JP2006264087A - 熱転写受像シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 感度及び耐光性に優れ、印画しても白抜けがなく、得られる印画物の外観が良好である熱転写受像シートを提供する。
【解決手段】 基材シートに受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、前記基材シートは、基紙の両面に樹脂層を積層してなるものであり、前記受容層は、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンを用いて形成したものであることを特徴とする熱転写受像シート。
【解決手段】 基材シートに受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、前記基材シートは、基紙の両面に樹脂層を積層してなるものであり、前記受容層は、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンを用いて形成したものであることを特徴とする熱転写受像シート。
Description
本発明は、熱転写受像シートに関する。
熱転写を利用した印画物の形成方法として、記録材としての熱拡散型染料(昇華型染料)をプラスチックフィルム等の基材シート上に担持させた熱転写シートと、紙やプラスチックフィルム等の別の基材シート上に該染料の受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせてフルカラー画像を形成する熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)が知られている。この方法は熱拡散型染料を色材としているためドット単位で濃度、階調を自由に調節でき、原稿通りのフルカラー画像を受像シート上に鮮明に表現することができるので、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
近年、画像に対する品質要求が更に高くなり、受容層への染料染着性(感度)のみならず、熱拡散後の受容層に光暴露があっても褪色しにくいよう、耐光性にも優れている熱転写受像シートが求められている。
熱転写受像シートを構成する受容層形成用樹脂として、塩化ビニル/アクリル共重合体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、特許文献1の受容層は、一旦インクを熱転写させたのち別の被記録材に再転写するための中間転写媒体におけるものであり、特殊な態様におけるものである。また、特許文献1には、塩化ビニル/アクリル共重合体の使用態様について何ら記載はない。
この受容層形成用樹脂としては、また、染料染着性に優れ、熱転写時に熱転写シートと熱転写受像シートとの間において融着等の異常転写が起こらない点で、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体からなる樹脂が好ましい。この樹脂は、1枚あたりのプリントアウト時間を短縮する高速プリントや、電池などバッテリー駆動が可能な省電力(低エネルギー)プリントに好適でもある。
熱転写受像シートの作成において、塩化ビニル/アクリル共重合体又は塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体からなる樹脂は、受容層形成のために基材シートに塗工するに際し、従来、有機溶剤に溶解させて用いられてきた(例えば、特許文献2及び特許文献3参照。)。しかしながら、有機溶剤使用により作業環境の悪化が懸念されるほか、形成した受容層における染料拡散後の耐光性能向上の要求がある。
熱転写受像シートは、また、プリント時の熱収縮や、高温多湿な環境下に保存した際にカール等を起こし、商品価値を低下させないよう強度を高める目的で、木材パルプを主成分とする紙の両面に樹脂層を積層してなる支持体を用いることが知られている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、この支持体を用いることのみによっては耐光性が改善されない問題がある。
特開平6−312583号公報(請求項3)
特開2002−212890号公報(〔0027〕、実施例)
特開平1−108090号公報(4頁左上欄、実施例)
特開平5−286263号公報(請求項7)
本発明の目的は、上記現状に鑑み、感度及び耐光性に優れ、印画しても白抜けがなく、外観が良好な印画物を得ることができる熱転写受像シートを提供することにある。
本発明は、基材シートに受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、前記基材シートは、基紙の両面に樹脂層を積層してなるものであり、前記受容層は、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンを用いて形成したものであることを特徴とする熱転写受像シートである。
以下に本発明を詳細に説明する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の熱転写受像シートは、基材シートに受容層を形成してなるものである。
上記基材シートは、基紙の両面に樹脂層を積層したもの(本明細書において、「レジンコート紙」ということがある。)であるが、木材パルプを主成分とする紙の両面に樹脂層を積層してなるものが好ましい。
上記基材シートは、受容層を保持する役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも、取り扱い上、支障がない程度の機械的強度を有することが好ましい。
上記基材シートは、基紙の両面に樹脂層を積層したもの(本明細書において、「レジンコート紙」ということがある。)であるが、木材パルプを主成分とする紙の両面に樹脂層を積層してなるものが好ましい。
上記基材シートは、受容層を保持する役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも、取り扱い上、支障がない程度の機械的強度を有することが好ましい。
上記基紙を構成する原紙としては、例えば、天然パルプ、合成パルプ、それらの混合物から抄紙されるパルプ紙等が挙げられるが、なかでも、木材パルプを主成分とする紙が好ましい。
上記原紙は、必要に応じて、後述するカレンダー処理等の従来公知の処理を施したものであってもよい。
上記原紙は、必要に応じて、後述するカレンダー処理等の従来公知の処理を施したものであってもよい。
上記基紙は、厚みが10〜1000μmであることが好ましく、50〜300μmであることがより好ましい。
上記基紙は、公知の方法にて作製することができるが、原紙に対してカレンダー処理したものが好ましい。原紙にカレンダー処理をした基紙を用いると、平滑度を向上することができ、得られる熱転写受像シートの光沢感を高めることができる。
上記カレンダー処理としては、特に限定されず、例えば、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、熱カレンダー等を用いることができる。
上記カレンダー処理としては、特に限定されず、例えば、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、熱カレンダー等を用いることができる。
上記基材シートにおいて、上記樹脂層は、同一面上に1層のみ形成するものであってもよいし、2層以上形成するものであってもよい。特に、上記樹脂層を受容層形成側と反対側の面上に2層以上積層すると、後述の裏面層を積層しなくても、機械搬送性がよく、カール及び帯電を防止した熱転写受像シートを得ることができる。
上記樹脂層を2層以上で積層する場合、各樹脂層は、同一の樹脂からなるものであってもよいし、互いに異なる種類の樹脂からなるものであってもよい。
上記樹脂層を2層以上で積層する場合、各樹脂層は、同一の樹脂からなるものであってもよいし、互いに異なる種類の樹脂からなるものであってもよい。
上記樹脂層を形成するための樹脂としては、ネックインが小さく、ドローダウン性が良好な樹脂、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アイオノマー樹脂、ナイロン、ポリウレタン等が挙げられるが、耐水性、強度、光沢等に優れたフィルムが得られる点で、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等が挙げられるが、なかでも、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。
上記樹脂層は、上記樹脂を1種若しくは2種以上混合して得られるフィルム又はシートであってもよいし、上記樹脂に加え、顔料、充填剤等を加えて成膜したフィルム又はシートであってもよい。
上記樹脂は、改質剤等の添加剤を配合し、接着性等を向上させたものであってもよい。上記改質剤としては、例えば、タフマーA(三井化学社製)等のオレフィン系コポリマー等が挙げられる。
上記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等が挙げられるが、なかでも、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。
上記樹脂層は、上記樹脂を1種若しくは2種以上混合して得られるフィルム又はシートであってもよいし、上記樹脂に加え、顔料、充填剤等を加えて成膜したフィルム又はシートであってもよい。
上記樹脂は、改質剤等の添加剤を配合し、接着性等を向上させたものであってもよい。上記改質剤としては、例えば、タフマーA(三井化学社製)等のオレフィン系コポリマー等が挙げられる。
上記基材シートは、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、エクストリュージョン等、公知の積層方法により作製することができる。上記各層は、層間密着力を向上させることを目的として、その表面に適宜プライマー処理やコロナ放電処理を施すことができる。
本発明の熱転写受像シートは、基材シートとしてレジンコート紙からなるものを用いることにより、強度、耐水性、こし、光沢等に優れていることに加え、プリンター搬送用グリップ跡が発生しない熱転写受像シートを得ることができる。
本発明の熱転写受像シートにおいて、基材シートの厚みは、全体で、通常10〜1000μm、好ましくは50〜300μmであり、該範囲の中から適宜選択することができる。
本発明の熱転写受像シートは、更に、多孔質フィルムをも有するものであることが好ましい。
上記熱転写受像シートは、多孔質フィルムをも有するものである場合、基材シート、該多孔質フィルム及び後述する受容層は、この順に積層してなるものであり、上記多孔質フィルムは、少なくとも、基材シートの受容層を設けた側と同じ側の面に設けるものである。上記熱転写受像シートは、多孔質フィルムを積層したものである場合、特に、耐熱性及びクッション性に優れている。
上記多孔質フィルムは、上述の基材シート上に直接形成してなるものであってもよいし、上述の基材シート上に形成した接着剤層等の中間層上に形成してなるものであってもよい。
上記熱転写受像シートは、多孔質フィルムをも有するものである場合、基材シート、該多孔質フィルム及び後述する受容層は、この順に積層してなるものであり、上記多孔質フィルムは、少なくとも、基材シートの受容層を設けた側と同じ側の面に設けるものである。上記熱転写受像シートは、多孔質フィルムを積層したものである場合、特に、耐熱性及びクッション性に優れている。
上記多孔質フィルムは、上述の基材シート上に直接形成してなるものであってもよいし、上述の基材シート上に形成した接着剤層等の中間層上に形成してなるものであってもよい。
上記多孔質フィルムは、微細空隙を有する樹脂からなるものである。
上記多孔質フィルムは、微細空隙の体積分率が10%以上であるものが好ましく、25%以下であるものが好ましい。
本明細書において、上記微細空隙の体積分率は、層断面を電子顕微鏡で観察、写真撮影することにより微細空隙が断面中に占める面積率を測定し、その平均値Sr(試料数n=5)を3/2乗したSr3/2である。
上記多孔質フィルムは、見かけ比重が0.50〜0.75g/cm3であることが好ましい。見かけ比重が0.50g/cm3未満である場合、強度、耐熱性が劣ることがあり、0.75g/cm3を越える場合、クッション性に劣ることがある。
上記見かけ比重は、より好ましい下限が0.60g/cm3であり、より好ましい上限が0.70g/cm3である。
上記多孔質フィルムは、微細空隙の体積分率が10%以上であるものが好ましく、25%以下であるものが好ましい。
本明細書において、上記微細空隙の体積分率は、層断面を電子顕微鏡で観察、写真撮影することにより微細空隙が断面中に占める面積率を測定し、その平均値Sr(試料数n=5)を3/2乗したSr3/2である。
上記多孔質フィルムは、見かけ比重が0.50〜0.75g/cm3であることが好ましい。見かけ比重が0.50g/cm3未満である場合、強度、耐熱性が劣ることがあり、0.75g/cm3を越える場合、クッション性に劣ることがある。
上記見かけ比重は、より好ましい下限が0.60g/cm3であり、より好ましい上限が0.70g/cm3である。
上記多孔質フィルムにおいて、上記微細空隙は、孔径が5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。
上記微細空隙が上記範囲内の孔径であれば、クッション性及び断熱性が良い熱転写受像シートを容易に得ることができる。
上記微細空隙の形状としては、実際は偏平形状のものが多いが、できるだけ球形に近いものが好ましい。
上記多孔質フィルムは、優れた印字性能を付与できる点で、大きさの揃った微細空隙が均一に分布していることが好ましい。
上記微細空隙が上記範囲内の孔径であれば、クッション性及び断熱性が良い熱転写受像シートを容易に得ることができる。
上記微細空隙の形状としては、実際は偏平形状のものが多いが、できるだけ球形に近いものが好ましい。
上記多孔質フィルムは、優れた印字性能を付与できる点で、大きさの揃った微細空隙が均一に分布していることが好ましい。
本発明において、多孔質フィルムにおける樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられるが、なかでも、ポリオレフィン系樹脂及びポリエステル系樹脂が好ましく、ポリオレフィン樹脂がより好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。
上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート〔PET〕、ポリブチレンテレフタレート〔PBT〕等が挙げられるが、なかでも、PETが好ましい。
上記多孔質フィルムは、1種の樹脂からなるものであってもよいし、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。
上記ポリオレフィン樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。
上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート〔PET〕、ポリブチレンテレフタレート〔PBT〕等が挙げられるが、なかでも、PETが好ましい。
上記多孔質フィルムは、1種の樹脂からなるものであってもよいし、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。
上記微細空隙は、公知の方法にて形成することができ、特に限定されないが、例えば、(1)樹脂に無機微粒子を混練したコンパウンドをフィルム化し、次いで延伸するときに無機微粒子を核として微細空隙を形成する方法、(2)樹脂と、該樹脂に対して非相溶なポリマー(1種又は2種以上)とを混合することにより、微細な海島構造を有するコンパウンドを作成し、次いで、該コンパウンドをフィルム化し延伸することにより海島構造に変形を生じさせて微細空隙を形成する方法等により形成することができる。より優れたクッション性と断熱性を有する層を形成する点で、上記(1)及び(2)の方法のうち、なかでも、上記(1)の方法が好ましい。
上記(1)及び(2)の方法は、好ましくは特開平8−187965号公報に記載されている手順にて行うことができる。例えば、上記(2)の方法にて多孔質フィルムを形成する場合、樹脂としてポリプロピレンを、上述の非相溶なポリマーとして、ポリエステル樹脂又はアクリル樹脂を使用することできる。なお、上述の非相溶なポリマーは、使用する樹脂の種類、必要である微細空隙の体積分率等に応じて異なるが、一般に、使用する樹脂100質量部に対して1.6〜40質量部配合することが好ましい。
上記(1)及び(2)の方法は、好ましくは特開平8−187965号公報に記載されている手順にて行うことができる。例えば、上記(2)の方法にて多孔質フィルムを形成する場合、樹脂としてポリプロピレンを、上述の非相溶なポリマーとして、ポリエステル樹脂又はアクリル樹脂を使用することできる。なお、上述の非相溶なポリマーは、使用する樹脂の種類、必要である微細空隙の体積分率等に応じて異なるが、一般に、使用する樹脂100質量部に対して1.6〜40質量部配合することが好ましい。
上記多孔質フィルムは、上記樹脂及び非相溶なポリマーに加え、断熱性、クッション性等の特性を損なわない範囲で、公知の安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、加工助剤、可塑剤等の添加剤を適宜配合してなるものであってもよい。
上記多孔質フィルムの厚みは、20〜80μmが好ましい。20μm未満であると、断熱性とクッション性が不充分となる傾向にあり、画像形成時に白抜けが生じる場合がある。80μmを超えると、用途により、熱転写受像シート全体として厚くなりすぎる場合がある。
本発明の熱転写受像シートは、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンを用いて形成した受容層を有するものである。
上記受容層は、上述の多孔質フィルム上に直接形成してなるものであってもよいし、上述の多孔質フィルム上に形成した中間層上に形成してなるものであってもよい。
上記受容層は、上述の多孔質フィルム上に直接形成してなるものであってもよいし、上述の多孔質フィルム上に形成した中間層上に形成してなるものであってもよい。
本発明に用いる塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョンは、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体からなるものである。上記エマルジョンは、上記共重合体を1種のみ含有するものであってもよいし、単量体組成、平均分子量等が異なる2種以上を含有するものであってもよい。
上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、塩化ビニルと酢酸ビニルとからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニル及び酢酸ビニルに加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体をも少量重合したものであってもよいが、塩化ビニル/酢酸ビニル2元共重合体であることが好ましい。
上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、塩化ビニルと酢酸ビニルとからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニル及び酢酸ビニルに加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体をも少量重合したものであってもよいが、塩化ビニル/酢酸ビニル2元共重合体であることが好ましい。
本発明に用いる塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンは、塩化ビニル/アクリル化合物共重合体からなるものである。上記エマルジョンは、上記共重合体を1種のみ含有するものであってもよいし、単量体組成、平均分子量等が異なる2種以上を含有するものであってもよい。
上記塩化ビニル/アクリル化合物共重合体は、塩化ビニルとアクリル化合物とからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニル及びアクリル化合物に加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体をも少量共重合したものであってもよいが、塩化ビニル/アクリル化合物2元共重合体であることが好ましい。
本明細書において、「アクリル化合物」とは、(メタ)アクリル酸及び/又はそのアルキルエステルを意味する。
上記アクリル化合物としては、例えば、アクリル酸;アクリル酸カルシウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、アクリル酸アルミニウム等のアクリル酸塩;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
上記塩化ビニル/アクリル化合物共重合体は、塩化ビニルとアクリル化合物とからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニル及びアクリル化合物に加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体をも少量共重合したものであってもよいが、塩化ビニル/アクリル化合物2元共重合体であることが好ましい。
本明細書において、「アクリル化合物」とは、(メタ)アクリル酸及び/又はそのアルキルエステルを意味する。
上記アクリル化合物としては、例えば、アクリル酸;アクリル酸カルシウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、アクリル酸アルミニウム等のアクリル酸塩;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、及び、上記塩化ビニル/アクリル化合物共重合体は、それぞれガラス転移温度が20℃以上であるものが好ましい。
本発明において、上記範囲内のガラス転移温度を有する上記各共重合体を受容層として有する場合、特に耐熱性に優れた熱転写受像シートを得ることができる。
上記ガラス転移温度は、30℃以上であるものがより好ましく、40℃以上であるものが更に好ましい。
本発明において、上記範囲内のガラス転移温度を有する上記各共重合体を受容層として有する場合、特に耐熱性に優れた熱転写受像シートを得ることができる。
上記ガラス転移温度は、30℃以上であるものがより好ましく、40℃以上であるものが更に好ましい。
上記各エマルジョンは、例えば、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤等の乳化剤を含有するものであってよい。
上記各エマルジョンは、乳化剤が上記各共重合体100質量部に対し、0.1〜5質量部の量であることが好ましい。
上記各エマルジョンは、上述の共重合体及び上記乳化剤に加え、保存安定性等を目的として、公知の添加剤を配合してなるものであってもよい。
本発明において、上記各エマルジョンとして、例えば、ビニブラン601、ビニブラン276(いずれも、日信化学工業社製)等、市販の製品を使用することができる。
上記各エマルジョンは、乳化剤が上記各共重合体100質量部に対し、0.1〜5質量部の量であることが好ましい。
上記各エマルジョンは、上述の共重合体及び上記乳化剤に加え、保存安定性等を目的として、公知の添加剤を配合してなるものであってもよい。
本発明において、上記各エマルジョンとして、例えば、ビニブラン601、ビニブラン276(いずれも、日信化学工業社製)等、市販の製品を使用することができる。
上記受容層は、上述の共重合体以外のその他の樹脂をも含有するものであってもよい。
上記その他の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、セルロース誘導体系樹脂、ポリエーテル系樹脂等が挙げられる。
上記その他の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、セルロース誘導体系樹脂、ポリエーテル系樹脂等が挙げられる。
本発明において、受容層は、また、印画時に熱転写シートとの熱融着を防ぐために離型剤を配合してなるものであってもよい。
上記離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系化合物等、公知のものが挙げられるが、特にシリコーンオイルが好ましい。
上記シリコーンオイルとしては、エポキシ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、ハイドロジェン変性シリコーンオイル等、変性シリコーンオイルが好ましい。
上記離型剤は、上述の各共重合体100質量部に対して約0.5〜30質量部となるよう添加することが好ましい。
上記離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系化合物等、公知のものが挙げられるが、特にシリコーンオイルが好ましい。
上記シリコーンオイルとしては、エポキシ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、ハイドロジェン変性シリコーンオイル等、変性シリコーンオイルが好ましい。
上記離型剤は、上述の各共重合体100質量部に対して約0.5〜30質量部となるよう添加することが好ましい。
上記受容層は、また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、フィラー、顔料、帯電防止剤、可塑剤、熱溶融性物質等、公知の添加剤を適宜配合してなるものであってもよい。
上記酸化防止剤としては、クロマン系化合物、クマロン系化合物、フェノール系化合物、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物、硫黄系化合物、リン系化合物等、画像耐久性を改善するものとして公知の化合物を挙げることができる。
上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤としては、例えば、特開平1−204788号公報等に記載の公知の化合物が挙げられる。
上記フィラーとしては、無機化合物微粒子、有機化合物樹脂粒子等を挙げることができる。
上記無機化合物微粒子としては、シリカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸性白土、活性白土、アルミナ等を挙げることができ、上記有機化合物樹脂粒子としては、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子等を挙げることができる。
上記フィラーとしては、無機化合物微粒子、有機化合物樹脂粒子等を挙げることができる。
上記無機化合物微粒子としては、シリカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸性白土、活性白土、アルミナ等を挙げることができ、上記有機化合物樹脂粒子としては、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子等を挙げることができる。
上記顔料としては、チタンホワイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、タルク、クレー、カオリン、活性白土、酸性白土等、公知の化合物を挙げることができる。
上記帯電防止剤としては、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子等、公知の化合物が挙げられる。
上記帯電防止剤としては、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子等、公知の化合物が挙げられる。
上記可塑剤及び上記熱溶融性物質は、通常、得られる熱転写受像シートの転写を促進するために添加するものである。
上記可塑剤としては、例えば、フタル酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等、公知の化合物を挙げることができる。
上記熱溶融性物質としては、例えば、アルコール類、ケトン類、高級脂肪酸エステル等、転写を促進する作用を有する公知の化合物が挙げられる。
上記可塑剤としては、例えば、フタル酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等、公知の化合物を挙げることができる。
上記熱溶融性物質としては、例えば、アルコール類、ケトン類、高級脂肪酸エステル等、転写を促進する作用を有する公知の化合物が挙げられる。
本発明の熱転写受像シートは、上述したように、受容層及び所望により設ける多孔質フィルムに加え、中間層を積層してなるものであってもよい。
本発明において、「中間層」とは、例えば、基材シートと受容層との間にある多孔質フィルム以外の全ての層を意味する。上記中間層は、基材シートと多孔質フィルムとの間に設けたものであってもよいし、上記受容層と多孔質フィルムとの間に設けたものであってもよい。
本発明の熱転写受像シートは、上記中間層を設けることにより、例えば、断熱性、クッション性、バリア性、層間接着性、白色性、隠蔽性、帯電防止性等に優れたものとすることができる。
本発明において、「中間層」とは、例えば、基材シートと受容層との間にある多孔質フィルム以外の全ての層を意味する。上記中間層は、基材シートと多孔質フィルムとの間に設けたものであってもよいし、上記受容層と多孔質フィルムとの間に設けたものであってもよい。
本発明の熱転写受像シートは、上記中間層を設けることにより、例えば、断熱性、クッション性、バリア性、層間接着性、白色性、隠蔽性、帯電防止性等に優れたものとすることができる。
上記中間層を形成する樹脂、その他の高分子としては、多孔質フィルムを構成する樹脂として例示した樹脂に加え、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。
従来の熱転写受像シートは、受容層が有機溶媒に樹脂を溶解させてなるものであったので、中間層を形成する樹脂は、耐溶剤性樹脂に限定されていたが、本発明の熱転写受像シートは、受容層がエマルジョンを用いて形成したものであるので、上記中間層を形成する樹脂を、耐溶剤性樹脂に限定することなく選択することができる。
従来の熱転写受像シートは、受容層が有機溶媒に樹脂を溶解させてなるものであったので、中間層を形成する樹脂は、耐溶剤性樹脂に限定されていたが、本発明の熱転写受像シートは、受容層がエマルジョンを用いて形成したものであるので、上記中間層を形成する樹脂を、耐溶剤性樹脂に限定することなく選択することができる。
上記中間層は、例えば、水溶性高分子を添加したものであってもよい。
上記水溶性高分子としては、セルロース系樹脂、デンプン、寒天等の多糖類;カゼイン、ゼラチン等のタンパク質;ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル共重合体、酢酸ビニル−ベオバ共重合体、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、スチレン樹脂等のビニル系樹脂;メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のポリアミド系樹脂;ポリエステル;ポリウレタン等が挙げられる。
本発明において、水溶性高分子とは、水性溶媒に完全溶解(粒径0.01μm以下)、コロイダルディスパージョン(粒径0.01〜0.1μm)、エマルジョン(粒径0.1〜1μm)又はスラリー(粒径1μm以上)の状態になる高分子を意味する。
上記水溶性高分子としては、セルロース系樹脂、デンプン、寒天等の多糖類;カゼイン、ゼラチン等のタンパク質;ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル共重合体、酢酸ビニル−ベオバ共重合体、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、スチレン樹脂等のビニル系樹脂;メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のポリアミド系樹脂;ポリエステル;ポリウレタン等が挙げられる。
本発明において、水溶性高分子とは、水性溶媒に完全溶解(粒径0.01μm以下)、コロイダルディスパージョン(粒径0.01〜0.1μm)、エマルジョン(粒径0.1〜1μm)又はスラリー(粒径1μm以上)の状態になる高分子を意味する。
上記中間層として、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等を構成成分とする接着剤層を設けた場合、層間接着性に優れた熱転写受像シートを得ることができる。
また、上記中間層として、活性水素を有する熱可塑性樹脂とイソシアネート化合物等の硬化剤とを併用した場合、更に層間接着性に優れた熱転写受像シートとすることができる。
また、上記中間層として、活性水素を有する熱可塑性樹脂とイソシアネート化合物等の硬化剤とを併用した場合、更に層間接着性に優れた熱転写受像シートとすることができる。
上記中間層に、例えば、蛍光増白剤を添加した場合、熱転写受像シートに白色を付与することができる。
上記蛍光増白剤としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができ、例えば、スチルベン系蛍光増白剤、ジスチルベン系蛍光増白剤、ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤、スチリル−オキサゾール系蛍光増白剤、ピレン−オキサゾール系蛍光増白剤、クマリン系蛍光増白剤、アミノクマリン系蛍光増白剤、イミダゾール系蛍光増白剤、ベンゾイミダゾール系蛍光増白剤、ピラゾリン系蛍光増白剤、ジスチリル−ビフェニル系蛍光増白剤等が挙げられる。
本発明の熱転写受像シートは、上記蛍光増白剤の種類、添加量等を適宜選択することにより、白色度を調整することができる。
上記蛍光増白剤としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができ、例えば、スチルベン系蛍光増白剤、ジスチルベン系蛍光増白剤、ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤、スチリル−オキサゾール系蛍光増白剤、ピレン−オキサゾール系蛍光増白剤、クマリン系蛍光増白剤、アミノクマリン系蛍光増白剤、イミダゾール系蛍光増白剤、ベンゾイミダゾール系蛍光増白剤、ピラゾリン系蛍光増白剤、ジスチリル−ビフェニル系蛍光増白剤等が挙げられる。
本発明の熱転写受像シートは、上記蛍光増白剤の種類、添加量等を適宜選択することにより、白色度を調整することができる。
上記中間層に、酸化チタンを添加すると、基材シートのギラ付き感やムラを隠蔽した熱転写受像シートを得ることができる。
上記酸化チタンとしては、ルチル型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが挙げられるが、白色度の点で、アナターゼ型酸化チタンが好ましい。
上記酸化チタンは、中間層が上述の水溶性樹脂からなる場合、表面に親水性処理を施して添加してもよいし、界面活性剤等の分散剤を適宜添加して分散させてもよい。
上記酸化チタンとしては、ルチル型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが挙げられるが、白色度の点で、アナターゼ型酸化チタンが好ましい。
上記酸化チタンは、中間層が上述の水溶性樹脂からなる場合、表面に親水性処理を施して添加してもよいし、界面活性剤等の分散剤を適宜添加して分散させてもよい。
上記中間層に、例えば、導電性無機フィラー、有機性導電剤等を添加すると、帯電防止性を有する熱転写受像シートを得ることができる。
本発明の熱転写受像シートは、シートの機械搬送性向上、カール防止、筆記性、帯電防止等を目的として、基材シートの受容層形成側と反対側の面上に、裏面層を有するものであってもよい。
本発明の熱転写受像シートにおいて、上記裏面層は、1層のみから構成されるものであってもよいし、組成等が異なる2層以上の層を積層して構成されるものであってもよい。
本発明の熱転写受像シートにおいて、上記裏面層は、1層のみから構成されるものであってもよいし、組成等が異なる2層以上の層を積層して構成されるものであってもよい。
上記裏面層は、上記中間層を形成する樹脂、その他の高分子として例示したものと同様の樹脂等から形成することができる。
上記裏面層を形成する際に、例えば、(1)上記例示の樹脂等に加え、有機フィラー又は無機フィラーを適量添加する、又は、(2)ポリオレフィン樹脂、セルロース樹脂等、滑性が高い樹脂を使用すると、搬送性が向上した熱転写受像シートを得ることができる。
上記裏面層を形成する際に、例えば、(1)上記例示の樹脂等に加え、有機フィラー又は無機フィラーを適量添加する、又は、(2)ポリオレフィン樹脂、セルロース樹脂等、滑性が高い樹脂を使用すると、搬送性が向上した熱転写受像シートを得ることができる。
上記裏面層を形成する際に、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等、保水性を有する樹脂等を主成分として用いた場合、得られる熱転写受像シートのカールを防止することができる。
上記裏面層を形成する際に、上述の受容層における添加剤として例示したフィラー、顔料等を配合した場合、得られる熱転写受像シートに筆記性を付与することができる。
上記裏面層を形成する際に、上述の受容層における添加剤として例示したフィラー、顔料等を配合した場合、得られる熱転写受像シートに筆記性を付与することができる。
上記裏面層は、帯電防止機能を得るために、アクリル樹脂等の導電性樹脂、及び/又は、脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エステル、エチレンオキサイド付加物等の各種帯電防止剤を添加したものであってもよい。
上記帯電防止剤の使用量は、該帯電防止剤を添加する層、使用する帯電防止剤等の種類によって異なるが、給紙トラブルを防止する点で、熱転写受像シートの表面電気抵抗値が1013Ω/cm2以下となるよう、通常0.01〜3g/m2の量で使用することが好ましい。
上記帯電防止剤の使用量は、該帯電防止剤を添加する層、使用する帯電防止剤等の種類によって異なるが、給紙トラブルを防止する点で、熱転写受像シートの表面電気抵抗値が1013Ω/cm2以下となるよう、通常0.01〜3g/m2の量で使用することが好ましい。
上記裏面層は、全体で乾燥後3g/m2以下であれば、通常、目的とする各種効果を奏することができる。
本発明の熱転写受像シートは、基材シート又は該基材シート上に積層した中間層上に受容層を積層することにより作成してもよいが、好ましくは、(1)基材シート上又は該基材シート上に積層した中間層上に上記多孔質フィルムを積層し、更に、(2)上記多孔質フィルム上又は上記多孔質フィルム上に積層した中間層上に受容層を積層することにより作成することができる。
上記(1)上記多孔質(フィルム)層は、予め微小空隙を有するフィルム又はシートをレジンコート紙に貼合して積層することができる。
上記微小空隙を有するフィルム又はシートは、上述のとおり、例えば、樹脂及び必要に応じ添加する添加剤等の各成分を混合し、混練してペレット化した後、予備成形を行い、更に延伸することにより作成することができる。
本フィルム又はシートの作成において、各工程は、公知の手法にて行うことができるが、延伸は、得られるフィルム又はシートの強度の点で、逐次2軸延伸にて行うことが好ましい。
上記逐次2軸延伸は、使用する樹脂等の種類、所望のフィルム厚さ等に応じて、縦延伸及び横延伸における温度、延伸倍率等の各条件を適宜設定して行うことができる。例えば、ポリオレフィン樹脂を使用してフィルム又はシートを作成する場合、面積倍率で約8〜50倍、好ましくは約10〜40倍に延伸することが好ましい。
上記多孔質層(フィルム)の貼り合せは、例えば、多孔質層(フィルム)の受容層がない面に接着剤層を形成し、該接着剤層面に前記レジンコート紙を対向させて行うか、或はレジンコート紙の表面に接着剤層を設けてドライラミネート方式で行うことができる。上記接着剤層は、例えば、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリエーテル系接着剤等の接着性樹脂を含有する接着性樹脂溶液を所望の面に塗布し、必要に応じて溶剤を乾燥させて形成することができる。かかる接着剤層は、固形分として約0.5〜10g/m2の割合で形成することが好ましい。
上記ドライラミネートは、従来公知の方法で行えばよく、第一原紙であるレジンコート紙表面に各種コート法によって接着剤溶液を塗布した後、乾燥トンネル内で接着剤溶媒を蒸発せしめ、第一原紙表面に溶剤を含まない均一な接着剤層(基材の表面性や凹凸によって異なるが、固形分として約1.5〜5g/m2が好ましい)を形成したうえで、貼合部で第二原紙である多孔質層(フィルム)と圧着ラミネートすればよい。
上記微小空隙を有するフィルム又はシートは、上述のとおり、例えば、樹脂及び必要に応じ添加する添加剤等の各成分を混合し、混練してペレット化した後、予備成形を行い、更に延伸することにより作成することができる。
本フィルム又はシートの作成において、各工程は、公知の手法にて行うことができるが、延伸は、得られるフィルム又はシートの強度の点で、逐次2軸延伸にて行うことが好ましい。
上記逐次2軸延伸は、使用する樹脂等の種類、所望のフィルム厚さ等に応じて、縦延伸及び横延伸における温度、延伸倍率等の各条件を適宜設定して行うことができる。例えば、ポリオレフィン樹脂を使用してフィルム又はシートを作成する場合、面積倍率で約8〜50倍、好ましくは約10〜40倍に延伸することが好ましい。
上記多孔質層(フィルム)の貼り合せは、例えば、多孔質層(フィルム)の受容層がない面に接着剤層を形成し、該接着剤層面に前記レジンコート紙を対向させて行うか、或はレジンコート紙の表面に接着剤層を設けてドライラミネート方式で行うことができる。上記接着剤層は、例えば、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリエーテル系接着剤等の接着性樹脂を含有する接着性樹脂溶液を所望の面に塗布し、必要に応じて溶剤を乾燥させて形成することができる。かかる接着剤層は、固形分として約0.5〜10g/m2の割合で形成することが好ましい。
上記ドライラミネートは、従来公知の方法で行えばよく、第一原紙であるレジンコート紙表面に各種コート法によって接着剤溶液を塗布した後、乾燥トンネル内で接着剤溶媒を蒸発せしめ、第一原紙表面に溶剤を含まない均一な接着剤層(基材の表面性や凹凸によって異なるが、固形分として約1.5〜5g/m2が好ましい)を形成したうえで、貼合部で第二原紙である多孔質層(フィルム)と圧着ラミネートすればよい。
(2)上記受容層の積層は、例えば、上述のエマルジョンから受容層塗工液を調製し、該受容層塗工液を多孔質フィルム層上又は中間層上に塗工することにより行うことができる。
上記受容層塗工液は、上述のエマルジョンのみからなるものであってもよいし、該エマルジョンに、上述したその他の樹脂、離型剤及び/又は添加剤を適宜配合して調製したものであってもよい。
上記受容層塗工液は、固形分濃度が、通常5質量%以上である。該固形分濃度の上限は、高濃度になりすぎると保存安定性が低下し、粘度が上昇する場合があるため、通常50質量%以下である。
上記受容層塗工液は、上述のエマルジョンのみからなるものであってもよいし、該エマルジョンに、上述したその他の樹脂、離型剤及び/又は添加剤を適宜配合して調製したものであってもよい。
上記受容層塗工液は、固形分濃度が、通常5質量%以上である。該固形分濃度の上限は、高濃度になりすぎると保存安定性が低下し、粘度が上昇する場合があるため、通常50質量%以下である。
上記受容層塗工液における水性媒体は、水に加え、エタノール、プロパノール等のアルコール類等の溶剤を、上述のエマルジョンの特性を損なわない範囲で添加してなるものであってもよい。
上記受容層塗工液の塗工は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ダイコート、リップコート等の一般的な方法にて行うとこができる。
上記受容層の塗布において、乾燥は、使用する塗工液の組成に応じて異なるが、一般に、50〜150℃の範囲で行うことが好ましい。
上記受容層塗工液は、受容層が乾燥後0.5〜10g/m2の量となるよう塗布することが好ましい。
上記受容層の塗布において、乾燥は、使用する塗工液の組成に応じて異なるが、一般に、50〜150℃の範囲で行うことが好ましい。
上記受容層塗工液は、受容層が乾燥後0.5〜10g/m2の量となるよう塗布することが好ましい。
本発明の熱転写受像シートにおける中間層及び裏面層を形成する方法としては特に限定されないが、例えば、上述の構成成分からなる塗工液を調製して塗工する方法等が挙げられる。
上述の中間層及び裏面層の塗工において、塗工液を調製するための溶媒としては例えば、上述の受容層塗工液に関して例示したものに加え、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類;トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;クロロホルム、トリクロルエチレン等の塩素系溶剤;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶剤;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。
上述の中間層及び裏面層の塗工において、塗工液を調製するための溶媒としては例えば、上述の受容層塗工液に関して例示したものに加え、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類;トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;クロロホルム、トリクロルエチレン等の塩素系溶剤;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶剤;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。
本発明における各層を形成するための各塗工において、層表面を平滑にするために、塗工後、プライマー処理等、公知の樹脂表面改質を行ってもよい。
本発明の熱転写受像シートにおける受像面に印画する方法としては、特に限定されず、公知の熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)にて行うことができる。
上記画像形成の際に使用する熱転写シートとしては、特に限定されず、例えば、基材シート上に、熱拡散型染料(昇華型染料)を含む染料層を設けた従来の熱転写シートを使用することができる。
上記熱転写シートとしては、特に、ポリアセタール系樹脂からなる染料層とポリエステル樹脂からなる基材シートとからなるものが好ましい。
上記画像形成の際に使用する熱転写シートとしては、特に限定されず、例えば、基材シート上に、熱拡散型染料(昇華型染料)を含む染料層を設けた従来の熱転写シートを使用することができる。
上記熱転写シートとしては、特に、ポリアセタール系樹脂からなる染料層とポリエステル樹脂からなる基材シートとからなるものが好ましい。
本発明の熱転写受像シートは、該熱転写受像シートの受像面に画像形成後、画像形成面に保護層を転写してなるものであってもよい。上記保護層を転写することにより、得られるシートの耐光性を更に向上させることができ、また耐皮脂性等の耐久性をも向上させることができる。
上記保護層は、熱可塑性樹脂、熱架橋性樹脂、電離放射線架橋樹脂等、公知の保護層形成用樹脂から形成することができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノキシ樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂等が挙げられる。
上記保護層は、熱可塑性樹脂、熱架橋性樹脂及び電離放射線架橋樹脂を1種又は2種以上配合してなるものであってもよい。
上記保護層は、上記樹脂に加え、必要に応じ、紫外線遮断樹脂、紫外線吸収剤、導電性樹脂、フィラー等、上述の受容層に関して説明した添加剤を適宜配合してなるものであってもよい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノキシ樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂等が挙げられる。
上記保護層は、熱可塑性樹脂、熱架橋性樹脂及び電離放射線架橋樹脂を1種又は2種以上配合してなるものであってもよい。
上記保護層は、上記樹脂に加え、必要に応じ、紫外線遮断樹脂、紫外線吸収剤、導電性樹脂、フィラー等、上述の受容層に関して説明した添加剤を適宜配合してなるものであってもよい。
上記保護層は、1層のみから構成されるものであってもよいし、組成等が異なる2層以上の層を積層して構成されるものであってもよい。
上記保護層は、熱転写受像シート(印画物)への転写性、接着性等を良好にするために、接着層を有するものであってもよい。
上記接着層は、従来公知のものから形成することができるが、ガラス転移温度(Tg)が50〜80℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等から上記範囲内のガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。また、接着性の点で、上記熱可塑性樹脂は、平均分子量の小さい方が好ましい。
上記保護層は、層全体で、通常0.1〜30μm、好ましくは0.5〜5μmの厚みとすることができる。
上記保護層は、熱転写受像シート(印画物)への転写性、接着性等を良好にするために、接着層を有するものであってもよい。
上記接着層は、従来公知のものから形成することができるが、ガラス転移温度(Tg)が50〜80℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等から上記範囲内のガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。また、接着性の点で、上記熱可塑性樹脂は、平均分子量の小さい方が好ましい。
上記保護層は、層全体で、通常0.1〜30μm、好ましくは0.5〜5μmの厚みとすることができる。
本発明の熱転写受像シートは、上記構成よりなるので、耐光性及び感度に優れ、凹凸が少なく、濃度ムラやハイライト部の白抜けを確実に低減した印画物を得ることが可能である。上記熱転写受像シートは、また、多孔質フィルムをも有するものとすることにより、更に、耐熱性、クッション性等も向上することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例のみに限定されるものではない。
なお、文中、部又は%とあるのは特に断りのない限り、質量基準である。
なお、文中、部又は%とあるのは特に断りのない限り、質量基準である。
実施例1
1.基材シートの作成
RC原紙(坪量175g/m2、厚み172μm、三菱製紙社製の芯材紙)の片面に、ポリプロピレン〔PP〕樹脂(製品名:サンアロマーPHA03A、サンアロマー社製)を、押し出し法により、仕上がり時の厚みが22μmとなるよう塗工し、PP樹脂層(1)の積層を行った。このRC原紙のPP樹脂層(1)側と反対側の面に、下記組成を有する樹脂層(2)とPP樹脂層(1)とを仕上がり時の厚みがそれぞれ14μm、19μmとなり、該樹脂層(2)、PP樹脂層(1)及びRC原紙の順となるよう2層共押し出しにより積層し、基材シートを得た。
(樹脂層(2)組成物)
・ 高密度ポリエチレン樹脂(製品名:ジェイレックスKH578A、日本ポリオレフィン社製)
100部
・樹脂改質剤(製品名:タフマーA−4085、三井化学社製) 18部
2.接着剤層及び多孔質フィルムの形成
基材シートのPP樹脂層(1)1層のみを積層した側の面上に下記接着剤層塗工液を塗布し乾燥させて接着剤層を形成したのち、多孔質ポリプロピレンフィルム(製品名:トヨパール−SS(P4255)、厚み35μm、東洋紡績社製)をドライラミネート方式により貼り合わせた。
(接着剤層塗工液)
・ポリウレタン樹脂(製品名:タケラックA−367H、武田薬品工業製) 3部
・イソシアネート(製品名:タケネートA−7、武田薬品工業製) 1部
・酢酸エチル 3部
1.基材シートの作成
RC原紙(坪量175g/m2、厚み172μm、三菱製紙社製の芯材紙)の片面に、ポリプロピレン〔PP〕樹脂(製品名:サンアロマーPHA03A、サンアロマー社製)を、押し出し法により、仕上がり時の厚みが22μmとなるよう塗工し、PP樹脂層(1)の積層を行った。このRC原紙のPP樹脂層(1)側と反対側の面に、下記組成を有する樹脂層(2)とPP樹脂層(1)とを仕上がり時の厚みがそれぞれ14μm、19μmとなり、該樹脂層(2)、PP樹脂層(1)及びRC原紙の順となるよう2層共押し出しにより積層し、基材シートを得た。
(樹脂層(2)組成物)
・ 高密度ポリエチレン樹脂(製品名:ジェイレックスKH578A、日本ポリオレフィン社製)
100部
・樹脂改質剤(製品名:タフマーA−4085、三井化学社製) 18部
2.接着剤層及び多孔質フィルムの形成
基材シートのPP樹脂層(1)1層のみを積層した側の面上に下記接着剤層塗工液を塗布し乾燥させて接着剤層を形成したのち、多孔質ポリプロピレンフィルム(製品名:トヨパール−SS(P4255)、厚み35μm、東洋紡績社製)をドライラミネート方式により貼り合わせた。
(接着剤層塗工液)
・ポリウレタン樹脂(製品名:タケラックA−367H、武田薬品工業製) 3部
・イソシアネート(製品名:タケネートA−7、武田薬品工業製) 1部
・酢酸エチル 3部
3.プライマー層及び受容層の形成
上記積層した多孔質フィルム上に、下記組成のプライマー層塗工液をワイヤーバーにより、乾燥(100℃、1分)後1.0g/m2の量となるように塗布し、得られたプライマー層上に、下記組成の受容層用塗工液をワイヤーバーにより、乾燥(130℃、1分)後4.0g/m2の量となるように塗布して、本発明の熱転写受像シートを得た。
(プライマー層塗工液)
・ポリエステル樹脂(製品名:バイロン200、東洋紡積社製) 10部
・酸化チタン(TCA−888、トーケムプロダクツ社製) 20部
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 120部
(受容層用塗工液)
・ 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン(ビニブラン601、固形分濃度43%、日信化学工業社製)
100部
・ポリエーテル変性シリコーン(KF−615A、信越化学工業社製) 2.15部
・水 124部
上記積層した多孔質フィルム上に、下記組成のプライマー層塗工液をワイヤーバーにより、乾燥(100℃、1分)後1.0g/m2の量となるように塗布し、得られたプライマー層上に、下記組成の受容層用塗工液をワイヤーバーにより、乾燥(130℃、1分)後4.0g/m2の量となるように塗布して、本発明の熱転写受像シートを得た。
(プライマー層塗工液)
・ポリエステル樹脂(製品名:バイロン200、東洋紡積社製) 10部
・酸化チタン(TCA−888、トーケムプロダクツ社製) 20部
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 120部
(受容層用塗工液)
・ 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン(ビニブラン601、固形分濃度43%、日信化学工業社製)
100部
・ポリエーテル変性シリコーン(KF−615A、信越化学工業社製) 2.15部
・水 124部
実施例2
ビニブラン601に代え、ビニブラン276(塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョン、固形分濃度45%、日信化学工業社製)を使用した以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
ビニブラン601に代え、ビニブラン276(塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョン、固形分濃度45%、日信化学工業社製)を使用した以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
実施例3
上記多孔質フィルムを用いた積層に代え、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(製品名:FOS−BT、フタムラ化学社製、厚み30μm)を張り合わせた以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シートを得た。
上記多孔質フィルムを用いた積層に代え、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(製品名:FOS−BT、フタムラ化学社製、厚み30μm)を張り合わせた以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シートを得た。
比較例1
ビニブラン601及び水を、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(製品名:ソルバインC、日信化学工業社製)に代えて受容層用塗工液を調製した以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シートを得た。
ビニブラン601及び水を、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(製品名:ソルバインC、日信化学工業社製)に代えて受容層用塗工液を調製した以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シートを得た。
比較例2
基材シートとして、コート紙(製品名:パールコート紙、三菱製紙社製、坪量157g/m2)を用いた以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シートを得た。
基材シートとして、コート紙(製品名:パールコート紙、三菱製紙社製、坪量157g/m2)を用いた以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シートを得た。
試験例
下記方法にて、各実施例から得られた熱転写受像シートの評価を行った。
<評価方法>
1.印画方法
プリンター(P−330、オリンパス社製)及び熱転写シート(P−330用)を用いて、実施例1〜2及び比較例1〜3の各熱転写受像シートを用い、イエロー、マジェンタ、シアンの順番に階調パターンを印画後、保護層を転写し、印画物を得た。
2.染料染着性(感度)
各実施例及び各比較例から得られた印画物について、色度計(マクベス濃度計RD−918、マクベス社製)を用いて測定した。比較例1で得られた値を3点(基準)とし、該基準よりも良好なものを4〜5点とし、該基準よりも劣っているものを1〜2点として評価した。
3.耐光性
各実施例及び各比較例から得られた印画物について、キセノンウェザオメータ(アトラスCi4000)を用い、400kJ/m2にて照射し、照射前後の印画物の濃度変化及び色差を、それぞれ色度計(マクベスRD−918、マクベス社製)及び色彩色差計(CR321、ミノルタ社製)を用いて測定した。
4.白抜け
各実施例及び各比較例から得られた印画物について、白抜けの度合いを目視にて評価した。
比較例1で得られた印画物の白抜けの度合いを3点(基準)とし、該基準よりも白抜けが少ないものを4〜5点とし、該基準よりも劣っているものを1〜2点として評価した。
5.外観
各実施例及び各比較例から得られた印画物について、凹凸の度合いを目視にて評価した。
比較例1で得られた印画物の凹凸の度合いを3点(基準)とし、該基準よりも凹凸の少ないものを4〜5点とし、該基準よりも凹凸の多いものを1〜2点として評価した。
結果を表1に示す。
下記方法にて、各実施例から得られた熱転写受像シートの評価を行った。
<評価方法>
1.印画方法
プリンター(P−330、オリンパス社製)及び熱転写シート(P−330用)を用いて、実施例1〜2及び比較例1〜3の各熱転写受像シートを用い、イエロー、マジェンタ、シアンの順番に階調パターンを印画後、保護層を転写し、印画物を得た。
2.染料染着性(感度)
各実施例及び各比較例から得られた印画物について、色度計(マクベス濃度計RD−918、マクベス社製)を用いて測定した。比較例1で得られた値を3点(基準)とし、該基準よりも良好なものを4〜5点とし、該基準よりも劣っているものを1〜2点として評価した。
3.耐光性
各実施例及び各比較例から得られた印画物について、キセノンウェザオメータ(アトラスCi4000)を用い、400kJ/m2にて照射し、照射前後の印画物の濃度変化及び色差を、それぞれ色度計(マクベスRD−918、マクベス社製)及び色彩色差計(CR321、ミノルタ社製)を用いて測定した。
4.白抜け
各実施例及び各比較例から得られた印画物について、白抜けの度合いを目視にて評価した。
比較例1で得られた印画物の白抜けの度合いを3点(基準)とし、該基準よりも白抜けが少ないものを4〜5点とし、該基準よりも劣っているものを1〜2点として評価した。
5.外観
各実施例及び各比較例から得られた印画物について、凹凸の度合いを目視にて評価した。
比較例1で得られた印画物の凹凸の度合いを3点(基準)とし、該基準よりも凹凸の少ないものを4〜5点とし、該基準よりも凹凸の多いものを1〜2点として評価した。
結果を表1に示す。
実施例1〜3の各熱転写受像シートは、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を有機溶媒で溶解した受容層塗工液を用いて得られた比較例1の熱転写受像シートに比べ、同等又はそれ以上の白抜け発生抑止力と感度とを示しながら、耐光性に非常に優れており、また、樹脂層として多孔質フィルムを用いた実施例1〜2では、感度、白抜け発生抑止力及び外観を向上することがわかった。
本発明の熱転写受像シートは、上記構成よりなるので、耐光性及び感度に優れ、凹凸が少なく、濃度ムラやハイライト部の白抜けを確実に低減した印画物を得ることが可能である。上記熱転写受像シートは、また、多孔質フィルムをも有するものとすることにより、更に、耐熱性、クッション性等も向上することができる。
Claims (6)
- 基材シートに受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、
前記基材シートは、基紙の両面に樹脂層を積層してなるものであり、
前記受容層は、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン又は塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンを用いて形成したものである
ことを特徴とする熱転写受像シート。 - 更に、多孔質フィルムをも有する請求項1記載の熱転写受像シートであって、
前記基材シート、前記多孔質フィルム及び前記受容層は、この順に積層している熱転写受像シート。 - 前記多孔質フィルムは、ポリオレフィン系樹脂からなるものである請求項2記載の熱転写受像シート。
- 前記多孔質フィルムは、ポリプロピレン樹脂からなるものである請求項2記載の熱転写受像シート。
- 前記多孔質フィルムは、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなるものである請求項2記載の熱転写受像シート。
- 熱転写受像シートの受像面に画像形成後、画像形成面に保護層を転写してなる請求項1〜5のいずれか1つに記載の熱転写受像シート。
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JP2005085063A JP2006264087A (ja) | 2005-03-23 | 2005-03-23 | 熱転写受像シート |
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- 2005-03-23 JP JP2005085063A patent/JP2006264087A/ja active Pending
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