JP4503394B2 - 燃料電池システム及び電気機器、並びに、燃料電池システムにおける発生水の回収方法 - Google Patents
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Description
前記携帯性情報機器における、現在、最も一般的な駆動電源は、リチウムイオン電池である。前記リチウムイオン電池は、実用化当初から高い駆動電圧と電池容量とを持ち、携帯電話装置の進歩に併せてその性能が改善されてきた。しかし、前記リチウムイオン電池の性能の改善にも限界があり、該リチウムイオン電池では、今後も高機能化が進む携帯性情報装置の駆動電源としての要求を十分に満足できなくなりつつある状況にある。
前記燃料電池の最大の特徴は、前記負極に燃料を供給し、前記正極に酸素を供給する点にあり、該燃料電池は、前記燃料及び前記酸素の供給により長時間の連続発電が可能であり、二次電池における充電の代わりに前記燃料を供給することにより、二次電池と同様に機器電源として応用可能である。また、メタノールを燃料とする前記燃料電池は、その理論エネルギー密度が活物質換算で前記リチウムイオン電池よりも約10倍高く、小型軽量化に甚だしく寄与可能である。これらの理由により、燃料電池は、近時、分散電源や電気自動車用の大型の発電機としてだけでなく、ノートPCや携帯電話等の携帯性情報装置における超小型の発電ユニットとしての研究開発が盛んに行われてきている。
前記ダイレクトメタノール型燃料電池においては、燃料であるメタノールの発電反応に伴い、以下の(1)から(3)のメカニズムにより水が発生する。先ず、(1)次式:CH3OH(燃料)+H2O→CO2(前記燃料極から排出)+6H++6e−、のように、燃料であるメタノールと水とが反応(発電反応)して二酸化炭素とH+(プロトン)とが生成される。次に、(2)前記固体電解質中のH+(プロトン)が前記燃料極から前記空気極に移動(プロトン伝導)して、前記燃料電池に内部電流が生じる。次に、(3)次式:6H++3/2O2+6e−→3H2O、のように、プロトンが該空気極で酸化されて水が発生する。以上のように、前記空気極側では、前記発電反応等により水が生成される。この水が、前記燃料電池によって作動される装置の内部に侵入すると、該装置に不具合をもたらすばかりでなく、使用者にとっても不快な湿潤状態をもたらすため、前記燃料電池においては前記水が外部に放出されないような構造乃至機能を有していることが望まれる。
本発明は、燃料電池発電部から発生する水による性能劣化、使用時不快感等がなく、該水を簡便かつ確実に回収可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、前記燃料電池システムを備え、該燃料電池システムの燃料電池発電部から発生する水による性能劣化、使用時不快感等がなく、該水を簡便かつ確実に回収可能であり、取扱性に優れた電気機器を提供することを目的とする。
本発明は、燃料電池システムにおいて発生した水を簡便にかつ確実に回収可能な燃料電池システムにおける発生水の回収方法を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池システムは、燃料極、固体電解質及び空気極を有する燃料電池発電部と、該燃料電池発電部から放出されるガスを冷却させて水を発生させる熱交換室とを有してなることを特徴とする。
該燃料電池システムにおいては、前記燃料電池発電部において、燃料を利用した発電反応により発電が生ずる。該発電により生じた電気は、電気機器等の駆動源として利用される。そして、前記発電反応に伴い水が生成される。該水は、ガス中に蒸散しており、該ガスは、前記熱交換室内において熱交換され、該ガス中に蒸散していた水が凝結して水滴となる。前記ガス中に蒸散した水が、前記熱交換室の外部で凝結し、結露等を生ずることがない。前記熱交換室内に生じた水滴は、前記熱交換室内に滞留し、外部に漏出しないため、該燃料電池システムは、水による性能劣化、使用時不快感等がなく、該水を簡便かつ確実に回収可能であり、取扱性に優れる。
また、前記熱交換室の壁面の一部が、一方の表面から他方の表面に連通した孔部を有する多孔質膜で形成されている場合には、該熱交換室においては、前記水が蒸散したガスが、該多孔質膜により該熱交換室内に隔離され、マクロ的には(水の流出が起こらない程度に)密閉され、該多孔質膜により前記熱交換室内が前記水の露点温度以下を保たれているため、燃料電池システム外部で水が凝結するのが効果的に防止される。その一方、前記多孔質膜は、酸素を透過することが可能であるため、発電量が低下等することはない。
なお、前記電気機器は、携帯電話機、携帯電話機用クレイドル、パソコン、デジタルカメラ、ポータブルオーディオ、MP3プレーヤー、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタンス)、玩具などである態様、などが好ましい。
該燃料電池システムにおける発生水の回収方法においては、前記燃料電池発電部において前記燃料を利用した発電反応により水が生ずる。そして、この水が蒸散したガスを、前記熱交換室において熱交換させることによって水を凝結され、凝結した水は、前記熱交換室内で簡便かつ確実に除去されるため、前記燃料電池システムの外部に漏れることがない。
本発明によると、燃料電池発電部から発生する水による性能劣化、使用時不快感等がなく、該水を簡便かつ確実に回収可能な燃料電池システムを提供することができる。
本発明によると、前記燃料電池システムを備え、該燃料電池システムの燃料電池発電部から発生する水による性能劣化、使用時不快感等がなく、該水を簡便かつ確実に回収可能であり、取扱性に優れた電気機器を提供することができる。
本発明によると、燃料電池システムにおいて発生した水を簡便にかつ確実に回収可能な燃料電池システムにおける発生水の回収方法を提供することができる。
本発明の燃料電池システムは、熱交換室と、燃料電池発電部とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、集水手段、燃料カートリッジ、燃料インターフェースなどのその他の手段乃至部材を有してなる。
前記熱交換室は、前記燃料電池発電部から放出されるガスを交換させる部屋(空間)であり、前記燃料電池発電部から放出されるガスを冷却させて水を発生させる機能を有する限り、その形状、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、前記熱交換室は、該熱交換室を画成する壁面の一部が、前記燃料電池発電部(空気極の表面)により画成されているのが好ましく、該熱交換室を画成する壁面の一部が、一方の表面から他方の表面に連通した孔部を有する多孔質膜で形成されているのが特に好ましい。
前記熱伝導率が、0.1W/mK未満であると、前記燃料電池発電部から放出されるガスを効率よく交換させることができなくなるおそれがある。
前記通気度が、0.1cc/cm2・s未満であると、前記燃料電池発電部における発電反応に悪影響があり、発電量低下等が生ずるおそれがあり、100,000cc/cm2・sを超えると、前記熱交換室内から水が外部に漏出等してしまうおそれがある。
前記空隙率が、10%未満であると、前記燃料電池発電部における発電反応に悪影響があり、発電量低下等が生ずるおそれがあり、95%を超えると、前記熱交換室内から水が外部に漏出等してしまうおそれがある。
前記平均細孔径が、0.01μm未満であると、前記燃料電池発電部における発電反応に悪影響があり、発電量低下等が生ずるおそれがあり、100μmを超えると、前記熱交換室内から水が外部に漏出等してしまうおそれがある。
前記透水度が、100cc/cm2・sを超えると、前記熱交換室から水が漏出等してしまうおそれがある。
前記厚みが、1μm未満であると、前記燃料電池発電部における発電反応に悪影響があり、発電量低下等が生ずるおそれがあり、1000μmを超えると、前記熱交換室内から水が外部に漏出等してしまうおそれがある。
なお、前記積層構造の場合、前記熱交換室の内部に対抗する層の前記熱伝導率が他の層の前記熱伝導率よりも大きいことが好ましい。この場合、熱交換効率が大きい点で有利である。このような態様の具体例としては、前記多孔質膜における、前記熱交換室内に露出する面が、好ましくは前記燃料電池発電部に対向する面が、前記熱伝導率が大きな金属層で形成されているのが好ましい。
前記有機材料としては、例えば、樹脂などが挙げられ、具体的には、フッ素樹脂、セルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記多孔質膜を撥水性にすることができる点で、前記フッ素樹脂が好ましい。
前記フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフロロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン、ポリビニリデンフルオライドなどが挙げられる。
前記無機材料としては、例えば、金属、セラミックスなどが挙げられる。前記金属としては、例えば、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、錫などが挙げられる。
これらの中でも、前記熱伝導率が大きいものが好ましい。
前記表面処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するあことができるが、前記多孔質膜の表面を撥水性、親水性等にする処理などが挙げられ、例えば、表面蒸着処理、表面メッキ処理、表面カップリング剤処理、などが好適に挙げられる。これらの表面処理により、前記多孔質膜の熱伝導性を所望の程度に向上させ、水に対する親和性等を所望の程度に調節することができる点で有利である。
前記表面蒸着処理としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法等により、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、錫などの金属を表面蒸着させる処理などが挙げられる。
前記表面メッキ処理としては、例えば、無電解メッキ処理等により、前記金属を表面にメッキする処理などが挙げられる。
前記表面シランカップリング剤処理としては、例えば、シリル化剤、シランカップリング剤などを用いて前記多孔質膜の表面を親水化又は疎水化させる処理などが挙げられる。
前記熱交換手段の熱伝導率としては、前記熱伝導率が前記多孔質膜以上であることが好ましく、大きいほどより好ましく、具体的には、10〜100W/mKであるのが好ましい。
前記熱伝導率が、10W/mK未満であると、前記熱交換室における熱交換効率が十分に向上させることができないおそれがあり、また、100W/mKを超えても、コスト等に見合う効果がえられないおそれがある。
前記熱交換手段の具体例としては、棒状部材、羽状部材、ワイヤー状部材などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記間隔(距離)が、0.1mm未満であると、前記熱交換室内での熱交換効率が低下し、水の除去効率が低下するおそれがあり、20mmを超えてもそれに見合う効果が得られ難く、燃料電池システムが大型化等してしまうおそれがある。
前記水吸収手段が配される位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記熱交換室における、前記燃料電池発電部及び前記多孔質膜とを連通させる壁面の位置が好ましい。この場合、前記熱交換室内で生じた水を効果的に吸収除去することができる点で有利である。
なお、前記燃料電池システムにおいて発生した水としては、例えば、前記燃料電池システムにおける発電反応により発生した水などが挙げられる。
前記有機物質としては、例えば、天然ポリマー、合成ポリマーなどが挙げられる。
前記天然ポリマーとしては、例えば、セルロース系ポリマー、アルギン酸系ポリマー、マンナン系ポリマー、プルラン系ポリマー、及びキチン・キトサン系ポリマー、などが挙げられる。なお、該天然ポリマーは、市販品を使用し手もよいし、天然物から適宜抽出等したものであってもよい。
前記合成ポリマーとしては、例えば、アクリル系ポリマー、アクリルアミド系ポリマー、ポリエチレンレンオキサイド系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、などが挙げられる。なお、該合成ポリマーは、市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
前記無機物質としては、例えば、シリカゲル、ゼオライト、酸化マグネシウム、などが挙げられる。
前記水吸収手段の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、吸水性部材の成型体である構造、支持体に吸水性部材を添加させた構造、などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記支持体に前記吸収性部材を添加させた構造の場合、前記支持体の構造としては、例えば、多孔質構造、シート構造などが挙げられ、前記支持体の材質としては、軟質、硬質のいずれであってもよい。
なお、前記貼付面の形成方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記水吸収手段に粘着性テープを貼付する方法、前記水吸収手段に粘着剤の塗布液乃至エマルジョンを塗布する方法、などが挙げられる。
このように設計するには、例えば、前記燃料電池用カートリッジにおける前記燃料収容室内に収容させる燃料が完全に消費されるまでの時間(X)と、前記熱交換室の少なくとも一部に設けた前記水吸収手段における水の吸収量(該水吸収手段が複数ある場合には全部の水吸収手段における水の吸収量)が飽和状態に達するまでの時間(Y)とが、次式、X≦Y、を満たすようにすればよい。なお、前記水吸収手段における水の吸収量は、例えば、前記吸水性部材の量、大きさ等を適宜調整することにより、所望の程度に調節することができる。
前記熱交換室内に生じた水の効率的な除去、排水等の観点からは、前記熱交換室の内壁のうち、設置された前記燃料電池システムにおける下方に、前記水吸収手段が位置しているのが好ましい。この場合、前記熱交換室において生じた水が、重力により下方に移動し、最終的に該熱交換室の下方内壁に配された前記水吸収手段により、効率的に吸収固定され、前記水の排水効率に優れる点で好ましい。
なお、この場合、前記燃料電池発電部における空気極等の層面が設置面に対し略垂直に位置するように該燃料電池システムを配置させ、その下方に前記水吸収手段が略水平に位置するように該水吸収手段を配置させることができ、前記燃料電池発電部における空気極側で発生した水を重力を利用して落下させて前記水吸収手段に吸収させることができ、該水の吸収効率に優れ、また、燃料電池システムを小型化することができる点で有利である。
なお、前記水吸収手段において水が吸収されているか、水の吸収量が飽和状態に達しているか等は、後述のシグナル発生手段を用いることにより、容易に判別することができる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、判別が容易であり、かつ該燃料電池用カートリッジを装備する前記燃料電池システムが用いられる各種電気機器等に対して悪影響を与える可能性がゼロに近いものが好ましく、更に目視可能であるものがより好ましく、変色が特に好ましい。
前記(2)の場合、前記水を吸収するとイオンを放出可能な化合物としては、電離した際のpHが7超12以下である弱アルカリ性結晶などが好適に挙げられ、該弱アルカリ性結晶としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、などが好適に挙げられ、前記pH指示薬としては、例えば、フェノールフタレイン、チモールブルー、などが好適に挙げられる。
前記(3)の場合、前記水を吸収すると溶解して発色可能な化合物としては、例えば、亜硝酸ナトリウムとスルファニル酸とを含む乾燥物、N−1ナフチルエチレンジアミンと酒石酸とを含む乾燥物、などが好適に挙げられる。
前記集水手段の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ロート部材などが好適に挙げられる。
前記集水手段の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、樹脂、金属、セラミックスなどが好適に挙げられる。
前記燃料電池発電部としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、燃料極、固体電解質及び空気極を有するものなどが好適に挙げられる。
前記燃料極としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記固体電解質側から負極触媒層、負極集電体層の順に積層しされてなるものが好ましい。
前記固体電解質の形状としては、例えば、層状であるのが好ましく、その厚みとしては、目的に応じて適宜選択することができる。
前記空気極としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記固体電解質側から正極触媒層、正極集電体層の順に積層してなるものなどが好ましい。
なお、該正極集電体層は、空気(酸素)を自然拡散により導入可能な構造を有しているのが好ましく、例えば、空隙を有する構造などを有しているのが好ましい。
前記燃料電池発電部としては、前記単位セルを1つ有していればよいが、所望の発電量に応じて2以上を有していてもよい。前記単位セルを2以上有する場合、例えば、互いに直列に配置してもよいし、並列に配置してもよく、後者の場合には、例えば特開平5−325993号公報に記載のように、複数個の前記単位セルを平面内に配置してもよい。
携帯電話等の携帯性情報機器などの電気機器における必要な動作電圧は、通常、1.5V〜12V程度であるため、これらの用途においては、前記単位セルを2以上直列に配置して所望の電圧が得られるように設計するのが好ましい。
前記燃料電池用カートリッジの形状、構造、材質、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
前記形状としては、例えば、円柱状、角柱状等の柱状、円錐状、角錘上等の錘状、円錐台状、角錘台状等の錘台状、棒状、などが挙げられる。これらの中でも、柱状であるのが好ましく、円柱状であるのがより好ましい。
前記構造としては、例えば、単独の部材で形成された構造であってもよいし、2以上の部材で形成された構造であってもよい。
前記材質としては、例えば、強度に優れた材質であるのが好ましく、例えば、合成樹脂、天然樹脂、金属、ガラス、セラミクスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、金属、合成樹脂などが好ましい。
前記大きさとしては、例えば、該燃料電池用カートリッジが装着される前記燃料電池システムの大きさ等に応じて適宜選択することができるが、本発明においては、携帯電話等の携帯性情報装置に装備可能な大きさであるのが特に好ましい。
前記燃料収容室に収容される燃料としては、前記燃料電池システムの種類等に応じて適宜選択することができるが、液体であってもよいし、気体であってもよいが、通常は液体であり、例えば、前記燃料電池システムがいわゆるダイレクトメタノール型である場合にはメタノールが挙げられる。
前記燃料供給手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記燃料収容室側に押入可能であり、該燃料供給室側に押入された時に、該燃料収容室内に収容された燃料を前記燃料電池発電部に供給可能であるものが好ましく、具体的にはノズルなどが好適に挙げられる。この場合には、前記燃料電池用カートリッジを前記燃料電池システムに装着させる前は、前記ノズルが前記燃料収容室側に押入されないため、該燃料収容室内の前記燃料が該燃料収容室の外部に漏出されることがない一方、前記燃料電池用カートリッジを前記燃料電池システムに装着させた後は、前記ノズルが前記燃料収容室側に押入されるため、該燃料収容室内の前記燃料が該燃料収容室の外部に漏出され、前記燃料電池発電部に供給可能となる点で、必要時にのみ前記燃料を前記燃料電池発電部に供給することができる点で有利である。
前記剥離補助手段は、前記水吸収手段を廃棄する際に、該水吸収手段の前記燃料電池用カートリッジからの剥離除去を補助する機能を有する手段であり、該機能を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、公知の粘着テープの剥離紙(台紙)などが挙げられる。該剥離紙(台紙)を前記燃料電池用カートリッジの表面に配置させておき、その表面に前記水吸収手段を粘着させておけば、該水吸収手段の廃棄等が容易となる点で有利である。
前記保護手段としては、前記燃料電池用カートリッジの使用時まで少なくとも前記水吸収手段の表面を覆い、該水吸収手段が水を吸収してしまうのを防止することができれば特に制限はなく、例えば、前記水吸収手段の表面を覆うカバーフィルム、などが好適に挙げられる。
前記安全手段としては、前記燃料電池用カートリッジの使用時まで前記燃料収容室内に収容された燃料を外部に漏出させない機能を有していれば特に制限はなく、例えば、前記燃料電池用カートリッジが前記ノズルを有している場合には、該ノズルが前記燃料収容室側に押入されないように、該ノズルをカバーする保護キャップ、などが好適に挙げられる。
前記燃料インターフェースの形状、構造、大きさ等について、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の燃料電池システムにおいては、前記燃料電池用カートリッジの前記燃料収容室に収容されていた前記燃料が該燃料収容室から前記燃料電池発電部に供給される。すると、該燃料電池発電部において前記燃料を利用した発電反応により発電が生する。該発電により生じた電気は、電気機器等の駆動電源等として利用される。そして、前記発電反応に伴い水が生成される。該水は、前記熱交換室の少なくとも一部に設けられた前記水吸収手段により、吸収される。このため、前記燃料電池システムにおいて前記発電反応によって生成した水は、簡便かつ確実に除去されるため、前記燃料電池システムの外部に漏れることがない。
熱交換室110は、空気極集電体51の露出表面と、多孔質膜100と、スペーサー105と、前記水吸収手段としての水吸収部材2とにより囲まれて画成された空間である。
熱交換室110において、空気極集電体51の露出表面と、多孔質膜100とは、互いに対向して配置されており、これらの周囲を、スペーサー105及び水吸収部材2が囲んで密閉した構造を有しており、水吸収部材2は、熱交換室110の下方に位置している。即ち、図1に示すように、積層面が設置面に略垂直に配置された燃料電池発電部50における空気極集電体51の下端部に、水吸収部材2の表面が位置している。
この燃料電池システムにおいては、発電反応により生ずる、水が蒸散したガスは、多孔質膜100を通過せず、熱交換室100内において熱交換されて凝結水が生じ、該水が重力により落下したところを水吸収部材2により吸収される。一方、発電反応に用いられる空気は、多孔質膜100を通過して発電反応に供されるため、発電反応量が低下等することはない。
本発明の電気機器は、本発明の上述した燃料電池システムを少なくとも有してなり、更に各種用途に応じた機能を奏するのに必要な一般構成を備えてなる。
前記電気機器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、現在、電池等で駆動可能な機器などが好適に挙げられ、携帯性情報機器などが特に好適に挙げられる。
前記携帯性情報機器としては、例えば、携帯電話機、携帯電話機用クレイドル、パソコン、デジタルカメラ、ポータブルオーディオ、MP3プレーヤー、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタンス)、玩具、などが挙げられる。
図14は、携帯電話機用クレイドルに携帯電話機を装着した様子を示す斜視図である。携帯電話機用クレイドル10には、携帯電話機20が装着され、外部電源、例えば商用電源に接続するためのパワーアダプタ30(AC−DC変換器)が接続可能な構成とされている。携帯電話機20は、操作キー24及びマイク25が内面21−1に設けられた携帯電話機本体部21と、液晶表示部26及びスピーカ27が内面22−1に設けられた携帯電話機可動部22とがヒンジ部23により接続され、ヒンジ部23を中心にして携帯電話機可動部22が回動可能となっている。携帯電話機20は、携帯電話機用クレイドル10に装着した状態で、携帯電話機本体部21の内面21−1と携帯電話機可動部22の内面22−1が対峙するように折り畳むことができる。また、携帯電話機可動部22を開いた位置にして、液晶表示部26を見ながら操作キー24を押して操作することができ、あるいは、携帯電話機用クレイドル10の本体部(クレイドル本体部11)を把持して、通常の携帯電話機のように通話することができる。
また、携帯電話機20を取り外す際には、先ずクレイドル本体部11の後部の2つの係止部材14bの凸部を同時に下方に押し込み係止部材14bを開く方向に移動させることにより係合を解除して、携帯電話機本体部11のヒンジ部13側をクレイドル本体部11から取り外し、次いで、斜め後方に携帯電話機20を移動することにより、クレイドル本体部11の前部の2つの係止部材14aとの係合を解除する。
燃料電池用カートリッジ12は、クレイドル本体部11の後部の端面11−1に当接して嵌合により固定されている。燃料電池用カートリッジ12の燃料送出口12aは凸状になっており、他方、クレイドル本体部11の端面11−1には凹部が互いに嵌合するようになっている。
ここでは、本発明の電気機器の一例として、携帯電話機及び携帯電話機用クレイドルについて説明したが、他の電気機器においても、本発明の上述した燃料電池システムを装備させることができる。
本発明の燃料電池システムにおける発生水の回収方法は、前記燃料電池発電部において発生した水が蒸散したガスを、少なくとも一部が前記多孔質膜で形成された前記熱交換室において熱交換させることにより水を凝結させ、該水を水吸収手段により吸収させることを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の処理を含む。
前記燃料電池システムにおける発生水の回収方法は、本発明の燃料電池システムを実施することにより好適に実施することができる。
本発明の燃料電池システムにおける発生水の回収方法においては、前記燃料電池発電部において燃料を利用した発電反応により水が生ずる。そして、前記水が蒸散したガスを、前記熱交換室において熱交換させることによって水を凝結され、凝結した水は、前記熱交換室内で簡便かつ確実に除去されるため、前記燃料電池システムの外部に漏れることがない。
本発明の燃料電池システムの実施例を図面を参照しながら説明する。図1に示すように、燃料電池システムは、燃料電池発電部50と、熱交換室110とを備えている。この実施例1の燃料電池システムは、図14から図17に記載の携帯電話機、携帯電話機用クレイドルに装備される。
なお、図1において、燃料電池発電部50は、空気極集電体51と、空気極(正極)53と、固体電解質54と、燃料極(負極)55と、燃料極集電体58とによる積層体として図示している。
燃料電池発電部50は、図2に示すように、空気極集電体51と、カーボンペーパー52と、空気極(正極)53と、固体電解質54と、燃料極(負極)55と、カーボンペーパー56と、燃料極集電体58とを、この順に積層してなる構造を有する。燃料電池発電部50は、ダイレクトメタノール型燃料電池である。
水吸収部材2は、平面形状が長方形状のシートである。この実施例において、水吸収部材2は、アクリル酸系ポリマー(サンフレッシャ、三洋化成工業(株)製)0.2gで形成されたシートであり、5mlの水を容易に吸収・固定化可能である。
熱交換室110において、空気極集電体51の露出表面と、多孔質膜100とは、互いに対向して配置されており、これらの周囲を、スペーサー105及び水吸収部材2が囲んで密閉した構造を有しており、水吸収部材2は、熱交換室110の下方に位置している。即ち、図1に示すように、積層面が設置面に略垂直に配置された燃料電池発電部50における空気極集電体51の下端部に当接して、水吸収部材2が位置している。
この実施例では、多孔質膜100は、図1において細線と太線との合線で図示されているが、その断面形状は、図1に一部拡大図を付記した通り、ランダム孔構造の(ランダムに存在する)細孔を多数有した膜であるが(なお、以下の実施例に関する図面における、細線と太線との合線で図示された多孔質膜100も、図1と同様の構造を有する)、図10に示すような単純貫通孔構造であってもよい。
なお、多孔質膜100と、空気極集電体51との間隙(距離)は、3mmであった。
一方、燃料電池発電部50における前記発電反応により生じた電気は、取り出されて電気機器(携帯電話)の電力として消費され、発電量は経時で安定していた。
実施例1において、燃料電池発電部50における、カーボンペーパー56と燃料極集電体58との間に、シャッター57を設けた以外は、実施例1と同様にして燃料電池システムを設計した。即ち、実施例2における燃料電池システムは、図4に示した通りであり、燃料電池発電部を図3に示す構造のものに変えた以外は、実施例1と同様にして燃料電池システムを設計した。その結果、実施例2の燃料電池システムにおいては、実施例1の燃料電池システムと同様の作用効果が得られた。
実施例1の燃料電池システムにおいて、多孔質膜100における熱交換室110に露出する側の表面に、図5に示すような、樹状の導水路(流路)をフォトリソグラフィーの技術を利用して形成した以外は、実施例1の燃料電池システムと同様に設計した。
前記導水路は、上方から下方に向けて配列した3本の主線に対し、斜め上方から該主線に連通した支線を多数有してなる形状(樹状)を有している。この実施例3では、実施例1と同様の作用効果が得られたが、熱交換室110内で凝結した水が、前記導水路を伝って水吸収部材2まで効率よく落下したため、熱交換室110で凝結し、発生した水の吸収・固定(排水)効率に優れていた。
実施例1の燃料電池システムにおいて、熱交換室110内に、図6に示すような、多孔質膜100の膜面に略垂直方向に多孔質膜100に一端が当接した状態で配置された熱交換棒106が複数本設けられた以外は、実施例1の燃料電池システムと同様に設計した。
熱交換棒106は、金属(SUS316)製であり、直径が1mmであり、長さが3mmである。
この実施例4では、実施例1と同様の作用効果が得られたが、熱交換室110内で、熱交換棒106の表面に水が効率的に凝結し、この凝結した水が多孔質膜100上を伝って水吸収部材2により効率よく吸収・固定され、水の吸収・固定(排水)効率に優れていた。
実施例1の燃料電池システムにおいて、熱交換室110内に、図7に示すような、多孔質膜100の膜面に略垂直方向に多孔質膜100に一端が当接した状態で配置された熱交換フィン107が複数本設けられた以外は、実施例1の燃料電池システムと同様に設計した。
熱交換フィン107は、金属(SUS316)製であり、幅が2mmであり、長さが3mmである。
この実施例5では、実施例1と同様の作用効果が得られたが、熱交換室110内で、熱交換フィン107の表面に水が効率的に凝結し、この凝結した水が多孔質膜100上を伝って水吸収部材2により効率よく吸収・固定され、水の吸収・固定(排水)効率に優れていた。
実施例1の燃料電池システムにおいて、熱交換室110内に、図8に示すような、熱交換室110内の上下方向に熱交換ワイヤー108が複数本設けられた以外は、実施例1の燃料電池システムと同様に設計した。
熱交換ワイヤー108は、金属(SUS316)製であり、直径が0.5mmである。
この実施例6では、実施例1と同様の作用効果が得られたが、熱交換室110内で、熱交換ワイヤー108の表面に水が効率的に凝結し、この凝結した水が水吸収部材2により効率よく吸収・固定され、水の吸収・固定(排水)効率に優れていた。
実施例1の燃料電池システムにおいて、熱交換室110内に、図9に示すような、多孔質膜100の膜面に略垂直方向に多孔質膜100に一端が当接した状態で配置された熱交換フィン107が複数本設けられ、熱交換室110内の上下方向に熱交換ワイヤー108が複数本設けられた以外は、実施例1の燃料電池システムと同様に設計した。
熱交換ワイヤー108は、金属(SUS316)製であり、直径が0.5mmであり、熱交換フィン107は、金属(SUS316)製であり、幅が2mmであり、長さが3mmである。
この実施例7では、実施例1と同様の作用効果が得られたが、熱交換室110内で、熱交換フィン107及び熱交換ワイヤー108の表面に水が効率的に凝結し、この凝結した水が多孔質膜100上乃至熱交換ワイヤー上を伝って水吸収部材2により効率よく吸収・固定され、水の吸収・固定(排水)効率に優れていた。
実施例1の燃料電池システムにおいて、水吸収部材2を、図12及び図13に示すような、燃料電池用カートリッジ1の表面に設けた水吸水部材2に代えた以外は、実施例1の燃料電池システムと同様に設計した。
この実施例8において、水吸収部材2は、アクリル酸系ポリマー(サンフレッシャ、三洋化成工業(株)製)0.2gで形成されたシートであり、5mlの水を容易に吸収・固定化可能である。
(付記1) 燃料極、固体電解質及び空気極を有する燃料電池発電部と、該燃料電池発電部から放出されるガスを冷却させて水を発生させる熱交換室とを有してなることを特徴とする燃料電池システム。
(付記2) 熱交換室の壁面の一部が、一方の表面から他方の表面に連通した孔部を有する多孔質膜で形成された付記1に記載の燃料電池システム。
(付記3) 多孔質膜が、熱交換室における、燃料電池発電部と対向する壁面に位置する付記2に記載の燃料電池システム。
(付記4) 多孔質膜の熱伝導率が、0.1W/mK以上である付記2から3のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記5) 多孔質膜の空気に対する通気度が、0.1〜100,000cc/cm2・sである付記2から4のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記6) 多孔質膜の透水度が、100cc/cm2・s以下である付記2から5のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記7) 多孔質膜が、単純貫通孔構造及びランダム孔構造のいずれかの構造を有する付記2から6のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記8) 多孔質膜における燃料電池発電部に対向する面に、金属層が形成された付記2から7のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記9) 多孔質膜における燃料電池発電部に対向する面が、撥水性である付記2から8のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記10) 多孔質膜における燃料電池発電部に対向する面に、熱交換室で発生した水の導水路が形成された付記2から9のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記11) 導水路が、親水性の面を有してなる付記10に記載の燃料電池システム。
(付記12) 熱交換室内に、多孔質膜の熱伝導率をA(W/mK)としたとき、その熱伝導率B(W/mK)が、次式、A≦B、を満たす熱交換手段が配置された付記2から11のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記13) 熱交換手段の熱伝導率が、10〜100W/mKである付記12に記載の燃料電池システム。
(付記14) 熱交換手段が、金属で形成された付記12から13のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記15) 熱交換手段が、棒状部材、羽状部材及びワイヤー状部材から選択される少なくとも1種である付記12から14のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記16) 熱交換手段が、多孔質膜に当接して配置された付記12から15のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記17) 熱交換室の壁面の一部が、多孔質膜を燃料電池発電部から離設させるスペーサーで形成され、該スペーサーが、熱交換室における、燃料電池発電部及び多孔質膜とを連通させる壁面に位置する付記2から16のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記18) 熱交換室の壁面の一部が、該熱交換室内で発生した水を吸収する水吸収手段で形成され、該水吸収手段が、熱交換室における、燃料電池発電部及び多孔質膜とを連通させる壁面に位置する付記2から16のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記19) 熱交換室の壁面の一部が、該熱交換室内で発生した水を集め、該水を吸収する水吸収手段に移送させる集水手段で形成され、該集水手段が、熱交換室における、燃料電池発電部及び多孔質膜とを連通させる壁面に位置する付記2から18のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記20) 集水手段が、燃料電池発電部から発生する水を受ける受水口と、該受水口から受水した水を集水手段に放出する放水口とを有してなる付記19に記載の燃料電池システム。
(付記21) 受水口の開口面積が、放水口の開口面積よりも大きい付記20に燃料電池システム。
(付記22) 集水手段における受水口が、熱交換室に対向して配置され、集水手段における放水口が、水吸収手段に当接して配置された付記20から21のいずれかに燃料電池システム。
(付記23) 集水手段がロート部材である付記20から22のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記24) 水吸収手段が、着脱自在に設けられた付記18から23のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記25) 水吸収手段が、着脱自在に設けられ、かつ燃料電池発電部に燃料を供給する燃料電池用カートリッジの表面の少なくとも一部に該燃料電池用カートリッジに着脱自在に設けられた水吸収手段である付記18から24のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記26) 水吸収手段が、吸水性部材を有してなる付記18から25に記載の燃料電池システム。
(付記27) 吸水性部材が、吸収した水を固定可能である付記26に記載の燃料電池システム。
(付記28) 吸収性部材が、天然ポリマー及び合成ポリマーから選択される少なくとも1種の有機物質、並びに、無機物質の少なくともいずれかを含む付記26から27のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記29) 天然ポリマーが、セルロース系ポリマー、アルギン酸系ポリマー、マンナン系ポリマー、プルラン系ポリマー、及びキチン・キトサン系ポリマーから選択される少なくとも1種である付記28に記載の燃料電池システム。
(付記30) 合成ポリマーが、アクリル系ポリマー、アクリルアミド系ポリマー、ポリエチレンレンオキサイド系ポリマー、及びポリエステル系ポリマーから選択される少なくとも1種である付記28から29のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記31) 無機物質が、シリカゲル、ゼオライト、及び酸化マグネシウムから選択される少なくとも1種である付記28から30のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記32) 水吸収手段が、水の吸収前の体積をX(cm3)とし、水の吸収後の体積をY(cm3)とすると、(Y/X)が1.0以上である付記28から31のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記33) 水吸収手段が、吸水性部材の成型体、及び、支持体に吸水性部材を添加させた構造体の少なくともいずれかである付記28から32のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記34) 水吸収手段が、シート状構造物である付記28から33のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記35) スペーサーが、水吸収手段よりも上方に位置する付記17から34のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記36) 燃料電池発電部における、燃料極、固体電解質及び空気極の積層面が上下方向と略並行に配置された付記1から35のいずれかに記載の燃料電池システム。
(付記37) 付記1から36のいずれかに記載の燃料電池システムを有することを特徴とする電気機器。
(付記38) 携帯電話機、携帯電話機用クレイドル、パソコン、デジタルカメラ、ポータブルオーディオ、MP3プレーヤー、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタンス)及び玩具から選択される少なくともいずれかである付記37に記載の電気機器。
(付記39) 燃料電池発電部において発生した水が蒸散したガスを、少なくとも一部が多孔質膜で形成された熱交換室において熱交換させることにより水を凝結させ、該水を水吸収手段により吸収させることを特徴とする燃料電池システムにおける発生水の回収方法。
本発明の電気機器は、リサイクル性、環境性に優れた各種電気機器等として使用することができる。
本発明の燃料電池システムにおける発生水の回収方法は、燃料電池システムにおいて発生した水を回収するために使用することができる。
1a 燃料収容室
2 水吸収部材
3 ノズル
4 ロート材
5 ノズル補助機構
6 燃料インターフェース
10 燃料電池システム
50 燃料電池発電部
51 空気極集電体
52 カーボンペーパー
53 空気極
54 固体電解質
55 燃料極
56 カーボンペーパー
57 シャッター
58 燃料極集電体
100 多孔質膜
102 導水路
105 スペーサー
106 熱交換棒
107 熱交換フィン
108 熱交換ワイヤー
110 熱交換室
120 燃料室
Claims (11)
- 燃料極、固体電解質、空気極及び空気極集電体を有する燃料電池発電部と、
該燃料電池発電部における前記空気極集電体を覆うようにして設けられ、かつ該空気極集電体から放出されるガスを水の露点温度以下で該ガス中の水蒸気を凝結させて水を発生させる熱交換室とを有してなり、
前記熱交換室が、前記空気極集電体の外周部に設けられたスペーサーと、該スペーサーに接続された多孔質膜とを有してなり、前記熱交換室の下部に位置する前記スペーサーが水吸収手段で形成されたことを特徴とする燃料電池システム。 - 多孔質膜における前記空気極集電体に対向した表面に導水路が形成された請求項1に記載の燃料電池システム。
- 多孔質膜が、熱交換室における、燃料電池発電部と対向する壁面に位置する請求項1から2のいずれかに記載の燃料電池システム。
- 多孔質膜における燃料電池発電部に対向する面が、撥水性である請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池システム。
- 多孔質膜の熱伝導率が、0.1W/mK以上である請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池システム。
- 熱交換室内の上下方向に熱交換ワイヤーが配置された請求項1から5のいずれかに記載の燃料電池システム。
- 水吸収手段が、吸水性部材の成型体、及び、支持体に吸水性部材を添加させた構造体の少なくともいずれかである請求項1から6のいずれかに記載の燃料電池システム。
- 熱交換室の下部に、前記熱交換室内で発生した水を集め、前記水吸収手段に移送させる集水手段を有してなり、
前記集水手段が、前記熱交換室内で発生した水を受ける受水口と、該受水口から受水した水を集水手段に放出する、前記受水口の開口面積よりも小さな放水口とを有してなる請求項1から7のいずれかに記載の燃料電池システム。 - 水吸収手段が、燃料電池発電部に燃料を供給する燃料電池用カートリッジの表面の少なくとも一部に該燃料電池用カートリッジに着脱自在に設けられた水吸収手段である請求項8に記載の燃料電池システム。
- 燃料電池発電部における、燃料極、固体電解質及び空気極の積層面が燃料電池システムの上下方向と略並行に配置された請求項1から9のいずれかに記載の燃料電池システム。
- 請求項1から10のいずれかに記載の燃料電池システムを有することを特徴とする電気機器。
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