JP4493303B2 - 液圧式バイス - Google Patents

液圧式バイス Download PDF

Info

Publication number
JP4493303B2
JP4493303B2 JP2003291983A JP2003291983A JP4493303B2 JP 4493303 B2 JP4493303 B2 JP 4493303B2 JP 2003291983 A JP2003291983 A JP 2003291983A JP 2003291983 A JP2003291983 A JP 2003291983A JP 4493303 B2 JP4493303 B2 JP 4493303B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic
rotating shaft
spindle
piston
movable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003291983A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005103646A (ja
Inventor
正一 酒井
武男 林
Original Assignee
株式会社ナベヤ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ナベヤ filed Critical 株式会社ナベヤ
Priority to JP2003291983A priority Critical patent/JP4493303B2/ja
Publication of JP2005103646A publication Critical patent/JP2005103646A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4493303B2 publication Critical patent/JP4493303B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Jigs For Machine Tools (AREA)
  • Gripping Jigs, Holding Jigs, And Positioning Jigs (AREA)

Description

本発明は、液圧式バイスに係り、特に、ねじ機構と液圧式の倍力機構との協働作用により、可動部と固定部との間で被加工物をより強固にクランプし得るよう構成した液圧式バイスの改良された構造に関するものである。
従来より、比較的に小物の物品(被加工物)を加工する際等には、かかる被加工物をクランプして、固定するための装置として、バイス(万力装置)が、用いられてきている。また、よく知られているように、このバイスには、様々な構造のものがあり、その中から、固定されるべき被加工物の形状や大きさ、或いは被加工物の加工に使用される工作機械の種類等に応じて、適当な構造のものが適宜に選択されて、使用されている。
そして、そのようなバイスの一種として、位置固定の固定部と、かかる固定部に接近/離隔移動可能に配置された可動部とを有し、ねじ機構と液圧式の倍力機構との協働作用により、可動部と固定部との間で被加工物をより強固にクランプし得るよう構成した、所謂液圧式バイスが、知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
すなわち、かかる液圧式バイスにあっては、可動部の移動方向に延びるスピンドルが、可動部に螺合された状態で、回転可能に配置されると共に、このスピンドルに対して、その軸心回りに回転せしめられる連結機構が、スピンドルとは相対回転不能に連結されている。また、この連結機構には、外部から回転操作される回転軸が、ねじ機構を介して同軸的に連結されて、連結機構に対する相対的回転によって、連結機構に対して軸方向に相対移動せしめられるようになっており、更に、それら連結機構と回転軸の間には、所定のクラッチ機構が介在せしめられている。このクラッチ機構は、可動部において、固定部との間で被加工物をクランプするクランプ力が生じていないときには、連結機構と回転軸とを一体回転せしめて、該回転軸の回転力を前記スピンドルに伝達せしめる一方、かかるクランプ力が発生したときに、連結機構と回転軸との一体回転を解除するように構成されている。
そして、このバイスには、作動液が封入された液圧室と、回転軸の連結機構に対する相対回転に伴う軸方向への相対移動により、回転軸に押圧されて、液圧室内に突入せしめられるピストン部材とを有し、かかるピストン部材の突入移動により液圧室内で生ずる液圧に基づいて、可動部を固定部側に向かって押圧する液圧式倍力機構が、更に設けられている。
かくして、かくの如き構造を有する従来の液圧式バイスにあっては、回転軸の外部からの回転操作に伴うスピンドルの回転により、可動部が固定部に接近移動せしめられることによって、それら可動部と固定部との間で被加工物がクランプされるようになっており、また、そのような被加工物のクランプ状態において、回転軸が更に回転操作されることにより液圧式倍力機構が作動せしめられて、被加工物に対するクランプ力が増大され、以て、被加工物が、より強固にクランプされて、固定され得るようになっているのである。
ところで、このような液圧式バイスにおいては、液圧式倍力機構における液圧室内の作動液の外部への漏出しや持出しを皆無にすることが不可能であり、そのような作動液の漏出しや持出し等によって液圧室内の作動液の量が減少せしめられると、かかる液圧室内へのピストン部材の突入により生ずる液圧が小さくなって、そのような液圧に基づいて可動部を固定部側に押圧する押圧量が不可避的に減少せしめられる。そして、そうなった場合には、液圧式倍力機構の作動によって発生せしめられる被加工物に対するクランプ力の増大量も小さくなってしまい、その結果、被加工物を所期のクランプ力にて強固にクランプすることが出来なくなってしまうといった不具合が生ずることとなる。
このため、従来の液圧式バイスでは、クランプ力の低下が認められた際に、液圧式倍力機構の液圧室内に作動液を補給するメンテナンス作業が実施されているのであるが、そのようなメンテナンス作業には、非常に面倒で、しかも時間の掛かる液圧式倍力機構の分解操作や、未経験者では困難な技術が必要とされる液圧式倍力機構のエア抜きや油量調整のための操作が含まれており、それが、使用者にとって、極めて大きな負担となっていたのである。
特開平6−285732号公報 特公昭63−41711号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、ねじ機構と液圧式の倍力機構との協働作用により、可動部と固定部との間で被加工物をより強固にクランプし得るよう構成した液圧式バイスにおいて、被加工物に対する所期のクランプ力を維持するためのメンテナンス作業が、未経験者でも極めて簡単に且つ短時間に行われ得るように改良された構造を提供することにある。
そして、本発明にあっては、かかる課題を解決するために、その第一の態様とするところは、位置固定の固定部と、該固定部に対して接近/離隔移動可能に配置されて、該固定部への接近移動により、該固定部との間で所定の被加工物をクランプする可動部と、該可動部に螺合された状態で、該可動部の移動方向に延出するように配置されて、回転により該可動部を移動させるスピンドルと、該スピンドルに対して、該スピンドルの軸心回りに回転可能に且つ該スピンドルとは相対回転不能に連結された連結機構と、該連結機構にねじ機構を介して同軸的に連結され、該連結機構に対する相対的回転によって、該連結機構に対して軸方向に相対移動可能とされた、外部から回転操作される回転軸と、前記可動部において、前記固定部との間で前記被加工物をクランプするクランプ力が生じていないときには、前記連結機構と該回転軸とを一体回転せしめて、該回転軸の回転力を前記スピンドルに伝達せしめる一方、かかるクランプ力が発生したときに、該連結機構と該回転軸との一体回転を解除するクラッチ手段と、作動液が封入された液圧室、及び前記回転軸の前記連結機構に対する相対回転に伴う軸方向への相対移動により、該回転軸に押圧されて、該液圧室内に突入せしめられるピストン部材を有し、かかるピストン部材の突入移動により液圧室内で生ずる液圧に基づいて、前記可動を前記固定部側に向かって移動させる作用力を発揮する液圧式倍力機構とを含み、前記回転軸の回転操作に伴う前記スピンドルの回転により、前記可動部を前記固定部に接近移動させて、それら可動部と固定部との間で前記被加工物をクランプすると共に、かかる被加工物のクランプ状態から、該回転軸が更に回転操作されたときに、前記液圧式倍力機構を作動せしめて、該被加工物に対するクランプ力を増大し得るように構成した液圧式バイスにおいて、前記回転軸に、前記ピストン部材を押圧する押圧部材を軸方向に移動可能に設けると共に、該押圧部材の該ピストン部材側とは反対側方向への移動を任意の位置において規制する規制手段を設けて、該押圧部材の該ピストン部材に対する押圧面の軸方向における位置を可変とすることにより、該ピストン部材の前記液圧室内への突入量を調節し得るように構成したことを特徴とする液圧式バイスにある。
また、本発明に従う液圧式バイスの有利な第二の態様においては、前記回転軸に、その軸方向に延びる貫通孔が設けられて、該貫通孔内における該回転軸の前記ピストン部材側に、前記押圧部材が軸方向に移動可能に挿入される一方、該貫通孔における該押圧部材の挿入側とは反対側の内周面に雌ねじ部が設けられると共に、該雌ねじ部に螺合され、且つその螺合位置が変化せしめられることにより、前記押圧部材の前記ピストン部材側とは反対側方向への移動を任意の位置で規制する雄ねじ部材が設けられて、それら雄ねじ部材と雌ねじ部とにて、前記規制手段が構成されることとなる。
そして、かかる本発明に従う液圧式バイスの第一の態様によれば、回転軸に設けられた押圧部材の規制手段によるピストン部材側とは反対側方向への移動の規制位置をピストン部材側に変化させることで、押圧部材のピストン部材に対する押圧面の軸方向位置をピストン部材側に変位せしめることが出来、それによって、回転軸の連結機構に対する相対回転に伴う軸方向への相対移動によりピストン部材が回転軸に押圧された際に液圧室内に突入せしめられるピストン部材の液圧室内への突入量を、押圧部材における押圧面のピストン部材側への変位量に応じた分だけ、確実に増大せしめることが出来る。
それ故、このような本発明に従う液圧式バイスにおいては、例えば、液圧式倍力機構における液圧室内の作動液の外部への漏出しや持出し等により、液圧室内の作動液の量が減少せしめられた場合に、面倒で且つ所要時間の長い液圧式倍力機構の分解操作や、未経験者では困難な技術が必要とされる液圧式倍力機構のエア抜きや油量調整のための操作を含む液圧室内への作動液の補給作業を何等行うことなく、単に、規制手段を操作して、押圧部材の押圧面の軸方向位置をピストン部材側に変位せしめることにより、ピストン部材の液圧室内の突入量を増大せしめるだけで、液圧室内へのピストン部材の突入により生ずる液圧の低下と、そのような液圧の低下に起因する可動部の固定部側への押圧量の減少とを、共に有利に防止することが可能となる。
従って、かくの如き本発明に従う液圧式バイスにあっては、被加工物に対する所期のクランプ力を維持するためのメンテナンス作業が、未経験者でも極めて簡単に且つ短時間に行われ得るのであり、その結果として、使用性の向上が、極めて効果的に図られ得ることとなるのである。
また、本発明に従う液圧式バイスの第二の態様によれば、単に、雄ねじ部材に対する締緩操作を行って、雄ねじ部材の雌ねじ部に対する螺合位置を変えるだけで、押圧部材のピストン部材側とは反対側方向への移動の規制位置や押圧部材のピストン部材に対する押圧面の軸方向位置を、ピストン部材側に容易に変化させることが出来、それによって、ピストン部材の液圧室内への突入量を簡単に且つ確実に増大せしめることが可能となる。
従って、かかる本発明に従う液圧式バイスにあっては、液圧室内の作動液の量が減少せしめられたときに、雄ねじ部材を締緩せしめるだけの極めて単純な作業を行うことによって、液圧室内へのピストン部材の突入により生ずる液圧の低下と、そのような液圧の低下に起因する可動部の固定部側への押圧量の減少と効果的に防止され得、以て、被加工物に対する所期のクランプ力を維持するためのメンテナンス作業が、更に一層容易に且つ迅速に行われ得るのである。
以下、本発明をより具体的に明らかにするために、本発明に係る液圧式バイスの構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1及び図2には、本発明に従う液圧式バイスの一実施形態としての液圧式横型バイスが、その上面形態と縦断面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それらの図において、10は、水平方向に長手状をなすベースであり、その上部部位には、所定の間隙12を隔てて、ベース10の長手方向に沿って互いに平行に延びる二つの案内レール14,14が、一体的に形成されている。また、それら二つの案内レール14,14の延出方向の一端側となるベース10の長手方向の一端部には、ブロック形態を呈する固定ジョー16が位置固定に設けられており、更に、二つの案内レール14,14上には、可動ジョー18が、それら二つの案内レール14,14に跨った状態で、固定ジョー16に対向配置されている。なお、ここからは、本実施形態の液圧式バイスの構造の理解を容易と為すために、ベース10における固定ジョー16の配置側を前部側(図1及び図2中、左側)可動ジョー18の配置側を後部側(図1及び図2中、右側)と称し、また、それら固定ジョー16と可動ジョー18の対向方向(図1及び図2中、左右方向)を前後方向と称することとする。
それら固定ジョー16と可動ジョー18とが上面に設置される二つの案内レール14,14間に設けられた間隙12内には、内孔が雌ねじ孔20とされた厚肉筒状の雌ねじ部材22が位置せしめられており、また、この雌ねじ部材22が、公知の構造により、可動ジョー18に対して、一体移動可能な状態で、一体的に組み付けられている。即ち、ここでは、可動ジョー18と雌ねじ部材22とが、例えば、特公昭63−41711号公報に記載される如き構造を有する浮上防止機構を介して、一体的に組み付けられており、以て、後述する如く、可動ジョー18と固定ジョー16との間で被加工物がクランプされた状態下での可動ジョー18の浮き上がりが防止され得るようになっている。
また、二つの案内レール14,14の間隙12内には、スピンドル24が、前後方向に延びるように配置されており、可動ジョー18に対して一体的に組み付けられた雌ねじ部材22の雌ねじ孔20内に挿入されている。そして、このスピンドル24は、その外周面に設けられた雄ねじ部26において、雌ねじ孔20に螺合されている。かくして、ここでは、スピンドル24の回転により、可動ジョー18が前進/後退せしめられて、固定ジョー16に対して接近/離隔移動せしめられるようになっているのである。このことから明らかなように、本実施形態では、固定ジョー16にて、固定部が構成されており、また、可動ジョー18と雌ねじ部材22とにて、可動部が構成されている。なお、スピンドル24は、前後方向に移動可能とされている。
さらに、そのようなスピンドル24の中心部には、スピンドル24を軸方向に貫通して、前後方向に延びる挿入孔28が、設けられており、また、この挿入孔28は、前後方向にそれぞれ開口する両側開口部が、それらの開口部を除く中間部分よりも大径となる段付形状とされている。そして、かかる挿入孔28における両側開口部の軸方向中間部内周面には、雌ねじが、それぞれ刻設されている一方、それら両側開口部を除く中間部分には、かかる中間部分よりも長さの短いプッシュロッド30が、前後方向(軸方向)に移動可能に挿入位置せしめられている。
また、かかるスピンドル24の後方に位置するベース10の後端部には、片側有底の円筒体31が、配置されている。この円筒体31は、図3から明らかなように、軸方向に並んで位置せしめられた第一円筒部材32と第二円筒部材34とを有しており、第一円筒部材32が、軸方向の一方側が小径筒部36とされる一方、その他方側が大径筒部38とされた、全体として、段付の円筒形状を呈している。また、この第一円筒部材32においては、小径筒部36の先端部外周面に、前記スピンドル24の挿入孔28における後方側開口部の内周面に設けられた雌ねじに螺合可能な雄ねじが刻設されており、更に、大径筒部38の先端部内周面には、雌ねじが設けられている。
一方、第二円筒部材34は、軸方向の一方側に一体的に設けられた底部と、軸方向に同一の内径をもって延びる内周面と、開口側部分が底部側部分よりも所定寸法小径化されてなる段付の外周面とを有する片側有底の段付円筒形状を呈している。また、かかる第二円筒部材34においては、小径化された開口側部分の外周面に、第一円筒部材32の大径筒部38の先端部内周面に設けられた雌ねじに螺合可能な雄ねじが刻設されていると共に、底部の中心部には、円形の中心孔40が設けられている。更に、この第二円筒部材34の内周面には、その略全面に、雌ねじ部42が、形成されている。
そして、かかる第二円筒部材34の小径部分の雄ねじが、第一円筒部材32における大径筒部38の雌ねじに螺合せしめられていると共に、第一円筒部材32の大径筒部38における第二円筒部材34との螺合部分に、止めねじ43が、先端部において、第二円筒部材34の外周面に接触する位置までねじ込まれており、これによって、それら第一円筒部材32と第二円筒部材とが、相対回転不能な状態で一体的に組み付けられて、円筒体31が、構成されている。
而して、そのような円筒体31が、ベース10の後端部に設けられた透孔41に挿通せしめられて、第一円筒部材32の大径筒部38の一部と小径筒部36とを前記一対の案内レール14,14の間隙12内に位置せしめた状態で、ベース10の後端部に対して、軸心回りに回転可能に、且つ前後方向に移動可能に支持されている。また、かかる円筒体31にあっては、ベース10に支持された状態下において、第一円筒部材32の小径筒部36が、一対の案内レール14,14の間隙12内を前後方向に延出して配置されたスピンドル24の挿入孔28における後方側開口部に突入せしめられて、かかる小径筒部36の雄ねじが、該挿入孔28における後方開口部の内周面に設けられた雌ねじに螺合されており、また、スピンドル24の後端部にねじ込まれた止めねじ43の先端部が、第一円筒部材32の小径筒部36の外周面に接触せしめられている。これによって、円筒体31が、スピンドル24の後端部に対して、その同軸状において、軸心回りに回転可能に且つスピンドル24とは相対回転不能に連結されており、また、スピンドル24の前後方向への移動に伴って、それと一体移動せしめられ得るようになっている。このことから明らかなように、本実施形態では、円筒体31にて、連結機構が構成されている。
また、そのような円筒体31の内部には、回転軸44が、回転可能に挿入されている。この回転軸44は、軸方向の一端部が他端部よりも所定寸法大径化されてなる段付の円柱形状を呈しており、その大径部45の端面に、図示しないハンドルの六角状の先端部分が挿入される六角穴46が所定深さで設けられている。また、かかる回転軸44における大径部45の外周面の小径部47側には、円筒体31における前記第二円筒部材34の内周面に設けられた雌ねじ部42に螺合可能な雄ねじ部48が、形成されている。
そして、このような回転軸44が、円筒体31における第二円筒部材34の中心孔40を通じて、円筒体31内に同軸的に挿入されて、小径部47の全体を円筒体31の第一円筒部材32内に収容位置せしめる一方、大径部45の六角穴46形成側の後端部を円筒体31内から後方に突出させた状態で配置されている。また、かかる回転軸44にあっては、円筒体31内への配置状態下で、大径部45の外周面に設けられた雄ねじ部48が、円筒体31における第二円筒部材34の内周面に形成された雌ねじ部42に螺合せしめられることにより、雄ねじ部48と雌ねじ部42とからなるねじ機構を介して、円筒体31に対して同軸的に連結されている。
かくして、回転軸44が、六角穴46内に挿入される図示しないハンドルの回転により、外部から回転操作されるようになっており、また、そのような外部からの回転操作によって、回転軸44が、円筒体31に対して相対回転せしめられたときに、雄ねじ部48と雌ねじ部42とからなるねじ機構の送り作用により、円筒体31に対して前後方向に相対移動せしめられるようになっている。
さらに、かかる回転軸44にあっては、小径部47における大径部45側の端部に、略厚肉円環板形状を呈する摺動リング50が、回転軸44に対して相対回転不能に、且つ小径部47の外周面に対して摺動しつつ、前後方向に移動可能に外挿されている一方、小径部47における大径部45側とは反対側の端部には、薄肉円環板状の固定リング52が、移動不能に外挿固定されている。そして、それら摺動リング50と固定リング52との間には、圧縮コイルばね54が、予備圧縮されて、軸方向の両端部が、摺動リング50と固定リング52のそれぞれの対向面に係止された状態で、回転軸44の小径部47に外挿されて、配置されており、これによって、摺動リング50が、圧縮コイルばね54の付勢力にて後方に向かって付勢された状態で、円筒体31の第二円筒部材34の開口側端面に当接せしめられている。
さらに、かかる第二円筒部材34の開口側端面に対する摺動リング50の当接面には、二つの爪部56,56が、互いに180°の位相差をもって、一体的に突設されている。これら各爪部56にあっては、特開平6−285732号公報の図4に示されるものと同様に、周方向に対向する側面のうち、回転軸44の雄ねじ部48を第二円筒部材34の雌ねじ部42に締め付ける右方向(時計回りの方向)への回転軸44の回転方向の前方側に位置する側面が係合傾斜面(図示せず)とされてなる、全体として、台形状を有して、構成されている。
一方、摺動リング50に当接する第二円筒部材34の開口側端面には、かかる摺動リング50の各爪部56の係合傾斜面が係合する被係合傾斜面(図示せず)を備えた、各爪部56に対応した形状の係合凹所62,62が、各爪部56の形成位置に対応した位置に設けられている。そして、摺動リング50が、第二円筒部材34の開口側端面に対して、前記圧縮コイルばね54の付勢力により付勢されて、当接せしめられた状態下で、摺動リング50の各爪部56が、そのような各係合凹62内にそれぞれ嵌入して、各爪部56の係合傾斜面が、各係合凹所62の被係合傾斜面に係合せしめられている。
これによって、各爪部56と各係合凹所62との間に、圧縮コイルばね54の付勢力に基づく摩擦力が生ぜしめられるようになっている。そして、回転軸44に対する外部からの回転操作によって、回転軸44が、各爪部56と各係合凹所62との間に生ずる摩擦力よりも小さな回転力をもって回転せしめられる際には、各爪部56の係合傾斜面と各係合凹所62の被係合傾斜面との係合状態が維持されて、かかる回転軸44の回転力が、摺動リング50を介して、円筒体31と前記スピンドル24に伝達され、以て、それら回転軸44と円筒体31とスピンドル24とが、一体回転せしめられるようになっている。
一方、前記摩擦力よりも大きな回転力をもって、回転軸44が回転せしめられる場合には、各爪部56が各係合凹所62内から離脱せしめられ、各爪部56の係合傾斜面と各係合凹所62の被係合傾斜面との係合状態が解消されて、回転軸44の回転力が、円筒体31とスピンドル24に対して、最早、伝達不能となり、それによって、回転軸44が、円筒体31やスピンドル24とは独立して、それらに対して相対回転せしめられるようになっている。また、このような回転軸44の円筒体31やスピンドル24に対する相対的回転時には、前述せる如く、回転軸44の雄ねじ部48と円筒体31(第二円筒部材34)の雌ねじ部42とからなるねじ機構の送り作用により、回転軸44が、円筒体31に対して相対移動せしめられることとなる。
なお、本実施形態では、被加工物が、固定ジョー16と可動ジョー18との間で未だクランプされていない状態下において、可動ジョー18を移動させるためにスピンドル24を回転させるのに必要な回転力よりも大きく、且つ被加工物が、固定ジョー16と可動ジョー18との間でクランプされた状態から、可動ジョー18を固定ジョー16に接近移動させるためにスピンドル24を回転させるのに必要な回転力よりも小さな摩擦力を、各爪部56と各係合凹所62との間に生ぜしめ得るような付勢力を発揮する圧縮コイルばね54が、摺動リング50と固定リング52との間に配置されている。このことから明らかなように、本実施形態では、圧縮コイルばね54と摺動リング50と固定リング52とにて、クラッチ手段が構成されている。
ところで、かくの如き構成を有して、円筒体31に連結される回転軸44の内部には、従来には見られない特別な構造が、付与されており、そこに、本発明の大きな特徴が存しているのである。
すなわち、回転軸44においては、その大径部45に設けられた六角穴46の底面から、小径部47の端面側に向かって軸方向に真っ直ぐに延びる貫通孔64が、大径部45と小径部47のそれぞれの中心部を貫くようにして、形成されている。また、この貫通孔64は、前記スピンドル24の挿入孔28と略同一の大きさの径を有しており、回転軸44の大径部45を貫く部分の内周面に、雌ねじ部66が形成されている一方、小径部47を貫く部分の内周面が、平滑な円筒状案内面68とされている。
さらに、このような回転軸44の貫通孔64において、回転軸44の大径部45側に設けられる、内周面が雌ねじ部66とされた雌ねじ部66形成側部分の内部には、雄ねじ部材としての棒先の止めねじ70が、雌ねじ部66に螺合されて、位置せしめられている。そして、かかる止めねじ70は、六角穴46を通じての外部からの締緩操作により、前後方向に移動せしめられ得るようになっている。
一方、回転軸44の貫通孔64において、回転軸44の小径部47側に設けられる、内周面が円筒状案内面68とされた円筒状案内面68形成部の内部には、前端面が平坦な押圧面72とされた、丸棒材からなる押圧部材74が、前後方向に移動可能に挿入されている。また、この押圧部材74にあっては、貫通孔64内への挿入状態下で、後端部が、雌ねじ部66形成側部分内に突入せしめられ、更に、その後端面において、前記棒先の止めねじ70の先端面に当接せしめられている。また、かかる押圧部材74の前端側部分は、貫通孔64の小径部47側の開口部から前方に突出せしめられて、円筒体31における第一円筒部材32の小径筒部36の内孔を経て、スピンドル24の挿入孔28内に突入位置せしめられている。そして、その先端側の押圧面72において、スピンドル24の挿入孔28内に前後方向に移動可能に挿入配置された前記プッシュロッド30の後端面に当接して、位置せしめられている。
かくして、ここでは、押圧部材74が止めねじ70に当接されていることにより、押圧部材74の後方側への移動が、止めねじ70の配置位置に応じた位置において規制されて、押圧部材74が、回転軸44と共に、前方に向かって一体移動せしめられるようになっている。これによって、回転軸44の円筒体31に対する前方への相対移動時に、押圧部材74の前端部が、スピンドル24の挿入孔28内を前進移動せしめられ、以て、プッシュロッド30が、押圧部材74の押圧面72にて、前方に向かって押圧されて、スピンドル24の挿入孔28内を前進移動せしめられるようになっている。
また、止めねじ70が締付け操作により前方に移動せしめられる際には、押圧部材74が、止めねじ70にて押圧されて、円筒状案内面68に案内されつつ、前方に押し出され、以て、止めねじ70による押圧部材74の後方側への移動規制位置が、前方側に変位せしめられるようになっている。そして、それによって、回転軸44における貫通孔64の小径部47側開口部からの突出量が増大せしめられて、かかる押圧部材74の押圧面72の位置が、止めねじ70の前方への移動量に応じた分だけ、回転軸44に対して、前方側に相対的に変位せしめられ得るようになっている。
それ故、ここでは、回転軸44の円筒体31に対する前方への相対移動に伴って、押圧部材74の押圧面72にて前方に押圧されるプッシュロッド30の前端面の位置も、止めねじ70の締付け操作により、かかる締付け操作前に比べて、止めねじ70の前方への移動量、換言すれば、押圧部材74の押圧面72の前方への変位量に応じた分だけ、スピンドル24の挿入孔28内において、前方に変位せしめられるようになっているのである。このことから明らかなように、ここでは、止めねじ70と、それが螺合する、回転軸44の貫通孔64の内周面に設けられた雌ねじ部66とにて、規制手段が構成されている。
一方、図4に示されるように、上述の如き特別な構造を有する回転軸44が配置される後端部とは反対側のベース10の前端部には、内部が比較的に大きな容積の空所とされた切欠部76が、形成されている。この切欠部76は、スピンドル24と同軸上に位置せしめられた、大径の円筒状外周面を有し、ベース10の前端面において前方に開口する一方、その後端面において、二つの案内レール14,14の間隙12内に開口せしめられている。
そして、かかる切欠部76内に、シリンダ78が、収容されている。このシリンダ78は、切欠部76の外周面形状に対応した外周面を有する筒壁部を備えた、全体として、略片側有底の円筒形状を呈しており、切欠部76内において、底部外面を、切欠部76の後部内面に設けられた段差面77に当接させた状態で、スピンドル24と同軸的に配置されている。また、かかるシリンダ78にあっては、前方側の開口部が、シリンダカバー80にて、液密に覆蓋されている一方、底部の中心部に、それを厚さ方向に貫通する円形の挿通孔82が、同軸的に延びるように形成されている。そして、かかるシリンダカバー80が、ベース10の前端面に固着されたバックプレート79に当接されており、以て、シリンダ78の全体が、バックプレート79と前記切欠部76の段差面77との間で挟持されて、移動不能とされている。
また、そのようなシリンダ78内には、第一ピストン84が、挿入されている。この第一ピストン84は、高さの低い円柱状の摺動部86と、かかる摺動部86の後端面の中心部から所定長さをもって一体的に延び出す、摺動部86よりも小径の支持部88とからなっている。換言すれば、第一ピストン84は、前部が大径の摺動部86とされる一方、後部が小径の支持部88とされた、全体として、略段付の円柱形状を有して、構成されている。そして、大径の摺動部86の径が、シリンダ78の筒壁部の内周面に摺動可能な大きさとされており、また、かかる摺動部86における、支持部88の周りを取り囲む円環状の後端面が、受圧面89とされている。一方、小径の支持部88の径は、シリンダ78の挿通孔82の内周面に摺動可能な大きさとされており、この支持部88の先端部の外周面には、雄ねじが刻設されている。
また、かかる第一ピストン84にあっては、その中心部に、支持部88と摺動部86とを貫いて、前後方向に真っ直ぐに延び出し、支持部88の後端面と摺動部86の前端面においてそれぞれ開口する貫通孔90が、設けられている。そして、この貫通孔90においては、前方側開口部に、閉塞ボール92が、止めねじ94にて離脱が阻止せしめられるように位置せしめられることにより、かかる前方側開口部が、閉塞ボール92にて液密に閉塞されている一方、後方側開口部に、第二ピストン96が、挿入されている。
この第二ピストン96は、貫通孔90の後方側開口部の内周面に対して摺動可能な大きさの径と所定の長さとを有する丸棒材からなり、その前端面が、第一ピストン84の前記受圧面89よりも十分に面積の小さな円形の加圧面98とされている一方、後端面が、被押圧面100とされている。そして、かかる第二ピストン96が、加圧面98が設けられる前端部において、貫通孔90内に突入せしめられて、後端部が第一ピストン84の支持部88の後端面から後方に向かって突出位置せしめられており、また、貫通孔90内への突入部分にOリング102が外挿されている。これによって、第二ピストン96が、貫通孔90内を前後方向に摺動せしめられるようになっており、また、貫通孔90の後方側開口部が液密に閉塞されて、かかる貫通孔90における第二ピストン96と前記閉塞ボール92との間の空間が密閉空間とされている。
また、第一ピストン84における支持部88の基部には、貫通孔90の延出方向に対して直角な方向に延びる二つの連通路104,104が、貫通孔90の内周面と支持部88の基部外周面とにおいてそれぞれ開口するように形成されており、以て、貫通孔90内の前記密閉空間が、それら二つの連通路104,104を通じて、外部に連通せしめられるようになっている。
そして、このような第一ピストン84の摺動部86が、シリンダ78内に収容せしめられると共に、支持部88が、シリンダ78の底部に設けられた挿通孔82内に挿通せしめられて、それら摺動部86と支持部88とが、シリンダ78内と挿通孔82内とにおいて、それぞれ前後方向に摺動可能に配置乃至は支持された状態で、第一ピストン84が、シリンダ78に組み付けられている。
また、このシリンダ78に組み付けられた第一ピストン84にあっては、支持部88の先端部が、シリンダ78の後方に位置するスピンドル24の挿入孔28における前方側開口部に突入せしめられて、かかる支持部88の先端部の外周面に設けられた雄ねじが、挿入孔28の前方側開口部の内周面に設けられた雌ねじに螺合されている。一方、第二ピストン96が突入せしめられたスピンドル24の前端部には、止めねじ106が、その先端面を第二ピストン96の突入部分の外周面に接触せしめるまでねじ込まれている。これによって、第一ピストン84が、シリンダ78への組付状態下において、スピンドル24に対して、相対回転不能に且つ一体移動可能に連結されている。
なお、ここでは、そのような第一ピストン84のスピンドル24との連結状態下で、第一ピストン84における支持部88の基部が、シリンダ78内に突入せしめられており、それによって、かかる支持部88の基部に設けられた前記二つの連通路104,104が、シリンダ78内に開口せしめられるようになっている。また、第一ピストン84の支持部88の先端から後方に向かって突出する第二ピストン96の後端部が、スピンドル24の挿入孔28内に突入せしめられて、かかる第二ピストン96の被押圧面100が、挿入孔28内に収容位置せしめられた前記プッシュロッド30の前端面に当接せしめられている。
一方、第一ピストン84の摺動部86は、上述せる如く、二つの連通路104,104が形成される支持部88の基部がシリンダ78内に突入せしめられているため、受圧面89をシリンダ78の底部内面に対して所定距離を隔てて対向させた状態で、シリンダ78内に収容位置せしめられている。これによって、シリンダ78内における受圧面89とシリンダ78の底部内面との間に、二つの連通路104,104を通じて、支持部88の貫通孔90の前記密閉空間内に連通する間隙108が形成されている。また、かかる摺動部86にあっては、そのようなシリンダ78内への収容状態下において、受圧面89とは反対の前端面とシリンダカバー80との間に配置された皿ばね110の付勢力にて、後方に付勢せしめられるようになっている。
そして、ここでは、シリンダ78内に形成された間隙108内と、第一ピストン84の支持部88に設けられた貫通孔90の密閉空間内と、それら間隙108と貫通孔90の密閉空間とを連通する二つの連通路104,104内とに、作動油112が充填されて、それら間隙108と貫通孔90の密閉空間と二つの連通路104,104とにて、液圧室としての油圧室114が、形成されている。なお、図4中、116は、かかる油圧室114を液密に封止するためのOリングである。
これによって、本実施形態では、プッシュロッド30が前方に移動せしめられると、その前端面にて第二ピストン96の被押圧面100が押圧されて、第二ピストン96が、油圧室114(貫通孔90の密閉空間)内に突入せしめられる。そして、それに伴って、油圧室114内の作動油112が第二ピストン96の加圧面98にて加圧され、油圧室114内の油圧が、第二ピストン96の突入量に応じた分だけ上昇せしめられて、この油圧が第一ピストン84の受圧面89に作用せしめられる。このとき、第一ピストン84の受圧面89が、第二ピストン96の加圧面98よりも大きくされているため、第一ピストン84の前進力が倍力されて、第一ピストン84に伝達される。そして、第一ピストン84は、その前方に配置された皿ばね110の付勢力に抗して、前進移動せしめられ、それに伴って、支持部88において連結されたスピンドル24が前進移動させられ、以て、スピンドル24に螺合する雌ねじ部材66と、それと一体移動せしめられる可動ジョー18とが、前方、即ち固定ジョー16側に移動せしめられるようになっている。このことから明らかなように、ここでは、シリンダ78と第一及び第二ピストン84,96とにて、液圧式倍力機構が構成されている。
かくして、かくの如き構成とされた本実施形態の液圧式バイスにおいては、固定ジョー16と可動ジョー18との間での被加工物のクランプを行う場合に、先ず、固定ジョー16と可動ジョー18とが離間せしめられて、それらの間に被加工物(図示せず)が配置された状態下で、図示しないハンドルが回転軸44の六角穴46内に挿入されて、このハンドルが右方向(時計回りの方向)に回転操作される。このとき、固定ジョー16と可動ジョー18との間で、被加工物が未だクランプされていないため、回転軸44に取り付けられた摺動リング50の各爪部56と、回転軸44が挿通される円筒体31(第二円筒部材34)の各係合凹所62との係合に基づいて、回転軸44の回転力がスピンドル24に伝達されて、スピンドル24が、回転軸44と共に右方向に一体回転せしめられる。そして、それによって、雌ねじ部材22と可動ジョー18とが固定ジョー16に対して、一体的に接近移動せしめられ、以て、固定ジョー16と可動ジョー18との間で、被加工物がクランプされる。
そして、固定ジョー16と可動ジョー18との間で被加工物がクランプされた状態から、回転軸44が更に右方向に回転操作されると、摺動リング50の各爪部56と円筒体31の各係合凹所62との係合状態が解消され、回転軸44の回転力が、スピンドル24に伝達され得なくなって、回転軸44がスピンドル24(円筒体31)と相対回転せしめられ、それに伴って、回転軸44が、スピンドル(円筒体31)に対して前方に相対移動せしめられる。これにより、回転軸44に取り付けられた押圧部材74が、回転軸44と共に、前進移動せしめられて、その押圧面72にて、スピンドル24の挿入孔28内に収容されたプッシュロッド30を前方に押圧し、このプッシュロッド30も、スピンドル24の挿入孔28内を前進移動せしめられる。
一方、プッシュロッド30を介して押圧部材74に接触せしめられた第二ピストン96の被押圧面100が、プッシュロッド30の前進移動により、押圧部材74の押圧面72にて間接的に押圧されて、第二ピストン96が、油圧室114内に突入せしめられる。これによって、第二ピストン96の油圧室114内への突入量に応じた分だけ、油圧室114内の油圧が高められて、その油圧が、第一ピストン84に作用せしめられる。このとき、前述せる倍力作用が行われ、油圧の作用を受けた第一ピストン84が、皿ばね110の付勢力に抗して前進移動せしめられると共に、スピンドル24も前進移動せしめられて、可動ジョー18が、固定ジョー16側に、より接近させられ、以て、被加工物に対するクランプ力が増大せしめられることとなる。
なお、このような被加工物に対するクランプを解除する際には、回転軸44の六角穴46内に挿入されたハンドルが左方向(時計回りとは反対方向)に回転操作される。このときには、未だ被加工物に対して大きなクランプ力が作用せしめられているため、回転軸44がスピンドル24(円筒体31)と左回りに相対回転せしめられ、それに伴って、回転軸24と押圧部材74とが後退移動せしめられる。これにより、プッシュロッド30を介して第二ピストン96に伝達される押圧部材74の押圧力が解除され、油圧室114内の油圧が低下せしめられて、第一ピストン84と第二ピストン96とが、共に、皿ばね110の付勢力に基づいて後退移動せしめられて、スピンドル24も後退移動せしめられ、以て、増大せしめられたクランプ力が解消される。
一方、クランプ力が低下せしめられると、圧縮コイルばね54の付勢力に基づいて、摺動リング50の各爪部56と円筒体31の各係合凹所62とが再び係合せしめられ、それによって、スピンドル24が、回転軸44と共に左方向に一体回転せしめられて、可動ジョー18が固定ジョー16から離隔移動させられ、以て、それら可動ジョー18と固定ジョー16との間での被加工物のクランプが解消されることとなる。
そして、本実施形態では、特に、前述せる如く、回転軸44内の貫通孔64における雌ねじ部66に螺合された止めねじ70の螺合位置を前方に変位させることによって、押圧部材74が前方に移動せしめられて、その押圧面72も、前方に変位せしめられるようになっているため、止めねじ70の締付け操作を行って、押圧部材74の押圧面72を前方に変位させることにより、プッシュロッド30を介して押圧面72に押圧されて油圧室114内に突入せしめられる第二ピストン96の油圧室114内への突入部分の体積が、押圧面72の変位量に応じた分だけ増大せしめられ得るようになっている。
それ故、本実施形態の液圧式バイスにおいては、油圧室114内の作動油112の漏出しや持出し等による減少により、第二ピストン96の油圧室114内への突入時に生ずる油圧の低下が認められた場合に、その作動油112の減少量がさほど大量でなければ、面倒で且つ所要時間が長く掛かり、しかも未経験者では困難な技術を要する作動油112の油圧室114内への補給作業を何等行うことなく、単に、回転軸44内の止めねじ70の締付け操作を行って、作動油112の減少量に見合った分だけ、第二ピストン96の油圧室114内への突入部分の体積を増大せしめるだけで、油圧室114内で生ぜしめられるべき大きさの油圧を確保することが可能となっており、以て、可動ジョー18と固定ジョー16との間で、被加工物が、所期のクランプ力にて、安定的にクランプされ得るようになっている。
従って、このような本実施形態に係る液圧式バイスにあっては、被加工物に対する所期のクランプ力を維持するためのメンテナンス作業が、未経験者でも極めて簡単に且つ短時間に行われ得るのであり、その結果として、使用性の向上が、極めて効果的に図られ得ることとなるのである。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、前記実施形態では、回転軸44の貫通孔64の内周面に設けられた雌ねじ部66と、それに任意の位置で螺合する止めねじ70とにて、規制手段が構成されていたが、この規制手段は、押圧部材74の後退移動を任意の位置で規制し得るものであれば、その構造が、何等限定されるものではない。
従って、例えば、押圧部材74の後端面に接触して、押圧部材74の後退移動を阻止するピン部材と、回転軸44に対して、前後方向に所定間隔をおいて複数設けられた、かかるピン部材が挿通される孔部とにて、規制手段を構成し、そのようなピン部材を、それら複数の孔部の何れか一つに挿通位置せしめることにより、押圧部材74の後退移動を任意の位置で規制するように為すことも可能であり、或いはラチェット機構等、一方向への自由な変位は許容するものの、他方向への自由な変位を阻止する公知の機構等を利用して、規制手段を構成しても良い。
また、連結機構やクラッチ手段、液圧式倍力機構も、例示のものに何等限定されるものではなく、公知の液圧式バイス等に利用されるものが、適宜に採用され得る。
さらに、前記実施形態では、可動ジョー18と固定ジョー16との間で被加工物がクランプされた状態下で、液圧室としての油圧室114内で生ずる油圧の作用により、スピンドル24が可動ジョー18側から固定ジョー16側に移動せしめられ、それに伴って、可動ジョー18が固定ジョー16に接近移動せしめられるようになっていたが、例えば、油圧の作用により、可動ジョー18が、直接に固定ジョー16に接近移動せしめられるように構成することも可能である。
更にまた、前記実施形態では、回転軸44の操作機構と液圧式倍力機構とが、ベース10の前端部と後端部に分かれて位置せしめられていたが、例えば、特公昭63−41711号公報に記載されるように、それら回転軸44の操作機構と液圧式倍力機構の両方が、ベース10の一端部側に位置せしめられていても、何等差し支えない。
また、押圧部材74とプッシュロッド30と第二ピストン96を一つの部材にて構成して、液圧式倍力機構のピストン部材と押圧部材とを一つの部材で構成することも出来る。勿論、プッシュロッド30を省略しても、何等差し支えない。
加えて、前記実施形態では、可動ジョーが固定ジョーに対して水平方向に接近/離隔移動せしめられるように構成された横型液圧式バイスに対して、本発明を適用したものの具体例が示されていたが、本発明は、その他、可動ジョーが固定ジョーに対して上下方向に接近/離隔移動せしめられるように構成された縦型液圧式バイスに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
本発明に従う構造を有する液圧式バイスの一例を示す上面説明図である。 図1におけるII−II断面説明図である。 図2の要部を拡大して示す、回転軸の操作機構を説明するための図である。 図2における別の要部を拡大して示す、液圧式倍力機構を説明するための図である。
符号の説明
10 ベース 16 固定ジョー
18 可動ジョー 22 雌ねじ部材
24 スピンドル 31 円筒体
44 回転軸 50 摺動リング
54 圧縮コイルばね 56 爪部
62 係合凹所 64 貫通孔
66 雌ねじ部 70 止めねじ
72 押圧面 74 押圧部材
78 シリンダ 84 第一ピストン
96 第二ピストン 114油圧室

Claims (2)

  1. 位置固定の固定部と、該固定部に対して接近/離隔移動可能に配置されて、該固定部への接近移動により、該固定部との間で所定の被加工物をクランプする可動部と、該可動部に螺合された状態で、該可動部の移動方向に延出するように配置されて、回転により該可動部を移動させるスピンドルと、該スピンドルに対して、該スピンドルの軸心回りに回転可能に且つ該スピンドルとは相対回転不能に連結された連結機構と、該連結機構にねじ機構を介して同軸的に連結され、該連結機構に対する相対的回転によって、該連結機構に対して軸方向に相対移動可能とされた、外部から回転操作される回転軸と、前記可動部において、前記固定部との間で前記被加工物をクランプするクランプ力が生じていないときには、前記連結機構と該回転軸とを一体回転せしめて、該回転軸の回転力を前記スピンドルに伝達せしめる一方、かかるクランプ力が発生したときに、該連結機構と該回転軸との一体回転を解除するクラッチ手段と、作動液が封入された液圧室、及び前記回転軸の前記連結機構に対する相対回転に伴う軸方向への相対移動により、該回転軸に押圧されて、該液圧室内に突入せしめられるピストン部材を有し、かかるピストン部材の突入移動により液圧室内で生ずる液圧に基づいて、前記可動を前記固定部側に向かって移動させる作用力を発揮する液圧式倍力機構とを含み、前記回転軸の回転操作に伴う前記スピンドルの回転により、前記可動部を前記固定部に接近移動させて、それら可動部と固定部との間で前記被加工物をクランプすると共に、かかる被加工物のクランプ状態から、該回転軸が更に回転操作されたときに、前記液圧式倍力機構を作動せしめて、該被加工物に対するクランプ力を増大し得るように構成した液圧式バイスにおいて、
    前記回転軸に、前記ピストン部材を押圧する押圧部材を軸方向に移動可能に設けると共に、該押圧部材の該ピストン部材側とは反対側方向への移動を任意の位置において規制する規制手段を設けて、該押圧部材の該ピストン部材に対する押圧面の軸方向における位置を可変とすることにより、該ピストン部材の前記液圧室内への突入量を調節し得るように構成したことを特徴とする液圧式バイス。
  2. 前記回転軸に、その軸方向に延びる貫通孔が設けられて、該貫通孔内における該回転軸の前記ピストン部材側に、前記押圧部材が軸方向に移動可能に挿入される一方、該貫通孔における該押圧部材の挿入側とは反対側の内周面に雌ねじ部が設けられると共に、該雌ねじ部に螺合され、且つその螺合位置が変化せしめられることにより、前記押圧部材の前記ピストン部材側とは反対側方向への移動を任意の位置で規制する雄ねじ部材が設けられて、それら雄ねじ部材と雌ねじ部とにて、前記規制手段が構成されている請求項1に記載の液圧式バイス。
JP2003291983A 2003-08-12 2003-08-12 液圧式バイス Expired - Lifetime JP4493303B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003291983A JP4493303B2 (ja) 2003-08-12 2003-08-12 液圧式バイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003291983A JP4493303B2 (ja) 2003-08-12 2003-08-12 液圧式バイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005103646A JP2005103646A (ja) 2005-04-21
JP4493303B2 true JP4493303B2 (ja) 2010-06-30

Family

ID=34532140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003291983A Expired - Lifetime JP4493303B2 (ja) 2003-08-12 2003-08-12 液圧式バイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4493303B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007009996A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Mirai Kk 通水管用のインコア、およびインコアの挿入工具
KR101486958B1 (ko) 2013-05-14 2015-01-29 주식회사 에스엠씨 척3000 증압형 바이스의 편중가압 방지장치
KR101434549B1 (ko) 2013-07-01 2014-08-26 김광수 유압바이스

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6099571A (ja) * 1983-11-02 1985-06-03 株式会社ナべヤ 液圧式万力装置
JPH0164367U (ja) * 1987-05-06 1989-04-25
JP2002219657A (ja) * 2001-01-22 2002-08-06 Takeda Kikai:Kk バイス

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6099571A (ja) * 1983-11-02 1985-06-03 株式会社ナべヤ 液圧式万力装置
JPH0164367U (ja) * 1987-05-06 1989-04-25
JP2002219657A (ja) * 2001-01-22 2002-08-06 Takeda Kikai:Kk バイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005103646A (ja) 2005-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4223879A (en) Machine tool vise
JPS6344508B2 (ja)
US5971380A (en) Fluid-actuated workholding apparatus
US6409161B1 (en) Double station hydraulically operated machining vise
WO2013058017A1 (ja) プレスブレーキの上型ホルダ
US5251887A (en) Machine vise for clamping a workpiece
US20070090611A1 (en) Hydraulic workholding assembly
US2283089A (en) Hydraulic wedge assembly
JP4493303B2 (ja) 液圧式バイス
KR100641874B1 (ko) 소프트조우 퀵 체인지 척
JP2761785B2 (ja) 工作機械用万力
CN107848099B (zh) 冲孔工具系统
KR102287145B1 (ko) 바이스
JP2008049401A (ja) プレス装置
JP2013082059A (ja) ワークパレット及びこれに用いる固定具
JP2020056499A (ja) シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのプレス方法、及びワークのクランプ方法
JP2007319935A (ja) 加圧装置
JP6997978B2 (ja) クランプ装置
US5515753A (en) Power wrench
JP4917419B2 (ja) 主軸内定寸ストッパ装置
KR101017630B1 (ko) 마찰용접용 유압척 구조
JP4551302B2 (ja) 空気圧式往復動工具。
JP3198791U (ja) クランプ装置
JP5438921B2 (ja) ワークバイス
JP3071551B2 (ja) 2個締めバイスの増力機構

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060428

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091015

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100406

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100406

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4493303

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140416

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term