〔実施形態1〕
本発明の一実施形態にかかるレベルシフタ回路について説明する。図1は、本実施形態にかかるレベルシフタ回路1の概略構成を示す回路ブロック図である。なお、レベルシフタ回路1は、図2に示すマトリクス型液晶表示装置(表示装置)100のマトリクス型液晶表示装置に備えられ、走査信号線駆動用のゲートドライバ(走査信号線駆動回路、駆動回路)の一部として機能するものである。
(表示装置100)
この図に示すように、表示装置100は、マトリクス状に配列された多数の画素PIXと、レベルシフタ群2と、前記各画素PIXを駆動するソースドライバ(データ信号線駆動回路)3およびゲートドライバ4とを備えている。なお、各画素PIXと、ソースドライバ3およびゲートドライバ4を含む周辺回路とは、製造時の手間と、配線容量とを削減するために同一基板上にモノシリックに形成されたモノリシック回路である。
レベルシフタ群(レベルシフタ回路群)2が必要な理由は下記の通りである。表示装置100に入力される各信号SCK,SSP,INI,GSP,GCK1,GCK2,INIは、表示装置100外部のIC(集積回路)で生成されることから、これらの入力信号も、ICの動作電圧と同じであることが要求される。
ICの動作電圧は年々低くなっており、このままの低い電圧では、表示装置100内部のソースドライバ3やゲートドライバ4は動作しない。このため、レベルシフタ群2は、ソースドライバ3やゲートドライバ4の動作電圧まで、入力信号の電圧を昇圧(レベルシフト)するために必要になる。
図3は、レベルシフタ群2の構成を示すブロック図である。同図においては、レベルシフタを行う信号ごとにレベルシフタL1,L2,L3,L4が設けられている。なお、本実施形態におけるレベルシフタ回路1は、クロック信号GCK1またはGCK2をそれぞれレベルシフトするものとし、本実施形態では、GCK1をレベルシフトする場合について説明する。
なお、本実施形態では、レベルシフタ回路1をゲートドライバ4の外部(レベルシフタ群2内)に設けているが、これに限らず、ゲートドライバ4の内部に設けてもよい。また、レベルシフタ回路1の詳細については後述する。
ソースドライバ3は、ソースシフトレジスタ20およびサンプリング回路21から成る。
各画素PIXは、相互に交差するn本の走査信号線GL1〜GLnおよびm本のデータ信号線SL1〜SLmによって区画されて成るマトリクス状の各領域にそれぞれ配置される。そして、ソースドライバ3およびゲートドライバ4が、走査信号線GL1〜GLnおよびデータ信号線SL1〜SLmを介して表示装置100の外部から入力される映像信号DATを各画素PIXに順次書込んでいくことで画像表示を行う。
図4は、j番目の走査信号線GLjおよびi番目のデータ信号線SLjによって区画される領域に配置する画素PIXを示している。
この図に示すように、画素PIXは、スイッチング用トランジスタ(電界効果トランジスタ)SWと、画素容量Cpとからなる。画素容量Cpは、液晶容量CLcと、必要に応じて付加される補助容量Csとから構成されている。
スイッチング用トランジスタSWは、ゲートが走査信号線GLに接続され、ソースがデータ信号線SLに接続され、ドレインが画素容量Cp(液晶容量CLcおよび補助容量Cs)に接続されている。なお、画素容量Cpの他方の電極は、全画素PIXに共通の共通電極線に接続されている。
したがって、走査信号線GLが選択されると、スイッチング用トランジスタSWが導通し、データ信号線SLに印加された電圧が画素容量Cpに印加される。一方、走査信号線GLの選択期間が終了して、スイッチング用トランジスタSWが遮断されている間、画素容量Cpは該遮断時の電圧を保持し続ける。ここで、液晶の透過率または反射率は、液晶容量CLcに印加される電圧によって変化する。したがって、走査信号線GLを選択し、データ信号線SLへ映像信号DATに応じた電圧を印加することで、画素PIXの表示状態を、映像信号DATに合わせて変化させることができる。
ここで、ソースドライバ3には、各画素PIXへの映像信号DATが時分割で伝送されている。そして、ソースドライバ3は、タイミング信号となる、所定の周期でデューティ比が50%の(50%以下でも良い)クロック信号SCKとスタートパルスSSPとに基づいたタイミングで、映像信号DATから、各画素PIXへの映像データを抽出する。具体的には、ソースシフトレジスタ20が、クロック信号SCKのオンタイミングに同期してスタートパルスSSPを順次シフトすることによって、クロック信号SCKの半周期ずつタイミングが異なる出力信号S1〜Smを生成し、サンプリング回路21が、その各出力信号S1〜Smが示すタイミングで映像信号DATをサンプリングして、各データ信号線SL1〜SLmへ出力する。
一方、ゲートドライバ4では、クロック信号GCK1,GCK2の電圧が、レベルシフタ群2に備えられるレベルシフタ回路1によって、ゲートドライバ4における駆動電圧にまで昇圧されて入力される。
そして、ゲートドライバ4が、クロック信号GCKに同期してスタートパルスGSPを順次シフトすることによって、所定の間隔ずつタイミングが異なる走査信号を各走査信号線GL1〜GLnへ出力する。これにより、各画素PIXに、映像信号DATが順次書込まれ、画像表示が行われる。
図1に示したように、レベルシフタ回路1は、レベルシフタ制御回路10、レベルシフタLS1を備えている。
レベルシフタLS1は、入力されたクロック信号GCK1のハイレベルを、レベルシフタLS1の次段に接続される回路(図示せず)の駆動電圧Vddまでレベルシフトして昇圧し、出力信号OUT1として出力する。なお、クロック信号GCK1のハイレベルは、次段に接続される回路の駆動電圧Vddよりも低いものとする。また、信号GCK1のハイレベル期間は、レベルシフタLS1の次段に接続される回路を動作させるアクティブ期間であり、クロック信号GCK1のローレベル期間は、レベルシフタLS1の次段に接続される回路を動作させない非アクティブ期間である。
レベルシフタ制御回路10は、ソースドライバ3内に備えられたソースシフトレジスタ20の出力信号Sx,Syに基づいて、レベルシフタLS1の動作を制御するための制御信号ENB1を生成する。なお、レベルシフタ回路1では、制御信号ENB1がハイレベルの場合にレベルシフタLS1のレベルシフト動作を停止させ、ローレベルの場合にレベルシフタLS1をレベルシフト動作させるようになっている。
図5は、レベルシフタ回路1におけるタイミングチャートであり、このタイミングチャート中における斜線部は、レベルシフタLS1がレベルシフト動作を停止した状態であることを示している。この図に示すように、レベルシフタ回路1では、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがハイレベルになった後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syがハイレベルになるまでの間(特定期間)、レベルシフタLS1のレベルシフト動作が停止される。ここで、レベルシフタ回路1では、上記の期間について、レベルシフタLS1に入力されているクロック信号GCK1がハイレベル(アクティブ)の期間であっても、レベルシフト動作を停止する。
なお、レベルシフタ回路1では、レベルシフト動作を停止している期間中、レベルシフタLS1の出力信号OUT1を、レベルシフト動作を停止する前の状態に保持(安定化)する。すなわち、レベルシフタLS1に入力されているクロック信号GCK1がアクティブの期間中に、レベルシフタLS1のレベルシフト動作を停止する場合、レベルシフトLS1の出力信号OUT1はアクティブの状態に保持される。また、レベルシフタLS1に入力されているクロック信号GCK1が非アクティブの期間中に、レベルシフタLS1のレベルシフト動作を停止する場合、レベルシフトLS1の出力信号OUT1は非アクティブの状態に保持される。
(ソースシフトレジスタ20)
図6は、ソースシフトレジスタ20の構成を示すブロック図である。この図に示すように、ソースシフトレジスタ20は、インバータI21と、複数段のフリップフロップFF1,FF2,・・・,FFm−1,FFmとを備えている。
奇数段のフリップフロップには基準クロック信号SCKが入力され、偶数段のフリップフロップにはインバータI21によって基準クロック信号SCKが反転された信号が入力される。また、初段のフリップフロップFF1にはスタートパルス信号SSPが入力され、2段目以降のフリップフロップにはその前段のフリップフロップの出力信号が入力される。
これにより、基準クロック信号SCKおよびスタートパルス信号SSPによって、ソースシフトレジスタ20のシフト動作が開始され、各段のフリップフロップFF1〜FFmから出力信号S1〜Smが順次出力される。そして、この順次出力される各段の出力S1〜Smを用いて、表示装置100に備えられた複数のデータ信号線SL1〜SLmへ映像信号DATに応じた電圧を印加するようになっている。
また、上記各段の出力のうち、任意の2段の出力がソースシフトレジスタ20の出力信号Sx,Syとしてレベルシフタ制御回路10に入力される。ここで、Sxの出力タイミング(Sxがハイレベルになるタイミング)は、Syの出力タイミング(Syがハイレベルになるタイミング)よりも早いものとする。すなわち、ソースシフトレジスタ20のシフト動作方向において、SxはSyよりもシフト開始側の出力、SyはSxよりもシフト終了側の出力であるものとする。
なお、上記したように、レベルシフタ回路1では、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxのハイレベルが入力された後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syのハイレベルが入力されるまでの間、レベルシフタLS1のレベルシフト動作を停止する。このため、SxからSyまでの期間(SxがハイレベルになってからSyがハイレベルになるまでの期間)をできるだけ長く取ることにより、レベルシフタを停止させる期間を長くすることができ、消費電力削減の効果を大きくできる。したがって、シフト動作を開始する初段(フリップフロップFF1)の出力S1を出力信号Sxとしてレベルシフタ制御回路10に出力し、シフト動作を終了する最終段(フリップフロップFFm)の出力Smを出力信号Syとしてレベルシフタ制御回路10に出力することが好ましい。
(レベルシフタ制御回路10)
図7は、レベルシフタ制御回路10の構成を示すブロック図である。この図に示すように、レベルシフタ制御回路10は、セットリセットフリップフロップ(SR−FF)11からなり、SR−FF11のセット端子にはソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがセット信号として入力され、SR−FF11のリセット端子にはソースシフトレジスタ20の出力信号Syがリセット信号として入力される。また、SR−FF11には初期化信号INIが入力される。そして、SR−FF11の出力信号Qが、レベルシフタLS1のレベルシフト動作を制御する制御信号ENB1として、レベルシフタLS1に出力される。
(セットリセットフリップフロップ11)
図8は、SR−FF11の回路図である。この図に示すように、SR−FF11は、インバータI11、PチャネルMOSトランジスタPT11〜PT15(以下、トランジスタPT11〜PT15と称する)、NチャネルMOSトランジスタNT11〜NT16(以下、トランジスタNT11〜NT16と称する)を備えている。
インバータI11の入力端子は、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxの入力端子に接続されている。そして、インバータI11の出力端子は、トランジスタPT12のゲート、トランジスタNT11のゲート、トランジスタNT14のゲートにそれぞれ接続されており、出力信号Sxを反転した信号がこれらのトランジスタにそれぞれ入力される。
ソースシフトレジスタ20の出力信号Syの入力端子は、トランジスタNT12のゲート、および、トランジスタPT13のゲートに接続されている。
初期化信号INIの入力端子は、トランジスタPT11のゲート、および、トランジスタNT16のゲートに接続されている。
トランジスタPT11のソースは駆動電圧Vddの電源ラインに接続されており、そのドレインはトランジスタPT12のソースに接続されている。
トランジスタPT12のドレインは、SR−FF11の出力信号Qを出力する出力端子に接続されている。なお、この出力端子には、トランジスタPT12のドレインのほか、トランジスタNT11のドレイン、トランジスタPT14のドレイン、トランジスタNT13のドレイン、トランジスタPT15のゲート、トランジスタNT15のゲート、トランジスタNT16のドレインが接続されている。
トランジスタNT11のソースは、トランジスタNT12のドレインに接続されている。そして、トランジスタNT12のソースは、電源電圧Vssの電源ラインに接続されている。
トランジスタPT13のソースは駆動電圧Vddの電源ラインに接続され、そのドレインはトランジスタPT14のソースに接続されている。
トランジスタPT14のゲートはトランジスタNT13のゲート、トランジスタPT15のドレイン、トランジスタNT15のドレインに接続されている。
トランジスタNT13のソースは、トランジスタNT14のドレインに接続されている。また、トランジスタNT14のソースは電源電圧Vssの電源ラインに接続されている。
トランジスタPT15のソースは駆動電圧Vddの電源ラインに接続されている。また、トランジスタNT15のソースは、電源電圧Vssの電源ラインに接続されている。また、トランジスタNT16のソースは、電源電圧Vssの電源ラインに接続されている。
このような構成からなるSR−FF11により、初期化信号INIがハイレベルとなった場合に、トランジスタNT16が導通し、出力信号Qをローレベルで安定させることができる。その後、初期化信号INIをローレベルとすることにより、トランジスタNT16を遮断させるとともに、トランジスタPT11を導通させ、動作スタンバイ状態とできる。
そして、この動作スタンバイ状態(初期化信号INIがローレベルの状態)において、セット信号としてソースシフトレジスタ20の出力信号Sxのハイレベルが入力された場合、トランジスタPT12が導通され、トランジスタNT11およびNT14が遮断されるので、出力信号Qをハイレベルにセットできる。なお、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syは出力信号Sxよりもハイレベルとなるタイミングが遅い信号なので、ここではローレベルとなっている。
また、出力信号Sxがハイレベルからローレベルに変化しても、ソースシフトレジスタ20の出力信号SyがローレベルであるのでトランジスタPT13が導通している。さらに、直前の出力信号QがハイレベルなのでトランジスタNT15が導通しており、トランジスタPT14が導通している。このため、出力信号Qは図5に示すようにハイレベルに保持される。
そして、リセット信号としてソースシフトレジスタ20の出力信号Syのハイレベルが入力されたときに、トランジスタPT13が遮断されてトランジスタNT12が導通する結果、出力信号Qがローレベルにリセットされる。
その後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syのローレベルが入力されても、ソースシフトレジスタ20の出力信号SxがローレベルであるのでトランジスタNT14が導通しており、直前の出力信号QがローレベルであるのでトランジスタNT13が導通しているので、出力信号Qは図5に示すようにローレベルに保持される。
これにより、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxのハイレベルが入力された後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syのハイレベルが入力されるまでの間、SR−FF11の出力信号Qがハイレベルとなるので、制御信号ENB1はハイレベルとなる。すなわち、レベルシフタLS1に入力されているクロック信号GCK1がアクティブ期間であるか非アクティブ期間であるかにかかわらず、制御信号ENB1がハイレベルとなり、レベルシフタLS1のレベルシフト動作を停止させることができる。また、レベルシフタLS1の出力信号OUT1は、レベルシフト動作を停止させた後も、停止前の状態に保持される。
(レベルシフタLS1)
図9は、レベルシフタLS1の構成を示す回路図である。この図に示すように、レベルシフタLS1は、PチャネルMOSトランジスタPT31〜PT33(以下、トランジスタPT31〜PT33と称する)、NチャネルMOSトランジスタNT31〜NT35(以下、トランジスタNT31〜NT35と称する)、インバータI31〜I33、NAND回路31、NOR回路32を備えている。なお、トランジスタPT33、トランジスタNT35、インバータI31、NAND回路31、NOR回路32によって、出力制御部30が構成されている。
レベルシフタLS1では、レベルシフタ制御回路10からの制御信号ENB1が、トランジスタPT31のゲート、トランジスタPT32のゲート、トランジスタNT32のゲート、NAND回路31における一方の入力端子、インバータI31の入力端子にそれぞれ入力されている。
トランジスタPT31のソースは駆動電圧Vddの電源ラインに接続されており、そのドレインはトランジスタNT31のドレインおよびゲート、トランジスタNT32のドレイン、トランジスタNT33のゲートに接続されている。
トランジスタNT31のソースは電源電圧Vssの電源ラインおよびトランジスタNT32のソースに接続されており、そのゲートは自身のドレインに接続されている。
トランジスタNT32のソースは電源電圧Vssの電源ラインに接続されており、そのドレインはトランジスタNT31およびNT33のゲートに接続されている。
なお、駆動電圧Vddはレベルシフト後のハイレベルの電圧であり、電源電圧Vssはレベルシフト後のローレベルの電圧である。ただし、ここでは、クロック信号GCK1のハイレベルの駆動電圧Vddへの昇圧のみを行い、電源電圧Vssはクロック信号GCK1のローレベルの電圧に等しいものとする。
トランジスタPT32のソースは駆動電圧Vddの電源ラインに接続されており、そのドレインは、トランジスタNT33のドレインおよびインバータI32の入力端子に接続されている。
トランジスタNT33のソースはクロック信号GCK1の入力端子に接続され、ゲートはトランジスタNT31のゲートに接続され、ドレインはインバータI32の入力端子に接続されている。
トランジスタNT34のゲートは初期化信号INIの入力端子に接続され、ソースは電源電圧Vssの電源ラインに接続され、ドレインはインバータI32の入力端子に接続されている。
NAND回路31の一方の入力端子は制御信号ENB1の制御信号線に接続され、他方の入力端子はインバータI33の出力端子に接続されている。また、NAND回路31の出力端子はトランジスタPT33のゲートに接続されている。これにより、NAND回路31の出力信号OC_PがトランジスタPT33のゲートに入力されるようになっている。
トランジスタPT33のソースは駆動電圧Vddの電源ラインに接続されており、そのドレインはインバータI32の入力端子に接続されている。
インバータI31の入力端子は制御信号ENB1の制御信号線に接続されており、インバータI31の出力端子は、NOR回路32の一方の入力端子に接続されている。
NOR回路32の他方の入力端子は、インバータI33の出力端子に接続されている。また、NOR回路32の出力端子は、トランジスタNT35のゲートに接続されており、これによってNOR回路32の出力信号OC_NがトランジスタNT35のゲートに入力されるようになっている。
トランジスタNT35のソースは電源電圧Vssの電源ラインに接続されており、そのドレインはインバータI32の入力端子に接続されている。
インバータI32の出力端子はインバータI33の入力端子に接続されている。そして、インバータI33の出力端子は、レベルシフタLS1の次段に接続される回路に接続され、レベルシフタLS1の出力信号OUT1を出力する。
次に、このレベルシフタLS1の動作について説明する。
まず、レベルシフタLS1の初期化動作について説明する。レベルシフタLS1が安定していない初期の状態において、これらを安定な状態にするために、トランジスタ(初期化用トランジスタ)NT34のゲートにハイレベル(駆動電圧Vdd)の初期化信号INIを入力する。
初期化信号INIをハイレベルにすることにより、トランジスタNT34が導通状態となる。そのため、インバータI32の入力電圧は電源電圧Vssとなり、インバータI32の理論反転電圧より電圧が下がると、インバータI33の入力端子に駆動電圧Vddの電圧を出力する。その結果、インバータI33の出力電圧は電源電圧Vss(クロック信号GCK1のローレベル)になり、インバータI33は、電源電圧Vssを有する出力信号OUT1を出力する。
ハイレベルの初期化信号INIは、レベルシフタLS1の出力信号OUT1が電源電圧Vssになるまでの期間入力され、その後の通常状態では常にローレベル(電源電圧Vss)を有する初期化信号INIがトランジスタNT34のゲートに入力される。
そのため、トランジスタNT34は通常状態で非導通状態となる。また、この場合、制御信号ENB1がローレベルの状態では、NAND回路31の出力信号OC_PがハイレベルとなってトランジスタPT33が遮断状態となり、NOR回路32の出力信号OC_NがローレベルとなってトランジスタNT35が遮断状態となるので、出力制御部30は動作しない。これにより、レベルシフタLS1が不安定な初期状態から安定した状態に移行し、レベルシフト動作状態(アクティブ状態)となる。
なお、初期化信号INIがハイレベルである期間は、クロック信号GCK1の入力端子にはローレベルの信号が入力される。これは、初期化信号INIがハイレベルである期間にクロック信号GCK1の入力端子にハイレベルの信号が入力されると、トランジスタNT33が非導通状態になり、トランジスタPT32のドレインとインバータI32の入力端子との接続点からインバータI32に電流i’cが流入し、トランジスタNT34がインバータI32の中で構成されるMOSトランジスタのゲートに電源電圧Vssを印加するのを妨げる可能性があるためである。
次に、レベルシフタLS1におけるレベルシフト動作について説明する。レベルシフト動作状態では、制御信号ENB1がローレベルなので、トランジスタ(定電流源トランジスタ)PT31が導通状態となり、トランジスタNT32は遮断状態になるため、トランジスタPT31は定電流源として働く。このため、トランジスタNT31のゲートに駆動電圧Vddと電源電圧Vssとの間の電圧が、レベルシフト動作用の電圧として出力される。この電圧をオフセット電圧という。
オフセット電圧は定常状態においてトランジスタNT31の閾値電圧値Vthもしくは閾値電圧値Vthより若干高めの電圧になる。したがって、トランジスタNT31も導通状態となる。このとき、制御信号ENB1の電圧がローレベルであるので、トランジスタ(制御用トランジスタ)NT32は非導通状態になっている。
また、制御信号ENB1がローレベルの場合、トランジスタ(定電流源トランジスタ)PT32は導通状態になるため、定電流源として働く。
トランジスタPT32を流れる定電流i’aは、トランジスタPT32のドレインとインバータI32の入力端子との接続点に向かって流れる(この方向に流れる電流を正とする)。トランジスタNT33を流れる電流i’bはクロック信号GCK1の入力端子に向かって流れる(この方向に流れる電流を正とする)。また、トランジスタPT32のドレインとインバータI32の入力端子との接続点からインバータI32に流入する電流をi’cとし、この方向に流れる電流を正とする。
トランジスタNT31のゲートに入力されるオフセット電圧は、トランジスタNT31とほぼ同等の性能を示すトランジスタNT33のゲートにも入力されるため、トランジスタNT33のゲートにはトランジスタNT33の閾値電圧値Vthもしくは閾値電圧値Vthより若干高めの電圧が印加されている。
クロック信号GCK1の電圧はトランジスタNT33のソースに印加されるので、クロック信号GCK1の電圧の若干の変化に対して、トランジスタNT33を流れる電流を制御することができる。
クロック信号GCK1がローレベルの場合、トランジスタNT33のゲート・ソース間に印加される電位差はトランジスタNT33の閾値電圧値Vthとなるか、もしくは閾値電圧値Vthより若干大きくなるため、トランジスタNT33は導通状態になる。トランジスタNT33の導通状態では、定常電流i’aはクロック信号GCK1の入力端子の方へ流れる(貫通電流)。
また、トランジスタPT32のドレインとインバータI32の入力端子との接続点からインバータI32に流入する方向を正とする電流i’cは、クロック信号GCK1の入力端子の方へ流れる引き込み電流となるため負の電流となる。
そのため、インバータI32の中で構成されるMOSトランジスタのゲートに充電されていた電荷が放電されて電位が下がり、インバータI32の理論反転電圧より電圧が下がると、インバータI33の入力端子に駆動電圧Vddの電圧を出力する。その結果、インバータI33の出力信号OUT1は電源電圧Vss(クロック信号GCK1のローレベル)になる。
このようなレベルシフト動作により、レベルシフタLS1は、クロック信号GCK1のローレベルを、所定の電源電圧のローレベルである電源電圧Vssに変換する。つまり、クロック信号GCK1のローレベル期間、すなわち非アクティブ期間におけるレベルシフト動作は、トランジスタPT31およびトランジスタNT31の直列回路(オフセッタ部)を定常電流である貫通電流i1(図9参照)が流れることと、トランジスタPT32およびトランジスタNT33の直列回路(レベルシフト部)を定常電流である貫通電流i2(図9参照)が流れることとにより、トランジスタPT32のドレインとトランジスタNT33のドレインとの接続点の電圧を発生させ、この電圧を用いて行っている。
一方、クロック信号GCK1がハイレベルの場合、トランジスタNT33のゲート・ソース間に印加される電位差はトランジスタNT33の閾値電圧値Vthより小さくなるため、トランジスタNT33を流れる電流i’bは零であるか、もしくはほとんど流れない。
そのため、トランジスタPT32のドレインとインバータI32の入力端子との接続点に流れる定電流i’aのほとんどがインバータI32の入力端子へ流れるため、電流i’cは正の電流になる。その結果、インバータI32の中で構成されるMOSトランジスタのゲートに正の電荷が充電され、該MOSトランジスタのゲートの電圧は上昇する。
該MOSトランジスタのゲートの電圧がインバータI32の理論反転電圧を超えれば、インバータI33の入力端子にVssの電圧を出力し、その結果インバータI33は駆動電圧Vddの電圧を出力する。よって、クロック信号GCK1のハイレベルの電圧を、駆動電圧Vddより低い電圧から駆動電圧Vddまで昇圧して出力信号OUT1として出力する。
このようなレベルシフト動作により、レベルシフタLS1は、クロック信号GCK1のハイレベルを、所定の電源電圧のハイレベルである駆動電圧Vddに変換する。
次に、レベルシフタLS1に入力される制御信号ENB1がハイレベルの場合、すなわちレベルシフタLS1におけるレベルシフト動作を停止させる場合について説明する。
この場合、トランジスタPT31のゲートにはハイレベルが入力されるので、トランジスタPT31は非導通状態となり、定電流源として働かない。また、トランジスタPT32についても同様に、非導通状態になるため、定電流源トランジスタP4は定電流源として働かない。
一方、トランジスタNT32のゲートに入力される信号はハイレベルになるのでトランジスタNT32は導通状態になり、トランジスタNT31およびトランジスタNT33のゲートに電源電圧Vssが入力される。このため、トランジスタNT31およびトランジスタNT33は非導通状態になる。
その結果、レベルシフタLS1のレベルシフト機能(レベルシフト動作)は停止状態になる。この時、トランジスタPT31およびトランジスタNT31は、共に非導通状態であるため、両トランジスタによって構成される直列回路には貫通電流i1が存在しない。また、トランジスタPT32およびトランジスタNT33も共に非導通であるため、電流i’bはほぼ零となり、トランジスタPT32およびトランジスタNT33の直列回路にも貫通電流i2が存在しない。したがって、レベルシフタLS1を停止状態とすることにより、電流i1および電流i2が流れなくなるので、消費電力を削減できる。
また、レベルシフタLS1においてそれぞれ制御信号ENB1がハイレベルとなり、レベルシフタLS1がレベルシフタとしての機能を停止している場合、出力制御部30におけるNAND回路31の一方の入力端子に制御信号ENB1のハイレベルが入力される。また、出力制御部30におけるNOR回路32の一方の入力端子には、制御信号ENB1がインバータI31を介して入力されるので、ローレベルが入力される。
ここで、レベルシフト動作を停止する前(制御信号ENB1がローレベルからハイレベルに変わる前)のインバータI33の出力信号OUT1がハイレベルである場合、NAND回路31の両入力端子には、制御信号ENB1のハイレベルと、インバータI33の出力信号OUT1のハイレベルとが入力される。したがって、NAND回路31からトランジスタPT33のゲートに出力される出力信号OC_Pはローレベルとなり、トランジスタPT33は導通状態となる。
また、この場合、NOR回路32の両入力端子には、インバータI31から出力されたローレベルの信号と、インバータI33の出力信号OUT1のハイレベルとが入力される。したがって、NOR回路32からトランジスタNT35のゲートに出力される出力信号OC_Nはローレベルとなり、トランジスタNT35は非導通状態となる。
この結果、インバータI32の入力電圧は駆動電圧Vddとなり、インバータI33の入力端子に電源電圧Vssの電圧を出力する。これにより、インバータI33の出力電圧は電源電圧Vddになり、インバータI33は駆動電圧Vddを有する出力信号OUT1を出力する。したがって、レベルシフタLS1の出力信号OUT1は、レベルシフト動作を停止する前の状態であるハイレベルに保持される。
一方、レベルシフト動作を停止する前のインバータI33の出力信号OUT1がローレベルである場合、NAND回路31の両入力端子には、制御信号ENB1のハイレベルと、インバータI33の出力信号OUT1のローレベルとが入力される。したがって、NAND回路31からトランジスタPT33のゲートに出力される出力信号OC_Pはハイレベルとなり、トランジスタPT33は非導通状態となる。
また、この場合、NOR回路32の両入力端子には、インバータI31から出力されたローレベルの信号と、インバータI33の出力信号OUT1のローレベルとが入力される。したがって、NOR回路32からトランジスタNT35のゲートに出力される出力信号OC_Nはハイレベルとなり、トランジスタNT35は導通状態となる。
この結果、インバータI32の入力電圧は電源電圧Vssとなり、インバータI33の入力端子に駆動電圧Vddの電圧を出力する。これにより、インバータI33の出力電圧は電源電圧Vss(クロック信号GCK1のローレベル)になり、インバータI33は電源電圧Vssを有する出力信号OUT1を出力する。したがって、レベルシフタLS1の出力信号OUT1は、レベルシフト動作を停止する前の状態であるローレベルに保持される。
以上のように、本実施形態にかかるレベルシフタ回路1では、レベルシフタ制御回路10に入力されるソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがハイレベルになった後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syがハイレベルになるまでの期間、レベルシフタLS1のレベルシフト動作を停止させる。
これにより、消費電力に非常に大きな割合を占める、オフセッタ部およびレベルシフト部の貫通電流によるMOSトランジスタのチャネル抵抗や配線抵抗での消費電力を削減することができる。
なお、レベルシフタ回路1では、レベルシフタLS1に入力されるクロック信号がローレベル(非アクティブ)の場合だけでなく、ハイレベル(アクティブ)の場合についても、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがハイレベルになった後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syがハイレベルになるまでの期間、レベルシフタLS1のレベルシフト動作を停止させるようになっている。
そして、レベルシフタ回路1は、レベルシフト動作を停止させる場合に、レベルシフタLS1の出力信号OUT1を、レベルシフト動作を停止させる前の状態に保持する出力制御部30を備えている。つまり、レベルシフト動作を停止させた場合に、レベルシフタLS1に入力されるクロック信号がローレベルであってもハイレベルであっても、レベルシフタLS1の出力信号OUT1は、レベルシフト動作を停止させる前の状態に保持される。
これにより、レベルシフタ回路1では、消費電力を大幅に削減するとともに、レベルシフタLS1の次段に接続される回路を適切かつ安定して駆動することができる。
(変形例)
また、レベルシフタLS1の構成は、上記した構成に限るものではなく、例えば、図10示す構成としてよい。なお、この図では、図9に含まれる部材と同様の機能を有する部材には同じ符号を用い、その説明を省略する。
図10に示すレベルシフタLS1は、図9における出力制御部30およびインバータI32,I33に代えて、出力制御部30bおよびインバータI35が用いられている。
この図に示すレベルシフタLS1は、PチャネルMOSトランジスタPT31,PT32,PT34〜PT36(以下、トランジスタPT31,PT32,PT34〜PT36と称する)、NチャネルMOSトランジスタNT31〜NT34,NT36〜NT38(以下、トランジスタNT31〜NT34,NT36〜NT38と称する)、インバータI34,I35を備えている。なお、インバータI34、トランジスタPT34〜PT36、トランジスタNT36〜NT38によって出力制御部30bが構成されている。
このレベルシフタLS1では、レベルシフタ制御回路10からの制御信号ENB1が、トランジスタPT31のゲート、トランジスタPT32のゲート、トランジスタNT32のゲート、インバータI34の入力端子、トランジスタNT37のゲートにそれぞれ入力されている。
トランジスタPT31のソースは駆動電圧Vddの電源ラインに接続されており、そのドレインはトランジスタNT31のドレインおよびゲート、トランジスタNT32のドレイン、トランジスタNT33のゲートに接続されている。
トランジスタNT31のソースは電源電圧Vssの電源ラインおよびトランジスタNT32のソースに接続されており、そのゲートは自身のドレインに接続されている。
トランジスタNT32のソースは電源電圧Vssの電源ラインに接続されており、そのドレインはトランジスタNT31およびNT33のゲートに接続されている。
トランジスタPT32のソースは駆動電圧Vddの電源ラインに接続されており、そのドレインは、トランジスタNT33のドレイン、トランジスタNT34のドレイン、トランジスタPT35のドレイン、トランジスタNT36のドレイン、トランジスタPT36のゲート、トランジスタNT38のゲートにそれぞれ接続されている。
トランジスタNT33のソースはクロック信号GCK1の入力端子に接続され、ゲートはトランジスタNT31のゲートに接続され、ドレインはトランジスタNT34のドレイン、トランジスタPT35のドレイン、トランジスタNT36のドレイン、トランジスタPT36のゲート、トランジスタNT38のゲートにそれぞれ接続されている。
トランジスタNT34のゲートは初期化信号INIの入力端子に接続され、ソースは電源電圧Vssの電源ラインに接続され、ドレインはトランジスタPT35のドレイン、トランジスタNT36のドレイン、トランジスタPT36のゲート、トランジスタNT38のゲートに接続されている。
インバータI34の出力端子は、トランジスタPT34のゲートに接続されている。
トランジスタPT34のソースは駆動電圧Vddの電源ラインに接続されており、そのドレインはトランジスタPT35のソースに接続されている。
トランジスタPT35のドレインはトランジスタNT36のドレイン、トランジスタPT36のゲート、トランジスタNT38のゲートに接続されている。また、トランジスタPT35ゲートは、トランジスタNT36のゲート、トランジスタPT36のドレイン、トランジスタNT38のドレイン、インバータI35の入力端子に接続されている。
トランジスタNT36のソースはトランジスタNT37のドレインに接続されており、トランジスタNT37のソースは電源電圧Vssの電源ラインに接続されている。
トランジスタPT36のソースは駆動電圧Vddの電源ラインに接続されており、ドレインはトランジスタNT38のドレインおよびインバータI35の入力端子に接続されている。
トランジスタNT38のソースは電源電圧Vssの電源ラインに接続されている。
インバータI35の出力端子は、レベルシフタLS1の次段に接続される回路に接続され、レベルシフタLS1の出力信号OUT1を出力する。
次に、このレベルシフタLS1の動作について説明する。
まず、レベルシフタLS1の初期化動作について説明する。レベルシフタLS1が安定していない初期の状態において、これらを安定な状態にするために、トランジスタNT34のゲートにハイレベル(駆動電圧Vdd)の初期化信号INIを入力する。
初期化信号INIをハイレベルにすることにより、トランジスタNT34が導通状態となる。そのため、トランジスタPT36が導通状態、トランジスタNT38が遮断状態となるので、インバータI35の入力電圧は駆動電圧Vddとなり、電源電圧Vssを有する出力信号OUT1を出力する。
ハイレベルの初期化信号INIは、レベルシフタLS1の出力信号OUT1が電源電圧Vssになるまでの期間入力され、その後の通常状態では常にローレベル(電源電圧Vss)を有する初期化信号INIがトランジスタNT34のゲートに入力される。
そのため、トランジスタNT34は通常状態で非導通状態となる。また、この場合、制御信号ENB1がローレベルの状態では、トランジスタPT34およびトランジスタNT37は遮断状態となっている。これにより、レベルシフタLS1はレベルシフト動作状態(アクティブ状態)となる。
このような初期化により、レベルシフタLS1が不安定な初期状態から安定した状態に移行し、アクティブ状態となる。
なお、初期化信号INIがハイレベルである期間は、クロック信号GCK1の入力端子にはローレベルの信号が入力される。これは、初期化信号INIがハイレベルである期間にクロック信号GCK1の入力端子にハイレベルの信号が入力されると、トランジスタNT33が非導通状態になり、トランジスタPT32からトランジスタPT36およびトランジスタNT38のゲートに電流i’cが流入し、トランジスタNT34がトランジスタPT36およびトランジスタNT38のゲートに電源電圧Vssを印加するのを妨げる可能性があるためである。
次に、レベルシフタLS1におけるレベルシフト動作について説明する。レベルシフト動作状態では、制御信号ENB1がローレベルなので、トランジスタPT31が導通状態となり、トランジスタNT32は遮断状態になるため、トランジスタPT31は定電流源として働く。このため、トランジスタNT31のゲートに駆動電圧Vddと電源電圧Vssとの間の電圧が、レベルシフト動作用の電圧(オフセット電圧)として出力される。
オフセット電圧は定常状態においてトランジスタNT31の閾値電圧値Vthもしくは閾値電圧値Vthより若干高めの電圧になる。したがって、トランジスタNT31も導通状態となる。このとき、制御信号ENB1の電圧がローレベルであるので、トランジスタ(制御用トランジスタ)NT32は非導通状態になっている。
また、制御信号ENB1がローレベルの場合、トランジスタ(定電流源トランジスタ)PT32は導通状態になるため、定電流源として働く。
トランジスタPT32を流れる定電流i’aは、トランジスタPT32のドレインとトランジスタPT36およびトランジスタNT38のゲートとの接続点に向かって流れる(この方向に流れる電流を正とする)。トランジスタNT33を流れる電流i’bはクロック信号GCK1の入力端子に向かって流れる(この方向に流れる電流を正とする)。また、トランジスタPT32のドレインとトランジスタPT36およびトランジスタNT38のゲートとの接続点AからトランジスタPT36およびトランジスタNT38のゲートに流入する電流をi’cとし、この方向に流れる電流を正とする。
トランジスタNT31のゲートに入力されるオフセット電圧は、トランジスタNT31とほぼ同等の性能を示すトランジスタNT33のゲートにも入力されるため、トランジスタNT33のゲートにはトランジスタNT33の閾値電圧値Vthもしくは閾値電圧値Vthより若干高めの電圧が印加されている。
クロック信号GCK1の電圧はトランジスタNT33のソースに印加されるので、クロック信号GCK1の電圧の若干の変化に対して、トランジスタNT33を流れる電流を制御することができる。
クロック信号GCK1がローレベルの場合、トランジスタNT33のゲート・ソース間に印加される電位差はトランジスタNT33の閾値電圧値Vthとなるか、もしくは閾値電圧値Vthより若干大きくなるため、トランジスタNT33は導通状態になる。トランジスタNT33の導通状態では、定常電流i’aはクロック信号GCK1の入力端子の方へ流れる(貫通電流)。
また、トランジスタPT32のドレインとトランジスタPT36およびトランジスタNT38のゲートとの接続点AからトランジスタPT36およびトランジスタNT38のゲートに流入する電流をi’cは、クロック信号GCK1の入力端子の方へ流れる引き込み電流となるため負の電流となる。
これにより、トランジスタPT36が導通状態となり、トランジスタNT38が遮断状態となって、インバータI35の入力端子に駆動電圧Vddが入力される。その結果、インバータI35の出力信号OUT1は電源電圧Vss(クロック信号GCK1のローレベル)になる。
このようなレベルシフト動作により、レベルシフタLS1は、クロック信号GCK1のローレベルを、所定の電源電圧のローレベルである電源電圧Vssに変換する。つまり、クロック信号GCK1のローレベル期間、すなわち非アクティブ期間におけるレベルシフト動作は、トランジスタPT31およびトランジスタNT31の直列回路(オフセッタ部)を定常電流である貫通電流i1(図10参照)が流れることと、トランジスタPT32およびトランジスタNT33の直列回路(レベルシフト部)を定常電流である貫通電流i2(図10参照)が流れることとにより、トランジスタPT32のドレインとトランジスタNT33のドレインとの接続点の電圧を発生させ、この電圧を用いて行っている。
一方、クロック信号GCK1がハイレベルの場合、トランジスタNT33のゲート・ソース間に印加される電位差はトランジスタNT33の閾値電圧値Vthより小さくなるため、トランジスタNT33を流れる電流i’bは零であるか、もしくはほとんど流れない。
そのため、トランジスタPT32のドレインとトランジスタPT36およびトランジスタNT38のゲートとの接続点Aに流れる定電流i’aのほとんどがトランジスタPT36およびトランジスタNT38のゲートへ流れるため、電流i’cは正の電流になる。その結果、トランジスタPT36が遮断状態、トランジスタNT38が導通状態となるので、インバータI35の入力端子に電源電圧Vssが入力される。その結果、インバータI35は駆動電圧Vddの電圧を出力する。よって、クロック信号GCK1のハイレベルの電圧を、駆動電圧Vddより低い電圧から駆動電圧Vddまで昇圧して出力信号OUT1として出力する。
このようなレベルシフト動作により、レベルシフタLS1は、クロック信号GCK1のハイレベルを、所定の電源電圧のハイレベルである駆動電圧Vddに変換する。
次に、レベルシフタLS1に入力される制御信号ENB1がハイレベルの場合、すなわちレベルシフタLS1におけるレベルシフト動作を停止させる場合について説明する。
この場合、トランジスタPT31のゲートにはハイレベルが入力されるので、トランジスタPT31は非導通状態となり、定電流源として働かない。また、トランジスタPT32についても同様に、非導通状態になるため、定電流源トランジスタPT32は定電流源として働かない。
一方、トランジスタNT32のゲートに入力される信号はハイレベルになるのでトランジスタNT32は導通状態になり、トランジスタNT31およびトランジスタNT33のゲートに電源電圧Vssが入力される。このため、トランジスタNT31およびトランジスタNT33は非導通状態になる。
その結果、レベルシフタLS1のレベルシフト機能(レベルシフト動作)は停止状態になる。この時、トランジスタPT31およびトランジスタNT31は、共に非導通状態であるため、両トランジスタによって構成される直列回路には貫通電流i1が存在しない。また、トランジスタPT32およびトランジスタNT33も共に非導通であるため、電流i’bはほぼ零となり、トランジスタPT32およびトランジスタNT33の直列回路にも貫通電流i2が存在しない。したがって、レベルシフタLS1を停止状態とすることにより、電流i1および電流i2が流れなくなるので、消費電力を削減できる。
また、レベルシフタLS1においてそれぞれ制御信号ENB1がハイレベルとなり、レベルシフタLS1がレベルシフタとしての機能を停止している場合、出力制御部30bにおけるインバータI34はトランジスタPT34のゲートにローレベルの信号を出力する。これにより、トランジスタPT34は導通状態となる。また、トランジスタNT37のゲートにはハイレベルの信号が入力されるので、トランジスタNT37は導通状態となる。
ここで、レベルシフト動作を停止する前(制御信号ENB1がローレベルからハイレベルに変わる前)のインバータI35の出力信号OUT1がハイレベルである場合、インバータI35の入力端子に入力される信号OBはローレベルとなっている(図11参照)。このため、トランジスタPT35は導通状態となり、トランジスタNT36は遮断状態となる。その結果、トランジスタPT34およびPT35が導通状態となるので、トランジスタPT36およびトランジスタNT38のゲートには駆動電圧Vddが入力される。したがって、トランジスタPT36が遮断状態、トランジスタNT38が導通状態となり、インバータI35の入力端子に電源電圧Vssが入力される。これにより、インバータI35は駆動電圧Vddを有する出力信号OUT1を出力する。したがって、レベルシフタLS1の出力信号OUT1は、レベルシフト動作を停止する前の状態であるハイレベルに保持される。
一方、レベルシフト動作を停止する前のインバータI35の出力信号OUT1がローレベルである場合、インバータI35の入力端子に入力される信号OBはハイレベルとなっている(図11参照)。このため、トランジスタPT35は遮断状態となり、トランジスタNT36は導通状態となる。その結果、トランジスタNT36およびNT37が導通状態となるので、トランジスタPT36およびトランジスタNT38のゲートには電源電圧Vssが入力される。したがって、トランジスタPT36が導通状態、トランジスタNT38が遮断態となり、インバータI35の入力端子に駆動電圧Vddが入力される。これにより、インバータI35は電源電圧Vssを有する出力信号OUT1を出力する。したがって、レベルシフタLS1の出力信号OUT1は、レベルシフト動作を停止する前の状態であるローレベルに保持される。
したがって、レベルシフタ回路1では、図10に示したレベルシフタLS1を用いる場合でも、図9に示したレベルシフタLS1を用いる場合と同様の動作を行うことができる。
また、本実施形態では、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがハイレベルになってから、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syがハイレベルになるまでの期間について、レベルシフタLS1のレベルシフト動作を停止させているが、これに限るものではない。例えば、一方の信号または両方の信号がローレベルになるタイミングに基づいてレベルシフト動作の制御を行ってもよい。ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがハイレベルになってから、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syがハイレベルとなり、さらにローレベルになるまでの期間について、レベルシフト動作を停止させてもよい。
また、本実施形態では、レベルシフタLS1のレベルシフト動作を制御する制御信号ENB1を、ソースシフトレジスタ20の出力信号SxおよびSyに基づいて生成しているが、これに限るものではない。レベルシフト動作を停止させる期間を、クロック信号GCK1の非アクティブからアクティブへの切り替えに対応するレベルシフト動作を行った後、当該クロック信号GCK1のアクティブから非アクティブへの切り替えに対応するレベルシフトを行うまでの期間に、適切に設定することができる信号を用いることができる。このような信号としては、クロック信号GCK1の周波数と同等、または、クロック信号GCK1の周波数よりも早い周波数の信号を用いることが好ましい。
例えば、クロック信号GCK1のアクティブ期間に入力され、入力される順序(または信号レベル(ローレベルとハイレベル)が切り替わる順序)が決まっている2種類の信号を用いて制御信号ENB1を生成してもよい。このような信号の1つとして、例えば、ソースシフトレジスタ20に入力されるスタートパルスSSPを用いることができる。
あるいは、クロック信号GCK1のアクティブ期間に複数回入力される(信号レベルが複数回切り替わる)1種類の信号を用いて制御信号ENB1を生成することもできる。この場合には、例えば、上記1種類の信号の入力回数(または信号レベルが切り替わる回数)に基づいて制御信号ENB1を生成すればよい。
また、本実施形態では、クロック信号CK1を反転させずにレベルシフトしてレベルシフタLS1から出力しているが、クロック信号をレベルシフトすると共に反転したものをレベルシフタから出力させる場合もある。その場合も当然ながら、クロック信号のハイレベルまたはローレベルを電源電圧のハイレベルまたはローレベルにレベルシフトすることに該当するため、本発明の技術思想を適用することができる。
したがって、一般に、レベルシフタは、クロック信号ごとに備えられ、クロック信号のハイレベルを所定の電源電圧のハイレベルおよびローレベルの一方のレベルに変換すると共に、クロック信号のローレベルを上記電源電圧のハイレベルおよびローレベルの他方のレベルに変換するレベルシフト動作を行うものであればよい。以下の実施の形態でも同様である。
また、レベルシフタ回路1によれば、レベルシフタLS1は、クロック信号GCK1がローレベルであるときにレベルシフト動作を停止させる場合、オフセッタ部およびレベルシフト部に貫通電流を流して発生する電圧を用いることに替えて、電源電圧Vssへのアクティブプルダウンによって発生する代替電圧を用いることにより、レベルシフト動作によるクロック信号GCK1の変換後レベルである電源電圧Vssに替わる非アクティブレベル(電源電圧Vss)を生成して出力する。
本実施形態では、上記非アクティブレベルを電源電圧Vssとしたが、レベルシフタ回路1の次段に接続される回路が動作しないようなレベルであればよい。また、代替電圧を駆動電圧Vddへのアクティブプルアップによって発生させても、それに合わせてインバータの段数を替えれば、非アクティブレベルを得ることができる。
このような構成では、上記貫通電流が流れる替わりに、インバータI32の入力段MOSトランジスタのゲートに対する充放電電流がトランジスタNT35を流れ、これに伴う各MOSトランジスタのスイッチングにおける各ゲートの充放電電流が流れる程度であるので、消費電力を削減しながら非アクティブ期間用のレベルを常に得ることができる。
また、本実施形態では、アクティブプルアップまたはアクティブプルダウンを行うのに、トランジスタNT35のような能動素子を用いたが、これに限らず、このような能動素子に替えて大きな抵抗値を有する抵抗を用いた駆動電圧Vddへのプルアップまたは電源電圧Vssへのプルダウンを行うようにしても、同様の効果が得られる。
また、レベルシフタ回路1によれば、レベルシフタLS1は、レベルシフト部の貫通電流が流れる回路として、ソースにクロック信号GCK1が入力されるMOSトランジスタであるトランジスタNT33を備えたスイッチングMOSトランジスタ構成の昇圧部を備えている。
この昇圧部は、レベルシフタLS1のレベルシフト動作中に常時電流を導通させる電流駆動型であって、クロック信号CK1のハイレベルを、より高い電源電圧のハイレベルである駆動電圧Vddに昇圧する。
トランジスタNT33の閾値の大きさが、入力されるクロック信号GCK1の振幅より高いような比較的特性の悪いMOSトランジスタであっても、このような昇圧部を備えることにより、電源電圧のハイレベル(駆動電圧Vdd)とローレベル(電源電圧Vss)との電位差よりも振幅の小さいクロック信号GCK1を、クロック信号GCK1のアクティブ期間にのみレベルシフトすることが可能となる。
なお、昇圧部に限らず、クロック信号のローレベルをより低い電源電圧のローレベルに降圧する降圧部をそなえている場合や、昇圧部および降圧部の両方を備えている場合にも同様のことが言える。
また、本実施形態では、ソースにクロック信号GCK1が入力されるMOSトランジスタであるトランジスタNT33を備えたスイッチングMOSトランジスタ構成の昇圧部を備えた構成について説明したが、これに限るものではない。例えば、ゲートにクロック信号GCK1が入力されるMOSトランジスタを備えたスイッチングMOSトランジスタ構成で、レベルシフタLS1のレベルシフト動作中に常時電流を導通させる電流駆動型の、クロック信号GCK1のハイレベルおよびローレベルの一方をクロック信号GCK1のハイレベルより高い電源電圧のハイレベルに昇圧する昇圧部、および、クロック信号GCK1のハイレベルおよびローレベルの他方をクロック信号GCK1のローレベルより低い電源電圧のローレベルに降圧する降圧部の少なくとも一方を備えている構成としてもよい。
この構成によれば、MOSトランジスタの閾値の大きさが、入力されるクロック信号の振幅より高いような比較的特性の悪いMOSトランジスタであっても、電流駆動型の昇圧部および降圧部の少なくとも一方を備えることにより、電源電圧のハイレベルとローレベルとの電位差よりも振幅の小さいクロック信号を、アクティブ期間のみレベルシフトすることが可能となる。
また、入力信号がMOSトランジスタのゲートに入力されるため、入力信号を入力するための端子部に不要な電流の流出入阻止が可能である。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態にかかるレベルシフタ回路について説明する。図12は、本実施形態にかかるレベルシフタ回路1bの概略構成を示す回路ブロック図である。レベルシフタ回路1bは、実施形態1の図2に示した表示装置100におけるレベルシフタ群2に備えられ、ゲートドライバ4へのクロック信号GCK1およびGCK2をレベルシフトするものである。また、図13は、レベルシフタ回路1bにおけるタイミングチャートである。なお、特に断らない限り、実施形態1で用いた部材および信号の符号と同一の符号は、同一の機能を有し、同様の変形(構成変更)が可能な部材および信号の符号として扱い、その説明を省略する。
本実施形態にかかるレベルシフタ回路1bは、実施形態1にかかるレベルシフタ回路1と同様、表示装置100における走査信号線駆動用のゲートドライバの一部として機能するものである。なお、レベルシフタ回路1bを実装する位置は、実施形態1におけるレベルシフタ回路1と同様、ゲートドライバ4の外部であっても、内部であってもよい。
図12に示すように、レベルシフタ回路1bは、レベルシフタ制御回路10b、レベルシフタLS1、レベルシフタLS2を備えている。なお、レベルシフタLS2は、レベルシフタLS1と同様の構成からなり、入力されたクロック信号GCK2のハイレベルを、レベルシフタLS2の次段に接続される回路(図示せず)の駆動電圧Vddまでレベルシフトして昇圧し、出力信号OUT2として出力する。ここで、クロック信号GCK2のハイレベルは、次段に接続される回路の駆動電圧Vddよりも低いものとする。また、レベルシフタLS1,LS2は、実施形態1において図9に示した構成であってもよく、あるいは図10に示した構成であってもよい。
なお、本実施形態において、クロック信号GCK1,GCK2は、互いにハイレベル期間が重ならない位相を有する2種類のクロック信号であり、各クロック信号GCK1,GCK2の各ハイレベル期間のデューティは(100×0.5)%未満であるものとする。また、各クロック信号GCK1,GCK2のハイレベル期間は、各レベルシフタLS1,LS2の次段に接続される回路を動作させるアクティブ期間であり、各クロック信号GCK1,GCK2のローレベル期間は、各レベルシフタLS1,LS2の次段に接続される回路を動作させない非アクティブ期間である。
レベルシフタ制御回路10bは、ソースドライバ3内に備えられたソースシフトレジスタ20の出力信号Sx,Sy、および、レベルシフタLS1,LS2の出力信号OUT1,OUT2に基づいて、レベルシフタLS1,LS2の動作を制御するための制御信号ENB1,ENB2を生成する。
なお、レベルシフタ回路1bでは、制御信号ENB1,ENB2がハイレベルの場合にその制御信号に対応するレベルシフタLS1,LS2のレベルシフト動作を停止させ、ローレベルの場合にその制御信号に対応するレベルシフタLS1,LS2をレベルシフト動作させるようになっている。
図13のタイミングチャート中における斜線部は、レベルシフタLS1またはレベルシフタLS2がレベルシフト動作を停止している状態であることを示している。なお、レベルシフタLS1の出力信号OUT1の波形中に示した斜線部は、レベルシフタLS1のレベルシフト動作の停止期間を示している。また、レベルシフタLS2の出力信号OUT2の波形中に示した斜線部は、レベルシフタLS2のレベルシフト動作の停止期間を示している。
この図に示すように、レベルシフタ回路1bでは、一方のレベルシフタに入力されるクロック信号がアクティブである期間中、他方のレベルシフタのレベルシフト動作が停止される。
さらに、アクティブのクロック信号が入力されているレベルシフタにおいても、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがハイレベルになった後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syがハイレベルになるまでの間、レベルシフト動作が停止される。なお、レベルシフト動作を停止する場合、そのレベルシフタの出力信号は、レベルシフト動作を停止する前の出力状態に保持される。
ソースシフトレジスタ20の構成、およびその出力信号Sx,Syについては、実施形態1と同様である。
図14は、レベルシフタ制御回路10bの構成を示すブロック図である。この図に示すように、レベルシフタ制御回路10bは、セットリセットフリップフロップ(SR−FF)11、NOR回路12a、インバータ13a、NOR回路12b、インバータ13bを備えている。なお、SR−FF11の構成は実施形態1と同様である。
SR−FF11の出力信号Qは、図14に示すように、NOR回路12aにおける一方の入力端子、および、NOR回路12bにおける一方の入力端子にそれぞれ入力される。
また、NOR回路12aにおける他方の入力端子にはレベルシフタLS2の出力信号OUT2が入力され、NOR回路12bにおける他方の入力端子にはレベルシフタLS1の出力信号OUT1が入力される。
また、NOR回路12aの出力はインバータ13aに入力されて反転され、制御信号ENB1としてレベルシフタLS1に出力される。さらに、NOR回路12bの出力はインバータ13bに入力されて反転され、制御信号ENB2としてレベルシフタLS2に出力される。
これにより、レベルシフタLS1,LS2の一方がアクティブの期間中(OUT1,OUT2の一方がハイレベルの期間中)は、他方のレベルシフタの制御信号を生成するためのNOR回路にハイレベルの信号が入力されるので、図13に示したように、上記他方のレベルシフタの制御信号ENB1またはENB2がハイレベルとなる。つまり、NOR回路12a,12bは、他方のレベルシフタのアクティブ期間(出力信号がハイレベルの期間)を検出するアクティブ期間検出手段として機能する。
また、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxが入力された後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syが入力されるまでの間、SR−FF11の出力信号Qがハイレベルとなるので、制御信号ENB1,ENB2は共にハイレベルとなる。すなわち、非アクティブのクロック信号が入力されているレベルシフタだけでなく、アクティブのクロック信号が入力されているレベルシフタについても、その制御信号がハイレベルとなる。
レベルシフタLS2は、レベルシフタLS1と同様の構成からなり、その動作も同様である。ただし、レベルシフタLS2におけるトランジスタPT31,PT32,NT32のゲート、インバータI31の入力端子、NAND回路31の一方の入力端子には、制御信ENB1ではなく制御信号ENB2が入力される。また、トランジスタNT33のソースには、クロック信号GCK1ではなくクロック信号GCK2が入力される。そして、レベルシフタLS2は、出力信号OUT2を出力する。
以上のように、レベルシフタ回路1bでは、各レベルシフタLS1,LS2の一方がハイレベルの信号を出力している期間中、他方のレベルシフタがレベルシフト動作を停止する。したがって、入力されたクロック信号を異なるレベルに変換するレベルシフト動作が不要な他方のレベルシフタの非アクティブ期間において、消費電力に非常に大きな割合を占める、オフセッタ部およびレベルシフト部の貫通電流によるMOSトランジスタのチャネル抵抗や配線抵抗での消費電力を削減することができる。その結果、レベルシフタ回路1bの消費電力は大幅に低減されたものとなる。
さらに、アクティブ期間のクロック信号が入力されているレベルシフタにおいても、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがハイレベルになった後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syがハイレベルになるまでの間、レベルシフト動作が停止される。
これにより、レベルシフタ回路1bにおける消費電力をさらに削減することができる。
また、レベルシフタ回路1bは、レベルシフト動作を停止させる場合に、レベルシフタLS1,LS2の出力信号OUT1,OUT2を、レベルシフト動作を停止させる前の状態に保持する出力制御部30を、レベルシフタLS1,LS2にそれぞれ備えている。つまり、レベルシフト動作を停止させる場合に、レベルシフタLS1,LS2に入力されるクロック信号がローレベルであってもハイレベルであっても、レベルシフタLS1,LS2の出力信号OUT1,OUT2を、それぞれのレベルシフタにおけるレベルシフト動作を停止させる前の状態に保持する。
これにより、レベルシフタ回路1bでは、消費電力を大幅に削減するとともに、レベルシフタLS1,LS2の次段に接続される回路を適切かつ安定して駆動することができる。
なお、本実施形態では、2種類のクロック信号GCK1,GCK2として、互いにハイレベル期間が重ならない位相を有する信号を用いる場合について説明したが、これに限らず、互いにローレベル期間が重ならない位相を有する2種類のクロック信号であっても、互いにハイレベル期間が重ならない位相および互いにローレベル期間が重ならない位相の両方を有する2種類のクロック信号であっても、本発明の技術思想を適用することができる。
また、本実施形態においては、各クロック信号GCK1,GCK2を反転させずにレベルシフトして各レベルシフタLS1・LS2から出力しているが、クロック信号をレベルシフトすると共に反転したものをレベルシフタから出力させる場合もある。
その場合も当然ながら、クロック信号のハイレベルまたはローレベルを電源電圧のハイレベルまたはローレベルにレベルシフトすることに該当するため、本発明の技術思想を適用することができる。
したがって、一般に、レベルシフタは、クロック信号ごとに備えられ、クロック信号のハイレベルを所定の電源電圧のハイレベルおよびローレベルの一方のレベルに変換すると共に、クロック信号のローレベルを上記電源電圧のハイレベルおよびローレベルの他方のレベルに変換するレベルシフト動作を行うものであればよい。以下の実施の形態でも同様である。
また、レベルシフタ回路1bによれば、各レベルシフタLS1・LS2のそれぞれは、入力されるクロック信号GCK1,GCK2の非アクティブ期間のうちの他方のクロック信号のアクティブ期間にあたる特定期間に、オフセッタ部およびレベルシフト部に貫通電流を流して発生する電圧を用いることに替えて、電源電圧Vssへのアクティブプルダウンによって発生する代替電圧を用いることにより、レベルシフト動作によるクロック信号CK1・CK2の変換後レベルである電源電圧Vssに替わる非アクティブレベル(電源電圧Vss)を生成して出力する。
上記非アクティブレベルはここでは電源電圧Vssとしたが、レベルシフタ回路1bの次段の回路が動作しないようなレベルであればよい。また、代替電圧を駆動電圧Vddへのアクティブプルアップによって発生させても、それに合わせてインバータの段数を替えれば、非アクティブレベルを得ることができる。
このような構成では、上記貫通電流が流れる替わりに、インバータI32の入力段MOSトランジスタのゲートに対する充放電電流がトランジスタNT35を流れ、これに伴う各MOSトランジスタのスイッチングにおける各ゲートの充放電電流が流れる程度であるので、消費電力を削減しながら非アクティブ期間用のレベルを常に得ることができる。
また、アクティブプルアップまたはアクティブプルダウンを行うのに、トランジスタNT35のような能動素子を用いたが、これに限らず、このような能動素子に替えて大きな抵抗値を有する抵抗を用いた駆動電圧Vddへのプルアップまたは電源電圧Vssへのプルダウンを行うようにしても、同様の効果が得られる。
また、レベルシフタ回路1bによれば、各クロック信号GCK1,GCK2の互いに重ならないハイレベル期間のデューティは(100×0.5)%未満であり、2種類の各クロック信号GCK1,GCK2のハイレベル期間どうしが互いに重なることはあり得ないので、必要に応じて自由に各クロック信号GCK1,GCK2のアクティブ期間を設定してレベルシフト動作を行うことができる。2種類のクロック信号が互いに重ならないローレベル期間を有していてそのデューティが(100×0.5)%未満である場合にも同様のことが言える。
また、レベルシフタ回路1bによれば、各レベルシフタLS1,LS2はそれぞれ、オフセッタ部およびレベルシフト部の貫通電流が流れる回路として、ソースにクロック信号GCK1,GCK2が入力されるMOSトランジスタであるトランジスタNT33を備えたスイッチングMOSトランジスタ構成の昇圧部を備えている。
この昇圧部は、各レベルシフタLS1,LS2のレベルシフト動作中に常時電流を導通させる電流駆動型であって、各クロック信号CK1,CK2のハイレベルを、より高い電源電圧のハイレベルである駆動電圧Vddに昇圧する。
トランジスタNT33の閾値の大きさが、入力される各クロック信号GCK1,GCK2の振幅より高いような比較的特性の悪いMOSトランジスタであっても、このような昇圧部を備えることにより、電源電圧のハイレベル(駆動電圧Vdd)とローレベル(電源電圧Vss)との電位差よりも振幅の小さい各クロック信号GCK1,GCK2を、各クロック信号GCK1,GCK2のアクティブ期間にのみレベルシフトすることが可能となる。
なお、昇圧部に限らず、クロック信号のローレベルをより低い電源電圧のローレベルに降圧する降圧部をそなえている場合や、昇圧部および降圧部の両方を備えている場合にも同様のことが言える。
また、レベルシフタ回路1bによれば、各クロック信号GCK1,GCK2の互いに重ならないハイレベル期間は、各クロック信号GCK1,GCK2のアクティブ期間である。そして、各レベルシフタLS1,LS2では、他方のレベルシフタに入力されるクロック信号の各アクティブ期間に、各クロック信号GCK1,GCK2に対するレベルシフト動作を停止する。
したがって、この期間における、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがハイレベルになる前、および、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syがハイレベルからローレベルになった後には、ハイレベルのクロック信号が入力されているレベルシフタのみがレベルシフト動作状態となる。
また、本実施形態では、一方のレベルシフタに入力されるクロック信号がアクティブである場合に他方のレベルシフタにおけるレベルシフト動作を停止させ、ソースシフトレジスタの出力信号Sxが入力された後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syが入力されるまでの期間、上記一方のレベルシフタのレベルシフト動作を停止させるレベルシフタ回路1bについて説明したが、レベルシフタ回路1bの構成はこれに限るものではない。
例えば、レベルシフタLS1,LS2のレベルシフト動作の制御を、ソースシフトレジスタ20の出力信号SxおよびSyのみに基づいて行ってもよい。この場合、例えば、レベルシフタ回路1bにおけるレベルシフタ制御回路10bの構成を、図15に示すレベルシフタ制御回路10cのように変更すればよい。すなわち、SR−FF11の出力信号Qを、レベルシフタLS1,LS2のレベルシフト動作を制御する制御信号ENB1,ENB2として各レベルシフタLS1,LS2に出力すればよい。
この場合のタイミングチャートを図16に示す。この図に示すように、レベルシフタLS1,LS2では、入力されるクロック信号GCK1,GCK2がアクティブであるか非アクティブであるかにかかわらず、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがハイレベルになった後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syがハイレベルになるまでの期間について、レベルシフト動作が停止される。
また、レベルシフタLS1,LS2の一方にアクティブのクロック信号が入力されている期間であって、かつ、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがハイレベルになった後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syがハイレベルになるまでの期間について、他方のレベルシフタのレベルシフト動作を停止する構成としてもよい。
この場合、例えば、レベルシフタ回路1bにおけるレベルシフタ制御回路10bの構成を、図17に示すレベルシフタ制御回路10dのように変更すればよい。すなわち、レベルシフタ制御回路10bにおけるNOR回路12aをNAND回路14aに置き換え、NOR回路12bをNAND回路14bに置き換えればよい。
この構成では、図18に示すように、SR−FF11の出力信号Qと、レベルシフタLS2の出力信号OUT2とが、共にハイレベルの場合に、レベルシフタLS1のレベルシフト動作を制御する制御信号ENB1がハイレベルとなり、レベルシフタLS1のレベルシフト動作が停止される。また、SR−FF11の出力信号Qと、レベルシフタLS1の出力信号OUT1とが、共にハイレベルの場合に、レベルシフタLS2のレベルシフト動作を制御する制御信号ENB2がハイレベルとなり、レベルシフタLS2のレベルシフト動作が停止される。
また、アクティブのクロック信号が入力されているレベルシフタにおける、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがハイレベルになった後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syがハイレベルになるまでの期間について、レベルシフト動作を停止する構成としてもよい。
この場合、図19に示すように、図17のレベルシフタ制御回路10dにおけるNAND回路14aの各入力端子にSR−FF11の出力信号QとレベルシフタLS1の出力信号OUT1とを入力し、NAND回路14bの各入力端子にSR−FF11の出力信号QとレベルシフタLS2の出力信号OUT2とを入力すればよい。
この構成では、図20に示すように、SR−FF11の出力信号Qと、レベルシフタLS1の出力信号OUT1とが、共にハイレベルの場合に、レベルシフタLS1のレベルシフト動作を制御する制御信号ENB1がハイレベルとなり、レベルシフタLS1のレベルシフト動作が停止される。また、SR−FF11の出力信号Qと、レベルシフタLS2の出力信号OUT2とが、共にハイレベルの場合に、レベルシフタLS2のレベルシフト動作を制御する制御信号ENB2がハイレベルとなり、レベルシフタLS2のレベルシフト動作が停止される。
また、本実施形態では、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがハイレベルになってから、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syがハイレベルになるまでの期間について、レベルシフタLS1のレベルシフト動作を停止させているが、これに限るものではない。例えば、信号Sx,Syがハイレベルになるタイミングに基づいてレベルシフト動作を制御する構成に限らず、一方の信号または両方の信号がローレベルになるタイミングに基づいてレベルシフト動作の制御を行ってもよい。
また、本実施形態では、レベルシフタLS1のレベルシフト動作を制御する制御信号ENB1,ENB2を、ソースシフトレジスタ20の出力信号SxおよびSyに基づいて生成しているが、これに限るものではない。
例えば、クロック信号GCK1のアクティブ期間に入力され、入力される順序(または信号レベル(ローレベルとハイレベル)が切り替わる順序)が決まっている2種類の信号を用いて制御信号ENB1,ENB2を生成してもよい。このような信号の1つとして、例えば、ソースシフトレジスタ20に入力されるスタートパルスSSPを用いることができる。
あるいは、クロック信号GCK1のアクティブ期間に複数回入力される(信号レベルが複数回切り替わる)1種類の信号を用いて制御信号ENB1を生成することもできる。この場合には、例えば、上記1種類の信号の入力回数(または信号レベルが切り替わる回数)に基づいて制御信号ENB1を生成すればよい。
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、特に断らない限り、実施形態1および2で用いた部材および信号の符号と同一の符号は、同一の機能を有し、同様の変形(構成変更)が可能な部材および信号の符号として扱い、その説明を省略する。
図21は、本実施形態にかかるレベルシフタ回路1cの概略構成を示す回路ブロック図である。レベルシフタ回路1cは、例えば実施形態1の図2に示した表示装置100におけるレベルシフタ群2に備えられ、ゲートドライバ4へのクロック信号GCK1,GCK2,・・・,GCKn(nは2以上の整数)をレベルシフトするものである。すなわち、実施形態2では2つのレベルシフタLS1,LS2を備えたレベルシフタ回路1bについて説明したが、本実施形態では、この図に示すように、さらに多数(n個)のレベルシフタLS1,LS2,・・・,Lsnを備えたレベルシフタ回路1cについて説明する。なお、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,Lsnの構成は実施形態1に記載したレベルシフタLS1と同様である。また、図2ではクロック信号GCK1,GCK2しか図示していないが、ゲートドライバ4には、n個のクロック信号GCK1,GCK2,・・・,GCKnが入力されるものとする。
また、nは2以上の整数であって、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnはそれぞれ、各クロック信号GCK1,GCK2,・・・,GCKnのハイレベルをレベルシフトし、次段に接続される回路の駆動電圧Vddよりも低い電圧から、上記駆動電圧Vddまで昇圧して各出力信号OUT1,OUT2,・・・,OUTnとして出力するものである。
また、各クロック信号CK1,CK2,・・・,CKnは、互いにハイレベル期間が重ならない位相を有するn種類のクロック信号であり、各クロック信号CK1,CK2,・・・,CKnの各ハイレベル期間のデューティは(100×1/n)%未満であるものとする。また、各クロック信号GCK1,GCK2,・・・,GCKnのハイレベル期間は、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnの次段に接続される回路を動作させるアクティブ期間であり、各クロック信号のローレベル期間は、各レベルシフタの次段に接続される回路を動作させない非アクティブ期間である。
また、レベルシフタ回路1cを実装する位置は、実施形態1および2におけるレベルシフタ回路1および1bと同様、ゲートドライバ4の外部であっても、内部であってもよい。
レベルシフタ制御回路10fは、ソースドライバ3内に備えられたソースシフトレジスタ20の出力信号Sx,Sy、および、レベルシフタLS1,LS2,・・・LSnの出力信号OUT1,OUT2,・・・,OUTnに基づいて、レベルシフタLS1,LS2,・・・LSnの動作を制御するための制御信号ENB1,ENB2,・・・,ENBnを生成する。
また、レベルシフタ回路1cでは、制御信号ENB1,ENB2,・・・ENBnがハイレベルの場合にその制御信号に対応するレベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnのレベルシフト動作を停止させ、ローレベルの場合にその制御信号に対応するレベルシフタをレベルシフト動作させるようになっている。
図22は、レベルシフタ制御回路10fの構成を示すブロック図である。この図に示すように、レベルシフタ制御回路10fは、セットリセットフリップフロップ(SR−FF)11、NOR回路151,152,・・・,15n、NOR回路161,162,・・・,16n、インバータ171,172,・・・,17n、NOR回路18を備えている。
各NOR回路151,152,・・・,15nにおける一方の入力端子には、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnの出力信号OUT1,OUT2,・・・,OUTnがそれぞれ入力される。これにより、各NOR回路151,152,・・・,15nは、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnのアクティブ期間を検出するアクティブ期間検出手段として機能する。
また、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnの出力信号OUT1,OUT2,・・・,OUTnは、n端子のNOR回路18における各入力端子にそれぞれ入力されている。そして、このNOR回路18の出力信号SOUTは、各NOR回路151,152,・・・,15nにおける他方の入力端子に入力される。
各NOR回路151,152,・・・,15nにおける出力端子は、各NOR回路161,162,・・・,16nにおける一方の入力端子にそれぞれ接続されている。そして、各NOR回路161,162,・・・,16nにおける他方の入力端子には、SR−FF11の出力信号Qが入力される。
また、各NOR回路161,162,・・・,16nにおける出力端子は、各インバータ171,172,・・・,17nの入力端子にそれぞれ接続されている。そして、各インバータ171,172,・・・,17nの出力端子から出力される制御信号ENB1,ENB2,・・・,ENBnは、図21に示したように、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnにそれぞれ入力される。
図23は、レベルシフタ回路1cにおけるタイミングチャートである。この図に示すように、レベルシフタ回路1cでは、上記の構成により、1つのレベルシフタに入力されるクロック信号がハイレベル(アクティブ)である期間、その他のレベルシフタのレベルシフト動作が停止される。また、アクティブのクロック信号が入力されているレベルシフタについては、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがハイレベルになった後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syがハイレベルになるまでの期間、レベルシフト動作が停止される。
また、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnの出力信号は、実施形態1および2と同様、レベルシフト動作を停止させる場合に、レベルシフト動作停止前の状態に保持される。このため、レベルシフタ回路1cでは、消費電力を大幅に削減するとともに、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnの次段に接続される回路を適切かつ安定して駆動することができる。
なお、本実施形態では、1つのレベルシフタに入力されるクロック信号がハイレベル(アクティブ)である期間、その他のレベルシフタのレベルシフト動作が停止され、また、アクティブのクロック信号が入力されているレベルシフタについては、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがハイレベルになった後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syがハイレベルになるまでの期間、レベルシフト動作が停止されるものとしたが、これに限るものではない。
例えば、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnのレベルシフト動作の制御を、ソースシフトレジスタ20の出力信号SxおよびSyのみに基づいて行ってもよい。この場合、例えば、レベルシフタ回路1cにおけるレベルシフタ制御回路10fの構成を、図24に示すレベルシフタ制御回路10gのように変更すればよい。
すなわち、SR−FF11の出力信号Qを、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnに、制御信号ENB1,ENB2,・・・,ENBnとしてそれぞれ出力すればよい。
これにより、図25に示すように、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxがハイレベルになった後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syがハイレベルになるまでの期間について、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnのレベルシフト動作を停止させることができる。
また、レベルシフタ回路1cにおけるレベルシフタ制御回路10fの構成を、図26に示すレベルシフタ制御回路10hのように変更してもよい。
この図に示すように、レベルシフタ制御回路10hは、SR−FF11、NAND回路191,192,・・・,19n、インバータ171,172,・・・,17nを備えている。
各NAND回路191,192,・・・,19nにおける一方の入力端子には、SR−FF11の出力信号Qが入力されている。また、各NAND回路191,192,・・・,19nにおける他方の入力端子には、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnの出力信号OUT1,OUT2,・・・,OUTnがそれぞれ入力されている。
そして、各NAND回路191,192,・・・,19nの出力端子は、各インバータ171,172,・・・,17nの入力端子にそれぞれ接続されている。
さらに、各インバータ171,172,・・・,17nの出力端子から出力される制御信号ENB1,ENB2,・・・,ENBnが、レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnにそれぞれ入力される。
このような構成からなるレベルシフタ回路では、図27のタイミングチャートに示すように、アクティブのクロック信号が入力されているレベルシフタにおいて、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxのハイレベルがレベルシフタ制御回路10hに入力された後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syのハイレベルがレベルシフタ制御回路10hに入力されるまでの期間、そのレベルシフタのレベルシフト動作が停止される。
また、レベルシフタ回路1cにおけるレベルシフタ制御回路10fの構成を、図28に示すレベルシフタ制御回路10iのように変更してもよい。
この図に示すように、レベルシフタ制御回路10iは、レベルシフタ制御回路10fにおけるNOR回路161,162,・・・,16nを、NAND回路161’,162’,・・・,16n’のそれぞれ置き換えた構成である。すなわち、レベルシフタ制御回路10iは、SR−FF11、NOR回路151,152,・・・,15n、NAND回路161’,162’,・・・,16n’、インバータ171,172,・・・,17n、NOR回路18を備えている。
各NOR回路151,152,・・・,15nにおける一方の入力端子には、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnの出力信号OUT1,OUT2,・・・,OUTnがそれぞれ入力される。これにより、各NOR回路151,152,・・・,15nは、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnのアクティブ期間を検出するアクティブ期間検出手段として機能する。
また、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnの出力信号OUT1,OUT2,・・・,OUTnは、n端子のNOR回路18における各入力端子にそれぞれ入力されている。そして、このNOR回路18の出力信号SOUTは、各NOR回路151,152,・・・,15nにおける他方の入力端子に入力される。
各NOR回路151,152,・・・,15nにおける出力端子は、各NAND回路161’,162’,・・・,16n’における一方の入力端子にそれぞれ接続されている。そして、各NAND回路161’,162’,・・・,16n’おける他方の入力端子には、SR−FF11の出力信号Qが入力される。
また、各NAND回路161’,162’,・・・,16n’における出力端子は、各インバータ171,172,・・・,17nの入力端子にそれぞれ接続されている。そして、各インバータ171,172,・・・,17nの出力端子から出力される制御信号ENB1,ENB2,・・・,ENBnは、各レベルシフタLS1,LS2,・・・,LSnにそれぞれ入力される。
このような構成からなるレベルシフタ回路では、図29のタイミングチャートに示すように、1つのレベルシフタにアクティブのクロック信号が入力されている期間であって、ソースシフトレジスタ20の出力信号Sxのハイレベルがレベルシフタ制御回路10iに入力された後、ソースシフトレジスタ20の出力信号Syのハイレベルがレベルシフタ制御回路10iに入力されるまでの期間、他のレベルシフタのレベルシフト動作が停止される。
〔実施形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、特に断らない限り、実施形態1〜3で用いた部材および信号の符号と同一の符号は、同一の機能を有し、同様の変形(構成変更)が可能な部材および信号の符号として扱い、その説明を省略する。
上記した各実施形態では、シフト動作が特定の一方向にのみ行われるソースシフトレジスタ20の出力信号Sx,Syを用いてレベルシフタ回路におけるレベルシフト動作を制御する構成について説明した。これに対して、本実施形態では、シフト方向が順方向および逆方向の両方向に切り替えられる双方向ソースシフトレジスタの出力信号Sx,Syを用いる構成について説明する。
なお、本実施形態では、双方向ソースシフトレジスタを実施形態1で説明したレベルシフタ回路1を用いる構成に適用する場合について説明するが、これに限らず、上記各実施形態で説明したいずれのレベルシフタ回路を用いる構成についても適用できる。
図30は、本実施形態にかかるレベルシフタ回路とともに表示装置100に備えられる双方向ソースシフトレジスタ(ソースシフトレジスタ)20bのブロック図である。この図に示すように、双方向ソースシフトレジスタ20bには、制御回路2から、スタートパルス信号SSP、クロック信号SCKに加えて、シフト方向制御信号LR,LRBが入力される。ここで、シフト方向制御信号LRBは、シフト方向制御信号LRの反転信号である。
図31は、双方向ソースシフトレジスタ20bのブロック図である。この図に示すように、双方向ソースシフトレジスタ20bは、インバータI21と、複数段のフリップフロップFF1,FF2,・・・,FFm−1,FFmと、スイッチSW1〜SW6とを備えている。
奇数段のフリップフロップには基準クロック信号SCKが入力され、偶数段のフリップフロップにはインバータI21によって基準クロック信号SCKが反転された信号が入力される。
また、初段のフリップフロップFF1は、スイッチSW1を介して、スタートパルス信号SSPの入力端子に接続されている。スイッチSW1には、シフト方向制御信号LRが入力されており、シフト方向制御信号LRがハイレベル(High)の時に開いて、初段のフリップフロップFF1にスタートパルス信号SSPが入力される。
そして、シフト方向制御信号LRがハイレベルの場合には、2段目以降のフリップフロップ(フリップフロップFF2,FF3,・・・,FFm)にはその前段のフリップフロップの出力信号が入力される。
これにより、基準クロック信号SCKおよびスタートパルス信号SSPによって、ソースシフトレジスタ20の順方向のシフト動作が開始され、各段のフリップフロップFF1〜FFmから出力信号S1〜Smが順次出力される。
一方、最終段のフリップフロップFFmは、スイッチSW2を介して、スタートパルス信号SSPの入力端子に接続されている。スイッチSW2には、シフト方向制御信号LRBが入力されており、シフト方向制御信号LRBがハイレベルの時(シフト方向制御信号LRがローレベルの時)に開いて、最終段のフリップフロップFFmにスタートパルス信号SSPが入力される。
そして、シフト方向制御信号LRBがハイレベルの場合には、フリップフロップFFmの出力信号がフリップフロップFFm−1に入力され、以降、各フリップフロップFFm−1,・・・,FF2からの出力信号が、それぞれの前段のフリップフロップに入力される。
これにより、基準クロック信号SCKおよびスタートパルス信号SSPによって、ソースシフトレジスタ20の逆方向のシフト動作が開始され、各段のフリップフロップFFm〜FF1から出力信号Sm〜S1が順次出力される。
また、初段のフリップフロップFF1の出力端子は、スイッチSW3およびSW4の入力端子に接続されている。そして、スイッチSW3の出力端子はレベルシフタ回路1における信号Sxの入力端子に接続され、スイッチSW4の出力端子はレベルシフタ回路1における信号Syの入力端子に接続されている。また、スイッチSW3にはシフト方向制御信号LRが入力され、スイッチSW4にはシフト方向制御信号LRBが入力されている。
また、最終段のフリップフロップFFmの出力端子は、スイッチSW5およびSW6の入力端子に接続されている。そして、スイッチSW5の出力端子はレベルシフタ回路1における信号Sxの入力端子に接続され、スイッチSW6の出力端子はレベルシフタ回路1における信号Syの入力端子に接続されている。また、スイッチSW5にはシフト方向制御信号LRBが入力され、スイッチSW6にはシフト方向制御信号LRが入力されている。
そして、各スイッチSW3〜SW6は、入力されたシフト方向制御信号LRまたはLRBがハイレベルの場合に開き、ローレベル(Low)のときに閉じるようになっている。
これにより、双方向ソースシフトレジスタ20bのシフト動作が順方向の場合(シフト方向制御信号LRがハイレベル、シフト方向制御信号LRBがローレベルの場合)に、スイッチSW3およびSW4が開き、スイッチSW6およびSW5が閉じる。その結果、シフト方向が順方向の場合には、初段のフリップフロップFF1の出力信号S1がレベルシフタ回路1への出力信号Sxとして出力され、最終段のフリップフロップFFmの出力信号Smがレベルシフタ回路1への出力信号Syとして出力される。
一方、双方向ソースシフトレジスタ20bのシフト動作が逆方向の場合(シフト方向制御信号LRがローレベル、シフト方向制御信号LRBがハイレベルの場合)に、スイッチSW6およびSW5が開き、スイッチSW3およびSW4が閉じる。その結果、シフト方向が逆方向の場合には、最終段のフリップフロップFFmの出力信号Smがレベルシフタ回路1への出力信号Sxとして出力され、初段のフリップフロップFF1の出力信号S1がレベルシフタ回路1への出力信号Syとして出力される。
これにより、出力信号SxおよびSyがハイレベルになるタイミングは、常に出力信号Sxの方が早くなる。したがって、レベルシフタ回路1において、レベルシフト動作を適切に制御することができる。
なお、上記の説明では、初段のフリップフロップFF1の出力信号S1と、最終段のフリップフロップFFmの出力信号Smとを用いて、レベルシフタ回路1への出力信号Sx,Syを生成する場合について説明したが、これに限るものではない。各段のフリップフロップの出力信号S1〜Smのうち、任意の2段の出力信号を用いることができる。ただし、レベルシフタ回路1へ出力する出力信号Sx,Syのハイレベルになるタイミングを、Sxの方がSyよりも早くなるようにする必要がある。
また、上記の説明のように、初段のフリップフロップFF1の出力信号S1と、最終段のフリップフロップFFmの出力信号Smとを用いて、レベルシフタ回路1への出力信号Sx,Syを生成することにより、出力信号Sxと出力信号Syとの間隔をより大きくできる。その結果、レベルシフタ回路1においてレベルシフト動作を停止させる期間を長くすることができるので、レベルシフタ回路1における低消費電力化の効果がより大きくなる。
〔実施形態5〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、特に断らない限り、実施形態1〜4で用いた部材および信号の符号と同一の符号は、同一の機能を有し、同様の変形(構成変更)が可能な部材および信号の符号として扱い、その説明を省略する。
上記した各実施形態では、ソースシフトレジスタを備えた表示装置100に本発明のレベルシフタ回路を備える構成について説明した。これに対して、本実施形態では、本発明のレベルシフタ回路をSSD(ソース・シェアド・ドライビング)回路を用いた表示装置に適用する場合について説明する。
図32は、本実施形態にかかるレベルシフタ回路1dのブロック図である。また、図33は、このレベルシフタ回路1dを備えたマトリクス型液晶表示装置(表示装置)200の構成を示すブロック図である。
図33に示すように、表示装置200は、マトリクス状に配列された多数の画素PIXと、レベルシフタ群2と、前記各画素PIXを駆動するソースドライバ(データ信号線駆動回路)3およびゲートドライバ(走査信号線駆動回路)4とを備えて構成される。なお、各画素PIXと、ソースドライバ3およびゲートドライバ4を含む周辺回路とは、製造時の手間と、配線容量とを削減するために同一基板上にモノシリックに形成されたモノリシック回路である。
ソースドライバ3は、SSD回路25を備えている。レベルシフタ群2は、上記各実施形態と同様、入力される各信号をレベルシフトする複数のレベルシフタからなる。
レベルシフタ回路1dは、レベルシフタ群2に備えられ、クロック信号GCK1,GCK2のハイレベルを所定の電圧に昇圧するレベルシフトして出力するものである。なお、レベルシフタ回路1dは、ゲートドライバ4の外部(レベルシフタ群2内)に設けているが、これに限らず、上記各実施形態と同様、ゲートドライバ4の内部に設けてもよい。レベルシフタ回路1dの詳細については後述する。
SSD回路25は、画像表示の水平期間にスイッチを用いて複数のビデオライン(入力線)からの信号(データ信号)をビデオラインより多い本数のソースバスライン(データ信号線)に振り分けるものである。SSD回路25について、図34および図35を用いて説明する。
図34にSSD回路25のブロック図を示す。この図に示すように、SSD回路25は、スイッチ(スイッチング素子)SWR,SWG,SWBを1つのグループとするスイッチグループ(SWグループ)を、ビデオ信号線(ビデオライン)V1〜Vm(mは1以上の整数とする)の本数と同数のm個備えている。そして、各スイッチグループには、ビデオ信号(データ信号)V1〜Vmのいずれかが入力される。
各スイッチグループにおけるスイッチSWRは、NチャネルMOSトランジスタ(トランジスタ)NTRおよびPチャネルMOSトランジスタ(トランジスタ)PTRからなる。トランジスタNTRおよびトランジスタPTRのソースには、そのスイッチグループに対応するビデオ信号(ビデオ信号V1〜Vmのいずれか)が入力される。
また、トランジスタNTRのゲートには、外部からの入力信号ASW1が、インバータI51およびI52を介して入力される。また、トランジスタPTRのゲートには、外部からの入力信号ASW1が、インバータI53を介して入力される。
そして、トランジスタNTRおよびトランジスタPTRのドレインは、そのスイッチグループに対応するソースバスライン(ソースバスラインSLR1〜SLRmのいずれか)に接続されている。
また、各スイッチグループにおけるスイッチSWGは、NチャネルMOSトランジスタ(トランジスタ)NTGおよびPチャネルMOSトランジスタ(トランジスタ)PTGからなる。トランジスタNTGおよびトランジスタPTGのソースには、そのスイッチグループに対応するビデオ信号(ビデオ信号V1〜Vmのいずれか)が入力される。
また、トランジスタNTGのゲートには、外部からの入力信号ASW2が、インバータI54およびI55を介して入力される。また、トランジスタPTGのゲートには、外部からの入力信号ASW2が、インバータI56を介して入力される。
そして、トランジスタNTGおよびトランジスタPTGのドレインは、そのスイッチグループに対応するソースバスライン(ソースバスラインSLG1〜SLGmのいずれか)に接続されている。
また、各スイッチグループにおけるスイッチSWBは、NチャネルMOSトランジスタ(トランジスタ)NTBおよびPチャネルMOSトランジスタ(トランジスタ)PTBからなる。トランジスタNTBおよびトランジスタPTBのソースには、そのスイッチグループに対応するビデオ信号(ビデオ信号V1〜Vmのいずれか)が入力される。
また、トランジスタNTBのゲートには、外部からの入力信号ASW3が、インバータI57およびI58を介して入力される。また、トランジスタPTBのゲートには、外部からの入力信号ASW3が、インバータI59を介して入力される。
そして、トランジスタNTBおよびトランジスタPTBのドレインは、そのスイッチグループに対応するソースバスライン(ソースバスラインSLB1〜SLBmのいずれか)に接続されている。
これにより、SSD回路25では、各入力信号ASW1、ASW2、ASW3でそれぞれ各スイッチSWR、SWG、SWBを制御する。これらスイッチSWR、SWG、SWBそれぞれ1つずつを1つのグループとして、このグループに対して1本ビデオ信号がある。このビデオ信号はグループ内の各スイッチSWR,SWG,SWBの全てに入力され、結果的に1本のビデオ信号線はスイッチSWR,SWG,SWBを通して3本のソースバスラインに接続される。図34の場合、ビデオ信号線V1〜Vmがm本あるので、ソースバスラインは3m本になる。
各入力信号ASW1、ASW2、ASW3によって、それぞれm個の各スイッチSWR、SWG、SWBを開き、各ビデオ信号線V1〜Vmから各ソースバスラインSLR1〜SLRm、SLG1〜SLGm、SLB1〜SLBmにビデオ信号を供給する。
具体的な動作について図35のタイミングチャートを用いて説明する。ただし、各入力信号ASW1、ASW2、ASW3の信号はハイレベルをアクティブ期間、つまり各スイッチが開く状態とする。
図35に示すように、水平期間を時分割で三分割し、それぞれを各入力信号ASW1、ASW2、ASW3の信号として割り当てる。これにより、それぞれm個の各スイッチSWR、SWG、SWBが順に開き、m本のビデオ信号から3m本のソースバスラインにビデオ信号が供給される。ASW1、ASW2、ASW3の各信号により、順にビデオ信号線とソースバスラインが接続されるが、ビデオ信号線に供給されるビデオ信号もASW1、ASW2、ASW3信号のアクティブ期間に応じて時分割で三分割され、それぞれのソースバスラインに対応した所望のデータを供給する。つまり、1水平期間に1本のビデオ信号線に対して3本のソースバスラインにビデオ信号を供給する。
なお、本実施形態では水平期間を時分割で三分割した場合について述べたが、水平期間をm分割(mは2以上の整数)する場合についても同様の考え方を用いることができる。
図32に示したように、レベルシフタ回路1dは、レベルシフタ制御回路10j、レベルシフタLS1,LS2を備えている。また、レベルシフタ制御回路10jには、SSD回路25への入力信号ASW1およびASW3が入力される。
図36は、レベルシフタ制御回路10jのブロック図である。この図に示すように、レベルシフタ制御回路10jは、セットリセットフリップフロップ(SR−FF)11、NOR回路51、NAND回路52a,52b、インバータ53a,53bを備えている。
SR−FF11のセット端子には入力信号ASW1が入力され、リセット端子には入力信号ASW3が入力される。また、入力信号ASW3は、NOR回路51の一方の入力端子にも入力される。そして、NOR回路51の他方の入力端子には、SR−FF11の出力信号Qが入力される。
また、NOR回路51の出力端子は、各NAND回路52a,52bにおける一方の入力端子に接続されている。また、各NAND回路52aにおける他方の入力端子には、レベルシフタLS2の出力信号OUT2がインバータ53aを介して入力される。そして、各NAND回路52bにおける他方の入力端子には、レベルシフタLS1の出力信号OUT1がインバータ53bを介して入力される。これにより、NAND回路52aとインバータ53a、および、NAND回路52bとインバータ53bが、それぞれレベルシフタLS2およびレベルシフタLS1のアクティブ期間を検出するアクティブ期間検出回路として機能する。
そして、NAND回路52aの出力信号は、レベルシフタLS1のレベルシフト動作を制御する制御信号ENB1としてレベルシフタLS1に出力される。また、NAND回路52bの出力信号は、レベルシフタLS2のレベルシフト動作を制御する制御信号ENB2としてレベルシフタLS2に出力される。
図37は、レベルシフタ回路1dのタイミングチャートである。
レベルシフタLS1の出力信号OUT1がハイレベルの場合(クロック信号GCK1がハイレベルの場合)、インバータ53bを介してNAND回路52bの一方の入力端子に入力される信号はローレベルとなる。このため、NAND回路52bから出力されるレベルシフタLS2の制御信号ENB2はハイレベルとなり、レベルシフタLS2のレベルシフト動作は停止される。
一方、レベルシフタLS2の出力信号OUT2がハイレベルの場合(クロック信号GCK2がハイレベルの場合)、インバータ53aを介してNAND回路52aの一方の入力端子に入力される信号はローレベルとなる。このため、NAND回路52aから出力されるレベルシフタLS1の制御信号ENB1はハイレベルとなり、レベルシフタLS1のレベルシフト動作は停止される。
また、SR−FF11に入力される入力信号ASW1がハイレベルになると、SR−FF11の出力信号Qはハイレベルになる。このため、NOR回路51の出力信号はローレベルとなり、NAND回路52a,52bから出力される制御信号ENB1,ENB2はハイレベルとなる。これにより、レベルシフタLS1,LS2のレベルシフト動作は停止される。
また、SR−FF11に入力される入力信号ASW3がハイレベルになると、Sr−FF11の出力信号Qはローレベルになる。ただし、入力信号ASW3はNOR回路51の一方の入力端子にも入力されているので、NOR回路51の出力信号はローレベルのままであり、NAND回路52a,52bから出力される制御信号ENB1,ENB2はハイレベルに保持される。このため、入力信号ASW3がハイレベルの状態では、レベルシフタLS1,LS2のレベルシフト動作は停止したままである。
その後、入力信号ASW3がハイレベルからローレベルに変わると、NOR回路51の両入力端子の入力信号がローレベルとなるので、NOR回路51からNAND回路52a,52bへの出力信号はハイレベルとなる。ここで、レベルシフタLS1,LS2のうち、一方のレベルシフタの出力信号がハイレベルの場合には、他方のレベルシフタの制御信号を生成するNAND回路52aまたは52bに、ローレベルの信号が入力されるので、この他方のレベルシフタのレベルシフト動作は停止したままとなる。また、レベルシフタLS1,LS2のうち、一方のレベルシフタの出力信号がローレベルの場合には、他方のレベルシフタの制御信号を生成するNAND回路52aまたは52bに、ハイレベルの信号が入力されるので、この他方のレベルシフタはレベルシフト動作状態となる。
以上のように、本実施形態にかかるレベルシフタ回路1dでは、レベルシフタ制御回路10jが、SSD回路25への入力信号ASW1がローレベルからハイレベルに変わった後、入力信号ASW3がハイレベルになり、さらにローレベルに変わるまでの期間、レベルシフタLS1,LS2のレベルシフト動作を停止させる。
これにより、消費電力に非常に大きな割合を占める、オフセッタ部およびレベルシフト部の貫通電流によるMOSトランジスタのチャネル抵抗や配線抵抗での消費電力を削減することができる。
また、これにより、レベルシフタ回路1dでは、レベルシフタLS1,LS2に入力されるクロック信号がローレベル(非アクティブ)の期間中だけでなく、ハイレベル(アクティブ)の期間中についても、ベルシフタLS1,LS2のレベルシフト動作を停止させている。
さらに、レベルシフタ回路1dでは、レベルシフト動作を停止させる場合に、レベルシフタLS1,LS2の出力信号OUT1,OUT2を、レベルシフト動作を停止させる前の状態に保持する。
これにより、レベルシフタ回路1では、消費電力を大幅に削減するとともに、レベルシフタLS1の次段に接続される回路を適切かつ安定して駆動することができる。
また、レベルシフタ回路1dでは、SSD回路25への入力信号ASW1がローレベルからハイレベルに変わった後、入力信号ASW3がハイレベルからローレベルに変わるまでの期間だけでなく、一方のレベルシフタの出力信号OUT1がハイレベルの期間について、他方のレベルシフタのレベルシフト動作を停止させる。これにより、さらに消費電力を大幅に削減することが可能となっている。
なお、レベルシフタ回路1dでは、SSD回路25への入力信号ASW1がローレベルからハイレベルに変わった後、入力信号ASW3がハイレベルからローレベルに変わるまでの期間について、レベルシフタLS1,LS2の動作を停止させているが、これに限るものではない。
例えば、SSD回路25への入力信号ASW1がローレベルからハイレベルに変わった後、入力信号ASW3がハイレベルに変わるまでの期間について、レベルシフタLS1,LS2の動作を停止させるようにしてもよい。この場合、例えば、SR−FF11のセット端子に入力信号ASW1、リセット端子にASW3を入力し、SR−FF11の出力信号をインバータによって反転させた信号を、NOR回路51の出力信号に代えて、NAND回路52a,52bに入力するようにすればよい。
また、入力信号ASW3に代えて、入力信号ASW2を、SR−FF11のリセット端子およびNOR回路51の入力端子に入力するようにしてもよい。
また、レベルシフタ回路1dでは、一方のレベルシフタの出力信号OUT1がハイレベルの期間について、他方のレベルシフタのレベルシフト動作を停止させているが、レベルシフタ回路1dの構成はこれに限るものではない。
例えば、レベルシフタLS1,LS2のレベルシフト動作の制御を、SSD回路25への入力信号ASW1およびASW3のみに基づいて行ってもよい。この場合、レベルシフタ制御回路10jにおけるNOR回路51の出力信号をインバータによって反転させた信号を、レベルシフタLS1,LS2のレベルシフト動作を制御する制御信号ENB1,ENB2として用いればよい。
また、レベルシフタLS1,LS2の一方にアクティブのクロック信号が入力されている期間であって、かつ、SSD回路25の入力信号ASW1がハイレベルとなった後、SSD回路25の入力信号ASW3がハイレベルからローレベルに切り替わるまでの期間について、他方のレベルシフタのレベルシフト動作を停止する構成としてもよい。
また、アクティブのクロック信号が入力されているレベルシフタにおける、SSD回路25の入力信号ASW1がハイレベルとなった後、SSD回路25の入力信号ASW3がハイレベルからローレベルに切り替わるまでの期間について、そのレベルシフタのレベルシフト動作を停止する構成としてもよい。
また、本実施形態では、レベルシフタLS1,LS2の2つのレベルシフタを備えたレベルシフタ回路1dにおいてSSD回路25の入力信号を用いてレベルシフト動作を制御する構成について説明したが、これに限るものではない。例えば、上記各実施形態と同様、1つのレベルシフタを備えたレベルシフタ回路、あるいはn個のレベルシフタを備えたレベルシフタ回路において、SSD回路25の入力信号を用いてレベルシフト動作を制御するようにしてもよい。
また、n個のレベルシフタを備えたレベルシフタ回路において、SSD回路25の入力信号を用いてレベルシフト動作を制御する場合、各レベルシフタのレベルシフト動作の制御を、SSD回路25への入力信号ASW1およびASW3のみに基づいて行ってもよい。
また、1つのレベルシフタにアクティブのクロック信号が入力されている期間であって、かつ、SSD回路25の入力信号ASW1がハイレベルとなった後、SSD回路25の入力信号ASW3がハイレベルからローレベルに切り替わるまでの期間について、他のレベルシフタのレベルシフト動作を停止する構成としてもよい。
また、アクティブのクロック信号が入力されているレベルシフタにおける、SSD回路25の入力信号ASW1がハイレベルとなった後、SSD回路25の入力信号ASW3がハイレベルからローレベルに切り替わるまでの期間について、そのレベルシフタのレベルシフト動作を停止する構成としてもよい。
また、上記の各実施形態では、本発明のレベルシフタ回路を、液晶表示装置(液晶画像表示装置)に備える場合について説明した。ここで、本発明のレベルシフタ回路が備えられる液晶表示装置としては、例えば家庭用電源などを用いて表示を行うテレビやパソコン用ディスプレイなどであってもよく、あるいは、乾電池や充電池などを用いて駆動する小型携帯端末や携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等の携帯機器に備えられるものであってもよい。特に、本発明のレベルシフタ回路を、乾電池や充電池などを用いて駆動する携帯機器に備えられた液晶画像表示装置に適用する場合、消費電力を削減することによって携帯機器の使用可能時間を延ばすことができるので、好適である。
また、上記各実施形態では、本発明のレベルシフタ回路をレベルシフタ群2に備えられ、ゲートドライバ4の一部として機能するものとしたが、これに限らず、例えばゲートドライバ4内に備えられるものであってもよい。また、本発明のレベルシフタ回路は、ソースドライバ3の一部として機能させることもできる。この場合には、レベルシフト動作を停止させる期間を決定するために用いる信号をして、クロック信号と同等の周波数、またはそれより早い周波数の信号であって、クロック信号のアクティブ期間中におけるレベルシフト動作の停止期間を適切に設定できるような信号を適宜選択すればよい。
また、上記の各実施形態では、本発明のレベルシフタ回路を、各画素PIXと周辺駆動回路とが同一基板上に形成されるモノリシック回路からなるマトリクス型液晶表示装置に適用する場合について説明したが、これに限るものではない。本発明のレベルシフタ回路はモノリシック回路ではない駆動回路に備えられてもよく、また、マトリクス型液晶表示装置以外の液晶表示装置の駆動回路に備えられてもよい。また、本発明のレベルシフタ回路は、液晶表示装置の駆動回路に限らず、クロック信号を昇圧して出力する他のあらゆる回路(装置)に適用することができる。
以上のように、本発明のレベルシフタ回路は、入力されたクロック信号のハイレベルを、所定の電源電圧のハイレベルまたはローレベルの一方のレベルに変換するとともに、上記クロック信号のローレベルを、上記電源電圧のハイレベルまたはローレベルの他方のレベルに変換するレベルシフト動作を行い、上記レベルシフト後の出力信号を出力するレベルシフタを備えたレベルシフタ回路であって、上記クロック信号の非アクティブからアクティブへの切り替えに対応するレベルシフト動作を行った後、当該クロック信号のアクティブから非アクティブへの切り替えに対応するレベルシフトを行うまでの期間のうちの特定期間に、上記レベルシフト動作を停止させるレベルシフタ制御手段と、レベルシフト動作停止中の上記出力信号のレベルを、当該レベルシフト動作停止前の状態に保持する出力制御手段と、を備えていることを特徴としている。なお、上記クロック信号のアクティブ期間は、ハイレベル期間であってもよく、あるいは、ローレベル期間であってもよい。
上記の構成によれば、上記レベルシフタ制御手段が、上記クロック信号のアクティブへの切り替えに対応するレベルシフト動作を行った後、非アクティブへの切り替えに対応するレベルシフトを行うまでの期間に、上記レベルシフタのレベルシフト動作を停止させる。そして、上記出力制御手段が、上記レベルシフト動作停止中の出力信号のレベルを、上記レベルシフト動作を停止する前の状態、すなわち上記クロック信号アクティブに対応する出力信号のレベルに保持する。
これにより、上記レベルシフタの出力信号がアクティブ期間中に、レベルシフト動作を停止することができるので、上記レベルシフタ回路の消費電力を削減できる。さらに、レベルシフト動作を停止している期間中についても、上記レベルシフタの出力信号を、レベルシフト動作停止前の状態に保持できるので、上記レベルシフタの次段に接続される回路を適切かつ安定して駆動することができる。
また、上記レベルシフタ制御手段は、上記特定期間に加えて、上記クロック信号の非アクティブ期間中の所定期間に、上記レベルシフト動作を停止させる構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記レベルシフタ制御手段は、上記特定期間だけでなく、上記クロック信号の非アクティブ期間中の所定期間についても、上記レベルシフト動作を停止させる。これにより、上記レベルシフタのレベルシフト動作を停止させる期間をより長くすることができ、消費電力をさらに削減することができる。
また、この場合にも、上記出力制御手段が、レベルシフト動作停止中の出力信号のレベルをレベルシフト動作停止前の状態に保持する。すなわち、上記特定期間、すなわち上記クロック信号のアクティブ期間にレベルシフト動作を停止する場合には、上記レベルシフタの出力信号を上記クロック信号のアクティブに対応するレベルに保持する。また、上記所定期間、すなわち上記クロック信号の非アクティブ期間にレベルシフト動作を停止する場合には、上記レベルシフタの出力信号を上記クロック信号の非アクティブに対応するレベルに保持する。したがって、消費電力を効果的に削減でき、かつ、上記レベルシフタの次段に接続される回路を適切かつ安定して駆動することができる。
また、本発明のレベルシフタ回路は、互いにハイレベル期間が重ならないような位相、および、互いにローレベル期間が重ならないような位相のうちいずれか一方を有する複数種類のクロック信号のハイレベルを所定の電源電圧のハイレベルおよびローレベルの一方のレベルに変換すると共に、上記クロック信号のローレベルを上記電源電圧のハイレベルおよびローレベルの他方のレベルに変換するレベルシフト動作を行い、上記レベルシフト後の出力信号を出力するレベルシフタを上記クロック信号ごとに備えたレベルシフタ回路であって、上記各レベルシフタに入力されるクロック信号がアクティブ期間であるか非アクティブ期間であるかを検出するアクティブ期間検出手段と、アクティブ期間のクロック信号が入力されているレベルシフタについて、上記クロック信号の非アクティブからアクティブへの切り替えに対応するレベルシフト動作を行った後、当該クロック信号のアクティブから非アクティブへの切り替えに対応するレベルシフトを行うまでの期間のうちの特定期間に、上記レベルシフト動作を停止させるレベルシフタ制御手段と、上記レベルシフト動作停止中のレベルシフタの出力信号のレベルを、レベルシフト動作停止前の状態に保持する出力制御手段と、を備えていることを特徴としている。なお、上記各クロック信号のアクティブ期間は、ハイレベル期間であってもよく、あるいは、ローレベル期間であってもよい。
上記の構成によれば、上記レベルシフタ制御手段が、上記アクティブのクロック信号が入力されているレベルシフタについて、上記クロック信号のアクティブへの切り替えに対応するレベルシフト動作を行った後、非アクティブへの切り替えに対応するレベルシフトを行うまでの期間に、上記レベルシフタのレベルシフト動作を停止させる。そして、上記出力制御手段が、上記レベルシフト動作停止中のレベルシフタの出力信号のレベルを、上記レベルシフト動作を停止する前の状態、すなわち上記クロック信号アクティブに対応する出力信号のレベルに保持する。
これにより、上記レベルシフタの出力信号がアクティブ期間中に、レベルシフト動作を停止することができるので、上記レベルシフタ回路の消費電力を削減できる。さらに、レベルシフト動作を停止している期間中についても、上記レベルシフタの出力信号を、レベルシフト動作停止前の状態に保持できるので、上記レベルシフタの次段に接続される回路を適切かつ安定して駆動することができる。
また、上記レベルシフタ制御手段は、上記アクティブ期間のクロック信号が入力されているレベルシフタとは異なる他のレベルシフタについて、上記特定期間に、上記レベルシフト動作を停止させる構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記レベルシフタ制御手段は、アクティブ期間のクロック信号が入力されているレベルシフタにおける上記特定期間だけでなく、そのレベルシフタと異なる他のレベルシフタについても、上記特定期間中にレベルシフト動作を停止させる。これにより、上記各レベルシフタのレベルシフト動作を停止させる期間をより長くすることができ、消費電力をさらに削減することができる。
また、この場合にも、上記出力制御手段が、レベルシフト動作停止中の出力信号のレベルをレベルシフト動作停止前の状態に保持する。すなわち、アクティブ期間のクロック信号が入力されているレベルシフタのレベルシフト動作を停止する場合には、そのレベルシフタの出力信号をクロック信号のアクティブに対応するレベルに保持する。また、上記各クロック信号は、互いにハイレベル期間が重ならないような位相、および、互いにローレベル期間が重ならないような位相のうちいずれか一方を有するので、アクティブ期間のクロック信号が入力されているレベルシフタとは異なる他のレベルシフタについては、非アクティブ期間のクロック信号が入力されている。したがって、上記他のレベルシフタについては、その出力信号を上記クロック信号の非アクティブに対応するレベルに保持する。
これにより、消費電力を効果的に削減でき、かつ、上記レベルシフタの次段に接続される回路を適切かつ安定して駆動することができる。
また、上記レベルシフタ制御手段は、上記各レベルシフタのいずれかにアクティブ期間のクロック信号が入力されている期間、他のレベルシフタのレベルシフト動作を停止させる構成としてもよい。
ここで、上記各クロック信号は、互いにハイレベル期間が重ならないような位相、および、互いにローレベル期間が重ならないような位相のうちいずれか一方を有するので、アクティブ期間のクロック信号が入力されているレベルシフタとは異なる他のレベルシフタについては、非アクティブ期間のクロック信号が入力されている。このため、レベルシフト動作を停止させる場合には、非アクティブ期間のクロック信号に対応する出力信号を保持すればよい。
上記の構成によれば、アクティブ期間のクロック信号が入力されているレベルシフタについては上記特定期間にレベルシフト動作を停止する一方、他のレベルシフタについては、上記特定期間よりも長い、上記レベルシフタに入力されるクロック信号のアクティブ期間について、レベルシフト動作を停止させることができる。したがって、レベルシフト動作をより長い期間停止させることができるので、より大きな消費電力の低減効果が得られる。
また、上記レベルシフト制御手段は、上記アクティブ期間のクロック信号が入力されているレベルシフタにおける特定期間を、他のレベルシフタの出力信号を用いて決定する構成としてもよい。上記の構成によれば、レベルシフト制御手段が、上記アクティブ期間のクロック信号が入力されているレベルシフタにおける特定期間を、他のレベルシフタの出力によって決定するようになっているので、上記各レベルシフタのいずれかにアクティブ期間のクロック信号が入力されている期間、他のレベルシフタのレベルシフト動作を停止させることができる。
また、上記各クロック信号の互いに重ならない上記ハイレベル期間または上記ローレベル期間のデューティは、上記クロック信号の種類をn種類とすると、(100×1/n)%未満であってもよい。
上記の構成によれば、複数種類のクロック信号のハイレベル期間どうしまたはローレベル期間どうしが互いに重なることはあり得ないので、必要に応じて自由にアクティブ期間を設定してレベルシフト動作を行うことができる。
また、上記出力制御手段は、上記レベルシフト動作を停止する場合に、上記電源電圧へのプルアップまたはプルダウンによって発生する代替電圧を用いることにより、上記レベルシフト動作停止中の上記出力信号のレベルを、当該レベルシフト動作停止前の状態に保持する構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記レベルシフト動作を停止する場合に、レベルシフト動作によるクロック信号の変換後レベルの出力信号に代えて、代替電圧を用いた出力信号を生成して出力する。これにより、レベルシフト動作の停止によって消費電力を削減するとともに、出力信号のレベルをレベルシフト動作停止前の状態に保持することができるので、上記レベルシフタの次段に接続される回路を適切かつ安定して駆動することができる。
また、上記レベルシフタは、上記レベルシフタの所定回路に所定の定常電流を流して発生する所定電圧を用いることにより、上記レベルシフト動作を行うものであり、上記レベルシフタ制御手段は、上記所定回路に上記定常電流が流れるのを阻止して上記レベルシフト動作を停止させる構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記レベルシフト動作を停止させることにより、上記定常電流が流れることによる電力消費を削減できる。
また、上記レベルシフタは上記所定回路として、ソースに上記クロック信号が入力されるMOSトランジスタを備えたスイッチングMOSトランジスタ構成で、上記レベルシフタの上記レベルシフト動作中に常時電流を導通させる電流駆動型の、上記クロック信号のハイレベルおよびローレベルの一方を上記クロック信号のハイレベルより高い上記電源電圧のハイレベルに昇圧する昇圧部、および、上記クロック信号のハイレベルおよびローレベルの他方を上記クロック信号のローレベルより低い上記電源電圧のローレベルに降圧する降圧部の少なくとも一方を備えている構成としてもよい。
上記の構成によれば、例えば、MOSトランジスタの閾値の大きさが、入力されるクロック信号の振幅より高いような比較的特性の悪いMOSトランジスタであっても、電流駆動型の昇圧部および降圧部の少なくとも一方を備えることにより、電源電圧のハイレベルとローレベルとの電位差よりも振幅の小さいクロック信号を、アクティブ期間のみレベルシフトすることが可能となる。
また、上記レベルシフタは上記所定回路として、ゲートに上記クロック信号が入力されるMOSトランジスタを備えたスイッチングMOSトランジスタ構成で、上記レベルシフタの上記レベルシフト動作中に常時電流を導通させる電流駆動型の、上記クロック信号のハイレベルおよびローレベルの一方を上記クロック信号のハイレベルより高い上記電源電圧のハイレベルに昇圧する昇圧部、および、上記クロック信号のハイレベルおよびローレベルの他方を上記クロック信号のローレベルより低い上記電源電圧のローレベルに降圧する降圧部の少なくとも一方を備えている構成としてもよい。
上記の構成によれば、例えば、MOSトランジスタの閾値の大きさが、入力されるクロック信号の振幅より高いような比較的特性の悪いMOSトランジスタであっても、電流駆動型の昇圧部および降圧部の少なくとも一方を備えることにより、電源電圧のハイレベルとローレベルとの電位差よりも振幅の小さいクロック信号を、アクティブ期間のみレベルシフトすることが可能となる。
また、入力信号がMOSトランジスタのゲートに入力されるため、入力信号を入力するための端子部に不要な電流の流出入阻止が可能である。
また、上記レベルシフト制御手段は、上記各クロック信号の周波数と同等、または、上記各クロック信号の周波数よりも早い周波数の信号を用いて、上記特定期間を決定する構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記特定期間を、上記クロック信号の非アクティブからアクティブへの切り替えに対応するレベルシフト動作を行った後、当該クロック信号のアクティブから非アクティブへの切り替えに対応するレベルシフトを行うまでの期間に、適切に設定することができる。
また、この場合、上記レベルシフト制御手段は、特定の順序で信号レベルが変化する2種類の信号を用いて、上記特定期間を決定する構成としてもよい。
本発明の駆動回路は、複数の走査信号線と、複数のデータ信号線と、複数の画素とを備えた表示装置に備えられる、予め定められた周期の第1クロック信号に同期して、走査信号を上記各走査信号線へ出力する走査信号線駆動回路、または、予め定められた周期の第2クロック信号に同期して入力される上記各画素の表示状態を示す映像信号から、上記走査信号が与えられた上記走査信号線に接続された上記各画素へのデータ信号を抽出して、上記各データ信号線へ出力するデータ信号線駆動回路であって、上記したいずれかのレベルシフタ回路を備え、上記第1クロック信号または上記第2クロック信号を、上記レベルシフタ回路によってレベルシフトすることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記第1クロック信号または上記第2クロック信号をレベルシフトするためのレベルシフト回路の消費電力を削減することができるので、駆動回路の消費電力を低減することができる。
また、本発明の駆動回路は、上記走査信号を上記各走査信号線へ出力する走査信号線駆動回路であって、上記レベルシフタ制御回路は、上記特定期間を、上記データ信号線駆動回路からの出力信号に基づいて決定する構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記したいずれかのレベルシフタ回路を備えた、予め定められた周期の第1クロック信号に同期して走査信号を上記各走査信号線へ出力する走査信号線駆動回路において、上記レベルシフタ制御回路が、上記特定期間を、上記データ信号線駆動回路からの出力信号に基づいて決定する。これにより、上記レベルシフタ回路におけるレベルシフト動作の停止期間を適切に設定することができ、上記レベルシフタ回路および駆動回路における消費電力を低減できる。
また、上記レベルシフタ制御回路は、上記データ信号線駆動回路に備えられる、上記抽出した各データ信号を出力するデータ信号線を順次選択するための選択手段からの出力信号のうち、最初のデータ信号線を選択する出力信号と、最後のデータ信号線を選択する出力信号とに基づいて、上記特定期間を決定する構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記レベルシフタ回路におけるレベルシフト動作の停止期間を、より長く取ることができる。したがって、上記レベルシフタ回路および駆動回路における消費電力をより効果的に削減できる。
また、上記レベルシフタ制御回路は、上記データ信号線駆動回路に備えられる、上記抽出した各データ信号を出力するデータ信号線を順次選択するための選択手段であって、上記データ信号線を順次選択する方向を2方向に切り替える選択手段からの出力信号のうち、最初のデータ信号線を選択する出力信号と、最後のデータ信号線を選択する出力信号とに基づいて、上記特定期間を決定する構成であってもよい。
上記の構成によれば、上記選択手段がデータ信号線を選択する方向を2方向に切り替える双方向選択手段の場合でも、上記レベルシフタ回路におけるレベルシフト動作の停止期間を、適切に設定することができ、上記レベルシフタ回路および駆動回路における消費電力を効果的に削減できる。
また、上記レベルシフタ制御回路は、上記データ信号線駆動回路に備えられる、複数のデータ信号のそれぞれを、当該各データ信号の入力線の数より多いデータ信号線に順次振り分ける振分手段からの出力信号のうち、上記振り分けられる各データ信号の最初のデータ信号線への出力信号と、最後のデータ信号線への出力信号とに基づいて、上記特定期間を決定する構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記レベルシフタ回路におけるレベルシフト動作の停止期間を、より長く取ることができる。したがって、上記レベルシフタ回路および駆動回路における消費電力をより効果的に削減できる。
本発明の表示装置は、上記したいずれかの駆動回路を備えている。これにより、消費電力の低い表示装置を実現できる。
また、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。