JP2007250436A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】発電効率の低下が小さくかつアノード側の触媒の一酸化炭素被毒を抑制可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】イオン伝導性電解質と、イオン伝導性電解質を挟むカソード並びに触媒として白金を含むアノードと、アノードに燃料ガスを導くための燃料ガス経路101aと、カソードに酸化剤ガスを導くための酸化剤ガス経路101bとを有し、前記導かれた燃料ガスと酸化剤との化学反応により発電する燃料電池101と、燃料電池の燃料ガス経路に、水素を主成分として含みかつ一酸化炭素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置103と、アノードに到達する前の燃料ガスにブリード用の空気を混合するブリード空気混合装置104と、制御装置112と、を備え、制御装置112は、燃料ガスの水素に対しブリード用の空気の体積比率が0.1%以上1.0%以下となるように燃料ガスにブリード用の空気を混合するようブリード空気混合装置を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関し、特に、燃料ガスにブリード用の空気を混合する装置を備えたものに関する。
燃料電池は、水素と酸素(一般には空気)とを触媒により化学反応させて電気を発生させる。しかし、燃料電池の燃料となる水素は、イフラストラクチャが整備されていない。そこで、家庭用の燃料電池の場合には、一般に併設の水素生成装置により都市ガスを改質してこれを燃料電池に供給する。また、電気自動車に搭載される燃料電池の場合には、メタノール等を改質装置で改質してこれを燃料電池に供給する。
ところで、これらの改質により生成されたガスは、その改質の際に副生される一酸化炭素を含んでいる。一方、上述の化学反応の触媒には通常白金が用いられるので、改質ガスが一酸化炭素を含んでいると、この一酸化炭素が白金触媒(アノード側の触媒)に吸着してその活性を低下させる。すなわち、白金触媒が被毒する。
そこで、この被毒を防止するために改質ガスに微量の空気を混合する技術(以下、エアブリードという)が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。この技術によれば、混合された空気中の酸素により白金触媒に吸着した一酸化炭素が酸化されて二酸化炭素となり、白金触媒から離脱する。その結果、被毒が防止される。
一方、改質ガスに5%の空気を混合すると、高分子電解質膜が劣化することが報告されている(例えば非特許文献1参照)。
特開2005−63946号公開特許公報(特に段落[0324]、[0325]及び[0331]参照) 特開2001−256985号公開特許公報(特に段落[0009]参照) 第45回電池討論会、予稿集、平成16年11月27日〜29日、京都、P20〜21、「固体高分子形燃料電池における電解質膜の劣化要因の検討」
しかしながら、特許文献2には、ブリードエア(ブリード用の空気)の投入量(以下、エアブリード量という場合がある)を多くすると、MEAの劣化を招く旨記載されている。また、上述のように、5%の空気を混合すると、高分子電解質膜が劣化することが報告されている。なお、エアブリード量として、特許文献2には、2%、5%等の値が示されている。また、特許文献1には1%(但し、燃料ガス全体に対する体積比率であり、燃料ガス中の水素に対する体積比率に換算すると1.25%)という値が示されている。
一方、燃料ガスに混合された空気中の酸素は燃料ガス中の水素と反応して消費されるので、ある量以上の空気を混合することが必要であると考えられる。
このように、アノード側の触媒の一酸化炭素被毒を防止するために必要な燃料ガスへの空気の混合量については、その有効な範囲が明らかではなかった。
また、従来、全く議論されていないが、燃料ガスに空気を混合すると燃料ガス中の水素が空気中の酸素と反応して消費されるので、発電効率が低下する。従って、この観点からも空気の混合量を検討することが必要である。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、発電効率の低下が小さくかつアノード側の触媒の一酸化炭素被毒を十分に抑制可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下の事実が明らかになった。なお、その理由は現時点では明確には解明されていない。
すなわち、アノード側の触媒を白金単独又は白金−ルテニウム合金で構成し、エアブリード有りの燃料電池とエアブリード無しの燃料電池とにたいして2種類の耐久試験{後述するように、特性評価試験装置を用いて燃料ガス中の一酸化炭素濃度を厳密に10ppmに制御して燃料電池スタックに供給しながら出力電流密度0.16A/cm2で14000時間運転した場合の耐久試験、及び、実際のフィールド試験中の燃料電池システムで様々な負荷要求に対して燃料処理器が負荷変動を起こす環境下(燃料ガス中の一酸化炭素濃度は、定常運転時で2〜3ppm以下、負荷変動時で20ppm以下)で10000時間運転した場合の耐久試験}を実施した。この際、本発明者は、エアブリード量の有効範囲を明らかにするためには、燃料ガス中の一酸化炭素濃度に対する触媒の一酸化炭素被毒の依存性を明らかにする必要があると考え、この耐久試験を、燃料ガスの一酸化炭素ガス濃度を5ppm、10ppm、20ppmの異なる3条件の下でそれぞれ行った。その結果、わずかのエアブリード量(燃料ガス中の水素に対し体積比率で1%)で一酸化炭素被毒に対し顕著な抑制効果があることが判明した(図4及び図5参照)。
特に、アノード触媒を白金−ルテニウム合金で構成した場合、初期にはエアブリードなしの状態でも、燃料ガス中に一酸化炭素なしの場合の電圧と比較して、燃料ガス中の一酸化炭素濃度が20ppmの場合の低下電圧がおおむね10mV以下、燃料ガス中の一酸化炭素濃度が10ppmの場合の低下電圧がおおむね5mV以下、燃料ガス中の一酸化炭素濃度が5ppmの場合の低下電圧がおおむね2〜3mV程度である。しかしながら、10ppmの一酸化炭素を含む燃料ガスで10000時間以上の耐久試験(上述の2種類の耐久試験)を行った後には、アノード触媒の耐一酸化炭素被毒特性が劣化し、エアブリード無しで一酸化炭素被毒による低下電圧が充分実用に耐えうる燃料ガス中の一酸化炭素濃度は5ppm程度に低下していることが判明した。
燃料ガスの一酸化炭素濃度が10ppm及び20ppmの場合には、エアブリード無しでは被毒が著しく、エアブリードの有無で顕著な差が見られた。そして、エアブリード有りの場合には、現実的な上限値と想定される20ppmの一酸化炭素濃度の燃料ガスに対しても被毒を防止可能であることが判明した。そこで、さらに、エアブリード量の異なる耐久試験を実施して、白金単独又は白金−ルテニウム合金からなるアノード側触媒の被毒に対し有効なエアブリード量の下限値を求めた。これについては、実施の形態において詳しく説明する。なお、上記の燃料ガス中の一酸化炭素濃度の上限値(20ppm)は、燃料電池システムの燃料処理器の負荷変動時を考慮して想定されたものである。即ち、上記の一酸化炭素濃度の上限値は、定常運転中の燃料処理器から出る燃料ガス(一酸化炭素濃度が例えば2〜3ppm以下に低減されている)ではなく、負荷変動時の燃料処理器から出る燃料ガス(一酸化炭素濃度が定常運転時よりも高い)を、実際の燃料電池システムでフィールド試験した際の実データに基づいて考慮して想定されたものでる。
その一方、火力発電との対比、及び、消費する燃料量(例えば都市ガス)と発電量との対比より採算が合う発電効率の下限値から、許容されるエアブリード量の上限値を求めた。これについても実施の形態で詳しく説明する。
以上の検討結果から、本発明の燃料電池システムは、イオン伝導性電解質と、前記イオン伝導性電解質を挟むカソード並びに触媒として白金を含むアノードと、前記アノードに燃料ガスを導くための燃料ガス経路と、前記カソードに酸化剤ガスを導くための酸化剤ガス経路とを有し、前記導かれた燃料ガスと酸化剤との化学反応により発電する燃料電池と、前記燃料電池の燃料ガス経路に、水素を主成分として含みかつ一酸化炭素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、前記アノードに到達する前の前記燃料ガスにブリード用の空気を混合するブリード空気混合装置と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記燃料ガスの水素に対し前記ブリード用の空気の体積比率が0.1%以上1.0%以下となるように前記燃料ガスに前記ブリード用の空気を混合するよう前記ブリード空気混合装置を制御する。
このような構成とすると、発電効率の低下が小さくかつアノード側の触媒の一酸化炭素被毒を抑制することができる。しかも、この被毒抑制効果が相当の期間に渡って持続する。
なお、本発明において、「燃料ガスの水素に対するブリード用の空気の体積比率」とは、{100×(ブリード用の空気の体積)/(燃料ガス中の水素の体積)}をいう。
前記燃料ガスは、0ppmを超えかつ20ppm以下の一酸化炭素を含んでいてもよい。
このような構成とすると、ブリード用の空気を混合する効果が特に顕著となる。
前記ブリード用の空気のNO及びSOの濃度が、それぞれ1ppm以下であってもよい。
前記ブリード用の空気のTOCの濃度が、5ppm以下であってもよい。
前記ブリード用の空気の塩化物及び臭化物の濃度が、それぞれ1ppm以下であってもよい。
前記アノードの前記触媒としてルテニウムが更に含まれていてもよい。
なお、本発明において、アノードの触媒として白金及びルテニウムを含む触媒を採用する場合、「白金及びルテニウムを含む触媒」とは、合金の状態の白金−ルテニウム合金粒子、合金の状態の白金−ルテニウム合金粒子が導電性炭素粒子などの担体粒子上に担持されているもの、白金粒子とルテニウム粒子とが接触した状態の粒子、白金粒子とルテニウム粒子とが接触した状態の粒子が導電性炭素粒子などの担体粒子上に担持されているもの、及び、白金粒子とルテニウム粒子とが接触しない状態で導電性炭素粒子などの担体粒子上に担持されているものを含む。
本発明は以上に説明したように構成され、燃料電池システムにおいて、発電効率の低下が小さくかつアノード側の触媒の一酸化炭素被毒を抑制可能であるという効果を奏する。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態に係る燃料電池システムの構成を模式的に示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態の燃料電池システム100は、主な構成要素として、燃料電池101と、燃料ガス供給装置102と、酸化剤ガス供給装置103と、ブリードエア供給装置104と、制御装置112と、燃料電池101を冷却する冷却システム(図示せず)とを備えている。なお、図1には、燃料電池システム100の本発明と関連する部分を示していて、そうでない部分は図示を省略している。
燃料電池発電システム100は、本実施の形態では、家庭用のものである。燃料電池101は、高分子電解質型燃料電池で構成されていて、その内部に、燃料ガスが通流する燃料ガス経路101a、酸化剤ガスが通流する酸化剤ガス経路101b、及び冷却水が通流する冷却水経路(図示せず)が形成されている。そして、燃料ガス経路101aに接触するようにアノードが形成され、酸化剤ガス経路に接触するようにカソードが形成されている。燃料として、本実施の形態では、改質ガスが用いられる。ここで、本明細書において、「改質ガス」とは、炭化水素からなる原料を改質反応により改質して生成される水素リッチな一酸化炭素を含むガスをいう。ちなみに、改質ガスの概略の組成(体積比率)の一例を示すと、Hが75%、CO2が23%、CH及びNが2%である。酸化剤として、本実施の形態では、空気が用いられる。もちろんこれ以外の酸化剤を用いても構わない。
燃料ガス供給装置102は、ここでは、周知の水素生成装置で構成されている。従って、詳しい説明は、省略し、本発明と関連する事項のみ説明する。燃料ガス供給装置102は、都市ガスを原料として、水を用いた改質反応により改質ガスを生成する。この改質ガスは水素を主として含むが、副生物として二酸化炭素と一酸化水素とを含む。そこで、通常は、この改質ガスを変成反応により一酸化炭素を二酸化炭素に転化し、その後、残存する一酸化炭素を選択酸化反応により選択的に酸化して、その一酸化炭素濃度を所定のレベル(例えば10ppm以下)にまで低減する。そして、このように一酸化炭素濃度を低減された改質ガスを燃料ガスとして供給する。従って、改質ガスは、その濃度が低減されていても、その改質反応に由来する一酸化炭素を含んでいる。この改質ガスの一酸化炭素濃度は0ppmを超えかつ20ppm以下であることが好ましい。また、改質ガスの一酸化炭素濃度が5ppmを超えかつ20ppm以下である場合には、エアブリードを実施しない場合との被毒抑制効果における差異が顕著となる。
燃料ガス供給装置102は、この改質ガスからなる燃料ガスを、燃料ガス供給流路107を通じて燃料電池101の燃料ガス経路101aに供給する。燃料ガス経路101aに供給された燃料ガスはアノードに導かれ、そこで還元反応により消費される。消費されなかった余剰の燃料ガスは、燃料ガス経路101aから燃料ガス排出流路108に流出する。燃料ガス排出流路108に流出した燃料ガスは、燃焼バーナ(図示せず)で燃焼される等、適宜処理された後、大気に放出される。
酸化剤ガス供給装置103は、例えば、ブロワで構成される。酸化剤ガス供給装置103は、酸化剤ガスとしての空気を、酸化剤ガス供給流路109を通じて燃料電池101の酸化剤ガス経路101bに供給する。酸化剤ガス経路101bに供給された酸化剤ガスはカソードに導かれ、そこで酸化反応により消費される。この酸化反応及び上述の還元反応により電気及び熱が発生する。消費されなかった余剰の酸化剤ガスは、酸化剤ガス経路101bから酸化剤ガス排出流路110に流出し、適宜処理された後、大気に放出される。
ブリードエア供給装置104は、空気供給器105とフィルタ106とを有している。空気供給器105は例えばブロワで構成される。空気供給器105は、空気を、ブリードエア供給流路111を通じて燃料ガス供給流路107に供給する。燃料ガス供給流路107には例えばT管継手113が配設されていて、このT管継手113によってブリードエア供給流路111が燃料ガス流路107に接続されている。
これにより、ブリードエア供給流路111を通過した空気が、燃料ガス供給流路107を流れる燃料ガスに混合される。フィルタ106はブリードエア供給流路111の途中に配設されていて、空気供給器105から送出される空気を途中で浄化する。フィルタ106は、NO等除去部106aと、TOC(Total Organic Carbon)除去部106bと、塩化物等除去部106cとを有している。NO等除去部106aには周知のNOフィルタと周知のSOフィルタとが配設されている。TOC除去部106bには、ケミカル吸着剤、活性炭等からなる周知のTOC除去剤が配置されている。塩化物等除去部106cには、塩化物フィルタと臭化物フィルタとが配設されている。これにより、フィルタ106を通過する空気は、そのNO及びSOの濃度がそれぞれ1ppm以下となり、そのTOCの濃度が5ppm以下となり、かつその塩化物及び臭化物の濃度がそれぞれ1ppm以下となるように、浄化される。
冷却システム(図示せず)は、燃料電池101の内部を通る冷却水循環経路(図示せず)に循環ポンプ(図示せず)と放熱器(図示せず)とが配設されていて、循環ポンプにより冷却水が冷却水循環経路を循環されて燃料電池101が冷却されるように構成されている。
制御装置112は、マイコン等の演算装置で構成され、燃料ガス供給装置102、酸化剤ガス供給装置103、及び空気供給装置105の他、燃料電池システム100の所要の構成要素を制御して該燃料電池発電装置100の動作を制御する。ここで、本明細書においては、制御装置とは、単独の制御装置だけでなく、複数の制御装置が協働して制御を実行する制御装置群をも意味する。よって、制御装置112は、必ずしも単独の制御装置で構成される必要はなく、複数の制御装置が分散配置されていて、それらが協働して燃料電池発電装置100の動作を制御するよう構成されていてもよい。
次に、燃料電池101の構成を説明する。燃料電池101は周知のもので構成されているので、その詳細な説明は省略し、本発明と関連する部分のみ説明する。
図2は図1の燃料電池101のセルの概略の構成を示す断面図である。
図1及び図2において、燃料電池101(正確にはスタック)は、セル21が多数積層され、その両端に一対の端板(図示せず)が配置されるようにして構成されている。
図2に示すように、セル21は、MEA(Membrane Electrode Assembly:高分子電解質膜―電極接合体)25を有している。MEA25は、高分子電解質膜22と、この高分子電解質膜22の周縁部を除く部分(内側部分)の両面にそれぞれ形成されたアノード23及びカソード24とを有している。アノード23は、高分子電解質膜22の上に形成された触媒層29とこの触媒層29の上に形成されたガス拡散電極層30とで構成されている。カソード24は、高分子電解質膜22の上に形成された触媒層31とこの触媒層31の上に形成されたガス拡散電極層32とで構成されている。そして、このMEA25の高分子電解質膜22の周縁部(外側部分)の両面に、中央部に開口を有する一対のガスケット26,26が、その開口にそれぞれアノード23及びカソード24が位置するようにして、配設されている。従って、アノード23及びカソード24はこのMEA25とガスケット26,26との接合体(以下、MEA−ガスケット接合体という)の両面の中央部(内側部分)に露出している。
このMEA−ガスケット接合体のアノード側の主面に接するようにアノードセパレータ27が配設され、MEA−ガスケット接合体のカソード側の主面に接するようにカソードセパレータ28が配設されている。
アノードセパレータ27には、その内面に溝状の燃料ガス流路34が形成され、その外面に溝状の冷却水流路36Aが形成されている。アノードセパレータ27の周縁部には該周縁部を貫通するように、燃料ガス供給マニフォールド孔41A、酸化剤ガス供給マニフォールド孔42A、冷却水供給マニフォールド孔43A、燃料ガス排出マニフォールド孔41B、酸化剤ガス排出マニフォールド孔42B、及び冷却水排出マニフォールド孔43Bがそれぞれ形成されている。そして、燃料ガス流路34は燃料ガス供給マニフォールド孔41Aと燃料ガス排出マニフォールド孔41Bとを接続するように形成され、冷却水流路36Aは冷却水供給マニフォールド孔43Aと冷却水排出マニフォールド孔43Bとを接続するように形成されている。
また、カソードセパレータ28は、その内面に溝状の酸化剤ガス流路35が形成され、その外面に溝状の冷却水流路36Bが形成されている。カソードセパレータ28の周縁部には該周縁部を貫通するように、燃料ガス供給マニフォールド孔41A、酸化剤ガス供給マニフォールド孔42A、冷却水供給マニフォールド孔43A、燃料ガス排出マニフォールド孔41B、酸化剤ガス排出マニフォールド孔42B、及び冷却水排出マニフォールド孔43Bがそれぞれ形成されている。そして、酸化剤ガス流路35は酸化剤ガス供給マニフォールド孔42Aと酸化剤ガス排出マニフォールド孔42Bとを接続するように形成され、冷却水流路36Bは冷却水供給マニフォールド孔43Aと冷却水排出マニフォールド孔43Bとを接続するように形成されている。
そして、MEA−ガスケット接合体の周縁部にも、アノードセパレータ27及びカソードセパレータ28に対応するように、該周縁部を貫通するようにして燃料ガス供給マニフォールド孔41A、酸化剤ガス供給マニフォールド孔42A、冷却水供給マニフォールド孔43A、燃料ガス排出マニフォールド孔41B、酸化剤ガス排出マニフォールド孔42B、及び冷却水排出マニフォールド孔43Bが形成されている。これにより、燃料電池101には、各セル21の燃料ガス供給マニフォールド孔41A、酸化剤ガス供給マニフォールド孔42A、冷却水供給マニフォールド孔43A、燃料ガス排出マニフォールド孔41B、酸化剤ガス排出マニフォールド孔42B、及び冷却水排出マニフォールド孔43Bがそれぞれ繋がって燃料ガス供給マニフォールド、酸化剤ガス供給マニフォールド、冷却水供給マニフォールド、燃料ガス排出マニフォールド、酸化剤ガス排出マニフォールド、及び冷却水排出マニフォールドが形成されている。
また、アノードセパレータ27の外面の冷却水流路36Aとカソードセパレータ28の外面の冷却水流路36Bとが合わさって、隣接する2つのセル21の間に1つの冷却水流路が形成されている。そして、燃料ガス供給マニフォールド、燃料ガス流路34、及び燃料ガス排出マニフォールドが燃料ガス経路101aを構成している。また、酸化剤ガス供給マニフォールド、酸化剤ガス流路35、及び酸化剤ガス排出マニフォールドが酸化剤ガス経路101bを構成している。また、冷却水供給マニフォールド、冷却水流路36A,36B、及び冷却水排出マニフォールドが、図示されない冷却水循環経路の燃料電池通過部分を構成している。
そして、図1において、燃料ガス供給マニフォールドに燃料ガス供給流路107が接続され、燃料ガス排出マニフォールドに燃料ガス排出流路108が接続されている。また、酸化剤ガス供給マニフォールドに酸化剤ガス供給流路109が接続され、酸化剤ガス排出マニフォールドに酸化剤ガス排出流路110が接続されている。さらに、冷却水供給マニフォールドに及び冷却水排出マニフォールドに図示されない冷却水循環経路が接続されている。
なお、図2には、燃料ガス供給マニフォールド孔41A、酸化剤ガス供給マニフォールド孔42A、及び冷却水供給マニフォールド孔43Aが2本の破線で示され、同様に燃料ガス排出マニフォールド孔41B、酸化剤ガス排出マニフォールド孔42B、及び冷却水排出マニフォールド孔43Bが2本の破線で示されているが、これは図2の断面視においてこれらが重なっていることを示しているのであり、これらが1つのマニフォールド孔を共用しているのではなく個別に形成されているのは言うまでもない。また、各マニフォールド孔41A〜43A,41B〜43Bを任意に配置することができることは言うまでもない。
高分子電解質膜22は、ここでは、パーフルオロカーボンスルホン酸膜(DUPONT製Nafion112(登録商標))で構成されている。ガス拡散電極層30,32は、ここでは、カーボンペーパ(TORAY製 TGP-H-090)で構成されている。このカーボンペーパに触媒粉末が塗布されて触媒層29,31が形成されている。アノード23の触媒層29の触媒粉末として、ここでは、アセチレンブラック系カーボン粉末(電気化学工業株式会社製 DENKA BLACKFX-35)に、平均粒径約30μmの白金―ルテニウム合金(重量比でPt:Ru=1:1)を25%担持した触媒粉末が用いられている。カソード24の触媒層31の触媒粉末として、ここでは、アセチレンブラック系カーボン粉末(電気化学工業株式会社製 DENKA BLACKFX-35)に、平均粒径約30μmの白金粒子を25%担持した触媒粉末が用いられている。
アノードセパレータ27及びカソードセパレータ28は、カーボン等の導電性材料で構成されている。
次に、以上のように構成された燃料電池システム100の動作を説明する。この燃料電池発システム100の動作は、既述のように制御装置112の制御により遂行される。
図1及び図2において、燃料ガス供給装置102から燃料ガスが燃料ガス供給流路107に送出される。一方、ブリードエア供給装置104からブリードエアがブリードエア供給流路111に送出される。そして、T管継手114において、ブリードエアが燃料ガスに混合され、このブリードエアを混合された燃料ガスが燃料電池101に供給される。この供給された燃料ガスは燃料ガス供給マニフォールド(41A)を通って燃料ガス流路34に流入する。そして、アノード23と接触しながら燃料ガス流路34を流れる。そして、この過程で、触媒層29の触媒作用によって水素がイオン化され、水素イオンは高分子電解質膜22を通ってカソード24に輸送される。また、水素から電離した電子はガス拡散電極層30から燃料電池101及び外部負荷により形成される電気回路を通ってカソード24のガス拡散電極層32に移動する。一方、酸化剤ガス供給装置103から酸化剤ガスが燃料電池101に供給される。この供給された酸化剤ガスは酸化剤ガス供給マニフォールド(42A)を通って酸化剤ガス流路35に流入する。そして、カソード24と接触しながら酸化剤ガス流路35を流れる。
そして、この過程で、カソード24では、該カソード24に輸送されてきた水素イオンがガス拡散電極層32に移動してきた電子と結合して水素に戻り、この水素が触媒層31の触媒作用の下で酸化剤ガス中の酸素と反応して水が生成される。この反応により、電気が発生するとともに熱が発生する。この発生した電気は燃料電池101の図示されない電気出力端子から出力されて負荷で消費される。一方、発生した熱は冷却水流路36A,36Bを流れる冷却水に伝達され、それにより、燃料電池101が冷却されて適宜な温度に維持される。また、上記反応に用いられなかった燃料ガスは、燃料ガス排出マニフォールド(41B)を通って燃料ガス排出流路108に流出する。また、上記反応に用いられなかった酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出マニフォールド(42B)を通って酸化剤ガス排出流路110に流出する。
次に、本発明を特徴付ける動作を説明する。
本実施の形態では、制御装置112は、燃料ガスの供給量が発電量に応じたものとなるように燃料ガス供給装置102を制御する。その際、燃料ガスに混合されるブリードエアの量(以下、エアブリード量という)が、所定の範囲内となるようにブリードエア供給装置104(正確には空気供給装置105)を制御する。このエアブリード量の所定の範囲は、燃料ガスの水素に対しブリードエアの体積比率(外分)が0.1%以上1.0%以下となる範囲である。なお、以下では、この燃料ガスの水素に対するブリードエアの体積比率をエアブリード量N%(Nは数値)と記載する。
これにより、発電効率の低下が小さくて済み、かつ燃料電池101のアノードの触媒の被毒が適切に抑制される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の燃料電池システムについて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
本発明者らは、本発明を特徴付けるエアブリード量の好適な範囲を決定するために、下記の実施例及び比較例を遂行した。図3は実施例の燃料電池システム及び比較例の燃料電池システムの構成と特性評価試験結果を示す表である。
これらの実施例及び比較例として、2種類の耐久試験を行った。すなわち、一方の耐久試験として、燃料電池スタック単体を特性評価試験装置に組み込んで燃料ガス中の一酸化炭素濃度を厳密に10ppmに制御して燃料電池スタックに供給しながら一定出力(出力電流密度0.16A/cm2)の発電を14000時間継続させる耐久試験を行った。なお、この耐久試験の燃料ガス組成は、水素75vol%、二酸化炭素25vol%、一酸化炭素濃度を厳密に10ppmとした。
また、もう一方の耐久試験として、実際のフィールド試験中の燃料電池システムで様々な負荷要求に対して燃料処理器が負荷変動を起こす環境下(燃料ガス中の一酸化炭素濃度は、定常運転時で2〜3ppm以下、負荷変動時で20ppm以下)で発電を10000時間継続させる耐久試験を行った。
そして、上記の2種類の耐久試験を行った後の燃料電池スタックを、特性評価試験装置に組み込んで以下のエアブリード量を変えた各条件の下でそれぞれ耐久試験後の特性評価試験を行った。
即ち、実施例1乃至実施例4におけるエアブリード量は、それぞれ、0.1%、0.7%、0.9%、1.0%とした。比較例1乃至比較例3におけるエアブリード量は、それぞれ、0%、1.25%、2.0%とした。
また、エアブリードの有効範囲を確認するために、各々の実施例又は比較例において、燃料ガスの一酸化炭素濃度を5ppm、10ppm、20ppmの3条件に変化させて、各条件の下でそれぞれ耐久試験を行った。全ての実施例及び比較例において、本実施の形態の燃料電池101と同様に構成された燃料電池が用いられた。
但し、燃料ガスには、改質ガスを模擬した混合ガス(水素75vol%:二酸化炭素25vol%)が用いられた。燃料電池スタックのセル積層数は66段である。
また、各燃料電池のアノードの触媒としては、導電性炭素粒子に白金−ルテニウム合金を担持したもの(田中貴金属工業(株)社製,商品名:「TEC61E54」)を用いた。更に、各燃料電池のカソードの触媒としては、導電性炭素粒子に白金を担持したもの(田中貴金属工業(株)社製,商品名:「TEC10E50E」)を用いた。また、スタック単体で耐久試験が行われた場合には14000時間、燃料電池システムで耐久試験が行われた場合には10000時間、それぞれ定格運転した後、セル電圧が測定された。アノードの触媒が一酸化炭素で被毒されると、その活性が低下してセル電圧が低下するので、通常、セル電圧を測定してその低下量により被毒の程度が判定される。また、高分子電解質膜の劣化の有無を判定するため、燃料電池から排出された燃料ガス中のFイオンの濃度が測定された。
次に、セル電圧の測定例を説明する。図4はスタック単体の耐久試験におけるセル電圧の測定例を示すグラフである。図5は燃料電池システムの耐久試験におけるセル電圧の測定例を示すグラフである。図4及び図5において、横軸はセル番号を表し、縦軸はセル電圧低下量(mV)を表す。セル電圧低下量は、初期値に対する耐久試験後のセル電圧の低下量である。
図4において、この測定例では、エアブリード量が0%及び1.0%であるので、これらは、それぞれ、比較例1及び実施例4における測定例である。図4から明らかなように、エアブリード量が1.0%の場合(実施例4)では、セルによってばらつきはあるものの、セル電圧低下量は、概ね、+5mV〜−10mVの範囲に収まっている。一方、エアブリード量が0%の場合(比較例1)においては、燃料ガスの一酸化炭素濃度が5ppmの場合にはセル電圧低下量は、概ね、0mV〜−5mVの範囲に収まっており、燃料ガスの一酸化炭素濃度が10ppm及び20ppmの場合には、セル電圧低下量は、概ね、−5mV〜−20mVの範囲に分布している。従って、燃料ガスの一酸化炭素濃度が5ppmの場合には、エアブリード量が1.0%の場合とエアブリード量が0%の場合とでは大きな差は見られず、いずれもセル電圧の低下が小さい(被毒が十分抑制されている)。これは、アノードの触媒を白金−ルテニウム合金で構成した効果であると考えられる。
しかし、燃料ガスの一酸化炭素濃度が10ppm及び20ppmの場合には、エアブリード量が0%の場合におけるセル電圧の低下が著しく(被毒が著しく)、エアブリード量が1.0%の場合とエアブリード量が0%の場合とでは顕著な差が見られる。また、エアブリード量が同じ場合には、燃料ガスの一酸化炭素濃度が低い程、セル電圧の低下が少ない。しかし、エアブリード量が1.0%の場合においては、一酸化炭素濃度が最も高い20ppmの場合でも、セル電圧の低下は、概ね−10mVに止まっており、1.0%のエアブリードが、一酸化炭素濃度が20ppmである燃料ガスに対しても有効であることが確認された。
図5においても、この測定例では、エアブリード量が0%及び1.0%であるので、これらは、それぞれ、比較例1及び実施例4における測定例である。この測定例においても、図4の測定例と同様の傾向が見られる。
この検討においては、このように測定された各実施例の燃料電池システム及び各比較例の燃料電池システムのシステム全体のエネルギー変換効率(HHV基準)、セル電圧低下量を統計的に処理し、火力発電に対する使用メリットの出る下記基準値以上であるか否かにより各燃料電池システムの特性に関する良否を判定した。
具体的には、燃料電池システムのシステム全体のエネルギー変換効率(HHV基準)による評価については、燃料電池システムのエネルギー変換効率(HHV基準)が目標範囲(33.05%〜33.37%)のうちの下限値33.05%以上であるか否かを判断基準値とした。そして、エネルギー変換効率(HHV基準)が下限値33.05%以上である場合には「良」(○)、下限値33.05%未満の場合には「否」(×)と判定した。
この燃料電池システムのエネルギー変換効率(HHV基準)目標範囲(33.05%〜33.37%)は火力発電に対する使用メリットの出る範囲であり、以下の計算により得られる。
即ち、{燃料電池システムのエネルギー変換効率(HHV基準)}=(燃料電池スタックの発電効率:51.0%〜51.5%)×(燃料処理器の効率:80%)×(インバータの効率:90%)×(他のシステム補機の効率:90%)=33.05%〜33.37%
なお、以上の燃料電池システムのエネルギー変換効率(HHV基準)の目標値の設定において、燃料処理器の効率(HHV基準)は{(燃料処理器で生成する水素のエンタルピー)/(燃料処理器に投入されるメタンのエンタルピー)}に相当する値である。また、その値(80%)は、実際に評価試験に使用した燃料処理器の効率(HHV基準)であり、現在の一般的な燃料処理器のエネルギー変換効率(HHV基準)が79%〜81%であることから妥当な値である。更に、この計算においては、電気料金が24円/kWh、ガス料金が8円/kWhであると仮定した。この電力料金を基準にすると、ガス料金と電力料金の比が、8:24=1:3であるため、発電効率が約33%以上であれば、使用したガスの料金に対して、同額以上の電力を得ることが出来る計算になる。
燃料電池システムのエネルギー変換効率(HHV基準)が上記の目標範囲(33.05%〜33.37%)のうちの下限値33.05%以上であれば、燃料電池システムに使用される都市ガスの量と、燃料電池システムにより生まれる電気の量とが、上記ガス料金、電気料金に換算してみた場合に収支が略ゼロとなる。この場合、燃料電池システムより生まれる温水を利用できる分、商用電力から購入する電力に対する燃料電池システムの使用メリットが出ることになる。
また、セル電圧低下量による評価については、燃料電池スタックの発電効率が51.5%となる電圧(763.7mV)に対して、燃料電池スタックの発電効率が51.0%となる電圧(756.3mVmV)との差である、セル電圧低下量が7.4mV以内であるか否かを判断基準値とした。そして、セル電圧低下量が7.4mV以内である場合には「良」(○)、セル電圧低下量が7.4mVを超える場合には「否」(×)と判定した。
なお、上記のセル電圧低下量の判断基準値は、商用電力に対する燃料電池システムの使用メリットを出す場合に、燃料電池スタックに求められる上述の発電効率の目標範囲:51.0%〜51.5%をセル電圧に換算した範囲:756.3mV〜763.7mVに基づいて決定した。また、以上のセル電圧低下量は積層されている66セル分の相加平均を計算して各実施例及び比較例のセル電圧低下量とした。
更に、各実施例の燃料電池システム及び各比較例の燃料電池システムについて、エアブリードによる膜劣化の有無を確認するため、Fイオンの測定値に基づいて高分子電解質膜の劣化の有無を判定した。Fイオンの測定値がエアブリードなしの場合に比べて、増加量が50%以下である場合には「良」(○)、Fイオンの測定値がエアブリードなしの場合に比べて、増加量が50%を超える場合には「否」(×)と判定した。
以上の検討結果をまとめると、以下のようになる。
図6は図3の実施例及び比較例におけるセル電圧低下量とエアブリード量との関係を、発電効率とエアブリードとの関係と共に示すグラフである。図6において、横軸はエアブリード量を表し、縦軸はセル電圧低下量及び発電効率を表す。また、符号Eは発電効率とエアブリードとの関係を表す直線を示し、符号E0は限界効率を示し、符号Vはセル電圧低下量とエアブリード量との関係を表す曲線を示す。
図6に示すように、10000時間耐久試験後のセル電圧低下量Vは、エアブリード量が0%のとき約15mVであるが、エアブリード量が0.1%のとき約2mVと殆んど無視できるレベルになる。そしてエアブリード量が0.1%からさらに増加しても殆んど同じレベルで推移する。従って、セル電圧低下量は、エアブリード量が0.1%の点で顕著に小さくなる。一方、発電効率はエアブリード量が増加するに連れて直線的に低下する。そして、エアブリード量が1.0%の点で限界効率E0を下回り始める。
図3に示すように、セル電圧低下量は比較例1(エアブリード量=0%)のみが「否」であり、これ以外の実施例及び比較例は全て「良」であった。発電効率は比較例2及び3が「否」であり、これ以外の実施例及び比較例は全て「良」であった。高分子電解質膜の劣化は、全ての実施例及び比較例が「良」であった。従って、この結果を総合すると、エアブリード量の好ましい範囲は、0.1%以上でかつ1.0%以下の範囲となる。
なお、上記では、家庭用の燃料電池システムについて説明したが、これ以外の用途の燃料電池システムにも、本発明を上記と同様に適用することができる。
また、上記では、セルのイオン伝導性電解質が、高分子電解質膜である場合を説明したが、これ以外のイオン伝導性電解質である場合にも、本発明を上記と同様に適用することができる。
また、ブリードエア供給装置のフィルタ6を省略しても構わない。
本発明の燃料電池システムは、発電効率の低下が小さくかつアノード側の触媒の一酸化炭素被毒を抑制可能な燃料電池システム等として有用である。
本発明の実施の形態に係る燃料電池システムの構成を模式的に示すブロック図である。 図1の燃料電池のセルの概略の構成を示す断面図である。 実施例及び比較例の内容を示す表である。 スタック単体の耐久試験におけるセル電圧の測定例を示すグラフである。 燃料電池システムの耐久試験におけるセル電圧の測定例を示すグラフである。 図3の実施例及び比較例におけるセル電圧低下量とエアブリード量との関係を、発電効率とエアブリードとの関係と共に示すグラフである。
符号の説明
21 セル
22 高分子電解質膜
23 アノード
24 カソード
25 MEA
26 ガスケット
27 アノードセパレータ
28 カソードセパレータ
29,31 触媒層
30,32 ガス拡散電極層
34 燃料ガス流路
35 酸化剤ガス流路
36A,36B 冷却水流路
41A 燃料ガス供給マニフォールド
41B 燃料ガス排出マニフォールド
42A 酸化剤ガス供給マニフォールド
42B 酸化剤ガス排出マニフォールド
43A 冷却水供給マニフォールド
42B 冷却水排出マニフォールド
100 燃料電池システム
101 燃料電池
101a 燃料ガス経路
101b 酸化剤ガス経路
102 燃料ガス供給装置
103 酸化剤ガス供給装置
104 ブリードエア供給装置
105 空気供給装置
106 フィルタ
106a NO等除去部
106b TOC除去部
106c 塩化物等除去部
107 燃料ガス供給流路
108 燃料ガス排出流路
109 酸化剤ガス供給流路
110 酸化剤ガス排出流路
112 制御装置
E 発電効率
V セル電圧低下量

Claims (6)

  1. イオン伝導性電解質と、前記イオン伝導性電解質を挟むカソード並びに触媒として白金を含むアノードと、前記アノードに燃料ガスを導くための燃料ガス経路と、前記カソードに酸化剤ガスを導くための酸化剤ガス経路とを有し、前記導かれた燃料ガスと酸化剤との化学反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池の燃料ガス経路に、水素を主成分として含みかつ一酸化炭素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、
    前記アノードに到達する前の前記燃料ガスにブリード用の空気を混合するブリード空気混合装置と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記燃料ガスの水素に対し前記ブリード用の空気の体積比率が0.1%以上1.0%以下となるように前記燃料ガスに前記ブリード用の空気を混合するよう前記ブリード空気混合装置を制御する、燃料電池システム。
  2. 前記燃料ガスは、0ppmを超えかつ20ppm以下の一酸化炭素を含む、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記ブリード用の空気のNO及びSOの濃度が、それぞれ1ppm以下である、請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記ブリード用の空気のTOCの濃度が、5ppm以下である、請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記ブリード用の空気の塩化物及び臭化物の濃度が、それぞれ1ppm以下である、請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記アノードの前記触媒としてルテニウムが更に含まれている、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載の燃料電池システム。
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