JP4497398B2 - 空気調和機のプラグファン室 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和機の送風機、特に、二枚の回転円板に回転中心から外側に向かう複数の翼部を配置して遠心力を用いて送風するプラグファン室の技術分野に属する。
従来より、空気調和機の送風機は、二枚の回転円板に回転中心から外側に向かう複数の翼部を配置し、翼部と空気の遠心力を用いて送風するプラグファンが知られており、送風出力が大きく騒音も少ないのでクリーンルーム等の多くの空気調和機に設置されており(例えば、特許文献1)、プラグファンの特徴は、シロッコファン等とは異なり翼の湾曲方向がファン回転方向とは反対であり、外周側が広く開放されていることである。
ところで、これら空気調和機のプラグファンは、外周円の周りの空気が吐き出されるが、外周にはそれを覆うように大きなチャンバーを設けて、更に方向を変えて空気をダクトや室内に供給していた。
また、プラグファンの風量と静圧は、プラグファンの回転数とランナの直径と幅によって決まるが、同一のプラグファンで駆動モータの回転が一定の場合は、プラグファンの風量と静圧との調整を別途設けた風量調整ダンパ等で要求風量まで絞る方法を用いていた。
なお、空気調和機のプラグファンは、通常、チャンバー内に設置するため、プラグファン自体に断熱手段や防音手段を設ける必要がなかった。
特開平9−137979号公報
本発明は、空気調和機のプラグファンにおいても、前述したように従来のような大きなチャンバーを設けなくとも、コンパクトなファン室で一定方向の風量を得、かつ、必要とする風量をコンパクトなファン室内のダンパで得ることができる空気調和機のプラグファンを提供するものである。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、空気調和機のプラグファン室において、プラグファン室は直方体の形状であり、該直方体の前側面には円形の空気が流入する固定開口部を設け、該前側面に対向する後側面の外部にはファン駆動モータを取り付けたプラグファンを内蔵するファン室において、前記直方体の壁面には断熱材を設け、平坦な底面にはファン室を固定する架台を設けるとともに、前記の対向する前後側面と直交する側面の内部にはプラグファンの送風口が位置し、該送風口には送風案内部材を設け、該送風案内部材は風量調整が可能なU字状ダンパであって、該U字状ダンパは柔軟な板状部材からなり、該板状体の両端は前記プラグファン室の直方体の上面の開口調整手段の移動部材に連結しているとともに、前記プラグファンの送風口の半周以上に対向するようにU字状に吊り下げられ、該開口調整手段によって板状部材の両端により形成される開口面積が可変となることを特徴とする。
本発明は、前記のような構成であるので、空気調和機のプラグファンにおいても、大きなチャンバーを設けなくとも、コンパクトなファン室で一定方向の風量を得、かつ、ファン室内のダンパで必要とする風量を得ることができるという効果が得られ、更に、ファン室となる直方体の壁面を断熱材や防音材としたので、特に、断熱材のある枠体内に設ける必要が無く外部に露出してもよく、ファン室を直方体として平坦な底面にはファン室を固定する架台を設けるので、プラグファンの設置が容易になるという効果が得られる。
また、送風案内部材として、渦巻状ダンパやU字状ダンパを用いた場合は、送風が整流作用などにより、送風効率の向上が計れるという効果が得られる。
本発明は、空気調和機のプラグファンに専用のコンパクトな直方体のファン室を設け、ファン室内にプラグファンに隣接して送風案内部材を設け、ファン室を断熱材で覆うことが本発明の特徴であり、更に、送風案内部材を風量調整機能付きの渦巻状ダンパやU字状ダンパとして送風効率を向上させ、かつ、コンパクトにしたものである。
以下、本発明をプラグファン(送風機)に用いた好適な実施例を図面に沿って説明する。
図1は、本実施例のプラグファン室1の直方体2の側面からの断面図であり、直方体2の前側面21には円形の空気が流入するベルマウス状の固定開口部3を設け、ファン室1のほぼ中央にはプラグファン4が駆動モータ5に直結されて設けられ、この駆動モータ5は前側面21の対向する後側面22の外部であって強固な台形の駆動モータ取付架台51に取り付けられている。
固定開口部3は、直方体2の前から空気を吸い込み、プラグファン4の回転中心の空洞部44に導くもので、前側面21に固定されている。このプラグファン4は、ランナとなる二枚の上円形外枠41と下円形外枠42から構成され、この二枚の上下円形外枠41,42の間には複数のブレード43が固着され、固定開口部3に続く中心空洞部44の周りに回転中心から外側に向かうように、ブレード43の複数枚が円周上に等間隔に配置してあり、空気自体の遠心力によって、側面の送風口45から円周方向に放出される。
前述した対向する前後側面21,22に直交する右側面23と左側面24の内部にはプラグファン4の送風口45が位置し、これに対向するように送風案内部材6を設けるが、本実施例では送風案内部材6として、送風量調整が可能な渦巻状ダンパ6を用いている。
この渦巻状ダンパ6の端部は、直方体2の上面のほぼ半分の位置には前後側面21,22に掛け渡すように固定枠25が設けられ、板状部材6aの渦巻状ダンパ6の固定端部61を接続部材611を介して固定されている。
この固定枠25を基点として次第に送風口45から離れるような板状部材6aの渦巻状ダンパ6が設けられ、この渦巻状ダンパ6は、図2に示すように、プラグファン4の送風口45をほぼ一周して直方体2の上面のほぼ半分の面積で開口Aする。
開口近傍の渦巻状ダンパ6の板状部材は固定枠25から直方体2の底部26(図4(b)のBの範囲)に亘っては固定であるが、直方体2の底部26から開口A(図4(b)のCの範囲)に亘って柔軟部材、例えばステンレス板であって、前記開口Aに設けた開口調整手段7によって開口面積が可変となるように構成されている。
この開口調整手段7は、板状部材6aの渦巻状ダンパ6の底部26から開口Aに亘って柔軟なステンレス板の移動端部62が設けられ、この移動端部62にダンパの幅の長さの枠部材63をボルト・ナット712によって固着し、枠部材63の中央部には回動軸7111を中心にして回動する蝶番711を介してナット部71が揺動自在に設けられ、一方、固定枠25の軸受251と開口Aを横切って側面23に亘ってネジを設けた回転可能な調整ネジ棒72が設けられ、この調整ネジ棒72にナット部71が係合し、調整ネジ棒72の側面25の外部の端部にはハンドル73が設けられ、ハンドル73を回動することによって調整ネジ棒72が回動し、係合するナット部71が左右に移動し、ナット部71と固定される渦巻状ダンパ6の移動端部62も左右に移動することによって、開口Aの開口面積が可変となる。
また、ハンドル73の軸受731もなるべく調整ネジ棒72とハンドル73との中心軸が一致するように軸受位置調整部材732を設けて軸受731の位置を調整する。
前記直方体2の側面21,22,23,24と底面26の各壁面には断熱機能と防音機能を有する断熱材を設け、底面26にはチャンバー等に固定する固定枠体261を設けて容易に固定できるようにし、駆動モータ5は側面22の外部の強固な台形の駆動モータ取付架台51に取り付けられていて、直方体2の強度の負担を軽くしている。
上記の構成であるので、その作用は、従来の空気調和機のように大きなチャンバーを設けなくとも、コンパクトなファン室1で一定方向の風量を得、かつ、ファン室1内のダンパで必要とする風量を得ることができ、この際に、可動する渦巻状ダンパ6の板状部材の可動部分は直方体2内に納められていることから、ダンパが側壁に密着していなくとも、送風が外に漏れることなく、全てが開口Aから吹き出されることになり、また、板状部材の渦巻状ダンパ6を設けることで、プラグファンの送風を効率よく導くことができるという作用も有する。
プラグファン4が直方体のファン室に収納され、ファン室が直方体であることから設置が容易となり、このことは、平坦な底面にはファン室を固定する架台を設けることにより更に設置が容易となり、駆動モータ5は側面22の外部の強固な台形の駆動モータ取付架台51に取り付けられ、架台31はチャンバー内や床に固定するので直方体2自体の強度はプラグファンに対応すればよく、プラグファン室自体を軽量にすることができる。
また、プラグファン室1となる直方体2の壁面は、断熱材や防音材としたので、チャンバー自体に断熱材を設ける必要が無く、場合によってはプラグファン室1をチャンバーの外部に露出してもよい。
次に、第2の実施例を図9、図10に沿って説明する。
第2の実施例は、第1の実施例の送風案内部材6を、送風量調整が可能なU字状ダンパ8とし、開口調整手段7を開口調整手段9とした以外の他の構成は実施例1と同じである。
U字状ダンパ8は、板状部材8aでプラグファン4の送風口45の半周以上を、送風口45から間隔を保ってU字条に覆ったもので、U字条の上端の一対の移動端部81が左右に移動して開口部Dを形成して、この上端の開口部Dから送風する。
この開口部Dは、送風量調整が可能なようにその面積が可変になるように開口調整手段9が設けられる。この開口調整手段9は、プラグファン室1において対向する右側面23と左側面24とに軸受23a,24aとを介して調整ネジ棒91を掛け渡し、この調整ネジ棒91は中央からネジの向きが反対に設けられる。
この調整ネジ棒91に係合して一対のナット部92が設けられ、ナット部92に実施例1と同様に、U字状ダンパ8の板状部材8aの端部には、一対の移動端部81が設けられるが、実施例1と同様に、回動軸を中心にして回動する蝶番を介してナット部92に揺動自在に設けられる。
また、調整ネジ棒91の右側面23と左側面24との一方の外側の端部にはハンドル93が設けられ、ハンドル93を回動することによって調整ネジ棒91が回動し、調整ネジ棒91は中央からネジの向きが反対に設けられていることから、係合するナット部92は、開口が狭まる方向、又は、開口が広がる方向に移動し、開口部Dもそれに応じてその開口面積を変えることができる。
この実施例は、単に、U字状ダンパ8の板状部材8aを移動端部81を介して吊るだけの構成であるので、実施例1の作用効果に加えて、更に、極めて簡単な構造となり、安価であり、組み立てや保守が容易となる。
なお、本発明の特徴を損うものでなければ、上記の実施例に限定されるものでないことは勿論である。例えば、送風案内部材を送風量調整が可能な、渦巻状ダンパやU字状ダンパ8としたが、送風量調整を必要としない場合は、固定式の送風案内部材としても良いことは勿論である。
本発明の空気調和機のプラグファンのファン室は、空気調和機に限らず、送風機を用いる同種の機器、例えば、冷凍機等にも適用が可能である。
本発明の第1の実施例のプラグファン室の側断面図である。 図1のa−a線での右側断面図である。 図1のa−a線での左側断面図である。 第1の実施例の渦巻状ダンパと開口調整手段との関係を示す図で、図4(a)は上方からの平面図、図4(b)はその側面図である。 図5(a)は第1の実施例の渦巻状ダンパの板状部材の移動端部、図5(b)は移動端部に取り付ける枠部材の図である。 第1の実施例の渦巻状ダンパと開口調整手段の端部とナット部と蝶番の拡大側面図である。 図6の実施例の蝶番の平面図である。 第1の実施例の主要部の斜視図である。 本発明の第2の実施例のプラグファン室の右側断面図である。 本発明の第2の実施例のプラグファン室の左側断面図である。
符号の説明
1…プラグファン室、
2…直方体、21…前側面、22…後側面、23…右側面、23a…軸受、
24…左側面、24a…軸受、25…固定枠、251…軸受け、26…底部、
3…固定開口部、
4…プラグファン、41…上円形外枠、42…下円形外枠、43…ブレード、
44…空洞部、45…送風口、
5…駆動モータ、51…駆動モータ取付架台、
6…送風案内部材(渦巻状ダンパ)、61…固定端部、611…接続部材、
62…移動端部、63…枠部材
7…開口調整手段、71…ナット部、711…蝶番、7111…回動軸、
712…ボルト・ナット、72…調整ネジ棒、73…ハンドル、731…軸受け、
732…軸受位置調整部材、
8…送風案内部材(U字状ダンパ)、81…移動端部、
9…開口調整手段、91…調整ネジ棒、92…ナット部、93…ハンドル、

Claims (1)

  1. プラグファン室は直方体の形状であり、該直方体の前側面には円形の空気が流入する固定開口部を設け、該前側面に対向する後側面の外部にはファン駆動モータを取り付けたプラグファンを内蔵するファン室において、前記直方体の壁面には断熱材を設け、平坦な底面にはファン室を固定する架台を設けるとともに、前記の対向する前後側面と直交する側面の内部にはプラグファンの送風口が位置し、該送風口には送風案内部材を設け、
    該送風案内部材は風量調整が可能なU字状ダンパであって、該U字状ダンパは柔軟な板状部材からなり、該板状体の両端は前記プラグファン室の直方体の上面の開口調整手段の移動部材に連結しているとともに、前記プラグファンの送風口の半周以上に対向するようにU字状に吊り下げられ、該開口調整手段によって板状部材の両端により形成される開口面積が可変となることを特徴とする空気調和機のプラグファン室。
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