JP4498834B2 - 車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法 - Google Patents

車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4498834B2
JP4498834B2 JP2004183396A JP2004183396A JP4498834B2 JP 4498834 B2 JP4498834 B2 JP 4498834B2 JP 2004183396 A JP2004183396 A JP 2004183396A JP 2004183396 A JP2004183396 A JP 2004183396A JP 4498834 B2 JP4498834 B2 JP 4498834B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hinge
welding
rib
welded portion
hinge side
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004183396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005035534A (ja
Inventor
和美 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Kansei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Calsonic Kansei Corp filed Critical Calsonic Kansei Corp
Priority to JP2004183396A priority Critical patent/JP4498834B2/ja
Publication of JP2005035534A publication Critical patent/JP2005035534A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4498834B2 publication Critical patent/JP4498834B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air Bags (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

この発明は、車両用エアバッグ装置の溶着部構造製造方法に関するものである。
自動車などの車両には、緊急時の安全手段としてエアバッグ装置を備えたものがある。上記エアバッグ装置は、車体に所定値以上の衝撃力が加わったときに、インストルメントパネルなどの内部に配設されたハウジングに折り畳んで収納されているエアバッグ本体が、インフレータからの圧力気体の供給によって車室内乗員側へ膨出して、所定位置に着座している乗員を受け止めてインストルメントパネルなどに衝突しないように保護するものである。
そして、上記エアバッグ本体は、膨出時に、インストルメントパネルなどに形成された脆弱線によって不動・固定部分と区画されているエアバッグリッドを押圧し、脆弱線を破断することによりエアバッグリッドを開成すると共に膨出開口を形成し、この膨出開口から車室内乗員側へ膨出されるようになっている。
このようなエアバッグ装置では、エアバッグリッドの開成を補助するため、エアバッグリッドの裏面に補強用ドアを設けることが行われている。
そして、エアバッグリッドに対する補強用ドアの取付けは、例えば、エアバッグリッドの裏面から突出した溶着リブを補強用ドアに形成した孔へ通して熱かしめなどで溶着することによって行われていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−315605号公報
しかしながら、エアバッグリッドの裏面から突出した溶着リブを補強用ドアに形成した孔へ通して熱かしめなどで溶着することにより、エアバッグリッドに補強用ドアを取付けた場合、溶着の仕方によって得られる溶着部の強度に違いが生じることがわかってきた。
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、樹脂製インストルメントパネルに脆弱線によって区画されたエアバッグリッドと、該エアバッグリッドの裏面に当接配置される補強用ドアとを備え、前記エアバッグリッドと補強用ドアとが、エアバッグリッドの裏面から突出した溶着リブを補強用ドアに形成した孔へ通して溶着し溶着部を形成することによって取付けられると共に、前記エアバッグリッドと補強用ドアとが、ヒンジを中心に開成される車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法において、前記溶着リブが、ヒンジの側からヒンジとは反対側へ延びる縦長リブ状とされると共に、前記補強用ドアの前記溶着リブを取付けるための前記孔が、前記溶着リブの延設方向へ延びるスリット状とされ、前記溶着部のヒンジ側の端部が、前記溶着リブのヒンジ側の端部よりも、前記孔のヒンジ側の端部とは反対側に位置することにより、前記溶着リブのヒンジ側の端部に対して、前記溶着部のヒンジ側の端部が前記孔のヒンジ側の端部の側へオーバーハングしないように熱溶着る車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法を特徴としている。
請求項2に記載された発明では、前記溶着リブが、一定の高さで前記延設方向に連続する完全部を有し、溶着リブの完全部の前記延設方向の長さの5〜30%分だけ、溶着部のヒンジ側の端部を、溶着リブのヒンジ側の端部よりも、前記溶着リブの延設方向の中央寄りに位置させることを特徴とする請求項1記載の車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法を特徴としている。
請求項3に記載された発明では、溶着部のヒンジ側の端部を、溶着リブのヒンジ側の端部よりも1mm〜3mm、前記溶着リブの延設方向の中央寄りに位置させることを特徴とする請求項1記載の車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法を特徴としている。
請求項4に記載された発明では、前記溶着リブを溶着する面に、前記溶着部を形成する凹部を有する溶着装置を、前記凹部のヒンジ側の縦壁部分が、溶着リブのヒンジ側の端部に対して前記孔のヒンジ側の端部とは反対側に位置するよう位置を調整して使用することにより、溶着部のヒンジ側の端部を溶着リブのヒンジ側の端部よりも前記孔のヒンジ側の端部とは反対側に位置させると共に、前記溶着リブのヒンジ側の端部に対して、前記溶着部のヒンジ側の端部が前記孔のヒンジ側の端部の側へオーバーハングしないようにすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法
以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、前記溶着部のヒンジ側の端部が、前記溶着リブのヒンジ側の端部よりも、前記孔のヒンジ側の端部とは反対側に位置することにより、前記溶着リブのヒンジ側の端部に対して、前記溶着部のヒンジ側の端部が前記孔のヒンジ側の端部の側へオーバーハングしないように熱溶着ることにより、溶着部のヒンジ側の端部がオーバーハングして補強用ドアの孔の周囲の強度の高い部分に係止されるようなことが防止される。これにより、溶着部のオーバーハング部分に対する力の集中や、補強用ドアの強度の高い部分から溶着部の端部へ力が直接的に入力されることなどが防止されるので、溶着部は高い強度が得られ、エアバッグ展開時における溶着部の破損を有効に防止することができる。特に、前記溶着部のヒンジ側の端部を、溶着前の前記溶着リブのヒンジ側の端部よりも、前記孔のヒンジ側の端部とは反対側に位置させることにより、エアバッグリッドの開成初期において溶着部に作用する引剥がし力に対して強い構造とすることができる。
請求項2の発明によれば、前記溶着リブが、一定の高さで前記延設方向に連続する完全部を有し、溶着リブの完全部の前記延設方向の長さの5〜30%分だけ、溶着部のヒンジ側の端部を、溶着リブのヒンジ側の端部よりも、前記溶着リブの延設方向の中央寄りに位置させることにより、溶着部の容積減少を最小限に抑えつつ溶着部の強度が高くなる領域を有効利用することができる。
請求項3の発明によれば、溶着部のヒンジ側の端部を、溶着リブのヒンジ側の端部よりも1mm〜3mm、前記溶着リブの延設方向の中央寄りに位置させることにより、エアバッグ本体の展開初期にエアバッグリッドと補強用ドアとの間に作用する引剥がし力による溶着部の破損を有効に防止することができる。
請求項4の発明によれば、前記溶着リブを溶着する面に、前記溶着部を形成する凹部を有する溶着装置を、前記凹部のヒンジ側の縦壁部分が、溶着リブのヒンジ側の端部に対して前記孔のヒンジ側の端部とは反対側に位置するよう位置を調整して使用することにより、溶着部のヒンジ側の端部を溶着リブのヒンジ側の端部よりも前記孔のヒンジ側の端部とは反対側に位置させると共に、前記溶着リブのヒンジ側の端部に対して、前記溶着部のヒンジ側の端部が前記孔のヒンジ側の端部の側へオーバーハングしないようにすることによって、設備を変更せずに溶着部の強度を上げることができる、という実用上有益な効果を発揮し得る。
エアバッグ展開時における溶着部の破損を有効に防止することができるようにするとい
う目的を、主に、溶着部のヒンジ側の端部が、溶着リブのヒンジ側の端部よりも、補強用ドアの溶着リブを取付けるための孔のヒンジ側の端部とは反対側に位置することにより、溶着リブのヒンジ側の端部に対して、溶着部のヒンジ側の端部が孔のヒンジ側の端部の側へオーバーハングしないように熱溶着するという手段で実現した。
以下、本発明を具体化した実施例について、図示例と共に説明する。
図1〜図8は、この発明の実施例を示すものである。
まず、構成を説明すると、自動車などの車両には、緊急時の安全手段として、図1に示すようなエアバッグ装置1を備えたものがある。このエアバッグ装置1は、自動車のフロントウインドウガラスの下方に位置する助手席側のインストルメントパネル2の部分に設けられる。なお、上記インストルメントパネル2は樹脂でできており、しかも、芯材のみによって形成されたハードパネルとなっている。また、インストルメントパネル2は、運転席から助手席まで達する大きさのものが一般的であるが、その他に、助手席部分のみの部分インストルメントパネルも存在する。以下、インストルメントパネル2には、部分インストルメントパネルをも含むものとする。
この樹脂製のインストルメントパネル2に対して、車幅方向へ長く延びる平面視略コ字状またはロ字状の脆弱線3を形成し、この脆弱線3によって、インストルメントパネル2を不動・固定部分4とエアバッグリッド5とに区画する。このエアバッグリッド5は、エアバッグ本体6の展開時に、コ字状またはロ字状の脆弱線3の破断により不動・固定部分4に対して開成され、エアバッグ本体6の膨出開口を形成するものである。なお、脆弱線3はインストルメントパネル2の裏面側に形成し、表面側からはエアバッグリッド5が分からないように構成する。
そして、インストルメントパネル2の不動・固定部分4の裏面におけるエアバッグリッド5が開成して成る膨出開口の周縁部に対し補強部材7が取付けられる。なお、脆弱線3をコ字状とした場合には、エアバッグリッド5はコ字の未連結部分がヒンジとなって開成され膨出開口を形成することとなる。これに対し、脆弱線3をロ字状とした場合には、エアバッグリッド5は明確なヒンジを有さずにそのままロ字状に抜けることとなる。
また、エアバッグリッド5の裏面には、図2に示すような補強用ドア8が取付けられる。この補強用ドア8は、エアバッグリッド5の裏面に位置するドア本体部9と、エアバッグリッド5の周りに設けられた補強部材7に取付けられる取付部10と、ドア本体部9と取付部10との間に設けられたヒンジ部11とを有している。補強用ドア8は補強部材7とは別体に構成されている。なお、ドア本体部9周縁部の少なくとも一部を補強部材7の上に重ねてドア本体部9を補強部材7に支持させることにより、エアバッグリッド5のベコ付きを防止するようにしても良い(図1では、ヒンジ部11とは反対側の縁部が補強部材7に支持された状態が示されている)。ヒンジ部11はエアバッグリッド5開成の際のヒンジとして設けられる。
ここで、エアバッグリッド5の裏面からは互いに近接した平行な対の溶着リブ15が複数組突出されている(図3参照)。また、補強用ドア8のドア本体部9には溶着リブ15を通す対の孔16(図2参照)が複数組形成されている。そして、溶着リブ15を孔16へ通して熱かしめなどで溶着することによって、エアバッグリッド5の裏面に補強用ドア8が取付けられる(図4、図5参照)。
なお、溶着リブ15は、ヒンジ(ヒンジ部11、以下同様)の側からヒンジとは反対側へ向けて(この場合には、車両前後方向17となっている)所要の長さだけ延設された縦長リブ状を呈している。そして、溶着リブ15は、エアバッグリッド5の裏面と略平行な所定の、延設方向(この場合には、車両前後方向17となっている)に連続した一定高さを有する完全部15aと、この完全部15aよりも高さが低くなった不完全部15bとを有している。この不完全部15bは、型抜きの都合などによって完全部15aが作れない部分に設けられる。通常、完全部15aはヒンジ部11の側に形成されて、開成初期にエアバッグリッド5とドア本体部9との間に発生する引剥がし力を受ける。また、不完全部15bはヒンジ部11とは反対側に形成されて、開成後期にエアバッグリッド5とドア本体部9との間に遠心力よって発生する剪断力(引裂力)を受ける。この不完全部15bは完全部15aから徐々に高さが低減するように傾斜して形成される。例えば、エアバッグリッド5の厚さは2.0mm〜5.0mm、溶着リブ15の根元の厚さは1.0mm〜3.0mm、エアバッグリッド5の裏面に対する不完全部15bの傾斜角度は10゜〜40゜、完全部15aと不完全部15bとの長さの比は、1:2以上などとされる。また、孔16は、溶着リブ15の延設方向へ所要の長さだけ延設されたスリット状を呈している。そして、熱かしめの際には、対の溶着リブ15は図4に示すような振動溶着装置などの溶着装置40により溶かされて、図5に示すような溶着部41となる。ここで、溶着装置40は、図4に示すように、溶着リブ15を溶着する面に、溶着部41を形成する凹部を有している。また、溶着部41は、溶着リブ15よりも、上記した延設方向の長さが短くなるように構成されている。
同様に、不動・固定部分4の裏面からは対の溶着リブ18が複数組突出されている。また、補強部材7には溶着リブ18を通す図示しない対の孔が複数組形成されている。そして、溶着リブ18を孔へ通して熱かしめなどで溶着することによって、不動・固定部分4の裏面に補強部材7が取付けられる。溶着リブ18の熱かしめには、図4と同様の振動溶着装置などの溶着装置40を用いる。
なお、図1に示すように、補強部材7の脆弱線3周りには、枠状の脚部20が形成されている。そして、この脚部20に補強用ドア8の取付部10がスポット溶接などにより固定されている。取付部10は、脚部20の車両前後方向17前側部分に取付けられている。
また、補強用ドア8のドア本体部9には、図2に示すような縦ビード21と横ビード22,23とが適宜設けられている。
更に、図1に示すように、エアバッグ装置1は、補強部材7の脚部20に形成されたフック係止孔に対して挿入・係止可能なリッド取付フック25を有するエアバッグモジュール26を備えている。このように、補強部材7の脚部20に対しリッド取付フック25を介してエアバッグモジュール26を取付けることにより、エアバッグ本体6展開時の反力をインストルメントパネル2へ直接的に入力させないようにしている。
このエアバッグモジュール26は、圧力気体を噴出する筒状のインフレータ27を収容可能なインフレータ収容部28を備えている。このインフレータ収容部28は、ステアリングサポートメンバなどの図示しない車体側メンバへボルトなどの締結部材29を用いて締結固定される。
更に、エアバッグモジュール26は、インフレータ27から噴出された圧力気体によって膨張・展開されるエアバッグ本体6を折り畳んだ状態で収納させるエアバッグ本体収納部30を備えている。
そして、この実施例のものでは、図6に示すように、溶着リブ15の溶着後に溶けた溶着リブ15によって形成される溶着部41の端部41aが、溶着前の溶着リブ15の端部15cよりも、内側(溶着リブ15の延設方向の中央寄り、または、補強用ドア8の溶着リブ15を取付けるための孔16の同じ側の端部とは反対側、以下、同様)に位置するように熱溶着される。また、上記溶着リブ15の端部に対して、溶着部41の同じ側の端部41aが孔16の同じ側の端部の側へオーバーハングしないように熱溶着される。
この際、溶着リブ15の完全部15aの上記した延設方向の長さの5〜30%程度分だけ、溶着部41の端部41aが、溶着リブ15の同じ側の端部よりも内側へ位置されるようにする(A寸法)。
より具体的には、例えば、溶着リブ15の完全部15aの長さを略10mmとした場合に、溶着部41の端部41aを、溶着リブ15の同じ側の端部15cよりも1mm〜3mm程度内側へ位置させるようにする。
特に、溶着部41における、エアバッグリッド5の開成中心となるヒンジ(ヒンジ部11)側の端部41aが、溶着リブ15のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部15cよりも内側へ位置されるようにする。
そのために、上記したような、溶着リブ15を溶着する面に、溶着部41を形成する凹部を有する溶着装置40を、上記した凹部のヒンジ(ヒンジ部11)側の縦壁部分が、溶着リブ15のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部15cに対して、補強用ドア8の溶着リブ15を取付けるための孔16のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部とは反対側に位置するよう位置を調整して(ズラせて)使用することにより、溶着部41のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部41aが溶着リブ15のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部15cよりも上記した孔16のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部とは反対側に位置されると共に、上記溶着リブ15のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部15cに対し、溶着部41のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部41aが孔16のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部の側へオーバーハングしないようにして、溶着部41を形成する。
次に、この実施例の作用について説明する。
インフレータ27が作動すると、このインフレータ27から圧力気体が噴出されエアバッグ本体6内へと圧力気体が導入される。
エアバッグ本体6は、この圧力気体の導入に伴って膨張し、この膨張の圧力により、コ字状またはロ字状の脆弱線3が破断され、不動・固定部分4に対しエアバッグリッド5が開成されて膨出開口が形成されると同時に、この膨出開口からエアバッグ本体6が、車体斜め後方(車室内乗員側)へ向かって膨出する。これによって、エアバッグ本体6は定位置に着座している助手席側の乗員の頭部等を受け止め、頭部等がインストルメントパネル2などに当接しないように保護する。
この実施例によれば、溶着リブ15の溶着後に溶けた溶着リブ15によって形成される溶着部41の端部41aが、溶着前の溶着リブ15の同じ側の端部15cよりも、補強用ドア8の溶着リブ15を取付けるための孔16の同じ側の端部とは反対側に位置すると共に、溶着リブ15の同じ側の端部15cに対して、溶着部41の同じ側の端部41aが孔16の同じ側の端部の側へオーバーハングしないように熱溶着したことにより、外側(溶着リブ15の延設方向の外方)へ位置させた図7の場合のように、溶着部41の端部41aがオーバーハングして補強用ドア8の孔16の周囲の強度の高い部分に係止されるようなことが防止される。これにより、溶着部41のオーバーハング部分に対する力の集中や、補強用ドア8の強度の高い部分から溶着部41の端部41aへ力が直接的に入力されることなどが防止されるので、溶着部41は高い強度が得られ、エアバッグ展開時における溶着部41の破損を有効に防止することができる。
この際、溶着リブ15の完全部15aの上記した延設方向の長さの5〜30%程度、好ましくは、10〜30%程度分だけ、溶着部41の端部41aを、溶着リブ15の同じ側の端部よりも内側へ位置させることにより、溶着部41の容積減少を最小限に抑えつつ溶着部41の強度が高くなる領域を有効利用することができる。
例えば、溶着リブ15の完全部15aの長さを略10mmとした場合に、溶着部41の端部41aを、溶着リブ15の同じ側の端部15cよりも1mm(10%)〜3mm(30%)程度内側へ位置させることにより、エアバッグ本体6の展開初期にエアバッグリッド5と補強用ドア8との間に作用する引剥がし力による溶着部41の破損を有効に防止することができる。ここで、下限値を5%の0.5mmではなく、10%の1mmとしたのは、製作誤差によって0.5mmを出すのが困難だからである。
特に、溶着部41における、エアバッグリッド5の開成中心となるヒンジ側(ヒンジ部11)の端部41aを、溶着リブ15のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部15cよりも内側(溶着リブ15の延設方向の中央寄り、または、孔16のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部とは反対側)へ位置させることにより、エアバッグリッド5の開成初期において溶着部41に作用する引剥がし力に対して強い構造とすることができる。
即ち、図8に示すように、溶着リブ15のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部15cに対し溶着部41のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部41aの位置を溶着リブ15の延設方向に変位させた(ズラせた)場合における、溶着部41のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部41aの引き剥がし強度(開成初期に影響)を測定した結果、引き剥がし強度は、ヒンジ(ヒンジ部11)側の端部41aが外側(溶着リブ15の延設方向の外方)に位置する程低く、内側へ向かうに従って高くなり、内側に完全部15aの長さの略10%行った位置で最大値となり、それ以降は安定した値となることが確認された。
一方、図8に示すように、溶着リブ15のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部15cに対し溶着部41のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部41aの位置を溶着リブ15の延設方向に変位させた(ズラせた)場合における、溶着部41のヒンジ(ヒンジ部11)とは反対側の端部の引裂強度(開成後期に影響)を測定した結果、引裂強度は、ヒンジ(ヒンジ部11)側の端部41aが内側に位置する程低く、外側(溶着リブ15の延設方向の外方)へ向かうに従って高くなり、内側に完全部15aの長さの略30%行った位置で最大値となり、それ以降は安定した値となることが確認された。
以上を総合すると、溶着リブ15のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部15cに対し溶着部41のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部41aを、完全部15aの上記した延設方向の長さの10%〜30%内側へ位置させることが高い引き剥がし強度と高い引裂強度とを両立する上で最も好ましいことが確認された。なお、溶着リブ15のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部15cに対し溶着部41のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部41aを、完全部15aの上記した延設方向の長さの5%〜10%内側へ位置させた場合も、溶着部41のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部41aと孔16のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部との干渉の心配がなく、且つ、最大値ではないもののある程度高い引き剥がし強度が得られているので、実用できる範囲であると認められる。よって、これらを合せて上記の5〜30%程度内側の位置という範囲が得られる。しかも、上記範囲とすることは、溶着リブ15の完全部15aに対応する溶着部41の部分の容積減少を抑えて、溶着部41の総合的な保持力を確保する上でも重要である。
上記を達成する際に、上記したような、溶着リブ15を溶着する面に、溶着部41を形成する凹部を有する溶着装置40を、上記した凹部のヒンジ(ヒンジ部11)側の縦壁部分が、溶着リブ15のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部15cに対して、補強用ドア8の溶着リブ15を取付けるための孔16のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部とは反対側に位置するよう位置を調整して(ズラせて)使用し、溶着部41のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部41aが溶着リブ15のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部15cよりも内側(溶着リブ15の延設方向の中央寄り、または、孔16のヒンジ側(ヒンジ部11)の端部とは反対側)に位置されると共に、溶着リブ15のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部15cに対して、溶着部41のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部41aが孔16のヒンジ(ヒンジ部11)側の端部の側へオーバーハングしないようにすることにより、設備を変更せずに溶着部41の強度を上げることができる。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。
本発明の実施例にかかるエアバッグ装置の側方断面図である。 図1の補強用ドアの平面図である。 図1の溶着リブの斜視図である。 溶着リブを溶着する状態を示す側面図である。 溶着後の溶着部の斜視図である。 溶着リブと溶着部とを対比する側面図である。 溶着リブの端部に対し溶着部の端部が外側へ位置した状態を示す側面図である。 溶着リブの端部に対する溶着部の端部の位置と、引き剥がし強度および引裂強度との関係を示すグラフである。
符号の説明
2 インストルメントパネル
3 脆弱線
5 エアバッグリッド
8 補強用ドア
11 ヒンジ部
15 溶着リブ
15a 完全部
15c 端部
16 孔
40 溶着装置
41 溶着部
41a 端部

Claims (4)

  1. 樹脂製インストルメントパネルに脆弱線によって区画されたエアバッグリッドと、
    該エアバッグリッドの裏面に当接配置される補強用ドアとを備え、
    前記エアバッグリッドと補強用ドアとが、エアバッグリッドの裏面から突出した溶着リブを補強用ドアに形成した孔へ通して溶着し溶着部を形成することによって取付けられると共に、前記エアバッグリッドと補強用ドアとが、ヒンジを中心に開成される車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法において、
    前記溶着リブが、ヒンジの側からヒンジとは反対側へ延びる縦長リブ状とされると共に、前記補強用ドアの前記溶着リブを取付けるための前記孔が、前記溶着リブの延設方向へ延びるスリット状とされ、
    前記溶着部のヒンジ側の端部が、前記溶着リブのヒンジ側の端部よりも、前記孔のヒンジ側の端部とは反対側に位置することにより、前記溶着リブのヒンジ側の端部に対して、前記溶着部のヒンジ側の端部が前記孔のヒンジ側の端部の側へオーバーハングしないように熱溶着することを特徴とする車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法。
  2. 前記溶着リブが、一定の高さで前記延設方向に連続する完全部を有し、
    溶着リブの完全部の前記延設方向の長さの5〜30%分だけ、溶着部のヒンジ側の端部を、溶着リブのヒンジ側の端部よりも、前記溶着リブの延設方向の中央寄りに位置させることを特徴とする請求項1記載の車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法。
  3. 溶着部のヒンジ側の端部を、溶着リブのヒンジ側の端部よりも1mm〜3mm、前記溶着リブの延設方向の中央寄りに位置させることを特徴とする請求項1記載の車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法。
  4. 前記溶着リブを溶着する面に、前記溶着部を形成する凹部を有する溶着装置を、前記凹部のヒンジ側の縦壁部分が、溶着リブのヒンジ側の端部に対して前記孔のヒンジ側の端部とは反対側に位置するよう位置を調整して使用することにより、溶着部のヒンジ側の端部を溶着リブのヒンジ側の端部よりも前記孔のヒンジ側の端部とは反対側に位置させると共に、前記溶着リブのヒンジ側の端部に対して、前記溶着部のヒンジ側の端部が前記孔のヒンジ側の端部の側へオーバーハングしないようにすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法。
JP2004183396A 2003-06-25 2004-06-22 車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法 Expired - Fee Related JP4498834B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004183396A JP4498834B2 (ja) 2003-06-25 2004-06-22 車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003180616 2003-06-25
JP2004183396A JP4498834B2 (ja) 2003-06-25 2004-06-22 車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005035534A JP2005035534A (ja) 2005-02-10
JP4498834B2 true JP4498834B2 (ja) 2010-07-07

Family

ID=34220226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004183396A Expired - Fee Related JP4498834B2 (ja) 2003-06-25 2004-06-22 車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4498834B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001122071A (ja) * 1999-10-29 2001-05-08 Calsonic Kansei Corp 車両用エアバッグリッド部構造
JP2001277978A (ja) * 2000-01-28 2001-10-10 Sanko Gosei Ltd 自動車用エアーバッグ装置における補強板材の構造
JP2002145000A (ja) * 2000-11-15 2002-05-22 Inoac Corp エアバッグドアの開裂構造
JP2002166810A (ja) * 2000-11-29 2002-06-11 Honda Motor Co Ltd エアバッグ展開用弱化線部を有する車両用内装材
JP2003112595A (ja) * 2001-10-03 2003-04-15 Nishikawa Kasei Co Ltd エアバッグドアを備えた自動車用内装品
JP2004058391A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Toyota Motor Corp 熱かしめ構造体及び熱かしめ接合方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001122071A (ja) * 1999-10-29 2001-05-08 Calsonic Kansei Corp 車両用エアバッグリッド部構造
JP2001277978A (ja) * 2000-01-28 2001-10-10 Sanko Gosei Ltd 自動車用エアーバッグ装置における補強板材の構造
JP2002145000A (ja) * 2000-11-15 2002-05-22 Inoac Corp エアバッグドアの開裂構造
JP2002166810A (ja) * 2000-11-29 2002-06-11 Honda Motor Co Ltd エアバッグ展開用弱化線部を有する車両用内装材
JP2003112595A (ja) * 2001-10-03 2003-04-15 Nishikawa Kasei Co Ltd エアバッグドアを備えた自動車用内装品
JP2004058391A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Toyota Motor Corp 熱かしめ構造体及び熱かしめ接合方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005035534A (ja) 2005-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102069188B1 (ko) 커튼 에어백 장치의 탑재 구조 및 커튼 에어백의 전개 방법
JP4463700B2 (ja) 車両用シート
KR100209052B1 (ko) 에어백 수납 유닛 및 그 제조 방법
JP2010149856A (ja) 車両用サイドエアバックの固定ブラケット
JP4446901B2 (ja) エアバッグ装置のカバー及びエアバッグ装置
JP2001122072A (ja) エアバッグ装置及びそのケース
JP2006051907A (ja) 車両のエアバッグ装置
JP2006205889A5 (ja)
US6860505B2 (en) Airbag device for use in a vehicle
JP2003137054A (ja) エアバッグドアのインサート部材
JP2010247800A (ja) 後席用サイドエアバッグ装置
JP3923004B2 (ja) エアバッグ装置のカバー体
JP2007091024A (ja) エアバッグドア部付き車両用内装品
JP2005059649A (ja) 自動車の車体構造
JP2001063503A (ja) エアバッグ装置及びそのケース
JP4498834B2 (ja) 車両用エアバッグ装置の溶着部構造の製造方法
JP2001206180A (ja) 自動車用エアーバッグ装置
JP2002193060A (ja) 自動車用エアーバッグ装置
JP2007145173A (ja) エアバッグ装置用ドア枠、内装パネルアッセンブリ及びエアバッグ装置
JP2009248610A (ja) エアバッグドア支持構造
JP2005088621A (ja) 車両用エアバッグ装置の溶着部構造
JP3234564B2 (ja) 頭部保護エアバッグ装置の組付方法
JP2000326813A (ja) エアバッグ装置
JP3946627B2 (ja) 車両用エアバッグ装置
JP2005178595A (ja) 車両用エアバッグ取付構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090428

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090714

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090910

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091013

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100119

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100413

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100414

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140423

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees