JP4407898B2 - Ndフィルタの製造方法、該ndフィルタを有する光量絞り装置及びカメラ - Google Patents

Ndフィルタの製造方法、該ndフィルタを有する光量絞り装置及びカメラ Download PDF

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Description

本発明は、NDフィルタの製造方法、該NDフィルタを有する光量絞り装置及びカメラに関し、特にビデオカメラあるいはスチルビデオカメラ等の撮影系に使用するのに適したグラデーション濃度分布を有するNDフィルタの製造方法、該NDフィルタを有する光量絞り装置及びカメラに関するものである。
濃度が連続的に変化するND(Neutral Density)フィルタの用途としては、例えば、表示パネルの濃度分布を補正する補正板として使用されたり、顕微鏡等に光を供給する光量調整用のフィルタとして使用されたり、近年マイクロレンズアレイ作製用のフォトマスクに使用されたり等、多岐の分野におよんだ様々な用途を挙げることができる。しかし、従来の作製方法では、これらの仕様を満足する濃度特性をもつNDフィルタを作製することは著しく困難であった。
このような光量絞りに用いられているNDフィルタの一例を、以下に説明する。光量絞りは、銀塩フィルムあるいはCCD等への固体撮像素子へ入射する光量を制御するために設けられており、被写界が明るい場合により小さく絞り込まれる様になっている。したがって、快晴時や高輝度の被写界を撮影すると絞りは小絞りとなり、絞りのハンチング現象や光の回折の影響も受け易く、像性能の劣化を生じる。そのための対策として、絞り羽根にフィルム状のNDフィルタを取りつけて被写界の明るさが同一でも絞りの開口が大きくなる様な工夫がされている。
近年、撮像素子の感度が向上するに従い、前記NDフィルタの濃度を濃くして、光の透過率をさらに低下させ、被写界の明るさが同一でも絞りの開口を大きくする様になっている。しかしながら、この様にNDフィルタの濃度が濃くなると、図17に示すような従来例におけるビデオカメラに使用される撮影光学系ではつぎのような欠点を生じる。例えば、図17に示すような状態で光がフィルムを通過した際、フィルムを通過した光aと通過しない光bの光量差が大きく異なり、画面内で明るさが異なる“シェーディング”現象が起きたり、解像度が低下してしまったりという欠点が生じる。この欠点を解決するためにNDフィルタの濃度を光軸中心に向かって順次透過率が大となる様な構造を取る必要が出てくる。因みに、図17で176A、176B、176C、176Dは撮影光学系176を構成するレンズ、177は固体撮像素子で178はローパスフィルタである。また、171はNDフィルタ、172と173は対向的に移動する絞り羽根で、2枚の絞り羽根は略菱形の開口を形成する。NDフィルタは普通、絞り羽根に接着されている。174は絞り羽根支持板である。絞り装置はこれらの171〜174の構成部材によって形成されている。
一般的にNDフィルタの作製方法としては、フィルム状をなす材料(セルロースアセテート、PET(ポリエチレンテレフタレート)、塩化ビニル等)中に光を吸収する有機色素または顔料を混ぜ、練り込むタイプのものと、前記材料に光を吸収する有機色素または顔料を塗布するタイプのものがある。これらの製造方法では、濃度が均一なフィルタは作製可能であるが、濃度が変化するタイプのフィルタ(グラデーションフィルタ)は作製が著しく困難である。
また、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されているようにマイクロ写真法による濃度が変化するタイプのフィルタの作製が提案されている。また、特許文献4には、真空蒸着法により楕円形グラデーションフィルタの製造方法が開示されている。
さらに、上記高画質対応の対策として、単一濃度のNDフィルタを複数の絞り羽根に接着して、駆動させることにより、単一濃度フィルタでも複数重なった部分と重ならない部分とから、濃度変化させる方法も考えられる。
特許第2754518号公報 特許第2771078号公報 特許第2771084号公報 特開平11−38206号公報
しかしながら、上記の特許文献1〜特許文献3のものが提案された当時のビデオカメラでは、これらの方法により作製したNDフィルタで画質の向上が図られたが、近年のCCDの更なる高感度化、小型化、高画質対応により特に特殊条件での使用(例えば逆光下での小径絞り状態)においては、銀塩粒子による光の散乱による影響により画質が劣化してしまうことがある。
また、上記の特許文献4のものにおいては、微少領域(例えば3mmの範囲で透過率3%から80%までの変化等)での濃度変化ができないという欠点がある。さらに、単一濃度のNDフィルタを複数の絞り羽根に接着して、駆動させる方法では、NDフィルタの枚数が増えることによるコストupになること、及び絞り羽根に複数枚NDフィルタが存在することにより厚くなってしまい、近年の小型・省スペース化に対応できない等の欠点がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決し、グラデーション濃度分布を形成するに際し、各濃度において透過率の分光特性がフラットなNDフィルタの製造方法、該NDフィルタを有する光量絞り装置及びカメラを提供することを目的とするものである。
本発明は、以下のように構成したNDフィルタの製造方法、該NDフィルタを有する光量絞り装置及びカメラを提供するものである。
すなわち、本発明のNDフィルタの製造方法は、回転機構により、基板に固定されたスリットマスクと蒸着源とのうちの一方を公転させ、他方を固定して、該基板上にグラデーション濃度分布を形成するNDフィルタの製造方法であって
記グラデーション濃度分布を形成する際、前記回転機構の単位時間当たりの角速度を変化させて、固定された前記他方を含む平面内であって前記回転機構の回転軸に直交する方向の速度成分が等速となるように、前記回転機構を制御する工程を有し、各濃度において透過率の分光特性がフラットとなる濃度分布を得ることを特徴としている。
また、本発明のNDフィルタの製造方法は、前記基板上に、少なくとも2種類以上の膜を成膜する構成を採ることができる。
また、本発明のNDフィルタの製造方法は、前記マスクを、最表層以外の膜の成膜時に用い、最表層の成膜時には該マスクを用いずに成膜する構成を採ることができる。
また、本発明のNDフィルタの製造方法は、前記基板に最表層まで成膜された後に、100℃から130℃の温度で、空気中で熱処理する構成を採ることができる。
また、本発明の光量絞り装置は、相対的に駆動されて絞り開口の大きさを可変する複数の絞り羽根と、該絞り羽根により形成された開口内の少なくとも一部に配置される光量調整のためのNDフィルタとを備えた光量絞り装置において、前記NDフィルタに、上記したいずれかに記載の製造方法によって製造されたNDフィルタを用いて構成されていることを特徴としている。
また、本発明のカメラは、光学系と、該光学系を通過する光量を制限する光量絞り装置を上記した光量絞り装置によって形成した構成と、該光学系によって形成される像を受ける固体撮像素子を有することを特徴としている。
本発明によれば、グラデーション濃度分布を形成するに際し、各濃度において透過率の分光特性がフラットなNDフィルタの作製が可能となり、グラデーションの変化に対する様々なニーズに対応できる。さらに、蒸着後に熱処理を行うことにより、環境安定性を向上できる。
また、部分的に膜厚が変化する時に発生する、反射防止条件の変化による反射率増大も抑えられ、これにより光量の均一性の向上した光量絞り装置及びそれによるカメラが得られ、高画質化への対応が可能となる。
以下、本発明における具体的な実施の形態について説明するが、本発明はこれらの具体的な形態に限定されるものではない。特に、以下においては、NDフィルタに成膜を実施する方法として真空蒸着法を用いた場合を説明しているが、スパッタリング法、インクジェットプリンティング法、スプレー法等においても同様な効果を得ることができ、このことは一般的に知られている事と推測されるため、記述を省略する。
図14(a)は真空蒸着機におけるチャンバー内の簡易図であり、3は成膜を施す基板、4は実際に成膜を実施する基材、5は基材4を固定する為の基板治具、15は蒸着傘、16は蒸着源である。また、本実施の形態として説明する基板3とは、図14(b)に示すように基板治具5に基材4がセットされた状態を示しているものとする。
本実施の形態で目的としている濃度分布は、透過率が順次小、若しくは大になるようなグラデーション濃度分布である。この様な濃度分布は、グラデーション濃度分布を必要とする各種フィルタ等の用途を考慮すると、一般的な仕様であると考えられる。具体的には、例えば図8(a)で示すような理想型グラデーションの透過特性を持つ分布である。この仕様を満足するフィルタを作成するためには、図8(b)で示すような濃度分布を得る必要がある。濃度と膜厚はリニアの関係にあるため、言い換えれば、図5で示すような理想型グラデーションの膜厚分布を得る必要があると言える。
また、成膜される膜の膜厚は基板の位置と蒸着源、及び基板に設けたスリットマスクの幾何学的位置関係により決定される。よって、蒸着傘を固定し蒸着源を回転させるのと、蒸着源を固定し蒸着傘を回転させるのとは、膜厚分布を考えた場合においては同様の事である。従ってここでは説明の簡略化の為、蒸着傘を固定し、蒸着源を回転させる事として以下に説明を続ける。
一般的に真空蒸着法においては、図14(a)に示すようにチャンバー内の基板は蒸着傘15に備え付けられ、この蒸着傘15と共に基板3が回転し成膜が行われる。この基板2の成膜側に、図15に示すような直線型のスリットマスク17を設けることにより、蒸着源16と基板3との位置関係から、蒸着する蒸着粒子はスリットマスクを通過し基板3に到達できたり、スリットマスク17に遮られ基板3まで到達できなかったりすることになる。その際、蒸着傘15の回転制御を、図3に示す様に回転角を等速で、つまり角速度を一定で制御するのが一般的であり、それによると図6に示すような膜厚分布を得ることとなる。この図6は実際に図15に示す形状のスリットマスクを用いて、角速度を一定にし、膜厚分布シミュレーションを実施した例を示す図である。図7は、図5及び図6のパラメータである基板上の位置Δxの説明図である。
図3はチャンバー内を鳥観から見た際(X−Y平面)の蒸着源の軌跡を表した図であり、図4はチャンバー内を断面から見た際(X−Z平面)のX軸上を移動する蒸着源の軌跡を表した模式図である。
蒸着源の回転角θを等速で制御した場合、図4で示す様なX−Z平面上で考えると、蒸着源はX軸上を図4に示す様に移動することになる。つまり、原点付近と、原点から最も離れた場所とでは、X軸上では単位時間Δt秒あたりに移動する距離が異なると言う事である。
この場合、原点付近での移動スピードが最も速くなる。言い換えれば、蒸着源が1周する間にX軸上の原点付近に留まっている時間が、割合的に最も短くなると言う事になる。従って、図2のように基板位置を配置し、基板上成膜側にマスクを設けた成膜方法で成膜を実施すると、膜厚分布に関して、蒸着源が原点から離れ±S0地点に近づくにつれ、成膜基板はマスクを設けた事による回り込みの影響を、より大きく受ける事になる。このことから、図6で示したシミュレーション結果のように角速度が一定であると、スリットマスクを用いた成膜の場合、膜厚分布の裾部分、つまり低濃度部が膨らんで立ち上がることになる。
以上のことを考慮し、本実施の形態では図1で示す様に回転角θを、X軸上を等速で移動するように制御する。このことにより、X軸上のどの位置においても、蒸着源が単位時間あたりにX軸上を移動する距離を等しくし、つまり、移動スピードをX軸上で均一にすることで、膜厚分布に関して、蒸着源がどの位置にあっても、成膜基板はマスクを設けたことによる回り込みの影響を均一に受けることになり、図6で示したような裾部分が膨らんで立ち上がるような膜厚分布ではなく、図8(a)で示すような理想型のグラデーション膜厚分布を得る事が可能となる。すなわち、これにより膜厚分布の裾部分、つまり低濃度部を、より直線に近づけることが可能となる。図5は角速度をX軸上のどの位置においても単位時間あたりに移動する距離を等しく制御した場合のシミュレーション結果であり、回転角制御以外の条件は全て図6と同様である。
このように、この回転角と、スリットマスクの幅18、基板とスリットマスクとの距離19とを制御することで、所望の膜厚分布、つまり所望の濃度分布を作製することが可能となる。
また、前記したとおり、成膜される膜の膜厚は、基板の位置と蒸着源、及び基板に設けたスリットマスクの幾何学的位置関係により決定されるため、ここでは簡略化のため、蒸着傘を固定し、蒸着源を制御したことと仮定して説明してきたが、実際の実施形態として、蒸着傘を固定し蒸着源を制御する構成を採ることも可能である。
グラデーション濃度勾配を持つフィルタに関する実施例及び比較例を、光量絞り用NDフィルタの作製において以下に説明する。
まず、材質厚75μmのPET基材上に、真空蒸着法により図16に示す膜構成のうち第1層から最表層手前までを形成した。
マスクの形状は、図15で示す様な直線のスリットマスクを使用した。
成膜基板は図2の位置から成膜を開始させた。
また、図1で示した蒸着源の角速度制御と同様に、蒸着傘の角速度は単位時間毎でX軸上を等速で移動するように制御した。
また、膜生成法として、膜厚を比較的容易に制御でき、かつ可視域の波長域で散乱が非常に小さいことから、真空蒸着法を選択した。
また、基材の材質としては、耐熱性(ガラス転移点Tg)が高く、可視域の波長域で透明性が高く、また吸水率が低い、PETを選択した。
次にスリットマスクを外し、最表層を光学膜厚n×d(nは屈折率、dは機械膜厚)で1/4λ λ:540nm成膜した。この最表層の膜の屈折率nは可視域の波長域で1.5以下のものを選んだ。具体的にはMgF2を使用した
ここで、第1層から最表層まで、図15で示す様な直線のスリットマスクを用い、全層を膜厚変化させ成膜すると、反射防止条件が合わなくなり、反射率の上昇が起き、画質上では“ゴースト現象”や“フレア現象”が発生してしまう。この事を考慮し、最表層ではスリットマスクを外し基板全面の膜厚が等しくなる様に成膜した。
以上の様に、第1層から最表層まで成膜した後、110℃の温度で1時間、空気中で熱処理を行った。110℃を選んだのは、100℃未満では環境安定性の効果が不十分であり、130℃を超えると基材の熱的劣化を生じて膜にクラックが発生する等問題が発生する。したがって、熱処理の温度は、110℃から130℃の間が適当である。
環境安定性を調べるため、前記プラスチックNDフィルタを60℃85%240時間の放置試験を行い、試験前後での透過率を測定すると、その差が0.2%以下とほとんど差は見られなかった。参考として、熱処理を行わないものを同様な環境試験を行い、試験前後での透過率を測定すると2%前後増加していた。
このような現象が起きる要因としては、真空蒸着時の基板温度が低いことがあげられる。
膜の封止密度は成膜時の基板温度が大きく影響し、温度が低いと封止密度が低くなり、水分・酸素等を透過しやすく、そのため吸収膜であるTixy自体の酸化が促進されること、及びそれを保護するAl23膜等の誘電体膜の保護効果が少ないことの両方の影響から透過率が上昇するものと考えられる。熱処理を行うと環境安定性が向上するのは、“エージング効果”であると考えられる。
通常、ガラス基板を用いる場合、基板温度は200℃〜250℃、望ましくは300℃前後まで加熱して成膜する。
しかし、今回のように基板がプラスチックの場合、基板が熱収縮を起こさない温度で成膜する必要があり、その基板温度は150℃未満に制約される。
膜厚分布は図5に示す様にシミュレーションの結果とほぼ同等な結果が得られた。
但し第1層から第8層までの分布である。最表層は一定膜厚である。
一例を示すと、図12(a)のようなパターンを作製して、図12(b)に示す略三角形の形状に切りぬき、その後羽根に貼って図13の状態になる。フィルタ1枚は図12(b)のようになっていて、0が端面部でそこからX123までが濃度変化領域である。X3からX4は最も濃い均一濃度が形成されている。X4からX5はフィルタを羽根に接着するための接着領域である。
この時の距離と膜厚の構成は、図9、図10に示すようになった。
(比較例)
実施例1と同様に、まず材質厚75μmのPET基材上に、真空蒸着法により図16に示す膜構成のうち第1層から最表層手前までを形成した。
最表層は光学膜厚n×d(nは、屈折率dは機械膜厚)で1/4λ λ:540nm成膜した。この最表層の膜の屈折率nは可視域の波長域で1.5以下のものを選んだ。具体的にはMgF2を使用した。
マスクの形状は、図15で示す様な直線のスリットマスクを使用した。
成膜基板は図2の位置から成膜を開始させた。
また、図3および図4で示した蒸着源の角速度制御と同様に、蒸着傘の角速度は等速で制御した。
また、膜生成法として、膜厚を比較的容易に制御でき、かつ可視域の波長域で散乱が非常に小さいことから、真空蒸着法を選択した。
また、基材の材質は、耐熱性(ガラス転移点Tg)が高く、可視域の波長域で透明性が高く、また吸水率が低い、PETを選択した。
次にスリットマスクを外し、最表層を光学膜厚n×d(nは屈折率、dは機械膜厚)で1/4λ λ:540nm成膜した。この最表層の膜の屈折率nは可視域の波長域で1.5以下のものを選んだ。具体的にはMgF2を使用した。
ここで、第1層から最表層まで、図15で示す様な直線のスリットマスクを用い、全層を膜厚変化させ成膜すると、反射防止条件が合わなくなり、反射率の上昇が起き、画質上では“ゴースト現象”や“フレア現象”が発生してしまう。この事を考慮し、最表層ではスリットマスクを外し基板全面の膜厚が等しくなる様に成膜した。
以上の様に、第1層から最表層まで成膜した後、110℃の温度で1時間、空気中で熱処理を行った。110℃を選んだ理由は実施例と同様である。
また、環境安定性を調べるため、上記実施例と同様に、前記プラスチックNDフィルタを60℃85%240時間の放置試験を行ったところ、上記実施例と同様の結果が得られた。
膜厚分布は図6示すシミュレーションの結果とほぼ同等な結果が得られた。但し第1層から第8層までの分布である。最表層は一定膜厚である。
一例を示すと、図12(a)のようなパターンを作製して、図12(b)に示す略三角形の形状に切りぬき、その後羽根に貼って図13の状態になる。フィルタ1枚は図12(b)のようになっていて、0が端面部でそこからX123までが濃度変化領域である。X3からX4は最も濃い均一濃度が形成されている。X4からX5はフィルタを羽根に接着するための接着領域である。
この時の距離と膜厚の構成は、図10、図11に示すようになった。
このように、角速度を等速で制御すると、実施例および比較例で示した条件で成膜した場合、膜厚分布、つまり濃度分布の低濃度部が膨らんで立ち上がってしまい、図8(b)で示すような、一般的に理想とされるグラデーション濃度分布を得る事はできない。
本発明の実施の形態における蒸発源をX軸上で等速に制御した場合の蒸発源の軌跡(X−Z平面)を示す図。 本発明の実施の形態を説明するための図5、6におけるシミュレーション上でのX−Y平面上の基板位置。 角速度を一定で制御した場合の蒸発源の軌跡(X−Y平面)を説明する図。 角速度を一定で制御した場合の蒸発源の軌跡(X−Z平面)を説明する図。 X軸座標の移動速度を一定にした時の膜厚分布シミュレーション例。 角速度を一定にした時の膜厚分布シミュレーション例。 本発明の実施の形態を説明するための基板上の位置Δxの説明図。 (a)は理想型グラデーションの透過特性例を示す図であり、(b)は理想型グラデーションの濃度分布例を示す図。 本発明の実施例の第1層から最表層手前までにおける距離と膜厚の関係を表わしたグラフ。 本発明の実施例と比較例の第9層における距離と膜厚の関係を表わしたグラフ。 比較例における第1層から最表層手前までにおける距離と膜厚の関係を表わしたグラフ。 本発明の実施例におけるフィルタ製造の際のプレス抜き状態を説明する図であり、(a)は略三角形状の切りぬきパターンを示す図、(b)は切りぬかれた略三角形状のNDフィルタの構成を示す図。 本発明の実施の形態により作製されたグラデーションNDフィルタを絞り羽根に取り付けた状態を示す斜視図。 本発明の実施の形態における真空蒸着法によるNDフィルタの製造方法を説明するための図であり、(a)は真空蒸着機におけるチャンバー内の構成図、(b)は基板の拡大図。 本発明の実施の形態及び実施例においてNDグラデーションフィルタを作製する際に用いるスリットマスクの構成を示す図。 本発明の実施例におけるNDグラデーションフィルタの薄膜の積層構成を示す図。 従来例におけるビデオカメラに使用される撮影光学系の構成を示す図。
符号の説明
1:NDフィルタ
2:絞り羽根
3:基板
4:基材
5:基板治具
176A、176B、176C、176D:撮影光学系を構成するレンズ
177:固体撮像素子
178:ローパスフィルタ
171:NDフィルタ
172、173:絞り羽根
174:絞り羽根支持板
15:蒸着傘
16:蒸着源
17:スリットマスク
18:スリットマスクの幅
19:基板とスリットマスクとの距離
20:蒸着源の軌跡

Claims (6)

  1. 回転機構により、基板に固定されたスリットマスクと蒸着源とのうちの一方を公転させ、他方を固定して、該基板上にグラデーション濃度分布を形成するNDフィルタの製造方法であって
    記グラデーション濃度分布を形成する際、前記回転機構の単位時間当たりの角速度を変化させて、固定された前記他方を含む平面内であって前記回転機構の回転軸に直交する方向の速度成分が等速となるように、前記回転機構を制御する工程を有し、各濃度において透過率の分光特性がフラットとなる濃度分布を得ることを特徴とするNDフィルタの製造方法。
  2. 前記基板上に、少なくとも2種類以上の膜を成膜することを特徴とする請求項1に記載のNDフィルタの製造方法。
  3. 前記マスクは、最表層以外の膜の成膜時に用いられ、最表層の成膜時には該マスクを用いずに成膜することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のNDフィルタの製造方法。
  4. 前記基板に最表層まで成膜された後に、100℃から130℃の温度で、空気中で熱処理することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のNDフィルタの製造方法。
  5. 相対的に駆動されて絞り開口の大きさを可変する複数の絞り羽根と、該絞り羽根により形成された開口内の少なくとも一部に配置される光量調整のためのNDフィルタとを備えた光量絞り装置において、
    前記NDフィルタが、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたNDフィルタによって構成されていることを特徴とする光量絞り装置。
  6. 光学系と、該光学系を通過する光量を制限する請求項5に記載の光量絞り装置と、該光学系によって形成される像を受ける固体撮像素子を有することを特徴とするカメラ。
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