JP4493529B2 - 熱転写受像シート - Google Patents
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以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、上記受容層は、上記エマルジョンを用いて形成したものであれば、直接基材シート上に形成してなるものであってもよいし、基材シート上に形成した中間層上に形成してなるものであってもよい。
上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、塩化ビニルと酢酸ビニルとからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニル及び酢酸ビニルに加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体をも少量重合したものであってもよいが、塩化ビニル/酢酸ビニル2元共重合体であることが好ましい。
上記塩化ビニル/アクリル化合物共重合体は、塩化ビニルとアクリル化合物とからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニル及びアクリル化合物に加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体をも少量共重合したものであってもよいが、塩化ビニル/アクリル化合物2元共重合体であることが好ましい。
本明細書において、「アクリル化合物」とは、(メタ)アクリル酸及び/又はそのアルキルエステルを意味する。
上記アクリル化合物としては、例えば、アクリル酸;アクリル酸カルシウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、アクリル酸アルミニウム等のアクリル酸塩;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
上記各エマルジョンは、乳化剤が上記各共重合体100質量部に対し、0.1〜5質量部の量であることが好ましい。
上記各エマルジョンは、上述の共重合体及び上記乳化剤に加え、保存安定性等を目的として、公知の添加剤を配合したものであってもよい。
本発明において、上記各エマルジョンとして、例えば、ビニブラン601、ビニブラン276(いずれも、日信化学工業社製)等、市販の製品を使用することができる。
上記その他の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、セルロース誘導体系樹脂、ポリエーテル系樹脂等が挙げられる。
上記離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系化合物等、公知のものが挙げられるが、特にシリコーンオイルが好ましい。
上記シリコーンオイルとしては、エポキシ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、ハイドロジェン変性シリコーンオイル等、変性シリコーンオイルが好ましい。
上記離型剤は、上述の各共重合体100質量部に対して約0.5〜30質量部となるよう添加することが好ましい。
上記フィラーとしては、無機化合物微粒子、有機化合物微粒子等を挙げることができる。
上記無機化合物微粒子としては、シリカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸性白土、活性白土、アルミナ等を挙げることができ、上記有機化合物微粒子としては、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子等を挙げることができる。
上記帯電防止剤としては、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子等、公知の化合物が挙げられる。
上記可塑剤としては、例えば、フタル酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等、公知の化合物を挙げることができる。
上記熱溶融性物質としては、例えば、アルコール類、ケトン類、高級脂肪酸エステル等、転写を促進する作用を有する公知の化合物が挙げられる。
本発明の熱転写受像シートにおける基材シートとしては、特に限定されず、紙類;合成樹脂等から形成されたフィルム又はシート;上記紙類、フィルム、シート等を積層して得られる積層体;等を挙げることができる。
また、多孔質構造を有する基材シートも、本発明では好適に用いることができる。
上記基材シートは、受容層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも、取り扱い上、支障がない程度の機械的強度を有することが好ましい。
上記合成紙としては、例えば、合成樹脂含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、コンデンサーペーパー、硫酸紙等が挙げられる。
本発明において、基紙には、必要に応じて、サイズ剤、定着剤、紙力増強剤、帯電防止剤、染料、顔料、蛍光増白剤、酸化防止剤、減摩剤等の添加剤が含まれていてもよい。
上記基紙は、例えば、特開平1−263081号公報等に記載されている方法で製造することができる。
上記基材シートは、上記合成樹脂を1種若しくは2種以上混合して得られるフィルム又はシートであってもよいし、上記合成樹脂に加え、顔料、充填剤等を加えて成膜したフィルム又はシートであってもよい。
本発明の熱転写受像シートにおける基材シートの厚みは、通常10〜1000μm、好ましくは50〜300μmであり、該範囲の中から適宜選択することができる。
なお、本明細書において、基材シートの厚みは、基材シートが積層体である場合、積層体全体の厚みを意味する。
本発明において、「中間層」とは、基材シートと受容層との間にある全ての層を意味する。
本発明の熱転写受像シートは、上記中間層を設けることにより、例えば、断熱性、クッション性、バリア性、層間接着性、白色性、隠蔽性、帯電防止性等に優れたものとすることができる。
上記水溶性高分子としては、セルロース系樹脂、デンプン、寒天等の多糖類;カゼイン、ゼラチン等のタンパク質;ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル共重合体、酢酸ビニル−ベオバ共重合体、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、スチレン樹脂等のビニル系樹脂;メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のポリアミド系樹脂;ポリエステル;ポリウレタン等が挙げられる。
本発明において、水溶性高分子とは、水性溶媒に完全溶解(粒径0.01μm以下)、コロイダルディスパージョン(粒径0.01〜0.1μm)、エマルジョン(粒径0.1〜1μm)又はスラリー(粒径1μm以上)の状態になる高分子を意味する。
また、上記中間層として、活性水素を有する熱可塑性樹脂とイソシアネート化合物等の硬化剤とを併用した場合、更に層間接着性に優れた熱転写受像シートとすることができる。
上記蛍光増白剤としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができ、例えば、スチルベン系蛍光増白剤、ジスチルベン系蛍光増白剤、ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤、スチリル−オキサゾール系蛍光増白剤、ピレン−オキサゾール系蛍光増白剤、クマリン系蛍光増白剤、アミノクマリン系蛍光増白剤、イミダゾール系蛍光増白剤、ベンゾイミダゾール系蛍光増白剤、ピラゾリン系蛍光増白剤、ジスチリル−ビフェニル系蛍光増白剤等が挙げられる。
本発明の熱転写受像シートは、上記蛍光増白剤の種類、添加量等を適宜選択することにより、白色度を調整することができる。
上記酸化チタンとしては、ルチル型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが挙げられるが、白色度の点で、アナターゼ型酸化チタンが好ましい。
上記酸化チタンは、中間層が上述の水溶性樹脂からなる場合、表面に親水性処理を施して添加してもよいし、界面活性剤等の分散剤を適宜添加して分散させてもよい。
本発明の熱転写受像シートにおいて、上記裏面層は、1層のみから構成されるものであってもよいし、組成等が異なる2層以上の層を積層して構成されるものであってもよい。
上記裏面層を形成する際に、例えば、(1)上記例示の樹脂等に加え、有機フィラー又は無機フィラーを適量添加する、又は、(2)ポリオレフィン樹脂、セルロース樹脂等、滑性が高い樹脂を使用すると、搬送性が向上した熱転写受像シートを得ることができる。
上記裏面層を形成する際に、上述の受容層における添加剤として例示したフィラー、顔料等を配合した場合、得られる熱転写受像シートに筆記性を付与することができる。
上記帯電防止剤の使用量は、該帯電防止剤を添加する層、使用する帯電防止剤等の種類によって異なるが、給紙トラブルを防止する点で、熱転写受像シートの表面電気抵抗値が1013Ω/cm2以下となるよう、通常0.01〜3g/m2の量で使用することが好ましい。
該エマルジョンを用いて受容層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、上述のエマルジョンから塗工液を調製し、該塗工液を基材シート上又は中間層上に塗布し乾燥する塗工法等、公知の方法にて作製することができる。
上記受容層の塗工において、塗工液は、上述のエマルジョンのみからなるものであってもよいし、該エマルジョンに、上述したその他の樹脂、離型剤及び/又は添加剤を適宜配合して調製したものであってもよい。
上記受容層の塗工において、乾燥は、使用する塗工液の組成に応じて異なるが、一般に、50〜150℃の範囲で行うことが好ましい。
上記塗工液は、受容層が乾燥後0.5〜10g/m2の量となるよう塗布することが好ましい。
上述の中間層及び裏面層の塗工において、塗工液を調製するための溶媒としては、水;エタノール、プロパノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類;トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;クロロホルム、トリクロルエチレン等の塩素系溶剤;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶剤;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。
上記画像形成の際に使用する熱転写シートとしては、特に限定されず、例えば、ポリエステルフィルム等の基材シート上に、熱拡散型染料(昇華型染料)を含む染料層を設けた従来の熱転写シートを使用することができる。
上記熱転写シートとしては、特に、ポリアセタール系樹脂からなる染料層とポリエステル樹脂からなる基材シートとからなるものが好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノキシ樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂等が挙げられる。
上記保護層は、熱可塑性樹脂、熱架橋性樹脂及び電離放射線架橋樹脂を1種又は2種以上配合してなるものであってもよい。
上記保護層は、上記樹脂に加え、必要に応じ、紫外線遮断樹脂、紫外線吸収剤、導電性樹脂、フィラー等、上述の受容層に関して説明した添加剤を適宜配合してなるものであってもよい。
上記保護層は、熱転写受像シート(印画物)への転写性、接着性等を良好にするために、接着剤層を有するものであってもよい。
上記接着剤層は、従来公知のものから形成することができるが、ガラス転移温度(Tg)が50〜80℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等から上記範囲内のガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。また、接着性の点で、上記熱可塑性樹脂は、平均分子量の小さい方が好ましい。
上記保護層は、層全体で、通常0.1〜30μm、好ましくは0.5〜5μmの厚みとすることができる。
なお、文中、部又は%とあるのは特に断りのない限り、質量基準である。
基材シートとして、合成紙(ユポFPG−150、厚さ150μm、王子油化社製)を用い、この一方の面に、下記組成のプライマー層用塗工液をワイヤーバーにより、乾燥(100℃、1分)後1.0g/m2の量となるように塗布し、更に得られたプライマー層上に、下記組成の受容層用塗工液をワイヤーバーにより、乾燥(130℃、1分)後、4.0g/m2の量となるように塗布して、本発明の熱転写受像シートを得た。
(プライマー層用塗工液)
ポリエステル(バイロナールMD−1480、固形分濃度25%;東洋紡積社製)
100部
水 25部
(受容層用塗工液組成)
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン(ビニブラン601、固形分濃度43%;日信化学工業社製)
100部
ポリエーテル変性シリコーン(KF−615A、信越化学工業社製) 2.15部
水 124部
ビニブラン601に代え、ビニブラン276(塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョン、固形分濃度45%、日信化学工業社製)を使用した以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
実施例1の受容層用塗工液に代え、表1に示す製品を使用し、下記組成の受容層を調製した以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
(比較例1)
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂(ソルバインC、日信化学工業社製) 100部
ポリエーテル変性シリコーン(KF−615A、信越化学工業社製) 5部
メチルエチルケトン 210部
トルエン 210部
(比較例2)
ポリエステル(バイロナールMD−1200、固形分濃度30%;東洋紡積社製)
100部
ポリエーテル変性シリコーン(KF−615A、信越化学工業社製) 1.5部
水 56部
(比較例3)
ポリエステル(バイロナールMD−1500、固形分濃度30%;東洋紡積社製)
100部
ポリエーテル変性シリコーン(KF−615A、信越化学工業社製) 1.5部
水 56部
(比較例4)
アクリル樹脂(AQ4635、固形分濃度30%;ダイセル化学社製) 100部
ポリエーテル変性シリコーン(KF−615A、信越化学工業社製) 1.5部
水 56部
下記方法にて、実施例及び比較例の熱転写受像シートの評価を行った。
<評価方法>
1.印画方法
プリンター(P−330、オリンパス社製)及び熱転写シート(P−330用)を用いて、実施例1〜2及び比較例1〜4の各熱転写受像シートを用い、イエロー、マジェンタ、シアンの順番に階調パターンを印画後、保護層を転写し、印画物を得た。
2.染料染着性(感度)
各実施例及び各比較例から得られた印画物について、色度計(マクベス濃度計RD−918;マクベス社製)を用いて測定した。比較例1で得られた値を5点(基準)とし、該基準よりも良好なものを6〜10点とし、該基準よりも劣っているものを1〜4点として評価した。
3.耐光性
各実施例及び各比較例から得られた印画物について、キセノンウェザオメータ(アトラスCi4000)を用い、400kJ/m2にて照射し、照射前後の画像の濃度変化及び色差を、それぞれ色度計(マクベスRD−918;マクベス社製)及び色彩色差計(CR321;ミノルタ社製)を用いて測定した。
比較例1で得られた値を5点(基準)とし、該基準よりも良好なものを6〜10点とし、該基準よりも劣っているものを1〜4点として評価した。
Claims (2)
- 基材シートに受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、
受容層が、シリコーンオイル、及び、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンを用いて形成したものであり、かつ、熱拡散型染料を受像するものであり、
前記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンは、乳化剤を含有するものであり、
更に、前記受容層は、有機溶剤を用いることなく形成したものである
ことを特徴とする熱転写受像シート。 - 前記熱転写受像シートの受像面に画像形成後、画像形成面に保護層を転写してなる請求項1記載の熱転写受像シート。
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