以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明に係るスロットマシン1(遊技機)を図1および図2に示しており、まず、スロットマシン1の全体構成について図1および図2を参照しながら要約説明する。ここで、図1は本発明に係るスロットマシン1を示す正面図、図2はスロットマシン1におけるフロントドア3を取り外した状態を示す正面図である。
スロットマシン1は、前面側に開口を有する箱状の筐体2と、この開口を開閉自在に覆って取り付けられるフロントドア3とから構成される。フロントドア3は、筐体2およびフロントドア3の左側縁に跨って配設された上下のヒンジ機構(図示せず)により横開き開閉可能に取り付けられ、常には右側縁に設けられた施錠装置4を利用して筐体2に閉鎖施錠された状態で保持される。
筐体2の内部には、図2に示すように、円筒外周面に沿って多種の図柄が設けられた回転可能な三つのリール21a,21b,21cを備えるリールユニット22と、遊技メダルの払出を行うホッパーユニット23と、ホッパーユニット23から溢れた遊技メダルを収容するための補助貯留部24と、スロットマシン1の作動を統括的に制御する主基板60と、遊技場のホールコンピュータ(図示せず)と電気的に接続される外部集中端子基板65と、リールユニット22やホッパーユニット23、主基板60等の構成機器に電力を供給する電源ユニット25とが配設される。
フロントドア3の上部には、図1に示すように、上部演出用ランプ31と、左右の上部スピーカ32a,32bと、液晶ディスプレイ等で構成された演出表示装置33とが配設される。また、図2に示すように、フロントドア3の上部裏面側にはサブ制御基板70が配設されており、図示しないワイヤーハーネスで筐体2側の主基板60と電気的に接続されている。
フロントドア3の中間部には、三つのリール21a,21b,21cと位置整合して透視窓34が配設されており、三つのリールの所定範囲を機体正面に臨ませている。また、図1に示すように、透視窓34の側方には左右の演出用ランプ36a,36bが配設されている。さらに、透視窓34の下方には遊技者が操作するための操作部37が設けられ、この操作部37には、遊技メダルを投入するためのメダル投入部38と、1ゲーム当たりのメダル数を設定するためのベットボタン39a,39b,39cと、1ゲームの開始を指示するためのスタートレバー40と、回転中のリール21a,21b,21cを個別に停止させるための三つのストップボタン41a,41b,41cと、遊技メダルの返却ボタン42とが配設される。
フロントドア3の下部には、フロントドア3の裏面側に設けられた第3ガイド部材47cと位置整合してメダル払出口43が設けられるとともに、その下部に受け皿44が設けられており、さらにメダル払出口43の近傍に下部スピーカ45が配設されている。また、図2に示すように、フロントドア3の下部裏面側には、メダル投入部39より投入される投入物を正規の(有効な)遊技メダルか否か選別して振り分けるメダルセレクタ100、メダルセレクタ100で振り分けられた正規の遊技メダルを筐体2側に設けられているホッパーユニット23へ案内する第1ガイド部材47a、メダルセレクタ100で振り分けられた無効のメダル等をメダル払出口43へ案内して排出する第2ガイド部材47b、ホッパーユニット23から払い出される払い出し用のメダルをメダル払出口43へ案内して出力する第3ガイド部材47c等が設けられている。
さらに、メダルセレクタ100の上方に位置して長尺状の中央表示基板75が配設されており、この中央表示基板75の裏面側の一端には、設定ボタン48と、数字の0から6までのセグメント表示を行う発光ダイオードで形成された設定表示素子49とが設けられている。さらに、図1に示すように、中央表示基板75の前面側には、スロットマシン1にストックされた遊技メダルの枚数を表示する貯留枚数表示部51と、役の当選回数を表示する回数表示部52と、入賞時に払い出される遊技メダルの枚数を表示する払出枚数表示部53とが前面側から視認可能に設けられている。
このようなスロットマシン1で遊技を行うには、まず、遊技者がメダル投入部38に遊技メダルを投入して各ベットボタン39a,39b,39cのいずれか一つを操作し、スタートレバー40を操作すると三つのリール21a,21b,21cが回転起動する。次に、遊技者は回転している三つのリール21a,21b,21cを任意に選択し、所望の順序及びタイミングで各ストップボタン41a,41b,41cを操作して、三つのリール21a,21b,21cを停止させる。
回転していた三つのリール21a,21b,21cが全て停止すると、入賞図柄の判定、すなわち当たりかはずれかの判定が行われ、図柄の組み合わせが予め定められた入賞図柄の組み合わせに該当するときには、ホッパーユニット23より所定枚数の遊技メダルが払い出される。このように本スロットマシン1で遊技を行う遊技者は、表示された図柄が予め定められた組み合わせに該当しなかったとき(はずれのとき)には投入した遊技メダルを失うが、表示された図柄が予め定められた組み合わせに該当したとき(当たりのとき)には投入した枚数以上の遊技メダルを獲得し得ることとなり、遊技メダルを増やすという興趣を楽しむことができる。
次に、メダルセレクタ100について図3〜図6を参照しながら説明する。ここで、図3はメダルセレクタ100の正面図(部分断面図)、図4は図3中の矢印IVに沿った矢視図、図5は図3中の矢印V−Vに沿った断面図、そして図6は図3中の矢印VI−VIに沿った断面図である。
メダルセレクタ100は、図3に示すように、プラスチック等の合成樹脂で形成された矩形状のメインプレート102と、このメインプレート102の略上方を開閉自在に覆うステンレス等の金属板により形成されたゲートプレート103と、前記メインプレート102の略下方を開閉自在に覆うカバープレート104とから構成される。ゲートプレート103は、その右側方に配設された軸105を介してメインプレート102に対し揺動自在に枢結されており、軸105に巻回されたコイルバネ106の付勢力により常時はメインプレート102の上方を覆い、このゲートプレート103とメインプレート102との間に後述する円板体案内通路を形成している。
メインプレート102の表面側には、上端がメダル投入部38に連通するとともに下端が下方へ向け延設された第1円板体案内通路110と、この第1円板体案内通路110の下端に連通するとともに図3における右下方へ向けて直線状に延設された第2円板体案内通路111が形成され、メインプレート102の表面側は第1および第2円板体案内通路110,111の一方の側壁を構成している。なお、第1および第2円板体案内通路110,111を構成する他方の側壁の一部は、ゲートプレート103の裏面側により形成されている。また、図5および図6にも示すように、ゲートプレート103の下端には、第2円板体案内通路111に沿い、メインプレート102側へ折り曲げられた直線状のリブからなる一本の傾斜転送レール103aが形成されている。
第2円板体案内通路111の左上部には、第2円板体案内通路111内を通過する遊技メダルをその外径の差異により選別する円板体選別手段112の主要部が設けられている。この円板体選別手段112は、図3および図5に示すように、第2円板体案内通路111の一方の側壁を構成するゲートプレート103に設けられ、傾斜転送レール103aから上縁103bまでの高さLが正規の遊技メダルの外径よりも若干低く形成された切り欠103cと、この切り欠103cが形成される側壁(ゲートプレート103)に対し外側へ傾斜した傾斜壁103dとから構成されている。
また、第1円板体案内通路110の下端には、上述した円板体選別手段112の一部を構成し、第1円板体案内通路110を通過する遊技メダルを切り欠103cの傾斜壁103d側へ常時押し付ける円板体押付けレバー114が配設されている。この円板体押付けレバー114は、図5に示すように、メインプレート102に対して第1および第2円板体案内通路110,111の延設方向と垂直な方向へ揺動自在に取り付けられており、図示しないバネ等の付勢手段により常には下端が第1円板体案内通路110内に突出するようになっている。さらに、円板体押付けレバー114の上方に位置するメインプレート102表面には、第1および第2円板体案内通路110,111を通過可能な遊技メダルの板厚を規制するシックネススクリユー(図示せず)が配設されている。
第2円板体案内通路111の中央部には、円板体選別手段112を介し選別されて第2円板体案内通路111を通過する遊技メダルを該円板体案内通路111から強制的に排除するブロッカー装置120が配設されている。ブロッカー装置120は、図6に示すように、メインプレート102に固着されたL字形状金具121の先端部に、第2円板体案内通路111の延設方向と垂直な方向へ揺動自在に取り付けられた円板体排除レバー123と、この円板体排除レバー123と対向するように設けられた円板体案内レバー130とを備えて構成される。
円板体排除レバー123は、図6に示すように、その上端123aとL字形状金具121の突起121aとの間を連結する引張コイルバネ124の付勢力を受けて、(円板体排除レバー123の)下端123bを第2円板体案内通路111内へ突出させるようになっている。
また、L字形状金具121には、主基板60(中央表示基板75)からの駆動信号に基づいてオン・オフ作動し、円板体排除レバー123を第2円板体案内通路111内から待避させる待避手段であるソレノイド125が固着されており、このソレノイド125がオン作動すると、その磁力によりソレノイド125は円板体排除レバー123を引張コイルバネ124の付勢力に抗して吸着し、円板体排除レバー123をメインプレート102側へ揺動させて、その下端123bを第2円板体案内通路111内から待避させるようになっている。
円板体案内レバー130は、ゲートプレート103に軸131を介して揺動自在に枢結され、またこの軸131に嵌挿したねじりコイルバネ132の付勢力を受けて、その下端は常時第2円板体案内通路111へ向けて付勢されている。また、この円板体案内レバー130の下端には、第2円板体案内通路111の延設方向に沿ってガイドバー130bが延設されており、第2円板体案内通路111の側壁の一部を形成可能に構成されている。また、円板体案内レバー130における円板体排除レバー123と対向する面には、図6に示すように、円板体排除レバー123に当接する当接ピン133と、メインプレート102に当接可能な位置決めピン134とが形成されている。
そして、図3で示すように、ソレノイド125をオフ作動させて、円板体排除レバー123の下端123bを第2円板体案内通路111内へ突出させると、円板体案内レバー130は、当接ピン133を介して、円板体排除レバー123と連動して第2円板体案内通路111の外側へ揺動し、第2円板体案内通路111の側方を解放するようになっている。一方、ソレノイド125をオン作動させて、円板体排除レバー123の下端123bを第2円板体案内通路111内から待避させると、円板体案内レバー130は、ねじりコイルバネ132の付勢力により第2円板体案内通路111へ向けて揺動し、第2円板体案内通路111の側壁の一部を構成するようになっている。なおこのとき、円板体案内レバー130の位置決めピン134がメインプレート102に当接し、それにより第2円板体案内通路111の通路幅に合わせられるようになっている。
第2円板体案内通路111の右下部には、円板体検出装置140が設けられており、(ブロッカー装置120を過ぎて)第2円板体案内通路111の下流部(右下部)を通過する遊技メダルを検出するようになっている。この円板体検出装置140は、図3に示すように、第2円板体案内通路111に沿って並ぶ第1および第2円板体検出センサ141,146から構成され、第2円板体案内通路111の上流側、すなわちメダル投入部38に近い方から順にセンサが遊技メダルを検出すると(すなわち、第1および第2円板体検出センサ141,146が順に遊技メダルを検出すると)、制御部(主基板60)において遊技メダルが第2円板体案内通路111(センサの検出部)を通過したと認識されるようになっている。
第1円板体検出センサ141は、検出光を発光する発光部142と、発光部142から発光された検出光の検出を行う受光部143とを有する反射型ビームセンサであり、遊技メダルで反射した検出光を受光部143で検出することにより、第2円板体案内通路111(センサの検出部)を通過する遊技メダルを検出するようになっている。また、第2円板体検出センサ146は、第1円板体検出センサ141と同様に発光部147および受光部148を有する反射型ビームセンサであり、第1円板体検出センサ141の右方に(下流側)に隣接して配設されるようになっている。
また、図3に示すように、ゲートプレート103の上部にはスイングレバー162が揺動自在に取り付けられており、第1円板体案内通路110内を落下する遊技メダルがスイングレバー162の下端部に当接することで、第1円板体案内通路110内を落下する遊技メダルの落下速度が緩和されるようになっている。なお、スイングレバー162は、バネ163の付勢力を受けて、その下端部が常時第1円板体案内通路110内に突出するようになっている。
また、図4に示すように、ゲートプレート103の上端部近傍には返却ボタン当接部170が設けられており、返却ボタン42が押し操作されて、返却ボタン42の押圧部42aが返却ボタン当接部170に当接すると、ゲートプレート103がコイルバネ106の付勢力に抗して揺動し、メインプレート102に対して拡開するようになっている。
以上のように構成されるメダルセレクタ100において、正規の遊技メダル(有効円板体)の外径よりも外径が大きい無効円板体がメダル投入部38に投入されると、当該無効円板体は、第1円板体案内通路110の上部開口110aを通過して第1円板体案内通路110内に達するが、ゲートプレート103の背面からメインプレート102側に突設された一対の外径規制爪(図示せず)間に係合し、このため有効円板体の外径よりも外径が大きい無効円板体は第1円板体案内通路110内下方への落下が阻止される。なお、この一対の外径規制爪(図示せず)間の距離は正規の遊技メダル(有効円板体)の外径よりも若干広く設定されている。
また、有効円板体の外径よりも外径は小さいが、その板厚が有効円板体の板厚よりも厚い無効円板体がメダル投入部38に投入されると、その(板厚の厚い)無効円板体は、第1円板体案内通路110の上部開口110aを通過して第1円板体案内通路110内に達するが、シックネススクリユー(図示せず)と当接し、このため第1円板体案内通路110内下方への落下が阻止される。
なお、第1円板体案内通路110の上流でその落下が阻止された無効円板体M2(図4を参照)は、図4に示すように、返却ボタン42を押し操作してゲートプレート103を拡開させることにより、メダルセレクタ100の下方へ落下して排除され、メダルセレクタ100の下方へ落下した無効円板体は第2ガイド部材47b(図2を参照)に案内されてメダル払出口43から受け皿44へ払い出される(すなわち、スロットマシン1の外部へ排出される)。
また、有効円板体よりも外径が小さく、しかも板厚も有効円板体と同じかそれより薄い無効円板体M1(図5を参照)がメダル投入部38に投入されると、この(有効円板体よりも外径が小さい)無効円板体M1は、第1円板体案内通路110の上部開口110aを通過して第1円板体案内通路110内に達し、一対の外径規制爪およびシックネススクリユーを通過して、その後、スイングレバー162の下端部に当接し、落下速度が緩和された状態で第1の円板体案内通路110の下流側へ案内される。
その後、無効円板体M1は円板体押付けレバー114と当接し、円板体押付けレバー114を付勢手段(図示せず)の付勢力に抗して第1円板体案内通路110から待避させるように揺動させ、これにより円板体押付けレバー114とゲートプレート103との間を通過する。円板体押付けレバー114とゲートプレート103との間を通過する間、無効円板体M1には円板体押付けレバー114によりゲートプレート103側に押付けられる付勢力が常時作用するので、その付勢力により無効円板体M1の各種方向への暴れが可及的に阻止され、そのため無効円板体M1は常に一定の姿勢に制御されて第2円板体案内通路111の始端側(左上部)へ案内される。
無効円板体M1が第2円板体案内通路111の始端側(左上部)に到達すると、その外径の下端が一本の傾斜転送レール103aに当接し、またその外径の上端が切り欠103cの上縁103b以下の位置に到達する。このように、無効円板体M1の外径の上端が切り欠103cの上縁103b以下の位置に到達すると、当該無効円板体M1の側部に円板体押付けレバー114による付勢力が常時作用するので、当該無効円板体M1は、図5に示すように、切り欠103cを介し傾斜壁103d側へ倒れてその姿勢を変更する。
図5に示すように、無効円板体M1が切り欠103cを介し傾斜壁103d側へ倒れてその姿勢を変更すると、その外径の下端が傾斜転送レール103aから脱落し、このため無効円板体M1は傾斜転送レール103aの側部に沿って形成されたスリット102cからメダルセレクタ100の下方へ落下して排除され、選別される。なお、メダルセレクタ100の下方へ落下した無効円板体M1は、第2ガイド部材47b(図2を参照)に案内されてメダル払出口43から受け皿44へ払い出される(すなわち、スロットマシン1の外部へ排出される)。
そして、正規の遊技メダルである有効円板体M0(図3を参照)がメダル投入部38に投入されると、図3に示すように、この有効円板体M0は、第1円板体案内通路110の上部開口110aを通過して第1円板体案内通路110内に達し、一対の外径規制爪(図示せず)およびシックネススクリユーを通過して、その後、スイングレバー162の下端部に当接し、落下速度が緩和された状態で第1の円板体案内通路110の下流側へ案内される。
その際、有効円板体M0には円板体押付けレバー114によりゲートプレート103側に押付けられる付勢力が常時作用するので、その付勢力により有効円板体M0の各種方向への暴れが可及的に阻止され、そのため有効円板体M0は常に一定の姿勢に制御されて第2円板体案内通路111の始端側(左上部)へ案内される。有効円板体M0が第2円板体案内通路111の始端側(左上部)に到達すると、その外径の下端が一本の傾斜転送レール103aに当接し、またその外径の上端が切り欠103cの上縁103b以上に当接する。
このように、有効円板体M0の外径の上端が切り欠103cの上縁103b以上に当接すると、有効円板体M0は切り欠103c側へ倒れることなく、図3に示すように、第2円板体案内通路111の下流(右下部)へ転がり通過する。
ところで、第2円板体案内通路111の途中には、ブロッカー装置120が配設されている。
このブロッカー装置120のソレノイド125がオン作動しているとき、すなわちメダルセレクタ100のメダル受入許容時は、円板体排除レバー123の下端123bが第2円板体案内通路111内から待避し、それに連動して円板体案内レバー130のガイドバー130bが第2円板体案内通路111の側壁の一部を構成するとともに、さらに、円板体案内レバー130の位置決めピン134がメインプレート102に当接するので、このブロッカー装置120により第2円板体案内通路111の一部が形成されることとなる。
このようにブロッカー装置120により第2円板体案内通路111の一部が形成されると、第2円板体案内通路111の下流へ向けて転がる有効円板体M0は、図3に示すように、円板体案内レバー130のガイドバー130bに沿ってスムーズに第2円板体案内通路111の下流へ導かれ、メインプレート102の右側方に形成された円板体排出孔102dからメダルセレクタ100の右側方へ排出される。そして、円板体排出孔102dからメダルセレクタ100の右側方へ排出された有効円板体M0は、第1ガイド部材47a(図2を参照)に案内されてホッパーユニット23に収容される。なお、ブロッカー装置120を通過した有効円板体M0は、隣接する円板体検出装置140に検出されて、その枚数がカウントされる。
一方、ブロッカー装置120のソレノイド125がオフ作動しているとき、すなわちメダルセレクタ100のメダル受入非許容時は、図6に示すように、円板体排除レバー123が引張コイルバネ124の付勢力によりメインプレート102の表面側へ向けて揺動し、その下端123bを第2円板体案内通路111内へ突出させて第2円板体案内通路111の通路を塞ぐとともに、円板体案内レバー130が当接ピン133を介して円板体排除レバー123の動きに連動し、第2円板体案内通路111の一側面を解放する。
このようにブロッカー装置120の円板体排除レバー123が第2円板体案内通路111の通路を塞ぐとともに、円板体案内レバー130が第2円板体案内通路111の一側面を解放すると、第2円板体案内通路111の下流へ向けて転がる有効円板体M0の上部は、円板体排除レバー123の下端123bに当接し、傾斜壁103d側へ倒れてその姿勢を変更する。このとき、円板体案内レバー130は当接ピン133を介して円板体排除レバー123の動きに連動し、第2円板体案内通路111の一側面を解放するので、有効円板体M0はスムーズに傾斜壁103d側へ倒れ、このため有効円板体M0が円板体排除レバー123と円板体案内レバー130との間に挟まれて円板体の詰りを起こすこともない。
このように、有効円板体M0が傾斜壁103d側へ倒れてその姿勢を変更すると、その外径の下端が傾斜転送レール103aから脱落するので、図6に示すように、有効円板体M0は傾斜転送レール103aに傾斜転送レール103aの側部に沿って形成されたスリット102cからメダルセレクタ100の下方へ落下して強制的に排除される。なお、メダルセレクタ100の下方へ落下した有効円板体M0は、第2ガイド部材47b(図2を参照)に案内されてメダル払出口43から受け皿44へ払い出される(すなわち、スロットマシン1の外部へ排出される)。
以上のようにして、メダルセレクタ100により、メダル投入部38に投入された投入物が正規の遊技メダル(有効円板体)であるか否か選別され、さらに、メダルセレクタ100のメダル受入非許容時には、メダル投入部38に投入された正規の遊技メダルも強制的にスロットマシン1の外部へ排出される。
続いて、スロットマシン1の制御システムについて図7を参照しながら説明する。ここで、図7は制御システムの概要を示すブロック図である。この制御システムは、主基板60と、外部集中端子基板65と、サブ制御基板70と、中央表示基板75とを主体に構成される。主基板60は、例えば、小役や特別役、リプレイ等の通常役の抽選を行うとともに、スロットマシン1の構成機器を統括的に制御して、スロットマシン1による遊技の制御を行う。ここで、特別役とは、レギュラーボーナス(RB)と称される役物連続作動装置作動状態となる特別役や、ビッグボーナス(BB)と称される役物連続作動増加装置作動状態となる特別役のことである。
主基板60には電源ユニット25が電気的に接続されており、所定の電力が電源ユニット25から主基板60を介して各構成機器へ供給されるようになっている。また、電源ユニット25にはホッパーユニット23が電気的に接続されており、電源ユニット25からホッパーユニット23へ所定の電力が供給されるとともに、主基板60から出力されたホッパー駆動信号が電源ユニット25を介してホッパーユニット23へ入力され、ホッパーユニット23が作動するようになっている。さらに、主基板60にはリールユニット22が電気的に接続されており、主基板60から出力されたリール制御信号がリールユニット22に構成されるリールモータ(図示せず)へ入力されて、各リール21a,21b,21cの回転・停止制御が行われるようになっている。
外部集中端子基板65は、主基板60と電気的に接続されるとともに、遊技場内のホールコンピュータ(図示せず)と電気的に接続されており、主基板60から送信される所定の遊技情報をホールコンピュータへ送信するようになっている。
サブ制御基板70は、主基板60から一方向で情報が送信されるように主基板60と電気的に接続される。サブ制御基板70には、各演出用ランプ31,36a,36bと、上下の各スピーカ32a,32b,45と、演出表示装置33とが電気的に接続されており、主基板60から送信される演出制御信号を受けて、各演出用ランプ31,36a,36bと、上下の各スピーカ32a,32b,45と、演出表示装置33とにそれぞれ駆動信号を出力し、主基板60から送信される演出制御信号(情報)に応じた遊技者の視覚と聴覚に訴える演出の制御を行うようになっている。
中央表示基板75は、主基板60と電気的に接続される。中央表示基板75には、ベットボタン39a,39b,39cと、スタートレバー40と、ストップボタン41a,41b,41cとが電気的に接続されており、これらベットボタン39a,39b,39cおよびスタートレバー40並びにストップボタン41a,41b,41cからそれぞれ出力された各操作信号を主基板60へ転送するようになっている。
また、中央表示基板75には、設定ボタン48と、設定表示素子49とが電気的に接続されており、設定ボタン48から出力された設定操作信号を主基板60へ転送するとともに、主基板60から出力される設定表示信号に基づいて設定表示素子49に0から6までの数字を表示させるようになっている。さらに、中央表示基板75には、貯留枚数表示部51と、回数表示部52と、払出枚数表示部53とが電気的に接続されており、主基板60から出力される各状態表示信号に基づいて、貯留枚数表示部51および回数表示部52並びに払出枚数表示部53にそれぞれ表示駆動信号を出力するようになっている。
また、中央表示基板75には、メダルセレクタ100に構成されるソレノイド125と、円板体検出装置140とが電気的に接続されており、主基板60から出力されるソレノイド駆動信号をソレノイド125へ転送するとともに、円板体検出装置140から出力されたメダル検出信号を主基板60へ転送するようになっている。
ここで、円板体検出装置140に構成される第1円板体検出センサ141について、図8を参照しつつさらに詳しく説明する。ここで、図8は円板体検出センサ141の概要を示す回路ブロック図である。なお、第2円板体検出センサ146については、第1円板体検出センサ141と同様の構成であり、図示および説明を省略する。第1円板体検出センサ141は、前述したように、検出光を発光する発光部142と、発光部142から発光された検出光の検出を行う受光部143とを有して構成される。
発光部142は、図8に示すように、電力の供給により発光可能な発光ダイオード142aから構成される。発光ダイオード142aの一端は、端子144aを介して、中央表示基板75に配設された電源供給部150と電気的に接続される。一方、発光ダイオード142aの他端は、端子144bおよび抵抗151を介して、主基板60に配設された発光制御部160と(中央表示基板75を介して)電気的に接続される。
受光部143は、検出光の入射(受光)により通電可能なフォトトランジスタ143aから構成される。フォトトランジスタ143aの一端は、端子144cを介して電源供給部150と電気的に接続される。一方、フォトトランジスタ143aの他端は、端子144dを介して、主基板60に配設されたセンサ入力部152と(中央表示基板75を介して)電気的に接続される。さらに、フォトトランジスタ143aの他端は、端子144dおよび抵抗153を介して接地される。なお、受光部143は、フォトトランジスタ143aに限らず、フォトダイオードから構成されるようにしてもよい。
そして、フォトトランジスタ143aに検出光が入射すると、電源供給部150からフォトトランジスタ143aに電流が流れ、フォトトランジスタ143aを流れた電流がメダル検出信号(ハイ信号)としてセンサ入力部152に出力される。一方、フォトトランジスタ143aに検出光が入射しないときには、フォトトランジスタ143aに電流が流れにくく、電位の低い電流がメダル非検出信号(ロー信号)としてセンサ入力部152に出力される。また、図8のような構成にすることにより、発光ダイオード142aの発光に拘わらず、フォトトランジスタ143aに検出光が入射すると、メダル検出信号がセンサ入力部152に出力される。
ところで、発光制御部160は、発光指令信号を出力するスイープ(掃引)信号発生器161と、スイープ信号発生器161から出力された発光指令信号に応じて電源供給部150から発光部142への電力供給をオン・オフさせるスイッチ用トランジスタ162とを備えて構成される。スイープ信号発生器161は、時間の経過とともに周波数が変化する正弦波スイープ信号を発光指令信号としてスイッチ用トランジスタ162へ出力する。なお、正弦波スイープ信号は、正弦波のように電位が変化する信号であり、設定時間のあいだ時間の経過とともに周波数が増加し、設定時間の経過後もとの周波数に戻る(ループする)ようになっている。
スイッチ用トランジスタ162は、NPN型トランジスタであり、スイッチ用トランジスタ162のエミッタは接地され、スイッチ用トランジスタ162のベースはスイープ信号発生器161と電気的に接続されるとともに、スイッチ用トランジスタ162のコレクタは発光ダイオード142aの他端と電気的に接続される。
そして、スイッチ用トランジスタ162のベースにベース電流(比較的電位の高い電流)が流れると、スイッチ用トランジスタ162のコレクタに電流が流れるため、電源供給部150から発光ダイオード142aに電流が流れて(すなわち、電源供給部150から発光部142への電力供給がオン状態にされて)発光ダイオード142aが発光する。一方、スイッチ用トランジスタ162のベースに電位の低い電流が流れると、スイッチ用トランジスタ162のコレクタに電流が殆ど流れないため、電源供給部150から発光ダイオード142aへの電力供給は遮断されて(すなわち、電源供給部150から発光部142への電力供給がオフ状態にされて)発光ダイオード142aが発光しない状態となる。
これにより、スイープ信号発生器161からスイッチ用トランジスタ162に正弦波スイープ信号である発光指令信号が出力されることで、発光制御部160のスイッチ用トランジスタ162を用いて電源供給部150から発光ダイオード142a(発光部142)への通電(電力供給)を交互連続的にオン・オフさせることができ、さらに、図9に示すように、スイッチ用トランジスタ162により発光部142への電力供給をオン・オフさせる周期、すなわち、発光部142の発光周期を連続的に変化させることが可能になる。
また、スイープ信号発生器161が発光指令信号を出力する周期は、メダル投入部38に投入された遊技メダルが第1円板体検出センサ141の検出部(発光部142および受光部143)を通過する時間よりも短くなるように設定されており、第1円板体検出センサ141(および第2円板体検出センサ146)を通過する遊技メダルを確実に検出できるようになっている。なおかつ、スイープ信号発生器161がロー信号を出力する時間は、第1円板体検出センサ141の検出部を遊技メダルが連続的に通過する場合において、隣接する遊技メダルのいずれにも検出光が反射しない時間より短くなるように設定されており、第1円板体検出センサ141(および第2円板体検出センサ146)の検出部を連続的に通過する遊技メダルを、メダル詰まりと判別することなく連続的に検出できるようになっている。
以上のように構成されるスロットマシン1において、メダル投入部38に正規の遊技メダルが投入されると、前述したように、メダルセレクタ100のメダル受入許容時には、正規の遊技メダルがメダルセレクタ100内に設けられた第1および第2円板体案内通路110,111を通過してメダルセレクタ100の右側方へ排出され、第1ガイド部材47aに案内されてホッパーユニット23に収容される。このとき、第1円板体検出センサ141の発光部142から発せられた検出光は、第2円板体案内通路111を通過する遊技メダルで反射して受光部143に入射し、受光部143からセンサ入力部152へメダル検出信号(ハイ信号)が出力される。
またこのとき、発光制御部160のスイープ信号発生器161からスイッチ用トランジスタ162に正弦波スイープ信号である発光指令信号が出力されており、発光制御部160により電源供給部150による発光部142(発光ダイオード142a)への電力供給が交互連続的にオン・オフされている。そのため、遊技メダルが第1円板体検出センサ141の検出部を通過する間、主基板60のセンサ入力部152に入力されるメダル検出信号は、図9に示すように、スイープ信号発生器161から出力される発光指令信号と同期状態になる。
そして、発光制御部160により発光部142への電力供給がオン状態にされているときに、受光部143が(発光部142から発せられた)検出光を検出し、受光部143からメダル検出信号が所定の設定検出時間の範囲内で(連続的に)センサ入力部152に入力されると、主基板60は第1円板体検出センサ141で遊技メダル(メダル投入部38からの投入物)が検出されたと認識する。このようにして、第1および第2円板体検出センサ141,146がこの順にメダル検出信号を出力すると、主基板60において正規の遊技メダルが第2円板体案内通路111(センサの検出部)を通過したと認識されて(遊技メダルの枚数が)カウントされ、スロットマシン1による遊技を行うことが可能になる。
なお、第2円板体検出センサ146においても、発光制御部により発光部147への電力供給が交互連続的にオン・オフされており、第1円板体検出センサ141と同様の処理が行われる。また、第1または第2円板体検出センサ141,146からのメダル検出信号が所定の設定通過時間を超えて(連続的に)センサ入力部152に入力されるときには、主基板60はメダル詰まりと認識して払出枚数表示部53等にその旨を報知させる制御を行う。
一方、発光制御部160により発光部142への電力供給がオフ状態にされているときに、受光部143が検出光(偽発光)を検出すると、主基板60は、例えば、スタートレバー40からの操作信号を無効にしたり、リールユニット22にリール停止信号を出力して各リール21a,21b,21cの回転を停止させたりする等して遊技の進行を止め、スロットマシン1による遊技を規制する制御を行うとともに、サブ制御基板70を介して上下のスピーカ32a,32b,45に警報作動信号を出力し、音による警報作動を行わせる制御を行う。これにより、不正装置の発光体を点滅させて円板体検出装置140を不正に作動させようとしても、図9に示すように、発光部142が消灯している間に受光部143が不正装置による偽発光を検出してスロットマシン1による遊技を規制することができることから、円板体検出装置140を不正に作動させて遊技メダルの投入枚数を不正に増加させるのを防止することができる。さらに、上下のスピーカ32a,32b,45が警報作動を行うことで、管理者が不正行為を容易に認識することができる。
また、スイープ信号発生器161から出力される発光指令信号は、時間の経過とともに周波数が連続的に変化するように構成されている。このようにすれば、図9に示すように、スイッチ用トランジスタ162により発光部142への電力供給をオン・オフさせる周期、すなわち、発光部142の発光周期を連続的に変化させることが可能になるため、発光部142による発光の周期を不正装置による発光の周期とずらすことが可能となり、不正装置による偽発光をより確実に検出することができる。特に、不正装置が発光部142を点灯および消灯させる構成に対応してきたときに有効である。
なお、第2円板体検出センサ146において、発光制御部により発光部147への電力供給がオフ状態にされているときに受光部148が検出光(偽発光)を検出しても、主基板60は(第1円板体検出センサ141の場合と)同様の処理を行う。
また、遊技中やリプレイ入賞時等といったメダルセレクタ100のメダル受入非許容時には、メダル投入部38に正規の遊技メダルが投入されると、前述したように、この遊技メダルは第2円板体案内通路111からメダルセレクタ100の下方へ排出され、第2ガイド部材47bに案内されてメダル払出口43から受け皿44へ払い出される。すなわち、メダルセレクタ100のメダル受入非許容時には、メダル投入部38に投入された遊技メダルはスロットマシン1の外部へ強制的に排出される。
このとき、第1および第2円板体検出センサ141,146の発光部142,147の発光に拘わらず、受光部143,148が検出光を検出したときにスロットマシン1による遊技を規制する制御を主基板60が行うようにしてもよい。このようにすれば、メダル受入非許容時に不正装置が第2円板体案内通路111内の円板体検出装置140へ挿入されるのを防止することができる。
以上に説明した本発明の実施形態において、達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
第1に、発光制御部160により発光部142,147への電力供給がオフ状態にされているときに、受光部143,148が検出光を検出するとスロットマシン1による遊技を規制する制御を主基板60が行うため、不正装置の発光体を点滅させて円板体検出装置140を不正に作動させようとしても、円板体検出装置140の発光部142,147が消灯している間に、受光部143,148が不正装置による偽発光を検出してスロットマシン1による遊技を規制することができることから、円板体検出装置140を不正に作動させて円板体の投入枚数を不正に増加させるのを防止することができる。さらに、スイープ信号発生器161から出力される発光指令信号の周波数が連続的に変化するように構成されるため、発光部142,147による発光の周期を不正装置による発光の周期とずらすことが可能となり、不正装置による偽発光をより確実に検出することができる。
第2に、メダルセレクタ100の第2円板体案内通路111に円板体検出装置140が設けられることで、有効円板体(正規の遊技メダル)と異なる無効円板体が円板体検出装置140に(有効円板体として)検出されるのを防止することができる。
第3に、発光制御部160により発光部142,147への電力供給がオフ状態にされているときに、受光部143,148が検出光を検出すると上下のスピーカ32a,32b,45により警報作動を行わせる制御を主基板60が行うことで、管理者が不正行為を容易に認識することができる。
なお、上述の実施形態において、円板体検出装置140が反射型ビームセンサである第1および第2円板体検出センサ141,146を有して構成されているが、これに限られるものではなく、透過型ビームセンサを用いるようにしてもよい。このようにしても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上述の実施形態において、発光制御部160がスイッチ用トランジスタ162を用いて発光部142,147への電力供給をオン・オフさせているが、これに限られるものではなく、電磁スイッチを用いて発光部142,147への電力供給をオン・オフさせるようにしてもよい。
さらに、上述の実施形態において、メダルセレクタ100の内部に設けられた第2円板体案内通路111に(ブロッカー装置120の下流側に)円板体検出装置140が設けられているが、これに限られるものではなく、例えば、メダルセレクタ100を備えず、円板体が投入されるメダル投入部と、メダル投入部に投入された遊技メダルの検出を行う円板体検出装置とを備えた遊技機においても、本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態において、上下のスピーカ32a,32b,45を用いて音による警報作動を行わせているが、これに限られるものではなく、演出表示装置33にエラー報知させるようにしてもよく、各演出用ランプ31,36a,36bを点滅させる等して、警報作動を行わせるようにしてもよい。また、警報手段を別途設けるようにしてもよい。
さらに、上述の実施形態において、主基板60を本発明に係る遊技規制部として兼用させているが、これに限られるものではなく、このような遊技規制部を別途設けるようにしてもよい。
また、上述の実施形態において、遊技に用いる円板体として遊技メダルが用いられているが、これに限られるものではなく、代用硬貨(トークン)でもよい。
さらに、上述の実施形態において、スイープ信号発生器161が発光指令信号を出力しているが、これに限られるものではなく、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)回路を用いてパルス幅変調を行った信号を発光指令信号として出力するようにしてもよく、FM(Frequency Modulation)変調回路を用いて周波数変調(FM変調)を行った信号を発光指令信号として出力するようにしてもよい。