以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明に係る遊技機であるスロットマシン1を図1および図2に示しており、まず、スロットマシン1の全体構成について図1および図2を参照しながら要約説明する。スロットマシン1は、前面側に開口を有する箱状の筐体2と、この開口を開閉自在に覆って取り付けられるフロントドア3とから構成される。フロントドア3は、筐体2およびフロントドア3の左側縁に跨って配設された上下のヒンジ機構(図示せず)により横開き開閉可能に取り付けられ、常には右側縁に設けられた施錠装置4を利用して筐体2に閉鎖施錠された状態で保持される。
筐体2の内部には、図2に示すように、円筒外周面に沿って多種の図柄が設けられた回転可能な三つのリール21a,21b,21cを備えるリールユニット22と、遊技メダルの払出を行うホッパーユニット23と、ホッパーユニット23から溢れた遊技メダルを収容するための補助貯留部24と、スロットマシン1の作動を統括的に制御する主基板60と、遊技場のホールコンピュータ(図示せず)と電気的に接続される外部集中端子基板65と、リールユニット22やホッパーユニット23、主基板60等の構成機器に電力を供給する電源ユニット25とが配設される。
フロントドア3の上部には、図1に示すように、上部演出用ランプ31と、左右の上部スピーカ32a,32bと、液晶ディスプレイ等で構成された演出表示装置33とが配設される。また、図2に示すように、フロントドア3の上部裏面側にはサブ制御基板70が配設されており、図示しないワイヤーハーネスで筐体2側の主基板60と電気的に接続されている。
フロントドア3の中間部には、三つのリール21a,21b,21cと位置整合して透視窓35が配設されており、三つのリールの所定範囲を機体正面に臨ませている。さらに、透視窓35の下方には遊技者が操作するための操作部37が設けられ、この操作部37には、遊技メダルを投入するためのメダル投入部38と、1ゲーム当たりのメダル数を設定するためのベットボタン39a,39bと、1ゲームの開始を指示するためのスタートレバー40と、回転中のリール21a,21b,21cを個別に停止させるための三つのストップボタン41a,41b,41cと、遊技メダルの返却ボタン42とが配設される。
フロントドア3の下部には、フロントドア3の裏面側に設けられた第3ガイド部材47cと位置整合してメダル払出口43が設けられるとともに、その下部に受け皿44が設けられており、さらにメダル払出口43の近傍に左右の下部スピーカ45a,45bが配設されている。また、図2に示すように、フロントドア3の下部裏面側には、メダル投入部38より投入される投入物を正規の(有効な)遊技メダルか否か選別して振り分けるメダルセレクタ100、メダルセレクタ100で振り分けられた正規の遊技メダルを筐体2側に設けられているホッパーユニット23へ案内する第1ガイド部材47a、メダルセレクタ100で振り分けられた無効のメダル等をメダル払出口43へ案内して排出する第2ガイド部材47b、ホッパーユニット23から払い出される払い出し用のメダルをメダル払出口43へ案内して出力する第3ガイド部材47c等が設けられている。
さらに、メダルセレクタ100の上方に位置して長尺状の中央表示基板75が配設されており、この中央表示基板75の裏面側の一端には、設定ボタン48と、数字の0から6までのセグメント表示を行う発光ダイオードで形成された設定表示素子49とが設けられている。さらに、図1に示すように、中央表示基板75の前面側には、スロットマシン1にストックされた遊技メダルの枚数を表示する貯留枚数表示部51と、役の当選回数を表示する回数表示部52と、入賞時に払い出される遊技メダルの枚数を表示する払出枚数表示部53とが前面側から視認可能に設けられている。
このようなスロットマシン1で遊技を行うには、まず、遊技者がメダル投入部38に遊技メダルを投入して各ベットボタン39a,39bのいずれか一つを操作し、スタートレバー40を操作すると三つのリール21a,21b,21cが回転起動する。次に、遊技者は回転している三つのリール21a,21b,21cを任意に選択し、所望の順序及びタイミングで各ストップボタン41a,41b,41cを操作して、三つのリール21a,21b,21cを停止させる。
回転していた三つのリール21a,21b,21cが全て停止すると、入賞図柄の判定、すなわち当たりかはずれかの判定が行われ、図柄の組み合わせが予め定められた入賞図柄の組み合わせに該当するときには、ホッパーユニット23より所定枚数の遊技メダルが払い出される。このように本スロットマシン1で遊技を行う遊技者は、表示された図柄が予め定められた組み合わせに該当しなかったとき(はずれのとき)には投入した遊技メダルを失うが、表示された図柄が予め定められた組み合わせに該当したとき(当たりのとき)には投入した枚数以上の遊技メダルを獲得し得ることとなり、遊技メダルを増やすという興趣を楽しむことができる。
次に、メダルセレクタ100について図3〜図6を参照しながら説明する。なお、メダルセレクタ100はフロントドア3の下部裏面側に取り付けられているが、説明容易化のため、以下、図3における手前側をメダルセレクタ100の前面側(スロットマシン1における裏面側)とし、図3における奥側をメダルセレクタ100の裏面側(スロットマシン1における前面側)として説明する。
メダルセレクタ100は、図3に示すように、プラスチック等の合成樹脂で形成された矩形状のメインプレート102と、このメインプレート102の略上方を開閉自在に覆うプラスチック等の合成樹脂で形成されたゲートプレート103と、メインプレート102およびゲートプレート103の略下方を開閉自在に覆うカバープレート(図示せず)と、メインプレート102の裏面側(スロットマシン1における前面側)を覆うリアプレート104(図4を参照)とを主体に構成される。ゲートプレート103は、その右上方に配設された軸105を介してメインプレート102に対し揺動自在に枢結されており、軸105に巻回されたコイルバネ(図示せず)の付勢力により常時はメインプレート102の略上方を覆い、このゲートプレート103とメインプレート102との間に後述する円板体導入通路110および円板体案内通路111を形成している。
メインプレート102の前面側(スロットマシン1における裏面側)には、上端がメダル投入部38に連通するとともに下端が下方へ向け略円弧状に延設された円板体導入通路110と、この円板体導入通路110の下端に連通するとともに図3における右下方へ向けて直線状に延設された円板体案内通路111が形成され、メインプレート102の前面側は円板体導入通路110および円板体案内通路111の一方の側壁を構成している。なお、円板体導入通路110および円板体案内通路111を構成する他方の側壁の一部は、ゲートプレート103の裏面側により形成されている。また、メインプレート102の下部には、円板体案内通路111の下縁部に沿って、金属板からなる一本の傾斜転送レール112が配設されている。
また、円板体案内通路111は前面側が下方へ向くように傾斜しており、この円板体案内通路111中央部には、円板体案内通路111内を通過する遊技メダルをその外径の差異により選別する円板体選別手段113の主要部が設けられている。円板体選別手段113は、ゲートプレート103の下部に形成されて遊技メダルの下端部前面側を案内する下部円板体案内部114と、下部円板体案内部114の上方に設けられた切り欠115と、ブロッカー装置120の揺動レバー124に設けられた上部円板体案内部126とから構成されている。
下部円板体案内部114は、円板体案内通路111の下端部前面側に沿って設けられ、遊技メダルの下端部前面側を案内する(円板体案内通路111の)側壁を形成している。切り欠115は、ゲートプレート103における下部円板体案内部114の上方に隣接して形成されており、メダルセレクタ100の下部(ゲートプレート103とカバープレートとの間)に形成される円板体排出通路(図示せず)と円板体案内通路111とを連通させている。上部円板体案内部126は、円板体案内通路111の上端部前面側に沿って設けられ、遊技メダルの上端部前面側を案内する(円板体案内通路111の)側壁を形成可能に構成されている。なお、傾斜転送レール112の上面から上部円板体案内部126の下縁までの幅Lは、正規の遊技メダルの外径よりも若干狭く設定される。
円板体導入通路110の上部に位置するメインプレート102前面には、円板体導入通路110および円板体案内通路111を通過可能な遊技メダルの板厚を規制するシックネススクリユー116が配設されている。さらに、円板体導入通路110の上部には、メインプレート102側に一対の外径規制リブ117が突設されており、円板体導入通路110および円板体案内通路111を通過可能な遊技メダルの外径が規制されるようになっている。なお、この一対の外径規制リブ117間の距離は、正規の遊技メダルの外径よりも若干広く設定される。
円板体導入通路110の下部には、遊技メダルの外周面を案内する第1通路壁部118および第2通路壁部119が上下方向へ延びるように設けられている。第1通路壁部118は、金属材料や樹脂材料等の弾性を有する材料を用いて弾性変形可能な棒状に形成され、遊技メダルの外周面を案内する(円板体導入通路110の)側壁の一部(左側)を構成するようになっている。第1通路壁部118の上端および下端はメインプレート102に固定されており、第1通路壁部118の中央部に設けられた第1連結部118aを左右に移動させることで、第1通路壁部118が円弧状に変形するようになっている。
第1連結部118aは、第1通路壁部118の中央部からメインプレート102およびリアプレート104を通過して、メダルセレクタ100の裏面側に達するように延びた円柱状に形成されており、図5および図6に示すように、通路変形装置150の連結部材153と連結されるようになっている。なお、メインプレート102の左側には、図3に示すように、第1連結部118aが通過可能な第1通過孔102aが形成され、リアプレート104の左側(図4における右側)には、図4に示すように、第1連結部118aが通過可能な第3通過孔104aが形成される。
第2通路壁部119は、第1通路壁部118と同様に、金属材料や樹脂材料等の弾性を有する材料を用いて弾性変形可能な棒状に形成されており、第1通路壁部118に対向して設けられて、遊技メダルの外周面を案内する(円板体導入通路110の)側壁の一部(右側)を構成するようになっている。同様に、第2通路壁部119の上端および下端はメインプレート102に固定されており、第2通路壁部119の中央部に設けられた第2連結部119aを左右に移動させることで、第2通路壁部119が円弧状に変形するようになっている。
第2連結部119aは、第2通路壁部119の中央部からメインプレート102およびリアプレート104を通過して、メダルセレクタ100の裏面側に達するように延びた円柱状に形成されており、図5および図6に示すように、通路変形装置150の連結部材153と連結されるようになっている。なお、メインプレート102の中央部には、図3に示すように、第2連結部119aが通過可能な第2通過孔102bが形成され、リアプレート104の中央部には、図4に示すように、第2連結部119aが通過可能な第4通過孔104bが形成される。
円板体案内通路111の中央部右側には、円板体選別手段113を介し選別されて円板体案内通路111を通過する遊技メダルを該円板体案内通路111から強制的に排除するブロッカー装置120が配設されている。ブロッカー装置120は、図4に示すように、メインプレート102に固設された取付金具121の上部に、円板体案内通路111の延設方向と垂直な方向へ揺動自在に取り付けられた揺動レバー124と、揺動レバー124を揺動させるための駆動レバー126とを備えて構成される。
取付金具121の上部には、一対のレバー取付リブ122が形成されており、揺動軸131を介して揺動レバー124の上部が枢結されるようになっている。取付金具121の下部には、爪部123が形成されており、駆動レバー126が円板体案内通路111の延設方向と垂直な方向へ揺動自在に取付保持されるようになっている。
取付金具121の上部に揺動自在に取り付けられた揺動レバー124は、揺動軸131に取り付けられたねじりコイルバネ132の付勢力を受けて、その下端に形成される円板体排除部125を円板体案内通路111内へ突出させるようになっている。また、前述したように、揺動レバー124の上部には、メインプレート102の前面側まで突出する上部円板体案内部126(図3を参照)が形成されている。
駆動レバー126は、駆動レバー126の下端と取付金具121とに跨って設けられた引張コイルバネ133の付勢力を受けて、その上端に形成される揺動レバー当接部128を揺動レバー124から離すように構成されている。なお、揺動レバー当接部128は、揺動レバー124の上端部に(裏面側から)当接可能に構成されている。
また、取付金具121には、主基板60(中央表示基板75)からの駆動信号に基づいてオン・オフ作動し、揺動レバー124の円板体排除部125を円板体案内通路111内から待避させる待避手段である第1ソレノイド135が配設されている。この第1ソレノイド135がオン作動すると、その磁力により第1ソレノイド135は駆動レバー126を引張コイルバネ133の付勢力に抗して吸着し、駆動レバー126がメインプレート102側へ(前方へ)揺動する。そして、駆動レバー126がメインプレート102側へ(前方へ)揺動すると、揺動レバー当接部128が揺動レバー124の上端に当接して揺動レバー124をねじりコイルバネ132の付勢力に抗して(後方へ)揺動させ、揺動レバー124の円板体排除部125が円板体案内通路111内から待避するようになっている。
すなわち、第1ソレノイド135がオン作動すると、揺動レバー124の円板体排除部125は円板体案内通路111内から待避するようになっている。さらに、第1ソレノイド135がオン作動して、揺動レバー124がねじりコイルバネ132の付勢力に抗して(後方へ)揺動すると、揺動レバー124の上部円板体案内部126は円板体案内通路111へ向けて揺動し、遊技メダルの上端部前面側を案内する円板体案内通路111の側壁を形成するようになっている。
一方、第1ソレノイド135がオフ作動すると、駆動レバー126が引張コイルバネ133の付勢力を受けて(後方へ)揺動し、揺動レバー当接部128が揺動レバー124から離れるとともに、これに伴って揺動レバー124がねじりコイルバネ132の付勢力を受けて(前方へ)揺動し、円板体排除部125が円板体案内通路111内へ突出するようになっている。さらに、第1ソレノイド135がオフ作動して、揺動レバー124がねじりコイルバネ132の付勢力を受けて(前方へ)揺動すると、揺動レバー124の上部円板体案内部126は円板体案内通路111の外側へ揺動し、円板体案内通路111の側方を開放するようになっている。
円板体案内通路111の右下部には、円板体検出装置140が設けられており、(ブロッカー装置120を過ぎて)円板体案内通路111の下流部(右下部)を通過する遊技メダルを検出するようになっている。この円板体検出装置140は、円板体案内通路111に沿って並ぶ2つの円板体検出センサ(図示せず)から構成され、円板体案内通路111の上流側、すなわちメダル投入部38に近い方から順にセンサが遊技メダルを検出すると、制御部(主基板60)において遊技メダルが円板体案内通路111(センサの検出部)を通過したと認識されるようになっている。なお、この円板体検出センサは、反射型ビームセンサであってもよく、透過型ビームセンサであってもよい。
また、図4に示すように、メインプレート102の上部には、返却ボタン当接部145が軸部材146を介して枢結されており、返却ボタン42が押し操作されて、返却ボタン42の押圧部(図示せず)がこの返却ボタン当接部145に当接すると、返却ボタン当接部145が揺動してゲートプレート103に当接し、ゲートプレート103をコイルバネ(図示せず)の付勢力に抗して揺動させて、メインプレート102に対し拡開させるようになっている。
ところで、リアプレート104には、第1通路壁部118および第2通路壁部119を変形させて円板体導入通路110の形状を変える通路変形装置150が配設されている。この通路変形装置150は、図4に示すように、リアプレート104に取り付けられた第2ソレノイド151と、第2ソレノイド151の可動鉄心152と第1通路壁部118および第2通路壁部119とを連結する連結部材153とを備えて構成される。第2ソレノイド151は、主基板60(中央表示基板75)からの駆動信号に基づいてオン・オフ作動し、可動鉄心152を左右に移動させることで第1通路壁部118および第2通路壁部119を変形可能に構成される。また、第2ソレノイド151は、ブロッカー装置120の第1ソレノイド135がオン作動するのに伴ってオフ作動し、第1ソレノイド135がオフ作動するのに伴ってオン作動するように構成されている。
連結部材153は、金属材料や樹脂材料等を用いて板状に形成され、連結ピン156を用いて第2ソレノイド151の可動鉄心152と連結される。連結部材153の左下部(図5における右下部)には、第1連結孔154が形成されており、図5に示すように、第1通路壁部118の第1連結部118aと係合して、連結部材153と第1通路壁部118とが連結されるようになっている。なお、第1連結孔154の径は、第1連結部118aの径よりも僅かに大きくなっている。また、連結部材153の右上部(図5における左上部)には、第2連結孔155が可動鉄心152の移動方向(左右方向)へ延びる長穴状に形成されており、図5に示すように、第2通路壁部119の第2連結部119aと係合して、連結部材153と第2通路壁部119とが連結されるようになっている。なお、第2連結孔155の径は、第2連結部119aの径よりも僅かに大きくなっている。
また、第2ソレノイド151の可動鉄心152には圧縮コイルバネ157が配設されており、図5に示すように、第2ソレノイド151のオフ作動時には、可動鉄心152がこの圧縮コイルバネ157の付勢力を受けて左方(図5における右方)へ移動するようになっている。
以上のように構成されるメダルセレクタ100において、正規の遊技メダル(有効円板体)の外径よりも外径が大きい無効円板体がメダル投入部38に投入されると、当該無効円板体は、円板体導入通路110の上部開口102cを通過して円板体導入通路110内に達するが、一対の外径規制爪117間に係合し、このため有効円板体の外径よりも外径が大きい無効円板体は円板体導入通路110内下方への落下が阻止される。
また、有効円板体の外径よりも外径は小さいが、その板厚が有効円板体の板厚よりも厚い無効円板体がメダル投入部38に投入されると、その(板厚の厚い)無効円板体は、円板体導入通路110の上部開口102cを通過して円板体導入通路110内に達するが、シックネススクリユー116と当接し、このため円板体導入通路110内下方への落下が阻止される。
なお、円板体導入通路110の上流でその落下が阻止された無効円板体は、返却ボタン42を押し操作してゲートプレート103を拡開させることにより、メダルセレクタ100の下方へ落下して排除され、メダルセレクタ100の下方へ落下した無効円板体は第2ガイド部材47b(図2を参照)に案内されてメダル払出口43から受け皿44へ払い出される(すなわち、スロットマシン1の外部へ排出される)。
また、有効円板体よりも外径が小さく、しかも板厚も有効円板体と同じかそれより薄い無効円板体がメダル投入部38に投入されると、この(有効円板体よりも外径が小さい)無効円板体は、円板体導入通路110の上部開口102cを通過して円板体導入通路110内に達し、一対の外径規制爪117およびシックネススクリユー116を通過して、その後、第1通路壁部118と第2通路壁部119との間を通過して円板体導入通路110の下流側へ案内される。円板体導入通路110の下流側へ案内された無効円板体は、円板体導入通路110の終端側(下端部)と繋がる円板体案内通路111の始端側(左上部)へ案内される。
有効円板体よりも外径が小さい無効円板体が円板体案内通路111の始端側(左上部)に到達すると、無効円板体の(外周部)下端が一本の傾斜転送レール112上に当接し、また(外周部)上端が上部円板体案内部126の下縁部より下の位置に到達する。このとき、円板体案内通路111は前面側が下方へ向くように傾斜しているため、無効円板体の(外周部)上端が上部円板体案内部126の下縁部より下の位置に到達すると、当該無効円板体は、重力の作用によりゲートプレート103の切り欠115を通過して前面側へ倒れその姿勢を変更する。
無効円板体が切り欠115を通過して前面側へ倒れその姿勢を変更すると、無効円板体の(外周部)下端が傾斜転送レール112および下部円板体案内部114から脱落し、メダルセレクタ100の下部(ゲートプレート103とカバープレートとの間)に形成される円板体排出通路(図示せず)へ落下して排除され、選別される。なお、円板体排出通路へ落下した無効円板体は、そのまま円板体排出通路を落下してメダルセレクタ100の下方へ排出され、第2ガイド部材47b(図2を参照)に案内されてメダル払出口43から受け皿44へ払い出される(すなわち、スロットマシン1の外部へ排出される)。
そして、正規の遊技メダルである有効円板体M(図3を参照)がメダル投入部38に投入されると、この有効円板体Mは、円板体導入通路110の上部開口102cを通過して円板体導入通路110内に達し、一対の外径規制爪117およびシックネススクリユー116を通過して、その後、第1通路壁部118と第2通路壁部119との間を通過して円板体導入通路110の下流側へ案内される。円板体導入通路110の下流側へ案内された有効円板体Mは、円板体導入通路110の終端側(下端部)と繋がる円板体案内通路111の始端側(左上部)へ案内される。
有効円板体Mが円板体案内通路111の始端側(左上部)に到達すると、有効円板体Mの(外周部)下端が一本の傾斜転送レール112上に当接し、また(外周部)上端が上部円板体案内部126の下縁部より上の部分(裏面側)に当接する。このように、有効円板体Mの(外周部)上端が上部円板体案内部126の下縁部より上の部分(裏面側)に当接すると、有効円板体Mは切り欠115側(前面側)へ倒れることなく、図3の二点鎖線で示すように、円板体案内通路111の下流(右下部)へ転がり通過する。このとき、円板体案内通路111は前面側が下方へ向くように傾斜しているため、有効円板体Mの下端部前面側が下部円板体案内部114に当接して案内されるとともに、上端部前面側が上部円板体案内部126に当接して案内される状態で、有効円板体Mは円板体案内通路111を転がり通過する。
ところで、円板体案内通路111の途中には、ブロッカー装置120が配設されている。
このブロッカー装置120の第1ソレノイド135がオン作動しているとき、すなわちメダルセレクタ100のメダル受入許容時は、揺動レバー124の円板体排除部125が円板体案内通路111内から待避し、それに伴い揺動レバー124の上部円板体案内部126が円板体案内通路111へ向けて揺動して、有効円板体Mの上端部前面側を案内する円板体案内通路111の側壁を形成する。すなわち、ブロッカー装置120のオン作動により円板体案内通路111の一部が形成されることとなる。
このように、第1ソレノイド135のオン作動により円板体案内通路111の一部が形成されると、円板体案内通路111の下流へ向けて傾斜転送レール112上を転がる有効円板体Mは、下端部前面側が下部円板体案内部114に案内されるとともに、上端部前面側が上部円板体案内部126に案内されてスムーズに円板体案内通路111の下流へ導かれ、メインプレート102の右側方に形成された円板体排出孔102dからメダルセレクタ100の右側方へ排出される。そして、円板体排出孔102dからメダルセレクタ100の右側方へ排出された有効円板体Mは、第1ガイド部材47a(図2を参照)に案内されてホッパーユニット23に収容される。なお、ブロッカー装置120を通過した有効円板体Mは、隣接する円板体検出装置140に検出されて、その枚数がカウントされる。
なおこのとき、第1ソレノイド135のオン作動に伴って、通路変形装置150の第2ソレノイド151はオフ作動しており、第2ソレノイド151の可動鉄心152は圧縮コイルバネ157の付勢力を受けて左方(図5における右方)へ移動し、それに伴って、可動鉄心152と連結された連結部材153は可動鉄心152とともに左方へ移動する。そして、連結部材153が左方へ移動すると、連結部材153の第1および第2連結孔154,155と係合した(第1および第2通路壁部118,119の)第1および第2連結部118a,119aがそれぞれ左方へ移動し、第1および第2通路壁部118,119は左方に膨らむ円弧状に変形する。すなわち、ブロッカー装置120の第1ソレノイド135がオン作動するときには、通路変形装置150の第2ソレノイド151がオフ作動して、図3および図5に示すように、第1および第2通路壁部118,119が左方に膨らむ円弧状に形成される。
一方、ブロッカー装置120の第1ソレノイド135がオフ作動しているとき、すなわちメダルセレクタ100のメダル受入非許容時は、揺動レバー124の円板体排除部125が円板体案内通路111内に突出して円板体案内通路111を塞ぎ、それに伴い揺動レバー124の上部円板体案内部126が円板体案内通路111の外側へ揺動し、円板体案内通路111の側方を開放する。これにより、メダル投入部38に投入されてブロッカー装置120に達した有効円板体Mを円板体排出通路(図示せず)へ導くことができる。
このように、揺動レバー124の円板体排除部125が円板体案内通路111を塞ぐとともに、揺動レバー124の上部円板体案内部126が円板体案内通路111の側方を開放すると、円板体案内通路111の下流へ向けて転がる有効円板体Mは、有効円板体Mの上端部前面側が開放されるため、重力の作用によりゲートプレート103の切り欠115を通過して前面側へ倒れその姿勢を変更する。さらに、円板体排除部125が円板体案内通路111を塞いでいるので、有効円板体Mは円板体排出孔102dに達することがない。
このように、有効円板体Mが切り欠115を通過して前面側へ倒れその姿勢を変更すると、有効円板体Mの(外周部)下端が傾斜転送レール112および下部円板体案内部114から脱落するので、有効円板体Mは円板体排出通路(図示せず)へ落下して強制的に排除される。なお、円板体排出通路へ落下した有効円板体Mは、そのまま円板体排出通路を落下してメダルセレクタ100の下方へ排出され、第2ガイド部材47b(図2を参照)に案内されてメダル払出口43から受け皿44へ払い出される(すなわち、スロットマシン1の外部へ排出される)。
このとき、第1ソレノイド135のオフ作動に伴って、通路変形装置150の第2ソレノイド151はオン作動しており、第2ソレノイド151の可動鉄心152は圧縮コイルバネ157の付勢力に抗して右方(図6における左方)へ移動し、それに伴って、可動鉄心152と連結された連結部材153は可動鉄心152とともに右方へ移動する。そして、連結部材153が右方へ移動すると、連結部材153の第1および第2連結孔154,155と係合した(第1および第2通路壁部118,119の)第1および第2連結部118a,119aがそれぞれ右方へ移動し、第1および第2通路壁部118,119は右方に膨らむ円弧状に変形する。
すなわち、ブロッカー装置120の第1ソレノイド135がオフ作動するときには、通路変形装置150の第2ソレノイド151がオン作動し、図6に示すように、第1および第2通路壁部118,119が右方(図6における左方)に膨らむ円弧状に形成され、第1ソレノイド135のオン作動時と比べて円板体導入通路110の形状が変更される。これにより、円板体導入通路110の形状が変わることで不正装置を挿入しにくくなることから、ブロッカー装置120の作動時に不正装置がメダル投入部38からスロットマシン1内部に挿入されるのを防止することができる。
なお、長穴状に形成された第2連結孔155により、第2連結部119aの移動量は第1連結部118aより少なくなるため、第2ソレノイド151のオン・オフ作動により第1および第2通路壁部118,119が変形しても、第1および第2通路壁部118,119が互いに略平行状態となるようになっている。これにより、円板体導入通路110の形状が変わっても、有効円板体Mはスムーズに円板体導入通路110を通過することができる。
また、図4の二点鎖線で示すように、第2ソレノイド151のオフ作動により左方(図4における右方)に位置する連結部材153を検出可能な連結部材検出センサ159を設け、第2ソレノイド151がオン作動したときに、連結部材検出センサ159が左方に位置する(所定変形位置に未到達である)連結部材153を検出すると、主基板60がスロットマシン1による遊技を規制する制御を行うようにしてもよい。このとき、連結部材検出センサ159を用いて連結部材153を検出することにより、連結部材153と連結された第1通路壁部118および第2通路壁部119の位置(変形)を検出することができ、連結部材153が左方に位置する、すなわち、所定変形位置に未到達であるということは、不正装置等の挿入により第1通路壁部118および第2通路壁部119の変形が妨げられているということになる。
そのため、不正装置をメダル投入部38からスロットマシン1内部に挿入しようとしても、連結部材検出センサ159が不正装置の挿入による第1通路壁部118および第2通路壁部119の変形を検出してスロットマシン1による遊技を規制することができることから、ブロッカー装置120の作動時に不正装置がメダル投入部38からスロットマシン1内部に挿入されるのを効果的に防止することができる。さらに、第2ソレノイド151がオフ作動したときの連結部材153を検出し、連結部材153の位置に応じてスロットマシン1による遊技を規制するようにしてもよい。また、連結部材検出センサ159に限らず、第1通路壁部118または第2通路壁部119の位置を検出可能なセンサを用いればよい。
以上のようにして、メダルセレクタ100により、メダル投入部38に投入された投入物が正規の遊技メダル(有効円板体)であるか否か選別され、さらに、メダルセレクタ100のメダル受入非許容時には、メダル投入部38に投入された正規の遊技メダルも強制的にスロットマシン1の外部へ排出される。なお、メダル受入非許容時、すなわち、メダル投入部38に投入された遊技メダルを円板体排出通路(図示せず)へ導くようにブロッカー装置120が作動するときとは、例えば、所定枚数の遊技メダルがメダル投入部38に投入されてカウントされたときや、遊技メダル投入後にスタートレバー40の操作が行われて遊技が終了するまでの間(すなわち、遊技中)、遊技メダルの払い戻し時、リプレイ入賞時等である。
そして、以上のような構成のスロットマシン1によれば、ブロッカー装置120が切替作動したときに、通路変形装置150が第1通路壁部118および第2通路壁部119を変形させて円板体導入通路110の形状を変えるため、円板体導入通路110の形状が変わることで不正装置を挿入しにくくなることから、ブロッカー装置120の作動時に不正装置がメダル投入部38からスロットマシン1内部に挿入されるのを防止することができる。
また、メダルセレクタ100に、円板体導入通路110と、ブロッカー装置120と、円板体検出装置140とが設けられることで、有効円板体(正規の遊技メダル)と異なる無効円板体が円板体検出装置140に(有効円板体として)検出されるのを防止することができる。
さらに、通路変形装置150が作動されたときに、第1通路壁部118または第2通路壁部119が所定変形位置に未到達であることを連結部材検出センサ159が検出するとスロットマシン1による遊技を規制する制御を主基板60が行うようにしてもよい。このようにすれば、不正装置をメダル投入部38からスロットマシン1内部に挿入しようとしても、連結部材検出センサ159が不正装置の挿入による第1通路壁部118または第2通路壁部119の変形を検出してスロットマシン1による遊技を規制することができることから、ブロッカー装置120の作動時に不正装置がメダル投入部38からスロットマシン1内部に挿入されるのを効果的に防止することができる。
なお、上述の実施形態において、メダルセレクタ100に、円板体導入通路110と、ブロッカー装置120と、円板体検出装置140とが設けられているが、これに限られるものではなく、例えば、メダルセレクタ100を備えず、円板体が投入されるメダル投入部と、メダル投入部に投入された円板体を円板体案内通路もしくは円板体排出通路へ切り替えて導くブロッカー装置と、円板体案内通路を通過する円板体の検出を行う円板体検出装置とを備えた遊技機においても、本発明を適用することができる。
さらに、上述の実施形態において、通路変形装置150は、第2ソレノイド151を用いて第1通路壁部118および第2通路壁部119を変形させているが、これに限られるものではなく、例えば、電気モータを(ウォームギア等と組み合わせて)用いて第1通路壁部118および第2通路壁部119を変形させるようにしてもよく、第1通路壁部118および第2通路壁部119を変形可能な構成であればよい。
また、上述の実施形態において、遊技に用いる円板体として遊技メダルが用いられているが、これに限られるものではなく、代用硬貨(トークン)でもよい。