JP4502753B2 - 乳化化粧料 - Google Patents
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れているが(例えば、特許文献5、特許文献6を参照)、前者においてはアルキル変性カルボキシビニルポリマーの作る構造の耐塩性に課題が存し、皮膚の上で汗などの塩分によって構造が壊れ、使用感を損なう場合が存した。また、後者においては対象となるパーフルオロアルキル基を有する化合物がシリコーンに限られる点で汎用性に欠点が存した。又、この系では界面活性剤フリーとはなり得なかった。
(1)1)パーフルオロアルキル基を有する化合物と、2)アルギン酸の多価アルコールエステルとを含有することを特徴とする、乳化剤形の皮膚外用剤。
(2)前記パーフルオロアルキル基を有する化合物が、パーフルオロポリエーテルであることを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)前記アルギン酸の多価アルコールエステルが、アルギン酸プロピレングリコールであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)前記アルギン酸の多価アルコールエステルの含有量が1〜5質量%であることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(5)更に、アルギン酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(6)水中油乳化剤形であることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(7)界面活性剤フリーであることを特徴とする、(1)〜(6)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(8)基礎化粧料、下地化粧料乃至はオーバーコート化粧料であることを特徴とする、(1)〜(7)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
本発明の乳化組成物は、アルギン酸の多価アルコールエステルを必須成分として含有する。ここで、アルギン酸の多価アルコールエステルを構成する多価アルコールとしては、皮膚外用剤などで使用されているものであれば特段の限定なく使用することが出来、炭素数2〜4のものが好ましく、エーテル結合を持たないものが好ましい。具体的には、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール等が好ましく例示でき、中でも親水性と親油性のバランスから、プロピレングリコールが特に好ましく例示できる。これらのアルギン酸の多価アルコールエステルは何れも既知化合物であり、その製造方法は既に知られている。かかるアルギン酸の多価アルコールエステルの製造法としては、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸の塩と、対応する多価アルコールのモノハロゲン化物を、アルカリ存在下反応させることが例示できる。例えば、アルギン酸プロピレングリコールエステルであれば、アルギン酸ナトリウムと1−クロル−2−プロ
パノールを含水アルコール中で炭酸カリウムなどを存在させて反応させればよいし、アルギン酸グリセリルエステルであれば、前記の反応の1−クロル−2−プロパノールを1−クロル−2,3−プロパンジオールに代えて同様に処理すれば製造することが出来る。本発明の皮膚外用剤で使用できるアルギン酸の多価アルコールエステルとしては、特段の限定はされないが、次の特性を有するものが好適に使用できる。
1)エステル化度が70%以上、より好ましくは80%以上であること。
2)1%水溶液の水溶液の20℃における粘度がB型粘度計で1号ローターでの測定で、10〜100mPascal・秒、より好ましくは10〜30mPascal・秒であること。
本発明の皮膚外用剤は、パーフルオロアルキル基を有する化合物を必須成分として含有することを特徴とする。ここで、パーフルオロアルキル基を有する化合物とは、脂肪族炭化水素基であって、構成炭素原子の内に炭素−炭素結合とフッ素−炭素結合以外の結合手を持たないものが存在する化合物の総称であり、例えば、3,3,3,2,2−ペンタフルオロプロピル基等の基もパーフルオロアルキル基に属する。皮膚外用剤で使用されるこの様な基を有する化合物としては、例えば、パーフルオロ燐酸エステル(特許文献7を参照)、パーフルオロアルキルアクリレート(例えば、特許文献8を参照)、パーフルオロアルカン(例えば、特許文献9を参照)、含フッ素炭酸エステル(例えば、特許文献10を参照)、パーフルオロシラン(例えば、特許文献11を参照)等が例示できる。これらの中で特に好ましいものはパーフルオロアルキルポリエーテル類である。かかるパーフルオロアルキル基を有する化合物の中には既に市販されているものも存し、かかる市販品を購入して利用することも出来る。好ましい市販品としては、パーフルオロアルキルポリエーテルである、「ホンブリン」シリーズ(アウジモント社製)が例示でき、中でも「ホンブリンHC/04」或いは「ホンブリンHC/25」が特に好ましく例示できる。かかるパーフルオロアルキル基を有する化合物は、皮膚上に塗布した場合、経皮的水分散逸を抑制したり、メークアップ化粧膜が汗などの水性成分によって崩れるのを防いだり、皮膚が起炎性物質と接触するのを防ぐ作用を発現する。
本発明の皮膚外用剤は、前記必須成分を含有し、乳化剤形を取ることを特徴とする。乳化の形態としては、水中油乳化剤形、水中油中水乳化剤形など、外相に水相が存在する様な乳化剤形が好ましく例示でき、中でも、水中油乳化剤形が特に好ましく例示できる。これは安定性に特に優れるためである。又、本発明の皮膚外用剤においては、各種界面活性剤を含有させることは可能であるが、本発明の主旨からすると、含有させる界面活性剤の量はなるべく少ない方が好ましく、具体的には1質量%以下であることが好ましく、界面活性剤フリーであることが特に好ましい。これは、化粧崩れなどを防止する意味でも極めて有利である。
1,3−ブタンジオール 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 5 質量%
「キミロイドNLS−K」 2 質量%
アルギン酸ナトリウム 1 質量%
メチルパラベン 0.3質量%
水 66.5質量%
ロ)
「ホンブリンHC/04」 10 質量%
ブチルパラベン 0.1質量%
ハ)
水 10 質量%
塩化カルシウム 0.1質量%
以下に示す処方に従って、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを用いた、パーフルオロアルキル基を有する化合物である、パーフルオロアルキルポリエーテルの乳化化粧料(比較例1)を製造した。即ち、イ、ロ、ハの成分をそれぞれ75℃に加熱し、イにロを加えて中和し、これに攪拌下ハを徐々に加え乳化し、ホモジナイザーで粒子を整えて、攪拌冷却し、比較例1の乳化化粧料を得た。
1,3−ブタンジオール 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 5 質量%
アルキル変性カルボキシビニルポリマー 1 質量%
(グッドリッチ社製、「ペムレンTR−2」)
メチルパラベン 0.3質量%
水 68.1質量%
ロ)
水 10 質量%
水酸化カリウム 0.5質量%
ハ)
「ホンブリンHC/04」 10 質量%
ブチルパラベン 0.1質量%
乳化化粧料1と、比較例1とを下地化粧料の形態で使用し、その機能を比較した。機能としては化粧崩れの防止効果を選択した。即ち、全腕内側部に2cm×3cmの部位を3カ所設け、1カ所は乳化化粧料1を20μlを塗布した後、下記のファンデーション50mgを塗布し、1カ所は比較例1を20μlを塗布した後、下記のファンデーション50mgを塗布し、残る1カ所は下記のファンデーション50mgのみを塗布した。塗布後2分おいてなじませ、しかる後に流水下で3回軽く手で擦過し、しかる後タオルを押しつけて水分を除去し、地肌との色差ΔEを色差計で測定した。結果を表1に示す。これより、本発明の化粧料を下地化粧料として用いた場合、優れた化粧崩れ抑制効果を発揮することが判る。比較例1に比して、本発明の皮膚外用剤である乳化化粧料1が優れた効果を発揮するのは、本発明の皮膚外用剤が耐塩性に優れるためであると思われる。
シリコーン処理二酸化チタン 25 質量%
シリコーン処理黄色酸化鉄 7 質量%
シリコーン処理ベンガラ 3 質量%
マイカ 15 質量%
セリサイト 20 質量%
シリカ 10 質量%
ジメチコン 10 質量%
オレイン酸オクチルドデシル 10 質量%
前腕内側部のTEWL(経皮的散逸水分量)を計測した後、検体を塗布し、再度TEWLを測定し、その減少の度合いを調べた。TEWLは「スキコンII」(イービーコーポレーション製)を用いて測定した。検体としては乳化化粧料1と比較例1を用いた。結果を表2に示す。これより、本発明の皮膚外用剤である、乳化化粧料1は非常に優れたTEWL抑制作用を有することが判る。これより、本発明の皮膚外用剤は、基礎化粧料に使用することも出来る。
1,3−ブタンジオール 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 5 質量%
「キミロイドNLS−K」 2 質量%
アルギン酸ナトリウム 1 質量%
メチルパラベン 0.3質量%
水 56.5質量%
ロ)
「ホンブリンHC/04」 20 質量%
ブチルパラベン 0.1質量%
ハ)
水 10 質量%
塩化カルシウム 0.1質量%
イ)
1,3−ブタンジオール 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 5 質量%
アルキル変性カルボキシビニルポリマー 1 質量%
(グッドリッチ社製、「ペムレンTR−2」)
メチルパラベン 0.3質量%
水 58.1質量%
ロ)
水 10 質量%
水酸化カリウム 0.5質量%
ハ)
「ホンブリンHC/04」 20 質量%
ブチルパラベン 0.1質量%
イ)
1,3−ブタンジオール 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 5 質量%
「キミロイドLLV」 4 質量%
アルギン酸ナトリウム 1 質量%
メチルパラベン 0.3質量%
水 56.5質量%
ロ)
「ホンブリンHC/04」 20 質量%
ブチルパラベン 0.1質量%
ハ)
水 10 質量%
塩化カルシウム 0.1質量%
Claims (4)
- 界面活性剤を含有しない皮膚外用剤であって、
1)パーフルオロポリエーテルと、
2)炭素数2〜4の多価アルコールとアルギン酸とのエステルと、
3)アルギン酸及び/又はその塩と、
を含有することを特徴とする、乳化剤形の皮膚外用剤。 - 前記炭素数2〜4の多価アルコールとアルギン酸とのエステルが、アルギン酸プロピレングリコールであることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤 。
- 前記パーフルオロポリエーテルの含有量が、5〜20質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
- 水中油乳化剤形であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
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