JP2010137578A - 熱転写受像シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐光性が向上した熱転写受像シートの製造方法を提供する。
【解決手段】基材シートに受容層を形成してなる熱転写受像シートの製造方法であって、前記受容層を、シリコーンオイル、及び、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンから調製した塗工液を用いて形成する工程を有し、上記受容層は、熱拡散型染料を受像するものであり、上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンは、乳化剤を含有するものであることを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱転写受像シートの製造方法に関する。
熱転写を利用した画像の形成方法として、記録材としての熱拡散型染料(昇華型染料)をプラスチックフィルム等の基材シート上に担持させた熱転写シートと、紙やプラスチックフィルム等の別の基材シート上に該染料の受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせてフルカラー画像を形成する熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)が知られている。この方法は熱拡散型染料を色材としているためドット単位で濃度、階調を自由に調節でき、原稿通りのフルカラー画像を受像シート上に鮮明に表現することができるので、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
近年、画像に対する品質要求が更に高くなっており、受容層への染料染着性(感度)のみならず、熱拡散後の受容層に光暴露があっても褪色しにくいよう、耐光性にも優れている熱転写受像シートが求められている。
受容層形成用樹脂として、塩化ビニル/アクリル共重合体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、特許文献1の受容層は、一旦インクを熱転写させたのち別の被記録材に再転写するための中間転写媒体におけるものであり、特殊な態様におけるものである。また、特許文献1には、塩化ビニル/アクリル共重合体の使用態様について何ら記載はない。
受容層形成用樹脂としては、また、染料染着性に優れ、熱転写時に熱転写シートと熱転写受像シートとの間において融着等の異常転写が起こらない点で、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体からなる樹脂が好ましい。この樹脂は、1枚あたりのプリントアウト時間を短縮する高速プリントや、電池などバッテリー駆動が可能な省電力(低エネルギー)プリントに好適でもある。
塩化ビニル/アクリル共重合体又は塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体からなる樹脂は、受容層形成のために基材シートに塗工するに際し、従来、有機溶剤に添加して用いられてきた(例えば、特許文献2及び特許文献3参照。)。しかしながら、有機溶剤使用により作業環境の悪化が懸念されるほか、形成した受容層における染料拡散後の耐光性能向上の要求がある。
特開平6−312583号公報(請求項3) 特開2002−212890号公報(〔0027〕、実施例) 特開平1−108090号公報(4頁左上欄、実施例)
本発明の目的は、上記現状に鑑み、耐光性が向上した熱転写受像シートの製造方法を提供することにある。
本発明は、基材シートに受容層を形成してなる熱転写受像シートの製造方法であって、前記受容層を、シリコーンオイル、及び、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンから調製した塗工液を用いて形成する工程を有し、上記受容層は、熱拡散型染料を受像するものであり、上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンは、乳化剤を含有するものであることを特徴とする熱転写受像シートの製造方法である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の熱転写受像シートは、基材シートに受容層を形成してなるものであるが、該受容層が塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンを用いて形成したものである。
本発明において、上記受容層は、上記エマルジョンを用いて形成したものであれば、直接基材シート上に形成してなるものであってもよいし、基材シート上に形成した中間層上に形成してなるものであってもよい。
本発明に用いる塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョンは、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体からなるものである。上記エマルジョンは、上記共重合体を1種のみ含有するものであってもよいし、単量体組成、平均分子量等が異なる2種以上を含有するものであってもよい。
上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、塩化ビニルと酢酸ビニルとからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニル及び酢酸ビニルに加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体をも少量重合したものであってもよいが、塩化ビニル/酢酸ビニル2元共重合体であることが好ましい。
本発明に用いる塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンは、塩化ビニル/アクリル化合物共重合体からなるものである。上記エマルジョンは、上記共重合体を1種のみ含有するものであってもよいし、単量体組成、平均分子量等が異なる2種以上を含有するものであってもよい。
上記塩化ビニル/アクリル化合物共重合体は、塩化ビニルとアクリル化合物とからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニル及びアクリル化合物に加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体をも少量共重合したものであってもよいが、塩化ビニル/アクリル化合物2元共重合体であることが好ましい。
本明細書において、「アクリル化合物」とは、(メタ)アクリル酸及び/又はそのアルキルエステルを意味する。
上記アクリル化合物としては、例えば、アクリル酸;アクリル酸カルシウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、アクリル酸アルミニウム等のアクリル酸塩;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
上記各エマルジョンは、例えば、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤等の乳化剤を含有するものであってよい。
上記各エマルジョンは、乳化剤が上記各共重合体100質量部に対し、0.1〜5質量部の量であることが好ましい。
上記各エマルジョンは、上述の共重合体及び上記乳化剤に加え、保存安定性等を目的として、公知の添加剤を配合したものであってもよい。
本発明において、上記各エマルジョンとして、例えば、ビニブラン601、ビニブラン276(いずれも、日信化学工業社製)等、市販の製品を使用することができる。
上記受容層は、上述の共重合体以外のその他の樹脂をも含有するものであってもよい。
上記その他の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、セルロース誘導体系樹脂、ポリエーテル系樹脂等が挙げられる。
本発明において、受容層は、また、画像形成時に熱転写シートとの熱融着を防ぐために離型剤を配合してなるものであってもよい。
上記離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系化合物等、公知のものが挙げられるが、特にシリコーンオイルが好ましい。
上記シリコーンオイルとしては、エポキシ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、ハイドロジェン変性シリコーンオイル等、変性シリコーンオイルが好ましい。
上記離型剤は、上述の各共重合体100質量部に対して約0.5〜30質量部となるよう添加することが好ましい。
上記受容層は、また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、フィラー、顔料、帯電防止剤、可塑剤、熱溶融性物質等、公知の添加剤を適宜配合してなるものであってもよい。
上記酸化防止剤としては、クロマン系化合物、クマロン系化合物、フェノール系化合物、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物、硫黄系化合物、リン系化合物等、画像耐久性を改善するものとして公知の化合物を挙げることができる。
上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤としては、例えば、特開平1−204788号公報等に記載の公知の化合物が挙げられる。
上記フィラーとしては、無機化合物微粒子、有機化合物微粒子等を挙げることができる。
上記無機化合物微粒子としては、シリカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸性白土、活性白土、アルミナ等を挙げることができ、上記有機化合物微粒子としては、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子等を挙げることができる。
上記顔料としては、チタンホワイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、タルク、クレー、カオリン、活性白土、酸性白土等、公知の化合物を挙げることができる。
上記帯電防止剤としては、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子等、公知の化合物が挙げられる。
上記可塑剤及び上記熱溶融性物質は、通常、得られる熱転写受像シートの転写を促進するために添加するものである。
上記可塑剤としては、例えば、フタル酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等、公知の化合物を挙げることができる。
上記熱溶融性物質としては、例えば、アルコール類、ケトン類、高級脂肪酸エステル等、転写を促進する作用を有する公知の化合物が挙げられる。
本発明の熱転写受像シートは、基材シートに受容層を形成してなるものである。
本発明の熱転写受像シートにおける基材シートとしては、特に限定されず、紙類;合成樹脂等から形成されたフィルム又はシート;上記紙類、フィルム、シート等を積層して得られる積層体;等を挙げることができる。
また、多孔質構造を有する基材シートも、本発明では好適に用いることができる。
上記基材シートは、受容層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも、取り扱い上、支障がない程度の機械的強度を有することが好ましい。
上記紙類としては、特に限定されず、セルロース繊維紙、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、片艶紙、含浸紙、板紙、合成紙等、公知のものが挙げられる。
上記合成紙としては、例えば、合成樹脂含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、コンデンサーペーパー、硫酸紙等が挙げられる。
本発明において、基紙には、必要に応じて、サイズ剤、定着剤、紙力増強剤、帯電防止剤、染料、顔料、蛍光増白剤、酸化防止剤、減摩剤等の添加剤が含まれていてもよい。
上記基紙は、例えば、特開平1−263081号公報等に記載されている方法で製造することができる。
上記基材シートを形成するための合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリイミド、ポリエーテルイミド等のイミド系樹脂;セルロース誘導体;ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体;ポリスチレン等のスチレン系樹脂;ポリアクリル、ポリアクリレート等のアクリル系樹脂;各種ナイロン等のポリアミド系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂;ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等のケトン系樹脂;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のスルホン系樹脂;テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体等のフッ素系樹脂;等が挙げられる。
上記基材シートは、上記合成樹脂を1種若しくは2種以上混合して得られるフィルム又はシートであってもよいし、上記合成樹脂に加え、顔料、充填剤等を加えて成膜したフィルム又はシートであってもよい。
本発明における基材シートとなる上記積層体としては、例えば、セルロース繊維紙と上記合成樹脂とからなるフィルム又はシートとを積層した積層体、上記合成樹脂からなる層を1層若しくは2層以上積層してなるフィルム又はシート等が挙げられる。
上記積層体は、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、エクストリュージョン等、公知の積層方法により作製することができる。上記各層は、層間密着力を向上させることを目的として、積層する前に、その表面に適宜プライマー処理やコロナ放電処理を施すことができる。
本発明の熱転写受像シートにおける基材シートの厚みは、通常10〜1000μm、好ましくは50〜300μmであり、該範囲の中から適宜選択することができる。
なお、本明細書において、基材シートの厚みは、基材シートが積層体である場合、積層体全体の厚みを意味する。
本発明の熱転写受像シートは、上述したように、上記受容層と上記基材シートとの間に中間層を設けたものであってもよい。
本発明において、「中間層」とは、基材シートと受容層との間にある全ての層を意味する。
本発明の熱転写受像シートは、上記中間層を設けることにより、例えば、断熱性、クッション性、バリア性、層間接着性、白色性、隠蔽性、帯電防止性等に優れたものとすることができる。
上記中間層を形成する樹脂、その他の高分子としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。
上記中間層は、例えば、水溶性高分子を添加したものであってもよい。
上記水溶性高分子としては、セルロース系樹脂、デンプン、寒天等の多糖類;カゼイン、ゼラチン等のタンパク質;ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル共重合体、酢酸ビニル−ベオバ共重合体、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、スチレン樹脂等のビニル系樹脂;メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のポリアミド系樹脂;ポリエステル;ポリウレタン等が挙げられる。
本発明において、水溶性高分子とは、水性溶媒に完全溶解(粒径0.01μm以下)、コロイダルディスパージョン(粒径0.01〜0.1μm)、エマルジョン(粒径0.1〜1μm)又はスラリー(粒径1μm以上)の状態になる高分子を意味する。
上記中間層に、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等を添加した場合、層間接着性に優れた熱転写受像シートを得ることができる。
また、上記中間層として、活性水素を有する熱可塑性樹脂とイソシアネート化合物等の硬化剤とを併用した場合、更に層間接着性に優れた熱転写受像シートとすることができる。
上記中間層に、例えば、蛍光増白剤を添加した場合、熱転写受像シートに白色を付与することができる。
上記蛍光増白剤としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができ、例えば、スチルベン系蛍光増白剤、ジスチルベン系蛍光増白剤、ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤、スチリル−オキサゾール系蛍光増白剤、ピレン−オキサゾール系蛍光増白剤、クマリン系蛍光増白剤、アミノクマリン系蛍光増白剤、イミダゾール系蛍光増白剤、ベンゾイミダゾール系蛍光増白剤、ピラゾリン系蛍光増白剤、ジスチリル−ビフェニル系蛍光増白剤等が挙げられる。
本発明の熱転写受像シートは、上記蛍光増白剤の種類、添加量等を適宜選択することにより、白色度を調整することができる。
上記中間層に、酸化チタンを添加すると、基材シートのギラ付き感やムラを隠蔽した熱転写受像シートを得ることができる。
上記酸化チタンとしては、ルチル型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが挙げられるが、白色度の点で、アナターゼ型酸化チタンが好ましい。
上記酸化チタンは、中間層が上述の水溶性樹脂からなる場合、表面に親水性処理を施して添加してもよいし、界面活性剤等の分散剤を適宜添加して分散させてもよい。
上記中間層に、例えば、導電性無機フィラー、有機性導電剤等を添加すると、帯電防止性を有する熱転写受像シートを得ることができる。
本発明の熱転写受像シートは、シートの機械搬送性向上、カール防止、筆記性、帯電防止等を目的として、基材シートの受容層形成側と反対側の面上に、裏面層を有するものであってもよい。
本発明の熱転写受像シートにおいて、上記裏面層は、1層のみから構成されるものであってもよいし、組成等が異なる2層以上の層を積層して構成されるものであってもよい。
上記裏面層は、上記中間層を形成する樹脂、その他の高分子として例示したものと同様の樹脂等から形成することができる。
上記裏面層を形成する際に、例えば、(1)上記例示の樹脂等に加え、有機フィラー又は無機フィラーを適量添加する、又は、(2)ポリオレフィン樹脂、セルロース樹脂等、滑性が高い樹脂を使用すると、搬送性が向上した熱転写受像シートを得ることができる。
上記裏面層を形成する際に、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等、保水性を有する樹脂等を主成分として用いた場合、得られる熱転写受像シートのカールを防止することができる。
上記裏面層を形成する際に、上述の受容層における添加剤として例示したフィラー、顔料等を配合した場合、得られる熱転写受像シートに筆記性を付与することができる。
上記裏面層は、帯電防止機能を得るために、アクリル樹脂等の導電性樹脂、及び/又は、脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エステル、エチレンオキサイド付加物等の各種帯電防止剤を添加したものであってもよい。
上記帯電防止剤の使用量は、該帯電防止剤を添加する層、使用する帯電防止剤等の種類によって異なるが、給紙トラブルを防止する点で、熱転写受像シートの表面電気抵抗値が1013Ω/cm以下となるよう、通常0.01〜3g/mの量で使用することが好ましい。
上記裏面層は、全体で乾燥後3g/m以下であれば、通常、目的とする各種効果を奏することができる。
本発明の熱転写受像シートにおける受容層は、上述のエマルジョンを用いて形成したものである。
該エマルジョンを用いて受容層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、上述のエマルジョンから塗工液を調製し、該塗工液を基材シート上又は中間層上に塗布し乾燥する塗工法等、公知の方法にて作製することができる。
上記受容層の塗工は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ダイコート、リップコート等の一般的な方法にて行うことができる。
上記受容層の塗工において、塗工液は、上述のエマルジョンのみからなるものであってもよいし、該エマルジョンに、上述したその他の樹脂、離型剤及び/又は添加剤を適宜配合して調製したものであってもよい。
上記受容層の塗工において使用する塗工液は、固形分濃度が、通常5質量%以上である。該固形分濃度の上限は、高濃度になりすぎると保存安定性が低下し、粘度が上昇する場合があるため、通常50質量%以下である。
上記受容層の塗工において、乾燥は、使用する塗工液の組成に応じて異なるが、一般に、50〜150℃の範囲で行うことが好ましい。
上記塗工液は、受容層が乾燥後0.5〜10g/mの量となるよう塗布することが好ましい。
本発明の熱転写受像シートにおける中間層及び裏面層を形成する方法としては特に限定されないが、例えば、上述の構成成分からなる塗工液を調製して塗工する方法等が挙げられる。
上述の中間層及び裏面層の塗工において、塗工液を調製するための溶媒としては、水;エタノール、プロパノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類;トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;クロロホルム、トリクロルエチレン等の塩素系溶剤;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶剤;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。
本発明における各層を形成するための各塗工において、層表面を平滑にするために、塗工後、プライマー処理等、公知の樹脂表面改質を行ってもよい。
本発明の熱転写受像シートにおける受像面に画像形成を行う方法としては、特に限定されず、公知の熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)にて行うことができる。
上記画像形成の際に使用する熱転写シートとしては、特に限定されず、例えば、ポリエステルフィルム等の基材シート上に、熱拡散型染料(昇華型染料)を含む染料層を設けた従来の熱転写シートを使用することができる。
上記熱転写シートとしては、特に、ポリアセタール系樹脂からなる染料層とポリエステル樹脂からなる基材シートとからなるものが好ましい。
本発明の熱転写受像シートは、該熱転写受像シートの受像面に画像形成後、画像形成面に保護層を転写してなるものであってもよい。上記保護層を転写することにより、得られるシートの耐光性を更に向上させることができ、また耐皮脂性等の耐久性をも向上させることができる。
上記保護層は、熱可塑性樹脂、熱架橋性樹脂、電離放射線架橋樹脂等、公知の保護層形成用樹脂から形成することができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノキシ樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂等が挙げられる。
上記保護層は、熱可塑性樹脂、熱架橋性樹脂及び電離放射線架橋樹脂を1種又は2種以上配合してなるものであってもよい。
上記保護層は、上記樹脂に加え、必要に応じ、紫外線遮断樹脂、紫外線吸収剤、導電性樹脂、フィラー等、上述の受容層に関して説明した添加剤を適宜配合してなるものであってもよい。
上記保護層は、1層のみから構成されるものであってもよいし、組成等が異なる2層以上の層を積層して構成されるものであってもよい。
上記保護層は、熱転写受像シート(印画物)への転写性、接着性等を良好にするために、接着剤層を有するものであってもよい。
上記接着剤層は、従来公知のものから形成することができるが、ガラス転移温度(Tg)が50〜80℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等から上記範囲内のガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。また、接着性の点で、上記熱可塑性樹脂は、平均分子量の小さい方が好ましい。
上記保護層は、層全体で、通常0.1〜30μm、好ましくは0.5〜5μmの厚みとすることができる。
本発明の熱転写受像シートの製造方法は、上記構成よりなるので、耐光性に優れ、しかも、従来有機溶剤を用いて塗工した塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体からなる受容層に匹敵する染料染着性をも兼ね備える熱転写受像シートを製造できる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例及び比較例のみに限定されるものではない。
なお、文中、部又は%とあるのは特に断りのない限り、質量基準である。
実施例1
基材シートとして、合成紙(ユポFPG−150、厚さ150μm、王子油化社製)を用い、この一方の面に、下記組成のプライマー層用塗工液をワイヤーバーにより、乾燥(100℃、1分)後1.0g/mの量となるように塗布し、更に得られたプライマー層上に、下記組成の受容層用塗工液をワイヤーバーにより、乾燥(130℃、1分)後、4.0g/mの量となるように塗布して、本発明の熱転写受像シートを得た。
(プライマー層用塗工液)
ポリエステル(バイロナールMD−1480、固形分濃度25%;東洋紡積社製)
100部
水 25部
(受容層用塗工液組成)
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン(ビニブラン601、固形分濃度43%;
日信化学工業社製) 100部
ポリエーテル変性シリコーン(KF−615A、信越化学工業社製) 2.15部
水 124部
実施例2
ビニブラン601に代え、ビニブラン276(塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョン、固形分濃度45%、日信化学工業社製)を使用した以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
比較例1〜4
実施例1の受容層用塗工液に代え、表1に示す製品を使用し、下記組成の受容層を調製した以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
(比較例1)
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂(ソルバインC、日信化学工業社製) 100部
ポリエーテル変性シリコーン(KF−615A、信越化学工業社製) 5部
メチルエチルケトン 210部
トルエン 210部
(比較例2)
ポリエステル(バイロナールMD−1200、固形分濃度30%;東洋紡積社製)
100部
ポリエーテル変性シリコーン(KF−615A、信越化学工業社製) 1.5部
水 56部
(比較例3)
ポリエステル(バイロナールMD−1500、固形分濃度30%;東洋紡積社製)
100部
ポリエーテル変性シリコーン(KF−615A、信越化学工業社製) 1.5部
水 56部
(比較例4)
アクリル樹脂(AQ4635、固形分濃度30%;ダイセル化学社製) 100部
ポリエーテル変性シリコーン(KF−615A、信越化学工業社製) 1.5部
水 56部
試験例
下記方法にて、実施例及び比較例の熱転写受像シートの評価を行った。
<評価方法>
1.印画方法
プリンター(P−330、オリンパス社製)及び熱転写シート(P−330用)を用いて、実施例1〜2及び比較例1〜4の各熱転写受像シートを用い、イエロー、マジェンタ、シアンの順番に階調パターンを印画後、保護層を転写し、印画物を得た。
2.染料染着性(感度)
各実施例及び各比較例から得られた印画物について、色度計(マクベス濃度計RD−918;マクベス社製)を用いて測定した。比較例1で得られた値を5点(基準)とし、該基準よりも良好なものを6〜10点とし、該基準よりも劣っているものを1〜4点として評価した。
3.耐光性
各実施例及び各比較例から得られた印画物について、キセノンウェザオメータ(アトラスCi4000)を用い、400kJ/mにて照射し、照射前後の画像の濃度変化及び色差を、それぞれ色度計(マクベスRD−918;マクベス社製)及び色彩色差計(CR321;ミノルタ社製)を用いて測定した。
比較例1で得られた値を5点(基準)とし、該基準よりも良好なものを6〜10点とし、該基準よりも劣っているものを1〜4点として評価した。
各評価結果を、表1に示す。
Figure 2010137578
各評価結果より、受容層において、アクリル樹脂を水とを用いた比較例4では染料染着性に劣り、ポリエステルと水とを用いた比較例2〜3では、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体と有機溶剤とを用いた比較例1と同等程度の染料染着性であったが耐光性に劣り、実施例1〜2では、比較例1〜3と同等又は同等以上の染料染着性を維持しながら、比較例1〜4をはるかに上回る耐光性を示すことがわかった。
本発明の熱転写受像シートの製造方法は、上記構成よりなるので、耐光性に優れ、しかも、従来有機溶剤を用いて塗工した塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体からなる受容層に匹敵する染料染着性をも兼ね備える熱転写受像シートを製造できる。

Claims (1)

  1. 基材シートに受容層を形成してなる熱転写受像シートの製造方法であって、
    前記受容層を、シリコーンオイル、及び、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンから調製した塗工液を用いて形成する工程を有し、
    前記受容層は、熱拡散型染料を受像するものであり、
    前記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンは、乳化剤を含有するものである
    ことを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
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