JP4500551B2 - コンタクトレンズおよびコンタクトレンズの製造方法 - Google Patents

コンタクトレンズおよびコンタクトレンズの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4500551B2
JP4500551B2 JP2003584803A JP2003584803A JP4500551B2 JP 4500551 B2 JP4500551 B2 JP 4500551B2 JP 2003584803 A JP2003584803 A JP 2003584803A JP 2003584803 A JP2003584803 A JP 2003584803A JP 4500551 B2 JP4500551 B2 JP 4500551B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peripheral portion
lens
contact lens
optical
series
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003584803A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2003087920A1 (ja
Inventor
裕二 後藤
邦夫 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Menicon Co Ltd
Original Assignee
Menicon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Menicon Co Ltd filed Critical Menicon Co Ltd
Publication of JPWO2003087920A1 publication Critical patent/JPWO2003087920A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4500551B2 publication Critical patent/JP4500551B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/024Methods of designing ophthalmic lenses
    • G02C7/028Special mathematical design techniques
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/04Contact lenses for the eyes
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C2202/00Generic optical aspects applicable to one or more of the subgroups of G02C7/00
    • G02C2202/08Series of lenses, lens blanks

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)

Description

本発明は、ソフトタイプやハードタイプのコンタクトレンズに係り、特に各種の光学特性を取り揃えてシリーズとして提供するのに適し、異なる光学特性においても優れた装用感が有利に実現され得る、新規な構造のコンタクトレンズおよびコンタクトレンズの製造方法に関するものである。
従来から、ソフトタイプのコンタクトレンズやハードタイプのコンタクトレンズ(以下、「コンタクトレンズ」と総称する)に多く採用されている形状として、図6(a)に示されているように、レンズ後面の中央部分に後面光学部50を形成すると共に、該後面光学部50の外周側に後面周辺部52を形成する一方、レンズ前面の中央部分に前面光学部54を形成すると共に、該前面光学部54の外周側に前面周辺部56を形成することにより、レンズ中央部分に光学部58を形成すると共にレンズ外周部分に周辺部60を形成したものが、知られている。
そして、このようなコンタクトレンズ62の形状を設計するに際しては、一般に、先ず、後面光学部50の直径寸法:Dozと前面光学部54の直径寸法:Dpzを設定すると共に、装用者の角膜形状に対応した略球面形状からなるベースカーブを有する後面光学部50と後面周辺部52の形状を設計した後、前面ジャンクション(前面光学部と前面周辺部の接続部位)64のレンズ厚さ:t1を設定し、続いて、要求されるレンズ度数を実現するように前面光学部の形状を設計すると共に、前面ジャンクション64とエッジ部(レンズの外周縁部)66を滑らかに繋ぐように前面周辺部の形状を関数又は任意の曲線をもって適当に設定することにより、行なわれている。
ところで、コンタクトレンズでは、周辺部が薄くなり過ぎると、レンズ形状が安定して保持され難くなり、特にソフトコンタクトレンズでは表裏の判定も困難となって取扱いに支障をきたすおそれがある。また、コンタクトレンズは、純粋なオーダーメードで装用者に提供されるものでなく、一般に、光学部におけるレンズ度数を予め適当な複数段階に設定したものを組み合わせてシリーズとして提供,準備せしめて、その中から装用者に応じて最も適合するものを選択して提供するようにされることから、異なるレンズ度数を設定するために前面光学部の形状が異ならせられたシリーズ型コンタクトレンズのそれぞれについて、形状保持安定性が確保されるように設計する必要がある。
そこで、従来では、一般に、光学部の厚さが全体に亘って略同一とされるレンズ度数の小さい(例えば、−1.0ディオプタのレンズ度数)、図6(a)に示されている如きコンタクトレンズ62について、周辺部60の剛性によりレンズ形状が安定して保持され得る程度に前面ジャンクション64の位置での厚さ寸法:t1および前面周辺部56の形状を適当に設定してそれを基準レンズ形状とし、かかる基準レンズ形状に対して、互いに異なるレンズ度数を与える前面光学部54を設計することによって、コンタクトレンズの形状を決定している。また、かかる設計方法に際しては、レンズ材料等を考慮して予め許容される最小厚さを設定し、前面光学部54のレンズ度数によってレンズ中心厚さが薄くなり過ぎる場合には、前面ジャンクション64および周辺部60の厚さを大きく設計変更して、レンズ中心部厚さが最小厚さ以上となるようにされる。
すなわち、基準レンズよりもレンズ度数がプラス側に大きい場合や、マイナス側に大きい場合であってもレンズ度数の絶対値が小さい場合には、前面ジャンクション64の厚さ寸法および周辺部60の形状を略一定として前面光学部54が設計され得る一方、基準レンズよりもレンズ度数が−15ディオプタ等とマイナス側に極めて大きい場合には、例えば図6(b)に示されているように、基準レンズよりも前面ジャンクション64や周辺部60のレンズ厚さ(特に、後面ジャンクション66の厚さ:t2)を大きく設計変更することにより、レンズ中心部の厚さ:t0を、強度や耐久性の点で問題とならない程度に確保するようにされる。このような設計方法に従えば、シリーズ中の何れのコンタクトレンズにおいても周辺部のレンズ厚さが基準レンズ形状より小さくなることがなく、周辺部の剛性に基づくレンズ形状の保持効果が安定して発揮され得るのである。
ところが、上述の如き従来の設計方法に基づいて設計されたシリーズ型コンタクトレンズにおいては、光学部58に設定されるレンズ度数によって、特にレンズ度数がマイナス側に大きい場合に、前面光学部54だけでなく前面周辺部56を含むレンズ前面の全体に亘ってレンズの形状をレンズ度数の大きさに応じて異ならせて設計および製造しなければならず、そのために、シリーズを構成する各コンタクトレンズの設計や製造が面倒であるという問題があった。
しかも、従来の設計方法に基づいてシリーズ型コンタクトレンズを提供した場合について、本発明者が詳細な調査を行なったところ、同一シリーズのコンタクトレンズであってもレンズ度数が異なると、周辺部60の厚さ寸法やそれに伴う質量が大きく異なるために、瞬目に伴う眼瞼の作用等による角膜上でのコンタクトレンズの動きや、重力作用等による角膜上でのコンタクトレンズの安定位置に差が発生することがあり、場合によっては、装用感や視認性に悪影響を及ぼすおそれのあることが明らかとなったのである。
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、レンズ度数等の光学特性が異なる場合でも、周辺部による形状保持作用やレンズ中心における強度等を十分に確保しつつ、良好な装用感等が安定して発揮され得る、新規な構造のコンタクトレンズの組み合わせによって構成されたシリーズ型のコンタクトレンズを提供することにある。
また、本発明は、そのようなシリーズ型のコンタクトレンズを有利に実現せしめ得る新規な形状のコンタクトレンズを提供することも、目的とする。
更にまた、本発明は、前述の如きシリーズ型のコンタクトレンズを効率的に製造することの出来る、コンタクトレンズの新規な製造方法を提供することも、目的とする。
すなわち、従来から涙液交換性や安定性を考慮して後面周辺部の形状は各種検討されているが、周辺部の厚さ寸法はソフトコンタクトレンズの形状保持効果に関して僅かに検討されているだけでそれ程重要視されていなかったのが現実であるが、本発明者が、今回、検討した結果によれば、周辺部の形状がコンタクトレンズの装用感と視認性に大きな影響を与えることが明らかとなったのであり、特に前面ジャンクションを含む周辺部の厚さが大きくなると、眼瞼の圧迫等に起因して装用感が大幅に低下するおそれがあると共に、瞬目等に際して眼瞼につられての角膜上でのレンズ動き量が大きくなったり、重力作用の増加によって角膜上でのレンズ安定位置が鉛直下方に変位し易いなどといった問題が明らかとされるに至った。
そして、本発明は、かくの如き新たに得られた知見に基づいて為されたものであり、以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(シリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明の第一の態様)
先ず、レンズ後面の中央部分に後面光学部が形成されると共に、該後面光学部の外周側に後面周辺部が形成される一方、レンズ前面の中央部分に前面光学部が形成されると共に、該前面光学部の外周側に前面周辺部が形成されることにより、レンズ中央部分に光学部が形成されると共にレンズ外周部分に周辺部が形成されたコンタクトレンズを、同一のレンズ直径寸法で且つ該光学部に対して互いに異なる光学特性を設定して複数組み合わせることにより提供するシリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明の第一の態様は、複数組み合わせた前記コンタクトレンズにおいて、何れの該コンタクトレンズの形状もレンズ中心軸回りの回転体形状とし、且つ前記レンズ後面の形状を何れも同一とすると共に、前記前面周辺部における外周部分の径方向所定幅に亘る領域の形状を何れも同一とすることにより、前記周辺部における外周部分の径方向所定幅に亘る部分を何れも同一形状とされた第二の周辺部として、該第二の周辺部の厚さを外周側に行くに従って次第に小さくする一方、前記前面光学部の形状を相互に異ならせることにより、前記光学部の光学特性をそれぞれ異ならせて該光学部に異なる屈折力を設定すると共に、該光学部の屈折力の相違に応じて前面光学部の直径を異ならせ、更に、該光学部と該第二の周辺部との径方向間に亘る部分を何れもレンズ後面が同一形状とされた第一の周辺部とし、且つ該第一の周辺部の前記レンズ前面において該光学部と該第二の周辺部とを屈曲点を有しない湾曲面形状をもって径方向で滑らかに繋ぐと共に、該第一の周辺部における最大厚さを何れも同一としたことを、特徴とする。
このような本態様に係るシリーズ型のコンタクトレンズにおいては、従来では考慮されていなかった周辺部の形状の共通化という新たな構成を採用したことによって、シリーズ中の何れのコンタクトレンズを採用した場合でも周辺部の多くの部分における形状が同一(厚さ寸法の同一を含む)とされ得るのであり、それによって、装用者毎に選択される光学部の光学特性に拘わらず、何れの装用者に対しても良好な装用感や角膜上でのレンズ位置の安定性ひいては視認性が有利に且つ安定して提供され得て、コンタクトレンズの性能および信頼性の飛躍的な向上が実現され得る。
また、同一の装用者において、近視等の屈折異常の程度が進行してコンタクトレンズのレンズ度数を変更するに際して、異なるレンズ度数のコンタクトレンズを装用することに起因する違和感が軽減乃至は回避され得る。
具体的には、例えば、従来の設計方法に従う形状とされたコンタクトレンズでは、屈折力がマイナス側に大きなディオプタ値を有する場合に周辺部が厚くなって眼球への圧迫や眼瞼への圧迫が発生し易く、重量も大きくなることによって角膜上での安定位置が下方にずれ易くなる傾向があったが、本態様に係るシリーズ型コンタクトレンズにおいては、屈折力の大きさ等に拘わらず周辺部の形状が略同一とされることから、設定屈折力等の違いに伴う眼球や眼瞼の圧迫や角膜上での安定位置の変化などの不具合が軽減乃至は回避されることとなり、良好な装用感や光学的特性等を安定して得ることが可能となる。
また、本態様に従って周辺部の形状が略共通化されたシリーズ型のコンタクトレンズにおいては、光学部に設定される屈折力等の光学特性が異なるコンタクトレンズにおいても、略同一形状とされた周辺部によって共通した眼球へのフィッティングパターンや装用感が実現されることから、個別装用者におけるレンズのフィッティングを確認するためのトライアルレンズを、装用者毎に要求される光学特性が異なる場合でも、一つ乃至は少数で共用させることが可能となって、光学部の光学特性毎にトライアルレンズを準備することを不要とすることも実現性がある。
なお、本態様においては、前面ジャンクションを含む周辺部における最大厚さを、シリーズを構成するコンタクトレンズにおいて共通化することが望ましく、それによって、シリーズを構成するコンタクトレンズ相互間における装用感や視力矯正効果の安定性が、一層有利に達成され得る。また、本態様にあっては、シリーズを構成するコンタクトレンズにおいて、後面光学部と後面周辺部の境界である後面ジャンクションよりも前面光学部と前面周辺部の境界である前面ジャンクションが径方向内方に設定されると共に、少なくとも後面ジャンクションよりも外周側に位置せしめられた周辺部の形状を、シリーズを構成するコンタクトレンズにおいて共通化することが望ましく、それによって、前述の如き周辺部の共通化による効果が一層効果的に発揮され得る。
また、本態様に従えば、シリーズを構成する各コンタクトレンズにおいてレンズ直径寸法(DIA)と周辺部の形状を略同一としながら、光学部の屈折力、即ちレンズ度数を異ならせることが容易に実現可能となる。また、本態様に従う構造とされたシリーズを構成する各コンタクトレンズは、光学部に設定された屈折力の相違によって光学部の直径が異なるのに相当する分だけ、周辺部における径方向幅寸法も互いに異なることとなるが、コンタクトレンズに形成されて存在する周辺部の領域における限りは、その全体に亘って、同じシリーズに属し、異なる屈折力が設定された他のコンタクトレンズの周辺部と同一形状とすることが可能となるのである。なお、本態様においてシリーズを構成する各コンタクトレンズは、光学部に設定されるレンズ度数の相違に応じて、光学部の中心部厚さが相互に異なるように設定されることが望ましく、それによって、前面ジャンクションの厚さを、シリーズを構成する各コンタクトレンズの相互間で同一に設定することが一層容易に実現され得る。
(シリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明の第の態様)
また、シリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明の第の態様は、前記第一の態様に係るシリーズ型のコンタクトレンズにおいて、前記前面光学部の直径を何れもφ5mm〜φ12mmの範囲内に設定したことを、特徴とする。このような本態様に従えば、一般的なサイズのコンタクトレンズにおいて、光学部による視力矯正効果と周辺部によるレンズの角膜上での安定性や涙液交換性などを何れも一層有利に確保することが可能となる。なお、光学部の直径がφ5mmより小さいと必要な光学領域の確保が難しくなって装用者に対して安定した視力矯正効果を与えることが困難になるおそれがある一方、光学部の直径がφ12mmを超えると光学部の外周側に形成される周辺部の径方向幅寸法を十分に確保し難くなって、周辺部による涙液交換性やレンズ装用位置の安定性が低下するおそれがある。
(シリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明の第三の態様)
また、シリーズ型コンタクトレンズに関する本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係るシリーズ型のコンタクトレンズであって、複数組み合わせた前記コンタクトレンズにおいて、前記光学部の屈折力の相違に応じて前記前面光学部の中心部厚さが異ならせられていることを、特徴とする。このような本態様においては、シリーズを構成する各コンタクトレンズにおいてレンズ直径寸法(DIA)と周辺部の形状を略同一としながら、光学部の屈折力、即ちレンズ度数を異ならせることが容易に実現可能となるのであり、特に光学部の屈折力の違いが比較的に小さい場合に有効である。また、光学部の屈折力の違いが大きい場合にも、本態様を採用することにより、シリーズを構成する各コンタクトレンズにおいてレンズ直径寸法(DIA)と周辺部の形状を同一としながら、光学部の屈折力、即ちレンズ度数を異ならせることが、一層容易に実現可能となる。
(シリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明の第の態様)
また、シリーズ型コンタクトレンズに関する本発明の第の態様は、かかる第の態様に係るシリーズ型のコンタクトレンズにおいて、前記光学部の中心部厚さを何れも0.02mm〜0.70mmの範囲内に設定したことを、特徴とする。このような本態様に従えば、一般的なサイズのコンタクトレンズにおいて、良好な視認性が確保できる程度に光学部の直径を確保すると共に、レンズの角膜上での安定性や涙液交換性などが良好に発揮される程度に周辺部の幅寸法や形状を良好に確保しつつ、光学部の中心部厚さを強度および耐久的に十分な大きさに設定することが可能となるのである。なお、光学部の中心部厚さが0.02mmより小さいと強度や耐久性が十分に確保され難くなり、光学部の中心部厚さが0.70mmを超えると前面ジャンクションを含む周辺部の厚さが大きくなり過ぎるおそれがある。
(シリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明の第五の態様)
また、シリーズ型コンタクトレンズに関する本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れかの態様に係るシリーズ型のコンタクトレンズであって、前記光学部における屈折力が−25ディオプタ〜+25ディオプタの範囲内で、5ディオプタ以上の差をもって設定されていることを、特徴とする。このような本態様に従えば、5ディオプタ以上、好ましくは10ディオプタ以上の広い範囲に亘って互いに異なるレンズ度数が設定されたコンタクトレンズの何れにおいても、シリーズ型コンタクトレンズに共通した良好な装用感が安定して発揮され得るのであり、優れた製品価値が実現され得ることとなる。なお、本態様は、特に前記第の態様と組み合わせることによって有利に採用され得ることとなり、それによって、5ディオプタ以上、好ましくは10ディオプタ以上の広い屈折力の設定範囲に亘るシリーズ型のコンタクトレンズが、互いに同一の周辺部形状をもって実現可能となるのであり、以て、前述の如き優れたコンタクトレンズの製造や製造コストが実現され得ると共に、良好な装用感と視認性が安定して発揮され得るのである。
(シリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明の第六の態様)
また、シリーズ型コンタクトレンズに関する本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れかの態様に係るシリーズ型のコンタクトレンズにおいて、複数組み合わせた前記コンタクトレンズの何れにおいても、前記前面周辺部が内周側に位置する第一の前面周辺部と外周側に位置する第二の前面周辺部から構成されて、該第一の前面周辺部と前記レンズ後面の間に前記第一の周辺部が形成されていると共に、該第二の前面周辺部と該レンズ後面の間に前記第二の周辺部が形成されており、該第二の周辺部が外周側に行くに従って厚さが次第に小さくなる形状とされて且つかかる複数組み合わせたコンタクトレンズの相互間において該第二の周辺部が何れも同一形状とされていると共に、該第一の周辺部を形成する第一の前面周辺部が径方向において前記前面光学部と該第二の前面周辺部の両者に対して共通接線を有する連続面で接続された滑らかな面で且つ前記光学部の屈折力の相違に応じて異ならされていることを、特徴とする。
このような本態様に従えば、シリーズを構成するコンタクトレンズにおいて、第一の周辺部の径方向長さを異ならせることで、例えば光学部の直径が異なる場合にも、第一の周辺部の厚さ寸法の増大を抑えつつ有利に対応することが出来ると共に、第一の周辺部ひいてはコンタクトレンズの設計や製造が容易となる。しかも、光学部から第一および第二の前面周辺部に至るレンズ前面が全体として滑らかに形成されることから、より優れた装用感が実現可能となる。なお、本態様においては、シリーズを構成するコンタクトレンズにおいて光学部の直径が異なった場合でも、第一の周辺部における厚さや曲率を相互に異ならせることなく同一とするようにしても良い。
(シリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明の第の態様)
また、シリーズ型コンタクトレンズに関する本発明の第の態様は、前記第の態様に係るシリーズ型のコンタクトレンズであって、前記第一の前面周辺部が、径方向において、3次曲線で表されていることを、特徴とする。本態様においては、比較的容易に且つ大きな自由度をもって、第一の前面周辺部を設計することが可能であると共に、切削等で実際のレンズを加工することも可能となる。
(シリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明の第八の態様)
また、シリーズ型コンタクトレンズに関する本発明の第八の態様は、前記第一乃至第五の何れかの態様に係るシリーズ型のコンタクトレンズにおいて、複数組み合わせた前記コンタクトレンズの何れにおいても、前記前面光学部の直径が前記後面光学部の直径よりも小さくされている一方、前記前面周辺部が内周側に位置する第一の前面周辺部と外周側に位置する第二の前面周辺部から構成されており、該第一の前面周辺部が後面光学部に略対応位置せしめられて該後面光学部をオフセットした形状とされていることを、特徴とする。
このような本態様に従えば、シリーズを構成するコンタクトレンズにおいて、第一の周辺部の径方向長さを異ならせる(厚さや曲率は同一)ことで、例えば光学部の直径が異なる場合にも、第一の周辺部の厚さ寸法の増大を抑えつつ、一層容易に対応することが出来ると共に、第一の周辺部ひいてはコンタクトレンズの設計や製造がより一層容易となる。
なお、本態様において、オフセットとは、第一周辺部における後面と前面を、曲率中心が同一とされることにより厚さ寸法が一定とされた平行な前面と後面の関係をいう。また、オフセット量とは、オフセットされた後面と前面の曲率半径の差であり、そこにおいて、好ましくは、かかるオフセット量が、0.03mm〜0.50mmに設定される。蓋し、オフセット量が0.03mmより小さくなると、第一周辺部の厚さが小さくなり過ぎてレンズ材料によっては十分な強度や耐久性が発揮され難くなるおそれがあり、一方、オフセット量が0.50mmを超えると周辺部の厚さ寸法が大きくなり過ぎてシリーズを構成する全てのコンタクトレンズにおいて装用感が悪化するおそれがあるからである。
(シリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明の第九の態様)
また、シリーズ型コンタクトレンズに関する本発明の第九の態様は、上記第八の態様に係るシリーズ型のコンタクトレンズであって、複数組み合わせた前記コンタクトレンズの何れにおいても、前記第一の前面周辺部と前記後面光学部によって厚さが略一定とされた前記第一の周辺部が形成されていると共に、前記第二の前面周辺部が前記後面周辺部に略対応位置せしめられてそれら第二の前面周辺部と後面周辺部によって厚さが外周側に行くに従って小さくなる前記第二の周辺部が形成されて、該第一の周辺部と該第二の周辺部で前記周辺部が構成されており、更に、かかる複数組み合わせたコンタクトレンズの相互間において、該第二の周辺部が何れも同一形状とされていると共に、該第一の周辺部の厚さが何れも同一とされており、且つ該第一の周辺部における径方向の幅寸法を互いに異ならせたことを、特徴とする。このような本態様においては、シリーズを構成する各コンタクトレンズで第二の周辺部の形状が同一とされて周辺部の共通化が一層進められるのであり、その結果、コンタクトレンズの設計および製造が一層容易になると共に、第二の周辺部によって実現される角膜上でのコンタクトレンズの安定性や涙液交換性がより安定して発揮されることとなる。
なお、本態様においては、第一の周辺部における径方向の幅寸法を、シリーズを構成する何れのコンタクトレンズにおいても3.0mm以下となるようにすることが望ましく、それによって、第二の周辺部の径方向幅寸法が大きく確保され得て、第二の周辺部による涙液交換や角膜上での安定性の効果が、シリーズを構成する全てのコンタクトレンズにおいて一層安定して発揮され得ることとなる。また、本態様採用することによって、光学部の屈折力に応じて直径が異なる場合にも、レンズ外径(DIA)を略一定としつつ、周辺部の設計や製造の容易化が図られ得る。
(シリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明の第の態様)
また、シリーズ型コンタクトレンズに関する本発明の第の態様は、上記第一乃至第の何れかの態様に係るシリーズ型のコンタクトレンズであって、複数組み合わせた前記コンタクトレンズの形成材料がシリコン含有の軟質材であることを、特徴とする。シリコン含有の軟質材は、例えば酸素透過性等に関して有効であることが報告されているが、本発明者等が検討したところ、そのような酸素透過性の高いシリコン含有の軟質材は、一般に眼瞼等への摩擦係数や球結膜への吸着性が大きくなって瞬目に際してのタックや角膜への吸着や圧迫等が発生し易い傾向にある。そこにおいて、そのようなシリコン含有の軟質材からなるシリーズ型のコンタクトレンズに対して本発明を適用することにより、光学部の屈折力の大きさに拘わらず周辺部の厚さ寸法が小さく抑えられると共に、周辺部による涙液交換や位置安定等の作用効果が安定して発揮されることにより、タックや吸着等が抑えられて良好な装用感が有利に実現可能となるのである。なお、本態様におけるシリコン含有の軟質材としては、シリコン含有の含水コンタクトレンズも非含水コンタクトレンズも同様に対象となる。
(シリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明の第十一の態様)
また、シリーズ型コンタクトレンズに関する本発明の第十一の態様は、上記第一乃至第の何れかの態様に係るシリーズ型のコンタクトレンズであって、複数組み合わせた前記コンタクトレンズにおいて、その形成材料のヤング率:yの値が、0.2MPa≦y≦2.0MPaであり、前記周辺部の平均厚さ:Tm の値を、0.05mm≦Tm ≦0.30mmとしたことを、特徴とする。
すなわち、本発明者が検討した結果、周辺部の厚さ寸法とコンタクトレンズ材料のヤング率のバランスが、コンタクトレンズの装用に際しての良好なフィッティング(装用感等)に重要なパラメータであることを、新たに知得するに至ったのであり、本態様はこの新たな知見に基づいて完成されたものであって、本態様に従えば、角膜上での適度な動きが許容されると共に、良好な装用感が実現され得るのである。
なお、y<0.2MPaの場合や、Tm <0.05mmの場合には、コンタクトレンズにおける酸素透過性は確保し易いが、コンタクトレンズの角膜への吸着が発生し易く、角膜上でのコンタクトレンズの動きが悪くなって涙液交換性能も低下してしまう傾向にある。一方、y>2.0MPaの場合や、Tm >0.30mmの場合には、コンタクトレンズの周辺部による球結膜圧迫が大きくなると共に、装用感が大幅に低下してしまう傾向にある。本態様におけるコンタクトレンズの寸法や物性は、装着状態を対象とするものであり、例えば含水性のコンタクトレンズ材料である場合には、膨潤状態を表す。
(シリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明の第十二の態様)
また、シリーズ型コンタクトレンズに関する本発明の第十二の態様は、上記第一乃至第十一の何れかの態様に係るシリーズ型のコンタクトレンズであって、複数組み合わせた前記コンタクトレンズにおいて、その形成材料のヤング率:yの値が、300MPa≦y≦1500MPaであり、前記周辺部の平均厚さ:Tm の値を、0.08mm≦Tm ≦0.50mmとしたことを、特徴とする。
このような本態様も、上述の第十一の態様と同様に、周辺部の厚さ寸法とコンタクトレンズ材料のヤング率のバランスがコンタクトレンズの装用感等に関して重要なパラメータであるという、新たに得た知見に基づいて完成されたものであって、特にハードタイプのコンタクトレンズにおいて、角膜上でのコンタクトレンズの良好な動きを実現すると共に、良好な装用感を実現せしめ得るのである。
(シリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明の第十三の態様)
また、シリーズ型コンタクトレンズに関する本発明の第十三の態様は、上記第一乃至第十二の何れかの態様に係るシリーズ型のコンタクトレンズであって、前記後面周辺部が、径方向において前記後面光学部よりも曲率半径の大きい湾曲面形状とされていることを、特徴とする。このような本態様においては、コンタクトレンズの装用状態下で、後面周辺部が角膜から浮いた状態に有利に保持され得ることとなり、エッジ部による球結膜圧迫が緩和されると共に、涙液交換も促進され得ることとなる。特に、かかる後面周辺部の湾曲面としては、径方向において円弧形状や楕円弧形状等が採用され得、それによって設計が容易となる。
さらに、レンズ後面の中央部分に後面光学部が形成されると共に、該後面光学部の外周側に後面周辺部が形成される一方、レンズ前面の中央部分に前面光学部が形成されると共に、該前面光学部の外周側に前面周辺部が形成されることにより、レンズ中央部分に光学部が形成されると共にレンズ外周部分に周辺部が形成されたコンタクトレンズにおいて、前記前面光学部の直径を前記後面光学部の直径よりも小さくする一方、前記前面周辺部を内周側に位置する第一の前面周辺部と外周側に位置する第二の前面周辺部から構成し、該第一の前面周辺部を前記後面光学部がオフセットされた形状としてそれら第一の前面周辺部と後面光学部によって厚さが略一定とされた第一の周辺部を形成すると共に、該第二の前面周辺部を前記後面周辺部に略対応位置せしめてそれら第二の前面周辺部と後面周辺部によって厚さが外周側に行くに従って小さくなる第二の周辺部を形成することにより、該第一の周辺部と該第二の周辺部で前記周辺部を構成したコンタクトレンズをもって、本発明に係るシリーズ型コンタクトレンズが構成され得る。
このような構造とされたコンタクトレンズにおいては、光学部の径寸法やレンズ外径寸法(DIA)が異なる複数種類のレンズを製造する場合等においても、第二の周辺部の形状を同一に設定することが可能となり、レンズの設計や製造が容易となると共に、特定形状の第二の周辺部による装用時のレンズ安定性や涙液交換性が安定して発揮され得ることとなり、品質の安定性や信頼性の向上が図られ得る。また、本構造に従えば、一定の厚さ寸法で径方向に広がる第一の周辺部を設けたことにより、光学部のレンズ度数等に拘わらず周辺部の最大厚さ寸法を小さく設定することが可能となるのであり、それによって、特にシリコン含有の軟質材からなるソフトタイプのコンタクトレンズ等も、良好な装用感をもって、各種の屈折力で有利に提供可能とされる。更にまた、特に本構造とされたコンタクトレンズによって、前述の如き本発明に従うシリーズ型のコンタクトレンズが有利に実現可能となる。
また、このような構造とされたコンタクトレンズにおいては、第二の周辺部の厚さ寸法を、径方向外方に行くに従い、後面ジャンクションからの径方向距離に対して略一定の割合で小さくなるように設定することが望ましく、そのように第二の周辺部の厚さを径方向外方に向かって略一定の絞り込み比率で設計することにより、眼瞼での引っ掛かりが一層有利に回避されて装用感の更なる向上が図られ得る。なお、第二周辺部におけるレンズ中心軸方向での厚さ寸法を、その最大厚さ寸法を抑えつつ、径方向外方に向かって小さくなるように設計するために、レンズ中心軸からの径方向位置において、第一の周辺部と第二の周辺部の境界である第二前面ジャンクションと、後面ジャンクションとの相対位置は、コンタクトレンズの度数や材質等を考慮して適宜に設定されることとなり、好適には後面ジャンクションから径方向で3.0mm以内の位置、更に好適には後面ジャンクションから径方向で2.0mm以内の位置に第二前面ジャンクションが設定される。これにより、一定の厚さ寸法を有する第一周辺部と、径方向外方に行くに従って略一定の割合で厚さ寸法が小さくなる第二周辺部を実現せしめ得る後面周辺部と第二前面周辺部の形状を容易に設計することが可能となり、例えば、後面光学部や後面周辺部,第一前面周辺部,第二前面周辺部を、何れも、レンズ中心軸上に曲率中心を持つ球面(縦断面においては円弧面)として形成することも可能となる。
また、本構造とされたコンタクトレンズにおいて後面周辺部は、曲率中心をレンズ中心軸上に持ち、且つ曲率半径が後面光学部よりも大きな曲面形状とすることが望ましく、それによって、後面周辺部が後面光学部の延長線に比して、角膜から離れる方向に浮いた形状となり、エッジ部(コンタクトレンズの外周縁部)による球結膜圧迫が緩和され得る。
(シリーズ型のコンタクトレンズの製造方法に関する本発明)
さらに、前述の如き本発明に係るシリーズ型のコンタクトレンズを構成する各コンタクトレンズの製造方法に関する本発明の特徴とするところは、前記後面光学部と前記後面周辺部を含む前記レンズ後面の全体と、前記前面周辺部における少なくとも外周部分の径方向所定幅に亘る領域とを、モールド成形するようにしたことにある。
すなわち、本発明に従うシリーズ型のコンタクトレンズを構成する各コンタクトレンズにおいては、光学部の光学特性が異なっていても、レンズ後面の全体と前面周辺部の少なくとも外周部分は同一形状とされていることから、これらの各面を成形型によるモールド成形で形成することが容易とされるのであり、それによって、レンズ後面と前面周辺部の形状を容易に且つ安定して形成することが可能となる。なお、本発明方法においては、前面光学部を含んでモールド成形することも可能であるが、好適には、前面光学部は、レンズ後面や前面周辺部をモールド成形した後に切削形成されることとなる。特に、シリーズ型のコンタクトレンズに関する前述の第の態様に係るコンタクトレンズにあっては、本発明方法を採用するに際して、シリーズを構成するコンタクトレンズにおいて、例えば前面周辺部の全体を同一形状の成形型でモールド成形することも可能であり、その場合には前面光学部だけを切削加工すれば良いことから、切削加工そのものの作業も、周辺部まで切削形成する場合に比して切削バイトの制御が簡略化されて容易且つ速やかに行なうことが可能となる。
なお、本発明に従うシリーズ型のコンタクトレンズを構成する各コンタクトレンズを製造するに際して、前記後面光学部と前記後面周辺部を含む前記レンズ後面の全体と、前記前面周辺部における少なくとも外周部分の径方向所定幅に亘る領域とを、モールド成形した後、前記レンズ前面における前記前面光学部を切削形成することが可能である。
このような方法に従えば、前面光学部の切削パターンを変更して前面光学部の形状を適当に変更設定することにより、各種の光学特性を容易に設定することが可能となる。しかも、前面光学部を除く領域、即ち後面光学部や後面周辺部および前面周辺部が、何れもモールド成形されることから、その製造が容易であり、特に、前面光学部の形状で光学特性が決定されることから、異なる光学特性が要求されるコンタクトレンズにおいてもモールド成形型を共通化することが可能となって、製造コストの向上が図られ得る。また、前面光学部と前面周辺部の両方を切削成形する場合に比して、前面光学部だけを切削成形することにより、切削バイトの制御が容易となり、製造コストの更なる向上と、製造に要する時間の短縮が可能となる。
なお、このようなコンタクトレンズの製造方法においては、前記レンズ前面の前記光学部における切削形成前の最小レンズ厚さを0.05mm〜1.0mmの範囲内に設定することが望ましい。蓋し、最小レンズ厚さが0.05mmより小さいと、レンズ材質によっては光学部の切削加工に際して十分な部材強度が発揮されずに変形による加工精度の低下や破損等の問題が発生するおそれがあり、一方、最小レンズ厚さが1.0mmを超えると、切削加工に要する時間が長くなると共に、切削量が多くなって切削工具への負担が大きくなる等の問題が発生するおそれがあるからである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1(a),(b),(c)には、本発明の第一の実施形態としてのシリーズ型のコンタクトレンズを構成するものから適当に選択した複数のコンタクトレンズ10a,10b,10cが示されている。即ち、シリーズ型のコンタクトレンズは、光学部において互いに異なる光学特性、例えば異なる屈折力(ディオプタ値)が設定された複数のコンタクトレンズを組み合わせることによって構成されており、眼科医等の検者が装用者の眼光学系を検査した結果に基づいて、かかる複数のコンタクトレンズの中から当該装用者に適当な光学特性を有する一つのコンタクトレンズを適宜に選択して装用者に提供し得るようになっている。ここにおいて、かかるシリーズ型のコンタクトレンズの構成要素である各コンタクトレンズ10a,10b,10cは、何れも、全体として略球殻の一部を為すような形状とされており、良く知られているように、眼球における角膜の表面に重ね合わせて装用されるようになっている。なお、本実施形態のコンタクトレンズ10a,10b,10cは、何れも、レンズ中心軸12が光軸、即ち光学部の光学中心軸とされており、このレンズ中心軸12回りの回転体形状としてコンタクトレンズ10a,10b,10cが形成されていることから、図1(a),(b),(c)においては、何れも、半径方向の縦断面だけを示す。また、理解を容易とするためにコンタクトレンズ10aの拡大説明図を、図2に示し、図1,2を参照して、以下の説明をする。また、以下の説明中、コンタクトレンズ10a,10b,10cの径方向とは、原則としてレンズ中心軸12に直交する直線方向をいい、径方向寸法乃至は径方向の幅寸法は、かかる直線方向に延びる線上での寸法をいうものとする。
より詳細には、各コンタクトレンズ10(以下、符号:a,b,cを付けない場合には、a,b,cの全てを総称する)には、全体として略球状の凹面形状を有するレンズ後面14が、中央部分に位置せしめられた後面光学部16と外周部分に位置せしめられた後面周辺部18によって形成されている。また、レンズ前面20は、全体として略球状の凸面形状を有しており、中央部分に位置せしめられた前面光学部22と外周部分に位置せしめられた前面周辺部24によって形成されている。なお、後面光学部16と前面光学部22は、何れも、中心軸12に沿った方向の正面視で円形とされている一方、後面周辺部18と前面周辺部24は、何れも、正面視で円環形状とされている。また、コンタクトレンズ10の外周縁部には、全周に亘って環状のエッジ部26が形成されており、このエッジ部26によって、後面周辺部18と前面周辺部24の各外周縁部が相互に接続されている。
そして、かかるコンタクトレンズ10には、その中央部分に位置して視力矯正のための適当な屈折力が設定された光学部28が、正面視で円形状をもって形成されている。この光学部28は、後面光学部16と前面光学部22で挟まれた部分に形成されている。また、光学部28の外周側には、光学部28とエッジ部26の間に跨がって広がる周辺部30が、正面視で所定幅の円環形状をもって形成されている。この周辺部30は、後面光学部16の外周部分または後面周辺部18と前面周辺部24で挟まれた部分に形成されており、装用状態下で涙液交換を促進すると共に、角膜上での適当な位置にコンタクトレンズ10を安定して保持せしめるように作用する。
なお、これら光学部28や周辺部30、およびそれらを構成する後面光学部16や後面周辺部18,前面光学部22,前面周辺部24の各寸法や形状は、装用者の角膜や瞳孔,眼瞼等の各部位の形状や大きさ、要求される光学特性等を考慮して適宜に決定されるものであって限定されるものでないが、以下では、理解し易いように、具体的な数値を例示的に挙げて説明する。
すなわち、本実施形態では、コンタクトレンズ10の直径寸法(最外径寸法であって、DIAと称する)が13〜15mmの範囲で設定された一定の大きさとされている。また、後面光学部16と後面周辺部18の境界である後面ジャンクション32の直径:Drjが、DIAの略80%とされている。更にまた、前面光学部22と前面周辺部24の境界である第一前面ジャンクション34の直径寸法:Dfjが後面ジャンクション32より小さくされて、第一前面ジャンクション34の径寸法、即ち前面光学部22の直径がφ5mm〜φ12mmの範囲内に設定されている。
ここにおいて、後面光学部16は、良好な装用感を実現するために装用者の角膜の表面形状に略対応した球状凹面とされることとなり、例えばレンズ中心軸12上に曲率中心を有する曲率半径:Rrの球面とされる。また、後面周辺部18は、良好な涙液交換を実現するために、例えばレンズ中心軸12上に曲率中心を有する、後面光学部16よりも大きな曲率半径:Rrpの球面とされる。これにより、後面周辺部18は、後面ジャンクション32を支点として径方向外方に行くに従って角膜表面からやや浮き上がった状態で配設されることとなり、所謂ヒンジ効果によって球結膜への圧迫が低減されて装用感が向上されると共に、涙液交換性も向上されるようになっている。なお、後面ジャンクション32は、レンズの径方向断面で角部を有する折れ点形状とならないように、適当な面取り状の小さな曲率半径を有するアール面で形成されることが望ましい。
また、前面光学部22は、光学部28において装用者に必要な矯正用光学特性を実現するために、後面光学部16の形状を考慮して設計されることとなり、例えば、近視矯正用や遠視矯正用の場合であって、後面光学部16が球面とされている場合には、後面光学部16の曲率半径:Rrと異なる曲率半径:Rfを有し、レンズ中心軸12上に曲率中心を有する球面形状が選択されて、適当なレンズ度数(マイナスまたはプラスのディオプタ値)を与えるように設計されることとなる。
さらに、前面周辺部24は、前面光学部22の外周縁部とエッジ部26の間に跨がって広がっており、前面周辺部24の内周縁部が前面光学部22の外周縁部に対して第一前面ジャンクション34で接続されている。また、前面周辺部24の径方向中間部分には、曲率変化点である第二前面ジャンクション36が形成されている。これにより、前面周辺部24が、第一前面ジャンクション34と第二前面ジャンクション36の間に位置する正面視で円環形状の第一前面周辺部38と、第二前面ジャンクション36とエッジ部26の間に位置する正面視で円環形状の第二前面周辺部40から構成されている。
なお、第二前面ジャンクションと後面ジャンクション32の径方向での相対的な離隔寸法は3.0mm以下とすることが望ましく、より望ましくは2.0mm以下とされることとなり、特に図示された本実施形態では、それら第一前面ジャンクション34と後面ジャンクション32の直径寸法が略同じ(Drj)とされている。
また、第一前面ジャンクション34と第二前面ジャンクション36の径方向距離、換言すれば第一前面周辺部38の径方向幅寸法は、3.0mm以下に設定することが望ましい。これにより、本実施形態では、周辺部30が、形状的に内周側と外周側の二つに分かれており、以て、第一前面周辺部38と後面光学部16で挟まれた領域に第一周辺部42が形成されていると共に、第二前面周辺部40と後面周辺部18で挟まれた領域に第二周辺部44が形成されている。即ち、本実施形態では、厚さ寸法が一定とされた第一周辺部42の径方向幅寸法が、第一前面周辺部38の径方向幅寸法:〔(Drj−Dfj)/2〕と同じとされており、かかる幅寸法が3.0mm以下とされているのである。
また、第一前面周辺部38は、後面光学部16をオフセットした湾曲面とされており、後面光学部16と同一中心点:Oを有し、且つ後面光学部16の曲率半径:Rrよりも所定のオフセット量:αだけ大きな曲率半径:Rfp=Rr+αをもって形成されている。これにより、第一前面周辺部38は、その全体に亘って厚さ寸法が略一定(α)とされているのである。なお、かかるオフセット量:αは、レンズ材料等を考慮して0.03mm〜0.5mmの範囲内で設定されることが望ましく、本実施形態ではα=0.2mmとされている。
更にまた、第二前面周辺部40は、後面周辺部24の外方に広がるように位置せしめられている。また、第二前面周辺部40の形状は、後面周辺部24をオフセットしたものでなく、後面周辺部24の形状を考慮して特別に設計されており、第二前面周辺部40と後面周辺部24で挟まれた部分の厚さ寸法が、後面ジャンクション32からエッジ部26に向かって径方向外方に行くに従って漸次減少するようにされている。特に、本実施形態では、かかる第二周辺部44におけるレンズ中心軸12に平行な方向での厚さ寸法が、図2に示されているように、径方向に一定の割合(Rate)で減少するように、下式の如く設定されている。
Rate = (T1−T2)/(X2−X1)
但し、T1は第二周辺部44の内周縁部の厚さ寸法であり、T2は第二周辺部44の外周縁部の厚さ寸法である。また、X1は第二周辺部44の内周縁部のレンズ中心軸12からの径方向距離であり、X2は第二周辺部44の外周縁部のレンズ中心軸12からの径方向距離である。
因みに、第二周辺部44の内周縁部におけるレンズ厚さ寸法をT1=0.25mmとすると共に、第二周辺部44の外周縁部におけるレンズ厚さ寸法をT2=0.14mmとして、本実施形態に従って設計した第二周辺部44における厚さ寸法の具体的な数値を例示的に、図2に示す。
なお、第一前面ジャンクション34や第二前面ジャンクション36も、後面ジャンクション32と同様に、レンズの径方向断面で角部を有する折れ点形状とならないように、ジャンクション34,36を挟んだ径方向両側の面を共通接線をもって接続するか、或いはそれら両側の面を適当な面取り状の小さな曲率半径を有するアール面で接続することが望ましい。
ここにおいて、第二前面ジャンクション36は、シリーズ型のコンタクトレンズを構成する何れのコンタクトレンズ10においても、エッジ部26の外径寸法(DIA)と共に、固定的に設定されている。これにより、第二周辺部44は、その全体が、何れのコンタクトレンズ10a,10b,10c等においても、レンズ外周部分の同一位置において、厚さ寸法や曲率半径が同じ同一形状をもって形成されている。
更にまた、第一周辺部42は、シリーズ型のコンタクトレンズを構成する何れのコンタクトレンズ10a,10b,10c等においても、全体に亘って同一厚さ寸法で形成されていると共に、その厚さ寸法:T1(又はα)の値も、互いに同一に設定されている。
さらに、第一前面ジャンクション34の径方向位置、換言すれば第一周辺部42の内周縁部の径方向位置、即ち第二周辺部42の径方向幅寸法は、シリーズ型のコンタクトレンズを構成する各コンタクトレンズ10a,10b,10c等において、必要に応じて異ならせられており、少なくともディオプタ値:Pがマイナス側に最も大きく設定された光学部28を有するコンタクトレンズは、最もディオプタ値が0に近く設定された光学部28を有するコンタクトレンズに対して、第一前面ジャンクション34が径方向内方に位置せしめられている。
ここにおいて、第一前面ジャンクション34の径方向位置は、前面光学部22の外周縁部の厚さ寸法を第一前面ジャンクション34の厚さ寸法(本実施形態ではα=0.2mm)として、前面光学部22の形状設計した場合に、レンズ中心軸12上でのレンズ厚さ:Tcの値が、レンズ材料等を考慮して設定される最小許容寸法より小さくならないように決定される。即ち、最小許容寸法が0.07mmとすると、Tc≧0.07mmとなるように、第一前面ジャンクション34の径方向位置が調節されるのである。但し、第一前面ジャンクション34のレンズ中心軸12からの径方向寸法:Dfjは、2.5mm≦Dfj≦6.0mmとすることが望ましい。かかる径方向寸法:Dfjの値が2.5mmより小さくなると光学部が小さくなり過ぎて有効な視力矯正効果が安定して発揮され難くなるおそれがあり、一方、径方向寸法:Dfjの値が6.0mmより大きくなると、第二周辺部44の径方向幅寸法を十分に確保し難くなり、第二周辺部44による涙液交換効果やレンズ位置安定効果等が阻害されるおそれがあるからである。
因みに、図2に示されている如き本実施形態における周辺部30の設計条件下で、光学部28の設定レンズ度数を−1.00ディオプタ,−7.00ディオプテ及び−15.00ディオプタにそれぞれ設定した場合の前面光学部22の具体的な設計形状を、図1の(a),(b)及び(c)に示す。かかる図1に示されているように、本実施形態のシリーズ型のコンタクトレンズにおいては、光学部28に設定されるレンズ度数の値に対応して、前面光学部22の直径寸法が調節設定されている。なお、前述のように、これら(a),(b),(c)に示された何れのコンタクトレンズ10においても、第二周辺部44は同一形状とされていると共に、第一周辺部42は同一厚さ寸法および同一曲率で広がる球状とされている。
従って、上述の如き構造とされたシリーズ型のコンタクトレンズにおいては、それを構成する各コンタクトレンズ10a,10b,10c等が、周辺部30の少なくとも外周部分の径方向所定幅領域である第二周辺部44において、互いに同一形状とされていることから、この第二周辺部44によって発揮される涙液交換性や装用位置安定性が、何れのコンタクトレンズ10a,10b,10cを選択した場合でも、有効に且つ安定して発揮され得るのである。
しかも、各コンタクトレンズ10a,10b,10c等においては、第二周辺部44が同一形状とされているだけでなく、その内周側に形成された第一周辺部42の厚さ寸法も相互に且つ全体に亘って同一に設定されていることから、光学部28に設定されたレンズ度数に拘わらず、レンズ最大厚さ寸法が同じに薄くされているのであり、それ故、特にマイナスレンズ度数が大きいコンタクトレンズにおいても、周辺部30の厚肉化が回避されて、周辺部30の厚肉化に起因する装用感の低下が防止され、良好な装用感が有利に且つ安定して発揮され得るのである。
また、本実施形態では、光学部28に設定されたレンズ度数に応じて、前面光学部22の直径寸法だけでなく、レンズ中心部厚さ:Tcも調節設定されていることから、周辺部のレンズ厚さを薄く一定に設定しつつ、マイナスレンズ度数が大きいコンタクトレンズにおいても、光学部28の直径寸法:Dfjを有利に確保することが出来、それによって、光学部28による光学特性も有利に発揮され得るのである。
さらに、上述の如く、周辺部30において、涙液交換効果等を発揮し得る第二周辺部44を、有効な涙液交換効果等を発揮し得るために必要な径方向幅寸法をもって外周部分の径方向所定幅領域に形成すると共に、その内周側に略一定の厚さ寸法で広がる第一周辺部42を形成したことにより、レンズ度数(ディオプタ値)が0に近いコンタクトレンズ10aにおいても、周辺部30を、最大厚さ寸法を小さく抑えつつ、十分な径方向幅寸法をもって有利に形成することが出来るのであり、それ故、周辺部30の厚さや質量を低減せしめて、装用感やレンズ安定位置の適正化の更なる向上を図ることが可能となるのである。
因みに、本実施形態に従ってレンズ形状を設計した、図1(a)に示されている如き光学部28のレンズ度数(P)が−1.00ディオプタのコンタクトレンズ10aと、同図(b)に示されている如き光学部28のレンズ度数(P)が−7.00ディオプタのコンタクトレンズ10bについて、それぞれ臨床試験の結果を下記〔表1〕に示す。なお、何れのコンタクトレンズ10(a),10(b)も、シリコン含有の非含水性の軟質材料(ヤング率(y)=0.5MPa)からなるソフトタイプであって、DIA=14.0mm,Drj=11.0mm,Rr=8.4mm,α=2.0mmとし、その他の細部形状は、図1,2に従った。
また、従来構造のコンタクトレンズとして、図6(a),(b)に示されているように、上述の実施例と同一形状の後面光学部50と後面周辺部18を備えたコンタクトレンズ62(a),(b)であって、光学部58のレンズ度数(P)が、実施例と同じ−1.00ディオプタおよび−7.00ディオプタとなるように、従来の設計手法で形状を決定したコンタクトレンズ62a,62bについても、本実施例と同様な臨床試験を行ない、そのデータを比較例として下記〔表1〕に併せ示す。なお、比較例のコンタクトレンズ62a,62bにおいては、何れも、その前面周辺部56を、従来構造に従って全体に亘って単一の曲率半径を有する球面形状とした。また、比較例のコンタクトレンズ62a,62bは、実施例と同じシリコン含有の軟質材料からなるソフトコンタクトレンズである。
Figure 0004500551
かかる〔表1〕に示された臨床結果データからも、本実施例のコンタクトレンズは、光学部28に設定されるレンズ度数の大小に拘わらず、良好な装用感やレンズ安定性等が安定して発揮され得ることが理解されるところである。
また、ヤング率(y)の値が0.2〜2.0MPaとされるソフト系の材料(シリコン含有のタイプ)からなるコンタクトレンズと、ヤング率の値が300〜1500MPaとされるハード系の材料(酸素透過性のタイプ)からなるコンタクトレンズについて、それぞれ、周辺部30の厚さ寸法を異ならせて、上述の臨床試験と同様な試験を行った。その結果、ソフト系とハード系の何れのコンタクトレンズにおいても、周辺部30の厚さ寸法が小さくなり過ぎると、特に酸素透過性材料からなるレンズで良好な酸素透過性が発揮されるものの、コンタクトレンズの角膜や球結膜への吸着が発生し易く、角膜上でのコンタクトレンズの動きが悪くなって涙液交換性能も低下してしまう傾向にあること、更にソフト系では表裏判定等のハンドリング性が低下すること等の不具合が発生するおそれがある。一方、周辺部30の厚さ寸法が大きくなり過ぎると、コンタクトレンズの周辺部による球結膜圧迫が大きくなると共に、装用感が大幅に低下してしまう傾向にあること等の不具合がある。
そこで、要求されるコンタクトレンズ特性を考慮して適当な周辺部30の厚さを設定する必要があるが、そこにおいて、周辺部30の適当な厚さ寸法は、コンタクトレンズの材料のヤング率(y)の大きさによって、大きく異なることが明らかとなった。
そして、本発明者が実験と検証を行った結果、コンタクトレンズの形成材料のヤング率:yの値が、0.2MPa≦y≦2.0MPaであるソフト系のコンタクトレンズの場合には、周辺部30の平均厚さ:Tm の値を、0.05mm≦Tm ≦0.30mmとすることが有効であることが明らかとなった。一方、コンタクトレンズ形成材料のヤング率:yの値が、300MPa≦y≦1500MPaであるハード系のコンタクトレンズの場合には、周辺部30の平均厚さ:Tm の値を、0.08mm≦Tm ≦0.50mmとすることが有効であり、それによって一層優れた装用感等が発揮され得るのである。
なお、コンタクトレンズ材料におけるヤング率:yの値の測定は、目的とするコンタクトレンズに適した形状の試験片を用いて行うことが望ましい。蓋し、コンタクトレンズの製品形状を考慮しないで厚肉で大きな試験片を採用すると、同一素材であっても、大きなブロックから得られた試験片と、薄肉成形したコンタクトレンズでは、各工程処理時間等の製作工程が異なることから、その物性も無視できない程度に相違する場合があるからである。具体的には、試験機としては、万能材料試験機等として市販のものを採用することが可能であり、具体的には例えばインストロン・ジャパン株式会社製のModel 4301 等を採用することが出来る。そして、試験片としては、厚さ:0.75mm±0.05mm程度のシート状成形体を打ち抜いて、所定幅寸法の一定断面で直線的に延びた中央部分に対して、幅広の把持部を両端部分に一体成形することにより、平面視において略ダンベル形状とした、全長が略12〜25mm程度の特別なものを成形して、これを採用することが望ましい。
次に、上述の如き構造とされた本実施形態のコンタクトレンズ10について、その有利な製造方法の一具体例を、以下に説明する。
かかるコンタクトレンズ10を製造するに際しては、先ず、図3に示されているように、目的とするコンタクトレンズ10の形状に対応した成形キャビティ100を画成するモールド成形型102を準備する。このモールド成形型102は、下側成形型104と上側成形型106からなる割型構造とされており、相互に型合わせされることによって、それら下上両成形型104,106の型合わせ面間に成形キャビティ100を形成するようになっている。
ここにおいて、上側成形型106のキャビティ形成面としての成形面108は、目的とするコンタクトレンズ10の後面光学部16と後面周辺部18を含むレンズ後面の全体と実質的に同一の形状をもって形成されている。一方、下側成形型104のキャビティ形成面としての成形面110は、その外周部分112が、目的とするコンタクトレンズ10の前面周辺部24と実質的に同一の形状をもって形成されている一方、その中央部分114は、目的とするコンタクトレンズ10の光学部28よりも厚肉のレンズ中央部が成形されるように、コンタクトレンズ10の前面光学部22をその曲率中心から外方に略オフセットさせたような形状とされている。
なお、成形面110の中央部分114の形状を設定するに際して考慮すべき目的とするコンタクトレンズ10の光学部28は、シリーズ型のコンタクトレンズを構成する各種レンズ度数が設定された全てのコンタクトレンズ10の中で、最も厚肉の光学部28を備えたコンタクトレンズとされる。これにより、かかるモールド成形型102は、シリーズ型のコンタクトレンズを構成する各種レンズ度数が設定された全てのコンタクトレンズ10の成形に際して用いることが出来るのである。
すなわち、このようなモールド成形型102を用いてコンタクトレンズ10を成形するに際しては、型開きした下側成形型104の成形面110を上方に向かって開口せしめて、そこにコンタクトレンズ成形用のモノマ材料を所定量だけ注入する。続いて、下側成形型104の上方から上側成形型106を重ね合わせ、それら下上成形型104,106の間に画成された成形キャビティ100にモノマ材料を充填させる。その後、モノマ材料に紫外線照射や加熱等の適当な処理を加えて重合促進することにより、コンタクトレンズ素体をモールド成形する。
このようにして得られたコンタクトレンズ素体は、レンズ後面が全体に亘って目的とするコンタクトレンズ10の形状とされていると共に、レンズ前面も、第一及び第二の前面周辺部38,40においては、目的とするコンタクトレンズの形状とされている。即ち、かかるコンタクトレンズ素体は、実質的に前面光学部22を除く全体が、目的とするコンタクトレンズ10の形状をもってモールド成形されるのである。
そして、得られたコンタクトレンズ素体に対して、その前面光学部22だけに切削加工を施すことにより、目的とするコンタクトレンズ10が完成されることとなる。なお、かかる切削加工は、例えば下側成形型104に対してコンタクトレンズ素体を被着させたままの状態で、切削加工装置のチャックに下側成形型104を把持させることにより、コンタクトレンズ素体をレンズ中心軸回りに旋回させて適当なバイトで切削することによって、有利に実施され得る。
このような製造方法に従えば、前面光学部22を除く全体を実質的に単一形状とされたモールド成形型102でモールド成形することが出来るのであり、その後、前面光学部22に施す切削加工量を調節するだけで、シリーズ型のコンタクトレンズを構成する各種レンズ度数のコンタクトレンズ10a,10b,10c等を製造することが出来ることから、シリーズ型のコンタクトレンズを極めて効率的に製造することが可能となるのである。
しかも、レンズ度数等の光学特性の異なるコンタクトレンズ10を製造するに際して、周辺部30が同一形状をもってモールド成形されることから、厚さ寸法等の形状によって異なるモノマ材料の重合収縮量が、シリーズ型のコンタクトレンズを構成する各種のコンタクトレンズ10a,10b,10c等において略同一とされ得て、成形精度が高度に且つ安定して確保され得るという大きな技術的効果が発揮されるのである。
また、コンタクトレンズ素体を切削加工するに際しても、前面周辺部24は目的とする形状にモールド成形されていることから、レンズ前面20だけを切削加工すれば良く、切削バイト等の制御が容易となり、使用する制御や切削装置も簡略化されると共に、切削加工を速やかに行なうことが可能となる。
なお、モールド成形されたコンタクトレンズ素体は、目的とするコンタクトレンズ10とするために必要な前面光学部22の切削量(切削厚さ)が、0.05mm〜0.50mmとすることが望ましく、それによって、切削加工を安定して高精度に、且つ容易に速やかに行なうことが可能となる。そこにおいて、シリーズ型のコンタクトレンズを構成する全てのコンタクトレンズを単一形状のコンタクトレンズ素体を用いて切削成形しようとすると前面光学部22の切削量が大きくなり過ぎる場合には、二種類或いは三種類以上のモールド成形型102を用いて成形された二種類或いは三種類以上のコンタクトレンズ素体を採用することも可能である。その場合にも、上側成形型106は共通化することが出来る。
さらに、図4(a),(b),(c)には、本発明の第二の実施形態としてのシリーズ型のコンタクトレンズを構成するものから適当に選択した複数のコンタクトレンズ120a,120b,120cが示されている。これら、各コンタクトレンズ120a,120b,120cは、第一の実施形態と同様、光学部において互いに異なる光学特性(例えば屈折力)が設定されて、相互に組み合わせることにより、シリーズ型コンタクトレンズを構成している。なお、図4において、前記第一の実施形態と同様な構造とされた部材については、それぞれ、図中に第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
すなわち、本実施形態における各コンタクトレンズ120(以下、符号:a,b,cを付けない場合には、a,b,cの全てを総称する)は、後面ジャンクション32および第二前面ジャンクション36の径方向位置が異なるだけで、光学部28および第二周辺部44における形状が、前記第一の実施形態と略同じに設定されている。また、第一の実施形態と異なる設定とされた第一周辺部42においても、レンズ後面14(後面周辺部18の内周部分と、場合によってはそれに後面光学部16の外周部分を加えた領域で構成される部分)は、後面ジャンクション32および第二前面ジャンクション36の径方向位置が異なるだけで、第一の実施形態と略同じに設定されている。要するに、本実施形態における各コンタクトレンズ120が第一の実施形態におけるコンタクトレンズ10と大きく相違する特徴的部分は、レンズ前面20のなかで第一前面周辺部38の面形状なのである。
ここにおいて、本実施形態のコンタクトレンズ120においては、かかる第一前面周辺部38が、図示された径方向での断面形状として、屈曲点を有しないで滑らかに連続した湾曲面形状とされている。また、第一前面周辺部38の内周縁部が、前面光学部22の外周縁部に対して、第一前面ジャンクション34(図5中の接続点(X1 ,Y1 ))において、共通接線をもって連続するように接続されている。更に、第一前面周辺部38の外周縁部が、第二前面周辺部40の内周縁部に対して、第二前面ジャンクション36(図5中の接続点(X2 ,Y2 ))において、共通接線をもって連続するように接続されている。
これにより、第一の実施形態における図2と同様に、本実施形態に従って設計した周辺部30の具体的な形状を示す図5に表されているように、光学部28において目的とする光学特性を実現するために適当な曲率半径:Rfで形成された前面光学部22から、シリーズを構成する全てのコンタクトレンズ120において安定した装用性を実現し得るように適当な曲率半径:Rfpで形成された第二前面周辺部40にまで至るレンズ前面20の略全体に亘って、屈曲点のない滑らかな湾曲面形状が、それら前面光学部22と第二前面周辺部40を接続する第一前面周辺部38における特定のレンズ面形状によって、有利に付与されているのである。
要するに、前面光学部22の形状は、目的とする光学特性を実現するために重要であり、また、第二前面周辺部40の形状は、目的とする装用感等のハンドリングを有利に且つ安定して実現するために重要である。本実施形態では、それら前面光学部22と第二前面周辺部40の各形状については、好ましい形状の設計を自由に許容せしめつつ、光学特性や装用感への影響が殆ど無いか或いは影響が比較的に小さい、第一前面周辺部38の形状を特別に調節することによって、シリーズを構成する全てのコンタクトレンズ120において、光学特性に悪影響を及ぼすことなく、良好な装用感等を充分に確保しつつ、レンズ表面における屈曲点の存在を回避せしめ得たのであり、それによって、より一層優れた装用感等が実現可能となるのである。
なお、かかる第一前面周辺部38の具体的形状は、例えば径方向の形状として各種の関数が適宜に採用可能であり、特に非球面関数,多次式,三角関数などが何れも採用され得る。また、一般には、かかる第一前面周辺部38は、何れの点においても曲率中心がレンズ中心軸12上に位置せしめられるようにされる。
具体的には、第一前面周辺部38としては、例えば三次式で表される径方向の形状であって、レンズ中心軸12に関して回転対象となる環状の湾曲面が採用可能であり、それによって、第一前面周辺部38における内外周縁部での前面光学部22や第二前面周辺部40との接続部位を共通接線を持つようにして、全体に滑らかな湾曲面形状を、比較的に容易に設計することが可能となる。
また、本実施形態に従う構造とされたコンタクトレンズ120の製造は、前記第一の実施形態と同様な方法が有利に適用されることは、言うまでもない。
因みに、前記実施形態に示されたコンタクトレンズ10において、その第一前面周辺部38の形状だけを異ならせて、かかる第一前面周辺部38を径方向において三次式で表される形状として、前面光学部22および第二前面周辺部38に対して共通接線を有する接続点で接続せしめられるようにする場合の設計の一具体例を以下に記載する。
以下の説明では、図5に示されているようにレンズ中心軸12をY軸とすると共に、該レンズ中心軸12に直交する径方向線をX軸としたX−Yの直交座標を用いて説明する。
先ず、以下のようにコンタクトレンズの基本的形状を設定する。
(i)前面光学部22の形状
前面光学部22を、下記(1)式で表される球面とする。
2 +(Y−K)2 =FC2 ・・・ (1)
FC:フロントカーブの曲率半径(球面)
K :フロントカーブのY切片
これらFC及びKの値は、光学計算(光線追跡等)より、予め算出される。
(ii)前面光学部22の外周側(終点側)の端部座標
前面光学部22の外周縁部(終点)の座標を(X1 ,Y1 )とする。
これらX1 ,Y1 の値は、前面光学部22の外径寸法を考慮して、予め算出される。
(iii)第二前面周辺部40の形状
第二前面周辺部40を、下記(2)式で表される楕円面とする。
2 /M2 +(Y−L)2 /N2 =1 ・・・(2)
L :楕円中心のY切片
M :楕円軸(X軸方向)
N :楕円軸(Y軸方向)
L,M及びNの値は、周辺部30の厚さの設定値に基づいて予め算出される。
(iv)第二前面周辺部40の内周側(開始点側)の端部座標
第二前面周辺部40の内周縁部(開始点)の座標を(X2 ,Y2 )とする。
これらX2 ,Y2 の値は、〔第二前面ジャンクション36の位置での半径寸法:X2 /コンタクトレンズ120の外周半径寸法:DIA/2〕の値が、0.5〜0.9となる範囲内で、適当な設定値が予め算出される。
(v)求める第一前面周辺部38の径方向における形状を表す三次式
求めるべき第一前面周辺部38の形状を表す三次式は、前面光学部22の外周縁部(終点)と第二前面周辺部40の内周縁部(開始点)とに両端縁部(開始点および終点)で、共通接線をもって接することとなり、下記(3)式で表される。
Y=AX3 +BX2 +CX+D ・・・(3)
そして、かかる(3)式におけるA,B,C,Dが、求めるべき変数である。
ここにおいて、上記(3)式におけるA,B,C,Dを算出して、第一前面周辺部38の形状を決定することは、例えば以下のようにして行うことが出来る。
先ず、前記(1)式,(2)式,(3)式をそれぞれ微分して下記(4)式,(5)式,(6)式を得る。
dY/dX=−X/(Y−K) ・・・(4)
dY/dX=−N2 X/(M2 (Y−L)) ・・・(5)
dY/dX=3AX2 +2BX+C ・・・(6)
次に、点(X1 ,Y1 )において共通接線を持つから、(4)式で表される前面光学部22の傾きの値(dY/dX)と、(6)式で表される第一前面周辺部38の傾きの値(dY/dX)が等しいという条件から、下記(7)式が導かれる。
−X1 /(Y1 −K)
=3AX1 2 +2BX1 +C ・・・(7)
(但し、Y1 −K≠0)
また、点(X2 ,Y2 )において共通接線を持つから、(5)式で表される第二前面周辺部40の傾きの値(dY/dX)と、(6)式で表される第一前面周辺部38の傾きの値(dY/dX)が等しいという条件から、下記(8)式が導かれる。
−N2 2 /(M2 (Y2 −L))
=3AX2 2 +2BX2 +C ・・・(8)
(但しY2−L≠0)
さらに、(3)式で示される第一前面周辺部38は、点(X1 ,Y1 )を通ることから、下記(9)式が導かれる。
1 =AX1 3 +BX1 2 +CX1 +D ・・・(9)
また、(3)式で示される第一前面周辺部38は、点(X2 ,Y2 )を通ることから、下記(10)式が導かれる。
2 =AX2 3 +BX2 2 +CX2 +D ・・・(10)
従って、上記(7)(8)(9)(10)の4つの式から、下記の(11)(14)に示す四次元連立一次方程式が決まる。
3X1 2 ×A+2X1 ×B+1×C+0×D
=−X1 /(Y1 −K) ・・・(11)
3X2 2 ×A+2X2 ×B+1×C+0×D
=−N2 2 /(M2 (Y2 −L)・・・(12)
1 3 ×A+X1 2 ×B+X1 ×C+1×D
=Y1 ・・・(13)
2 3 ×A+X2 2 ×B+X2 ×C+1×D
=Y2 ・・・(14)
それ故、得られた連立方程式を解くことにより、前記(3)式における各変数:A,B,C,Dを求めることが出来、以て、第一前面周辺部38の形状を特定することが出来るのである。なお、連立方程式の解法には、例えばクラメルの公式等を利用して容易に行うことが出来る。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、かかる実施形態はあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施可能であり、また、そのような態様の全てを明示することはしないが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れの態様も、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、本発明は、各種の材料からなるハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズの何れに対しても適用可能である。また、光学部に対してトーリック度数等を付加することも、勿論可能である。
また、周辺部においても、中心軸回りの周方向で形状を異ならせて、装用状態下で、コンタクトレンズが周方向に位置決めされ得るようにすること等も可能である。なお、そのような中心軸回りで回転対称でない周辺部の形状を採用する場合でも、本発明に従ってシリーズ型のコンタクトレンズを構成するに際しては、シリーズ型のコンタクトレンズを構成する全てのコンタクトレンズにおいて、周辺部の形状が同一とされることとなる。
更にまた、シリーズ型のコンタクトレンズに関する本発明は、所定のレンズ度数領域で互いに異なるレンズ度数が設定された複数のコンタクトレンズの組み合わせによって構成されたシリーズ型のコンタクトレンズに対して有利に適用されるものであり、それによって、例えば5ディオプタ以上更には10ディオプタ以上のレンズ度数の分布領域に亘るコンタクトレンズにおいても優れた装用感を安定して提供することが可能となるという大きな技術的効果を奏し得るものであるが、シリーズ型のコンタクトレンズとしては各種のものがあり、例えばレンズ材料の同一性を根拠として構成されたシリーズ型のコンタクトレンズ等もある。そのようなシリーズ型のコンタクトレンズに対して本発明を適用するに際しては、シリーズを構成する全てのコンタクトレンズが、本発明に従って形成されている必要はなく、例えば特殊な目的で特別な形状が付与された特殊なコンタクトレンズをシリーズ中に含んでいても良い。具体的には、例えばレンズ材質の同一性に基づいて構成された、プリズムバラスト機構を備えたコンタクトレンズや特殊な状況下で用いられる極端にレンズ度数が異なるコンタクトレンズ等を一つ或いは幾つか同一シリーズ中に含むようなシリーズ型のコンタクトレンズに対して本発明を適用するに際しては、そのような特殊なコンタクトレンズを除いて本発明を適用するようにしても良い。
また、本発明におけるシリーズ型のコンタクトレンズを構成する各コンタクトレンズは、光学部の前面や後面及び/又は周辺部の前面や後面が非球面形状とされていても良い。具体的には、例えば前面光学部を非球面形状とした多焦点タイプや累進タイプのコンタクトレンズ或いはトーリックレンズ等にも、本発明が適用可能である。
而して、上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされたシリーズ型のコンタクトレンズは、従来では考慮されていなかった周辺部の形状の共通化という新たな技術思想に基づくものであり、シリーズ中の何れのコンタクトレンズを採用した場合でも周辺部の多くの部分における形状が同一とされることによって、装用者毎に選択される光学部の光学特性に拘わらず、何れの装用者に対しても良好な装用感や涙液交換性等,レンズ位置安定性等が安定して提供され得るのである。
また、本発明に従う構造とされたシリーズ型のコンタクトレンズを構成する各コンタクトレンズにおいては、一定の厚さ寸法で径方向に広がる第一の周辺部を光学部と第二の周辺部の間に設けた構造を採用することにより、光学部のレンズ度数等に拘わらず周辺部の最大厚さ寸法を小さく設定することが可能となるのであり、それによって、球結膜や眼瞼への圧迫が軽減されるととともに瞬目に際しての引っ掛かりも軽減されて、装用感の更なる向上が図られ得るのである。
また、本発明の製造方法に従えば、異なる光学特性が設定されるコンタクトレンズを製造するに際して、共通のモールド成形型を用いることが可能となって製造コストの低減が図られると共に、異なる光学特性が設定されるコンタクトレンズでもモールド成形時に周辺部が一定形状とされることから、モールド成形に際しての重合収縮や熱収縮等に伴う変形量も一定化されて、優れた成形精度が実現され得るのである。
上述の説明から明らかなように、本発明によれば、互いに異なる矯正レンズ度数等を取り揃えたシリーズ型のコンタクトレンズが、その何れにおいても良好な装用感等を共通して奏し得る高性能なものなどとして、有利に提供され得ることとなる。
本発明の第一の実施形態としてのシリーズ型のコンタクトレンズを構成するコンタクトレンズの3つを(a),(b)及び(c)に例示する半径方向縦断面図である。 図1(a)に示されたコンタクトレンズの要部を拡大して示す説明図である。 図1に示されたコンタクトレンズの成形に用いられるモールド成形型の一具体例を示す半径方向縦断面説明図である。 本発明の第二の実施形態としてのシリーズ型のコンタクトレンズを構成するコンタクトレンズの3つを(a),(b)及び(c)に例示する半径方向縦断面図である。 図4(a)に示されたコンタクトレンズの要部を拡大して示す説明図である。 従来のシリーズ型のコンタクトレンズを構成するコンタクトレンズの2つを(a),(b)に例示する半径方向縦断面図である。

Claims (14)

  1. レンズ後面の中央部分に後面光学部が形成されると共に、該後面光学部の外周側に後面周辺部が形成される一方、レンズ前面の中央部分に前面光学部が形成されると共に、該前面光学部の外周側に前面周辺部が形成されることにより、レンズ中央部分に光学部が形成されると共にレンズ外周部分に周辺部が形成されたコンタクトレンズを、同一のレンズ直径寸法で且つ該光学部に対して互いに異なる光学特性を設定して複数組み合わせることにより提供するシリーズ型のコンタクトレンズであって、
    複数組み合わせた前記コンタクトレンズにおいて、何れの該コンタクトレンズの形状もレンズ中心軸回りの回転体形状とし、且つ前記レンズ後面の形状を何れも同一とすると共に、
    前記前面周辺部における外周部分の径方向所定幅に亘る領域の形状を何れも同一とすることにより、前記周辺部における外周部分の径方向所定幅に亘る部分を何れも同一形状とされた第二の周辺部として、該第二の周辺部の厚さを外周側に行くに従って次第に小さくする一方、
    前記前面光学部の形状を相互に異ならせることにより、前記光学部の光学特性をそれぞれ異ならせて該光学部に異なる屈折力を設定すると共に、該光学部の屈折力の相違に応じて前面光学部の直径を異ならせ、更に、
    該光学部と該第二の周辺部との径方向間に亘る部分を何れもレンズ後面が同一形状とされた第一の周辺部とし、且つ該第一の周辺部の前記レンズ前面において該光学部と該第二の周辺部とを屈曲点を有しない湾曲面形状をもって径方向で滑らかに繋ぐと共に、該第一の周辺部における最大厚さを何れも同一とした
    ことを特徴とするシリーズ型のコンタクトレンズ。
  2. 複数組み合わせた前記コンタクトレンズの何れにおいても、前記前面光学部の直径がφ5mm〜φ12mmの範囲内に設定されている請求項1に記載のシリーズ型のコンタクトレンズ。
  3. 複数組み合わせた前記コンタクトレンズにおいて、前記光学部の屈折力の相違に応じて前記前面光学部の中心部厚さが異ならせられている請求項1又は2に記載のシリーズ型のコンタクトレンズ。
  4. 複数組み合わせた前記コンタクトレンズの何れにおいても、前記光学部の中心部厚さが0.02mm〜0.70mmの範囲内に設定されている請求項3に記載のシリーズ型のコンタクトレンズ。
  5. 複数組み合わせた前記コンタクトレンズにおいて、前記光学部における屈折力が−25ディオプタ〜+25ディオプタの範囲内で、5ディオプタ以上の差をもって設定されている請求項1乃至4の何れかに記載のシリーズ型のコンタクトレンズ。
  6. 複数組み合わせた前記コンタクトレンズの何れにおいても、前記前面周辺部が内周側に位置する第一の前面周辺部と外周側に位置する第二の前面周辺部から構成されて、該第一の前面周辺部と前記レンズ後面の間に前記第一の周辺部が形成されていると共に、該第二の前面周辺部と該レンズ後面の間に前記第二の周辺部が形成されており、該第二の周辺部が外周側に行くに従って厚さが次第に小さくなる形状とされて且つかかる複数組み合わせたコンタクトレンズの相互間において該第二の周辺部が何れも同一形状とされていると共に、該第一の周辺部を形成する第一の前面周辺部が径方向において前記前面光学部と該第二の前面周辺部の両者に対して共通接線を有する連続面で接続された滑らかな面で且つ前記光学部の屈折力の相違に応じて異ならされている請求項1乃至5の何れかに記載のシリーズ型のコンタクトレンズ。
  7. 前記第一の前面周辺部が、径方向において、3次曲線で表される請求項6に記載のシリーズ型のコンタクトレンズ。
  8. 複数組み合わせた前記コンタクトレンズの何れにおいても、前記前面光学部の直径が前記後面光学部の直径よりも小さくされている一方、前記前面周辺部が内周側に位置する第一の前面周辺部と外周側に位置する第二の前面周辺部から構成されており、該第一の前面周辺部が後面光学部に略対応位置せしめられて該後面光学部をオフセットした形状とされている請求項1乃至5の何れかに記載のシリーズ型のコンタクトレンズ。
  9. 複数組み合わせた前記コンタクトレンズの何れにおいても、前記第一の前面周辺部と前記後面光学部によって厚さが略一定とされた前記第一の周辺部が形成されていると共に、前記第二の前面周辺部が前記後面周辺部に略対応位置せしめられてそれら第二の前面周辺部と後面周辺部によって厚さが外周側に行くに従って小さくなる前記第二の周辺部が形成されて、該第一の周辺部と該第二の周辺部で前記周辺部が構成されており、更に、かかる複数組み合わせたコンタクトレンズの相互間において、該第二の周辺部が何れも同一形状とされていると共に、該第一の周辺部の厚さが何れも同一とされており、且つ該第一の周辺部における径方向の幅寸法が互いに異ならせられている請求項8に記載のシリーズ型のコンタクトレンズ。
  10. 複数組み合わせた前記コンタクトレンズの形成材料がシリコン含有の軟質材である請求項1乃至9の何れかに記載のシリーズ型のコンタクトレンズ。
  11. 複数組み合わせた前記コンタクトレンズにおいて、その形成材料のヤング率:yの値が、0.2MPa≦y≦2.0MPaであり、前記周辺部の平均厚さ:Tm の値を、0.05mm≦Tm ≦0.30mmとした請求項1乃至10の何れかに記載のシリーズ型のコンタクトレンズ。
  12. 複数組み合わせた前記コンタクトレンズにおいて、その形成材料のヤング率:yの値が、300MPa≦y≦1500MPaであり、前記周辺部の平均厚さ:Tm の値を、0.08mm≦Tm ≦0.50mmとした請求項1乃至9の何れかに記載のシリーズ型のコンタクトレンズ。
  13. 前記後面周辺部が、径方向において前記後面光学部よりも曲率半径の大きい湾曲面形状とされている請求項1乃至12の何れかに記載のシリーズ型のコンタクトレンズ。
  14. 請求項1乃至13の何れかに記載のシリーズ型のコンタクトレンズを構成するコンタクトレンズの製造方法であって、
    前記後面光学部と前記後面周辺部を含む前記レンズ後面の全体と、前記前面周辺部における少なくとも外周部分の径方向所定幅に亘る領域とを、モールド成形することを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
JP2003584803A 2002-04-12 2003-03-25 コンタクトレンズおよびコンタクトレンズの製造方法 Expired - Lifetime JP4500551B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002110764 2002-04-12
JP2002110764 2002-04-12
PCT/JP2003/003639 WO2003087920A1 (fr) 2002-04-12 2003-03-25 Lentille de contact et procede de production de lentille de contact

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2003087920A1 JPWO2003087920A1 (ja) 2005-08-25
JP4500551B2 true JP4500551B2 (ja) 2010-07-14

Family

ID=29243246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003584803A Expired - Lifetime JP4500551B2 (ja) 2002-04-12 2003-03-25 コンタクトレンズおよびコンタクトレンズの製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7147325B2 (ja)
EP (1) EP1496388B1 (ja)
JP (1) JP4500551B2 (ja)
AU (1) AU2003221129A1 (ja)
WO (1) WO2003087920A1 (ja)

Families Citing this family (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2003902102A0 (en) * 2003-05-02 2003-05-22 The Institute For Eye Research Contact lens
US7036930B2 (en) 2003-10-27 2006-05-02 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Methods for reducing corneal staining in contact lens wearers
JP2005202107A (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Asahi Kasei Aimii Kk 2焦点コンタクトレンズ
DE102004010338B4 (de) * 2004-03-03 2017-01-19 Rodenstock Gmbh Verfahren zum Herstellen eines Brillenglases
JP2006011130A (ja) * 2004-06-28 2006-01-12 Asahi Kasei Aimii Kk コンタクトレンズ
JP2006011131A (ja) * 2004-06-28 2006-01-12 Asahi Kasei Aimii Kk 色付きコンタクトレンズ
WO2006054970A1 (en) * 2004-11-12 2006-05-26 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Methods for reducing corneal staining in contact lens wearers
AU2012202279B2 (en) * 2004-11-12 2012-06-07 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Methods for reducing corneal staining in contact lens wearers
WO2006053776A1 (en) * 2004-11-22 2006-05-26 Novartis Ag A series of aspherical contact lenses
TWI410696B (zh) * 2005-02-15 2013-10-01 Univ Queensland 控制近視的方法與裝置
JP4608544B2 (ja) * 2005-06-15 2011-01-12 株式会社メニコン 多種材コンタクトレンズ
JP2007047803A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Coopervision Inc コンタクトレンズ着用者の結膜圧力を低減するためのコンタクトレンズ及び方法
WO2008014419A2 (en) 2006-07-26 2008-01-31 Lai Shui T Intrastromal surgery correcting low order and high order aberrations of the eye
US20080212024A1 (en) * 2006-09-18 2008-09-04 Lai Shui T Customized contact lenses for reducing aberrations of the eye
WO2008062503A1 (fr) 2006-11-20 2008-05-29 Menicon Co., Ltd. Lentille de contact et son procédé de fabrication
US7625598B2 (en) * 2006-12-15 2009-12-01 Bausch & Lomb Incorporated Silicone contact lenses with wrinkled surface
WO2009094368A1 (en) * 2008-01-25 2009-07-30 Bausch & Lomb Incorporated Contact lens
EP2276420B1 (en) 2008-04-04 2021-10-06 Journey1, Inc. Device to treat an eye having an epithelium with a defect
US20100149482A1 (en) * 2008-12-12 2010-06-17 Ammon Jr Daniel M Contact lens
US8662663B2 (en) * 2009-07-08 2014-03-04 Menicon Co., Ltd. Hybrid soft contact lens, and production method and hydration treatment method thereof
US8342683B2 (en) * 2009-08-27 2013-01-01 Novartis Ag Optimizing optical aberrations in ophthalmic lenses
EP2490620A4 (en) 2009-10-23 2017-03-22 Forsight Labs, Llc Conformable therapeutic shield for vision and pain
ES2649890T3 (es) 2009-10-23 2018-01-16 Nexisvision, Inc. Enervación corneal para el tratamiento de dolor ocular
US8591025B1 (en) 2012-09-11 2013-11-26 Nexisvision, Inc. Eye covering and refractive correction methods for LASIK and other applications
US8940337B2 (en) 2009-12-30 2015-01-27 Axcelon Biopolymers Corporation Transparent bacterial cellulose nanocomposite hydrogels
US8317323B2 (en) * 2010-09-10 2012-11-27 Contact Lens Precision Laboratories Ltd. Contact lens and method of manufacture
CA2871027A1 (en) * 2012-04-20 2013-12-12 Nexisvision, Inc. Contact lenses for refractive correction
US9465233B2 (en) 2012-04-20 2016-10-11 Nexisvision, Inc. Bimodular contact lenses
JP5621118B2 (ja) 2012-06-27 2014-11-05 株式会社メニコンネクト 着色コンタクトレンズおよびその製造方法
WO2014020634A1 (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 株式会社メニコン コンタクトレンズおよびコンタクトレンズの製造方法
CA2916885A1 (en) 2013-06-26 2014-12-31 Nexisvision, Inc. Contact lenses for refractive correction
WO2015116559A1 (en) 2014-01-29 2015-08-06 Nexisvision, Inc. Multifocal bimodulus contact lenses
WO2019152526A1 (en) * 2018-01-31 2019-08-08 California Institute Of Technology Controllable ocular phototherapy
CA3107738A1 (en) * 2018-07-26 2020-01-30 Oakley, Inc. Lens for eyewear and other headworn supports having improved optics

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60113208A (ja) * 1983-11-25 1985-06-19 Japan Synthetic Rubber Co Ltd コンタクトレンズ
JPS633910A (ja) * 1986-06-23 1988-01-08 Tome Sangyo Kk コンタクトレンズの製造法
JPH0990289A (ja) * 1995-09-21 1997-04-04 Menicon Co Ltd 酸素透過性硬質眼用レンズ材料およびその製法
JP2000206469A (ja) * 1998-12-21 2000-07-28 Johnson & Johnson Vision Prod Inc コンタクトレンズ及びその製造方法
JP2001233915A (ja) * 2000-02-24 2001-08-28 Toray Ind Inc 眼用レンズ用ポリマーの製造法および眼用レンズ

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3482906A (en) * 1965-10-04 1969-12-09 David Volk Aspheric corneal contact lens series
US3944347A (en) * 1971-06-11 1976-03-16 E. I. Du Pont De Nemours & Co. Contact lens having a hard center and soft, tough periphery
JPS5686145A (en) 1979-12-17 1981-07-13 Ricoh Co Ltd Novel disazo compound and its preparation
JP3726268B2 (ja) * 1995-08-22 2005-12-14 セイコーエプソン株式会社 コンタクトレンズの製造方法およびそれに用いられる樹脂型
US6244708B1 (en) * 1998-09-28 2001-06-12 Bausch & Lomb Incorporated Contact lenses providing improved visual acuity
US6806337B2 (en) * 2002-07-16 2004-10-19 Alcon Ophthalmic and otorhinolaryngological device materials

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60113208A (ja) * 1983-11-25 1985-06-19 Japan Synthetic Rubber Co Ltd コンタクトレンズ
JPS633910A (ja) * 1986-06-23 1988-01-08 Tome Sangyo Kk コンタクトレンズの製造法
JPH0990289A (ja) * 1995-09-21 1997-04-04 Menicon Co Ltd 酸素透過性硬質眼用レンズ材料およびその製法
JP2000206469A (ja) * 1998-12-21 2000-07-28 Johnson & Johnson Vision Prod Inc コンタクトレンズ及びその製造方法
JP2001233915A (ja) * 2000-02-24 2001-08-28 Toray Ind Inc 眼用レンズ用ポリマーの製造法および眼用レンズ

Also Published As

Publication number Publication date
EP1496388A1 (en) 2005-01-12
US7147325B2 (en) 2006-12-12
WO2003087920A1 (fr) 2003-10-23
JPWO2003087920A1 (ja) 2005-08-25
EP1496388A4 (en) 2009-05-06
AU2003221129A1 (en) 2003-10-27
EP1496388B1 (en) 2016-04-27
US20050157256A1 (en) 2005-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4500551B2 (ja) コンタクトレンズおよびコンタクトレンズの製造方法
JP4442927B2 (ja) 傾斜装用型コンタクトレンズ
JP5923614B2 (ja) 近視進行抑制能を有するコンタクトレンズおよび近視進行抑制能を有するコンタクトレンズセット
JP4580446B2 (ja) コンタクトレンズの製造方法
US7537339B2 (en) Hybrid contact lens system and method of fitting
RU2580195C2 (ru) Способ конструирования некруглой мягкой контактной линзы
US20060055884A1 (en) Soft contact lenses with stiffening rib features therein
JP2021099493A (ja) 視力矯正用レンズおよび視力矯正用レンズの作成方法
JP5946981B2 (ja) ディセンタタイプのコンタクトレンズおよびディセンタタイプのコンタクトレンズセット
KR101752935B1 (ko) 토릭 콘택트 렌즈 및 그 제조 방법
CN109073914B (zh) 隐形眼镜及其制造方法
US4084890A (en) Contact lens
TWI612357B (zh) 眼用鏡片及其製造方法
JP4009185B2 (ja) コンタクトレンズの製作方法
JP5026291B2 (ja) 装用方向選択型コンタクトレンズ
KR20020022095A (ko) 렌즈의 물성을 감안한 콘택트 렌즈의 고안 및 맞춤법
KR102646965B1 (ko) 안용 렌즈, 그 설계 방법, 그 제조 방법, 및 안용 렌즈 세트
JP5642895B2 (ja) コンタクトレンズおよびコンタクトレンズの製造方法
KR101954069B1 (ko) 컬러 토릭 콘택트렌즈
JP2007286644A (ja) コンタクトレンズおよびコンタクトレンズのシリーズ
JP2018112668A (ja) 角膜矯正コンタクトレンズ
JP4882600B2 (ja) コンタクトレンズ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040915

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051223

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100408

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100419

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4500551

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160423

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term