JP5244275B2 - エレベータ装置の引張り部材および引張り部材の形成方法 - Google Patents

エレベータ装置の引張り部材および引張り部材の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、エレベータ装置に関し、特に、エレベータ装置のための引張り部材に関する。
一般的な牽引式エレベータ装置は、かご、釣合いおもり、かごと釣合いおもりとを連結する2本またはそれ以上のロープ、ロープを駆動する駆動綱車、及び駆動綱車を回転させる機械を備えている。これらのロープは、鋼製ワイヤをよったものつまり捻ったものであり、綱車は、鋳鉄からなるものである。機械として、ギアを備えたもの、もしくは備えていないもののどちらを利用することもできる。ギアを備えた機械によって、より小型で低コストの高速モータを使用することが可能となるが、付加的な整備及び空間が必要となる。
発明が解決しようとする課題
一般的な円形の鋼製ロープ及び鋳鉄製綱車は、非常に信頼性が高く、かつコスト効率が高いことが分かつているが、これらを使用する際には制限がある。1つの制限は、ロープと綱車との間の牽引力である。このような牽引力は、ロープの接触角を増大させること、もしくは綱車に溝部を切りこむこと、によって、増加させることができる。しかし、これらの技術を利用した場合、摩耗(接触角)もしくはロープ圧力(切りこみ)が増大することに起因して、ロープの耐久性が低下してしまう。牽引力を増加させる他の方法は、合成材料から形成されたライナを綱車の溝部に設けることである。このようなライナによって、ロープ及び綱車の摩耗が緩和されると同時に、ロープと綱車との間の摩擦係数が増加する。
円形の鋼製ロープを使用する際のもう1つの制限は、このような円形の鋼製ワイヤロープの柔軟性及び疲労特性に関する。エレベータの安全規約では、現在、各鋼製ロープの最小直径d(CENではdmin=8mm、ANSIではdmin=9.5mm(3/8“))が規定され、かつ牽引式エレベータのD/d比が40以上であること(D/d≧40)が要求されている。Dは、綱車の直径である。これにより、綱車の直径Dは、少なくとも320mm(ANSIでは380mm)と規定される。綱車の直径Dが大きいほど、エレベータ装置を駆動するために機械に要求されるトルクが大きくなる。
一般的な円形ロープの他の欠点は、ロープ圧力が大きいほど、ロープの寿命が短いことである。ロープ圧力(Prope)は、ロープが綱車上を移動する際に発生するものであり、ロープにおける張力(F)に正比例し、かつ綱車の直径D及びロープの直径dに反比例する(つまりPropeはF/(Dd)に比例する)。加えて、綱車に切りこみを入れるといった牽引力増大技術が適用された綱車の溝部形状によって、ロープが受ける最大ロープ圧力がいっそう増大する。
上述した技術があるにも拘わらず、本出願人の譲度人の指示下にある科学者及び技術者は、エレベータ装置を駆動するための、効率及び耐久性が優れた方法及び装置の開発に努めている。
課題を解決するための手段
本発明によると、エレベータ用の好適な引張り部材は、1より大きいアスペクト比を有し、ここで、アスペクト比は、引張り部材の幅w対厚さtの比として定義される(アスペクト比=w/t)。本発明の他の形態では、(円形ロープなどの)平形ロープ以外のロープが本発明の1つの構成によって利点を有する。
本発明の1つの特徴は、引張り部材の平坦な形状である。アスペクト比の増加により、ロープ圧力を分配するように最適化された幅寸法によって定められる接触面が得られる。従って、引張り部材における最大圧力が最小化される。さらに、アスペクト比が1に等しい円形ロープに比べて、アスペクト比を増加させることにより、引張り部材の断面積を一定に保ちながら引張り部材の厚さを減少させることができる。
さらに本発明によると、引張り部材は、共通のコーティング層内に含まれた複数の独立した荷重運搬コードを有する。このコーティング層は、個々のコードを分離するとともに、駆動綱車との接触面を定める。
引張り部材のこのような構成により、引張り部材に亘ってより均一にロープ圧力を分配することができる。これにより、同様の荷重運搬能力を有する従来のロープを備えるエレベータに比べて最大ロープ圧力がかなり減少する。さらに、同等の負荷容量において、(曲げ方向に測定された)有効なロープ直径“d”が減少する。従って、D/d比を減少させることなく、綱車直径“D”の値を小さくすることができる。さらに、綱車の直径Dが最小となることで、ギアボックスを必要とすることなく、低コストで、かつ小型の高速モータを駆動機械として使用可能となる。
本発明の特定の実施例では、個々のコードが金属製材料のストランド、有機繊維材料、またはこれらの組み合わせによって構成される。本発明の引張り部材に重量、強度、耐久性、そして特に柔軟性を有し、かつ適切な寸法に構成された材料のコードを組み込むことによって、最大ロープ圧力を許容限度内に維持する一方で、許容できる駆動綱車直径をさらに減少させることができる。上述したように、綱車の直径が小さいと、綱車を駆動する機械に要求されるトルクが減少するとともに、回転速度が増加する。従って、より小さく、かつ低コストの機械を使用してエレベータ装置を駆動することが可能となる。
引張り部材の耐用年数をさらに延長するために、本発明で使用する個々のコードは、フレッチングを防止するように処理される。この処理は、2段階で行われる。まず、外側ストランドには、中心ストランドよりも細いワイヤが使用される。この違いによって、外側ストランド間に間隙が形成される。従って、続いて所望の数のコードの周囲にロープ被膜を形成するときに、外側ストランド間の間隙に被膜が十分に侵入し、ストランド間の接触が防がれるとともにフレッチングが防止される。これは、効果的であり、耐用年数が長い柔軟な引張り部材が得られる。また、本発明では、さらに寿命が長いもしくは定格荷重が高い引張り部材を提供することを教示している。これに関して、本発明は、中心ストランドの周りに外側ストランドを巻きつける前に、各コードの中心ストランドの周りにポリマ被膜を設けることを教示している。このようにすることで、各コードにおいて、外側ストランドと中心ストランドとの接触が減少し、これらの間でフレッチングが起こらない。これにより、この技術を用いた引張り部材の荷重運搬能力が高くなるか、もしくはこのような引張り部材の耐用年数が長くなる。いずれの場合でも、産業において実質的に利益が得られる。本発明に従って内側ストランドをコーティングすることは、平形および円形の引張り部材を含むとともに、これらに限定されない全ての引張り部材に適用可能である。平形の引張り部材は、他の理由でも好ましいので、本発明は、平形のものに関して説明している。当業者であれば、平形もしくは円形(もしくは他の形状)の引張り部材を実施に用いることができる。
ここでは、駆動綱車を有するエレベータ用途で使用される牽引装置に関して主に説明したが、引張り部材は、間接ロープ式エレベータ装置、リニアモータ駆動のエレベータ装置、および釣合いおもりを有する自動推進式エレベータなど、引張り部材の駆動に駆動綱車を使用しないエレベータ用途でも有用かつ有益でありうる。このような用途では、エレベータ装置に必要な空間を減少させるために綱車の減少した寸法が有用でありうる。本発明に係る上記および他の目的、特徴、および利点は、以下の実施形態および添付図面によっていっそう明らかになる。
図1に、牽引式エレベータ装置12が示されている。エレベータ装置12は、かご14、釣合いおもり16、牽引駆動装置18、及び機械20を備えている。牽引駆動装置18は、かご14と釣合いおもり16とを相互に連結する引張り部材22と、駆動綱車24と、を備えている。綱車24の回転により、引張り部材22、ひいてはかご14及び釣合いおもり16が移動するように、引張り部材22は綱車24と接触している。機械20は、綱車24と係合して、これを回転させる。ギアを備えた機械20が図示されているが、この構成は単に例示的なものであり、本発明は、ギアを備えた機械または備えていない機械のどちらでも利用可能である。
引張り部材22及び綱車24は、図2により詳細に示されている。引張り部材22は、共通コーティング層28の内部に複数のコード26を含む単一部材である。各コード26は、それぞれ7本の捻られたストランドから構成され、各ストランドは、7本の捻られた金属製ワイヤによって構成されることが好ましい。本発明の好適実施例では、高炭素鋼が使用される。鋼は、冷間引抜きされるとともに亜鉛めっきされ、このような処理によって得られる周知の強度及び耐食性を有することが好ましい。コーティング層は、好ましくは、ポリウレタン材料であり、防火成分を含みうる。
図3を参照すると、好適な実施例では、コード26の各ストランド27は、7本のワイヤを有しており、中心ワイヤ31の周りに6本のワイヤ29が捻られた状態となっている。各コード26は、中心に配置された1本のストランド27aと、中心のストランド27aの周りに捻られた6本の外側ストランド27bと、を有する。好ましくは、中心ストランド27aを構成する個々のワイヤ29の捻りパターンは、中心ストランド27aの中心ワイヤ31の周りに単一方向に捻られたものであり、外側ストランド27bのワイヤ29は、外側ストランド27bの中心ワイヤ31の周りに反対方向に捻られている。ストランド27aにおいてワイヤ29が中心ワイヤ31の周りに捻られているのと同一の方向で、外側のストランド27bは、中心ストランド27aの周りに捻られている。例えば、1つの実施例では、個々のストランドが中心ワイヤ31を有しており、中心ストランド27aでは、中心ワイヤ31の周りに6本のワイヤ29が時計方向に捻られ、外側ストランド27bでは、ワイヤ29が反時計方向に捻られている。さらに、コード26のレベルでは、外側ストランド27bは、中心ストランド27aの周りに時計方向に捻られている。捻りの方向によって、コードの全ワイヤにおける荷重分配特性が改善される。
本発明のこのような平形の実施例を成功させるためには、非常に小さな寸法のワイヤ29を用いることが重要である。各ワイヤ29,31の直径は、0.25ミリメートル未満であり、好ましくは、約0.10〜0.20ミリメートルである。特定の実施例では、ワイヤの直径は、0.175ミリメートルである。小さな寸法のワイヤを好んで用いることによって、直径の小さな綱車を使用することができるという利点が得られる。直径の小さなワイヤは、平形ロープのストランドに過剰な応力を加えることなく、(直径約100ミリメートルの)小さな直径の綱車の曲げ半径に耐えうる。本発明のこの特定の実施例において、好ましくは全直径が約1.6ミリメートルの、複数の細いコード26を平形ロープのエラストマに挿入しているため、各コードに加わる圧力が、従来技術のロープよりもはるかに低減される。nを平形ロープ内部の平行なコードの数とすると、所定の荷重およびワイヤ断面積に対して、コード圧力は少なくともn-1/2に減少する。
図4を参照すると、他の実施例では、各コード26における中心ストランド37aの中心ワイヤ35の直径が大きくなっている。例えば、上述した実施例の(直径0.175ミリメートルの)ワイヤ29が利用される場合、全コードの内中心ストランドの中心ワイヤ35のみが、約0.20〜0.22ミリメートルの直径を有する。このように中心ワイヤの直径を変更することの効果は、ストランド37aの周りに捻られているストランド37b間の接触が低減されるだけでなく、ワイヤ35を囲んでいるワイヤ29間の接触が低減されることである。このような実施例では、コード26の直径は、上述した実施例の1.6ミリメートルよりも僅かに大きくなる。
図5を参照すると、本発明の第3の実施例では、第2の実施例の概念を発展させることによって、ワイヤとワイヤとの間、ストランドとストランドとの間、の接触がさらに低減されている。本発明のコードは、3つの異なる寸法のワイヤを用いて構成されている。この実施例では、最も太いワイヤは、中心ストランド200の中心ワイヤ202である。中間の直径を有するワイヤ204は、中心ストランド200の中心ワイヤ202の周りに配置されており、中心ストランド200の一部となっている。この中間の直径を有するワイヤ204は、さらに、全ての外側ストランド210の中心ワイヤ206となっている。最も小さな直径のワイヤは、208の符号が付されており、各外側ストランド210において各ワイヤ206に巻きついている。この実施例の全ワイヤの直径もまた、0.25mm未満である。代表的な実施例では、ワイヤ202を0.21mm、ワイヤ204を0.19mm、ワイヤ206を0.19mm、ワイヤ208を0.175mm、とすることができる。この実施例では、ワイヤ204およびワイヤ206は、直径が等しく、単に配置に関する情報を提供するために、別個に符号が付されている。本発明は、ワイヤ204およびワイヤ206の直径が等しいものに限定されない。用いられているワイヤの全ての直径は、単に例示的なものであり、中心ストランドの外側ワイヤ間の接触が低減され、外側ストランドの外側ワイヤ間の接触が低減され、かつ外側ストランド間の接触が低減されるような接合の原理に従って再編成することが可能である。(単に例示的な目的のために)記載された実施例では、外側ストランドの外側ワイヤ間には、0.14mmの間隔が得られる。この間隙は、共通のコーティング層28が浸入して、外側ストランド間の接触を防止するのに十分なものである。
これにより、外側ストランド間のフレッチングが減少してロープ寿命が大きく延長される一方で、引張り部材のコードにおいて、接触する外側ストランドと中心ストランドとの間でなおもフレッチングが生じている。この位置においてフレッチングを防止することで、耐用年数をさらに延長するか、もしくは平形の引張り部材と非平形の引張り部材との両方において定格負荷をより高くすることが可能となる。図6を参照すると、中心ストランド200は、周りに外側ストランド210を巻きつける前にポリマ被覆212でプレコートされる。ポリマ被覆212は、熱可塑性材料の押出品として、または、一般のゴム製品のような熱硬化性材料を含浸させたのち硬化することによって形成可能である。共通のコーティング層28と相溶性のあるポリウレタンや他の材料を使用することで、ポリマ被膜212が溶融して共通コーティング層28と結合可能となる。これが、本発明の1つの好適実施例である。本発明の他の実施例では、ポリマ被膜212として、変性ポリアミドもしくはポリアセタールの低摩擦材料を使用することができる。このような低摩擦材料によって、個々のコードに内部潤滑性が与えられるとともに、耐用年数または定格負荷容量がかなり向上した引張り部材が最終的に得られる。被膜212は、実施例において異なるワイヤおよびストランド直径を有するコードで使用されているが、被膜212の概念は、ここに説明する他のどのコードの実施例でも十分に利用可能である。
コード26は、長さが等しく、コーティング層28内で幅方向にほぼ等間隔で離間されており、かつ幅寸法に沿って直線状に配置されている。コーティング層28は、ポリウレタン材料、好ましくは熱可塑性ウレタンより形成され、この材料は、個々のコード26の他のコード26に対する長手方向移動を拘束するように、複数のコード26上およびその中を通って押し出される。他の実施例には、透明な材料を使用するものも含まれ、このような材料は、平形ロープの目視検査を容易とするので有利でありうる。もちろん、色は、構造には無関係である。牽引力、摩耗性、コード26への牽引負荷の伝達、環境要因に対する耐性などのコーティング層に要求される機能を十分に満たせば、他の材料もコーティング層28として使用可能である。さらに、熱可塑性ウレタンの機械的性質に満たない他の材料を使用した場合には、綱車直径を飛躍的に縮小するという本発明の更なる利点が完全に得られないおそれがある。熱可塑性ウレタンの機械的性質を利用した場合には、綱車直径が100ミリメートル以下に縮小可能である。コーティング層28は、駆動綱車24の対応する面と接触する接触面30を定める。
図7でさらに明瞭に示しているように、引張り部材22は、引張り部材22の長さに対して横方向に測定した幅wと、綱車24を中心とした引張り部材22の曲げ方向に測定した厚さt1を有する。各コード26は、直径dを有し、かつ距離sによって離間されている。さらに、コード26と接触面30の間のコーティング層28の厚さt2、およびコード26と反対側の面との間の厚さt3は、t1=t2+t3+dとなるように定められる。
引張り部材22の全体寸法によって、アスペクト比が1よりかなり大きい断面積が得られ、ここで、アスペクト比は、幅w対厚さt1の比(すなわちアスペクト比=w/t1)として定義される。アスペクト比が1の場合は、従来の円形ロープで一般的な円形の断面に対応する。アスペクト比が高いほど、引張り部材22の断面積がより平坦になる。引張り部材22を平らに延ばすと、断面積すなわち荷重運搬能力を犠牲にすることなく、引張り部材22の厚さt1が最小となるとともに幅wが最大となる。この形状により、ロープ圧力が引張り部材22の幅に亘って分配されるとともに、断面積つまり荷重運搬能力が同等な円形ロープに比べて最大ロープ圧力が減少する。コーティング層28内に5本の独立したコード26が配置されている図2の引張り部材22では、アスペクト比が5より大きい。アスペクト比は、5より大きく図示されているが、アスペクト比が1より大きく、特にアスペクト比が2より大きい引張り部材によって利点が得られると思われる。
隣接するコード26との離間距離sは、引張り部材22の材料と製造工程、および引張り部材22に亘るロープの応力分配によって決定される。荷重を考慮すると、隣接するコード26の離間距離sを最小とし、コード26間のコーティング材料の量を減少させることが望ましい。しかし、ロープの応力分配を考慮すると、隣接するコード26間のコーティング層における過剰な応力を防止するように、コード26を互いに近接した距離で設けることが制限されうる。これらの考慮すべき事項に基づいて、荷重運搬に関する特定の必要条件に対して離間距離を最適化することができる。
コーティング層28の厚さt2は、ロープの応力分配とコーティング層28の材料の摩耗特性によって決定される。上述したように、コーティング層28内の過剰な応力を防止すると同時に、引張り部材22の耐用年数が最大となるように十分な材料を提供することが望ましい。
コーティング層28の厚さt3は、引張り部材22の使用法によって決定される。図1に示したように、引張り部材22は、単一の綱車24上を移動するので、頂面32が鋼車24と接触しない。この用途では、引張り部材22が綱車24上を移動するときのひずみに耐えうる十分な厚さを有する限り、厚さt3を非常に薄くすることができる。また、厚さt3内の張力を減少させるように、引張り部材の表面32に溝を切ることが望ましい場合もある。一方、引張り部材22を、第2の綱車の周りで反対方向に曲げる必要のあるエレベータ装置で使用する場合には、t2と同等な厚さt3が要求されうる。この用途では、引張り部材22の頂面32と下面30の両方が接触面となり、これらの面の摩耗と応力に関する必要条件は同様となる。いずれの用途でも、牽引力を得るために下面30に溝を切ることが好ましい。
個々のコード26の直径dとコード26の数は、特定の用途によって異なる。上述のように、コード26の柔軟性が最大、かつ応力が最小となるように、厚さdをできる限り小さく維持することが望ましい。
本発明は、例示的実施例に基づいて開示および説明したが、当業者であれば分かるように、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、種々の変更、省略、追加を行うことができる。
エレベータ装置の斜視図である。 引張り部材と綱車を示す駆動綱車の横方向断面図である。 中心ストランドの周りに6本のストランドが捻られている、本発明に係る単一のコードの拡大断面図である。 本発明に係る他の単一のコードの拡大断面図である。 本発明に係る他の実施例の拡大断面図である。 中心ストランドの周りにポリマの内側被膜を有する単一のコードの断面図である。 種々の寸法特性を示す平形ロープの断面図である。
22…引張り部材
24…綱車
26…コード
28…共通のコーティング層
30…接触面

Claims (15)

  1. エレベータ装置の引張り部材であって、該引張り部材は、
    断面が実質的に矩形で幅と厚みを有し、
    複数のコードを備え、これらのコードは、互いに実質的に平行でかつ前記引張り部材の幅に亘ってほぼ等間隔で離間して設けられており、各々のコードは、
    (a)中心ストランドとなるように捩られた複数のワイヤと、
    (b)前記中心ストランドを囲む中央高分子コーティングと、
    (c)複数の外側ストランドとなるように捩られた第2の複数のワイヤと、を含み、前記外側ストランドは、前記中心ストランドの中央高分子コーティングの周りに捩られており、
    さらに、前記複数のコードを囲む共通の高分子コーティングを備え、この共通の高分子コーティングは、前記中央高分子コーティングと相溶性のある材料からなることを特徴とするエレベータ装置の引張り部材。
  2. 前記中心ストランドは、
    中心ワイヤと、
    複数の外側ワイヤと、を含んでいることを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置の引張り部材。
  3. 前記複数の外側ワイヤは、前記中心ワイヤの周りに巻きつけられていることを特徴とする請求項記載のエレベータ装置の引張り部材。
  4. 前記中心ストランドの中心ワイヤの直径は、約0.21mmであり、前記中心ストランドの前記複数の外側ワイヤの直径は、約0.19mmであることを特徴とする請求項記載のエレベータ装置の引張り部材。
  5. 前記各外側ストランドは、
    中心ワイヤと、
    複数の外側ワイヤと、をそれぞれ含んでいることを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置の引張り部材。
  6. 前記外側ストランドの前記複数の外側ワイヤは、該外側ストランドの前記中心ワイヤの周りに巻きつけられていることを特徴とする請求項記載のエレベータ装置の引張り部材。
  7. 前記外側ストランドの前記中心ワイヤの直径は、約0.19mmであることを特徴とする請求項記載のエレベータ装置の引張り部材。
  8. 前記外側ストランドの前記外側ワイヤの直径は、約0.175mmであることを特徴とする請求項記載のエレベータ装置の引張り部材。
  9. 前記中心ストランドを囲む前記中央高分子コーティングは、ポリウレタンであることを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置の引張り部材。
  10. 前記中心ストランドを囲む前記中央高分子コーティングは、ポリアミドであることを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置の引張り部材。
  11. 前記中心ストランドを囲む前記中央高分子コーティングは、ポリアセタールであることを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置の引張り部材。
  12. 前記中心ストランドを囲む前記中央高分子コーティングは、前記外側ストランドと該中心ストランドとの接触を減少させていることを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置の引張り部材。
  13. 前記複数のコードを囲む共通の高分子コーティングは、ポリウレタンであることを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置の引張り部材。
  14. エレベータ装置の引張り部材の形成方法であって、該引張り部材は、
    中心ストランドとなるように構成された複数のワイヤと、
    前記中心ストランドを囲む中央高分子コーティングと、
    複数の外側ストランドとなるように構成された第2の複数のワイヤと、を含み、前記外側ストランドは、前記中央高分子コーティングと接触するように該中央高分子コーティングの周りに配置され、前記中心ストランドとともにコードを構成し、前記形成方法は、
    前記中心ストランドと前記外側ストランドを形成し、
    前記中心ストランドの周りに前記中央高分子コーティングを押出し、
    コードを形成するように前記外側ストランドを前記中心ストランドの周りに配置し、
    平行で、かつ離間された状態で複数のコードを配置し、
    共通の高分子コーティングが前記中央高分子コーティングに結合するように、前記コードを共通の高分子コーティングで被覆することを含むことを特徴とする引張り部材の形成方法。
  15. エレベータ装置の引張り部材の形成方法であって、該引張り部材は、
    中心ストランドとなるように構成された複数のワイヤと、
    前記中心ストランドを囲む中央高分子コーティングと、
    複数の外側ストランドとなるように構成された第2の複数のワイヤと、を含み、前記外側ストランドは、前記中央高分子コーティングと接触するように該中央高分子コーティングの周りに配置され、前記中心ストランドとともにコードを構成し、前記形成方法は、
    前記中心ストランドと前記外側ストランドを形成し、
    前記中心ストランドを熱硬化性高分子材料に含浸させるとともに硬化し、
    コードを形成するように前記外側ストランドを前記中心ストランドの周りに配置し、
    平行で、かつ離間された状態で複数のコードを配置し、
    共通の高分子コーティングが前記中心ストランドの高分子材料に結合するように、前記コードを共通の高分子コーティングで被膜することを含むことを特徴とする引張り部材の形成方法。
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