JP4501471B2 - 脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は脂肪族ポリエステルの製造方法に関する。詳しくは、安定化剤存在下において、熱分解性抑制により重合性が改善された脂肪族ポリエステル樹脂の製造方法に関するものである。
脂肪族ポリエステルは生分解性を有するため近年、環境問題の高まりと共に汎用ポリマーの代替品として実用化されてきている。脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールからなる脂肪族ポリエステルの重縮合反応においては、反応温度は170〜230℃で実施されるのが通常である。230℃以上の高温で重合を行おうとすると、熱分解が優先し、重合性が損なわれて、十分な物性を発現する高分子量のポリエステルを得ることは困難であった。
一方、脂肪族ポリエステルの成型時の熱安定性の向上を目的として、リン系安定剤やフェノール系安定剤の添加が有効な手段として提案されている(例えば特許文献1、2参照)。しかしながらこれら安定剤は、成型時の熱安定性を向上させることができるものの、これらを重合時に添加すると重合性はむしろ損なわれ、重合時間は延長する。
特開平6−80872号公報 特開平8−277358号公報
本発明の目的は、重合性を改善し、高分子量の脂肪族ポリエステルを短時間に、安定して得ることのできる脂肪族ポリエステルの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記実情に鑑みて、主として熱可塑性エラストマーの加工安定剤として使用されていた酸化防止剤に着目し、脂肪族ポリエステルの重合安定性の効能について検討を行った結果、特定構造を有するトリアジン系安定剤を用いることにより重合性の改善された脂肪族ポリエステル樹脂の製造方法が得られるとの知見を得て、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明の要旨は次の通りである。
1.脂肪族ジオール成分と脂肪族ジカルボン酸成分とを重合させて脂肪族ポリエステルを製造するにあたり、重合をフェノール構造を有するトリアジン系化合物の存在下に行うことを特徴とする脂肪族ポリエステルの製造方法。
2.フェノール構造を有するトリアジン系化合物が下記一般式で表されるものである前記1に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
Figure 0004501471
(式中、R1〜R3は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基であり、R1
3のうち少なくとも一つは置換基としてフェノール構造を有する炭化水素基である。)
3.存在させるフェノール構造を有するトリアジン系化合物の量が脂肪族ポリエステルに対して0.001〜1重量%である前記1または2に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
4.脂肪族ポリエステルが脂肪族ポリエスル全量中に0.1〜90重量%の下記一般式(2)で表されるポリエーテル部分を含有する前記1〜3のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
Figure 0004501471
(式中、Rは水素原子またはアルキル基、mは1〜10の整数、そしてnは4〜1000の整数を示す。)
本発明によれば、重合工程中のポリエステルの熱分解反応が抑制され、短時間に効率よく高分子量の脂肪族ポリエステルを製造することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
<脂肪族ポリエステル>
本発明の脂肪族ポリエステルは、主として脂肪族ジオール成分と脂肪族ジカルボン酸成分とを重合させて得られるものである。これらに加えて、ヒドロキシカルボン酸成分も好ましく用いられる。
脂肪族ジオール成分とは、脂環式ジオールを含むものであり、その具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、及び脂肪族ポリエーテルグリコール、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、などが好適に挙げられる。この内、特にエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールといった炭素数2〜4の脂肪族ジオール、及び1,4−シクロヘキサンジメタノール等の炭素数6〜8の脂環式ジオール、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールが好ましい。これらは単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
これらの他に、重合に支障がない範囲で単官能、もしくは3価以上のアルコールを併用することもできる。
また、脂肪族ジカルボン酸成分とは、脂環式ジカルボン酸を含む物であり、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、及び、これらジカルボン
酸の炭素数1〜4程度のアルキルエステル、無水物等の誘導体等が、それぞれ挙げられる。この内、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸またはこれらの無水物、及びこれらの低級アルコールエステルが好ましく、特にはコハク酸、無水コハク酸、アジピン酸またはこれらの混合物が好ましい。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。
また、重合に支障が出ない範囲で単官能もしくは3価以上のカルボン酸、またはその誘導体を併用しても良い。
更に、ヒドロキシカルボン酸を加えることができる。ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−n−酪酸、3−ヒドロキシ−n−酪酸、4−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−n−吉草酸、3−ヒドロキシ−n−吉草酸、4−ヒドロキシ−n−吉草酸、5−ヒドロキシ−n−吉草酸、2−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、2−ヒドロキシ−i−ヘキサン酸、3−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、4−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、5−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、6−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、リンゴ酸等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸の使用量は、全単量体中、通常15モル%以下、好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下であり、下限は、好ましくは0.1モル%以上である。
これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、またはラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体、または水溶液であってもよい。これらの中で好ましいのは、乳酸またはグリコール酸であり形態は、30〜95%の水溶液のものが容易に入手することができるので好ましい。これら脂肪族オキシカルボン酸は単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
脂肪族または脂環式ジオールの使用量は、脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体に対し、実質的に等モル用いられるが、一般的には重合反応時に留出する分を勘案して使用されるため実際の使用量は必ずしも等モルである必要はない。通常はジカルボン酸またはその誘導体1モルに対し0.5モル〜2モル、好ましくは0.8モル〜1.5モルの範囲で用いられる。
本発明の脂肪族ポリエステルは、脂肪族ジオール成分として、前掲のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ポリエーテルジオールを用いて脂肪族ポリエステル中にポリエーテル部分を導入することが好ましい。
用いられるこれら脂肪族ポリエーテルジオールの数平均分子量は通常100以上、好ましくは500以上であり、通常10000以下、好ましくは5000以下である。
その使用量は、脂肪族ポリエステル全重量に対して両末端のOHのHを除いたものを単位として計算した場合、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、通常90重量%以下、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下となるような量である。
このようにして得られた脂肪族ポリエステルの融点は、一般には90から200℃の範
囲にある。
<フェノール構造を有するトリアジン系化合物>
本発明において用いられるフェノール構造を有するトリアジン系化合物は、一般的には、酸化防止剤、加工安定剤として使用され、上記一般式(1)、好ましくは下記一般式(3)で表されるように、ベンゼン核のOH基の1−位に対して2,6−位、または2,4,6−位がアルキル基によって置換されたフェノール構造を有するトリアジン系化合物である。例えば、イルガノックス3790やイルガノックス3114(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
Figure 0004501471
式(3)中、Rは互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のアリールオキシ基を示し、これらは置換基を有していてもよく、R′は−(CH2n−を表わし、nは通常1以上、20以下、好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下の整数であり、式中のベンゼン環は、環一つあたり少なくとも一つの水酸基を有し、水酸基の両隣の置換基は炭素数1〜18の炭化水素基であることが好ましい。
炭素数1〜18の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピレニル基等のアリール基が挙げられる。
炭素数1〜18のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜18のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基、ピレニルオキシ基等が挙げられる。
特に水酸基の両隣の置換基が炭素数 1〜10 の炭化水素基であるのが好ましく、特に、それぞれ独立して、メチル基、t−ブチル基から選ばれるものであるのが、ポリエステルへの相溶性、フェノール基のラジカル捕捉性の点で好ましい。
好ましいフェノール構造を有するトリアジン系化合物の商品としては、イルガノック
ス3790、イルガノックス3114(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
イルガノックス3790及びイルガノックス3114の構造式は以下の通りである。
Figure 0004501471
存在させるフェノール構造を有するトリアジン系化合物の量は、脂肪族ポリエステルに対し、下限が、好ましくは0.01重量%以上、更に好ましくは0.1重量%以上であり、上限は好ましくは、0.8重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下である。この量が多すぎると重合性が低下し、また少なすぎると重合時の安定効果が発揮されない傾向がある。
<脂肪族ポリエステルの製造方法>
本発明の製造方法は、一般のポリエステル製造の際に用いられる溶融重合法であって、一般的には、原料として脂肪族ジカルボン酸またはそのエステルと脂肪族ジオールとをエステル化工程を経た後、反応混合物が溶融した状態で重合工程を実施し、分子量の増大をはかる重合方法である。前記フェノール構造を有するトリアジン系化合物の添加は、エステル化反応開始時から重合反応開始時の任意の時期に行うことができるが、操作の容易さ安全性の面からエステル化反応開始時が好ましい。
エステル化工程は通常50℃以上、好ましくは120℃以上、通常300℃以下、好ましくは260℃以下の温度範囲で行われ常圧から微減圧下で実施されるのが一般的である。反応温度が低すぎると反応が効率的に進行せず、温度が高すぎると分解反応が顕著となる傾向がある。
この工程中にカルボン酸もしくはその誘導体、およびアルコール類が反応しエステル結
合を形成する。反応進行に伴い、カルボン酸とアルコールの直接エステル化の場合は主に水が生成し、エステル交換反応が主体の場合は交換されたアルコールが生成するのでそれらを系外に留出させながら反応させる。反応の進行度合いは、こういった留出物の留出量もしくは反応生成物の末端基濃度で追跡することができる。
この時、エステル化を促進するために触媒を添加しても良いし、添加しなくても良い。
エステル化の時間は通常20分以上、好ましくは30分以上、通常5時間以下、好ましくは3時間以下である。
重合触媒は、エステル化反応開始前から重合反応時の任意の時点で添加することができる。
この時に添加する触媒はポリエステルの重合触媒として知られる公知の触媒を使用することができる。このような触媒としては、Ge、Ti、Sb、Mg、Hf、Zn、Zr、Co、Ni、Sn、Si、P及びFeなどを含む化合物があげられる。
これらの具体的な例としては、二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉄、などの金属酸化物、チタニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、テトラエトキシシラン、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ハフニウムテトラブトキシド、ハフニウムテトライソプロポキシドなどの金属アルコキシド類、ジルコニウムアセチルアセトナート、ハフニウムアセチルアセトナート、ニッケルアセチルアセトナート、スズアセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナートなどのアセチルアセトナート類、塩化亜鉛、塩化スズ、ジルコニウムクロライドなどの塩化物、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸ニッケル、安息香酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、シュウ酸スズ、などのカルボン酸塩、ハフニウムTHF錯体、ジブチルスズオキサイド、リン酸亜鉛などが挙げられる。
さらには硫酸、スルホン酸、塩酸、メタンスルホン酸などのプロトン酸なども挙げられる。
これらの内で、Ge、Ti、Sb、Mg、Hf及びZnを含む化合物が特に好ましい。これらは単独でも2種以上組み合わせても用いることができる。添加時の形態は特に制限はないが、これらは触媒化合物そのままで添加しても良いし、適当な溶液の状態、例えば水溶液、アルコールあるいはグリコール溶液、酸との共存下などで添加しても良い。触媒の使用量は、使用するモノマー全量に対して0.001重量%以上、好ましくは0.005重量%以上、3重量%以下、好ましくは1.5重量%以下である。
エステル化工程に続く、重合工程は通常100℃以上、好ましくは150℃以上、通常350℃以下、好ましくは300℃以下の範囲の温度で行われ、重合を効率よく行うため一般的には減圧下で反応を進行させる。通常は徐々に系内の減圧度を高め、最終的には1.3kPa〜1Paの減圧下で反応を行う。減圧度は高い方が重合を進行させる上では有利であるが実質的な設備対応の面から通常は0.7kPa〜10Paの範囲で重合させる。重合時間は、所望の分子量に応じて調整されるが通常は1時間以上15時間以下、好ましくは6時間の範囲で実施される。
また、本発明の方法により得られる脂肪族ポリエステルのGPCポリスチレン換算数平均分子量は1万以上であることが好ましく、より好ましくは2万以上、更に好ましくは3万以上であり、上限は30万、好ましくは20万以下である。
上記の方法で得られるポリエステルは、必要に応じてその他の添加剤を含有させても良い。添加剤としては、核剤、滑剤、着色剤、離型剤、フィラー、他のポリマーなどが挙げられる。
<脂肪族ポリエステル樹脂の用途>
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂は、生分解性能を有するため、酵素、土中のバクテリアなどによって完全に分解し、環境衛生上極めて有用な樹脂である。そのため、ショッピングバッグ、ゴミ袋、園芸資材、農業用フィルム、食品容器、食品包材、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、釣り糸、漁網、ロープ、結束材、手術糸、衛生用カバーストック材、保冷箱、クッション材、合成紙などの用途に使用可能である。
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
攪拌装置、窒素導入管、加熱装置、試薬添加口を備えた容量250mLの反応容器に、コハク酸76.87g、アジピン酸24.76g、1,4−ブタンジオール85.76g、1%GeO2を溶解した90%乳酸水溶液5.4g、リンゴ酸0.24g、イルガノッ
クス3790を0.15g仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下150℃から220℃に60分で昇温し、さらにこの温度で60分間反応させた。反応温度を230℃に上げるとともに系を徐々に減圧にしていき90分かけて1torrとした。さらにその減圧度を保ったまま、4.5時間重合を行った。反応終了後、反応器から溶融ポリマーを糸状に引き出し、それを粒状にカットし脂肪族ポリエステルペレットを得た。重合の結果を表1に示した。
実施例2
攪拌装置、窒素導入管、加熱装置、試薬添加口を備えた容量250mLの反応容器に、コハク酸53.14g、1,4−ブタンジオール39.75g、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量:2000)79.15g、1%GeO2を溶解した90
%乳酸水溶液2.23g、リンゴ酸0.18g、イルガノックス3790 0.15gを仕込んだ。
容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下150℃から220℃に60分で昇温し、さらにこの温度で60分間反応させた。反応温度を230℃に上げるとともに系を徐々に減圧にしていき90分かけて1torrとした。さらにその減圧度を保ったまま、4.6時間重合を行った。反応終了後、反応器から溶融ポリマーを糸状に引き出し、それを粒状にカットし脂肪族ポリエステルペレットを得た。重合の結果を表1に示した。得られたペレットを80℃オーブン中に12時間放置後、溶液粘度ηsp/Cを測定したところ、オーブンに放置前と全く溶液粘度に違いが見られなかった。(粘度保持率100%)
比較例1
攪拌装置、窒素導入管、加熱装置、試薬添加口を備えた容量250mLの反応容器に、コハク酸を76.87g、アジピン酸24.76g、1,4−ブタンジオール85.76g、1%GeO2を溶解した90%乳酸水溶液5.4g、リンゴ酸0.24gを仕込んだ
。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下150℃から220℃に60分で昇温し、さらにこの温度で60分間反応させた。反応温度を230℃に上げるとともに系を徐々に減圧にしていき90分かけて1torrとした。さらにその減圧度を保ったまま、5.5時間重合を行った。反応終了後、反応器から溶融ポリマーを糸状に引き出し、それを粒状にカットし脂肪族ポリエステルペレットを得た。重合の結果を表1に示した。
比較例2
攪拌装置、窒素導入管、加熱装置、試薬添加口を備えた容量250mLの反応容器に、コハク酸76.87g、アジピン酸24.76g、1,4−ブタンジオール85.76g、1%GeO2を溶解した90%乳酸水溶液5.4g、リンゴ酸0.24g、イルガノッ
クス1330(下記参照)を0.15g仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下150℃から220℃に60分で昇温し、さらにこの温度で60分間反応させた。反応温度を230℃に上げるとともに系を徐々に減圧にしていき90分かけて1torrとした。さらにその減圧度を保ったまま、5時間重合を行った。反応終了後、反応器から溶融ポリマーを糸状に引き出し、それを粒状にカットし脂肪族ポリエステルペレットを得た。重合の結果を表1に示した。
Figure 0004501471
比較例3
攪拌装置、窒素導入管、加熱装置、試薬添加口を備えた容量250mLの反応容器に、コハク酸53.14g、1,4−ブタンジオール39.75g、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量:2000)79.15g、1%GeO2を溶解した90
%乳酸水溶液2.23g、リンゴ酸0.18gを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下150℃から220℃に60分で昇温し、さらにこの温度で60分間反応させた。反応温度を230℃に上げるとともに系を徐々に減圧にしていき90分かけて1torrとした。さらにその減圧度を保ったまま、5.4時間重合を行った。反応終了後、反応器から溶融ポリマーを糸状に引き出し、それを粒状にカットし脂肪族ポリエステルペレットを得た。重合の結果を表1に示した。得られたペレットを80℃オーブン中に12時間放置後、溶液粘度ηsp/Cを測定したところ、オーブンに放置前と比べ溶液粘度が大幅に減少し粘度保持率は35%であった。
Figure 0004501471
表1に示される結果からトリアジン系化合物の存在によりより高分子量の脂肪族ポリエステルがより短時間で製造されることが分る。また、ポリエーテル部分を組み込むことにより、より高分子量のポリマーが得られることが分る。

Claims (4)

  1. 脂肪族ジオール成分と少なくともコハク酸を含む脂肪族ジカルボン酸成分とを重合させて脂肪族ポリエステルを製造するにあたり、フェノール構造を有するトリアジン系化合物が、脂肪族ポリエステルに対して0.001〜1重量%の存在下で重合を行うことを特徴とする脂肪族ポリエステルの製造方法。
  2. フェノール構造を有するトリアジン系化合物が下記一般式で表されるものである請求項1に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
    Figure 0004501471
    (式中、R1〜R3は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基であり、R1〜R3のうち少なくとも一つは置換基としてフェノール構造を有する炭化水素基である。)
  3. 存在させるフェノール構造を有するトリアジン系化合物の量が、脂肪族ポリエステルに対して0.001〜0.1重量%である請求項1または2に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  4. 脂肪族ポリエステルが脂肪族ポリエスル全量中に0.1〜90重量%の下記一般式(2)で表されるポリエーテル部分を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
    Figure 0004501471
    (式中、Rは水素原子またはアルキル基、mは1〜10の整数、そしてnは4〜1000の整数を示す。)。
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