JP4495456B2 - 新規の抗炎症性アンドロスタン誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は、アンドロスタン系の新規の抗炎症性および抗アレルギー性化合物とそれらの調製方法に関する。本発明はまた、特に炎症およびアレルギー症状の治療のための、該化合物を含む医薬製剤およびそれらの治療的使用に関する。
抗炎症性を有するグルココルチコステロイドは公知であり、炎症性障害または疾患、例えば喘息および鼻炎の治療に広く用いられている。しかしながら、グルココルチコステロイドには一般的に、投与後に全身性の有害反応を引き起こす不都合がありうる。グルココルチコイドで危惧される副作用には、視床下部-下垂体-副腎(Hypothalamic-Pituitary-Adrenal(HPA))系の抑圧、小児における骨の成長および高齢者における骨密度への影響、眼性合併症(白内障形成および緑内障)、および皮膚委縮がある。またある種のグルココルチコイド化合物は、活性代謝産物の生成によりこのような化合物の薬理作用および薬物動態を理解することが困難となりうる複雑な代謝経路を有している。最近のステロイドは当初導入されたものよりも格段に安全であるが、予測可能な薬物動態および薬理作用、魅力的な副作用特性、および都合の良い治療計画と共に優れた抗炎症性を有する新しい分子を製造するという研究目標が残されている。
国際公開WO94/13690号、WO94/14834号、WO92/13873号、WO92/13872号、WO97/24365号、WO97/24367号、およびWO97/24368号は全て、全身作用の軽減を伴う抗炎症活性を有するというグルココルチコステロイドを開示している。国際公開WO02/12265号、WO02/12266号(Glaxo Group)、およびWO02/00679号(Novartis)はある種の新規アンドロスタン誘導体を開示しているが、これら3つの文献は本特許出願の最も早い優先日の後に公開されている。
本発明は、全身的活性をわずかにしか、または全く伴わず、有用かつ長期持続性の抗炎症活性を有する新規の化合物群を提供する。従って、本発明の化合物は、副作用特性が不十分である既知のグルココルチコイドの、より安全な代替物を提供する。
従って、本発明のある態様によれば、式(I)の化合物:
Figure 0004495456
[式中:
はO、S、またはNHを示し;
は-C(=O)-アリールまたは-C(=O)-ヘテロアリールを示し;
は水素、メチル(αまたはβ立体配置のいずれでもよい)、またはメチレンを示し;
およびRは同一または異なるものであり、それぞれ水素またはハロゲンを示し;そして
Figure 0004495456
は単結合または二重結合を示す。]
とその塩および溶媒和物を提供する。
「アリール」という用語で呼ばれるものには、場合により1つ以上の置換基で置換されてもよいフェニルがある。
「ヘテロアリール」という用語で呼ばれるものには、N、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5または6員の複素芳香環(例えばチオフェニル(例えばチオフェン-2-イルまたはチオフェン-3-イル)、フラニル(例えばフラン-2-イルまたはフラン-3-イル)、ピロリル(例えば1H-ピロール-2-イル)、チアジアゾリル(例えば1,2,3-チアジアゾール-5-イルまたは1,2,3-チアジアゾール-4-イル))がある。別の例には、チアゾリル(例えば1,3-チアゾリル-5-イルまたは1,3-チアゾリル-4-イル)、イソキサゾリル(例えばイソキサゾール-5-イル、イソキサゾール-4-イル、またはイソキサゾール-3-イル)、イソチアゾリル(例えばイソチアゾール-3-イルまたはイソチアゾール-5-イル)、およびピラゾリル(例えば1H-ピラゾール-5-イル)がある。
前記の複素環は全て、場合により1つ以上(例えば1つまたは2つ)の置換基で置換されてもよい。
アリールおよびヘテロアリールの置換基の例には、C1-6アルキル(例えばメチル)、ハロゲン(例えば塩素または臭素)、またはC1-6アルコキシ(例えばメトキシまたはエトキシ)がある。
置換フラニルの例には、3-Me-フラン-2-イル、5-Br-フラン-2-イル、2-Me-フラン-3-イル、および2,5-ジMe-フラン-3-イルがある。置換チオフェニルの例には、5-Me-チオフェン-2-イル、5-Cl-チオフェン-2-イル、3-Cl-チオフェン-2-イル、3-Br-チオフェン-2-イル、4-メトキシ-チオフェン-3-イル、2,5-ジCl-チオフェン-3-イル、および4-メトキシ-5-Cl-チオフェン-3-イルがある。置換ピロリルの例には、1-Me-1H-ピロール-2-イルがある。置換チアジアゾリルの例には、4-Me-1,2,3-チアジアゾール-5-イルがある。置換イソキサゾリルの例には、3-Me-イソキサゾール-5-イル、5-Me-イソキサゾール-3-イル、および3,5-ジMe-イソキサゾール-4-イルがある。置換ピラゾリルの例には、1,3-ジMe-1H-ピラゾール-5-イルがある。
溶媒和物の例には、水和物がある。
式(I)の化合物の塩の例には、塩基性化合物(ヘテロアリールが塩基性である場合など)と共に形成されてもよい、生理学上許容される塩、例えば酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、およびマレイン酸塩がある。
以下、本発明にかかる化合物には、式(I)の化合物とその塩および溶媒和物(特に製薬上許容される塩および溶媒和物)の双方が含まれる。
本発明は式(I)の化合物の全ての立体異性体およびそれらの混合物をその範囲に包含することが理解されるであろう。
好ましくは、絶対立体化学は式(I)の化合物の表示に示されるものである。
特に、式(I)の化合物はラクトン部分の結合位置に不斉中心を有する。従って本発明は、同不斉中心におけるジアステレオマーおよびそれらの混合物の双方をその範囲に包含する。
はOまたはS、特にSであるのが好ましい。
はラクトン基のアルファ、ベータ、またはガンマ炭素原子と結合できる:
Figure 0004495456
は、ラクトン基のアルファ原子に結合するのが好ましい。
は、-C(=O)-ヘテロアリールであるのが好ましい。好ましくは、ヘテロアリールはO、N、およびSから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5員複素芳香環であり、場合により置換されてもよい。一態様では、好ましくはヘテロアリールはフラニル、ピロリル、またはチオフェニルであり、更に好ましくはフラニルまたはチオフェニル(例えば2-フラニル、3-フラニル、2-チオフェニル、または3-チオフェニル)であり、特にフラニル、特に2-フラニルが好ましい。
特に重要な化合物では、ヘテロアリールはO、N、およびSから選択される2個のヘテロ原子を含む5員の複素芳香環である。従って、別の好ましい化合物群では、Rは場合により置換されたチアゾリルである。別の好ましい化合物群では、Rは場合により置換されたイソチアゾリルである。別の好ましい化合物群では、Rは場合により置換されたピラゾリルである。別の好ましい化合物群では、Rは場合により置換されたイソキサゾリルである。
特に重要な化合物では、ヘテロアリールはO、N、およびSから選択される3個のヘテロ原子を含む5員の複素芳香環である。従って、別の好ましい化合物群では、Rは場合により置換されたチアジアゾリルである。
が-C(=O)-アリール(好ましくは、アリールはフェニルである)である化合物もまた特に重要である。
はメチル、特にα立体配置のメチルであるのが好ましい。Rがβ立体配置のメチルである化合物もまた特に重要である。
式(I)の化合物で、RおよびRが同一または異なっていてもよく、それぞれが水素、フッ素、または塩素、特に水素またはフッ素であるものが好ましい。RおよびRが共にフッ素である化合物が特に好ましい。
好ましくは、
Figure 0004495456
は二重結合である。
Figure 0004495456
が単結合である化合物もまた特に重要である。
本発明の特に好ましい化合物群は、RがSであり;Rが-C=(O)-2-フラニルであり;Rがメチルであり;RおよびRが同一または異なっていてもよく、それぞれが水素またはフッ素、特にフッ素であり、そして
Figure 0004495456
が単結合または二重結合である式(I)の化合物である。
本発明は上述の特定の好ましい基の組み合わせを全て包含していることが理解される。
式(I)の好ましい化合物には以下のものがある:
6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3-イル)エステルまたはその溶媒和物、特に、6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステルまたはその溶媒和物。
上述の式(I)の各化合物は、ラクトン部分の結合位置の不斉中心での個々のRおよびSジアステレオマー、並びにそれらの混合物を包含していることが認識されるであろう。従って、実質的に他のジアステレオマーを含まない、すなわち純粋となるように単離された個々のRおよびSジアステレオマーおよびそれらの混合物は本発明の範囲内に含まれる。実質的に他のジアステレオマーを含まない、すなわち純粋となるように単離された個々のRまたはSジアステレオマーは、好ましくは10%未満、更に好ましくは1%未満、特に0.1%未満で他のジアステレオマーが存在するように単離される。
式(I)の化合物は、特に局所投与において、有益な抗炎症性または抗アレルギー性の薬効を有する可能性があり、それは例えば、それらがグルココルチコイド受容体へ結合する能力およびその受容体を介する反応を阻害する能力により示される。従って、式(I)の化合物は炎症性および/またはアレルギー性障害の治療に有用である。更に、式(I)の化合物には全身的活性をわずかにしか、または全く有しないという利点がある。それゆえ、本発明の化合物は、副作用特性が不十分である既知の抗炎症性グルココルチコイドの、より安全性の高い代替物となりうる。
本発明の化合物が有用である疾病状態の例には、湿疹、乾癬、アレルギー性皮膚炎、神経性皮膚炎、心因性痒み症および過敏性反応のような皮膚疾患;喘息(例えばアレルゲン誘発性喘息反応)、鼻炎(例えば枯草熱)、鼻性ポリープ、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺疾患、および線維症のような鼻、のど、または肺の炎症性症状;潰瘍性大腸炎およびクローン病のような炎症性腸疾患;および慢性関節リウマチのような自己免疫疾患がある。
本発明の化合物はまた、結膜および結膜炎の治療に使用してもよい。
当業者に理解されるように、本明細書で治療に関して言及することは、予防並びに既に発症した(estublished)症状にも及ぶものである。
上述のように、式(I)の化合物はヒトまたは家畜用医薬に、特に抗炎症性および抗アレルギー性の薬剤として有用である。
従って、本発明の更なる態様として、ヒトまたは家畜用医薬、特に炎症および/またはアレルギー症状を有する患者の治療に使用される式(I)の化合物または生理学上許容されるその塩もしくは溶媒和物を提供する。
本発明の別の態様により、炎症および/またはアレルギー症状を有する患者を治療するための医薬製造のための、式(I)の化合物または生理学上許容されるその塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
更なる、または別の態様では、炎症および/またはアレルギー症状を有するヒトまたは動物被験体の治療方法を提供し、その方法は、有効量の式(I)の化合物または生理学上許容されるその塩もしくは溶媒和物を、該ヒトまたは動物被験体に投与することを含む。また、式(I)の化合物または生理学上許容されるその塩もしくは溶媒和物の、炎症および/またはアレルギー症状を有する患者の治療への使用も提供する。
本発明にかかる化合物は、便宜的なあらゆる方法での投与のために処方され得、それゆえ、本発明は、式(I)の化合物または生理学上許容されるその塩もしくは溶媒和物を、必要な場合には1つ以上の生理学上許容される希釈剤または担体と共に含有する医薬組成物もまたその範囲に包含する。
更に、これら成分を混合することを含むそのような医薬組成物の調製方法を提供する。
本発明にかかる化合物は、例えば経口、口腔内、舌下、非経口、局所、または直腸投与、特に局所投与用に調製してもよい。
本発明で使用する局所投与には、通気法および吸入法による投与がある。種々の型の局所投与用製剤の例には、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、泡沫剤、経皮吸収パッチによる送達のための製剤、粉末剤、スプレー剤、エアゾール剤、吸入もしくは通気または滴剤(例えば点眼剤または点鼻剤)で使用されるカプセルまたはカートリッジ、噴霧(nebulisation)のための溶液/懸濁剤、坐剤、膣坐剤、保持型浣腸剤(retention enemas)、および咀しゃく用または舐用の錠剤または小丸薬(例えばアフタ性潰瘍の治療に用いられる)、またはリポソームもしくはマイクロカプセル製剤がある。
肺への局所投与に有利な組成物には、ドライパウダー組成物およびスプレー組成物がある。
肺への局所送達のためのドライパウダー組成物は、吸入器または通気装置に使用するための、例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジで提供されてもよい。製剤は一般的に、本発明の化合物の吸入のための粉末混合物およびラクトースまたはデンプンのような好適な粉末基剤を含有する。各カプセルまたはカートリッジは一般に20μg-10mgの式(I)の化合物を含有し得る。または、本発明の化合物は賦形剤を含有しなくてもよい。製剤の包装は単回投与または複数回投与の送達に適し得る。複数回投与の送達の場合、製剤はあらかじめ計量されているか(例えば、Diskus(英国特許第2242134号参照)またはDiskhaler(英国特許第2178965号、2129691号、および2169265号参照))または使用の際に計量され得る(例えば、Turbuhaler(欧州特許第69715号参照))。単回投与のための装置の例にはRotahaler(英国特許第2064336号参照)がある。Diskusの吸入装置は細長いストリップを含み、これはその長さに沿って一定の間隔を置いて並べられた多数のくぼみを持つ基部シート、および基部シートを密閉するが剥離可能にシールされている被覆シートから形成され、それにより、多数のコンテナが区切られている。各コンテナは式(I)の化合物を、好ましくはラクトースと混合して含む吸入可能な製剤を有する。好ましくは、ストリップは十分に柔軟であり、ロール状に巻くことができる。被覆シートおよび基部シートは好ましくはリーディング末端部分を有しており、それらはお互いに密封されておらず、そして少なくとも1つの該リーディング末端部分は巻き取り手段に結合するように構築されている。また、好ましくは、基部シートおよび被覆シート間の密封シールはそれらの幅全体にわたって広がっている。被覆シートは好ましくは、該基部シートの第一の末端から縦方向に基部シートから剥離され得る。
スプレー組成物は例えば、水溶液もしくは懸濁液として、または好適な液化噴射剤を使用し、定量噴霧式吸入器のような加圧パックから放出されるエアゾール剤として調製してもよい。吸入に適したエアゾール組成物は懸濁液または溶液のいずれでもよく、一般的に式(I)の化合物および好適な噴射剤(例えばフルオロカーボンもしくは水素含有クロロフルオロカーボン、またはそれらの混合物、特にヒドロフルオロアルカン、とりわけ1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン、またはそれらの混合物)を含む。エアゾール組成物は場合により、界面活性剤(例えばオレイン酸またはレシチン)および共溶媒(例えばエタノール)のような当該分野で周知の更なる製剤添加剤を含んでもよい。製剤の一例としては、添加剤を含まず、式(I)の化合物(場合により、別の活性成分と共に)、および1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン、およびそれらの混合物から選択される噴射剤から本質的に成り立っている(例えば成り立っている)。別の製剤の例では、式(I)の微粒子化合物、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン、およびそれらの混合物から選択される噴射剤、そしてこの噴射剤に可溶な懸濁化剤(例えば国際公開WO94/21229号に記載されているオリゴ乳酸またはその誘導体)を含む。好ましい噴射剤は1,1,1,2-テトラフルオロエタンである。加圧製剤は一般的に、バルブ(例えば計量バルブ)で閉じ、マウスピースを有する作動器に取り付けられた缶(例えばアルミニウム缶)に保持される。
吸入による投与に用いられる医薬は望ましくは制御された粒子サイズを有している。気管支系への吸入のための至適粒子サイズは通常1-10μmであり、好ましくは2-5μmである。20μmより大きなサイズを有する粒子は一般に大きすぎ、吸入の際に小さな気道まで到達できない。上記粒子サイズを達成するために、製造の際に式(I)の化合物の粒子サイズを、慣例的な方法、例えば超細粒化により低減してもよい。目的の画分を空気分級またはふるい分けにより分離してもよい。好ましくは、粒子は結晶であり、例えば、液体溶媒中の医薬としての式(I)の化合物の流動溶液を、該医薬の貧溶媒(antisolvent)の流動液体と、超音波処理下で、連続的フローセル中で混合することを含む方法(例えば国際特許出願PCT/GB99/04368号に記載)、または、液体溶媒中の物質溶液流および該物質の液体貧溶媒の液流を、流出口を軸方向に持つ円柱状の混合チャンバーに接するように(tangentially)注入し、渦の形成により該液流が完全に混合し、その結果物質の結晶性粒子が沈澱するようにすることを含む他の方法(例えば国際特許出願PCT/GB00/04327号に記載)により調製される。ラクトースのような添加剤を使用する場合、一般的に、添加剤の粒子サイズは本発明に包含される吸入される医薬よりずっと大きい。添加剤がラクトースの場合、典型的には粉砕されたラクトースとして存在し、ラクトース粒子の85%以下が60-90μmのMMDを有し、15%以上が15μm未満のMMDを有する。
鼻への局所投与用の製剤には、加圧エアゾール製剤および加圧ポンプにより鼻へ投与する水溶性製剤がある。
肺または鼻への投与のための水溶性製剤は、緩衝剤、張度調節剤(tonicity modifing agents)などのような慣例的な添加剤を伴ってもよい。水溶性製剤はまた、噴霧により鼻に投与してもよい。
他の例として以下のものが挙げられる:
軟膏剤、クリーム剤、およびゲル剤は例えば、好適な増粘剤および/もしくはゲル剤および/または溶剤を添加した水性あるいは油性基剤と共に調製してもよい。従って、そのような基剤は例えば水および/もしくは油(例えば液体パラフィンまたは植物油(例えば落花生油またはヒマシ油))、またはポリエチレングリコールのような溶媒であってもよい。基剤の性質に従って使用してもよい増粘剤およびゲル化剤には、軟質パラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリールアルコール、ポリエチレングリコール、羊毛脂、蜜蝋、カルボキシポリメチレンおよびセルロース誘導体、および/またはモノステアリン酸グリセリンおよび/もしくは非イオン性乳化剤がある。
ローション剤を水性または油性基剤と共に調製してもよく、一般的に、1つ以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、または増粘剤も含んでいる。
外用粉末剤は、あらゆる好適な粉末基剤、例えばタルク、ラクトース、またはデンプンを助剤にして調製してもよい。滴剤は、1つ以上の分散剤、可溶化剤、懸濁化剤、または保存剤も含んでいる水性または非水性基剤と共に調製してもよい。
場合により、本発明の製剤を好適な緩衝剤の添加により緩衝され得る。
本発明にかかる局所用組成物中の式(I)の活性化合物の比率は、調製される製剤の型に依存するが、一般的に、0.001から10重量%の範囲内にある。しかしながら、一般的に、ほとんどのタイプの製剤で、使用される有利な比率は0.005から1%、好ましくは0.01から0.5%の範囲内にあるであろう。しかしながら、吸入または通気に用いられる粉末剤では、用いられる比率は一般的に0.1から5%の範囲内にある。
エアゾール製剤は好ましくは、エアゾールの各一定用量または「ひと吹き量(puff)」が1μg〜2000μg、例えば20μg〜2000μg、好ましくは約20μg〜500μgの式(I)の化合物を含むように調製される。投与は1日1回または1日数回、例えば2、3、4、もしくは8回であってもよく、例えば1、2、または3用量が各時点で投与される。好ましくは、式(I)の化合物は1日1回または2回送達(投与)される。エアゾールの総日用量は一般的に10μg〜10mg、例えば100μg〜10mg、好ましくは200μg〜2000μgである。
局所製剤は1日に1回以上の適用により患部に投与してもよく;皮膚患部を覆う閉鎖包帯を便宜に使用してもよい。連続的または長期送達を粘着性リザバー系により行ってもよい。
内科的(internal)投与では、本発明にかかる化合物を、例えば経口、非経口、または直腸投与のための慣例的な手法により調製してもよい。経口投与のための製剤には、シロップ剤、エリキシル剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤、およびカプセル剤があり、それらは一般的に、接着剤、充填剤、潤滑剤、崩壊剤、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、保存剤、緩衝塩、香味料、着色料、および/または甘味料のような慣例的な添加剤を一般に含有する。しかしながら、以下に記載するように、単位剤形が好ましい。
内科的投与のための好ましい製剤形態は、単位剤形すなわち錠剤およびカプセル剤である。そのような単位剤形は0.1mgから20mg、好ましくは2.5から10mgの本発明の化合物を含む。
本発明にかかる化合物は一般的に、全身的副腎皮質療法が必要である場合には、内科的投与により投与してもよい。
一般的に、内科的投与では、製剤は使用される製剤のタイプによって、0.05から10%の活性成分を含有してもよい。日用量は0.1mgから60mg、例えば5-30mgの範囲で変化してもよく、それは治療される症状、および所望の治療期間に依存する。
徐放性または腸溶性製剤が、特に炎症性腸障害の治療にとって有利であり得る。
本発明にかかる医薬組成物はまた、別の治療的に活性な薬剤(例えばβアドレナリン受容体アゴニスト、抗ヒスタミン剤、または抗アレルギー剤)と組み合わせて使用してもよい。従って本発明は、更なる態様において、式(I)の化合物またはそれらの生理学上許容される塩もしくは溶媒和物と別の治療的に活性な薬剤(例えばβアドレナリン受容体アゴニスト、抗ヒスタミン剤、または抗アレルギー剤)と併用した複合剤を提供する。
長期作用型βアドレナリン受容体アゴニストとの併用が好ましく、特に24時間以上にわたる治療効果を提供できるものが好ましい。例えば1日1回の投与に好適な医薬組成物を提供し、それは式(I)の化合物またはそれらの塩もしくは溶媒和物を、長期作用型βアドレナリン受容体アゴニストと併せて含有する。
βアドレナリン受容体アゴニストの例には、サルメテロール(例えばラセミ体またはR-エナンチオマーのような単一エナンチオマー)、サルブタモール、フォルモテロール、サルメファモール、フェノテロール、またはテルブタリン、およびそれらの塩(例えばサルメテロールのキシナホ酸塩、サルブタモールの硫酸塩もしくは遊離塩基またはフォルメテロールのフマル酸塩)がある。サルメテロールまたはフォルモテロールのような長期作用型βアドレナリン受容体アゴニストが好ましい。
好適な長期作用型型βアドレナリン受容体アゴニストには国際公開WO 266422A号に記載されるものがある。
特に好適な長期作用型βアドレナリン受容体アゴニストは式(X)の化合物:
Figure 0004495456
またはその塩もしくは溶媒和物であり、式中:
mは2から8の整数であり;
nは3から11、好ましくは3から7の整数であり;
但し、m+nは5から19、好ましくは5から12であり;
11は-XSONR1617であり、
式中、Xは-(CHP-またはC2-6アルケニレンであり;
16およびR17は独立して水素、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C(O)NR1819、フェニル、およびフェニル(C1-4アルキル)-から選択されるか、
またはR16およびR17は、それらが結合している窒素と共に5-、6-、もしくは7-員の窒素含有環を形成し、そして、R16およびR17はそれぞれ場合により、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、水酸基置換されたC1-6アルコキシ、-CO18、-SONR1819、-CONR1819、-NR18C(O)R19、または5-、6-、もしくは7-員の複素環から選択される1つまたは2つの基で置換されてもよく;
18およびR19は独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、およびフェニル(C1-4アルキル)-から選択され;そして
pは0から6、好ましくは0から4の整数であり;
12およびR13は独立して水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロ、フェニル、およびC1-6ハロアルキルから選択され;そして
14およびR15は独立して水素およびC1-4アルキルから選択されるが、但し、R14およびR15中の炭素原子の総数は4以下である。
式(I)の化合物において、R11基は好ましくは、-O-(CH-結合に対してメタ位に結合している。
11は好ましくは、-SONR1617であり(式中、R16およびR17は独立して水素およびC1-6アルキルから選択される)、より好ましくは、R11は-SONHである。
14およびR15は好ましくは、独立して水素およびメチルから選択され、更に好ましくは、R14およびR15は共に水素である。
mは、4、5、または6が好適であり、nは、3、4、5、または6が好適である。好ましくは、mは5または6であり、nは3または4であり、m+nが8、9、または10、好ましくは9となるようにする。
特に好ましい式(X)の化合物は、式(Xa)の化合物:
Figure 0004495456
[式中、R11は式(X)の上記定義と同様である。]
またはその塩もしくは溶媒和物である。
別の特に好ましい式(X)の化合物は、式(Xb)の化合物:
Figure 0004495456
[式中、R11は式(X)の上記定義と同様である。]
またはその塩もしくは溶媒和物である。
式(Xa)および(Xb)の化合物において、R11基は好ましくは、それぞれ-O-(CH-または-O-(CH-結合に対してメタ位に結合している。
式(Xa)および(Xb)の化合物において、R11は好ましくは、-SONR1617であり(式中、R16およびR17は独立して水素およびC1-6アルキルから選択される)、より好ましくは、R11は-SONHである。
11の定義において、R16およびR17は、それらが結合している窒素原子と共に5-、6-、または7-員の窒素含有環を形成するが、「5-、6-、または7-員の窒素含有環」という用語は、5-、6-、または7-員の飽和または不飽和環を意味し、これはスルホンアミド窒素原子、および場合により、窒素、硫黄、および酸素から独立して選択される1つまたは2つの他のヘテロ原子を含んでいてもよい。そのような環の好適な例には、ピペリジニル、モルホリニル、およびピペラジニルがある。
11、具体的にはR16およびR17上の所望の置換基の定義において、「5-、6-、または7-員の複素環」という用語は、完全または部分的に飽和または不飽和である5-、6-、または7-員環を意味し、これは独立して窒素、硫黄、および酸素から選択される1つ、2つ、3つ、または4つのヘテロ原子を含む。そのような環の好適な例には、ピロリル、フリル、チエニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、テトラヒドロフラニル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、およびピペラジニルがある。
Xの定義において、「アルケニレン」という用語は、シスおよびトランス構造を共に含む。アルケニレン基の好適な例には、-CH=CH-がある。
式(X)、(Xa)、および(Xb)の化合物は、不斉中心、すなわち以下:
Figure 0004495456
の基の炭素原子を含む。本発明は、(S)および(R)エナンチオマーの両方を、実質的な純粋物または任意の比率の混合物のいずれかの状態で含む。
同様に、R14およびR15が異なる基である場合、それらが結合している炭素原子は不斉中心であり、本発明は、この不斉中心に(S)および(R)エナンチオマーの両方を実質的な純粋物または任意の比率の混合物のいずれかの状態で含む。
従って、式(X)、(Xa)、および(Xb)の化合物は、全てのエナンチオマーおよびジアステレオマー、並びに任意の比率のそれらの混合物を含む。
最も好ましい式(X)の化合物は、3-(4-{[6-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)-ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミドまたはそれらの塩もしくは溶媒和物である。
医薬の使用に好適な式(X)、(Xa)、および(Xb)の化合物の塩および溶媒和物は、その対イオンまたは結合溶媒が製薬上許容されるものである。しかしながら、製薬上許容される対イオンおよび結合溶媒ではないものを有する塩および溶媒和物は、例えば式(X)、(Xa)、および(Xb)の他の化合物およびそれらの製薬上許容される塩および溶媒和物を調製する際の中間体として利用され、本発明の範囲に含まれる。
本発明にかかる好適な塩には、有機および無機の両方の酸または塩基と共に形成されたものがある。製薬上許容される酸付加塩には以下から形成されたものがある:塩酸、臭化水素酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフェニル酢酸、スルファミン酸、スルファニル酸、コハク酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アリールスルホン酸(例えばp-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、またはナフタレンジスルホン酸)、サリチル酸、グルタル酸、グルコン酸、トリカルバリル酸(tricarballylic acid)、桂皮酸、置換型桂皮酸(例えばフェニル、メチル、メトキシ、またはハロ置換された桂皮酸であり、例えば4-メチルおよび4-メトキシ桂皮酸がある)、アスコルビン酸、オレイン酸、ナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸(例えば1-または3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸)、ナフタレンアクリル酸(例えばナフタレン-2-アクリル酸)、安息香酸、4-メトキシ安息香酸、2-または4-ヒドロキシ安息香酸、4-クロロ安息香酸、4-フェニル安息香酸、ベンゼンアクリル酸(例えば1,4-ベンゼンジアクリル酸)、およびイソチオ酸。製薬上許容される塩基性塩には、アンモニウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、そしてジシクロヘキシルアミンおよびN-メチル-D-グルカミンのような有機塩基との塩がある。
式(X)、(Xa)、および(Xb)の化合物は、下記の実施例Xを参照して、類似の方法によって、またはそれ自体が知られている他の慣例的な方法によって調製してもよい。
式(I)の化合物には長期作用性が求められるので、好ましくは式(I)の化合物および長期作用型βアドレナリン受容体アゴニストを含む組成物を1日1回投与し、各投与量は、組成物が呼吸器障害作用の治療(例えば喘息またはCOPD、特に喘息の治療)において24時間以上にわたって治療効果を示すように選択される。
抗ヒスタミン剤の例には、メタピリレンまたはロラタジンがある。
他の好適な併用には、例えば他の抗炎症剤(例えばNSAID(例えばクロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミルナトリウム、PDE4阻害薬、ロイコトリエンアンタゴニスト、iNOS阻害薬、トリプターゼおよびエラスターゼ阻害薬、ベータ-2インテグリンアンタゴニストおよびアデノシン2aアゴニスト))、または抗感染症剤(例えば抗生物質、抗ウイルス剤)がある。式(I)の化合物はまた、抗コリン作用化合物と併用してもよく、それらの例にはイプラトロピウム(例えば臭化物として)、チオトロピウム、アトロピン、またはオキシトロピウムがある。前記物質のいずれもそれらの別の塩または溶媒和物の形態で使用してもよい。
ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬と併用して式(I)の化合物を使用することは特に重要である。本発明のこの態様において有用なPDE4特異的阻害薬は、PDE4酵素を阻害することが知られている、またはPDE4阻害薬として作用することが見いだされている化合物であり、PDE4だけの阻害薬であって、PDE4と同様にPDEファミリーの他のメンバーを阻害する化合物でない。一般的に、ロリプラムと高親和性で結合するPDE4の触媒型のIC50をロリプラムと低親和性で結合する型のIC50で割った場合のIC50比が約0.1以上であるPDE4阻害薬を使用することが好ましい。本開示の目的では、RおよびSロリプラムに低親和性で結合するcAMP触媒部位を「低親和性」結合部位(LPDE4)と呼び、ロリプラムに高親和性で結合するこの触媒部位の他の型を「高親和性」結合部位(HPDE4)と呼ぶ。「HPDE4」という用語を、ヒトのPDE4を示す場合に使用される「hPDE4」と混同すべきではない。[H]-ロリプラム結合アッセイを確立、検証するために初期実験を実施した。この研究の詳細は、以下に詳述する結合アッセイの項に記載する。
本発明で使用する好ましいPDE4阻害薬は、有益な治療可能比を有する化合物、すなわち、酵素が低親和性ロリプラム結合型である場合にcAMP触媒活性を優先的に阻害し、それにより、高親和性ロリプラム結合型の阻害に明らかに関係している副作用を低減する化合物である。言い換えると、好ましい化合物は、ロリプラムと高親和性で結合するPDE4の触媒型のIC50をロリプラムと低親和性で結合する型のIC50で割った場合のIC50比が約0.1以上である。この基準を更に詳しく記載すると、PDE4阻害薬は約0.1以上のIC50比を有し、該比は、高親和性ロリプラム結合型PDE4への1nM[H]R-ロリプラムの結合との競合のIC50値と、基質として1μM[H]-cAMPを使用する低親和性ロリプラム結合型PDE4触媒活性の阻害のIC50値との比である。
有用なPDE4阻害薬の例には以下がある:
(R)-(+)-1-(4-ブロモベンジル)-4-[(3-シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-2-ピロリドン;
(R)-(+)-1-(4-ブロモベンジル)-4-[(3-シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-2-ピロリドン;
3-(シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-1-(4-N’-[N2-シアノ-S-メチル-イソチオウレイド]ベンジル)-2-ピロリドン;
cis4-シアノ-4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)シクロヘキサン-1-カルボン酸];
cis[4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オール];
(R)-(+)-エチル[4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)ピロリジン-2-イリデン]アセテート;および
(S)-(−)-エチル[4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)ピロリジン-2-イリデン]アセテート。
0.5より大きなIC50比を有するPDE4阻害薬、特に1.0より大きなIC50比を有する化合物が最も好ましい。好ましい化合物は、cis4-シアノ-4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)シクロヘキサン-1-カルボン酸、2-カルボメトキシ-4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン、およびcis-[4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オール]である;これらは、低親和性結合部位に優先的に結合し、0.1以上のIC50比を有する化合物の例である。
他の重要な化合物には以下がある:
米国特許第5,552,438号(1996年9月3日発行)に記載の化合物;この特許およびそれが開示する化合物は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。米国特許第5,552,438号に開示されている特に重要な化合物は、cis-4-シアノ-4-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]シクロヘキサン-1-カルボン酸(cilomalastとしても知られている)およびその塩、エステル、プロドラッグ、または物理学的形態(physical forms)である;
AWD-12-281(Astra)(Hofgen, N.ら、15th EFMC Int Symp Med Chem (9月6-10日、Edinburgh)1998、Abst P.98);NCS-613と称される9-ベンジルアデニン誘導体(INSERM);D-4418(Chiroscience and Schering-Plough);Cl-1018と同一であるベンゾジアゼピンPDE4阻害薬(PD-168787;Parke-Davis/Warner-Lambert);国際公開WO 9916766号に開示されるベンゾジオキソール誘導体(Kyowa Hakko);V-12294A(Napp)(Landells, L.J.ら、Eur Resp J [Annu Cong Eur Resp Soc (9月19-23日、Geneva) 1998] 1998、 12(Suppl. 28): Abst P2393);ロフラミラスト(CAS参照番号16240 1-32-3)およびプタラジノン(pthalazinone、国際公開WO 9947505号、Byk-Gulden);またはT-440と同一の化合物(Tanabe Seiyaku; Fuji, K.ら、J Pharmacol Exp Ther,1998, 284(1): 162)。
ホスホジエステラーゼとロリプラムの結合アッセイ
アッセイ法1A
単離したヒト単球PDE4およびhrPDE(ヒト組換えPDE4)は、主として低親和性型であると確認された。従って、低親和型のPDE4に対する試験化合物の活性は、基質として1μMの[H]cAMPを使用するPDE4触媒活性の標準的なアッセイを用いて評価できる(Torphyら,J. of Biol. Chem., Vol. 267, No.3 pp1798-1804, 1992)。
ラット脳の高速上清をタンパク質源として使用し、[H]-ロリプラムの両エナンチオマーを比活性が25.6Ci/mmolとなるように調製した。標準的なアッセイ条件は、最後のcAMP以外は、報告されている方法をPDE分析の条件と同一になるように変更した:50mM Tris/HCl(pH7.5)、5mM MgCl、50μM 5'-AMP、および1nMの[H]-ロリプラム(Torphyら, J. of Biol. Chem., Vol.267, No.3 pp1798-1804, 1992)。アッセイは1時間、30℃で行った。反応を停止させ、Brandel cell harvesterにより結合リガンドを遊離リガンドと分離した。高親和性結合部位への拮抗は、[H]-cAMPを存在させないこと以外は、低親和性PDE活性の測定に使用する条件と同様の条件下で評価した。
アッセイ法1B
ホスホジエステラーゼ活性の測定
PDE活性は、販売者(Amersham Life Science)が記載しているように、[H]cAMP SPAまたは[H]cGMP SPA酵素アッセイを使用して分析した。反応は96穴プレートを用い、室温で、以下の物質(最終濃度)を含む0.1mlの反応バッファー中で行った:50mM Tris-HCl、pH7.5、8.3mM MgCl、1.7mM EGTA、[H]cAMPまたは[H]cGMP(約2000dpm/pmol)、酵素、および種々の濃度の阻害薬。アッセイは1時間行い、硫酸亜鉛存在下で50μlのSPAケイ酸イットリウムビーズを添加して終了させた。プレートを振とうし、室温で20分間放置した。放射標識された産物の生成をシンチレーション分析器で測定した。
H]R-ロリプラム結合アッセイ
H]R-ロリプラム結合アッセイは、Schneiderおよび共同研究者らによる方法(Nicholsonら, Trends Pharmacol. Sci., Vol.12, pp.19-27(1991)およびMcHaleら, Mol. Pharmacol., Vol.39,109-113(1991)参照)を変更して行った。R-ロリプラムは、PDE4の触媒部位に結合する(Torphyら,Mol. Pharmacol., Vol. 39, pp376-384, (1991)参照)。従って、[H]R-ロリプラム結合の競合により、標識されていない競合物質のPDE4阻害効力を非依存的に確認できる。アッセイは30℃で1時間、以下の物質(最終濃度)を含む0.5μlのバッファー中で行った:50mM Tris-HCl、pH7.5、5mM MgCl、0.05%牛血清アルブミン、2nM[H]R-ロリプラム(5.7x10dpm/pmol)、および種々の濃度の未標識阻害薬。2.5mlの氷冷反応バッファー([H]R-ロリプラムを含まない)を添加して反応を停止し、0.3%のポリエチレンイミン中に浸漬しておいたWhatman GF/Bフィルターを通して急速吸引ろ過(Brandel Cell Harvester)を行った。フィルターを更なる7.5mlの冷バッファーで洗浄後、乾燥し、液体シンチレーション分析器で測定した。
従って本発明の更なる態様において、PDE4阻害薬と共に式(I)の化合物またはその生理学上許容される塩もしくは溶媒和物を含む複合剤(combination)を提供する。
上述の複合剤は、便宜に医薬製剤の形態で使用するためのものであってもよく、従って製薬上許容される希釈剤またはキャリアーと共に上述の複合剤を含む医薬製剤は本発明の更なる態様を示す。
そのような複合剤の個々の化合物は、個別の、または合一した医薬製剤で連続的に、または同時に投与してもよい。
既知の治療薬の適切な用量は、当業者により容易に理解される。
式(I)の化合物とそれらの塩および溶媒和物は、後述する方法により調製してもよく、それは、本発明の更なる態様となっている。
従って、第1の工程(A)により、式(I)の化合物は式(II)の化合物:
Figure 0004495456
[式中、R、R、R、R、および
Figure 0004495456
は、式(I)の化合物に関する上記定義と同様であり、XはOH、SH、またはトリアゾールもしくは混合無水物のようなそれらの活性誘導体である。]
を式(III)の化合物:
Figure 0004495456
[式中、ZはOH、NH、またはSHである。]
およびその塩で処理することにより調製してもよい。
がOまたはSである式(I)の化合物はまた第2の工程(B)により調製してもよく、その工程では、式(II)の化合物(式中、R、R、R、R、および
Figure 0004495456
は、上記定義と同様であり、XはOHもしくはSHまたはそれらの相当する塩である)を式(IV)または式(V)の化合物で処理する:
Figure 0004495456
[式中、Qは標準的方法での好適な脱離基(例えばCl、Br、OSOA(式中、Aは、例えばCH、CF、p-CHである。)である。]
式(IV)の化合物を使用する上記の一般的工程(B)は、Rがラクトン基のアルファ、ベータ、またはガンマ炭素原子に結合している式(I)の化合物を調製する際に使用できる。
がOまたはSである式(I)の化合物は、当分野で公知の方法、またはそれらの変法を使用し、上記工程(B)に従って、式(II)の化合物(式中、XはそれぞれOHまたはSHである)を式(IV)の化合物(式中、Qは好適な脱離基である)でアルキル化することによって調製してもよい。
従って、例えばRがOである式(I)の化合物は、式(II)の化合物(式中、XはOHであり、便宜上好適な塩(アルカリ金属、例えばナトリウムまたは第4級アンモニウムの塩の形態であるもの)である)を、式(IV)の化合物(式中、Qは好適な脱離基、好ましくは塩素、臭素、またはメシレートである)を用いてアルキル化して調製してもよい。アルキル化反応は、溶媒、好適には極性溶媒存在下、例えば窒素などの不活性状態下で、便宜に約0℃から100℃の間の温度で行うことが好ましい。好適な極性溶媒には、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、またはクロロホルムがある。
同様に、RがSである式(I)の化合物は上記工程(B)に従って、式(II)の化合物(式中、XはSHである)を式(IV)の化合物(式中、QはPhillippsら, Journal of Medicinal Chemistry, 1994, 37, 3717-3729に記載される方法に適合する好適な脱離基である)でアルキル化することによって調製できる。従って、RがSである式(I)の化合物は、相当する式(II)の化合物(式中、XはSHであり、便宜上適切な塩(例えばアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩)または第4級アンモニウム塩など)の形態である)を、式(IV)の化合物(式中、Zは好適な脱離基である)により、上述のアルキル化反応と同様にアルキル化して調製してもよい。
あるいはまた、RがOまたはSである式(I)の化合物は上記工程(B)に従って、式(II)の化合物(式中、XはOHまたはSHである)を式(IV)の化合物(式中、QはOHである)で、Mitsunobu反応条件下でトリフェニルホスフィンおよびジアルキルアゾジカルボキシレートを使用して、またはBarrettおよびProcopiouのJournal of the Chemical Society, Chemical Communications, 1995, 1403-1404に記載されているVilsmeier法によってアルキル化することによって調製してもよい。
がSであり、ラクトン基のベータ炭素原子に結合している式(I)の化合物はまた、相当する式(II)の化合物(式中、XはSHである)を式(V)の化合物と反応させて調製してもよい。例えば炭酸カリウムのような塩基の存在下、ジメチルホルムアミドのような好適な溶媒中で、式(II)の化合物を式(V)の化合物とミカエル(Michael)付加して調製してもよい。
式(I)の化合物はまた、エピマー化またはエステル化のような慣例的な相互変換法を用いて、式(I)で示される別の化合物から調製してもよい。従って、式(I)で示される別の化合物の相互変換により式(I)の化合物を調製する方法(工程C)は、本発明の更なる態様である。
1,2単結合を有する式(I)の化合物は、慣例的な方法により相当する1,2二重結合化合物を部分的に還元して調製してもよい。従って、例えばパラジウム触媒を用い、便宜上好適な溶媒(例えば酢酸エチル)中で、または、好ましくはトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロライド(ウィルキンソン(Wilkinson)触媒として知られる)を用い、便宜上好適な溶媒(例えばトルエン、酢酸エチル、またはエタノール)中で、相当する式(I)の化合物、または、式(I)の化合物の調製に使用される中間体を水素添加することにより調製してもよい。
当業者に認識されるように、式(I)の化合物の調製に用いられる中間体の保護誘導体を使用することが望まれうる。従って、上記の工程は、目的の化合物を得るために中間または最終段階において、脱保護反応が必要とされうる。従って、別の工程(D)に従って、式(I)の化合物の保護誘導体を存在する1または複数の保護基を除去する反応に供することによって、式(I)の化合物を調製してもよく、これは本発明の更なる態様である。
官能基の保護および脱保護は、慣例的な方法を用いて行ってもよい。従って、水酸基は、例えば「有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」 J.F.W. McOmie 編(Plenum Press,1973)または「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」 Theodora W. Green (John Wiley and Sons,1991)に記載されているように、慣例的な水酸基保護基のいずれを使用して保護してもよい。
好適な水酸基保護基の例には、アルキル(例えばt-ブチルまたはメトキシメチル)、アラールキル(例えばベンジル、ジフェニルメチル、またはトリフェニルメチル)、テトラヒドロピラニルのような複素環基、アシル(例えばアセチルまたはベンゾイル)、およびトリアルキルシリル(例えばt-ブチルジメチルシリル)のようなシリル基から選択される基がある。水酸基保護基は慣例的な技術により除去してもよい。従って、例えばアルキル、シリル、アシル、および複素環基は加溶媒分解(例えば酸性または塩基性条件下での加水分解)により除去してもよい。トリフェニルメチルのようなアラールキル基は同様に、加溶媒分解(例えば酸性条件下での加水分解)により除去してもよい。ベンジルのようなアラールキル基は、パラジウム-炭素のような貴金属触媒の存在下での水素化分解により開裂してもよい。
式(III)、(IV)、および(V)の化合物は、一般に既知の化合物であるか、または、式(III)、(IV)、および(V)の既知の化合物を調製するために当分野で報告されている方法と同様の方法により調製することができるか、あるいは本明細書に記載される方法により調製することができる。
XがSHを示す式(II)の化合物は、相当する式(VI)の17α-ヒドロキシ誘導体:
Figure 0004495456
[式中、R、R、R、R、および
Figure 0004495456
は、上記定義と同様である。]
から、例えばG. H. Phillippsら,(1994)Journal of Medicinal Chemistry, 37, 3717-3729に記載される方法を用いて調製することができる。例えば段階は一般的に、穏やかな塩基(例えばトリエチルアミン)存在下、アリールまたはヘテロアリールカルボニルハライド(例えば2-フラノイルクロリド)のようなエステルへのエステル化を行うのに好適な試薬を添加することを含む。一般的に、アリールまたはヘテロアリールカルボニルハライドは、式(VI)の化合物に対し少なくとも2倍のモル量で使用される。アリールまたはヘテロアリールカルボニルハライドの第2のモルは、式(VI)の化合物のチオ酸部分と反応する傾向があり、ジエチルアミンのようなアミンとの反応により除去することが必要である。
式(VI)の化合物はGB2088877Bに記載される方法に従って調製することができる。
式(VI)の化合物はまた、以下の段階を含む方法により調製することもできる。
Figure 0004495456
段階(a)は式(VII)の化合物を含有する溶液の酸化を含む。
好ましくは、段階(a)は、メタノール、水、テトラヒドロフラン、ジオキサン、またはジエチレングリゴール(glygol)ジメチルエーテルを含む溶媒の存在下で行う。例えば収量および処理量を上げるためには、好ましくは、溶媒はメタノール、水、またはテトラヒドロフランであり、更に好ましくは水またはテトラヒドロフランであり、特に、水およびテトラヒドロフランが溶媒として好ましい。ジオキサンおよびジエチレングリゴールジメチルエーテルもまた好ましい溶媒であり、それらは場合により(および好ましくは)水と共に使用してもよい。好ましくは、溶媒は、出発物質量(1重量部)に対し3から10容量の間、更に好ましくは4から6容量の間の量で存在し、特に5容量であることが好ましい。好ましくは、酸化剤は出発物質量に対し1-9モル当量の量で存在する。例えば過ヨウ素酸の50%w/w水溶液を使用する場合、酸化剤は、出発物質量(1重量部)に対し1.1から10重量部の間の量で存在し、更に好ましくは1.1から3重量部の間の量であり、特に1.3重量部であることが好ましい。好ましくは、酸化段階は化学酸化剤の使用を含む。更に好ましくは、酸化剤は過ヨウ素酸もしくはヨウ素酸、またはそれらの塩である。最も好ましくは、酸化剤は過ヨウ素酸または過ヨウ素酸ナトリウムであり、特に過ヨウ素酸が好ましい。あるいはまた(または、更に)認識されるように、酸化段階はいずれの好適な酸化反応(例えば空気および/または酸素を利用する反応)を含んでもよい。酸化反応が空気および/または酸素を利用する場合、該反応で使用する溶媒は、好ましくはメタノールである。好ましくは、段階(a)は室温またはわずかに温かい温度(例えば約25℃)で例えば2時間、試薬をインキュベートすることを含む。式(VIII)の化合物は、貧溶媒の添加により反応混合物から再結晶させて単離してもよい。式(VIII)の化合物の好適な貧溶媒は水である。驚くべきことに、我々は、貧溶媒(anti-solvent)(例えば水)の添加により式(VIII)の化合物が沈澱する条件を制御することが非常に望ましいことを発見した。冷水(例えば0-5℃の温度の水/氷混合物)により再結晶を行うと、より良好な貧溶媒特性が期待されうるが、我々は、生成される結晶産物が非常に容積の大きい、柔らかいゲルに似ているものであり、ろ過が非常に困難であることを発見した。理論により限定されるものではないが、我々は、この低密度生成物が結晶格子中に多量の溶媒和溶媒(solvated solvent)を含んでいると考える。対照的に、約10℃以上の条件(例えばほぼ室温)を使用すると、非常に容易にろ過される砂のようなコンシステンシーの顆粒状産物が生成する。これらの条件下では、結晶化は典型的に約1時間後に開始し、典型的に数時間(例えば2時間)以内に完了する。理論により限定されるものではないが、我々は、この顆粒状生成物が結晶格子中に溶媒和溶媒をほとんど、または全く含んでいないと考える。
段階(b)は典型的に、例えば硫化水素ガスを好適なカップリング剤(例えばカルボニルジイミダゾール(CDI))と共に用い、好適な溶媒(例えばジメチルホルムアミド)の存在下で、カルボン酸をカルボチオ酸に変換するのに好適な試薬を添加することを含む。
生理学上許容されない式(I)の化合物の溶媒和物は、式(I)の化合物またはその生理学上許容される溶媒和物の調製の際の中間体として有用であり得る。
式(I)の化合物および/またはその塩および溶媒和物の利点には、同物質が、予測可能な薬物動態学的および薬力学的挙動、魅力的な副作用プロファイル(例えばラットにおける胸腺重量の減少が少ないことにより示される)、長期作用期間を伴う、優れた抗炎症性を示すと思われる事実が挙げられ、ヒト患者における便宜な治療計画に適合できる。更なる利点には、同物質が容易な製造および保存を可能にする望ましい物理的および化学的性質を有しているという事実が挙げられる。
以下の非制限的な実施例により本発明を説明する。
一般
1H-NMRスペクトルを400MHzで記録し、化学シフトをテトラメチルシランに対するppmで表した。以下の略語を使用してシグナルの多重性を記載する:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、dd(二重線の二重線)、dt(三重線の二重線)、およびb(ブロード)。Biotageとは、フラッシュ12iクロマトグラフィーモジュールで行う充填済みのKP-Sil含有シリカゲルカートリッジを言う。LCMSはSupelcosil LCABZ+PLUSカラム(3.3cmx内径4.6mm)で行い、0.1%HCOHおよび0.01M酢酸アンモニウム/水(溶媒A)、および0.05%HCOH 5%水/アセトニトリル(溶媒B)で、以下の溶出勾配を使用して溶出させた:0-0.7分 0%B、0.7-4.2分 100%B、4.2-5.3分 0%B、5.3-5.5分 0%B(流速3ml/分)。Fisons VGプラットホームスペクトロメーターで、ポジティブおよびネガティブモードの電子スプレー(ES+veおよびES-ve)を使用してマススペクトルを記録した。
中間体
中間体1:6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
6α,9α-ジフルオロ-11β,17α-ジヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(GB第2088877Bに記載される方法に従って調製)(18g、43.64mmol)を無水ジクロロメタン(200ml)およびトリエチルアミン(15.94ml、114mmol)に混合した溶液を<5℃で、2-フロイルクロライド(furoyl chloride)(11.24ml、114mmol)を無水ジクロロメタン(100ml)に混合した溶液で約40分間にわたって処理した。溶液を<5℃で30分間撹拌した。得られた固体を濾過によって回収し、3.5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、1M塩酸、および水で順次洗浄し、60℃で真空乾燥してクリーム色の固体を得た。ジクロロメタン濾液を3.5%炭酸水素ナトリウム溶液、水、1M塩酸、水で順次洗浄し、乾燥(Na2SO4)およびエバポレートしてクリーム色の固体を得、上で単離したものと合一した。合一した固体(26.9g)をアセトン(450ml)に懸濁し、撹拌した。ジエチルアミン(16.8ml、162mmol)を添加し、混合液を室温で4.5時間撹拌した。混合液を濃縮し、濾過して沈殿を回収し、少量のアセトンで洗浄した。洗浄液と濾液を合一し、濃縮してシリカゲルBiotageカラムにのせ、24:1 クロロホルム:メタノールで溶出した。最も極性の高い成分を含有する画分を合一し、エバポレートしてクリーム色の固体を得た。これを上で単離した固体と合一し、真空乾燥して薄いベージュ色の固体(19.7g)を得た。これを温水に溶解し、濃塩酸でpHを2に調整し、混合液を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を乾燥し(Na2SO4)、エバポレートし、50℃で乾燥後、標記化合物のクリーム色の固体を得た(18.081g、82%):LCMS保持時間3.88分、m/z 507MH+、NMR δ (CDCl3) ;7.61 (1H, m), 7.18 - 7.12 (2H, m), 6.52 (1H, dd, J 4, 2Hz), 6.46 (1H, s), 6.41 (1H, dd, J 10, 2Hz), 5.47 および 5.35 (1H, 2m), 4.47 (1H, bd, J 9Hz), 3.37 (1H, m), 1.55 (3H, s), 1
.21 (3H, s), 1.06 (3H, d, J 7Hz)。
中間体1に関して記載したものと類似の方法を用いて以下の中間体を調製した:
中間体2:6α,9α-ジフルオロ-17α-[(3-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間3.75分、m/z 507 MH+
中間体3:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-[(2-チオフェニルカルボニル)オキシ]-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間3.93分、m/z 523 MH+
中間体4:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-[(3-チオフェニルカルボニル)オキシ]-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間3.95分、m/z 523 MH+
中間体5:17α-(ベンゾイル)オキシ-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間4.02分、m/z 517 MH+
中間体6:9α-フルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16β-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
中間体6を11β,17α-ジヒドロキシ-9α-フルオロ-16β-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17βカルボチオ酸(Phillipsら, (1994) J. Med. Chem. 37, 3717-3729に記載される方法に従って調製)から調製した。LCMS保持時間3.61分、m/z 489 MH+
中間体7:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(5-メチルチオフェン-2-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間4.01分、m/z 537 MH+
中間体8:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-17α-[(イソキサゾール-5-カルボニル)オキシ]-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間3.69分、m/z 508 MH+
中間体9:17α-[(5-クロロチオフェン-2-カルボニル)オキシ]-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間4.36分、m/z 557/559 MH+
中間体10:6α,9α-ジフルオロ-17α-[(3,5-ジメチルイソキサゾール-4-カルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間3.71分、m/z 536 MH+
中間体11:17α-[(5-クロロ-4-メトキシ-チオフェン-3-カルボニル)オキシ]-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間4.18分、m/z 587/589 MH+
中間体12:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(4-メチル-1,2,3-チアジアゾール-5-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間4.06分、m/z 539 MH+
中間体13:17α-[(3-ブロモチオフェン-2-カルボニル)オキシ]-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間4.31分、m/z 601/603 MH+
中間体14:17α-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-カルボニル)オキシ]-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間4.59分、m/z 591/593/595 MH+
中間体15:17α-[(5-ブロモフラン-2-カルボニル)オキシ]-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間4.14分、m/z 585/587 MH+
中間体16:6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2,5-ジメチルフラン-3-カルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間4.02分、m/z 535 MH+
中間体17:17α-[(3-クロロチオフェン-2-カルボニル)オキシ]-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間4.27分、m/z 557/559 MH+
中間体18:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(2-メチルフラン-3-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間3.92分、m/z 521 MH+
中間体19:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(3-メチルフラン-2-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間3.85分、m/z 521 MH+
中間体20:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(1-メチル-1H-ピロール-2-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間3.78分、m/z 520 MH+
中間体21:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-[(1,3-チアゾール-4-カルボニル)オキシ]-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間3.48分、m/z 524 MH+
中間体22:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(5-メチルイソキサゾール-3-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間3.72分、m/z 522 MH+
中間体23:6α,9α-ジフルオロ-17α-[(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間3.72分、m/z 535 MH+
中間体24:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-17α-[(イソキサゾール-3-カルボニル)オキシ]-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間3.78分、m/z 508 MH+
中間体25:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-17α-[(4-メトキシ-チオフェン-3-カルボニル)オキシ]-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間3.74分、m/z 553 MH+
中間体26:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-[(1,2,3-チアジアゾール-4-カルボニル)オキシ]-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間3.70分、m/z 526 MH+
中間体27:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-[(1,3-チアゾール-5-カルボニル)オキシ]-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間4.29分、m/z 524 MH+
中間体28:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-17α-[(イソチアゾール-3-カルボニル)オキシ]-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間4.44分、m/z 524 MH+
中間体29:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-17α-[(イソチアゾール-5-カルボニル)オキシ]-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間4.60分、m/z 524 MH+
中間体30:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(3-メチルイソキサゾール-5-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
LCMS保持時間3.84分、m/z 522 MH+
実施例
実施例1:6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
中間体1(500mg、0.987mmol)およびメタンスルホン酸2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3R-イルエステル(179mg、1.0mmol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(5ml)に混合した懸濁液を無水ピリジン(0.162ml、2mmol)で処理した。溶液を窒素雰囲気下、室温で18時間撹拌し、次いで2M塩酸(0.7ml)で処理し、60℃まで加熱し、更なる量(2.4ml)の2M塩酸で処理した。混合液を50-60℃で5分間撹拌した後、水(12ml)を滴加した。混合液を室温まで冷却させ、得られた固体を濾過によって回収し、50℃で真空乾燥した。固体をプロパン-2-オール/水から再結晶し、50℃で乾燥した後、標記化合物の白色結晶を得た(433mg、74%):mp. 238-9℃;LCMS保持時間3.5分、m/z 591MH+、NMR δ (CDCl3);7.60 (1H, m), 7.16 (1H, dd, J 10, 2 Hz), 7.12 (1H, d, J 4Hz), 6.51 (1H dd, J 4, 2 Hz), 6.45 (1H, s), 6.40 (1H, dd, J 10, 2 Hz), 5.47 および 5.35 (1H, 2m), 4.51 (1H, dt, J 9, 4Hz), 4.43 (1H, m), 4.36 (1H, m), 4.18 (1H, m), 3.39 (1H, m), 1.54 (3H, s), 1.22 (3H,s), 1.08 (3H, d, J 7Hz)。
実施例2:6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3-イル)エステル
無水炭酸水素ナトリウム粉末(332mg、3.95mmol)を、中間体1(1g、1.97mmol)を乾燥ジメチルホルムアミド(10ml)に混合した撹拌溶液に添加した。混合液を撹拌し、α-ブロモ-γ-ブチロラクトン(0.365ml、3.95mmol)を添加し、混合液を室温で18時間撹拌した。混合液を2M塩酸(300ml)に添加し、得られた沈殿を濾過によって回収し、水で洗浄し、50℃で真空乾燥した。粗生成物をBiotageクロマトグラフィー(シリカゲル。溶出液として3:2 シクロヘキサン:酢酸エチルを使用)で精製し、より極性の低い標記化合物のS異性体の結晶(594mg、51%。mp. 238-9℃。これは実施例1で得た物質と同じである)およびより極性の高い標記化合物のR異性体の結晶(473mg、44%。mp. 299℃(分解))を得た。LCMS保持時間3.55分、m/z 591MH+、NMR δ(CDCl3 + 3滴のDMSO-d6) ; 7.64 (1H, m), 7.27 (1H, dd, J 10, 2 Hz), 7.13 (1H, dd, J 4, <2 Hz), 6.54 (1H, dd, J 4, 2 Hz), 6.38 - 6.31 (2H, m), 5.50 および 5.38 (1H, 2m), 5.08 (1H, m), 4.55 (1H, dt, J 9, 4 Hz), 4.42 - 4.34 (2H, m), 4.10 (1H, m), 3.38 (1H, m), 1.56 (3H, s), 1.19 (3H, s), 1.04 (3H, d J 7Hz)。
実施例3:6α,9α-ジフルオロ-17α-[(3-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体2から実施例3を調製した。LCMS保持時間3.61分、m/z 591 MH+
実施例4:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-[(2-チオフェニルカルボニル)オキシ]-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体3から実施例4を調製した。LCMS保持時間3.52分、m/z 607 MH+
実施例5:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-[(3-チオフェニルカルボニル)オキシ]-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体4から実施例5を調製した。LCMS保持時間3.69分、m/z 607 MH+
実施例6:17α(ベンゾイル)オキシ-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体5から実施例6を調製した。LCMS保持時間3.74分、m/z 601 MH+
実施例7:9α-フルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16β-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体6から実施例7を調製した。LCMS保持時間3.45分、m/z 573 MH+
実施例8:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(5-メチルチオフェン-2-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体7から実施例8を調製した。LCMS保持時間3.65分、m/z 621 MH+
実施例9:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-17α-[(イソキサゾール-5-カルボニル)オキシ]-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体8から実施例9を調製した。LCMS保持時間3.39分、m/z 592MH+
実施例10:17α-[(5-クロロチオフェン-2-カルボニル)オキシ]-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体9から実施例10を調製した。LCMS保持時間3.77分、m/z 641/643MH+
実施例11:6α,9α-ジフルオロ-17α-[(3,5-ジメチルイソキサゾール-4-カルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体10から実施例11を調製した。LCMS保持時間3.52分、m/z 620MH+
実施例12:17α-[(5-クロロ-4-メトキシ-チオフェン-3-カルボニル)オキシ]-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体11から実施例12を調製した。LCMS保持時間3.89分、m/z 671/673MH+
実施例13:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(4-メチル-1,2,3-チアジアゾール-5-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体12から実施例13を調製した。LCMS保持時間3.54分、m/z 623MH+
実施例14:17α-[(3-ブロモチオフェン-2-カルボニル)オキシ]-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体13から実施例14を調製した。LCMS保持時間3.83分、m/z 685/687MH+
実施例15:17α-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-カルボニル)オキシ]-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体14から実施例15を調製した。LCMS保持時間4.08分、m/z 675/677/679MH+
実施例16:17α-[(5-ブロモフラン-2-カルボニル)オキシ]-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体15から実施例16を調製した。LCMS保持時間3.77分、m/z 669/671MH+
実施例17:6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2,5-ジメチルフラン-3-カルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体16から実施例17を調製した。LCMS保持時間3.82分、m/z 619MH+
実施例18:17α-[(3-クロロチオフェン-2-カルボニル)オキシ]-6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体17から実施例18を調製した。LCMS保持時間3.80分、m/z 641/643MH+
実施例19:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(2-メチルフラン-3-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体18から実施例19を調製した。LCMS保持時間3.66分、m/z 605MH+
実施例20:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(3-メチルフラン-2-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体19から実施例20を調製した。LCMS保持時間3.60分、m/z 605MH+
実施例21:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(1-メチル-1H-ピロール-2-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体20から実施例21を調製した。LCMS保持時間3.53分、m/z 604MH+
実施例22:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-[(1,3-チアゾール-4-カルボニル)オキシ]-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体21から実施例22を調製した。LCMS保持時間3.26分、m/z 608MH+
実施例23:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(5-メチルイソキサゾール-3-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体22から実施例23を調製した。LCMS保持時間3.58分、m/z 606MH+
実施例24:6α,9α-ジフルオロ-17α-[(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体23から実施例24を調製した。LCMS保持時間3.40分、m/z 619MH+
実施例25:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-17α-[(イソキサゾール-3-カルボニル)オキシ]-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体24から実施例25を調製した。LCMS保持時間3.36分、m/z 592MH+
実施例26:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-17α-[(4-メトキシ-チオフェン-3-カルボニル)オキシ]-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体25から実施例26を調製した。LCMS保持時間3.54分、m/z 637MH+
実施例27:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-[(1,2,3-チアジアゾール-4-カルボニル)オキシ]-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体26から実施例27を調製した。LCMS保持時間3.34分、m/z 609MH+
実施例28:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-[(1,3-チアゾール-5-カルボニル)オキシ]-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体27から実施例28を調製した。LCMS保持時間3.30分、m/z 608MH+
実施例29:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-17α-[(イソチアゾール-3-カルボニル)オキシ]-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体28から実施例29を調製した。LCMS保持時間3.38分、m/z 608MH+
実施例30:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-17α-[(イソチアゾール-5-カルボニル)オキシ]-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体29から実施例30を調製した。LCMS保持時間3.46分、m/z 608MH+
実施例31:6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(3-メチルイソキサゾール-5-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル
実施例1に記載したものと類似の方法を使用して、中間体30から実施例31を調製した。LCMS保持時間3.42分、m/z 606MH+
長期作用型β -アドレナリン受容体アゴニストの調製
実施例X:3-(4-{[6-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)-ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミドアセテート
i)ジ(tert-ブチル)2-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソエチルイミドジカーボネート
2-ブロモ-1-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)エタノン(Glaxo, DE 3513885, 1985)(61.8g)およびジ-t-ブチルイミノジカルボキシレート(47.15g)をアセトニトリル(600ml)に混合した撹拌懸濁液に炭酸セシウム(70.4g)を窒素雰囲気下で添加した。21℃で24時間激しく撹拌した後、混合液を水(約800ml)で希釈し、生成物をジエチルエーテル(1リットル、次いで200ml)で抽出した。合一した有機相を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、約400mlまで濃縮した。白色結晶を濾過によって回収し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して標記化合物を得た(24.4g)。δ (CDCl3) 7.78(1H, dd, J 8, 2Hz), 7.65 (1H, brs), 6.87(1H, d, J 8Hz), 4.97(2H, s), 4.88(2H, s), 1.56(6H, s) および 1.48 (18H, s)。母液を更に濃縮して更なる産物を得た(13.8g)。母液をシリカゲルクロマトグラフィーに適用し、適切な溶出物をエバポレートし、ジエチルエーテルで粉砕して、第3の産物を得た(7.1g)。
ii)tert-ブチル2-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソエチルカルバメート
トリフルオロ酢酸(92ml)を、ジ(tert-ブチル)2-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソエチルイミドジカーボネート(352.55g)をジクロロメタン(3.6リットル)に混合した撹拌溶液に21℃で添加し、反応液を1.5時間撹拌した。NaOH水溶液(1.75リットル)を添加し、10分後、相を分離させた。有機相を水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、エバポレートしてオイルを得た。これを高減圧下で一晩保存した後、ヘキサン:エーテル(3:1)で粉砕して粗生成物を得た(226.61g)。ジエチルエーテルから再結晶してこれを精製し、標記化合物を得た(122.78g)。エバポレートおよびクロマトグラフィー(Biotage、15%酢酸エチル/ヘキサン)によって母液から更なる生成物(61.5g)を得た。LCMS保持時間=3.37分。
iii)tert-ブチル(2R)-2-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-ヒドロキシエチルカルバメート
ボラン-ジメチルスルフィドをTHF(28ml)に溶解させた2M溶液を、(R)-テトラヒドロ-1-メチル-3,3-ジフェニル-1H,3H-ピロロ[1,2-c][1,3,2]オキサザボロール(oxazaborole)をトルエン(56ml)に溶解させた1M溶液に、窒素雰囲気下、0℃で徐々に添加した。tert-ブチル2-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソエチルカルバメート(108.2g)をTHF(1.3リットル)に溶解させた溶液を、5℃未満の温度に保持しながら徐々に添加し、次いでボラン-ジメチルスルフィドをTHF(252ml)に溶解させた2M溶液を50分間にわたって添加した。1時間後、2M HCl(170ml)を冷却しながら添加し、混合液を酢酸エチルおよび水間で分配した。有機相を飽和NaHCO溶液および食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。溶液を濃縮し、生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(800g)に適用し、ヘキサン:酢酸エチル(4:1、次いで3:1)で連続的に溶出して精製し、標記化合物を得た(93.3g)。LCMS保持時間=3.31分。
iv)(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
DMF(600ml)に混合したtert-ブチル(2R)-2-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-ヒドロキシエチルカルバメート(86.37g)を、窒素雰囲気下で内部温度が0℃に保持されるように冷却しながら、水素化ナトリウム(60%オイル分散、11.9g)をDMF(160ml)に混合した撹拌懸濁液に滴加した。混合液を21℃で2時間撹拌した。混合液を0℃まで再冷却し、2M HCl(134ml)を添加した。混合液を水で希釈し、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。溶液を食塩水で2回洗浄し、乾燥(MgSO4)し、エバポレートして標記化合物を得た(63.55g)。LCMS保持時間=2.66分。
v)6-ブロモヘキシルブト-3-イニルエーテル
3-ブチン-1-オール(42.4ml)を、1,6-ジブロモヘキサン(260ml)および重硫酸テトラブチルアンモニウム(2.4g)と共に50%水酸化ナトリウム水溶液(200ml)中で窒素雰囲気下で3日間、激しく撹拌した。水(約700ml)を添加し、有機相を分離した。水相をジクロロメタン(2x100ml)で2回抽出し、合一した有機相を水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。石油エーテル(沸点40-60℃)中の残渣をシリカゲルカラム(1.5kg)にのせ、カラムを石油エーテル(沸点40-60℃)、次いで10%ジエチルエーテル/石油エーテル(沸点40-60℃)で溶出し、標記化合物を得た(103.3g)。δ (CDCl3) 3.56(2H, t, J 7Hz), 3.47(2H, t, J 7Hz), 3.42(2H, t, J 7Hz), 2.45(2H, m), 1.99(1H, t, J 2Hz), 1.87(2H, m), 1.60(2H, m)および1.50から1.33 (4H, m)。
vi)(5R)-3-[6-(ブト-3-イニルオキシ)ヘキシル]-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(10g)/DMF(100ml)を、DMF(50ml)に混合した水素化ナトリウム(60%オイル分散、2.33g)の撹拌懸濁液に、窒素雰囲気下で内部温度を0℃に保持し、撹拌しながら滴加した。0-5℃で1時間撹拌を継続した。混合液を0℃に再冷却し、6-ブロモヘキシルブト-3-イニルエーテル(14.7g)のDMF(50ml)溶液を1分間にわたって添加した。次いで混合液を20-30℃で2時間撹拌した。2M HCl(9ml)を添加し、混合液を水およびジエチルエーテル間で分配した。水相を更なるジエチルエーテルで抽出し、合一した有機相を食塩水で2回洗浄した。乾燥(MgSO4)後、溶液を濃縮し、ジエチルエーテル:石油エーテル(沸点40-60℃)(1:2)で調製したシリカゲルカラム(600g)にのせた。カラムをこの混合液、次いで(1:1)、そしてジエチルエーテルで順次溶出し、標記化合物を得た(13.88g)。LCMS保持時間=3.45分。
vii)3-[4-({6-[(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ヘキシル}オキシ)ブト-1-イニル]ベンゼンスルホンアミド
(5R)-3-[6-(ブト-3-イニルオキシ)ヘキシル]-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(1.79g)を、アセトニトリル:トリエチルアミン(1:1,42ml)中で3-ヨードベンゼンスルホンアミド(1.4g)と共に、窒素雰囲気下で10分間撹拌した。ヨウ化第一銅(0.083g)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.192g)を添加し、混合液を窒素雰囲気下、21℃で17時間撹拌した。混合液を蒸発乾固し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(250g)に適用し(30%酢酸エチル:石油エーテル(沸点40-60℃)、次いで50%、次いで75%、最後に酢酸エチル)、標記化合物を得た(2.35g)。LCMS保持時間=3.44分。
viii)3-[4-({6-[(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ヘキシル}オキシ)ブチル]ベンゼンスルホンアミド
3-[4-({6-[(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ヘキシル}オキシ)ブト-1-イニル]ベンゼンスルホンアミド(2.35g)を酸化白金(0.3g)と共にTHF(30ml)中で水素雰囲気下で2時間撹拌した。濾過助剤(a filter aid)を使用して濾過を行い、触媒を除去し、フィルターケーキを酢酸エチルで浸出(leach)した。合一した濾液を酢酸エチル中のシリカゲル(200g)に通過させ、溶出物をエバポレートして標記化合物を得た(2.32g)。LCMS保持時間=3.49分。
ix)3-{4-[(6-{[(2R)-2-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ}ヘキシル)オキシ]ブチル}ベンゼンスルホンアミド
3-[4-({6-[(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ヘキシル}オキシ)ブチル]ベンゼンスルホンアミド(0.43g)をTHF(10ml)中で、激しい窒素気流でパージしながら5分間撹拌した。トリメチルシラン酸カリウム(Potassium trimethylsilanoate)(0.43g)を添加し、混合液を窒素雰囲気下、70℃で2.5時間撹拌した。混合液をジクロロメタンおよびpH6.4のリン酸バッファー間で分配し、水相を更なるジクロロメタンで抽出した。合一した有機相を水で洗浄し、乾燥(MgSO4)、濃縮した。残渣をシリカゲル(60g)で精製し(酢酸エチル:石油エーテル(沸点40-60℃)(1:1)、酢酸エチル、10%メタノール/酢酸エチル、20%メタノール/酢酸エチルで順次溶出)、標記化合物を得た(0.286g)。LCMS保持時間=2.56分。
x)3-(4-{[6-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)-ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミドアセテート
3-{4-[(6-{[(2R)-2-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ}ヘキシル)オキシ]ブチル}ベンゼンスルホンアミド(0.283g)を酢酸(8ml)および水(4ml)と共に70℃で35分間撹拌した後、蒸発乾固した。残渣をトルエンと共に2回、再エバポレートし、標記化合物を得た(0.318g)。LCMS保持時間=2.34分。ES +ve 495 (MH)+
薬理活性
in vitroにおける薬理活性
薬理活性は、一般にin vivoにおける抗炎症または抗アレルギー活性を予測する、グルココルチコイドアゴニスト活性のin vitro機能アッセイで評価した。
機能アッセイはK.P.Rayら, Biochem J. (1997), 328, 707-715に記載されるものに基づいて行った。sPAP(分泌型アルカリホスファターゼ)に結合したELAM遺伝子プロモーター由来のNF-κB応答要素(responsive elements)を含むレポーター遺伝子を安定にトランスフェクトしたA549細胞を、好適な用量の試験化合物で、37℃で1時間処理した。次いで細胞を腫瘍壊死因子(TNF、10ng/ml)で16時間刺激し、その時点で生成されたアルカリホスファターゼの量を標準的な比色アッセイで測定した。用量応答曲線を作成し、これからEC50値を算出した。
この試験で、実施例1から10、13、14、および16-31の化合物は<20nMのEC50値を示した。この試験で、実施例11、12、および15の化合物はそれぞれ28、40、および16nMのEC50値を示した。実施例1の化合物はこのアッセイにおいて、既に報告されている17α-プロピオネートエステル類似体(実施例2、国際公開WO97/24365号)(EC50 値 2.7nM)より有意に有効性が高かった(EC50 値 0.95nM)。
in vivoにおける薬理活性
in vivoにおける薬理活性は、Cumberbatchら, Immunology (2002), 105, 466-477に記載されるものと同様にして、Balb/cマウスにおけるオキサゾロン誘導型接触過敏モデルを使用して評価した。
メスのBalb/cマウス(18-20g)を、剃毛した右側腹部に50μlの2.5%オキサゾロン/アセトン:オリーブ油(4:1)を添加してオキサゾロンに対して感作した。対照(未感作)マウスにはアセトン:オリーブ油を投与した。5日後、全てのマウスに、イソフロウラン(isoflourane)麻酔下で両耳の背面に25μlの0.25%オキサゾロン/アセトン:オリーブ油(4:1)を添加してチャレンジした。10μlの好適な濃度の試験化合物溶液またはベヒクル(無水エタノール)を、イソフロウラン麻酔下で、オキサゾロンチャレンジの1時間前および3時間後に右耳背面に適用した。全身暴露の評価をできるよう、左耳は未処理のままとした。ステロイドの添加前およびオキサゾロンチャレンジの24時間後に、工学用(engineer’s)ミクロメーターを使用して耳の厚さを測定した。耳の膨張の阻害パーセントで表した結果からEC50 値を算出した。
このモデルで、実施例1の化合物は吉草酸ベタメタゾンと同様の有効性(EC50 0.3μg)を示し、相当する17α-プロピオネートエステル(実施例2、国際公開WO97/24365号)(EC50 1μg)より効果が有意に強かった。
ステロイドの全身効果をラットの胸腺退縮モデルで評価した。オスCDラットに食塩水ベヒクル(20μl Tween 80/100ml食塩水)または試験化合物の懸濁液(用量 200μl)を3日間、毎日気管内投与した。4日目に動物を殺害し(culled)、胸腺を除去して計量した。
このモデルで、実施例1の化合物は1000μg/日で投与した場合、胸腺重量に影響を与えなかったが、同じ試験で100mg/日のブデソニド(budesonide)を投与すると胸腺重量が65%減少した。
ヒト血漿における加水分解
化合物をヒト血漿中、5μg/mlの濃度で、37℃でインキュベートした。時間0および次の10分間の30秒毎にアリコートを採取し、タンパク質沈殿によって抽出し、LC-MS/MSで分析した。実施例1の化合物は速やかに加水分解され、半減期は1.2分であった。
本明細書および特許請求の範囲を通じて、文脈上で特に他の意味を必要としない限り、“含む”およびその変化形、例えば“含んで”という語は、理解されるように、記載する整数もしくは段階または整数の群を含めることを意味し、他の整数もしくは段階または整数もしくは段階の群を除外することを意味するものではない。本明細書に記載する特許および特許出願は参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (17)

  1. 6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3-イル)エステルまたはその溶媒和物である合物。
  2. 6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステルまたはその溶媒和物である、請求項1記載の合物。
  3. 6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3-イル)エステルである、請求項1記載の化合物。
  4. 6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステルである、請求項2記載の化合物。
  5. 家畜またはヒトの医薬に使用するための、請求項1からのいずれか1項で規定される合物または生理学上許容されるその媒和物。
  6. 炎症および/またはアレルギー症状を治療するための医薬の製造のための、請求項1からのいずれか1項で規定される合物または生理学上許容されるその媒和物の使用。
  7. 喘息を治療するための医薬の製造のための、請求項1からのいずれか1項で規定される合物または生理学上許容されるその媒和物の使用。
  8. 慢性閉塞性肺疾患を治療するための医薬の製造のための、請求項1からのいずれか1項で規定される合物または生理学上許容されるその媒和物の使用。
  9. 湿疹、乾癬、アレルギー性皮膚炎、神経性皮膚炎、心因性痒み症または過敏性反応を治療するための医薬の製造のための、請求項1からのいずれか1項で規定される合物または生理学上許容されるその媒和物の使用。
  10. 請求項1からのいずれか1項で規定される合物または生理学上許容されるそれらの媒和物を、1以上の生理学上許容される希釈剤または担体と共に含有する医薬組成物。
  11. 請求項1からのいずれか1項で規定される合物または生理学上許容されるそれらの媒和物、および噴射剤としてフルオロカーボンまたは水素含有クロロフルオロカーボンを、界面活性剤および/または共溶媒と共に含有する医薬エアゾール製剤。
  12. 別の治療的に活性な薬剤を更に含む、請求項10記載の医薬組成物。
  13. 上記別の治療的に活性な薬剤が長期作用型β-アドレナリン受容体アゴニストである、請求項12記載の医薬組成物。
  14. 炎症および/またはアレルギー症状の治療のための、請求項1からのいずれか1項で規定される合物またはその生理学上許容される媒和物。
  15. 喘息の治療のための、請求項1からのいずれか1項で規定される合物またはその生理学上許容される媒和物。
  16. 慢性閉塞性肺疾患の治療のための、請求項1からのいずれか1項で規定される合物またはその生理学上許容される媒和物。
  17. 湿疹、乾癬、アレルギー性皮膚炎、神経性皮膚炎、心因性痒み症または過敏性反応の治療のための、請求項1からのいずれか1項で規定される合物またはその生理学上許容される媒和物。
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