JP4504113B2 - 被覆ワイヤロープ - Google Patents

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Description

本発明はワイヤロープとりわけクレーンやエレベータなどにおける動索として好適な被覆ワイヤロープに関する。
エレベータの巻上げ索や、クレーンなどの荷役機械などで使用される動索は、シーブを経由して移動され、巻き取られるので、全長にわたって張力と曲げが作用する厳しい条件におかれる。しかも、たとえば、エレベータの巻上げ索においては、シーブを小径化してシステムのコンパクト化が強く要望されており、これを実現するためには、使用されるワイヤロープそのものの耐曲げ疲労性の向上が不可欠である。
従来、シーブ径とロープ径の比が、D/d:40程度で使用される動索用のロープとしては、JIS・G・3525や3546等で規定されるように、繊維または鋼のストランドあるいはロープで作られた心ロープの外周に複数本の側ストランドを配して撚合した構造のものが使用されていた。
しかし、この構造では、心ロープと側ストランドに高い面圧が生じ、かつ、ロープがシーブなどで曲げられることにより心ロープと側ストランドの摩擦が発生する。これにより心ロープが摩滅してロープの直径が減少すると、ますます隣接している側ストランド同士の面圧が増加する。その結果、各ストランドが摩耗したり、心ロープと側ストランドを構成するそれぞれの素線の断線が発生したりする問題があった。
また、側ストランドがシーブと常時メタルタッチして相対摺動するので、騒音が大きくなるばかりか、通常相対的に軟質であるシーブが摩耗し、高価なシーブの交換に多大な手間と時間がかかる問題があった。
さらに、錆の発生や疲労性向上のためにロープ使用中に塗油が必要であり、その油によってシーブとロープ間の摩擦係数が低下し、シーブとロープ間の滑りによってシーブの回転がロープに正確に伝達されにくくなり、ロープに連結された物体の位置制御の精度が低下する。たとえばエレベータにおいては、シーブの回転運動とかごの上下運動が正確に連動しなくなり、かごの正確な位置制御が困難になる。その対策として、シーブの溝にアンダーカットを設けるなど特殊な加工を施したり、ダブルラップ方式でロープを巻回するなどの処置をとらなければならず、結果として、設備コストが高くなったり、ロープの取り付け及び交換に非常に時間がかかる問題を生じさせていた。
側ストランド相互間の接触による摩耗防止策としては、側ストランド相互間にスペースを設けることが効果的である。その方法としては、側ストランドを意図的に細い径に作り、そうした側ストランドを心ロープの周りに複数本配することで各側ストランド間に空隙を作ることが行なわれているが、ロープを撚る際に、側ストランドの位置が不安定となり、各側ストランド間の空隙が不均等になることを避けられない。
このため、側ストランド同士が直接接触して摩耗したり、素線の断線を起すなどの問題が発生し、実効が得られない。また、側ストランドの金属的接触を防止するために被覆を設けようとしても、側ストランド間の樹脂層の厚さが不均等になり、樹脂介在層の薄い部分が破壊され、あるいは側ストランド同士が直接接触して摩耗することを防止できないので、有効ではなかった。
打開策として、心ロープと側ストランド間の各略三角形状の空隙に、この形状(三角形状)をなした部材を介在させ、側ストランドとともに撚り込む構造としたロープがある。
この先行技術によれば、心ロープと側ストランド間の接触は防止されるが、側ストランドが相互に直接接触するので、摩耗が発生することを依然として回避できない。これを回避するには各側ストランド間にも成形充填材を介材させることが必要であるが、側ストランドは複数本の素線を撚り合わせているため複雑な凹凸を有する断面形状となっており、これに合致する断面形状の充填材を製作することが困難である。
また、撚り合わせ時にかかる充填材を側ストランドの断面形状と正確に合致させて配置することが難しい。そのため、隙間の発生や充填材の破損を避けられず、ロープの使用中に成形充填材が脱落して側ストランドが相互に直接接触しやすい。また、側ストランドの外接円部分がシーブと常時メタルタッチして相対摺動するので騒音が発生し、また軟質なシーブが摩耗してシーブの交換に多大な手間と時間がかかる問題は依然として解消されない。さらに、塗油が必要であるから、油によってシーブとロープ間の摩擦係数が変化し、シーブの回転がロープに正確に伝達されにくくなる問題も依然として残る。
特開昭60−9987号公報 特開昭57−121684号公報 特開昭54−30962号公報
本発明は前記のような問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、曲げに対する良好な柔軟性を備え、しかも心ロープと側メンバーのそれぞれにおける素線同士の接触による磨耗、心ロープと側メンバーの接触による磨耗および側メンバー相互の接触による摩耗を確実に防止して耐曲げ疲労性を向上させ、また同時にシーブと側メンバーとの直接接触による摩耗を確実に防止してシーブとの良好な駆動力伝達と静粛性を実現することができる動索用の被覆ワイヤロープを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、心ロープと側メンバーのそれぞれにおける素線同士の接触防止、心ロープと側メンバーの接触防止および隣接する側メンバー相互の接触防止を、簡単な構造によって実現することができ、しかも特別な撚線機も用いずに低コストでの製作が可能な被覆ワイヤロープを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の被覆ワイヤロープは、心ロープと、これの外周に配されて撚合された複数本の側メンバーと、前記側メンバーの外接円を越える外層樹脂層を有する全体樹脂被覆を備えたロープであって、前記心ロープが、合成樹脂心とこれの周りで相互間に隙間を有するように撚り合わされた複数本の側ストランドを有する心ロープ本体とこれを内包する樹脂被覆層を備え、側メンバーが、合成樹脂心とこれを囲み相互間に隙間を有するように撚合された複数本の側ストランドを有し、前記心ロープの樹脂被覆層はロープの撚りピッチと等しいピッチで形成された複数のらせん状の溝からなるスペーサー部分を外周に有し、各らせん状の溝は、側ストランドの谷間に介在させるためのらせん状の突起によって隣り合う同士が区分されて各側メンバー間にそれぞれほぼ均等な隙間が形成されおり、側メンバーの外接円を越える前記外層樹脂層と一体化して求心状に延びる樹脂層が前記側メンバー間の隙間を埋めるとともに前記らせん状の突起と接し、かつ前記樹脂層の一部が各側メンバーにおける隣接する側ストランド間の隙間をも埋めていることを基本的な特徴としている。
本発明によるときには、心ロープの心ロープ本体が、樹脂製の心であるため心と側ストランド間で金属接触が生じず、また側ストランド相互間に隙間を形成しているので、側ストランド同士の接触圧が低減され、磨耗損傷(フレッティング断線)を防止することができる。そして、心ロープの心ロープ本体を外囲する樹脂被覆層が、心ロープ本体を構成する側ストランドの前記隙間に侵入するので、さらにいっそう金属接触を防止できる。
側メンバーにおいても、同様に樹脂製の心であるため心と側ストランド間で金属接触が生じず、側ストランド間に隙間を形成しているので、側ストランド同士の接触圧が低減され、磨耗損傷し難くすることができる。
心ロープの心ロープ本体を外囲する樹脂被覆層により心ロープ本体と側メンバーとが実質的に離隔されているため、心ロープと外側ストランド間の接触による摩耗が防止される。また、側メンバーの各谷間に介在する樹脂質のスペーサー部分により各側メンバー間にほぼ均等な隙間が形成されるので、側メンバー同士の金属接触が防止され、かつ、側メンバーを外囲する外層樹脂から求心状に伸びる樹脂層で前記隙間が埋められているので、側メンバーの相互間隔に全く変動が生じないとともに、各側メンバー間に介在している樹脂層が緩衝材として機能するので、各側メンバー間の摩耗が完全に防止される。
しかも、前記側メンバーを外囲する外層樹脂と一体の樹脂層が側ストランド間または側素線間の前記隙間に侵入するので、側ストランド間または側素線間の金属接触を防止できる。
したがって、これらの相乗効果により、耐曲げ疲労性が向上し、ロープの寿命を長くすることができる。
また、側メンバーの外接円を越えた全体被覆樹脂層を有しているので、シーブと側メンバーとのメタルタッチによる摩耗が防止され、全体被覆樹脂層はシーブよりも硬さが小さいのでシーブの摩耗を防止できる。しかも全体被覆樹脂層によりシーブとの接触時の騒音が低下され、静粛性が保たれる。それでいながらシーブと良好な摩擦係数が得られ、シーブからの力を側メンバー及び心ロープに確実に伝達することができる。また、ロープの断面がほぼ円形となるため、自転やねじれの影響も軽減される。ロープ使用上も無給油で済むので周囲の汚損が回避されるというすぐれた効果が得られる。
側メンバーは、合成樹脂心とこれを囲みかつ1個所以上相互間に隙間を有するように撚合された複数本の側ストランドを備えたシェンケル構造であるか、または合成樹脂心とこれを囲みかつかつ1個所以上相互間に隙間を有するように撚合された複数本の素線を備えたストランド構造からなる。前者は、素線径を細くすることができるので、小さいシーブ径をに容易に対応することができ、また、心ロープの心ロープ本体と側メンバーが同じ構造であるため、製作が容易であり、また、多層撚り構造でないため側ストランド間の隙間の形成とこれへの樹脂充填を行い易い利点がある。
前者のシェンケル構造の場合、心ロープ及び/又は側メンバーの側ストランドが、合成樹脂心とこれを囲みかつ1個所以上相互間に隙間を有するように撚合された複数本の素線からなるものを含む。これによれば、側ストランドを構成する素線間にも樹脂が充填されるので、金属接触を回避ないし接触面圧を軽減することができ、曲げ疲労性を一段と向上することができる。
好ましくは、ロープのピッチ倍数がロープ径の7〜15倍である。このようにロープ全体の撚りピッチを大きくすることで弾性係数を高くすることができるので、荷重下における構造伸びを抑制できるとともに生産性が向上し、そのような大きな撚りピッチ倍数でも外層樹脂被覆をするため形状安定性に問題はない。
好ましくは、心ロープの撚りピッチを側メンバーの撚りピッチよりも小さくする。これにより、ロープ中心にあってより荷重負担の大きい心が伸びやすくなるため、ロープ全体の荷重バランスが揃い、心の先行損傷を防ぐことができる。すなわち、ロープに荷重がかかった場合に、心ロープと側メンバーに均等な荷重が加えられ、破断荷重をほぼ均等にすることができる。
好適には、スペーサー部分は、心ロープ本体を外囲する樹脂被覆層の外周部分に間隔的に形成された複数のらせん状の溝であり、各らせん状の溝はロープの撚りピッチと等しいピッチを有するとともに、各側メンバーの構成素線の1本以上が入り込み得る幅を有し、かつ各らせん状の溝は、側メンバーの谷間に介在させるためのらせん状の突起によって隣り合う同士が区分されている。
この態様によれば、心ロープ本体の樹脂被覆層それ自体が心ロープ本体と側メンバーとを離隔する手段であると同時に、各側メンバー間に均等な隙間を形成する手段を兼ねることになるので、使用部品数が少なくてすみ、撚り工程も汎用の撚線機で実施できる。また、ロープ使用中に各側メンバー間の隙間の大きさが変動せず、スペーサーの移動や摩耗損傷も起こらないので、素線寿命まで確実に緩衝材の役割を保持できる。
前記態様において、心ロープ本体を外囲する樹脂被覆層とらせん状の溝は、らせん状突起形成用の溝を間隔的に有するノズルを樹脂押出し機に組み込み、心ロープ本体を前記ノズルに挿通しつつノズルを回転させることで作られる。これによれば、樹脂被覆層とスペーサーの製作を能率よく低コストで行なえる。
本発明によるロープは、心ロープとこれの外周に配されて撚合された複数本の側メンバーと、前記側メンバーの全体を囲む樹脂被覆を有するロープであって、合成樹脂心の周りに複数本の側ストランドを配して撚り合わせて心ロープ本体を形成する工程と、合成樹脂心の周りに複数本の側ストランドを配して撚り合わせて側メンバーを形成する工程と、心ロープ本体を内包し、外周部分にスペーサーとして複数のらせん状の溝を間隔的に形成した樹脂被覆層を加工して心ロープを作る工程と、各らせん状の溝に側メンバーのそれぞれの一部が入り込むように配して撚り合わせ、各側メンバー間にほぼ均等な隙間が形成された素ロープを製作する工程と、押出し機に素ロープを通すことにより側メンバーの外接円を越える樹脂外層を形成するとともに、前記各側メンバー間の隙間および各側メンバーを構成するストランド間の隙間を満たす介在樹脂層を形成する工程で作られたものである。
この構成によれば、素ロープの製作を汎用の撚線機で行なえ、また、それぞれの側メンバーを囲む樹脂被覆を施さないで済み、被覆工程が1回で済むので、製作が容易であり、低コストで能率よくロープを製作できる。
本発明の他の形態や利点は以下の詳細な説明で明らかにするが、本発明の基本的特徴を備えている限り、実施例に示される構成に限定されるものではない。当業者は本発明の思想あるいは範囲から外れることなしに、種々の変更並びに修正が可能となることは明らかであろう。
以下本発明の実施例を添付図面を参照して説明すると、第1図ないし第9図は本発明による被覆ワイヤロープの第1態様を示している。
図1において、符号RP1はロープ全体を指しており、単一の心ロープ1と、複数本の側メンバー2と、前記側メンバー2を内包するように施された全体被覆樹脂3とから構成されている。ロープ構造としては,7×(6×7)である。
心ロープ1は、図4のように、心ロープ本体1aを内包するように樹脂被覆層1bを設けている。前記心ロープ本体1aは、棒状又は線状の合成樹脂心4の周りに6本のストランド5を配して撚合したシェンケル構造からなる。側メンバー2は、本態様においては、合成樹脂心4の周りに6本のストランド5を配して撚合してなるシェンケル構造からなる。
前記合成樹脂心4は、伸びをよくすることと心―ストランドの金属接触を生じさせない役割を果たす。合成樹脂心4は、耐摩耗性等を考慮して、ポリ塩化ビニール、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン及びこれら樹脂の共重合体など各種のものから選択すればよく、ポリウレタン系たとえばエーテル系ポリウレタンなどで代表される耐摩耗性、耐候性、柔軟性(耐ストレスクラック性)、適度の弾性を有する樹脂も使用できる。
ただ、樹脂被覆層を施したり、全体被覆樹脂を施したりするときの熱影響により軟化して形状が崩れなくするために、好ましいものとしては、融点が120℃以上で,引張り強さ20Mpa以上の熱可塑性樹脂、たとえば、ポリプロピレンや、高密度ポリエチレンなどが挙げられる。
なお、合成樹脂心4は、撚り線状の熱可塑性樹脂で構成されていてもよい。また、中心に補強線を配し、その周りに合成樹脂層を設けたものであってもよい。
前記補強線は複数本を撚り合わせたものであってもよい。材質としては鋼素線、銅などの他の金属であってよいし、合成繊維であってもよい。
合成樹脂心4の太さ(d2)は、各ストランド5間の接触圧を低減するために、ストランド5の太さ(d1)よりも直径換算で大きいことが必要である。具体的には、積み重ね径より10%以上増径されていることが好ましいので、通常、ストランドの太さは合成樹脂心の太さに対し、0.70 〜0.80程度が好適である。このように設定することで、図3のようにストランド5間に適度な大きさの隙間(S1)を形成することができる。しかし、隙間は必ずしも均等な大きさでなくてもよく、いくつかのストランド同士が接触してあっていてもよい。しかしすべてのストランドが接触することは適当でない。
ストランド5は、この例では、中心素線50の周りに6本の側素線51を配して撚り合わせた構造となっているが、これに限定されるものではなく、S(19) などでもよい。素線は鋼素線が用いられる。
素線の径(δ)は、小径のシーブを採用してもこれによる繰り返し曲げによる疲労に対応できるように選定されるが、一般に、ロープ径をDとすると、好適には、15≦D/δ≦100の高強度素線が用いられる。たとえば、引張り強さ2400Mpa以上の特性を有するものが使用される。かかる鋼素線は、炭素含有量が0.70wt%以上の原料線材を伸線することで得られる。素線は表面に薄い耐食性被覆たとえば亜鉛めっき、亜鉛・アルミ合金めっきなどを有していてもよい。
心ロープ本体(心シェンケル)1aにおける素線と径と、側メンバー2における素線径は、通常0.2〜0.45mmから選択される。心ロープ本体1aの側ストランド5における心素線径と側メンバー2の側ストランド5における心素線径は同等でもよいし、相違していてもよい。また、心ロープ本体1aの側ストランド5における側素線径と側メンバー2の側ストランド5における側素線径は同等でもよいし、相違していてもよい。
合成樹脂心4は円形断面のものでもよいし、外周にストランドまたは素線を位置決め配置するのに適したらせん状の溝を形成しておいてもよい。前者であっても、ストランドを配した図3の状態から撚り合せることで、発生する強い圧縮力により合成樹脂心4は、仮想線のようにストランドの並びに即した形状(この例では星型)に変形し、各半径方向突起がスペーサーとなってストランド間に好ましい隙間を形成できる。
心ロープ1の樹脂被覆層1bの樹脂は、ポリ塩化ビニール、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン及びこれら樹脂の共重合体など心ロープ本体1aと接着性の良い熱可塑性樹脂を用いることができる。しかし、繰り返し曲げを受けても樹脂が劣化せず、ロープ形状が良好に保たれるように,好ましくは引張り強さ30MPa以上、D硬度50以上の熱可塑性樹脂が用いられる。その例としては、アクリル系、ポリウレタン系たとえば、エーテル系ポリウレタンやそのエラストマーなどが挙げられる。
ロープ全体として樹脂は物理的、化学的特性が同質ないし近似している方がよいので、全体被覆樹脂3と同じか近似した材質が好ましい。全体被覆樹脂3と異なる樹脂を使用する場合には、全体被覆樹脂3との接着性が良好であるものが好ましい。
樹脂被覆層1bは、側メンバー2と心ロープ本体1aの直接的接触を阻止するために、心ロープ本体1aの外接円を十分に超える厚さを有している。
前記樹脂被覆層1bは、心ロープ本体1aを構成しているストランド5の輪郭を同形で囲み、しかも合成樹脂心4とストランド5の径の相違により形成された隙間S1を埋めるように進入し、これによりストランド5間を隔て、緩衝作用を得るようになっている。
樹脂被覆層1bは、外周に側メンバー相互間に隙間を形成するためのスペーサー部分を一体に有している。すなわち、樹脂被覆層1bの外周には、らせん状の溝10が側メンバー2の本数分だけ均等な間隔で形成されており、各らせん状溝10のピッチは、ロープの撚りピッチと等しくなっている。
各らせん状溝10は、側メンバー2を構成するストランド5の素線を1本以上落し込め得る深さと幅を備えている。この例では3本の素線が位置できるように弧状断面となっている。そして、隣り合う各らせん状溝10、10は、らせん状の連続する突起11で区分されており、各突起11は、図5のように、各側メンバー2の谷間に延び得る高さを有しており、突起頂部は平坦状になっている。
それぞれの側メンバー2は、樹脂被覆層1bの各らせん状溝10に沿わせられ、その状態で撚り合わされている。この状態が図5であり、それぞれの側メンバー2は、3本の側素線が円弧を描くらせん状の溝底に接することで安定的に保持され、そうした各側メンバー2の間にほぼ均等な間隔配置のらせん状の突起11が介在されるので、側メンバー間には、ほぼ均等な大きさの隙間S2が確保されている。なお、図5では、側メンバー2を構成するストランド5のうち幾つかだけ詳細な構造を示し、他は省略している。
前記心ロープ本体1aの撚りピッチは側メンバー2の撚りピッチと同等以下が好ましい。これは、ロープに荷重がかかったときに、心ロープ1と側メンバー2に均等な荷重が加わるようにするためで、具体的には、心ロープ本体1aのピッチ倍数を4.0〜8.0、側メンバー2のそれを6.0〜12.0とする。
これは、心ロープピッチ倍数/側メンバーピッチ倍数:0.3〜1.0である。これにより、心ロープ本体1aの弾性係数が70〜100GPa,側メンバー2の弾性係数が100〜130GPaとなり、荷重負担の大きい心ロープ本体1aが伸びやすいため、ロープ全体の荷重バランスがとれ、心ロープ本体の先行損傷を防ぐことができる。
そして、ロープ全体の撚りピッチ倍数 すなわちロープ径に対するロープ全体の撚りピッチは、7〜15と長いことが好ましい。通常のロープにおいては6.0〜6.5であるが、前記のようにロングピッチとすることで内層に樹脂被覆層1bがあるにもかかわらず弾性係数を増加することができる。
外層被覆3の樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどでもよいが、耐摩耗性、耐候性、柔軟性(耐ストレスクラック性)に加え、シーブとの摩擦係数の調整を図るべく適度の弾性を有し摩擦係数が比較的高く、加水分解しない熱可塑性のものが好ましい。その例としては、アクリル系、ポリウレタン系たとえば、エーテル系ポリウレタンやそのエラストマーなどが挙げられる。
外層被覆樹脂3は、図2において一点鎖線で示す側ストランド外接円を越える円筒状の外層300と、側メンバー2、2間の輪郭を同形で囲みつつ各隙間S2に圧入充填された樹脂層301を有している。これにより、側メンバー2、2間の金属接触が完全に止められ磨耗損傷が防止され、かつスペーサー部分と協働して素線寿命まで緩衝材の役割を保持することができる。
前記外層300の側メンバー2の外接円からの厚さtは、これが薄すぎると耐久性に乏しく、摩耗寿命も低下する。しかし、厚すぎると動索としての柔軟性が損なわれ、また、ロープ径が太くなって強度効率が低下するので、これらを考慮してロープ径の1/5程度以下、たとえば、0.3〜2.0mmとすることが好ましい。
各樹脂層301は外層300と一体をなし、側メンバー2間で外層300から分岐するような形で求心状に延び、樹脂被覆層1bの突起11にまで到り、これと接合している。
そして、外層300と樹脂層301は、図2のように側メンバー2を構成しているストランド5,5間の隙間S1を埋めるように進入し、これによりストランド5間を確実に隔て、緩衝作用を得るようになっている。したがって、ストランド相互の接触による磨耗損傷が有効に防止される。
なお、心ロープ1のロープ本体1aの樹脂心4の軟化温度は、被覆樹脂1bのそれ、外層樹脂3のそれと同等か高いことも好適である。
第1態様のロープを製作する方法を説明すると、心ロープ本体1aと側メンバー2をそれぞれ作成する。これは、合成樹脂心4を鏡板の中心孔に挿通し、これと同心円状に位置する等間隔配置の孔から複数本のストランド5を導いて,ボイスにて合成樹脂心4の周りで撚りあわせることで連続的に得られる。合成樹脂心4が増径されていることと、ストランドよりも軟質であることにより、合成樹脂心4は、図3の状態からストランド5の内側と接する部分が変形し、隣接するストランド5同士が隙間を持ちつつ安定して座る状態になる。
この工程において、心ロープ本体1aと側メンバー2のそれぞれの撚りピッチは前述のように心ロープ本体1aのそれを側メンバー2のそれよりも小さくする。
こうして得られた心ロープ本体1aを樹脂押出し機に連続的に通してらせん溝付きの樹脂被覆層1bを有する心ロープ1を製作する。
図6ないし図8はこの工程を示しており、スクリュー式などの押出し機9の端部に特殊なノズル91を組み込んだ回転体92を組み込んでいる。ノズル91は溝10を成形するための内径方向に凸になった型部911と、突起11を成形するための外径方向に凹となった型部910が周方向で交互に繰り返された貫通穴を有している。このノズル91は外周に歯車を持つ回転体92に回り止めされた形で組み込まれている。回転体92はウォームギヤなどの駆動体93によって押し出し軸線の周りで回転されるようになっている。そして、駆動体93は、下流の引取りキャプスタン12と同期回転されるように駆動系14に組み込まれ、心ロープ1の引き出し速度と回転体92の回転が同期するようになっている。
したがって、心ロープ本体1aを押出し機9のノズル91に挿通し、引取りキャプスタン12を駆動して引き出し、巻取り機13に巻き取りつつ、押出し機9で加熱溶融した樹脂30を加圧すれば、ノズル91の型部911、910により、溝と突起を外径側に有する樹脂被覆層1bが心ロープ本体1aの周りに成形される。しかも、引取りキャプスタン12の動力を伝達された駆動体93により回転体92およびこれと一体化しているノズル91が回転するので、溝と突起は継ぎ目のないらせん状になるのである。
次いで、図9のように、らせん溝付きの樹脂被覆層1bを有する前記心ロープ1を繰り出すとともに、側メンバー2を繰り出し、鏡板6を通してボイス7に導き、ロープに撚り合せる。このときのピッチ倍数は前述のように7〜15のロングピッチとする。
鏡板6は中心に心ロープ挿通孔60を有し、これよりも外周に等間隔で側メンバー挿通孔62を有している。鏡板6を回転させつつこれに前記心ロープ1および側メンバー2を通してボイス7に導けば、各側メンバード2、2は樹脂被覆層1bの外周に等間隔にある各らせん状溝10にそれぞれ整然と配置され、この状態を維持しながら撚り合わされる。これにより、図4のような素ロープAとなる。側メンバーの撚り方向とロープの撚り方向は逆であることが好ましく、たとえば、側メンバーの撚り方向をS方向としたときには、ロープの撚り方向をZ方向とする。
かかる素ロープAにおいては、心ロープ1が被覆樹脂層1bを有している関係から、その分だけ心ロープ1の径が増径され、側側メンバー2間に隙間を形成しやすい上に、らせん状の溝10と突起11の働きにより、各側メンバー2、2間に均等な隙間S2が正確に形成される。同時に側メンバー2と心ロープ1間は樹脂被覆層1bによって実質的に分離される。
素ロープAは一旦巻き取られるか、巻き取られずに図示しない洗浄機で洗浄されたのち、溶融した樹脂30を加圧押出しする押出し機9のダイス90中に通され、圧縮をかけられながら連続的に全体被覆が行われる。この被覆押出し時においては、たとえばJISにおけるA硬度90のエーテル系ポリウレタンであれば180〜200℃程度の溶融樹脂30が、素ロープAの全周から、各側メンバー2、2間の均等な隙間S1に圧入充填され、側メンバー2を構成している各ストランドの表面とストランド間の谷間にも圧入され、さらに、増径した樹脂心5によってストランド5間に形成されている隙間S1にも圧入される。これにより、側メンバー2,2間に均等な樹脂層301が形成される。
側メンバー2は凹凸の大きい複雑な断面形状となっており、溶融樹脂30はこの形状を満たし最終的に全側メンバーを覆う。したがって、側メンバー2を取り囲むように出来上がった円筒状の外層300の内側部分と側メンバー2との接着力が高く、ずれに対する抵抗が大きい。
しかも、前記側メンバー2,2間は各樹脂層301により完全にセパレートされ、各樹脂層301は侵入先端が樹脂被覆層1bの突起11にまで達する。そして、最終的にダイス90で半径方向から圧縮されるため、隣接する側メンバー2、2間、側メンバー2と心ロープ1間は樹脂分で埋められたものとなる。
前記樹脂層300、301の一部300�、301�はそれぞれの側メンバー2を構成しているストランド5,5の隙間S1にも圧入されるので、隣接しあっているストランド5,5が確実にセパレートされる。
心ロープ1と外層3のそれぞれの樹脂を同等ないし近似した材質とした場合、断面内の樹脂の物理的、化学的性質が均一であるため、シーブとの摩擦力やせん断力によって被覆が破れたり、ずれたりしにくくなる。
各樹脂層301と樹脂被覆層1bの突起11とは、少なくとも密に接する関係となる。被覆時に溶融樹脂30と被覆樹脂層1bの温度差が大きければ各樹脂層301と樹脂被覆層1bは一体化しにくいが、温度差が小さければ接着あるいは融着する。樹脂層301と樹脂被覆層1bができるだけ一体化されることが要求される場合には、図9のようにライン上に加熱器8を介在させ、素ロープAを、たとえば使用樹脂がエーテル系ポリウレタンであれば150℃以下たとえば60〜120℃前後に予熱することが推奨される。
この第1の態様は、各側メンバー2をあらかじめ樹脂被覆する工程が不要であり、ロープの全体被覆時に側メンバーの被覆を行えるので、生産性がよく、コストを安価にすることができる。
なお、ロープ製作工程は、種々の形態を採用可能である。すなわち、心ロープ1の樹脂被覆層1bが完全に固化しないベトついた状態で側メンバー2を撚りあわせてもよい。すなわち、被覆樹脂付きの心ロープ1の製作と素ロープの製作と全体被覆とをインラインで一貫連続して行ってもよい。これに代えて、被覆樹脂付きの心ロープ1の製作と、素ロープの製作とを不連続で行い、一旦巻き取った素ロープをその後に繰り出して全体被覆を行なってもよい。
図10は第1態様の別の例を示しており、ロープ全体を符号RP2で示している。
この例においては、心ロープ1における心ロープ本体1aが合成樹脂心4を有しているだけでなく、側ストランド5それ自体も、増径した合成樹脂心4�の周りに素線51を複数本配し、1個所以上相互に隙間を有するように撚合して構成されている。
また、側メンバー2においても、合成樹脂心4を囲む各側ストランド5は、増径した合成樹脂心4�の周りに素線51を複数本配し、1個所以上相互に隙間を有するように撚合して構成されている。
この構成によれば、側ストランドそのものにおいても素線51,51間に隙間が創成されるので、接触圧の緩和効果が大きく、断線を確実に防止できる。
各部の詳細な構成については、前記第1態様の説明を援用する。
なお、図示しないが、第1態様と組みあわせ、心ロープ本体1aについては図3の構成とし、あるいは、側メンバーについては図3の構成としてもよく、これらも本発明に含まれる。
図11と図12は本発明の第2態様を示している。この態様のロープは、全体をRP3の符号で示しており、単一の心ロープ1と、複数本の側メンバー2と、前記側メンバー2を内包するように施された全体被覆樹脂3とから構成されている。ロープ構造としては,IWRC+8×S(18)である。
この第2態様の心ロープ1は既述したところと同じであるから、相違点のみ説明すると、側メンバー2は複数本(図面では8本)用いられている。各側メンバー2は、多層型のストランドからなっている。その構造は任意であるが、この例では、8×S(18)、言い換えると8×S(a+9+9)構造からなっている。つまり、太い合成樹脂心4の周りに9本の相対的に細い素線203を配して撚り合せて内層2aとし、これの周りに相対的に径の太い側素線202を9本配して撚合した形態となっている。これに代えて、8×S(16)、言い換えると8×S(a+8+8)にしてもよく、そうすると側素線202間の隙間を大きくすることができる。
樹脂被覆層外周のらせん状の溝10とらせん状の突起11の数はしたがって8本であり、各らせん状の溝10は、側メンバー2の側用素線202の1本あるいは2本を嵌めうる幅の溝となっている。その他の構成は既述した説明を援用することとし、同じ部分に同じ符号を付すにとどめる。
全体被覆樹脂3は前記側メンバー2を内包するように施され、図11のように、側メンバー2、2間に圧入された樹脂層301と、側メンバー2の外接円を越えて囲む円筒状の外層300を有している。
その他の構成と製法はシェンケルをストランドと読み替える以外は第1態様と同様であるから、説明は援用する。
次に、本発明の具体例を説明する。
第1態様に示した構造が7×(6×7)で直径が10mmの被覆ロープ(実施例1)を製作した。心ロープ、側メンバーとも、外層の素線51は0.31mmφ、中心の素線50は0.33mmφで、いずれも引張り強度2900MPaを使用し、樹脂心には,直径が1.30mm、融点170℃,引張り強さ 35MPaのポリプロピレン線を使用した。
心シェンケルの本体は撚りピッチ倍数:5.2、側メンバーは撚りピッチ倍数:7.0(従って、心/側=0.74)とし、本体をエーテル系ウレタンで被覆層を形成した。ロープピッチ倍数は8.9とし、素ロープをエーテル系ウレタンで全体被覆した。側メンバーの外接円を超える被覆厚さtは0.5mmとした。
第1態様に示した、構造が7×(6×7)で直径が8mmの被覆ロープ(実施例2)を製作した。心ロープと側メンバーは、ともに外層素線51を0.25mmφ、中心の素線50は0.365mmφ、いずれも引張り強度3100MPaを使用し、樹脂心には,直径が1.00mm、融点127℃,引張り強さ25MPaの高密度ポリエチレン線を使用した。
心シェンケルの本体はピッチ倍数:5.0、側メンバーはピッチ倍数:7.2(従って、心/側=0.69)とし、本体をエーテル系ウレタンで被覆層を形成した。ロープピッチ倍数は9.8とし、素ロープをエーテル系ウレタンで全体被覆した。側メンバーの外接円を超える被覆厚さtは0.5mmとした。
上記実施例1,2の被覆ロープの疲労試験試験を行った。試験方法は、D/d=20、安全率10のよく知られているS曲げ疲労試験を用いた。
結果を、従来の8×S(19)10φ、A種と比較すると、曲げ回数比は従来品を1とした場合、実施例1は16、実施例2は20であった。また、残存強度率は、従来品10%以下、実施例1では93%、実施例2では98%であった。
本発明によれば良好な曲げ疲労性を実現できており、この結果は、心シェンケルと側メンバーのそれぞれにおける素線同士の接触による磨耗、心ロープと側メンバーの接触による磨耗および側メンバー相互の接触による摩耗が確実に防止され、また同時にシーブと側メンバーとの直接接触による摩耗が確実に防止されたことにより達成されたことが明らかである。
また、弾性係数を測定した結果を示すと、従来品(プレテンション加工つき)は60GPaであったのに対し、実施例1は82GPa、実施例2は85GPaであり、優れた特性であった。
本発明による被覆ロープの第1態様を示す部分切欠斜視図である。 (a)は図1のロープの拡大断面図、(b)はその部分的拡大図である。 心ロープ本体および側メンバーの撚り合わせ前の単体での拡大断面図である。 心ロープの拡大斜視図である。 全体被覆前の段階(素ロープ)を示す断面図 心ロープの製作状態を示す説明図である。 図6の部分的拡大図である。 使用するノズルの断面図である。 ロープ製作状態を示す説明図である 本発明の第1態様の別の例を示す拡大断面図である。 本発明の第2態様を示す部分切欠斜視図である。 図10の断面図である。
符号の説明
1 心ロープ
1a 心ロープ本体
1b 樹脂被覆層
2 側メンバー
3 全体樹脂被覆
4、4� 樹脂心
5 側ストランド
10 らせん状の溝
11 らせん状の突起
300 外層樹脂層
301 樹脂層

Claims (4)

  1. 心ロープ1と、これの外周に配されて撚合された複数本の側メンバー2と、前記側メンバー2の外接円を越える外層樹脂層300を有する全体樹脂被覆3を備えたロープであって、前記心ロープ1が、合成樹脂心4とこれの周りで相互間に隙間s1を有するように撚り合わされた複数本の側ストランド5を有する心ロープ本体1aとこれを内包する樹脂被覆層1bを備え、側メンバー2が、合成樹脂心4とこれを囲み相互間に隙間s1を有するように撚合された複数本の側ストランド5を有し、前記心ロープ1の樹脂被覆層1bはロープの撚りピッチと等しいピッチで形成された複数のらせん状の溝10からなるスペーサー部分を外周に有し、各らせん状の溝10は、側ストランド5,5の谷間に介在させるためのらせん状の突起11によって隣り合う同士が区分されて各側メンバー2,2間にそれぞれほぼ均等な隙間s2が形成されおり、側メンバー2の外接円を越える前記外層樹脂層300と一体化して求心状に延びる樹脂層301が前記側メンバー2,2間の隙間s2を埋めるとともに前記らせん状の突起11と接し、かつ前記樹脂層301の一部301´が各側メンバー2における隣接する側ストランド5,5間の隙間s1をも埋めていることを特徴とする被覆ワイヤロープ。
  2. ロープのピッチ倍数がロープ径の7〜15倍であり、心ロープ1の撚りピッチが側メンバー2の撚りピッチよりも小さい請求項1に記載の被覆ワイヤロープ。
  3. 心ロープ本体1aを外囲する樹脂被覆層1bとらせん状の溝10が、ほぼ等間隔でらせん状の突起形成用の溝を有するノズル91を組み込んだ押出し機9を使用して、心ロープ本体1aをノズル91に挿通しつつノズル91を回転させることで作られたものである請求項1に記載の被覆ワイヤロープ。
  4. 心ロープ1とこれの外周に配されて撚合された複数本の側メンバー2と、前記側メンバーの全体を囲む樹脂被覆3を有するロープであって、合成樹脂心4の周りに複数本の側ストランド5を配して撚り合わせて心ロープ本体1aを形成する工程と、合成樹脂心4の周りに複数本の側ストランド5を配して撚り合わせて側メンバー2を形成する工程と、心ロープ本体1aを内包し、外周部分にスペーサーとして複数のらせん状の溝10を間隔的に形成した樹脂被覆層1bを加工して心ロープ1を作る工程と、各らせん状の溝10に側メンバー2のそれぞれの一部が入り込むように配して撚り合わせ、各側メンバー2,2間にほぼ均等な隙間s2が形成された素ロープを製作する工程と、押出し機9に素ロープを通すことにより側メンバー2の外接円を越える樹脂外層300を形成するとともに、前記各側メンバー2,2間の隙間s2および各側メンバー2を構成するストランド間の隙間s1を満たす介在樹脂層301を形成する工程で作られた請求項1に記載の被覆ワイヤロープ。
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