JP4502543B2 - セラミック端子および半導体素子収納用パッケージ - Google Patents

セラミック端子および半導体素子収納用パッケージ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IC,LSI等の半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージに用いられるセラミック端子および半導体素子収納用パッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時の無線通信に代表される通信機器の発達に伴って、高周波帯域において高出力で作動するIC,LSI等の半導体素子の需要が大幅に伸びている。特に携帯電話の基地局に用いられるような情報機器では、限られた電力で高出力が得られ長時間の信号変換ができるように高効率で動作する高出力用の半導体素子と、これを収納する半導体素子収納用パッケージ(以下、半導体パッケージという)が重要となってきている。即ち、半導体素子内部での電力損失が小さく、印加する直流電力を効率よく高周波電力に変換する半導体素子と、この半導体素子を収納して、その性能を最大限引き出すことができる半導体パッケージが望まれている。
【0003】
このようなことから、ガリウム・砒素(GaAs)化合物半導体を用いたMESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor:金属半導体電界効果トランジスタ)の開発が進められてきたが、低電圧時の特性、変換効率、大電流を流せないという点で問題を有していた。しかしながら、近年、GaAs化合物半導体系HBT(Heterojunction Bipolar Transistor:ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)などの半導体素子が、MESFETに比し優れた低電圧時の特性を有し、また大きな直流電力を効率よく高周波電力に変換することのできる半導体素子として注目されるようになってきている。
【0004】
このような半導体素子を収納する半導体パッケージを図4に示す。同図に示す半導体パッケージDは、筒状の外周導体である金属管111aの中心軸に絶縁体としてのガラス111bを介して取着された中心導体111cを有する入出力端子(同軸コネクタ)111が、側部109aに設けた貫通孔または切欠き部から成る取付部110に嵌着される。この入出力端子111は、取付部110において内部に収納される半導体素子Eを気密に封止するように嵌着される。また、入出力端子111は、半導体素子Eに大きな直流電力を入力するとともに半導体素子Eから出力される高周波電力を外部電気回路装置(図示せず)に伝達することを可能にしている。
【0005】
入出力端子111は、直流電力や高周波電力が流れる円柱状、板状等の中心導体111cが、金属基体109の側部109aに設けた取付部110に充填されたガラス111bを貫いて設けられるものであり、側部109aから電気的に絶縁された状態となっている。そして、この入出力端子111は例えば半導体素子Eを作動させるための数A〜十数Aの大きな直流電力が流れるような半導体パッケージに用いられる(特開平9−181207号公報参照)。
【0006】
しかしながら、入出力端子111は、中心導体111cがガラス111bで固定されている構造であるため、半導体パッケージD内の中心導体111cの端部にワイヤボンダーでボンディングワイヤ(図示せず)を接合して半導体素子Eに接続する際に、中心導体111cの端部がワイヤボンダーのキャピラリー(Capillary:ワイヤ供給用細管)によって下方に押さえつけられる。その結果、中心導体111cを固定するガラス111bにマイクロクラックが発生する場合がある。このマイクロクラックが、半導体素子Eの作動時に発する熱による中心導体111cとガラス111bとの熱膨張差に起因した熱応力によって次第に大きくなり、最終的に半導体パッケージD内部の気密性が損なわれるという問題点を有していた。
【0007】
そこで、図4の入出力端子111に代えて、図5に示すようなセラミック端子Cを用いた半導体パッケージDも特開平9−181207号公報に開示されている。このセラミック端子Cは、セラミックグリーンシート積層法によって作製された縦断面形状が凸型状であり、セラミックスからなる平板部101、および平板部101上に線路導体103を挟んで取着されたセラミックスからなる立壁部102とで構成されている。
【0008】
なお、図4および図5の従来例の説明において、同様の部材については同じ符号を付した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5のような従来のセラミック端子Cにおいて、大きな直流電力を流すために線路導体103の抵抗を小さくすることが望まれるが、線路導体103の厚さは5〜20μm程度と非常に薄いため、その抵抗を小さくすることがきわめて困難である。従って、半導体素子Eの作動に必要な十数A〜数十A程度の大きな直流電力をセラミック端子Cに流すと、大きなジュール熱が発生していた。そして、この熱により、線路導体103が断線したり、また半導体パッケージD内部の温度が上昇して内部の半導体素子Eに誤作動を発生させたり、最終的に半導体素子Eを熱破壊させてしまうという問題があった。
【0010】
そこで、線路導体103の抵抗を小さくする構成として、線路導体103の幅を広げることが考えられるが、線路導体103の幅を十分に抵抗が低下するような幅にまで広げると、必然的にセラミック端子Cの大きさを数倍以上に大きくしなければならない。そのため、半導体パッケージDの側部109aに嵌着できなくなるという問題点があった。
【0011】
また、線路導体103の厚さを厚くすることにより抵抗を小さくすることができるが、その場合例えば厚さが従来の数倍〜十数倍程度の線路導体103を形成する必要があり、そうするとセラミック端子Cの平板部101と立壁部102との接合部において、線路導体103の幅方向の端部付近でセラミックグリーンシート間に積層のための圧力がかかり難くなってセラミックグリーンシート同士の良好な接合状態が得られない。そのため、セラミック端子Cの平板部101と立壁部102との間に剥れ(デラミネーション)が生じることがあり、半導体パッケージD内部の気密性が損なわれ易いという問題点があった。
【0012】
また、抵抗の小さい銅(Cu)から成る線路導体103を用いることも考えられるが、Cuの融点が約1083℃と低いため、一般的に用いられている1500〜1600℃で焼成されるアルミナ(Al23)セラミックから成るセラミック端子C上に、同時焼成によって線路導体103を形成しようとすると、Cuが融解し流れて所望の形状の線路導体103を形成できないという問題点があった。
【0013】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、セラミック端子の線路導体の抵抗を小さくすることにより、大きな直流電力を半導体素子に供給することができ、従って半導体素子の作動性を損なうことなく、また半導体パッケージの気密性を損なうことのないセラミック端子、およびこのセラミック端子を用いた半導体パッケージを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のセラミック端子は、上面の一辺側から対向する他辺側にかけて形成された線路導体を有するセラミックスから成る平板部および該平板部の上面に前記線路導体を間に挟んで接合されたセラミックスから成る立壁部から構成され、かつ前記平板部の下面と前記立壁部の上面ならびに前記平板部および前記立壁部の前記線路導体の線路方向に略平行な両側面に接地導体層が形成されているセラミック端子において、前記平板部は、複数のセラミック層が積層されて成るとともに前記線路方向に略垂直な両側面間にわたる内層導体層が設けられ、かつ前記線路方向に略垂直な両側面に前記線路導体の端および前記内層導体層の端を接続する導体層がそれぞれ形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明は、平板部が、複数のセラミック層が積層されて成るとともに線路方向に略垂直な両側面間にわたる内層導体層が設けられ、かつ線路方向に略垂直な両側面に線路導体の端および内層導体層の端を接続する導体層がそれぞれ形成されていることにより、内層導体層が線路導体に並列に接続されることとなり、従って線路導体の両端間の抵抗を数分の1程度以下に小さくすることができる。よって大きな直流電力を流すことが可能なセラミック端子が得られる。なお、内層導体層の層数、幅、長さを調整することにより、線路導体の両端間の抵抗を制御することができる。
【0016】
本発明において、好ましくは、前記内層導体層が複数の配線導体から形成されており、該複数の配線導体は前記導体層の間で並列接続されていることを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記の構成とすることにより、さらに線路導体の両端間の抵抗を小さくすることができ、よってさらに大きな直流電力を流すことができるセラミック端子が得られる。
【0018】
また本発明の半導体パッケージは、略直方体とされ、上側主面に形成された凹部の底面に半導体素子を載置する載置部が設けられるとともに一側部から前記凹部にかけて形成された貫通孔または切欠き部から成るセラミック端子の取付部が形成された基体と、前記取付部に嵌着された本発明のセラミック端子とを具備したことを特徴とする。
【0019】
本発明の半導体パッケージは、上記の構成により、半導体素子の作動性を損なうことがなく、また半導体パッケージの気密性を損なうことのない信頼性の高いものとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のセラミック端子および半導体パッケージを以下に詳細に説明する。図1(a)は、半導体パッケージDに設けられた本発明のセラミック端子Fについて実施の形態の例の拡大断面図を示し、(b)はセラミック端子Fの上面図を示す。また、図2の(a)は本発明の半導体パッケージDの断面図であり、(b)はセラミック端子Fの斜視図である。また、図3は本発明のセラミック端子Fについて実施の形態の他の例を示し、平板部のセラミック層1aに形成された内層導体層の平面図である。なお、本発明の半導体パッケージには従来例の図4,図5の半導体パッケージに付した符号と同じ符号Dを付した。
【0021】
図1〜図3において、1は複数のセラミック層1aを積層して成る平板部、2は平板部1上に接合された立壁部、3は平板部1の上面に形成された線路導体、3aおよび3bは、立壁部2の線路方向の両側に露出した線路導体3の一方側および他方側である。4は平板部1の下面に形成された下部接地導体層、5は平板部1の側面から立壁部2の側面にかけて形成された側部接地導体層、6は平板部1内部の複数のセラミック層1aの層間に形成されるとともに線路導体3に並列接続された内層導体層である。6aは、内層導体層6であって、線路導体3の両端にそれぞれ接続される導体層との接続部間を並列接続するように形成された複数の配線導体、Aは線路導体3の一方側の端と内層導体層6の一方側の端とを電気的に接続するキャスタレーション導体等から成る一方側の導体層、Bは線路導体3の他方側の端と内層導体層6の他方側の端とを電気的に接続するキャスタレーション導体等から成る他方側の導体層である。7は立壁部2の上面に形成された上部接地導体層、8は半導体素子Eの載置部、9は金属製の基体、9aは側部、10はセラミック端子Fの取付部である。
【0022】
本発明のセラミック端子Fの基本構成は、上面の一辺側から対向する他辺側にかけて形成された線路導体3を有するセラミックスから成る平板部1および平板部1の上面に線路導体3を間に挟んで接合されたセラミックスから成る立壁部2から構成され、かつ平板部1の下面と立壁部2の上面ならびに平板部1および立壁部2の線路導体3の線路方向に略平行な両側面に接地導体層が形成されているものである。そして、本発明のセラミック端子Fにおいて、平板部1は、複数のセラミック層1aが積層されて成るとともに線路方向3に略垂直な両側面間にわたる内層導体層6が設けら、かつ線路方向3に略垂直な両側面に線路導体3の端および内層導体層6の端を接続する導体層がそれぞれ形成されている。
【0023】
本発明のセラミック端子Fは、図1,図2に示すように下部接地導体層4、側部接地導体層5および上部接地導体層7が設けられており、図2(a)に示すように、半導体パッケージDの側部9aに設けた貫通孔または切欠き部から成る取付部10に嵌着されろう付けされる。これにより、セラミック端子Fは、半導体パッケージDを取付部10において気密に封止するとともに、外部電気回路装置からの大きな直流電力を半導体パッケージDの内部に収容されている半導体素子Eにボンディングワイヤ(図示せず)を介して伝達する機能を有している。
【0024】
また、セラミック端子Fの平板部1および立壁部2は電気的な絶縁体であるセラミックスから成り、立壁部2によって線路導体3が中央部で区分され、一方側3aと他方側3bが露出するように構成されている。
【0025】
セラミック端子Fは、例えばセラミック母基板を多数個に分割する作製法、所謂従来公知の多数個取りによる作製法によって作製され、平板部1や立壁部2がアルミナ(Al23)、窒化アルミニウム(AlN)、ムライト(3Al23・2SiO2)等のセラミックスから成る。
【0026】
セラミック端子Fが例えばAl23セラミックスから成る場合、以下のようにして作製される。まずAl23の粉末と、焼結助材としての酸化カルシウム(SiO2)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)などの粉末と、適当なバインダー及び溶剤とを混合してスラリーとなし、これを従来周知のドクターブレード法などのテープ成形法によって所定厚さのセラミックグリーンシートに成形する。次に、焼成後にセラミック層1aとなる厚さ0.15mmのセラミックグリーンシートを4枚準備し、最下層となるセラミックグリーンシートを除くセラミックグリーンシートに、導体層A、導体層Bとなる貫通孔を周知の金型打抜き法で打抜いて形成する。そのれらの貫通孔内部に、例えばタングステン(W)を主成分とし、バインダーおよび有機溶剤が添加混合されて成る導体ペーストが周知のスクリーン印刷法などで埋め込まれるか、または貫通孔の内面に被着されて電気的な導電路が形成される。
【0027】
これらの貫通孔は、セラミックグリーンシートを積層後に切断分割することによって、縦方向(上下方向)二分されるように切断され、横断面形状が略半円形のキャスタレーション導体等から成る導体層A,Bとなる。導体層A,Bとなる貫通孔の直径は0.3〜1mmが好適であり、0.3mm未満では、大電流を流すことで発生するジュール熱により断線し易くなる。1mmを超える場合、貫通孔の内面に被着した導体層により導通路が形成されるが、その際貫通孔の内面に導体ペーストを被着形成することが困難になる。
【0028】
次に、導体ペーストを、焼成後の幅が例えば0.2〜1mm程度、厚さが5〜20μm程度の線路導体3となるように、最上層のセラミックグリーンシート上に印刷塗布する。また、導体ペーストを、焼成後の厚さが5〜20μm程度、幅が0.2〜1mm程度の内層導体層6となるように、セラミック層1aとなるセラミックグリーンシートの上面に印刷塗布する。このとき、図3に示すように導体層A,Bとなる両貫通孔にかけて導体ペーストを印刷塗布する。また、内層導体層6は単層とされるか、または図3に示すように並列接続された複数層から成るようにしてもよい。さらに、導体ペーストを、焼成後の厚さが5〜20μm程度の下部接地導体層4となるように、最下層のセラミックグリーンシートの下面に印刷塗布する。
【0029】
これらのセラミックグリーンシートを所定の順序で積層し、平板部1となる多層構造のセラミックグリーンシート積層体を得る。
【0030】
さらに、焼成後に立壁部2となる厚さ1mm程度のセラミックグリーンシートを準備する。このセラミックグリーンシートにおいて、平面視形状が細長い長方形状の貫通孔が複数略平行に形成されるように打ち抜くことにより、幅が1mm、長さが数十mmの複数の細長い帯状部を略平行に形成する。その帯状部の上面に上部接地導体層7となる導体ペーストを、焼成後に5〜20μmの厚さとなるように印刷塗布する。
【0031】
次に、上記セラミックグリーンシート積層体上に、上記帯状部を有するセラミックグリーンシートを積層圧着し、帯状部の両側にある長方形状の貫通孔を長手方向に平行な中心線において切断することにより、断面が凸型状のセラミックグリーンシートの積層体を得る。さらに、この積層体を長手方向に対して垂直方向に複数個に切断してセラミック端子Fとなる個片の積層体を得、得られた個片の積層体の側面に側部接地導体層5となるメタライズ層を焼成後に5〜20μm程度の厚さになるように印刷塗布し、最後に1500〜1600℃程度の高温で焼成することにより、セラミック端子Fが得られる。
【0032】
こうして得られたセラミック端子Fは、図2に示すように半導体パッケージDの側部9aに形成された貫通孔または切欠き部から成る取付部10に嵌着され、半導体パッケージDに収納される半導体素子Eに対する直流電力の入力用端子として機能する。また、高周波電力の出力用として他の取付部10に嵌着されるセラミック端子(図示せず)は、内層導体層6が形成されることはない。これは、高周波電力の出力用として特性インピーダンスを所定の値に整合する必要があり、その場合内層導体層6があると特性インピーダンス整合が困難になるからである。
【0033】
本発明のセラミック端子Fは、線路導体3と内層導体層6とで並列回路が構成されていること、また好ましくは内層導体層6が並列接続されるように形成された配線導体6aで構成されていることから、線路導体3の一方側3aに入力された大きな直流電力は、導体層Aを介して線路導体3と内層導体層6とに分かれて伝達され、内層導体層6を流れる直流電力は導体層Bによって線路導体3の他方側3bに至り、線路導体3を流れる直流電力と合流して半導体パッケージDの載置部8に載置されている半導体素子Eに送られる。半導体素子Eで高周波電力に変換され、出力用のセラミック端子から外部電気回路装置へと出力される。
【0034】
このように、本発明のセラミック端子Fによれば、外部電気回路装置からの大きな直流電力が、平板部1に形成された、線路導体3および内層導体層6により構成された並列回路を流れることにより、線路導体3を流れる電流が小さくなるため抵抗も小さくなり、大きな熱が発生することがなくなる。また、従来のセラミック端子Cでは、線路導体3の幅を広げようとするとセラミック端子Cの大きさが数倍程度に大きくなり、半導体パッケージDの側部9aに嵌着できなくなるという問題があり、また線路導体3を厚くしようとするとセラミックグリーンシート同士に接合不良が生じることから、線路導体3の抵抗を低下させることが困難であったものが、本発明のセラミック端子Fにより、線路導体3の幅や厚さを大きくせずにセラミック端子Fの大きさを従来通りとすることができる。また、平板部1と立壁部2との接合部に接合不良が発生することがないものとなる。
【0035】
本発明のセラミック端子Fにおいて、内層導体層6は単層または複数層設けることができるが、複数層設ける場合10層以下がよい。10層を超えると、抵抗値が減少しなくなる。また、内層導体層6の厚さは5〜25μmがよく、5μm未満では、抵抗を下げることが困難になる。25μmを超えると、層間に剥離が発生し易くなる。
【0036】
さらに、セラミック層1aの厚さは100〜635μm程度がよく、100μm未満では、位置合せしたり積層すること自体が困難となり、実用性がなくなる。635μmを超えると、貫通孔への導体ペーストの充填や被着が困難となる。
【0037】
また本発明において、図3に示すように、内層導体層6が複数の配線導体から形成されており、複数の配線導体は導体層A,Bの間で並列接続されていることが好ましい。これにより、さらに線路導体3の両端間の抵抗を小さくすることができ、よってさらに大きな直流電力を流すことができるセラミック端子Fが得られる。この場合、複数の配線導体6aの本数は2〜10本がよく、2本未満では、導体層A,B間の抵抗の減少が小さくジュール熱の発生が大きくなり易い。10本を超えると、抵抗減少効果が小さくなっていく。
【0038】
また、複数の配線導体6aは、導体層A,Bとの接続部より離れたものほど配線長が長くなり抵抗が増大するので、導体層A,Bとの接続部から離れるに従って幅広に形成し抵抗を小さくするのがよく、全体として同程度の抵抗の配線導体6aから成るものとすることができる。
【0039】
そして、本発明の半導体パッケージDは、本発明のセラミック端子Fを基体9の側部9aに設けた取付部10に例えばAgロウなどのロウ材で嵌着した構成であり、さらに半導体素子Eを載置部8に載置して、半導体素子E上の電極(図示せず)とセラミック端子Fの線路導体3の他方側3bとをボンディングワイヤを介して電気的に接続し、基体9の上面にFe−Ni−Co合金等から成る蓋体(図示せず)を接合することにより、半導体装置となる。
【0040】
かくして、本発明のセラミック端子Fを有する半導体パッケージDは、大きな直流電力で作動させる半導体素子Eを高い信頼性をもって収納し得るものとなる。
【0041】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、線路導体3の端および内層導体層6の端を接続する導体層A,Bは外部に露出しているため、好ましくはその表面にNiメッキやAuメッキ等を施すことがよい。その場合、導体層A,Bの抵抗を下げることができるので、さらなる大電流を流すことが可能となる。また、導体層A,Bは、図1(b)に示すようにその幅を線路導体3の幅より広くすることが好ましい。この場合、導体層A,Bの抵抗が低下し、またその断面積をビアホール等の貫通導体の数倍以上と大きくできることから、さらなる大電流を流すことが可能となる。上記実施の形態では、本発明のセラミック端子Fを半導体パッケージDに適用した場合について説明したが、混成集積回路基板の入出力端子として本発明のセラミック端子Fを適用してもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、セラミック端子の平板部は、複数のセラミック層が積層されて成るとともに線路方向に略垂直な両側面間にわたる内層導体層が設けられ、かつ線路方向に略垂直な両側面に線路導体の端および内層導体層の端を接続する導体層がそれぞれ形成されていることにより、内層導体層が線路導体に並列に接続されることとなり、従って線路導体の両端間の抵抗を数分の1程度以下に小さくすることができる。よって大きな直流電力を流すことが可能なセラミック端子が得られる。また、半導体素子の熱による誤作動を防ぐことができる。
【0043】
また、線路導体の幅および厚さを大きくすることなく抵抗を小さくすることができるので、セラミック端子を大型化する必要がないことから、半導体パッケージを大型化することなく、さらにセラミック端子の立壁部と平板部との接合部における剥れの発生を皆無とした信頼性の高い半導体パッケージを得ることができる。
【0044】
本発明は、好ましくは内層導体層が複数の配線導体から形成されており、複数の配線導体は導体層の間で並列接続されていることにより、さらに線路導体の両端間の抵抗を小さくすることができ、よってさらに大きな直流電力を流すことができるセラミック端子が得られる。
【0045】
本発明の半導体パッケージは、略直方体とされ、上側主面に形成された凹部の底面に半導体素子を載置する載置部が設けられるとともに一側部から凹部にかけて形成された貫通孔または切欠き部から成るセラミック端子の取付部が形成された基体と、取付部に嵌着された本発明のセラミック端子とを具備したことにより、半導体素子の作動性を損なうことがなく、また半導体パッケージの気密性を損なうことのない信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック端子について実施の形態の例を示すものであり、(a)はセラミック端子の拡大断面図、(b)はセラミック端子の上面図である。
【図2】(a)は本発明の半導体パッケージの断面図、(b)は本発明のセラミック端子の斜視図である。
【図3】本発明のセラミック端子について実施の形態の他の例を示し、平板部を構成する内層導体層が形成されたセラミック層1aの平面図である。
【図4】従来の入出力端子を側部に有する半導体パッケージの断面図である。
【図5】従来のセラミック端子を側部に有する半導体パッケージの断面図である。
【符号の説明】
1:平板部
1a:セラミック層
2:立壁部
3:線路導体
3a:線路導体の一方側
3b:線路導体の他方側
4:下部接地導体層
5:側部接地導体層
6:内層導体層
6a:配線導体
7:上部接地導体層
8:載置部
9:基体
10:取付部
A,B:導体層
D:半導体パッケージ
E:半導体素子
F:セラミック端子

Claims (3)

  1. 上面の一辺側から対向する他辺側にかけて形成された線路導体を有するセラミックスから成る平板部および該平板部の上面に前記線路導体を間に挟んで接合されたセラミックスから成る立壁部から構成され、かつ前記平板部の下面と前記立壁部の上面ならびに前記平板部および前記立壁部の前記線路導体の線路方向に略平行な両側面に接地導体層が形成されているセラミック端子において、前記平板部は、複数のセラミック層が積層されて成るとともに前記線路方向に略垂直な両側面間にわたる内層導体層が設けられ、かつ前記線路方向に略垂直な両側面に前記線路導体の端および前記内層導体層の端を接続する導体層がそれぞれ形成されていることを特徴とするセラミック端子。
  2. 前記内層導体層が複数の配線導体から形成されており、該複数の配線導体は前記導体層の間で並列接続されていることを特徴とする請求項1記載のセラミック端子。
  3. 略直方体とされ、上側主面に形成された凹部の底面に半導体素子を載置する載置部が設けられるとともに一側部から前記凹部にかけて形成された貫通孔または切欠き部から成るセラミック端子の取付部が形成された基体と、前記取付部に嵌着された請求項1または請求項2記載のセラミック端子とを具備したことを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
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