領域から立ち上る。また、一部の蒸気は、ガイド板75の下方の開口77を通ってユニット50の左側に排出される。
なお、冷蔵ショーケースの背面が壁にべた当たりされて設置された場合は、背面ダクト20の背部排気口21Aが塞がれるが、上部排気口21Bが設けられていることで、確実に排気できる。
除霜運転が停止してから所定時間が経過したら、排水の蒸発並びに蒸気の排出がほぼ終わったと見なされて、送風ファン60並びに排気ファン87の駆動が停止される。
それには、図3の矢線Xに示すように、機械室11の前面パネル23の上縁を手前側に引いてキャッチとストライカ25との嵌合を外しつつ斜めに開放し、そののち持ち上げてヒンジ部24から抜くことによって、図6に示すように前面パネル23が外される。
また、蒸発皿51がレール55に沿って引き出され、室外に出たところ等で前下がり、すなわち後上がりに傾いたとしても、蒸発皿51の左側板54の上縁がガイド板75に当たることで送風ファン60と干渉することが回避され、送風ファン60が損傷を受けること等が防止される。
ガイド板75は、支持部材70の左側の脚板72Aから切り起こすといった簡単な加工形態で形成できるから、安価に対応できる。また、ガイド板75の切り起こし跡等によってできた開口77が、蒸気を逃がす孔として機能し、蒸発をより促進することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、送風ファン等の荷重を受けた場合の強度を考慮して、支持部材の左側の脚板のみにガイド板を設けたが、強度が十分に確保されれば右側の脚板にも対称にガイド板を設けるようにしてもよく、それにより送風ファンの風をさらに効率良く貯留水に当てることができる。
(2)ガイド板は、支持部材とは別部材として備えて、後付けするようにしてもよい。
(3)蒸発皿は、機械室の前面に限らず、他の側面から出し入れできるようになっていてもよい。
(4)蒸発ユニットの設置場所は必ずしも機械室に限らず、例えば備品の収納室等のケース本体に付設された他の付属室であってもよい。
(6)除霜の形態は、冷却器を除霜ヒータで加熱することに限らず、ホットガスを流通するようにしてもよい。
(7)蒸気の機外への排出がスムーズに行われる構造となっていれば、排気ファンを設けることは必ずしも必要としない。
(8)本発明は、上記実施形態に例示した冷蔵ショーケースに限らず、冷蔵庫、冷凍冷蔵庫等の排水の蒸発機能を備えた冷却貯蔵庫全般に広く適用することができる。
(9)除霜水を蒸発皿に導く排水ホースは、軟質合成樹脂からなる柔軟性に富んだものでも、あるいは硬質塩化ビニル等の硬質合成樹脂からなるパイプであってもよく、硬質パイプの場合は、軟質ホースを配管する場合と違って、格別の支持手段は必要としない。
Claims (3)
- 貯蔵庫本体に付設された機械室等の付属室には、除霜水等の排水を貯留する蒸発皿がレールに沿って出し入れ可能に設置され、
このレールを跨いで設けられた支持部材の上面には送風ファンが下向きに設けられるとともに、この送風ファンの上方が、通孔が形成されたファンカバーで覆われており、前記送風ファンからの風により貯留された排水の蒸発を促進するようにした冷却貯蔵庫において、
前記支持部材が前記レールにおける手前側の領域に設けられ、
前記支持部材における前記蒸発皿の出し入れ方向に沿った側面には、前記送風ファンから送出された風を前記蒸発皿内の領域に向けて案内するガイドが設けられているとともに、
前記ガイドは、前記蒸発皿における出し入れ方向に沿った側縁の上方に張り出して設けられ、前記蒸発皿が引き出されて前下がりに傾動した場合には、前記蒸発皿の側縁における奥側の上縁を当てて上方への移動を規制するようになっていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記ガイドは、前記支持部材の側面を切り起こして形成されていることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。
- 前記付属室には、前記蒸発皿からの蒸気を引いて前記付属室の外部に排出する排気ファンが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷却貯蔵庫。
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