JP4493412B2 - Ndフィルタの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、NDフィルタの製造方法に関し、特にビデオカメラあるいはスチルビデオカメラ等の撮影系に使用するのに適したNDフィルタの製造方法に関するものである。
濃度が連続的に変化するND(Neutral Density)フィルタの用途としては、例えば、表示パネルの濃度分布を補正する補正板として使用されたり、顕微鏡等に光を供給する光量調整用のフィルタとして使用されたり、近年マイクロレンズアレイ作製用のフォトマスクに使用されたり等、多岐の分野におよんだ様々な用途を挙げる事ができる。しかし、従来の作製方法では、これらの仕様を満足する濃度特性をもつNDフィルタを作製することは著しく困難であった。また、NDフィルタに限らず、濃度が連続的に変化する各種薄膜を作製することも同様に困難であった。
以下に、従来例における光量絞りに用いられているNDフィルタについて説明する。
光量絞りは、銀塩フィルムあるいはCCD等への固体撮像素子へ入射する光量を制御するために設けられており、被写界が明るい場合により小さく絞り込まれる様になっている。
したがって、快晴時や高輝度の被写界を撮影すると絞りは小絞りとなり、絞りのハンチング現象や光の回折の影響も受け易く、像性能の劣化を生じる。
従来においては、これに対する対策として絞り羽根にフィルム状のNDフィルタを取りつけて、被写界の明るさが同一でも絞りの開口が大きくなる様な工夫がなされてきた。
近年においては、撮像素子の感度が向上するに従い、前記NDフィルタの濃度を濃くして、光の透過率をさらに低下させ、被写界の明るさが同一でも絞りの開口を大きくするような工夫がなされている。しかしながら、このようにNDフィルタの濃度が濃くなると、図12に示すような従来例のビデオカメラ等に使用される撮影光学系では、フィルムを通過した光aと通過しない光bの光量差が大きく異なり、画面内で明るさが異なる“シェーディング”現象が起き、解像度が低下してしまうという欠点が生じる。
因みに図12で6A、6B、6C、6Dは撮影光学系6を構成するレンズ、7は固体撮像素子で8はローパスフィルタである。また11から14は絞り装置で、11がNDフィルタ、12と13が対向的に移動する絞り羽根で、2枚の絞り羽根は略菱形の開口を形成する。NDフィルタは普通、絞り羽根に接着されている。14は絞り羽根支持板である。
以上のような“シェーディング”現象に基づく解像度の低下を解決するため、NDフィルタの濃度を光軸中心に向かって順次透過率が大となるような構造を取る必要があるが、従来においては、そのために以下に述べるような様々な工夫がなされてきている。
一般的にNDフィルタの作製方法としては、フィルム状をなす材料(セルロースアセテート、PET(ポリエチレンテレフタレート)、塩化ビニル等)中に光を吸収する有機色素または顔料を混ぜ、練り込むタイプのものと、前記材料に光を吸収する有機色素または顔料を塗布するタイプのものがある。これらの製造方法では、濃度が均一なフィルタは作製可能であるが、濃度が順次淡、若しくは順次濃と変化するタイプのフィルタ(グラデーションフィルタ)を作製する事は著しく困難である。
また、本発明者らは、特許文献1〜特許文献3等に開示されているようにマイクロ写真法による濃度が変化するタイプのフィルタの作製を提案している。当時のビデオカメラではこの方法により作製したNDフィルタで画質の向上が図られたが、近年のCCDの更なる高感度化、小型化、高画質対応により特に特殊条件での使用(例えば逆光下での小径絞り状態)において、銀塩粒子による光の散乱による影響により画質が劣化してしまうことがある。
また、特許文献4には、真空蒸着法により楕円形グラデーションフィルタの製造方法が開示されている。この方法では、微少領域(例えば3mmの範囲で透過率3%から80%までの変化等)での濃度変化ができない欠点がある。
また、上記高画質対応の対策として、単一濃度のNDフィルタを複数の絞り羽根に接着して、駆動させることにより、単一濃度フィルタでも複数重なった部分と重ならない部分とから、濃度変化させることは可能である。しかしながら、この方法ではNDフィルタの枚数が増えることによるコスト高になること、及び絞り羽根に複数枚NDフィルタが存在することにより厚くなってしまい、近年の小型・省スペース化に対応できない等の欠点がある。
さらに、近年、段階的な多濃度NDフィルタが使用され始めてきているが、異なる濃度の境界部分で重なったり隙間ができたりして光学特性が変化し、画質の劣化を引き起こすことがわかってきた。
このような現象の解決には、連続的に濃度を変化させたグラディエントなNDフィルタが必要である。そのため、本発明者らは特許文献5、特許文献6等において、真空蒸着法等を用い、基板に対しスリット型マスクを設け、スリット型マスクを該基板と一体的にドーム上を公転させ、成膜蒸着源と基板との位置関係から、該基板に蒸着させる蒸着粒子が該スリット型マスクを通過して基板に到達できたり、スリット型マスクに遮られ基板まで到達できなかったりすることで、グラデーション濃度分布を有するNDフィルタを製造する方法を提案している。
特許第2754518号公報 特許第2771078号公報 特許第2771084号公報 特開平11−38206号公報 特開2004−061900号公報 特開2004−061903号公報
上記特許文献5、特許文献6等によるNDフィルタの製造方法によれば、連続的に濃度を変化させたグラディエントなNDフィルタの作製が可能となる。しかしながら、これらの製造方法では、基板に設けたマスクを取り外したり、あるいは取り替える必要が生じた場合、成膜基板の枚数分のマスクを取り外したり、あるいは取り替えることが必要となり、そのため成膜そのものに時間を要し、量産性の面で必ずしも満足の行くものではなかった。
本発明はこのような課題に鑑み、グラデーション濃度分布を有するNDフィルタの製造において、量産性の向上を図ることが可能となるNDフィルタの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、以下のように構成したNDフィルタの製造方法を有するカメラを提供するものである。
すなわち、本発明のNDフィルタの製造方法は、回転機構を回転させ、該回転機構に取り付けられた複数の基板に、蒸着源から到達した成膜材を付着させ、少なくとも2種類以上の層からなる膜を積層してグラデーション濃度分布を有する膜を形成するNDフィルタの製造方法であって、
前記複数の基板と蒸着源との間に配置され、前記複数の基板に対応して設けられた複数のスリットを備えたマスク機構を前記回転機構に取り付けられた前記複数の基板との相対位置を初期状態から変えることなく、前記回転機構と共に同じ軸周りに回転させて、各基板上に最表層以外のグラデーション濃度分布を有する膜を成膜する第1工程と、
前記マスク機構を用いずに、前記最表層以外のグラデーション濃度分布を有する膜が成膜された前記各基板上に最表層の膜を成膜する第2工程とを有している
本発明によれば、グラデーション濃度分布を有するNDフィルタの製造において、量産性の向上を図ることが可能となるNDフィルタの製造方法を有するカメラを実現することができる。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本実施の形態に用いる真空蒸着機の構成を説明する図であり、(a)は真空蒸着機におけるチャンバー内の構成を示す簡易図、(b)は基板の拡大図である。
図1において101は蒸着傘であり、また、102は成膜を施す基板、103は蒸着源、104は実際に成膜を実施する基材、105は基材104を固定するための基板治具、106はマスク機構である。真空蒸着機においては蒸着傘101によって回転機構が構成され、蒸着傘101に成膜するための基板が取り付けられている。なお、本実施の形態において説明する基板102とは、図1(b)に示すように基板治具105に基材104がセットされた状態のものを意味している。
図2は図1(a)で示す蒸着傘を鳥観から垂直に見下ろした際の蒸着傘の鳥観図であり、図3は図2で示した蒸着傘と全く同様の外形をもった、図1(a)で示すマスク機構の鳥観図である。
また、図4は図2及び図3で示した蒸着傘とマスク機構を重ねた際の鳥観図であり、図5はマスク機構に設けたスリット形状を変えた際のマスク機構の例である。
ここでは、説明の簡略化のため、蒸着傘101とマスク機構106は全く同じ外形を持ち、図2、図3、図4で示す様に蒸着傘に備え付けられる各基板の位置と同じ位置に直線のスリットを設置可能な基板の数と同じだけ備えていることとして説明するが、実際は、マスク形状は直線だけに限らず、作製したい濃度分布によっては様々な形状が考えられ、また、その数も例えば、図5で示す様に設置可能な基板の数と異なる場合も十分に考えられる。同様に、マスク機構の外形や、マスク機構内でスリットが配置される位置なども様々な形態が考えられる。

つぎに、本実施の形態における成膜について説明する。
まず、従来例の真空蒸着法による成膜について説明すると、従来例においては、図1(a)の様にチャンバー内の基板は蒸着傘101に備え付けられ、この蒸着傘101と共に基板102が回転し成膜が行われる。その際、基板に所定間隔を置いて設けたマスクを取りつけ、このマスクを前記基板と一体的に蒸着傘101と共に回転させて成膜する構成が採られていた。
これに対して、本実施の形態では、図1に示すように、蒸着源側に、蒸着傘101を回転させる回転機構と同じ回転中心軸を有するスリットを備えたマスク機構106が設けられている。このマスク機構を前記蒸着傘の回転機構との相対位置を初期状態から変えることなく、蒸着傘の回転機構と共に回転させて成膜するように構成されている。その状態は模式的には図4及び図5のような構成として見ることができる。なお、図5はスリット形状を変えただけで、基本的には図4と同様である。
したがって、本実施の形態によるマスク機構によっても、蒸着源103と基板102との位置関係から、蒸着する蒸着粒子はマスク機構106を通過し基板102に到達できたり、マスク機構106に遮られ基板102まで到達できなかったりすることにより、上記従来例の基板にマスクを取りつけて成膜するものと同様に、グラデーション濃度分布を有するNDフィルタを製造することができる。図7に、本実施の形態によるマスク機構106を用いてシミュレーションした結果の膜厚分布の一例を示す。なお、図8は図7のパラメータとなっている基板上の位置Δxにおける、成膜側の位置関係を示す図である。
このように、本実施の形態のようなマスク機構によっても従来例のようなグラデーション濃度分布を有するNDフィルタを製造することができるが、従来例との基本的な違いは、従来例のものではマスクの取り外し等の必要が生じた場合、成膜基板に取り付けられたマスクを、逐一、成膜基板の枚数分を取り外すことが必要となるのに対して、本実施の形態においてはマスク機構ごと取り外すことによって対応することが可能なため、従来例のものに比して成膜そのものに時間を要することなく、量産化を図ることが可能となる。
ここで、本実施の形態で目指している濃度分布は、透過率が順次小、若しくは大になるようなグラデーション濃度分布である。この様な濃度分布は、グラデーション濃度分布を必要とする各種フィルタ等に関する用途を考慮すると、一般的な仕様であると考えられる。具体的には、例えば図9で示すような理想的グラデーション透過特性を持つ分布である。この仕様を満足するフィルタを作成するためには、図10で示すような理想的グラデーション濃度分布を得る必要がある。濃度と膜厚はリニアの関係にあるため、言い換えれば、図10で示すような膜厚分布を得る必要があると言える。
このような要請に応えるため、本実施の形態のマスク機構106を用いるに際しては、図6に示されるように、蒸着傘101とマスク機構との距離109、マスク機構106に設けられたスリットの幅108とを任意に制御することで、任意の膜厚分布、つまり任意の濃度分布を作製することが可能となる。すなわち、蒸着傘101を回転させる回転機構と同じ中心軸を有するスリットを備えたマスク機構106を回転させることで、蒸着する蒸着粒子がマスク機構106を通過し基板102に到達できたり、マスク機構106に遮られ基板102まで到達できなかったりすることにより、グラデーション濃度分布を有するNDフィルタを製造することができる。
また、成膜される膜の膜厚は基板の位置と蒸着源、及びマスク機構の幾何学的位置関係により決定されるため、蒸着源を固定し蒸着傘とマスク機構を回転させ成膜を実施することと、蒸着傘とマスク機構を固定し蒸着源を回転させ成膜を実施することとは、同様のことである。従って、蒸着傘とマスク機構を固定し蒸着源を制御することによっても、同様の結果を得ることができる。
以上、本実施の形態について説明してきたが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。特に、本実施の形態においては、NDフィルタに成膜を実施する方法として真空蒸着法を用いた場合を説明したが、本発明は真空蒸着法に限らずターゲットから基板に到達した遮光材を該基板に付着させるようにするスパッタリング法、あるいはスプレー法等も適用することができるものである。なお、これらの成膜法は一般的に知られているため、ここではその説明は省略する。
つぎに、本発明の実施例について説明する。
本実施例は、上記した本発明の構成及び実施の形態を、光量絞り用NDフィルタの作製方法に適用したものであり、これらを図を用いて説明する。
まず、材質厚75μmのプラスチック基材(以下、PET基材と記す)上に、真空蒸着法により図11に示す膜構成のうち第1層から最表層手前までを形成した。
マスク機構は図1(a)に示す様に、蒸着傘から蒸着源側にZ軸を平行移動した位置に配置した。
マスク機構の外形は、蒸着傘と同じものを使用し、マスク機構に設けたスリットの形状は図6で示す様に直線形を使用した。
また、スリット位置は、図2で示す様に蒸着傘とマスク機構を重ね合わせると成膜基板位置に重なる様に配置した。
また、膜生成法として、膜厚を比較的容易に制御でき、かつ可視域の波長域で散乱が非常に小さいことから、真空蒸着法を選択した。また、基材の材質としては、耐熱性(ガラス転移点Tg)が高く、可視域の波長域で透明性が高く、また吸水性が低いPETを選択した。
次にチャンバーからマスク機構を取り外し、最表層を光学膜厚n×d(nは屈折率dは機械膜厚)で1/4λ λ:540nmの条件により成膜した。この最表層の膜の屈折率nは可視域の波長域で1.5以下のものを選んだ。具体的にはMgFを使用した。ここで、本実施例ではチャンバー内からマスク機構を取り外す方法を採用したが、装置の構成上特に問題がない場合、例えばマスク機構を図1(a)で示すZ軸上を蒸着源側に平行移動して行き、蒸着源の位置よりもさらに低い位置、つまり、マスク機構により蒸着粒子が成膜基板に到達するのを遮蔽しない位置に移動させることによっても、同様の結果を得ることが可能である。
以上のように第1層から最表層まで成膜した後、110℃ 1時間 空気中で熱処理を行った。
110℃を選んだのは、100℃未満では環境安定性向上の効果が不十分であり、130℃を超えると基材の熱的劣化を生じて膜にクラックが発生する等問題が発生する。したがって、熱処理の温度は、110℃から130℃の間が適当である。
環境安定性を調べるため、前記プラスチックNDフィルタを60℃85%240時間の放置試験を行い、試験前後での透過率を測定すると、その差が0.2%以下とほとんど差は見られなかった。参考として、熱処理を行わないものを同様な環境試験を行い、試験前後での透過率を測定すると2%前後増加していた。
このような現象が起きる要因としては、真空蒸着時の基板温度が低いことあげられる。
膜の封止密度は成膜時の基板温度が大きく影響し、温度が低いと封止密度が低くなり、水分・酸素等を透過しやすく、そのため吸収膜であるTi自体の酸化が促進されること、及びそれを保護するAl膜等の誘電体膜の保護効果が少ないことの両方の影響から透過率が上昇するものと考えられる。熱処理を行うと環境安定性が向上するのは、“エージング効果”であると考えられる。
通常、ガラス基板を用いる場合、基板温度は200℃〜250℃、望ましくは300℃前後まで加熱して成膜する。
しかし、今回のように基板がプラスチックの場合、基板が熱収縮を起こさない温度で成膜する必要があり、その基板温度は150℃未満に制約される。
ここで、膜厚分布は図7のシミュレーションの結果とほぼ同等な結果が得られた。
但し、これは第1層から第8層までの分布である。最表層は一定膜厚である。
このように成膜されたNDフィルタが所定の形状に切り抜かれて羽根に接着されるまでの一例を示すと、図19(a)のようなパターンを作製して、略三角形の形状に切り抜き、その後、この略三角形状に切り抜かれたNDフィルタ1を絞り羽根2に貼って図20の状態になる。フィルタ1枚は図19(b)のようになっていて、0が端面部でそこからXまでが濃度変化領域である。XからXは最も濃い均一濃度が形成されている。XからXはフィルタを羽根に接着するための接着領域である。
この時の距離と膜厚の構成は、第1層から最表層手前までの8層の構成においては図13、第1層から第9層までの構成においては図14に示すようになった。
またこの時の距離と透過率は図15、距離と反射率の関係は図16に示すようになった。
さらに分光透過率は17図、分光反射率は図18に示すようになった。
以上のようなマスク機構を備えた構成を用いることで、透過率が順次小さくなり、あるいはは大となるグラデーション濃度分布を必要とする、各種フィルタ等の薄膜を作製する事が可能となり、特にマスクを用いてグラデーション濃度分布を実現する方法への適用により、量産性の大幅な向上を図ることが可能となる。また、本実施例によれば、各濃度において分光特性がフラットなグラデーションNDフィルタの作製が可能となり、グラデーションの変化に対する様々なニーズに対応できる。さらに、蒸着後に熱処理を行うことにより、環境安定性を向上させることが可能となる。
また、部分的に膜厚が変化する時に発生する、反射防止条件の変化による反射率増大も抑えられ、これらを用いることにより、光量の均一性の向上した高画質対応に応えられる絞り装置及び該絞り装置を備えたカメラを実現することができる。
本発明の実施の形態に用いる真空蒸着機の構成を説明する図であり、(a)は真空蒸着機におけるチャンバー内の簡易図、(b)は基板の拡大図である。 図1における蒸着傘の鳥観図である。 図1におけるマスク機構の鳥観図である。 本発明の実施の形態を説明する図であり、図2に示す蒸着傘と図3に示すマスク機構を重ね合わせた際の鳥観図である。 本発明の実施の形態を説明する図であり、マスク機構に設けたスリットの形状を変えた際のマスク機構の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態を説明する図であり、蒸着傘とマスク機構との距離、及びスリット幅を示す図である。 本実施の形態によるマスク機構を用いてシミュレーションした結果の膜厚分布の一例を示す図である。 本発明の実施の形態を説明する図であり、図7のパラメータとなっている基板上の位置Δxにおける、成膜側の位置関係を示す図である。 本発明の実施の形態を説明するための理想的グラデーション透過特性を持つ分布を示す図である。 本発明の実施の形態を説明するための理想的グラデーション濃度分布を示す図である。 本発明の実施例によって作製される蒸着NDフィルタの膜構成を示す図である。 従来例におけるビデオカメラに使用される撮影光学系を表した図である。。 本発明の実施例における距離と膜厚の関係(第1層から最表層手前までの8層の構成)を表わしたグラフである。 本発明の実施例における距離と膜厚の関係(第1層から第9層までの構成)を表わしたグラフである。 本発明の実施例における距離と透過率の関係を表わしたグラフである。 本発明の実施例における距離と反射率の関係を表わしたグラフである。 本発明の実施例における分光透過率を表わしたグラフ。 本発明の実施例における分光反射率を表わしたグラフである。 本発明の実施例のNDグラデーションフィルタを説明する図であり、(a)は蒸着後から抜き加工する状態の説明図、(b)は本発明の実施例により作製されたNDグラデーションフィルタの構成を示す図である。 本発明の実施例におけるNDフィルタが羽根に接着された状態を示す図である。
符号の説明
101:蒸着傘
102:基板
103:蒸着源
104:基材
105:基板治具
106:マスク機構
107:スリット
108:マスク機構に設けたスリットの幅
109:蒸着傘とマスク機構との距離

Claims (3)

  1. 回転機構を回転させ、該回転機構に取り付けられた複数の基板に、蒸着源から到達した成膜材を付着させ、少なくとも2種類以上の層からなる膜を積層してグラデーション濃度分布を有する膜を形成するNDフィルタの製造方法であって、
    前記複数の基板と蒸着源との間に配置され、前記複数の基板に対応して設けられた複数のスリットを備えたマスク機構を前記回転機構に取り付けられた前記複数の基板との相対位置を初期状態から変えることなく、前記回転機構と共に同じ軸周りに回転させて、各基板上に最表層以外のグラデーション濃度分布を有する膜を成膜する第1工程と、
    前記マスク機構を用いずに、前記最表層以外のグラデーション濃度分布を有する膜が成膜された前記各基板上に最表層の膜を成膜する第2工程とを有することを特徴とするNDフィルタの製造方法。
  2. 前記第1工程における成膜に際して、前記回転機構と前記マスク機構との距離、または前記マスク機構におけるスリットの幅を設定することを特徴とする請求項1に記載のNDフィルタの製造方法。
  3. 前記第2工程において前記最表層の膜を前記各基板上に成膜した後、100℃から130℃の温度で空気中で熱処理する工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のNDフィルタの製造方法
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