<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
<全体構成>
スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施形態において、各絵柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の絵柄は、遊技者から見ると、絵柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの絵柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、各々のリール110乃至112の背面には、絵柄表示窓113に表示される個々の絵柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の絵柄ごとに遮蔽されて個々の絵柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示せず)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、後述するメダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入ブロック134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口を形成するブロックである。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入ブロック134のメダル投入口から実際のメダルを投入することもできる。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入ブロック134のメダル投入口に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110乃至112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110乃至112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137乃至139を操作すると対応するいずれかのリール110乃至112が停止することになる。
精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155より受皿210に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿210は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿210は、本実施形態では発光可能な受皿を採用しており、以下受け皿ランプと呼ぶこともある。
音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ210は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。灰皿部200は、煙草の吸殻を入れるための容器であり、受け皿210の内側にネジ止めされている。リールパネル161は、絵柄表示窓113を有するパネルであり、タイトルパネル162は、そのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルである。演出装置600は、液晶表示装置を含み、各種の情報が表示される。
<メダルセレクタ>
スロットマシン100にはメダル投入ブロック134のメダル投入口から投入されるメダルが通過する通路を形成すると共に、正規のメダルを選別するメダルセレクタが設けられている。図4(a)はメダルセレクタ20の分解斜視図、図5はメダルセレクタ20におけるメダルの通過態様を示す図である。このメダルセレクタ20は、本体部21と、本体部21と着脱可能なガイド部材22と、本体部21の下部に着脱可能なカバー部材23と、を備え、固定部材24を介して前面扉102の裏面に取り付けられる。
本体部21はガイド板部21aを備えており、ガイド部材22を本体部21に取り付けた状態では、ガイド部材22のガイド板部22aとガイド板部21aとが隙間を置いて対向して配置されてメダルの通路の入口となる受入部が形成される。図5に示すようにメダルはまず、この受入部を通過する(同図のA参照)。本体部21には断面L字型の下側のガイドレール部21bと上側のガイドレール部21cとが設けられており、投入されたメダルは図5に示すようにこれらのガイドレール部21b及び21cに沿ってメダルセレクタ20内を転動して通過する。ガイド部材22には、メダルの通路に直交する方向に回動可能なガイド片22bが設けられ、通過するメダルの側面に当接してメダルをガイドレール部21b及び21c側へ押圧し、案内する。
ガイドレール部21cは通過するメダルの上端の僅かな範囲を案内するように設定されており、正規のメダルよりも小さな偽のメダルが通過しようとすると、図5のBの位置でガイドレール部21cに案内されず、ガイド片22bの押圧により脱落することになる。なお、メダル投入ブロック134のメダル投入口の穴は正規のメダルと略ピッタリの大きさと成っているため、正規のメダルよりも大きな偽のメダルはメダル投入ブロック134のメダル投入口から投入することができない。一方、本体部21にはメダルの通路に直交する方向に回動可能な可動片21dが設けられている。そして、メダル詰まりが生じた場合にはメダル返却ボタン133を押圧することで、可動片21dがメダル通路側へ回動して詰まったメダルがメダルセレクタ20から脱落することになる。
また、本体部21には、メダルの通路に直交する方向に回動可能なメダルブロッカ21eと、メダルブロッカ21eに回動力を付勢する電磁ソレノイド21fが設けられており、所定の条件が成立した場合(例えば、スタートレバー135の操作があった後等)では図5のCの位置をメダルが通過できないようにメダルブロッカ21eを返却状態(メダルブロッカ21eがメダルの通路に突出してメダル通路が閉じられた状態)とする。
次に、本体部21及びガイド部材22により形成される通路の下流端にはセンサユニット21gが配置されており、本体部21に取り付けられている。図4(b)に示すようにセンサユニット21gは、メダル投入数検出用の2つのメダル投入センサ320a及び320b(総称する時はメダル投入センサ320という。)が内蔵されている。メダル投入センサ320は光学式のセンサであり、図4(c)に示すように受光部と発光部とを備え、これらの間をメダルが通過し(図5のDの位置を参照)、発光素子からの光が遮断されることでメダルの通過を検出する。図4(b)及び図5に示すように、メダル投入センサ320a及び320bはメダルの通路に沿って配置されており、メダル投入センサ320aが通路の上流側に、メダル投入センサ320bが通路の下流側に配設されている。なお、本実施形態ではメダル投入センサ320を2組設けているが、これに限られず、一つでもよいし3以上設けてもよい。また、メダル検出センサ320は例えば反射型の光センサでもよい。
なお、メダルブロッカ21eは、スタートレバー135の操作があった後等、所定の条件が成立した場合に、返却状態とされるが、この返却状態となる時とは、新たなメダルの投入を受け付けない場合である。従って、メダルブロッカ21eが返却状態となった時に、通路を通過中のメダルが存在し、メダル投入センサ320にその通過が検出されてしまう場合を防止する必要がある。つまり、メダルブロッカ21eが返却状態となった時にメダルブロッカ21eを既に通過しており、その後メダル投入センサ320を通過するようなメダルが生じないようにする必要がある。このため、メダルブロッカ21eは、これが返却状態となる所定の条件が成立した場合に、通路を通過途中のメダルが、メダル投入センサ320に到達しないように、メダル投入センサ320に対して位置決めされており、本実施形態ではメダル投入センサ320の上流側において、メダル投入センサ320の近傍に配設されている。
さて、このような構成からなるメダルセレクタ20では、図5に示すようにメダル投入ブロック134のメダル投入口から投入されたメダルは受入部をまず通過し(同図A)、ガイドレール部21b及び21cに案内されてメダルセレクタ20内を転動していく(同図B乃至D)。この際、正規のメダルよりも小さい偽のメダルは、上述した作用により選別されて脱落し、メダル払出口155へ至り、遊技者に返却されることになる。正規のメダルは同図のDの位置においてメダル投入センサ320により通過が検出され、その後、固定部材24のレール部24aに案内されてメダル払出装置(図示せず)へ落下することになる。
<不正行為防止の概要>
次に、本実施形態における、図23の器具を用いた不正行為防止の概要について説明する。上述した通り、図23の器具を用いた不正行為では、図23の器具の発光素子4側を先頭にしてメダル投入口からメダルセレクタ20内に、発光素子4が丁度メダルセレクタ20のメダル検出センサ320に到達するまで挿入される。そして、スイッチ2を押圧することで発光素子4を発光させ、メダル検出センサ320がこれをメダルの通過として検出してしまうことを利用する。このような不正行為が成立するのは、従来ではメダル検出センサ320の発光部が定電流駆動で常時発光されたままとされ、メダル検出センサ320の出力波形がメダルの通過の有無のみに依存したパルス状となることにある。
そこで、本実施形態では、メダル検出センサ320の発光部を所定の条件で発光させ、当該所定の条件と、メダル検出センサ320の受光部の出力と、に基づいて、不正行為の有無を判定する。つまり、発光部の駆動条件に合致しない受光部の出力があった場合には図23のような器具により不正行為が行われたと判定する。この条件は、種々の条件を採用できるが、本実施形態では、メダル検出センサ320の発光部を常時点灯するのではなく、点滅させる。そして、発光部が消灯している時に受光部の出力が受光状態を示す場合には、不正行為が行われたと判定する。以下、その詳細を説明する。
図6は、本実施形態における不正行為防止回路のブロック図である。不正行為防止回路は、判定回路327とパルス発生回路328とを備える。パルス発生回路328は、メダル検出センサ320a及び320bの各発光部を駆動する駆動パルス1及び2を発生させる。本実施形態では発光部としてLEDを採用している。また、パルス発生回路328は判定回路の判定タイミングを定める判定タイミングパルスA及びBを発生する。図7(b)は駆動パルス1及び2並びに判定タイミングパルスA及びBのタイミングチャートを示す図である。
駆動パルス1及び2は、周期的にH(発光部を点灯)とL(発光部を消灯)を繰り返すパルスである。本実施形態の場合は両者は反転した波形としているが同じ波形としてもよい。駆動パルス1及び2の周期は、実際にメダルがメダル検出センサ320を通過するのに要する時間よりも十分に短く設定され、また、LEDの応答速度を考慮して定められる。一般にメダルがメダル検出センサ320を通過するのに要する時間は20〜30msecであり、かつ、LEDの応答速度は1msecあれば十分であるため、駆動パルス1及び2の周期は1〜2msecが望ましい。
判定タイミングパルスA及びBは、駆動パルス1及び2がHかLかを示す基準となるパルスであり、判定回路327は判定タイミングパルスA及びBの立ち上がりで後述する各判定を行う。判定タイミングパルスAは、駆動パルス1がHの時に(駆動パルス2がLの時に)Hとなり、駆動パルス1がLの時に(駆動パルス2がHの時に)Lとなる。判定タイミングパルスBは、これとは逆に駆動パルス1がLの時に(駆動パルス2がHの時に)Hとなり、駆動パルス1がLの時に(駆動パルス2がHの時に)Lとなる。つまり、判定タイミングパルスAがHの時はメダル検出センサ320aの発光部が点灯している時であり、判定タイミングパルスBがHの時はメダル検出センサ320aの発光部が消灯している時である。同様に、判定タイミングパルスBがHの時はメダル検出センサ320bの発光部が点灯している時であり、判定タイミングパルスAがHの時はメダル検出センサ320bの発光部が消灯している時である。
なお、判定タイミングパルスA及びBは、本来駆動パルス1及び2の周期と完全に同期させてもよいが、発光部を構成するLEDはそのON−OFFに僅かに時間がかかる。そこで、本実施形態では図7(b)に示すように判定タイミングパルスA及びBにずれ時間t1及びt2を設けて、発光部の点灯、消灯と判定タイミングパルスA及びBとの関係が一致するようにしている。
次に、本実施形態における判定回路327について説明する。図6に示すように、判定回路327には、メダル検出センサ320a及び320bの各受光部の出力(センサ出力1及び2)と、パルス発生回路328からの判定タイミングパルスA及びBとが入力される。本実施形態ではメダル検出センサ320a及び320bの各受光部としてフォトトランジスタを採用している。判定回路327はこれらの入力に対して、メダル通過判定データ1及び2と不正行為判定データとを出力する。メダル通過判定データ1は、メダル検出センサ320aのセンサ出力1に基づく、メダルの通過の有無を示すデータであり、メダル通過判定データ2は、メダル検出センサ320bのセンサ出力2に基づく、メダルの通過の有無を示すデータである。不正行為判定データは、図23のような器具を用いて不正行為が行われたか否かを示すデータである。図7(a)は判定回路327の内部ブロック図である。
判定回路327は、ラッチ回路3271、3271a、3272及び3272aを備える。ラッチ回路3271はメダル検出センサ320aのメダル通過判定用のラッチ回路であり、ラッチ回路3271aはメダル検出センサ320aの不正行為判定用のラッチ回路である。また、ラッチ回路3272はメダル検出センサ320bのメダル通過判定用のラッチ回路であり、ラッチ回路3272aはメダル検出センサ320bの不正行為判定用のラッチ回路である。
ラッチ回路3271のデータ入力(D)にはメダル検出センサ320aのセンサ出力1を反転した信号が入力される。センサ出力1は受光状態でLとなり非受光状態でHとなる。ラッチ回路3271のクロック入力(CK)には判定タイミングパルスAが入力される。そして、ラッチ回路3271は、判定タイミングパルスAの立ち上がり(つまり、メダル検出センサ320aの発光部の点灯時)でデータ入力(D)をラッチし、ラッチしたデータを出力(Q)から出力する。出力(Q)から出力されたデータは反転されてメダル通過判定データ1として出力される。従って、メダル通過判定データ1は、メダル検出センサ320aによりメダルの通過が検出されるとHになり、検出されなければLとなる。
次に、ラッチ回路3271aのデータ入力(D)にはメダル検出センサ320aのセンサ出力1を反転した信号が入力される。ラッチ回路3271aのクロック入力(CK)には判定タイミングパルスBが入力される。そして、ラッチ回路3271aは、判定タイミングパルスBの立ち上がり(つまり、メダル検出センサ320aの発光部の消灯時)でデータ入力(D)をラッチし、ラッチしたデータを出力(Q)から出力する。出力されたデータはOR回路3273を通して不正行為判定データとなる。ここで、センサ出力1は受光状態でLとなり非受光状態でHとなるが、判定タイミングパルスBの立ち上がり時はメダル検出センサ320aの発光部は消灯時であるから、本来、出力(Q)から出力されるデータは常にLのはずである。しかし、図23のような器具を用いた場合、メダル検出センサ320aの発光部の消灯時においても、センサ出力1が受光状態(L)となる場合が生じる。この場合、出力(Q)から出力されるデータはHとなり、不正行為判定データもHとなる。従って、不正行為判定データがHの時は不正行為が行われたことになる。
次に、ラッチ回路3272のデータ入力(D)にはメダル検出センサ320bのセンサ出力2を反転した信号が入力される。センサ出力2も受光状態でLとなり非受光状態でHとなる。ラッチ回路3272のクロック入力(CK)には判定タイミングパルスBが入力される。そして、ラッチ回路3272は、判定タイミングパルスBの立ち上がり(つまり、メダル検出センサ320bの発光部の点灯時)でデータ入力(D)をラッチし、ラッチしたデータを出力(Q)から出力する。出力(Q)から出力されたデータは反転されてメダル通過判定データ2として出力される。従って、メダル通過判定データ2は、メダル検出センサ320bによりメダルの通過が検出されるとHになり、検出されなければLとなる。
次に、ラッチ回路3272aのデータ入力(D)にはメダル検出センサ320bのセンサ出力2を反転した信号が入力される。ラッチ回路3272aのクロック入力(CK)には判定タイミングパルスAが入力される。そして、ラッチ回路3272aは、判定タイミングパルスBの立ち上がり(つまり、メダル検出センサ320bの発光部の消灯時)でデータ入力(D)をラッチし、ラッチしたデータを出力(Q)から出力する。出力されたデータはOR回路3273を通して不正行為判定データとなる。ここで、センサ出力2は受光状態でLとなり非受光状態でHとなるが、判定タイミングパルスAの立ち上がり時はメダル検出センサ320bの発光部は消灯時であるから、本来、出力(Q)から出力されるデータは常にLのはずである。しかし、図23のような器具を用いた場合、メダル検出センサ320bの発光部の消灯時においても、センサ出力2が受光状態(L)となる場合が生じる。この場合、出力(Q)から出力されるデータはHとなり、不正行為判定データもHとなる。従って、不正行為判定データがHの時は不正行為が行われたことになる。なお、OR回路3273にラッチ回路3271a及び3272aの出力(Q)が入力されることにより、メダル検出センサ320a又は320bのいずれかについて不正行為が検出されると、不正行為判定データがHとなる。
次に、図8及び図9を参照して、判定回路327に入力される信号及び出力されるデータの態様をタイミングチャートで説明する。ここでは、メダル検出センサ320aに関する構成について説明するが、メダル検出センサ320bに関する構成も同様である。図8(a)はメダルが通過しておらず、かつ、不正行為が行われていない場合、図8(b)はメダルが通過しており、かつ、不正行為が行われていない場合、図9(a)及び(b)は不正行為が行われた場合、をそれぞれ示す。
まず、図8(a)に示すようにメダルが通過しておらず、かつ、不正行為が行われていない場合、判定タイミングパルスAの立ち上がりでセンサ出力1はL(受光状態)であり、メダル通過判定データ1は常時Lのままである。また、判定タイミングパルスBの立ち上がりでセンサ出力1はH(非受光状態)であり、不正行為判定データLのままである(説明上、メダル検出センサ320b側の不正行為判定結果は考慮しない。以下同じ。)。
次に、図8(b)に示すように不正行為が行われていない状態で、メダルが通過した場合、メダルの通過開始後、判定タイミングパルスAの最初の立ち上がりでセンサ出力1がH(非受光状態)であることが検出され、メダル通過判定データ1がHになる。また、メダルの通過後、判定タイミングパルスAの最初の立ち上がりでセンサ出力1がL(受光状態)であることが検出され、メダル通過判定データ1がLに戻る。なお、図8(b)に示すように、実際のメダルの通過状態と、メダル通過判定データ1の変化との間には、判定タイミングパルスAの1パルス分のズレが生じるが、上述した通り、一般にメダルがメダル検出センサ320を通過するのに要する時間は20〜30msecであり、駆動パルス1の周期を1〜2msecとした場合、メダルがメダル検出センサ320を通過する間の判定タイミングパルスAのパルス数は数十程度となることから、メダルの通過を見落とすことはなく、また、判定タイミングパルスAの1パルス分のズレはメダル通過の判定上、何ら支障はない。
次に、図9(a)に示すように不正行為が行われた場合を見ると、不正器具の出力状態(図23の器具の発光素子4の点滅タイミングの例)と、駆動パルス1との間にはズレが生じるから、判定タイミングパルスBの立ち上がり時のいずれかにおいて、メダル検出センサ320aの発光部が消灯しているのに、センサ出力1がL(受光状態)となる場合が生じる。その結果、不正行為判定データがHとなり不正行為が検出されることになる。なお、図23のような器具の発光素子4の点滅周期を駆動パルス1の点滅周期に一致させることで不正行為を行うことも考えられるが、これは駆動パルス1の点滅周期を不正行為者が知っている必要があり、事実上困難であること、或いは、駆動パルス1の点滅周期を不正行為者が知ったとしても、両者の点滅タイミングを合わせることは事実上不可能であること、から不正行為は成立しない。
なお、上述した通り、従来ではメダル検出センサ320の発光部を常時点灯させていたため、図23のような器具を用いて不正行為を行う場合、その器具をメダル投入口からメダルセレクタ20内に挿入する際には発光素子4が点灯されていた。当初から発光素子4を点滅させると従来のスロットマシンにおいてもエラーが検出されたからである。本実施形態では、以下に説明するように発光素子4が点灯された状態で図23の器具が挿入されても不正行為を検出することができる。
図9(b)は発光素子4が点灯された状態で図23の器具が挿入された場合のタイミングチャートを示しており、この場合も図9(a)の場合と同様に、判定タイミングパルスBの立ち上がり時のいずれかにおいて、メダル検出センサ320aの発光部が消灯しているのに、センサ出力1がL(受光状態)となる場合が生じる。従って、不正行為判定データがHとなり不正行為が検出される。
<制御部>
次に、図2及び図3を参照して、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、から構成されている。
<主制御部>
まず、図2を参照して、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、精算ボタンセンサ324、メダル払い出しセンサ326、判定回路327の状態を検出し、各センサを監視している。
スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検知するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137乃至139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するためのセンサである。精算ボタンセンサ324は、精算ボタン132が一回押されると、精算可能なメダルが払い出されることになる。本実施形態では、精算可能なメダルとは貯留されているメダルとベットされているメダルの双方であるが、貯留されているメダルのみとしてもよい。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検知するためのセンサである。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、メダル払出装置(図示せず)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技回数表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。また、出力インターフェース370には電磁ソレノイド21fが接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部>
次に、図3を参照して、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110乃至112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、演出装置制御部500からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、受け皿ランプ210、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、払い出し口の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、演出装置制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。演出装置制御部500は、図1の演出装置600を制御する制御部である。
<遊技の基本的制御>
図10は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は、MainCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を実行する。電源投入が行われると、まず、S101で主制御部300を初期化する初期処理が実行される。S102では、遊技開始処理を行う。ここでは、メダル投入に関する処理やスタートレバー135による遊技の開始に関する処理等を行う。詳細は後述する。
S103では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。S104では、S103で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、RAM313に設定されたその入賞役のフラグがONになる。入賞役としては、例えば、リプレイ(再遊技)、小役、ボーナス(BB、RB)等を挙げることができる。
なお、各入賞役には、メダルのベット数及び設定値(1〜6)ごと、に内部抽選の当選確率が設定されており、入賞役抽選テーブルはこれに従って構成され、抽選時に取得される乱数値の範囲(例えば、0〜16384)は予めいくつかの領域(各当選確率の大きさに相当する領域)に分割されており、各領域に各入賞役の当選やはずれが対応付けられている。そして、入賞役の内部抽選では、取得した乱数値がどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。
S104では、内部抽選の後、リール停止制御テーブルを選択する処理を行う。これは、各リールの停止操作に対する制御を選択する処理である。ここで、リール110乃至112の停止制御について簡単に説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御テーブルの中から内部抽選結果に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御テーブルに基づき行う。リール停止制御テーブルは主制御部300のROM312に格納されている。リール停止制御テーブルは、内部抽選で内部当選した入賞役か、又は、いわゆるフラグ持ち越し中の入賞役については、対応する絵柄組合せが揃って表示されることが許容される一方、そうでない場合には各入賞役に対応する絵柄組合せが揃って表示されないように構成されている。例えば、小役の「ベル」に内部当選していない場合、「ベル」の絵柄組合せが表示されるタイミングでリール110乃至112の停止操作が行われたとしても、リール110乃至112は直ちに停止せずにベルの絵柄組合せが揃わないように制御される。逆に、「ベル」に内部当選している場合には、ベルの絵柄組合せが表示されるタイミングでリール110乃至112の停止操作が行われなかったとしても、一定の範囲でリール110乃至112は直ちに停止せずにベルの絵柄組合せが揃うように制御されることになる。
S105では、全リール110乃至112の回転を開始させる。その後、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能となる。S106ではリールの停止制御を行う。ここでは、ストップボタン137乃至139に対する操作に応じて、リール110乃至112のうち、操作されたストップボタン137乃至139対応するいずれかのリールをS104で選択したリール停止制御テーブルに従って停止させる。
S107では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、内部当選した入賞役又はフラグ持越し中の入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグがリセットされる。S108では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。S109では、遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、ビッグボーナスやレギュラーボーナスのようなボーナス入賞の場合に次回から対応するボーナスゲームを開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。以上により1ゲームの処理が終了し、その後S102へ戻って同様の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<遊技開始処理>
図11を参照してS102の遊技開始処理について説明する。図11はS102の遊技開始処理を示すフローチャートである。S111では規定枚数を設定する。規定枚数とは、その遊技においてベット可能な最大のメダル数を意味する。規定枚数は、スロットマシン100の遊技の仕様によるが、本実施形態の場合、通常遊技の場合は3枚に、RBゲーム等においては1枚に設定される。S112では割り込みステータスをメダル投入処理中へ設定する。割り込みステータスとは、割り込み処理で実行すべき処理の内容を示す情報でありRAM313上の所定のエリアに格納される。
S113ではメダル投入異常か否かが判定され、該当する場合はS118へ進み、そうでない場合はS114へ進む。メダル投入異常か否かは、後述する割り込み処理においてメダル投入異常が設定されたか否かに依存し、このメダル投入異常は上述した図23の器具を用いた不正行為が検出された場合も含まれる。S114では投入されたメダルの枚数が1枚以上か否かを判定する。該当する場合はS115へ進み、そうでない場合はS113へ戻る。S115ではスタートレバー135が操作されたか否かを判定する。該当する場合はS116へ進み、そうでない場合はS113へ戻る。S116では5本の入賞ライン114のうち今回の遊技で有効な入賞ライン数を設定する。上述した通り、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、規定枚数が1枚の場合はメダル1枚の投入で、例えば中段の水平入賞ラインが有効となる。
S117では割り込みステータスをメダル投入処理中から所定データの初期化へセットする。これにより割り込み処理においてメダル投入処理中の内容の処理の実行が終了することになる。S118ではエラー処理を行う。エラー処理の内容は種々選択できるがここでは遊技回数表示器126に所定のエラーコードを表示させ、遊技を中断する。この状態はスロットマシン100に設けられたリセットスイッチが操作されると解除される。なお、エラー処理の内容はこれに限られず、例えば、警報を発したり、或いは、ホールコンピュータにエラーが生じたことを示す情報を送信する、といったことが挙げられる。ホールコンピュータにエラーが生じたことを示す情報を送信する場合は、エラーが生じたことを遊技者に知られないようにすることもできる。
<割り込み処理>
次に、図12(a)を参照して割り込み処理について説明する。図12(a)はCPU310の割り込み処理を示すフローチャートである。上述した通り、本実施形態では割り込み処理が1.877msの周期で行われる。S121ではCPU310の各レジスタの情報をRAM313に退避する等の処理を行う。S122では、入力インターフェース360のポートの値を取得し、RAM313の所定のエリアに保存する。図12(b)は入力インターフェース360のポートの各ビット(8ビット)の割り当てを示す図である。図2を参照して説明した通り、入力インターフェース360には判定回路327等が接続されており、メダル通過判定データ1はビットD0に、メダル通過判定データ2はビットD1に、不正行為判定データはビットD2に、それぞれ割り当てられている。以下、各ポートの値のうち、メダル通過判定データ1及び2を示すビットD0及びD1の値をメダルセレクタ状態ともいう。なお、RAM313の上記所定のエリアには複数回分のポートの値が保存され、S122では今回取得したポートの値を最も古いポートの値に上書きされる。
S123では現在の割り込みステータスがメダル投入処理中か否かを判定する。メダル投入処理中の場合はS127へ進む。そうでない場合はS124へ進み、現在の割り込みステータスに応じた処理を実行する。S125では割り込み処理の周期を利用した各種のカウンタタイマを更新する処理を行う。S126ではS121で一時退避した各レジスタの情報等を復帰し、一単位の割り込み処理を終了する。S127ではS122で取得した不正行為判定データを参照して、不正行為が行われたか否かを判定する。取得した不正行為判定データがH(データとしては1となる)の場合はS129へ進み、L(データとしては0となる)の場合はS128へ進む。S129ではメダル投入異常を設定する。このメダル投入異常の設定が行われると割り込み処理を抜けて図11のS113の処理が実行される際にメダル投入異常と判定されS118のエラー処理が実行されることになり、不正行為が発見、防止される。S128では遊技メダル投入受付処理を実行する。詳細は後述する。
<遊技メダル投入受付処理>
次に、図12(c)を参照してS128の遊技メダル投入受付処理について説明する。図12(c)はS128の遊技メダル投入受付処理のフローチャートである。S131ではメダルセレクタ処理を実行する。詳細は後述する。S132ではメダルセレクタ処理以外の所定の処理を実行する。その後、遊技メダル投入受付処理を終了する。
<メダルセレクタ処理>
次に、図13を参照してS131のメダルセレクタ処理について説明する。図13はS131のメダルセレクタ処理のフローチャートである。S141ではRAM313に保存してある前回のメダルセレクタ状態を取得する。S142ではRAM313に保存してある今回のメダルセレクタ状態を取得する。S143ではメダルブロッカ21eがメダルの返却状態にあるか否かを判定する。該当する場合は処理を終了し、そうでない場合はS144へ進む。S144ではS141で取得した前回のメダルセレクタ状態とS142で取得した今回のメダルセレクタ状態とを比較し、メダルセレクタ状態に変化があったか否かを判定する。変化があった場合はS145へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
S145では正常通過判定データを取得する。正常通過判定データとは、投入されたメダルが正常にメダルセレクタ20を通過しているか否かを判定するためのデータでありROM312に格納される。これを図14を参照して説明する。図14はメダルが正常にメダルセレクタ20を通過した場合における、メダル通過判定データ1及び2の変化を示している。
同図の状態ST1はメダル投入センサ320をメダルが通過していない状態を示しており、メダル通過判定データ1及び2がLとなっている。同図の状態ST2ではメダル通過判定データ1がHとなってメダル投入センサ320aによりメダルの通過が検出されているが、メダル通過判定データ1がLのままでメダル投入センサ320bによりメダルの通過が検出されていない。メダル投入センサ320aと320bは、相対的にメダル投入センサ320aが通路の上流側に配置されているため、同図の状態ST2に示すようにメダルの通過はまずメダル投入センサ320aで検出される。
同図の状態ST3ではメダル通過判定データ1及び2がHとなっている。これは、メダルがメダル投入センサ320a、320bの双方を通過中であることを示す。同図の状態ST4ではメダル通過判定データ1がLとなり、メダル通過判定データ2がHのままとなっている。これは、メダルがメダル投入センサ320aを通過したが、メダル投入センサ320bを通過中であることを示す。同図の状態ST4の後、再び、状態ST1に戻る。
このように本実施形態では、メダル投入センサ320aと320bは、相対的にメダル投入センサ320aが通路の上流側に配置されているため、メダルが正常に通過した場合、メダル通過判定データ1及び2は、ST1→ST2→ST3→ST4→ST1...と推移する。そして、正常通過判定データは各状態ST1〜ST4の場合のメダルセレクタ状態の値からなるデータであり、前回の処理において状態ST1であった場合には今回のS145の処理で状態ST2のデータが取得され、前回の処理において状態ST2であった場合には今回のS145の処理でST3のデータが取得される、といった具合に、各状態ST1〜ST4のデータを循環的に取得していく。
図13に戻り、S146ではS142で取得した今回のメダルセレクタ状態とS145で取得した正常通過判定データとを比較して、正常通過中であるか否かを判定する。正常通過中の場合はS148へ進み、そうでない場合はS147へ進む。ここでは、例えば、S142で取得した今回のメダルセレクタ状態が図14に示す状態ST2であり、S145で取得した正常通過判定データで取得した正常通過判定データが図14に示す状態ST2である場合には、正常通過と判定される。逆に、S142で取得した今回のメダルセレクタ状態が図14に示す状態ST3であり、S145で取得した正常通過判定データで取得した正常通過判定データが図14に示す状態ST2である場合には、メダルの通過が状態ST2の状態を経ずに行われたことになり、何らかの異常があったとして正常通過中でないと判定される。
S147ではメダル投入異常を設定する。この設定が行われると、このメダル投入異常の設定が行われると割り込み処理を抜けて図11のS113の処理が実行される際にメダル投入異常と判定されS118のエラー処理が実行されることになる。なお、本実施形態では、S147で設定される、メダルの通過異常に関するエラー処理と、上述したS129で設定される、不正行為によるエラー処理と、についてS118で共通の内容にて行うようにしているが、両者で異なるエラー処理とすることでどのタイプのエラーかが分かるようにしてもよい。
S148ではメダルが正常に通過を完了したか否かを判定する。正常に通過を完了した場合とは、図14の状態ST4から状態ST1へ移行した場合である。該当する場合はS149へ進み、そうでない場合は処理を終了する。S149ではメダルの投入枚数が図11のS111で設定した規定枚数よりも少ないか否かを判定する。該当する場合はS151へ進み、ベット枚数として投入されたメダルを加算する。該当しない場合はS150へ進み、貯留枚数がその最大数である50よりも小さいか否かを判定する。該当する場合はS151へ進み、スロットマシン100に電子的に貯留されるクレジットのメダルとして投入されたメダルを加算する。該当しない場合は処理を終了する。以上によりメダルセレクタ処理が終了する。なお、S151のメダルの加算は、S149からの場合はベット枚数カウンタにより、また、S150からの場合は貯留枚数カウンタとにより行われる。ベット枚数カウンタ及び貯留枚数カウンタは、RAM313の所定のエリア上に各カウント値が記憶され、各カウント値を更新することでベット枚数、貯留枚数をカウントするソフトウエアカウンタである。ベット枚数カウンタは1回の遊技の終了時にクリアされる。
以上の述べた通り、本実施形態では図23のような器具を用いた不正行為を防止することができる。また、判定回路327及びパルス発生回路328により、ハードウエア的に不正行為に対処しているので、既存のスロットマシン100に設けられているソフトウエアをほとんど変更せずに不正行為に対処することができる。
<第2実施形態>
上述した第1実施形態では、駆動パルス1及び2を固定周期とし、メダル検出センサ320の各発光部を固定周期で点滅させたが、駆動パルス1及び2の周期を変動し、メダル検出センサ320の各発光部の点滅周期を変動するようにしてもよい。図15は駆動パルスを変動周期とした場合の例を示すタイミングチャートである。同図に示すように駆動パルスを変動周期とした場合は、これに合わせて判定タイミングパルスA及びBも変動周期とすることになる。同図の例では駆動パルス(及び判定タイミングパルスA及びB)の周期が徐々に短くなり、その後、再び長くなっている。このように駆動パルスを変動周期として、メダル検出センサ320の各発光部の点滅周期を変動すれば、図23のような器具の発光素子4の点滅周期が略完全にこれに一致する場合がなくなり、不正行為を効果的に防止できる。なお、駆動パルス(及び判定タイミングパルスA及びB)の周期の変動は、パルス発生回路328が独立して行ってもよいし、或いは、CPU310からパルス発生回路328へ周期を指示できるようにしてもよい。
<第3実施形態>
上述した第1実施形態では、判定回路327によりメダル通過判定データ1及び2並びに不正行為判定データを生成するようにしたが、判定回路327を省略してこれらをCPU310によりソフトウエア的に生成するようにしてもよい。図16(a)は、本発明の第3実施形態による不正行為防止回路のブロック図である。図6に示した第1実施形態の不正行為防止回路と異なる点は、判定回路327を省略し、センサ出力1及び2並びに判定タイミングパルスA及びBを入力インターフェース360へ入力している点にある。
図16(b)は第3実施形態における、入力インターフェース360のポートの各ビット(8ビット)の割り当てを示す図である。図12(b)と異なる点は、メダル通過判定データ1に代えてセンサ出力1のデータがビットD0に、メダル通過判定データ2に代えてセンサ出力2のデータがビットD1に、不正行為判定データに代えて判定タイミングパルスAがビットD2に、また、判定タイミングパルスBがビットD3にそれぞれ割り当てられている。本実施形態の場合、メダル通過判定データ1及び2は、ソフトウエアで生成され、RAM313上の所定のエリアに複数回分保存される。なお、判定タイミングパルスA及びBのデータは図12S122の入力ポート値の保存処理によりRAM313上の所定のエリアに複数回分保存されることになる。
次に、本実施形態におけるCPU310の処理について上述した第1実施形態と異なる点について説明する。まず、本実施形態では図12(a)に示したS127及びS129の不正行為の判定に関する処理をメダルセレクタ処理内で行うため、これらの処理が図12(a)の処理から削除される。そして、本実施形態のメダルセレクタ処理は以下の通りである。図17は本発明の第3実施形態におけるメダルセレクタ処理を示すフローチャートである。以下、図13に示した第1実施形態のメダルセレクタ処理と異なる処理についてのみ説明する。なお、図17において図13と同様の処理については同じ符号を付してある。
S161では、RAM313に保存してある前回の入力ポート値(D0〜D3)を取得する。S162ではRAM313に保存してある今回の入力ポート値(D0〜D3)を取得する。S163では、S161で取得した前回のセンサ出力1及び2(入力ポートD0、D1の値)とS162で取得した今回のセンサ出力1及び2とを比較し、センサ出力1及び2に変化があったか否かを判定する。変化があった場合はS164へ進み、そうでない場合は処理を終了する。S164ではメダル通過判定データ更新処理を行う。図18(a)はS164のメダル通過判定データ更新処理を示すフローチャートである。
概説すると、S171乃至S173及びS177はメダル検出センサ320aをメダルが通過中か否かを判定してメダル通過判定データ1を更新する処理であり、S174乃至S176及びS178はメダル検出センサ320bをメダルが通過中か否かを判定してメダル通過判定データ2を更新する処理である。
S171では、S161で取得した前回の判定タイミングパルスA(ポートD2)と、S162で取得した今回の判定タイミングパルスAとを比較して、判定タイミングパルスAがLからH(0→1)へ立ち上がったか否かを判定する。立ち上がった場合はS172へ進みそうでない場合はS174へ進む。S172ではS162で取得した今回のセンサ出力1(ポートD0)がL(データとしては0)か否かを判定する。Lの場合はS173へ進み、そうでない場合はS177へ進む。S173では今回のメダル通過判定データ1として、RAM313上の上記所定のエリアに0(つまりL)をセットする。これはメダル検出センサ320aをメダルが通過中でないことを示す。また、S177では今回のメダル通過判定データ1として、RAM313上の上記所定のエリアに1(つまりH)をセットする。これはメダル検出センサ320aをメダルが通過中であることを示す。
S174では、S161で取得した前回の判定タイミングパルスB(ポートD3)と、S162で取得した今回の判定タイミングパルスBとを比較して、判定タイミングパルスBがLからH(0→1)へ立ち上がったか否かを判定する。立ち上がった場合はS175へ進みそうでない場合は処理を終了する。S175ではS162で取得した今回のセンサ出力2(ポートD1)がL(データとしては0)か否かを判定する。Lの場合はS176へ進み、そうでない場合はS178へ進む。S176では今回のメダル通過判定データ2として、RAM313上の上記所定のエリアに0(つまりL)をセットする。これはメダル検出センサ320bをメダルが通過中でないことを示す。また、S178では今回のメダル通過判定データ2として、RAM313上の上記所定のエリアに1(つまりH)をセットする。これはメダル検出センサ320bをメダルが通過中であることを示す。以上によりメダル通過判定データ更新処理が終了する。
図17に戻り、S165では不正行為判定処理を実行する。図18(b)はS165の不正行為判定処理を示すフローチャートである。概説すると、S181、S182及びS185はメダル検出センサ320aについての不正行為を判定する処理であり、S183、S184及びS186はメダル検出センサ320bについての不正行為を判定する処理である。
S181では、S161で取得した前回の判定タイミングパルスB(ポートD3)と、S162で取得した今回の判定タイミングパルスBとを比較して、判定タイミングパルスBがLからH(0→1)へ立ち上がったか否かを判定する。立ち上がった場合はS182へ進みそうでない場合はS183へ進む。S182ではS162で取得した今回のセンサ出力1(ポートD0)がH(データとしては1)か否かを判定する。Hの場合はS183へ進み、そうでない場合はS185へ進む。S182でセンサ出力1がHでない場合は、メダル検出センサ320aの発光部が消灯時にもかかわらず受光部が受光状態にあり、不正行為が行われた場合である。従って、S185ではメダル投入異常を設定する。このメダル投入異常の設定が行われると割り込み処理を抜けて図11のS113の処理が実行される際にメダル投入異常と判定されS118のエラー処理が実行されることになり、不正行為が発見、防止される。
S183では、S161で取得した前回の判定タイミングパルスA(ポートD2)と、S162で取得した今回の判定タイミングパルスAとを比較して、判定タイミングパルスAがLからH(0→1)へ立ち上がったか否かを判定する。立ち上がった場合はS184へ進みそうでない場合は処理を終了する。S184ではS162で取得した今回のセンサ出力2(ポートD0)がH(データとしては1)か否かを判定する。Hの場合は処理を終了し、そうでない場合はS186へ進む。S184でセンサ出力2がHでない場合は、メダル検出センサ320bの発光部が消灯時にもかかわらず受光部が受光状態にあり、不正行為が行われた場合である。従って、S186ではメダル投入異常を設定する。このメダル投入異常の設定が行われると割り込み処理を抜けて図11のS113の処理が実行される際にメダル投入異常と判定されS118のエラー処理が実行されることになり、不正行為が発見、防止される。以上により、不正行為判定処理が終了する。
図17に戻り、S166では正常通過中か否かを判定する。この処理は図13のS146の処理と同様であるが、S145で取得した正常通過判定データと比較するのは、S164の処理で更新されたメダル通過判定データ1及び2となる。
以上述べた通り、本実施形態では第1実施形態の判定回路327の機能をソフトウエアで実現することにより判定回路327を省略した構成を採用できる。
<第4実施形態>
上記各実施形態では、メダル検出センサ320の発光部を発光させる条件として、点滅させる場合を採用したが、発光部の発光量を変更することによる受光部の受光量の変化により不正行為を検出することもできる。図19は本発明の第4実施形態による不正行為防止回路のブロック図である。同図はメダル検出センサ320aについての回路のみを示すがメダル検出センサ320bについての回路も同様である。本実施形態ではパルス発生回路328’は一つのメダル検出センサ(320a)に対して2つの駆動パルス1a及び1bを発生する。メダル検出センサ320aには、スイッチング回路が2組並列に接続されており、各スイッチング回路は駆動パルス1a及び1bにより別々にON−OFFされ、発光部に対して異なる電流を供給する。つまり、駆動パルス1aがHになると一方のスイッチング回路がONとなり、発光部には電流Iaが流れる。また、駆動パルス1bがLになると他方のスイッチング回路がONとなり、発光部には電流Ibが流れる。電流IaとIbとはIa<Ibの関係にあり、発光部を流れる電流により発光部の発光量が変化することになる。
メダル検出センサ320aの受光部の出力(センサ出力)は2組のコンパレータにそれぞれ入力される。各コンパレータにはそれぞれ基準電圧1及び2が入力されており、センサ出力と比較する。そして、基準電圧1との比較結果がコンパレータ出力1として、基準電圧2との比較結果がコンパレータ出力2として、判定回路327’に出力される。判定回路327’には、コンパレータ出力1及び2と、駆動パルス1a及び1b並びに判定タイミングパルスが入力され、メダル検出センサ320aに関するメダル通過判定データと、不正行為判定データとを出力する。判定回路327’から出力されるメダル通過判定データと不正行為判定データとは入力インターフェース360を介してCPU310により取得されることになる。以下、不正行為の検出原理について詳細に説明する。
図20(a)はメダル検出センサ320aの発光部に供給される駆動電流と、受光部のセンサ出力電圧との関係、並びに、コンパレータ出力1及び2の関係を示す図である。同図に示すように、受光部のセンサ出力電圧と発光部の駆動電流とは、概ね線形な関係にある。そして、基準電圧1は、発光部に対して電流Iaが流れた場合のセンサ出力電圧と、電流0の場合のセンサ出力電圧との間の電圧に設定されている。また、基準電圧2は、発光部に対して電流Ibが流れた場合のセンサ出力電圧と、電流Iaが流れた場合のセンサ出力電圧との間の電圧に設定されている。そして、コンパレータ出力1はセンサ出力電圧が0から基準電圧1までの間でLとなり、センサ電圧が基準電圧1を越えるとHとなる。コンパレータ出力2はセンサ出力電圧が0から基準電圧2までの間でLとなり、センサ電圧が基準電圧2を越えるとHとなる。従って、駆動パルス1a及び1bの状態と、コンパレータ出力1及び2の状態とは、不正行為がなければ1対1の関係となる。
図20(b)は、不正行為がない場合の駆動パルス1a及び1bの状態と、コンパレータ出力1及び2の状態との関係を示す図である。同図に示すように、駆動パルス1a及び1bが共にLの場合、つまり、発光部を流れる電流が0の場合、コンパレータ出力1及び2は共にLとなる。この状態をレベル0と呼ぶ。次に、駆動パルス1aがHで駆動パルス1bがLの場合、つまり、発光部を流れる電流がIaの場合、コンパレータ出力1はHでコンパレータ出力2はLとなる。この状態をレベル1と呼ぶ。最後に、駆動パルス1aがLで駆動パルス1bがHの場合、つまり、発光部を流れる電流がIbの場合、コンパレータ出力1及び2は共にLとなる。この状態をレベル2と呼ぶ。
しかして、図23のような器具では発光素子4の発光量を変更する機能を持たず、単に点滅できるだけであるから、図23の器具で不正行為を行おうとした場合、発光部の発光量と受光時の受光部の出力量(出力電圧)とが対応しなくなり、不正行為を検出することができる。例えば、駆動パルス1a及び1bをレベル0としたのに、コンパレータ出力1及び2がレベル1となってしまう場合を生じ、レベルの齟齬が生じる。この結果、不正行為を検出することができる。
図21(a)及び(b)は駆動パルス1a及び1bの駆動例を示すタイミングチャートである。同図に示すように駆動パルス1a及び1bのHとLとの組合せによって、メダル検出センサ320aの発光部に流れる電流が多様化する。判定回路327’は判定タイミングパルスの立ち上がりと立ち下がりとで不正行為の判定か、メダルの通過の判定のいずれか或いは双方を行う。本実施形態の場合、判定タイミングパルスの立ち上がり時には、駆動パルス1a又は1bのいずれかをHとしてメダルの通過の判定タイミングとしている。
図21(a)の例の場合、例えば、判定タイミングパルスの立ち上がりでメダルの通過を判定するとすると、P1及びP3のタイミングで、コンパレータ出力1及び2の双方がLの場合、メダルの通過中と判定してメダル通過判定データを例えばLからHとすることができる。また、判定タイミングパルスの立ち下がりで不正行為を判定するとすると、P2のタイミングで、コンパレータ出力1又は2のいずれかがHの場合、不正行為ありと判定して不正行為判定データを例えばLからHとすることができる。また、P1及びP3のタイミングで不正行為を判定することも可能であり、例えば、P1のタイミングでは駆動電流がIbの場合であり、コンパレータ出力1及び2は図20(b)のレベル2となるはずであるが、これが、レベル1であった場合は不正行為ありとなる。
図21(b)の例の場合、例えば、駆動パルス1aと1bとが連続してHになる場合を示しており、この場合も同様に考えることができる。例えば、判定タイミングパルスの立ち上がりでメダルの通過を判定するとすると、P1及びP3のタイミングで、コンパレータ出力1及び2の双方がLの場合、メダルの通過中と判定してメダル通過判定データを例えばLからHとすることができる。また、判定タイミングパルスの立ち下がりで不正行為を判定するとすると、P2のタイミングでは駆動電流がIaの場合であり、コンパレータ出力1及び2は図20(b)のレベル1となるはずであるが、これが、レベル0や2であった場合は不正行為ありとなる。また、P1及びP3のタイミングで不正行為を判定することも可能であり、例えば、P1及びP3のタイミングでは駆動電流がIbの場合であり、コンパレータ出力1及び2は図20(b)のレベル2となるはずであるが、これが、レベル1であった場合は不正行為ありとなる。なお、図21(a)及び(b)の例ではいずれも駆動電流が0の期間を設けているが、駆動電流を常時IaかIbとしておいても構わない。