<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
<全体構成>
スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施形態において、各絵柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の絵柄は、遊技者から見ると、絵柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの絵柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、各々のリール110乃至112の背面には、絵柄表示窓113に表示される個々の絵柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の絵柄ごとに遮蔽されて個々の絵柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示せず)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、後述するメダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入ブロック134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口を形成するブロックである。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入ブロック134のメダル投入口から実際のメダルを投入することもできる。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入ブロック134のメダル投入口に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110乃至112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110乃至112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137乃至139を操作すると対応するいずれかのリール110乃至112が停止することになる。
精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155より受皿210に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿210は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿210は、本実施形態では発光可能な受皿を採用しており、以下受け皿ランプと呼ぶこともある。
音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ210は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。灰皿部200は、煙草の吸殻を入れるための容器であり、受け皿210の内側にネジ止めされている。リールパネル161は、絵柄表示窓113を有するパネルであり、タイトルパネル162は、そのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルである。演出装置600は、液晶表示装置を含み、各種の情報が表示される。
<メダルセレクタ>
スロットマシン100にはメダル投入ブロック134のメダル投入口から投入されるメダルが通過する通路を形成すると共に、正規のメダルを選別するメダルセレクタが設けられている。図4(a)はメダルセレクタ20の分解斜視図、図5(a)はメダルセレクタ20におけるメダルの通過態様を示す図である。このメダルセレクタ20は、本体部21と、本体部21と着脱可能なガイド部材22と、本体部21の下部に着脱可能なカバー部材23と、を備え、固定部材24を介して前面扉102の裏面に取り付けられる。
本体部21はガイド板部21aを備えており、ガイド部材22を本体部21に取り付けた状態では、ガイド部材22のガイド板部22aとガイド板部21aとが隙間を置いて対向して配置されてメダルの通路の入口となる受入部が形成される。図5(a)に示すようにメダルはまず、この受入部を通過する(同図のA参照)。本体部21には断面L字型の下側のガイドレール部21bと上側のガイドレール部21cとが設けられており、投入されたメダルは図5(a)に示すようにこれらのガイドレール部21b及び21cに沿ってメダルセレクタ20内を転動して通過する。ガイド部材22には、メダルの通路に直交する方向に回動可能なガイド片22bが設けられ、通過するメダルの側面に当接してメダルをガイドレール部21b及び21c側へ押圧し、案内する。
ガイドレール部21cは通過するメダルの上端の僅かな範囲を案内するように設定されており、正規のメダルよりも小さな偽のメダルが通過しようとすると、図5(a)のBの位置でガイドレール部21cに案内されず、ガイド片22bの押圧により脱落することになる。なお、メダル投入ブロック134のメダル投入口の穴は正規のメダルと略ピッタリの大きさと成っているため、正規のメダルよりも大きな偽のメダルはメダル投入ブロック134のメダル投入口から投入することができない。一方、本体部21にはメダルの通路に直交する方向に回動可能な可動片21dが設けられている。そして、メダル詰まりが生じた場合にはメダル返却ボタン133を押圧することで、可動片21dがメダル通路側へ回動して詰まったメダルがメダルセレクタ20から脱落することになる。
また、本体部21には、メダルブロッカユニット250が設けられている。このメダルブロッカユニット250は、メダルの通路に突出してメダルの通過を妨げる突出位置とメダルの通路に突出しない非突出位置との間で移動可能に設けられた可動部材である可動板251と、可動板251を移動させる駆動手段である電磁ソレノイド252と、を備える。このメダルブロッカユニット250の詳細は後述するが、所定の条件が成立した場合に図5(a)のCの位置をメダルが通過できないように可動板251が突出位置に移動する。これにより、メダルの通路が閉じられ、メダルの返却状態となる。
次に、本体部21及びガイド部材22により形成される通路の下流端にはセンサユニット21gが配置されており、本体部21に取り付けられている。図4(b)に示すようにセンサユニット21gは、メダル投入数検出用の2つのメダル投入センサ320a及び320b(総称する時はメダル投入センサ320という。)が内蔵されている。メダル投入センサ320は光学式のセンサであり、図4(c)に示すように受光素子と発光素子とを備え、これらの間をメダルが通過し(図5(a)のDの位置を参照)、発光素子からの光が遮断されることでメダルの通過を検出する。図4(b)及び図5(a)に示すように、メダル投入センサ320a及び320bはメダルの通路に沿って配置されており、メダル投入センサ320aが通路の上流側に、メダル投入センサ320bが通路の下流側に配設されている。なお、本実施形態ではメダル投入センサ320を2組設けているが、これに限られず、一つでもよいし3以上設けてもよい。
なお、可動板251は、スタートレバー135の操作があった後等、所定の条件が成立した場合に、突出位置へ移動し、メダルの返却状態とされるが、この返却状態となる時とは、新たなメダルの投入を受け付けない場合である。従って、可動板251が返却状態となった時に、通路を通過中のメダルが存在し、メダル投入センサ320にその通過が検出されてしまう場合を防止する必要がある。つまり、可動板251が返却状態となった時に可動板251を既に通過しており、その後メダル投入センサ320を通過するようなメダルが生じないようにする必要がある。このため、可動板251は、これが返却状態となる所定の条件が成立した場合に、通路を通過途中のメダルが、メダル投入センサ320に到達しないように、メダル投入センサ320に対して位置決めされており、本実施形態ではメダル投入センサ320の上流側において、メダル投入センサ320の近傍に配設されている。
さて、このような構成からなるメダルセレクタ20では、図5(a)に示すようにメダル投入ブロック134のメダル投入口から投入されたメダルは受入部をまず通過し(同図A)、ガイドレール部21b及び21cに案内されてメダルセレクタ20内を転動していく(同図B乃至D)。この際、正規のメダルよりも小さい偽のメダルは、上述した作用により選別されて脱落し、メダル払出口155へ至り、遊技者に返却されることになる。正規のメダルは同図のDの位置においてメダル投入センサ320により通過が検出され、その後、固定部材24のレール部24aに案内されてメダル払出装置(図示せず)へ落下することになる。
<不正行為防止の概要構造>
次に、本実施形態における、図21の器具を用いた不正行為防止の概要について説明する。上述した通り、図21の器具を用いた不正行為では、図21の器具の発光素子4側を先頭にしてメダル投入口からメダルセレクタ20内に、発光素子4が丁度メダルセレクタ20のメダル検出センサ320に到達するまで挿入される。そして、スイッチ2を押圧することで発光素子4を発光させ、メダル検出センサ320がこれをメダルの通過として検出してしまうことを利用する。不正行為者は、メダルの貯留を満タンにした後、例えば、精算ボタン132を操作することでメダルの払出操作を行い、不正に貯留されたメダルの払出しを行い、以下、これらの作業を繰り返し行う。
一方、図21の器具のような異物がメダルの通路に挿入されている状態では、メダルブロッカユニット250の可動板251を突出位置へ移動しようとしても当該異物が邪魔をして可動板251が突出位置へ移動できない。そこで、本実施形態では、可動板251の位置を検出し、その検出結果と、可動板251を移動させる電磁ソレノイド252に対する駆動命令と、を比較し、両者に齟齬が生じている場合、例えば、可動板251を突出位置へ移動させる駆動命令を出力しているのにも関わらず可動板251が突出位置にあることが検出されなかった場合にはメダルの通路に図21の器具のような異物が存在すると判定することで、不正行為を防止する。
図5(b)及び(c)は、メダルブロッカユニット250の可動板251の位置を検出する位置検出手段であるメダルブロッカセンサ327との分解・組立図である。メダルブロッカユニット250は、取付板255によりメダルセレクタ20の本体部21に取り付けられ、この取付板255にメダルブロッカセンサ327が取り付けられる。メダルブロッカセンサ327は、本実施形態の場合、メダル投入センサ320と同様に光学式のセンサであり、受光素子と発光素子とが対向して配置される。そして、これらの間を可動板251の遮光片部251aが通過するか否かで発光素子からの光が受光素子に対して照射又は遮断され、可動板251の位置を検出する。本実施形態の場合、可動板251が突出位置にある場合に遮光片部251aがメダルブロッカセンサ327の受光素子と発光素子との間に位置して発光素子からの光を遮断し、非突出位置にある場合に図5(c)に示すように遮光片部251aがメダルブロッカセンサ327の受光素子と発光素子との間から離間した位置にあり、発光素子からの光が受光素子へ照射される。
次に、メダルブロッカユニット250の構成及び動作を詳細に説明する。図6(a)乃至(c)は可動板251の平面図、正面図及び左側面図である。可動板251は、その上部に可動板251が突出位置に移動した時にメダルの通路に突出する突出部251bと、突出部251bの端部(メダルの通路の下流側)において突出部251bと反対方向(電磁ソレノイド252側)に突出した遮光片部251aとを備える。可動板251は、この遮光片部251a及び突出部251bの面と直交する方向に下方に延びた部分を有し、その下部には可動板251の回動中心となり、後述するブラケット254と当接する当接部251cと、後述するコイルスプリング253の一端が係止される係止部251dとを備える。
図7(a)乃至(d)はメダルブロッカユニット250の動作説明図であり、(a)は可動板251が非突出位置にあるときの可動板251の平面図、(b)は可動板251が非突出位置にあるときのメダルブロッカユニット250の構造説明図、(c)は可動板251が突出位置にあるときの可動板251の平面図、(d)は可動板251が突出位置にあるときのメダルブロッカユニット250の構造説明図、である。同図に示すように、メダルブロッカユニット250は取付板255に固定されたL字型のブラケット254を備え、このブラケット254の垂直部分に電磁ソレノイド252が固定されている。ブラケット254の水平部分の端部はコの字形に切り欠かれており、この切り欠き部分に可動板251の当接部251cが当接している。可動板251の下部の係止部251dと取付板255との間にはコイルスプリング253が張設されており、可動板251を同図の時計回りに回動させる付勢力を常時可動板251に与えている。
さて、図7(a)及び(b)に示すように、可動板251を非突出位置に位置させる場合には、電磁ソレノイド252に電力を供給して磁力を発生させ、電磁ソレノイドに可動板251を吸引させる。この時、可動板251の突出部251bはメダルの通路に突出しない状態にあり、可動板251の遮光片部251aは図7(a)に示すようにメダルブロッカセンサ327から離間した状態にある。一方、図7(c)及び(d)に示すように、可動板251を突出位置に位置させる場合には、電磁ソレノイド252に対する電力の供給を遮断して磁力を発生させなくする。すると、コイルスプリング253の収縮に付勢されて可動板251が当接部251cを中心として回動し、図7(d)に示すように同図の右方向に傾倒して非突出位置へ移動する。この時、可動板251の突出部251bはメダルの通路に突出した状態にあり、可動板251の遮光片部251aは図7(c)に示すようにメダルブロッカセンサ327の受光素子と発光素子との間に位置することになる。なお、電磁ソレノイド252に電力を供給すると、再び図7(a)及び(b)に示す突出位置に可動板251が移動することになる。
このようにして本実施形態では、可動板251が突出位置と非突出位置との間で移動し、また、その位置がメダルブロッカセンサ327で検出されることになる。そして、メダルの通路に異物が存在する場合には、可動板251が非突出位置から突出位置へ移動することが妨げられるので、電磁ソレノイド252に対する電力の供給を遮断してもメダルブロッカセンサ327により遮光片部251aが検出されないことになり、図21に示すような器具による不正行為を発見できる。
<制御部>
次に、図2及び図3を参照して、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、から構成されている。
<主制御部>
まず、図2を参照して、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル検出センサ320(320a及び320b)、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、精算ボタンセンサ324、メダル払い出しセンサ326、メダルブロッカセンサ327の状態を検出し、各センサを監視している。
スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検知するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137乃至139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するためのセンサである。精算ボタンセンサ324は、上述した通りであり、精算ボタン132が一回押されると、精算可能なメダルが払い出されることになる。本実施形態では、精算可能なメダルとは貯留されているメダルとベットされているメダルの双方であるが、貯留されているメダルのみとしてもよい。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検知するためのセンサである。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、メダル払出装置(図示せず)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技回数表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。また、出力インターフェース370には電磁ソレノイド252が接続されており、CPU310及び出力インターフェース370は、電磁ソレノイド252に可動板251を移動させる駆動命令を出力する出力手段として機能することになる。なお、RAM313上の所定のエリアには電磁ソレノイド252に対する現在の駆動命令を示す情報、つまり、可動板251が突出位置にあるか非突出位置にあるかを示す情報(以下、可動板制御情報という)が格納される。可動板制御情報は、本来メダルブロッカセンサ327の検出結果と一致するはずであるが、図21に示す器具等の異物がメダルの通路に挿入されている場合は、上述した通り、両者に齟齬が生じることになる。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部>
次に、図3を参照して、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110乃至112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、演出装置制御部500からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、受け皿ランプ210、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、払い出し口の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、演出装置制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。演出装置制御部500は、図1の演出装置600を制御する制御部である。
<遊技の基本的制御>
図8は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は、MainCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の遊技処理を実行する。以下、この遊技処理について説明する。電源投入が行われると、まず、S101で設定値変更処理が実行される。ここでは、後述する入賞役の内部抽選の設定値(1〜6)の変更に関する処理が行われる。この処理は設定スイッチ(図示せず)がONにされた状態でスロットマシン100の電源が投入された場合に実行され、まず、後述する割り込み処理の割り込みステータスが設定値変更処理中にセットされる。なお、割り込みステータスとは、割り込み処理で実行すべき処理の内容を示す情報でありRAM313上の所定のエリアに格納される。そして、割り込み処理により設定値の変更が受け付けられ、これが終了すると割り込みステータスが所定データの初期化に設定された後、S102へ進むことになる。
S102では、遊技開始処理を行う。ここでは、メダル投入に関する処理やスタートレバー135による遊技の開始に関する処理等を行う。詳細は後述する。S103では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。S104では、S103で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、RAM313に設定されたその入賞役のフラグがONになる。入賞役としては、例えば、リプレイ(再遊技)、小役、ボーナス(BB、RB)等を挙げることができる。
なお、各入賞役には、メダルのベット数及び設定値(1〜6)ごと、に内部抽選の当選確率が設定されており、入賞役抽選テーブルはこれに従って構成され、抽選時に取得される乱数値の範囲(例えば、0〜16384)は予めいくつかの領域(各当選確率の大きさに相当する領域)に分割されており、各領域に各入賞役の当選やはずれが対応付けられている。そして、入賞役の内部抽選では、取得した乱数値がどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。この方式は他の抽選処理でも採用される。
S104では、内部抽選の後、リール停止制御テーブルを選択する処理を行う。これは、各リールの停止操作に対する制御を選択する処理である。ここで、リール110乃至112の停止制御について簡単に説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御テーブルの中から内部抽選結果に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御テーブルに基づき行う。リール停止制御テーブルは主制御部300のROM312に格納されている。リール停止制御テーブルは、内部抽選で内部当選した入賞役か、又は、いわゆるフラグ持ち越し中の入賞役については、対応する絵柄組合せが揃って表示されることが許容される一方、そうでない場合には各入賞役に対応する絵柄組合せが揃って表示されないように構成されている。例えば、小役の「ベル」に内部当選していない場合、「ベル」の絵柄組合せが表示されるタイミングでリール110乃至112の停止操作が行われたとしても、リール110乃至112は直ちに停止せずにベルの絵柄組合せが揃わないように制御される。逆に、「ベル」に内部当選している場合には、ベルの絵柄組合せが表示されるタイミングでリール110乃至112の停止操作が行われなかったとしても、一定の範囲でリール110乃至112は直ちに停止せずにベルの絵柄組合せが揃うように制御されることになる。
S105では、全リール110乃至112の回転を開始させる。リールの回転を開始させる処理では割り込みステータスがリール制御処理中にセットされる。その後、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能となる。S106ではリールの停止制御を行う。ここでは、ストップボタン137乃至139に対する操作に応じて、リール110乃至112のうち、操作されたストップボタン137乃至139対応するいずれかのリールをS104で選択したリール停止制御テーブルに従って停止させる。全リール110乃至112が停止すると割り込みステータスが所定データの初期化にセットされ、S107へ進む。
S107では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、内部当選した入賞役又はフラグ持越し中の入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグがリセットされる。S108では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。メダルの払い出しの処理では割り込みステータスがメダル払い出し中にセットされ、払い出し終了後に所定データの初期化が設定される。S109では、遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、ビッグボーナスやレギュラーボーナスのようなボーナス入賞の場合に次回から対応するボーナスゲームを開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。以上により1ゲームの処理が終了し、その後S102へ戻って同様の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<遊技開始処理>
図9を参照してS102の遊技開始処理について説明する。図9はS102の遊技開始処理を示すフローチャートである。S111では規定枚数を設定する。規定枚数とは、その遊技においてベット可能な最大のメダル数を意味する。規定枚数は、スロットマシン100の遊技の仕様によるが、本実施形態の場合、通常遊技の場合は3枚に、RBゲーム等においては1枚に設定される。S112では割り込みステータスをメダル投入処理中へ設定する。
S113ではメダル投入異常か否かが判定され、該当する場合はS119へ進み、そうでない場合はS114へ進む。メダル投入異常か否かは、後述する割り込み処理においてメダル投入異常が設定されたか否かに依存し、このメダル投入異常は上述した図21の器具を用いた不正行為が検出された場合も含まれる。S114では精算ボタン132に対する遊技者の操作が受け付けられたか否かを判定する。この判定はRAM313の所定のエリアに設定された精算ボタン受付フラグに基づき行い、精算ボタン受付フラグがONの場合に精算ボタン132に対する操作が受け付けられたと判定する。該当する場合はS120へ進み、そうでない場合はS115へ進む。
S115では、投入されたメダルの枚数が1枚以上か否かを判定する。該当する場合はS116へ進み、そうでない場合はS113へ戻る。S116ではスタートレバー135が操作されたか否かを判定する。該当する場合はS117へ進み、そうでない場合はS113へ戻る。S117では5本の入賞ライン114のうち今回の遊技で有効な入賞ライン数を設定する。上述した通り、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、規定枚数が1枚の場合はメダル1枚の投入で、例えば中段の水平入賞ラインが有効となる。
S118では割り込みステータスをメダル投入処理中から所定データの初期化へセットする。これにより割り込み処理においてメダル投入処理中の内容の処理の実行が終了することになる。S119ではエラー処理を行う。エラー処理の内容は種々選択できるがここでは遊技回数表示器126に所定のエラーコードを表示させ、遊技を中断する。この状態はスロットマシン100に設けられたリセットスイッチが操作されると解除される。なお、エラー処理の内容はこれに限られず、例えば、警報を発したり、或いは、ホールコンピュータにエラーが生じたことを示す情報を送信する、といったことが挙げられる。S120では後述する精算処理を行う。
<精算処理>
図10を参照してS120の精算処理について説明する。図10はS120の精算処理を示すフローチャートである。S131では現在の割り込みステータスをRAM313上の所定のエリアに格納し、一時退避する。S132では割り込みステータスを所定データの初期化へセットする。S133では精算可能なメダルの枚数をメダル払い出し要求枚数としてセットする。本実施形態では、精算可能なメダルとは貯留されているメダルとベットされているメダルの双方であるが、貯留されているメダルのみとしてもよい。また、メダル払い出し要求枚数とはメダル払出装置(図示せず)にメダルの払い出しを実行させる際に設定する情報であり、メダルの精算の場合と入賞役の入賞によりメダルが払い出される場合とで設定される。
S134では精算処理中を設定する。精算処理中の設定はRAM313上の所定のエリアに精算処理中であることを示すフラグをONにすることで行う。S135では割り込みステータスを遊技メダル払出処理中へセットする。S136ではS133でセットしたメダル払い出し要求枚数分のメダルがメダル払出装置から払い出されたか否かを判定する。該当する場合はS137へ進み、そうでない場合は待ちとなる。S137ではS134で設定した精算処理中の設定をリセットする。S138では割り込みステータスを所定データの初期化へセットする。S139ではS131で一時退避した割り込みステータスを復帰する。その後、処理が終了する。
<割り込み処理>
次に、図11(a)及び図12を参照して割り込み処理について説明する。図11(a)及び図12はCPU310の割り込み処理を示すフローチャートである。上述した通り、本実施形態では割り込み処理が1.877msの周期で行われる。S141ではCPU310の各レジスタの情報をRAM313に退避する等の処理を行う。S142では、入力インターフェース360のポートの値を取得し、RAM313の所定のエリアに保存する。図11(b)は入力インターフェース360のポートの各ビット(8ビット)の割り当てを示す図である。図2を参照して説明した通り、入力インターフェース360にはメダル投入センサ320、メダルブロッカセンサ327等が接続されており、メダル投入センサ320aの検出結果はビットD0に、メダル投入センサ320bの検出結果はビットD1に、メダルブロッカセンサ327の検出結果はビットD2に、それぞれ割り当てられている。以下、各ポートの値のうち、メダル投入センサ320の検出結果を示すビットD0及びD1の値をメダルセレクタ状態ともいう。なお、RAM313の上記所定のエリアには複数回分のポートの値が保存され、S142では今回取得したポートの値を最も古いポートの値に上書きされる。
S143ではメダル検出フラグに基づき、メダルの通過が検出されたか否かを判定する。メダル検出フラグは、RAM313上の所定のエリアに設定され、S142で取得したメダル投入センサ320の検出結果に基づき、メダル投入センサ320a又は320bの少なくともいずれかによりメダルの通過が検出されるとONとなり、一旦ONにされるとリール110乃至112の回転が開始するまでONの状態が維持され、リール110乃至112の回転開始によりリセット(OFF)とされる。メダルの通過を検出された場合はS149へ進み、そうでない場合はS144へ進む。S144〜S148では現在の割り込みステータスに応じた処理を行うべく、その判定を行う。まず、S144では現在の割り込みステータスが所定データの初期化か否かを判定する。該当する場合はS151へ進み、そうでない場合はS145へ進む。
S145では現在の割り込みステータスが設定値変更処理中か否かを判定する。該当する場合はS152へ進み、そうでない場合はS146へ進む。S146では現在の割り込みステータスがメダル投入処理中か否かを判定する。該当する場合はS153へ進み、そうでない場合はS147へ進む。S147では現在の割り込みステータスがメダル払出処理中か否かを判定する。該当する場合はS154へ進み、そうでない場合はS148へ進む。S148では現在の割り込みステータスがリール制御処理中か否かを判定する。該当する場合はS155へ進み、そうでない場合はS161(図12)へ進む。
S149では不正判定処理を行う。詳細は後述する。S151では所定データの初期化処理を行う。ここでは予め定めたデータについて初期化を行う。また、この所定データの初期化処理ではメダルブロッカユニット250の可動板251が突出位置に位置するように電磁ソレノイド252に駆動命令(電力の供給の遮断)を出力する。この結果、所定データの初期化処理が行われると可動板251がメダルの通路に突出してメダルの返却状態となる。S152では表示設定値更新処理を行う。ここでは、入賞役の内部当選の設定値の変更操作に応じて、所定の表示器に表示される設定値を更新する。スタートレバー135が操作されると表示された設定値により設定が確定する。
S153では遊技メダル投入受付処理を行う。詳細は後述する。S154では遊技メダル払出処理を行う。詳細は後述する。S155ではリール制御処理を行う。ここではリール110乃至112の回転制御に関する処理を行う。次に、図12を参照して、表示データ設定処理を行う。ここではメダルの投入枚数等、表示すべき各種のデータの設定を行う。S162ではメダルブロッカ処理を行う。詳細は後述するが、ここでは主として電磁ソレノイド252に対する駆動命令を出力インターフェース370の出力ポートにセットする処理を行う。S163では出力ポートから、セットされたデータを実際に出力する。ここではS161及びS162で設定したデータを出力インターフェース370の出力ポートから各デバイスへ出力する処理を行う。S164では割り込み処理の周期を利用した各種のカウンタタイマを更新する処理を行う。S165ではS141で一時退避した各レジスタの情報等を復帰し、一単位の割り込み処理を終了する。
<不正判定処理>
次に、図13を参照してS149の不正判定処理について説明する。図13はS149の不正判定処理のフローチャートである。不正判定処理では、メダルセレクタ20のメダルの通路に図21の器具等の異物が存在しているか否かが判定される。S171ではRAM313から可動板制御情報を取得し、可動板251が突出位置に位置するように電磁ソレノイド252に対する駆動命令がなされているか否かを判定する。該当する場合はS172へ進み該当しない場合は処理を終了する。S172ではS142で取得したメダルブロッカセンサ327の検出結果に基づき、可動板251の遮光片部251aをメダルブロッカセンサ327が検出したか否か、つまり、可動板251が突出位置に実際に位置しているか否かを判定する。検出した場合は処理を終了し、そうでない場合はS173へ進む。S173ではメダルセレクタ20のメダルの通路に図21の器具等の異物が存在しているとして、メダル投入異常を設定する。S173に進んだ場合は、可動板制御情報とメダルブロッカセンサ327の検出結果とが一致しておらず、可動板251が突出位置に位置するよう制御しているのに、実際には可動板251が突出位置に位置していない場合であり、メダルの通路に図21に示す器具等の異物が存在していると判定し、メダル投入異常を設定するのである。このメダル投入異常の設定が行われると割り込み処理を抜けて図9のS113の処理が実行される際にメダル投入異常と判定されS113のエラー処理が実行されることになり、不正行為が発見、防止される。
<遊技メダル投入受付処理>
次に、図14(a)を参照してS153の遊技メダル投入受付処理について説明する。図14(a)はS153の遊技メダル投入受付処理のフローチャートである。S181ではメダルセレクタ処理を実行する。詳細は後述する。S182では前回の遊技において再遊技に入賞して今回の遊技が再遊技中の遊技か否かを判定する。該当する場合は処理を終了し、該当しない場合はS183へ進む。S183では後述する精算ボタン受付処理を実行する。
<精算ボタン受付処理>
次に、図14(b)を参照してS183の精算ボタン受付処理について説明する。図14(b)はS183の精算ボタン受付処理を示すフローチャートである。S191では精算ボタン132に対する遊技者の操作があったか否かを判定する。操作がなかった場合はS193へ進み、操作があった場合はS192へ進む。S192ではS114で上述した精算ボタン受付フラグをONにセットする。なお、このフラグは上述した所定データの初期化処理(S151)でOFFにリセットされる。S193ではベットボタン処理を行う。ここでは、メダル投入ボタン130、131が遊技者により操作された場合に、操作されたボタンに応じてメダルの貯留枚数を減算し、ベット枚数にセットする。
<メダルセレクタ処理>
次に、図15を参照してS181のメダルセレクタ処理について説明する。図15はS181のメダルセレクタ処理のフローチャートである。S201ではRAM313に保存してある前回のメダルセレクタ状態を取得する。S202ではRAM313に保存してある今回のメダルセレクタ状態を取得する。S203ではメダルブロッカユニット250がメダルの返却状態にあるか否か(メダルブロッカセンサ327の検出結果ではなく、可動板制御情報が可動板251が突出位置にあることを示しているか否かに基づく。)を判定する。該当する場合は処理を終了し、そうでない場合はS204へ進む。S204ではS201で取得した前回のメダルセレクタ状態とS202で取得した今回のメダルセレクタ状態とを比較し、メダルセレクタ状態に変化があったか否かを判定する。変化があった場合はS205へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
S205では正常通過判定データを取得する。正常通過判定データとは、投入されたメダルが正常にメダルセレクタ20を通過しているか否かを判定するためのデータでありROM312に格納される。これを図16を参照して説明する。図16はメダルが正常にメダルセレクタ20を通過した場合における、各メダル投入センサ320a、320bの検出結果の変化を示している。同図の状態ST1はメダル投入センサ320をメダルが通過していない状態を示しており、いずれのメダル投入センサ320a、320bも非検出状態となっている。同図の状態ST2ではメダル投入センサ320aが検出状態となっているがメダル投入センサ320bは非検出状態となっている。メダル投入センサ320aと320bは、相対的にメダル投入センサ320aが通路の上流側に配置されているため、同図の状態ST2に示すようにメダルの通過はまずメダル投入センサ320aで検出される。
同図の状態ST3ではいずれのメダル投入センサ320a、320bも検出状態となっている。これは、メダルがメダル投入センサ320a、320bの双方を通過中であることを示す。同図の状態ST4ではメダル投入センサ320aが非検出状態となり、メダル投入センサ320bは検出状態のままとなっている。これは、メダルがメダル投入センサ320aを通過したが、メダル投入センサ320bを通過中であることを示す。同図の状態ST4の後、再び、状態ST1に戻る。
このように本実施形態では、メダル投入センサ320aと320bは、相対的にメダル投入センサ320aが通路の上流側に配置されているため、メダルが正常に通過した場合、メダル投入センサ320の検出結果、つまり、メダルセレクタ状態は、ST1→ST2→ST3→ST4→ST1...と推移する。そして、正常通過判定データは各状態ST1〜ST4の場合のメダルセレクタ状態の値からなるデータであり、前回の処理において状態ST1であった場合には今回のS145の処理で状態ST2のデータが取得され、前回の処理において状態ST2であった場合には今回のS145の処理でST3のデータが取得される、といった具合に、各状態ST1〜ST4のデータを循環的に取得していく。
図15に戻り、S206ではS202で取得した今回のメダルセレクタ状態とS205で取得した正常通過判定データとを比較して、正常通過中であるか否かを判定する。正常通過中の場合はS208へ進み、そうでない場合はS207へ進む。ここでは、例えば、S202で取得した今回のメダルセレクタ状態が図16に示す状態ST2であり、S205で取得した正常通過判定データで取得した正常通過判定データが図16に示す状態ST2である場合には、正常通過と判定される。逆に、S202で取得した今回のメダルセレクタ状態が図16に示す状態ST3であり、S205で取得した正常通過判定データで取得した正常通過判定データが図16に示す状態ST2である場合には、メダルの通過が状態ST2の状態を経ずに行われたことになり、何らかの異常があったとして正常通過中でないと判定される。
S207ではメダル投入異常を設定する。この設定が行われると、このメダル投入異常の設定が行われると割り込み処理を抜けて図9のS113の処理が実行される際にメダル投入異常と判定されS113のエラー処理が実行されることになる。なお、本実施形態では、S207で設定される、メダルの通過異常に関するエラー処理と、上述したS173で設定される、メダルの通路に対する異物の挿入に関するエラー処理と、についてS118で共通の内容にて行うようにしているが、両者で異なるエラー処理とすることでどのタイプのエラーかが分かるようにしてもよい。
S208ではメダルが正常に通過を完了したか否かを判定する。正常に通過を完了した場合とは、図16の状態ST4から状態ST1へ移行した場合である。該当する場合はS209へ進み、そうでない場合は処理を終了する。S209ではメダルの投入枚数が図9のS111で設定した規定枚数よりも少ないか否かを判定する。該当する場合はS211へ進み、ベット枚数として投入されたメダルを加算する。該当しない場合はS210へ進み、貯留枚数がその最大数である50よりも小さいか否かを判定する。該当する場合はS211へ進み、スロットマシン100に電子的に貯留されるクレジットのメダルとして投入されたメダルを加算する。該当しない場合は処理を終了する。以上によりメダルセレクタ処理が終了する。なお、S211のメダルの加算は、S209からの場合はベット枚数カウンタにより、また、S210からの場合は貯留枚数カウンタとにより行われる。ベット枚数カウンタ及び貯留枚数カウンタは、RAM313の所定のエリア上に各カウント値が記憶され、各カウント値を更新することでベット枚数、貯留枚数をカウントするソフトウエアカウンタである。ベット枚数カウンタは1回の遊技の終了時にクリアされる。
<遊技メダル払出処理>
次に、図17を参照してS154の遊技メダル払出処理について説明する。図17はS154の遊技メダル払出処理のフローチャートである。S221ではS133について上述したメダル払出要求枚数の設定が0か否かを判定する。該当する場合は処理を終了し、該当しない場合(メダル払出要求枚数>0)はS222へ進む。S222ではS134について上述した精算処理中であることを示すフラグがONか否かを判定する。該当する場合はS231へ進み、そうでない場合は所定の入賞役への入賞によりメダルが払い出される処理を行うべく、S223へ進む。S223では、今回のメダルの投入により貯留枚数がその最大数である50より少ないか否かを判定する。該当しない場合はS231へ進み、該当する場合は貯留枚数を加算すべくS224へ進む。S224では貯留枚数カウンタのカウント値を一つ加算する。S225ではメダル払出要求枚数を一つ減算する。S226ではメダル払出要求枚数の設定が0か否かを判定する。該当する場合はS227へ進み、そうでない場合はS228へ進む。
S227ではメダル払出装置を停止状態に設定する。S228では精算処理中であることを示すフラグがONか否かを判定する。該当する場合はS229へ進み、そうでない場合はS234へ進む。S229では貯留枚数カウンタのカウント値が0か否かを判定する。該当する場合はS230へ進み、該当しない場合(カウント値>0)はS233へ進む。S230ではベット枚数カウンタのカウント値を1つ減算する。S231ではメダル払出装置を駆動状態に設定する。メダル払出装置が駆動状態に設定されるとメダルが一枚払い出される。S232ではメダル払い出しセンサ326によりメダルの払い出しが検出されたか否かを判定する。該当する場合はS225へ進み、そうでない場合は処理を終了する。S233では貯留枚数カウンタのカウント値を1つ減算する。S234では表示払い出し枚数を1つ加算する。表示払い出し枚数とは払出枚数表示器125に表示するメダルの払い出し枚数を意味する。
<メダルブロッカ処理>
次に、図18(a)を参照してS162のメダルブロッカ処理について説明する。図18(a)はS162のメダルブロッカ処理のフローチャートである。S241では、出力インターフェース370の出力ポートに電磁ソレノイド252に対する駆動命令として可動板251が突出位置に位置するように設定する(つまり、電磁ソレノイド252に電力を供給しない)。これによりメダルの返却状態となり、メダルは通路を通過できない。図18(b)は出力インターフェース370のポートの各ビット(8ビット)の割り当てを示す図であり、駆動命令はビットD0に割り当てられている。S242では割り込みステータスがメダル投入処理中か否かを判定する。該当する場合はS243へ進み、該当しない場合は処理を終了する。S243では前回の遊技で再遊技に入賞して今回の遊技が再遊技中の遊技か否かを判定する。該当しない場合はS244へ進み、該当する場合は処理を終了する。S244では、ベット枚数カウンタのカウント値と貯留枚数カウンタのカウント値との合計が、予め設定された投入可能な上限枚数(ここでは規定枚数(1又は3枚)+50枚)よりも少ないか否かを判定する。該当する場合はS245へ進み、そうでない場合は処理を終了する。S245では出力インターフェース370の出力ポートに電磁ソレノイド252に対する駆動命令として可動板251が非突出位置に位置するように設定する(つまり、電磁ソレノイド252に電力を供給する)。これによりメダルが通路を通過できるようになる。
<不正判定処理の実行タイミング>
上述した不正判定処理は、可動板制御情報とメダルブロッカセンサ327の検出結果との齟齬に基づき、メダルの通路に異物が存在しているか否かを判定するため、少なくとも可動板251を突出位置に移動させる駆動命令が出力された場合に実行されることが効果的である。
ここで、本実施形態において、可動板251を突出位置に移動させる駆動命令は所定の条件が成立した場合に出力される。具体的には、図18のメダルブロッカ処理のS241で駆動命令が突出位置に設定される場合と、図11の割り込み処理のS151で所定データの初期化処理が実行される場合である。
図18のメダルブロッカ処理はメダルを投入することが可能な状態における処理であるが、S244で予め設定された投入可能な上限枚数のメダルが投入されると、S245へ進まず、駆動命令が非突出位置に設定されないので、S241の処理により、可動板251を突出位置に移動させる駆動命令が出力インターフェース370から電磁ソレノイド252へ出力されつづけることになる。つまり、メダルを投入することが可能な状態において、予め設定された上限枚数のメダルが投入されたという条件が成立した場合には、可動板251が突出位置に位置するように駆動命令が出力されていることになる。
一方、図11の割り込み処理の所定データの初期化処理(S151)は、スロットマシン100に対して、精算可能なメダルの払い出し操作が行われた場合(図10の精算処理のS132参照)、スロットマシン100に対して、遊技の開始操作(スタートレバー135の操作)が行われた場合(図9の遊技開始処理のS118参照)、に少なくとも実行される。つまり、スロットマシン100に対して、精算可能なメダルの払い出し操作が行われたという条件が成立した場合や、スロットマシン100に対して、遊技の開始操作が行われたという条件が成立した場合にも可動板251が突出位置に位置するように駆動命令が出力されていることになる。
そこで、このように可動板251が突出位置に位置するように駆動命令が出力されている場合には、その都度、上述した不正判定処理が実行されることが望ましいことになる。この点につき、本実施形態では不正判定処理がメダル検出フラグが一旦ONになると各割り込み処理において必ず実行され(図11のS143参照。)、上述した通り、メダル検出フラグはメダル投入センサ320a又は320bの少なくともいずれかによりメダルの通過が検出されるとONとなり、一旦ONにされるとリール110乃至112の回転が開始するまでONの状態が維持される。
従って、上述した、可動板251が突出位置に位置するように駆動命令が出力されている場合には、必ず不正判定処理が実行され、図21の器具等の異物がメダルの通路に存在しているか否かが効果的に検出されることになる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態ではメダルの通路に図21の器具等の異物が存在している場合に、可動板251が突出位置に移動できないことに着目したものであるが、図21の器具の基材1が極めて薄い材料から構成されている場合、これがメダルの通路に存在していたとしても可動板251が略突出位置に移動する場合が皆無ではない。この場合、可動板251の遮光片部251aがメダルブロッカセンサ327により検出されて異物の存在を検知できない場合が生じ得る。本実施形態では、このような器具に対しても対応できる可動板を採用するものである。
図19(a)は本発明の第2実施形態における可動板2510の平面図、(b)は正面図、(c)及び(d)は可動板2510の動作説明図である。本実施形態は上述した第1実施形態の可動板251に代えて図19に示す可動板2510を採用したものであり、他の構成については上記第1実施形態と同様である。
可動板2510は、メダルセレクタ20のメダルの通路に沿って設けられ、かつ、通路の上流側の第1の部材2511と通路の下流側の第2の部材2512と、を備え、第1実施形態の可動板251を通路に直交する方向で分割した構成としている。第2の部材2512は、図19(c)及び(b)に示すようにメダル検出センサ320を備えるセンサユニット21gの上流側においてセンサユニット21gに隣接して配置され、かつ、蝶板2513により通路に突出−離隔する方向に回動自在に第1の部材2511に取り付けられている。そして、第2の部材2512には遮光片部2512aが設けられており、この遮光片部2512aがメダルブロッカセンサ327により検出されることになる。
蝶板2513の軸にはねじりバネ2514が装着されており、このねじりバネ2514は第1の部材2511と第2の部材2512とが平坦な状態(両者が曲折しない状態)となるよう、第1の部材2511に対する第2の部材2512の図19(a)の反時計回りの回動を妨げるように第2の部材2512を同図の時計回りに付勢している。また、第1の部材2511及び第2の部材2512には、第1実施形態の可動板251の突出部251b、当接部251c、係止部251dに相当する、突出部2511b及び2512b、当設部2511c、係止部2511dが設けられている。
係る構成からなる可動板2510の動作について図19(c)及び(d)を参照して説明する。図19(c)は図21に示す器具の基材1がメダルの通路の幅と略同じ厚みを有する場合に可動板2510を突出位置へ移動させようとした場合を示している。この場合は可動板2510が基材1に邪魔をされて突出位置へ移動できず、遮光片部2512aがメダルブロッカセンサ327に検出されることになる。また、第2の部材2512は第1の部材2511に対して回動しない。
一方、図19(d)は図21に示す器具の基材1がメダルの通路の幅よりも十分に狭い厚みを有する場合に可動板2510を突出位置へ移動させようとした場合を示している。ここで、図21に示すような器具では、図19(d)に示すように基材1は薄く構成できても、発光素子4についてはその構成上、余り薄く構成することはできない。従って、センサユニット21g付近に位置することになる発光素子4の部分は、結局、メダルの通路の幅と同程度の厚みとなる。しかして、図19(d)に示すように可動板2510のうち、第1の部材2511の突出部2511bは基板1が存在しても概ね突出位置に至ってしまうが、第2の部材2512はその突出部2512bが発光素子4に邪魔をされ、これによりねじりバネ2514の付勢に抵抗して第2の部材2512が第1の部材2511に対して半時計回りに回動し、突出位置に至らない。この結果、遮光片部2512aがメダルブロッカセンサ327に検出される。従って、可動板2510は基材1が薄い場合であっても、その存在を検出することが可能となる。なお、可動板の突出部の一部がセンサユニット21g付近に位置していれば、上記第1実施形態のような1枚の可動板251であっても同様の作用効果が期待できるが、本実施形態の可動板2510のように可動板を分割した構成とすれば、その取付精度に伴うガタつき等の影響を受け難く、異物をより精度のよく検出することができる。