JP2020056499A - シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのプレス方法、及びワークのクランプ方法 - Google Patents

シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのプレス方法、及びワークのクランプ方法 Download PDF

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茂弘 荒井
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Abstract

【課題】エアハイドロ機構を用いたストロークの大きいシリンダ装置であって、エアハイドロ機構を固定するための増加油圧力を有効に使用する。【解決手段】シリンダ装置の第2油圧室32の外周面を薄肉部15とすることにより、第2空圧室からの空気圧を受けて油圧が増加し、薄肉部15が膨張してシリンダ2をクランプする。そして、第2油圧室32の増加によって、薄肉部15が軸方向に伸びることを抑制し、径方向に膨張するようにするため、軸方向の伸張抑制手段として、薄肉部15をその両端側から伸止めボルト34gで固定する。伸止めボルト34gは、薄肉部15の両端側の圧肉部、又は、薄肉部15の両端を挟むように配設される蓋39と蓋34とを固定する。また、伸止めボルト34gによる締め付けにより薄肉部15が縮むことを防止するために、薄肉部15の両端側の圧肉部の間にスペーサー80を配設する。【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのプレス方法、及びワークのクランプ方法に関し、例えば、流体圧シリンダを用いたものに関する。
エア(気体)や油(液体)といった流体を用いた流体圧シリンダが工業の広い分野で利用されている。
これら流体圧シリンダは、流体の圧力でシリンダ内のピストンに推力を発生させることにより、例えば、プレスやアクチュエータの駆動など、様々な機械的な動作の原動となることができる。
ところで、油圧シリンダは、油圧による大きな加圧力により小さなサイズでも大きな推力を得られるという特徴があるが、油圧供給装置などの大がかりな設備が必要であるという点が問題であった。
そのため、特許文献1では、エアシリンダと油圧シリンダを組み合わせたエアハイドロシリンダ(エアハイドロ機構)によってエア圧で油圧を発生させることにより、複雑な油圧系を省略し、低コストで小型化が可能な流体圧シリンダを提案している。
ところが、特許文献1の技術では、エアシリンダのピストンの移動量を油圧シリンダの断面積に対応させて推力を発生させるため、ストロークが短いという問題があった。
例えば、エアハイドロシリンダの出力側にアクチュエータを装着した場合、ストロークを確保するためには、アクチュエータをエアハイドロシリンダごと移動する必要があった。
このため、本件特許の出願人は、エアハイドロ機構部全体をエアにより大きく移動させると共に、油圧の増大による膨張を利用してシリンダに対してエアハイドロ機構を固定し、この固定状態でエアハイドロ機構による大きな推力を出力するシリンダ装置について出願(特願2018−21723(未公開))している。
このシリンダ装置では、周面に薄肉部を形成した第2油圧室をエアハイドロ機構に接続し、第2油圧室の油圧増大によって薄肉部が膨張することでシリンダに固定するようにしている。
しかし、第2油圧室の薄肉部は、ラジアル方向の膨張だけでなく、スラスト方向の膨張を生じる場合があるため、第2油圧室の増圧分の全てをラジアル方向の膨張に利用できていなかった。
特許第4895342号公報
本発明は、エアハイドロ機構を用いたストロークの大きいシリンダ装置に対し、エアハイドロ機構を固定するための増加流体圧力を有効に使用することを目的とする。
(1)請求項1に記載の発明では、シリンダと、前記シリンダ内に配設され、前記シリンダ内をスラスト方向に移動可能な出力側ハウジングと、前記出力側ハウジングの入力側に固定され、スラスト方向の一方側の蓋と他方側の蓋により内面の一部が構成される第2流体室と、当該第2流体室の圧力増加により外周面が径方向に膨張して前記シリンダに対して固定される固定機構部を備えた入力側ハウジングと、前記出力側ハウジング内に配設され、前記固定機構部による固定がされた状態で、増幅された流体圧力による推力を出力するエアハイドロ機構と、エアが供給される第2空圧室と、前記第2空圧室の空圧を受けて前記入力側ハウジングと出力側ハウジングとを出力側に移動させると共に、所定位置において前記第2流体室を加圧膨張させる第2ピストン部と、前記一方側の蓋と前記他方側の蓋との間の距離を固定する距離固定手段と、を具備したことを特徴とするシリンダ装置を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記エアハイドロ機構は、エアが供給される第1空圧室と、前記第1空圧室の1面を構成する空圧受面を有する第1ピストンと、前記第1ピストンに配設され、前記空圧受面よりも小面積のロッド端面を有する第1ロッドと、前記第1ロッドの前記端面により1面が形成される第1流体室と、前記第1流体室の他の1面を構成し、前記第1ロッドの端面よりも大きな流体圧受面を有する出力ピストンと、前記出力ピストンに配設され、前記第1流体室の圧力により外部へ推力を出力する出力ロッドと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記第1流体室、第2流体室の少なくとも一方が油圧室で構成される、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリンダ装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記距離固定手段は、前記第2流体室内を貫通し、前記出力側ハウジングに設けた前記一方側の蓋と他方側の蓋とをボルトで固定する、ことを特徴とする請求項2、又は請求項3に記載のシリンダ装置を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、前記距離固定手段は、前記第2流体室内に配置され、前記一方側の蓋と前記他方側の蓋との間に当接して配置されたスペーサーを有する、ことを特徴とする請求項2から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載のシリンダ装置を提供する。
(6)請求項6に記載の発明では、前記第2ピストン部は、前記入力側ハウジングと前記第2空圧室との間に配設され前記第2空圧室からの圧力を受けて出力側に移動する第2ピストンと、前記第2ピストンに配設され、前記第2ピストンの出力側に移動することにより前記第2流体室を加圧する第2ロッドと、を備える、ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1の請求項に記載のシリンダ装置を提供する。
(7)請求項7に記載の発明では、前記シリンダ内の他端側に設けられ、前記入力側ハウジングと出力側ハウジングとを入力側に移動させる第3空圧室と、を具備したことを特徴とする請求項6に記載のシリンダ装置を提供する。
(8)請求項8に記載の発明では、請求項7に記載のシリンダ装置と、前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドに装着した工具で前記設置したワークをプレスするプレス手段と、前記プレスしたワークを前記所定位置から離脱する離脱手段と、を具備したことを特徴とするプレス装置を提供する。
(9)請求項9に記載の発明では、請求項7に記載のシリンダ装置と、前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドで前記設置したワークを押圧しクランプする手段と、前記固定したワークを前記所定位置から離脱する手段と、を具備したことを特徴とするワーククランプ装置を提供する。
(10)請求項10に記載の発明では、請求項7のシリンダ装置を動作させるシリンダ装置動作方法であって、前記第3空圧室を加圧すると共に、前記第1空圧室と前記第2空圧室を減圧することにより、前記入力側ハウジングと出力側ハウジングを入力側に移動させて初期状態にする第1ステップと、前記第1空圧室を加圧すると共に、前記第3空圧室を減圧することにより、前記入力側ハウジングと出力側ハウジングを出力側に移動して、前記出力ロッドを押圧対象に当接させ、又は、前記出力側ハウジングを前記シリンダの出力側の端部に当接させる、第2ステップと、前記第2空圧室を更に加圧して前記第2ピストンと前記第2ロッドを出力側に移動させて前記第2流体室を加圧することにより、前記入力側ハウジングと前記出力側ハウジングを前記シリンダに対して固定する第3ステップと、前記第2空圧室を加圧して、前記エアハイドロ機構を動作させ、前記第1流体室の増幅された流体圧力で前記出力ロッドを前記対象に押圧する第4ステップと、前記第3空圧室を加圧すると共に、前記第1空圧室と第2空圧室を減圧して、前記入力側ハウジングと出力側ハウジングを入力側に移動させて初期状態に復帰させる第5ステップと、を有することを特徴とするシリンダ装置動作方法を提供する。
(11)請求項11に記載の発明では、請求項8のプレス装置を動作させてワークをプレスする方法であって、前記第3空圧室を加圧すると共に、前記第1空圧室と前記第2空圧室を減圧することにより、前記入力側ハウジングと出力側ハウジングを入力側に移動させて初期状態にする第1ステップと、ワークを所定位置に設置する第2ステップと、前記第1空圧室を加圧すると共に、前記第3空圧室を減圧することにより、前記出力ロッドが前記ワークに当接して停止するまで前記入力側ハウジングと出力側ハウジングを出力側に移動させる第3ステップと、前記第2空圧室を更に加圧して前記第2ピストンと前記第2ロッドを出力側に移動させて前記第2流体室を加圧することにより、前記入力側ハウジングと前記出力側ハウジングを前記シリンダに対して固定する第4ステップと、前記第2空圧室を加圧して、前記エアハイドロ機構を動作させ、前記第1流体室の流体圧力を増幅する第5ステップと、第5ステップにより増幅された流体圧力により前記出力ロッドに装着した工具がワークを押圧し、ワークをプレスする第6ステップと、前記第3空圧室を加圧すると共に、前記第1空圧室と第2空圧室を減圧して、前記出力ロッドと共に前記出力ロッドに装着した工具をワークから離脱させる第7ステップと、プレスが完了したワークを所定の位置から離脱する第8ステップと、を有することを特徴とするワークのプレス方法を提供する。
(12)請求項12に記載の発明では、請求項9のワーククランプ装置を動作させてワークを所定位置にクランプする方法であって、前記第3空圧室を加圧すると共に、前記第1空圧室と前記第2空圧室を減圧することにより、前記入力側ハウジングと出力側ハウジングを入力側に移動させて初期状態にする第1ステップと、ワークを所定位置に設置する第2ステップと、前記第1空圧室を加圧すると共に、前記第3空圧室を減圧することにより、前記出力ロッドが前記ワークに当接して停止するまで前記入力側ハウジングと出力側ハウジングを出力側に移動させる第3ステップと、前記第2空圧室を更に加圧して前記第2ピストンと前記第2ロッドを出力側に移動させて前記第2流体室を加圧することにより、前記入力側ハウジングと前記出力側ハウジングを前記シリンダに対して固定する第4ステップと、前記第2空圧室を加圧して、前記エアハイドロ機構を動作させ、前記第1流体室の流体圧力を増幅する第5ステップと、第5ステップにより増幅された流体圧力により前記出力ロッドがワークを押圧し所定の位置にクランプする第6ステップと、を有することを特徴とするワークのクランプ方法を提供する。
(13)請求項13に記載の発明では、前記第2空圧室のエアを、前記第2ピストン部を貫通して、前記第1空圧室に供給する出力用エア通路と、前記出力用エア通路上に配設され、前記固定機構部が前記入力側ハウジングを前記シリンダに固定した状態において、前記出力用エア通路を開状態にする逆止弁と、を備えることを特徴とする請求項2から請求項7のうちのいずれか1の請求項に記載のシリンダ装置を提供する。
(14)請求項14に記載の発明では、前記出力側ハウジングの出力側に形成され、エアが供給されることで前記出力側ハウジングを入力側に移動させる第3空圧室と、前記第3空圧室に供給されたエアを、前記第1ピストンの出力側に形成された第4空圧室に供給する第1エア通路と、前記第3空圧室に供給されたエアを、前記第2ピストンの出力側に形成された第5空圧室に供給する第2エア通路と、前記第2エア通路上に配設され、前記第1ピストンの移動に応じて、前記第2エア通路を開閉する開閉弁と、を備え、前記開閉弁は、前記第1ピストンが入力側に移動し、前記第1空圧室内のエアの排出が終了した後に前記第2エア通路を開く、ことを特徴とする請求項13に記載のシリンダ装置を提供する。
本発明は、エアが供給される第2空圧室により、エアハイドロ機構が配設された出力側ハウジングをシリンダ内で移動させることにより、ストロークの確保と推力の確保を両立させることができる。
また、第2油圧室の内面の一部を構成する一方側の蓋と他方側の蓋との間の距離を距離固定手段で固定しているので、第2油圧室のスラスト方向の膨張を抑制し、ラジアル方向に有効に膨張させることができる。
第1実施形態のシリンダ装置を説明するための図である。 第1実施形態の部品図である。 第1実施形態におけるスペーサーについての説明図である。 第1実施形態の動作状態を表す説明図である。 第1実施形態の他の動作状態を表す説明図である。 第2実施形態のシリンダ装置を説明するための図である。 第2実施形態の動作状態を表す説明図である。 第2実施形態の他の動作状態を表す説明図である。 プレス加工を説明するための図である。 第3実施形態における内部切替弁の部品図である。 第3実施形態の動作状態を表す説明図である。
(1)実施形態の概要
本実施形態(第1実施形態、第2実施形態)によるシリンダ装置1、1bでは、推力は小さいがストロークが大きいエアシリンダ部分の特徴と、パスカルの原理を利用して空気圧で入力した推力を出力側に増幅した流体圧力として変換して大きな推力を出力するエアハイドロ機構の特徴と、を1つのシリンダに合わせ持つシリンダ装置(エアハイドロシリンダ)を提供するものである。
このエアハイドロ機構において、増幅した流体圧力として出力する部分に使用する流体は、流動性を持つ気体、液体またはゲル状の物質であれば何でも良いが、入手が容易で非圧縮性流体である作動油などの油が最適である。よって以下の説明では、エアハイドロ機構で推力を増幅する流体室を油圧室、その内部に使用する流体を油として説明する。
シリンダ装置では、シリンダ2内にスラスト方向に移動可能なピストンハウジング60(61〜63)を配置し、このピストンハウジング60をスラスト方向に大きく移動させる移動機能と、移動後にピストンハウジング60をシリンダ2に固定(内側からクランプ)する固定機能、エアハイドロ機構により増幅された大きな油圧力を発生させる油圧出力機能の3機能を、空圧室20(第1空圧室21と第2空圧室22)から成る空圧系と、油圧室30(第1油圧室31と第2油圧室32)から成る油圧系により実現している。
すなわち、出力側から順に、第1油圧室31、第1空圧室21、第2油圧室32(以上、ピストンハウジング60内に配置され、ピストンハウジング60が各々の一部を構成する)、及び第2空圧室22を配置し、第2空圧室22のエア駆動により移動機能を、第2空圧室22のエア駆動と第2油圧室32の油圧増加により固定機能を、第1空圧室21と第1油圧室31により油圧出力機能を実現する。
ピストンハウジング60の移動機能、固定機能による動作と、その後の油圧出力機能による動作とを、別々に行うことができるように構成されている。
ここで、エアハイドロ機構は、第1空圧室21の1面を構成するエアピストン(第1ピストン部=第1ピストン11と第1ロッド50)と、第1油圧室31の一面を構成する油圧ピストン(第3ピストン部=第3ピストン13と出力ロッド7)を組み合わせることで、第1空圧室21に供給する空気圧を大きな油圧力に増大して出力ロッド7から出力する機構である。
本実施形態の第2油圧室32は、その一部を構成するピストンハウジング60の外周面を薄肉形成(薄肉部15)することにより、第2空圧室22からの空気圧を第2ピストン部(第2ピストン12と第2ロッド58)を介して受けることで油圧が増加し、固定機構部として機能する薄肉部15が膨張してシリンダ2をクランプする構造となっている。
そして、第2油圧室32の油圧の増加によって、薄肉部15が軸方向(スラスト方向)に伸びることを抑制し、径方向(ラジアル方向)に膨張するようにするため、軸方向の伸張抑制手段として、薄肉部15をその両端側から伸止めボルト34gで固定する。伸止めボルト34gは、薄肉部15の両端側の厚肉部、又は、薄肉部15の両端を挟むように配設される蓋39と蓋34とを固定することで、距離固定手段として機能している。
また、この伸止めボルト34gによる締め付けにより薄肉部15が縮むことを防止するために、薄肉部15の両端側の厚肉部、又は、薄肉部15の両端の間にスペーサー80を配設する。
(2)実施形態の詳細
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について説明する。
この第1実施形態では、移動機能の動作において、第2空圧室の一部を構成する第2ピストン12の軸方向の移動により、ピストンハウジング60(61〜63)を軸方向に移動させ、固定機能の動作において、第2ピストン部の動作により、第2油圧室32にラジアル方向の油圧を発生させることで、薄肉部15を径方向に膨張させピストンハウジング60の動きをシリンダ2に固定させる。
一方、油圧出力機能の動作では、第1ピストン11の移動により第1ロッド50の先端が第1油圧室31を押すことで第3ピストン13から出力ロッド7に増幅した油圧力を発生させる。
図1は第1実施形態におけるシリンダ装置1の構成を表したスラスト方向(中心線の方向)の断面を表したもので、(a)は全体を表し、(b)は拡大した一部分を表している。
図2はシリンダ2内に配設される各部品を表したもので、(a)は各部品の断面を表し、(b)は第1ハウジング61の正面図と側面図、及び抜止めリング29の正面図である。
なお、第1実施形態と同一構造や同一機能の部分については同一の符号を付して適宜その説明を省略する。また、図1(b)では、各部をシールするためのOリングが表示されているが、その説明は省略する。また、図面を見やすくするため、他の実施形態と同様に、断面を表す表示はせず、図1(a)だけエアが存在する領域に斜線を、油が存在する領域にドットを付している。
また、図1、図2では、シリンダ装置1を構成する各部品を表示するために、ピストンハウジング60の内部(特に第2ハウジング62内)における断面の位置(角度)を適宜変更して表示している。
図1、2に示すように、本実施形態のシリンダ装置1は、両端面が開放された円筒形状のシリンダ2と、その両開放端側を塞ぐ蓋3、4を備えている。蓋3、4は、それぞれ周方向に配置された複数のボルト3a、4aによりシリンダ2に固定されている。
本実施形態のシリンダ装置1を構成する部品(Oリングや摺動補助リング等の特定の部品を除く)の材質は、アルミニウム、ステンレス、鉄などの金属である。
シリンダ装置1の大きさは、一例として、外径が60ミリ程度、出力ロッド7のストローク長さが50ミリ程度であるが、これよりも大きくても、あるいは、小さくてもよい。
以下では、第1吸排気口5が形成された一端側(蓋3側)を移動、加圧用のエアが入力される側であるため入力側と呼び、第2吸排気口6が形成された他端側(蓋4側)を油圧が出力される側であるため出力側と呼ぶことにする。
また、シリンダ2内の部品が最も入力側に位置する図1(a)に示した状態を初期状態と呼ぶことにする。
シリンダ2内には、第1ハウジング61、第2ハウジング62、第3ハウジング63からなるピストンハウジング60(図示しない)がシリンダ2内に配設されている。
ピストンハウジング60は、図1に示すように、入力側から順に、第2ハウジング62、第1ハウジング61、第3ハウジング63の順に配設されている。
第2ハウジング62には、第2ピストン12とこの第2ピストン12に連結された第2ロッド58が収容され、第1ハウジング61には、第1ピストン11とこの第1ピストン11に連接された第1ロッド50が収容され、第3ハウジング63には、第3ピストン13と第3ピストン13に連接された出力ロッド7の一部が収容されている。
第2ハウジング62は、両端側が厚肉部に形成され、その間が薄肉部15を構成し、薄肉部15の内側が第2油圧室32となっている。
第2ハウジング62の両端の厚肉部には、第2油圧室32に油を充填するための給油孔が形成され、何れか一方から油を注入した後に給油口栓381、給油口栓382で密閉されている。
第2ハウジング62における入力側の端部には、周上に配置された複数のボルト39aによって、蓋39が固定されている。この蓋39は、ボルト39aによって第2ハウジング62の肉厚部(入力側)に固定されるフランジ部と、第2ハウジング62の肉厚部(入力側)よりも第2ハウジング62の内側(中心側)に張り出した張出部を備えている。この張出部の先端側には、後述するスペーサー80の軸方向の一部が嵌入される、管状の小径凸部39gが形成されている。
蓋39の張出部には、入力側に円筒形状の凹部39d(図2(a)参照)が形成され、凹部39dの底部には中央に第2ロッド58用の貫通孔が形成され、この貫通孔の径方向の外側には凹部39dの底部から張出部を貫通する連通孔39cが2箇所形成(図では1箇所だけ表示)されている。この連通孔39cは、後述する第5空圧室65と第3空圧室41とを連通する経路(第2エア通路)の一部を構成している。
蓋39の入力側端部に形成されたフランジ部の外径はシリンダ2の内径よりも小さく形成されることで、シリンダ2の内周壁との間にクリアランスを有している。この蓋39のフランジ部の外周面には、全周にわたって周溝39b(図2(a)参照)が形成されており、この周溝39bには摺動補助リング2aが配設されている。
摺動補助リング2aは、他の摺動補助リング2b、2c、2dを含め金属以外の材料(例えば樹脂)で形成され、シリンダ2と蓋39、第1ハウジング61、蓋34との金属接触を回避し、シリンダ2の内周面と第2ハウジング62との摺動を円滑にするために配設されている。
蓋39の張出部には、凹部39dの底部から張出部を貫通する貫通孔39fが4箇所形成されている(図2(a)参照)。
この貫通孔39fの内周面には、伸止めボルト34g用と緩み止めボルト39h用の雌ねじが形成されている。貫通孔39fには、出力側から入力側の方向に伸止めボルト34gが、その反対側から緩み止めボルト39hが螺合される。
伸止めボルト34gは、蓋34側から挿入されて、その頭部で蓋34に固定されると共に、先端のネジ部が蓋39の貫通孔39fに螺合されることで、蓋34と蓋39との距離を固定し、これによって第2ハウジング62の薄肉部15が軸方向に伸びることを抑止している。
一方、緩み止めボルト39hは、蓋39の凹部39d側から、その先端部が伸止めボルト34gの先端部に当接し、伸止めボルト34gを出力方向に付勢するまで、貫通孔39fにねじ込まれる。これにより、第2油圧室32の加圧による薄肉部15の膨張と、減圧による収縮が繰り返されて発生する伸縮荷重により伸止めボルト34gに緩みが生じることが回避される。
なお、蓋39に形成した貫通孔39fと連通孔39cは、図2(a)では同一面上に存在するように表示しているが、実際の位置関係は同一平面ではなく、4つの貫通孔39fと2つの連通孔39cは互いに干渉を避けた位置に形成されている。貫通孔39fに螺合される伸止めボルト34gと、連通孔39cに挿通されるカラー28の位置関係は、図3(c)で後述する通りである。
蓋39の凹部39dと中央の貫通孔には、第2ロッド58が挿通及び貫通している。この第2ロッド58の入力側には、第2ピストン12が連結ネジ12aで固定されている。
第2ロッド58は、出力側から入力側に向かって順に径が太くなる、小径部、中径部、大径部を備え、小径部と中径部の境界には段部58aが形成されている。この第2ロッド58が蓋39内を出力方向に移動することで、段部58aが第2ハウジング62内に形成される第2油圧室32を加圧し、この加圧された油圧によって薄肉部15がラジアル方向に弾性変形し、ピストンハウジング60(61〜63)がシリンダ2内で固定される。
第2ロッド58の大径部の出力側端面には径方向に張り出したフランジ部58cが形成されている。
第2ロッド58のフランジ部58cから先端側を蓋39の凹部39d内に通した状態において、抜止めリング29が入力側から蓋39にボルト29cで固定されている。抜止めリング29の内径は、第2ロッド58の大径部よりも大きく、フランジ部58cの外形よりも小さく形成されているため、第2ロッド58が抜けないようになっている。
抜止めリング29は、図2(c)に示すように、2分割されていて、同一周上にボルト39a(蓋39の固定用)が貫通する貫通孔29aと、ボルト29cで抜止めリング29を蓋39に固定するためのボルト穴29bが複数形成されている。また2分割された合わせ目は、蓋39に組付けても密着せず隙間があり、第5空圧室65内部のエアと連通孔39c内部のエアは自由に行き来できる構成となっている。
抜止めリング29を固定した状態において、第2ロッド58には、第2ピストン12が連結ネジ12aで固定されている。このように、第2ロッド58と第2ピストン12とが分割されているのは、ボルト39aによる蓋39の固定と、ボルト29cによる抜止めリング29の固定を行うためである。
第2ロッド58の中央には貫通孔が形成されていて、この貫通孔に吸排気ロッド8aが挿通されている。この吸排気ロッド8aは、第2ロッド58の入力側端部で螺合されている。更に、第2ロッド58の入力側の端部は第2ピストン12の端面よりも入力側まで突出しており、この突出部において、吸排気ロッド8aが径方向から固定ネジ12bで固定されている。
本実施形態の蓋3には中央部に貫通孔が形成され、この蓋3の貫通孔と、シール蓋3cの貫通孔に吸排気ロッド8aが挿通されている。シール蓋3cは吸排気ロッド8aにOリングで挿通した状態で複数のボルト3dにより蓋3に固定されている。
吸排気ロッド8aには、第1空圧室21にエア(気体)を供給するための吸排気路8bが形成されている。
吸排気ロッド8aの入力側端部は第3吸排気口8に接続されている。
第2ピストン12は、入力側の端面が蓋3とシリンダ2の内周面とともに第2空圧室22を形成し、出力側の端面が蓋39とシリンダ2とともに第5空圧室65を形成している。
第2ハウジング62の出力側には、蓋39と対向して蓋34の一部(張出部)が挿入されている。この蓋34は、ボルト34aによって第2ハウジング62の肉厚部(出力側)に固定されるフランジ部と、第2ハウジング62の肉厚部(出力側)よりも第2ハウジング62の内側(中心側)に張り出した張出部を備えている。
蓋34のフランジ部の外径はシリンダ2の内径よりも小さく形成されることで、シリンダ2の内周壁との間にクリアランスを有している。この蓋34のフランジ部の外周面には、全周にわたって周溝34e(図2(a)参照)が形成されており、この周溝34eには摺動補助リング2dが配設されている。
蓋34の中央には連通孔34dが貫通して形成されている。そして、第2油圧室32を通る第2ロッド58の先端(小径部)が、連通孔34dの途中まで挿通されている。
蓋34の連通孔34dの径方向外側の2箇所には、蓋34を貫通する連通孔34bが形成されている。この連通孔34bと、蓋39の連通孔39cとは、第2油圧室32に配設されるカラー28の内側によって連通している。
また蓋34における連通孔34dの径方向外側には、伸止めボルト34gが挿通される貫通孔34fが4箇所形成されている(図2(a)参照)。
上述したように、貫通孔34fに挿通された伸止めボルト34gは、その頭部で蓋34に固定されると共に、先端のネジ部が蓋39の貫通孔39fに螺合されると共に、蓋39に螺合された緩み止めボルト39hで出力方向に付勢されている。
この伸止めボルト34gは、第2ハウジング62の薄肉部15が内部の第2油圧室32の圧力により、径方向の膨張だけでなく、軸方向にも伸びてしまうことを抑制するために使用されるが、逆に、締め付けによって薄肉部15が軸方向に縮んでしまうことを防止するために、蓋39の張出部と蓋34の張出部の間にスペーサー80が配置されている。
すなわち、第2ハウジング62の両端に配置され、内部に張り出す張出部を有する蓋39と蓋34間の距離を一定に保つために、伸止めボルト34gとスペーサー80が使用され、補助的に緩み止めボルト39hが使用されている。蓋39と蓋34間の距離が一定に保たれることで、蓋39、蓋34が固定されて第2ハウジング62の長さが一定に保たれている。
図3はスペーサー80について表したもので、(a)は出力側からみた斜視図、(b)は入力側からみた斜視図、(c)はスペーサー80と他部品との配置関係を表した説明図である。
図3に示されるように、スペーサー80には、貫通孔80a、油通路80b、U字溝80c、U字溝80dが形成されている。油通路80b、U字溝80c、U字溝80dは、それぞれが干渉を避けた位置に形成されている。
貫通孔80aは、スペーサー80の中央に軸方向に貫通形成されている。この貫通孔80aには、図3(c)に示すように、その中央から順に、吸排気路8bを有する第3吸排気ロッド8a、第2ロッド58の小径部が貫通し、更に外側に、段部58a(第2ロッド58)を間隔とする第2油圧室32をおいて、蓋39の小径凸部39gが途中(油通路80bの溝底面)まで挿通されている。
油通路80bは、出力側の面に径方向に等間隔に形成された溝である。スペーサー80は、図1、図2(a)に示すように、その貫通孔80aに蓋39の小径凸部39gが、油通路80bの溝底面の位置(若しくは手前位置)まで挿通されている。これにより、第2ロッド58の段部58aが出力方向に移動した場合に、第2ロッド58の小径部外周面と蓋39の貫通孔内周面との間に存在する油(第2油圧室32)が、油通路80bを通ってスペーサー80の外側に移動し、第2油圧室32内の圧力が上昇する。
U字溝80cとU字溝80dは、それぞれカラー28と伸止めボルト34gを配設するための溝で、スペーサー80の全長にわたって形成されている。それぞれ配設されるカラー28とボルト34gの数に応じて、U字溝80cは対向する2箇所に、U字溝80dは4箇所に形成されている。
このU字溝80c、U字溝80dを、スペーサー80の全長に渉る貫通孔ではなく、外周面側が開放されたU字溝としたのは次の理由による。すなわち、カラー28、伸止めボルト34gを配設した後に第2油圧室32内に油を充填するが、貫通孔だとカラー28等と貫通孔との間にエアが残留してしまうのに対し、U字溝80c、80dとすることで開放された外周面側からエアの残留を無くすことができるためである。
図1、図2に戻り、第2ハウジング62の出力側には第1ハウジング61が配設されている。
第1ハウジング61の入力側の端部には、蓋27が複数のボルト27eで固定されている。
この蓋27は、第1ハウジング61に固定された状態で、第1ハウジング61の内側からボルト27aによって第2ハウジング62の蓋34に固定されている。これにより第1ハウジング61と第2ハウジング62とが連結されている。
蓋27には、出力側に凹部27g(図2(a)参照)が形成されている。この凹部27gは、第1空圧室21の入力側端面として機能する。
蓋27には、凹部27gの底面を貫通し、蓋34の連通孔34dと連通する連通孔27bが形成されると共に、凹部27gの底面には連通孔27bと繋がる連通溝27dが径方向に形成されている。
また、蓋27の外周面には、軸方向の溝27cが全長にわたって形成されている。そして、蓋27には、溝27cと繋がる位置から径方向内側に延び途中から軸方向入力側に曲がった、断面L字状のL字状連通孔27fが形成されている。L字状連通孔27fは、蓋27の入力側端面まで貫通することで、蓋34の連通孔34bと繋がっている。これにより、蓋27の外周面に形成した溝27cは、L字状連通孔27f、蓋34の連通溝34c、カラー28、蓋39の連通孔39cと凹部39d、によって第5空圧室65からのエア通路(第2エア通路の一部)を形成している。
一方、溝27cは、後述する第1ハウジング61の外周に形成した連通溝61eと繋がっている。
蓋27をボルト27aで蓋34に固定した状態で、第1ハウジング61内には、中央に第1ロッド50が延設された第1ピストン11が配設されている。
第1ピストン11が配設されることで、第1ハウジング61は第1ピストン11で仕切られ、入力側に第1空圧室21が、出力側に第4空圧室64が形成される。
図2(b)に示すように、第1ハウジング61には、両端側に周溝61a、61bが全周に渡って形成されている。この周溝61aには、上述したように摺動補助リング2b、2cが嵌められ、シリンダ2との摺動を円滑にしている。
また、第1ハウジング61には、全長に渡って軸方向(長手方向)に連通溝61eが形成されている。連通溝61eの入力側端部は、蓋27の連通溝27cと繋がっている。
周溝61a、61bと連通溝61eとが交叉する箇所には、周溝61a、61bに嵌められた摺動補助リング2b、2cによって連通溝61eが塞がれないようにするために、摺動補助リング2b、2cの幅よりも広く、厚さよりも深い凹部61c、61dが形成されている。この連通溝61eとシリンダ2の内周面との間が、第5空圧室65からのエアの通路となっている。
溝63c、凹部61dと凹部61cを含む連通溝61e、連通溝27c、L字状連通孔27f、連通孔34b、カラー28、連通孔39c、凹部39dは、第3空圧室41に供給されたエアを、第5空圧室65に供給する第2エア通路として機能する。
図1に戻り、第1ピストン11が内側に配置された第1ハウジング61の出力側の端部には、第3ハウジング63が複数のボルト63eで固定されている。
第3ハウジング63の出力側には凹部63aが形成されている。この凹部63aの底面中央には貫通孔63b(図2(a)参照)が形成され、この貫通孔63bには、第1ロッド50が挿通されている。
第3ハウジング63の軸方向の途中にはフランジ部が形成され、このフランジ部には外周には溝63cが形成されている。
また、第3ハウジング63のフランジ部には、溝63cと繋がる位置から径方向に延び途中から軸方向に曲がった、断面L字状のL字状連通孔63dが形成されている。
L字状連通孔63dは、第3ハウジング63の入力側端面まで貫通することで、第4空圧室64と繋がっている。
一方、溝63cは、その入力側が第1ハウジング61の外周に形成した連通溝61eと繋がり、出力側が第3空圧室41と繋がっている。また、第3空圧室41と第4空圧室64は、連通溝61eやカラー28等により第5空圧室65と繋がっている。
溝63cとL字状連通孔63dは、第3空圧室41に供給されたエアを、第1ピストンの出力側に形成された第4空圧室64に供給する第1エア通路として機能している。
第3ハウジング63の凹部63aには、中央に出力ロッド7が形成された第3ピストン13が配置されている。
第3ハウジング63の凹部63aは、第3ピストン13が配置されることで仕切られ、入力側に第1油圧室31が形成される。
第3ピストン13には、第1油圧室31に油を充填するための給油孔が形成され、油を注入した後に給油口栓38で密閉されている。
なお、第1油圧室31と出力ロッド7の中央には、軸方向に貫通していない空洞部7aが形成されている。この空洞部7aも第1油圧室31を構成し、空洞部7aの内部も油が充填されている。
空洞部7aは、その内径が第1ロッド50の径よりも大きく形成されることで、第1ロッド50が出入するようになっている。
第3ハウジング63の出力側端部には、抜止めリング37aが複数のボルト37bで固定されている。抜止めリング37aの固定は、凹部63aに第3ピストン13が配置され、油が充填され給油口栓38がされた状態で行われる。
第3ピストン13と抜止めリング37aのそれぞれ対向する面には、凹部13b、凹部37cが形成され、第3ピストン13を入力側に付勢するコイルバネ36が配置されている。
第2ハウジング62は、蓋39、蓋34と共に入力側ハウジングを構成し、第1ハウジング61と第3ハウジング63は、蓋27、抜止めリング37aと共に出力側ハウジングを構成している。
また、蓋34と蓋27とがボルト27aで固定されることにより、入力側ハウジングが出力側ハウジングの入力側(一端側)に固定されている。
次に、第1実施形態のシリンダ装置1による2種類の動作について説明する。
(第1動作)
図4は、シリンダ装置1による第1動作の各状態を表したものである。
この第1動作では、出力ロッド7の先端がワーク100に当接することでピストンハウジング60(61、62、63)のシリンダ2への固定を行い、その後に任意のタイミングで出力ロッド7の先端から増幅された油圧力を出力する。
最初に、シリンダ装置1を初期状態にする動作について、図1を参照して説明する。
シリンダ装置1の初期状態とは、シリンダ2内のピストンハウジング60と第2ピストン12を入力側に移動した状態で、図1に示した状態が該当する。
初期状態にするには、第1吸排気口5と第3吸排気口8を開放した状態で、第2吸排気口6から所定圧力でエアを供給する。
第3空圧室41に供給されたエアは、第3空圧室41を形成するピストンハウジング60の出力側端面を押圧し、ピストンハウジング60全体が入力方向に移動を開始する。
同時に、第3空圧室41に供給されたエアは、第2エア通路として機能する、溝63c、凹部61dと凹部61cを含む連通溝61e、連通溝27c、L字状連通孔27f、連通孔34b、カラー28、連通孔39c、凹部39dを通り、第5空圧室65に到達する。第5空圧室65に供給されたエアは、第2ピストン12の出力側端面を押圧し入力側に移動する。この時、第1吸排気口5を開放しているので、第2ピストン12と第2ロッド58は、第2空圧室22による出力方向の空圧を受けないため、容易に入力方向に移動できる。
そして、第2ピストン12と第2ロッド58が入力側に移動し、フランジ部58cが抜止めリング29と係合する。フランジ部58cが抜止めリング29に係合した以降のピストンハウジング60は、抜止めリング29を介してフランジ部58cにより入力側に引かれると共に、その出力側端面が第3空圧室41のエアで入力側に押圧されることで、第2ピストン12が蓋3に当接するまで移動する。
この第2ピストン12の入力側への動きに伴い、第2空圧室22内のエアは、第1吸排気口5から排出される。
また、第2吸排気口6から供給されたエアは第3空圧室41から溝63c、L字状連通孔63dを通り第4空圧室64内の圧力も上昇する。第4空圧室64からの圧力により第1ピストン11は、蓋27に当接するまで入力側に移動する。この際、第1空圧室21内に存在するエアは、第1ピストン11に押され、連通溝27d、連通孔27b、連通孔34d、吸排気路8bを通り第3吸排気口8から放出される。
なお、出力ロッド7と第3ピストン13は、第3空圧室41の圧力上昇とコイルバネ36により入力側に付勢され入力側に移動する。それと同時に、第1ピストン11が入力側に移動するのに伴い、第1油圧室31内部における凹部63a部分の油が、出力ロッド7の空洞部7aへ流入することにより、凹部63aにおける第1油圧室31の空間が減少し、第3ピストン13が入力側に移動する。第3ピストン13は、第3ハウジング63の凹部63aの底面に当接するまで移動する。
以上の動きによりシリンダ装置1は、図1に示した初期状態となる。
この初期状態において、図4(a)に示すように、第3吸排気口8と第2吸排気口6を開放すると共に、第1吸排気口5からエアを供給する。
すると、第2空圧室22の圧力が上昇し、第2ピストン12を出力側に押し、第2ピストン12は第2ロッド58の段部58aで第2油圧室32を押圧する。この時出力側への押圧力の反力がピストンハウジング60全体に働いていないので、第2油圧室32の油が狭窄されることが無く、薄肉部15は弾性変形を生じない。そのため第2ロッド58の段部58aが第2油圧室32を押圧することにより、ピストンハウジング60全体が出力側に移動する。
なお、第3吸排気口8が開放されているため、第1空圧室21の空圧は上昇しないので、第1ピストン11と第1ロッド50は、ピストンハウジング60を基準として出力方向に移動せず、蓋27に当接したままである。また第1ロッド50が出力方向に移動しないので、第1油圧室31内の油圧も上昇せず、第3ピストン13も第3ハウジング63に当接したままである。
そして、図4(a)に示すように、第2ピストン12とピストンハウジング60の移動と共に、出力ロッド7も出力方向に移動し、出力ロッド7の先端部がワーク100に当接する。
出力ロッド7がワーク100に当接すると、第3ピストン13が第3ハウジング63と当接しているので、ピストンハウジング60全体の移動が停止する。
この状態で、図4(b)に示すように、更に第1吸排気口5からエアを供給する。すると、ピストンハウジング60が移動停止しているため、第2空圧室22内の圧力が更に上昇し、第2ピストン12と第2ロッド58が出力方向に移動する。
なお、第2ピストン12の移動により第5空圧室65の容積が小さくなるが、第5空圧室65内のエアは、第3空圧室41に移動し、第2吸排気口6から排出される。具体的な経路としては、図1に示すように、第5空圧室65から、凹部39d、連通孔39c、カラー28、連通孔34b、L字状連通孔27f、連通溝27c、連通溝61e、溝63c、第3空圧室41を通り、第2吸排気口6から排出される経路である。
第2ロッド58の移動により、第2油圧室32は段部58aで押圧され、内部圧力が上昇する。この油圧により、図4(b)において径方向の矢印で示すように、第2ハウジング62の薄肉部15が外向きに弾性変形しシリンダ2に固定される。これにより、ピストンハウジング60は、移動が停止しているだけの状態から、薄肉部15でシリンダ2に固定された状態となる。
なお、第2ハウジング62の薄肉部15は、その両端の蓋39と蓋34とが伸止めボルト34gで止められているため、第2油圧室32の内部圧力の上昇によっては長手方向に伸びずに、径方向に膨張するように弾性変形する。
なお、第2ハウジング62が薄肉部15で固定されない状態では、ピストンハウジング60は移動できずに停止しているだけの、非固定状態(図4(a)の状態)である。
この非固定状態で、第1吸排気口5からのエア供給を停止し、第3吸排気口8からエアの供給をすると、ピストンハウジング60全体が逆方向(入力方向)に移動してしまう。すなわち、第1空圧室21の圧力で第1ピストン11と第1ロッド50が移動して第1油圧室31内の油圧が上昇するが、出力ロッド7はワーク100で固定されているため、ワーク100からの反力によりピストンハウジング60全体が逆方向(入力方向)に移動してしまう。
そこで、ピストンハウジング60が薄肉部15の弾性変形により固定されたか否かについては、シリンダ2の外周部にひずみゲージ(図示しない)を配設し、薄肉部15によるシリンダ2への押圧力により生じるシリンダ2の変形ひずみを検知し、所定のひずみ量を検知することでピストンハウジング60の固定を判断する。あるいは第2油圧室32内の圧力を検出する圧力センサ(図示しない)を配置し、この圧力が所定値(薄肉部15が弾性変形する値)を超えたか否かにより判断してもよい。なお、圧力センサによる検出対象を第2空圧室22としてもよい。また、圧力センサに変えて、出力ロッド7の移動を検出するセンサや吸排気ロッド8aの移動を検出するセンサを設け、移動が停止してから所定時間(第2油圧室の圧力が上昇し薄肉部15が弾性変形するまでの時間)経過により、固定されたと判断するようにしてもよい。
薄肉部15の弾性変形によりピストンハウジング60がシリンダ2に固定された図4(b)の状態では、出力ロッド7はワーク100に当接しているだけで、出力ロッド7の先端からは増幅された推力は出力されない。
そこで、所望のタイミングにおいて、図4(c)に示すように、第3吸排気口8からエアを供給すると、供給されたエアは、吸排気路8b、連通孔34d、連通孔27bを通り第1空圧室21の圧力を上昇させる。
そして第1ピストン11が第1空圧室21の圧力を受け、太矢印で示すように、第1ロッド50の先端が、第1油圧室31を押圧し、増幅された油圧力を第3ピストン13が受ける。この増幅された油圧力を第3ピストン13が受けることにより推力が増大され、大きな推力が出力ロッド7からワーク100に出力される。
このとき出力ロッド7の大きな推力によりワークが変形もしくは移動する場合は、それに伴い出力ロッド7に油圧力によるストロークが生じる。すなわちワークが変形もしくは移動を行っている間のみ、出力ロッド7が増幅された油圧力で出力方向に移動し、ワークの停止と共に移動を停止する。
出力ロッド7の移動については、第1ピストン11が第1空圧室21の圧力を受け、出力側に移動して、第1ロッド50が第1油圧室31を押圧することによって生じるが、詳細の動作については後述する図5(b)〜(c)の動作と同じである。
(第2動作)
次に、図1に示した初期状態からの、第2動作について説明する。
図5は、シリンダ装置1による第2動作の各状態を表したものである。
この第2動作では、出力ロッド7の先端がワーク100に当接する前に、ピストンハウジング60の出力側端部(抜止めリング37a)が蓋4に当接することでピストンハウジング60の移動が停止し、その後に任意のタイミングで出力ロッド7の先端から増幅された油圧力を出力する。
初期状態において、図5(a)に示すように、第3吸排気口8と第2吸排気口6を開放すると共に、第1吸排気口5からエアを供給する。
第1吸排気口5からのエアの供給により、図4(a)で説明したのと同様に、第2ピストン12とピストンハウジング60(61、62、63)が出力方向に移動する。
そして、第1動作と異なり、この第2動作では、出力ロッド7の先端がワーク100と当接してピストンハウジング60が移動停止する前に、ピストンハウジング60の最も出力側に位置する抜止めリング37aが蓋4に当接することでピストンハウジング60全体の移動が停止する。
この状態で、図5(b)に示すように、更に第1吸排気口5からエアを供給する。すると、図4(b)を参照して説明した第1動作と同様に、第2空圧室22内の圧力上昇により第2ピストン12と第2ロッド58が出力方向に移動し、第2油圧室32の油圧を上昇させる。これにより薄肉部15が径方向に弾性変形してピストンハウジング60全体がシリンダ2に固定される。
薄肉部15の弾性変形によりピストンハウジング60がシリンダ2に固定された図5(b)の状態から、図5(c)に示すように、所望のタイミングで第3吸排気口8からエアを供給する。すると、供給されたエアが、吸排気路8b、連通孔34d、連通孔27bを通り第1空圧室21の圧力を上昇させる。この上昇した圧力を第1ピストン11が受けることで、第1ロッド50の先端が第1油圧室31を押圧する。
第3吸排気口8からのエア供給による、ここまでの動作は第1動作と同様である。
しかし、第2動作では、図5(b)に示すように、出力ロッド7の先端には何も当接していないため、第3ピストン13と出力ロッド7は出力方向に移動可能である。
このため、第1ピストン11と第1ロッド50は、第1ロッド50の先端が第1油圧室31を押圧しながら出力方向に移動し、出力ロッド7の空洞部7aに入り込む。
これにより、空洞部7a内の油は、第1ロッド50の外周面と出力ロッド7の内周面との間を通って第1油圧室31の凹部63a側に移動する。この第1油圧室31内の油の移動により第3ピストン13は、第1ロッド50の第1油圧室31内部への挿入ストローク量に応じた距離(油圧ストローク分)まで出力方向に移動する。
この状態で、第1ロッド50の先端が第1油圧室31を押圧することで油圧が上昇し、この上昇した油圧を、第3ピストン13が受けることで、出力ロッド7の先端から大きな推力が出力される。
図5(b)では出力ロッド7の先端がワークに当接していない状態を示したが、図4のようにワークに当接する場合でも、出力ロッド7の増幅された推力によりワークが変形もしくは移動する場合では図5(c)のように第1ロッド50が動作するので出力ロッド7に油圧ストロークを発生させる。
なお、第1ロッド50が空洞部7a内を移動して出力ロッド7から推力が出力されるまでの、出力ロッド7の移動量(油圧ストローク)をLhとしたとき、第1ロッド50の第1油圧室31内部への挿入ストローク量(=第1ピストン11の移動量)をLa、第1ロッド50の第1油圧室31における出力側断面積をSa、第1油圧室31における第3ピストン13および出力ロッド7の入力側断面積をShとすると、次の式の関係が成り立つ。
Lh=La×(Sa/Sh)
以上説明したように、第1実施形態によれば、第2油圧室32の油圧を上昇させてピストンハウジング60をシリンダ2に固定するための第1吸排気口5とは別に、出力ロッド7の先端から推力を発生させるための第3吸排気口8を設けている。
これにより、ピストンハウジング60の固定動作と、出力ロッド7からの推力発生動作を独立させることができる。
また、第1実施形態によれば、出力ロッド7がワーク100に当接した状態でも、当接していない状態(抜止めリング37aが蓋4に当接した状態)でも、出力ロッド7先端から第1油圧室31の油圧により増幅された推力を出力することができる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態のシリンダ装置1bについて説明する。
第1実施形態では第1吸排気口5用の切替弁と、第3吸排気口8用の切替弁の2つがシリンダ2の外部に必要であったが、この第2実施形態によれば、切替弁として機能する逆止弁54をシリンダ2の内部に配設することで、第3吸排気口8が不要になる。すなわち、外部の切替弁としては第1吸排気口5用の1つでよい。
これにより第2実施形態では、増幅した油圧力でピストンハウジング60をシリンダ2に固定する固定動作(クランプ動作)と、エアハイドロ機構により出力ロッド7の先端に増幅された油圧力を発生させる油圧出力動作とを、逆止弁(ボールチェック弁)54を用いて、自動的に連続して行うことができる。
図6は、第2実施形態におけるシリンダ装置1bの一部を表した断面図(a)と、その部品を表した断面図(b)である。
この図6では、第2実施形態に特徴的な逆止弁54周辺について表し、他の部分は、伸止めボルト34g、緩み止めボルト39h、スペーサー80を含め、図1、2で表した第1実施形態のシリンダ装置1と同じである。
図6に示すように、シリンダ装置1bは、第1ハウジング61の入力側端部に固定される蓋27と、第2ハウジング62の出力側端部に固定される蓋34との間に逆止弁54が配設されている。
この逆止弁54は、連通ロッド8dの先端に取り付けられる開閉ロッド54a、ストップリング54b、球体54c、円筒部材54d、コイルバネ54eを備えている。
蓋27には、逆止弁54が収容される凹部27gが形成されている。この凹部27g内には、球体54c、円筒部材54d、コイルバネ54eが収容された状態で、ストップリング54bが蓋27に螺合されている。
コイルバネ54eは、凹部27gの底部と円筒部材54dの底部との間に配置され、逆止弁54を介して球体54cを入力方向に付勢することで、球体54cによりストップリング54bに形成された通気穴54fを閉じている。
第1実施形態における吸排気ロッド8aは、入力側が蓋3を貫通し端部が第3吸排気口8に接続され、連通路8eが軸方向に貫通していた(図1参照)。
これに対して吸排気ロッド8aに対応する本実施形態の連通ロッド8dは、図6に示すように、入力側の端部が、第2ロッド58の入力側の端面まで形成され、連通路8eは第2空圧室22と連通している。
一方、連通ロッド8dの出力側の端部は軸方向に貫通しておらず、先端面よりも少し手前で径方向に貫通形性された連通路8fと繋がっている。
この連通ロッド8dは、第1実施形態と同様に、第2ロッド58に形成された貫通孔内に挿通され、入力側の端部で螺合するとともに固定ネジ12bで径方向から固定されている。
第2ロッド58に形成された貫通孔は、第1実施形態と異なり、先端側(出力側の小径部)の内径が連通ロッド8dの出力側の外径よりも大きく形成されている。
これにより第2空圧室22のエアは、連通路8eから連通路8fを通り、さらに連通ロッド8d外周と第2ロッド58の貫通孔との間を通り、連通孔34dに供給される。
連通ロッド8dの先端には、中心軸に沿って凹部が形成され、ここに逆止弁54の開閉ロッド54aが圧入されている。
この連通ロッド8dは、逆止弁54、連通孔27b、連通溝27dと共に、第2空圧室22と第1空圧室21とを連通する連通手段として機能している。
第2ロッド58の大径部には、中径部の外周に沿った凹部58bが形成されている。第2ロッド58の中径部は、コイルバネ33に挿通され、コイルバネ33の一端側が凹部58bに配置され、他端側が蓋39に形成した凹部39dの底面に当接している。
第2ロッド58の大径部の出力側端面には径方向に張り出したフランジ部58cが形成されている。
第2ロッド58は、コイルバネ33を挿通した第2ロッド58の小径部と中径部を蓋39に通した状態において、抜止めリング29が入力側から蓋39にボルト29cで固定されている。
コイルバネ33は、第2ロッド58とピストンハウジング60(61、62、63)全体とを互いに離れる方向に付勢する。すなわち、コイルバネ33は、ピストンハウジング60に対して第2ロッド58を入力側に付勢し、第2ロッド58に対してピストンハウジング60を出力側に付勢している。
このため、コイルバネ33は、シリンダ装置1bを初期状態にする場合には、第2吸排気口6から供給される所定圧力のエアに加えて、コイルバネ33の付勢力によって、フランジ部58cが抜け止め抜止めリング29と当接するまで戻りやすくしている。一方、後述する動作において、コイルバネ33はピストンハウジング60全体を出力方向に押すことを補助している。
なお、この第2ロッド58の大径部に設ける凹部58bとコイルバネ33については、第1実施形態にも設けることが可能である。
次に、第2実施形態のシリンダ装置1bによる第1動作と第2動作について説明する。
(第1動作)
図7は、シリンダ装置1bによる第1動作の各状態を表したものである。
この第1動作では、出力ロッド7の先端がワーク100に当接することでピストンハウジング60の固定する動作に連続して、逆止弁(ボールチェック弁)54が自動的に作動して、出力ロッド7の先端から増幅された油圧力を出力する。
シリンダ装置1bを初期状態にする場合、第1吸排気口5を開放した状態で、第2吸排気口6から所定圧力でエアを供給する。これによりシリンダ2内の各部が入力側に移動するが、この動きはコイルバネ33による付勢力で第2ロッド58が戻り易くなっている点を除いて、第1実施形態と同様である。
なお、図6は初期状態ではなく出力側に移動した状態を表している。
初期状態において、図7(a)に示すように、第2吸排気口6を開放すると共に、第1吸排気口5からエアを供給する。
すると、第2空圧室22の圧力が上昇し、第2ピストン12を出力側に押し、第2ピストン12は第2ロッド58の段部58aで第2油圧室32を押圧する。ここで、出力側への移動の押圧力の反力がピストンハウジング60全体に働いていないので、第2油圧室32の油が狭窄されることが無く、薄肉部15は弾性変形を生じない。そのため第2ロッド58が第2油圧室32を押圧することにより、ピストンハウジング60全体が出力側に移動する。コイルバネ33はピストンハウジング60全体を出力方向に押すことを補助している。これらの動作は、図4(a)の説明と同じ動作で、出力ロッド7が出力方向に移動して先端部がワーク100に当接する。
なお、第2空圧室22で上昇した圧力により、連通路8e、8fを通り、連通孔34dの圧力も上昇するが、この空圧により球体54cに生じる入力側への移動力よりもコイルバネ54e(図6参照)の付勢力の方が大きいため、逆止弁54は封止され状態のままである。
出力ロッド7がワーク100に当接すると、第3ピストン13が第3ハウジング63と当接しているので、ピストンハウジング60全体の移動が停止する。
この状態で、図7(b)に示すように、更に第1吸排気口5からエアを供給すると、第2空圧室22内の圧力がコイルバネ33の付勢力を越え、第2ピストン12と第2ロッド58が出力方向に移動する。
これにより第2油圧室32は、段部58aで押圧されて内部圧力が上昇し、薄肉部15が外向きに弾性変形してピストンハウジング60全体が、移動が停止状態から、シリンダ2に固定された状態となる。
図7(c)は、薄肉部15の弾性変形によりピストンハウジング60がシリンダ2に固定された状態で、同時に第2ロッド58の先端に固定された開閉ロッド54aが球体54cを押して逆止弁54を開いた状態を示している。
この状態になると、第1吸排気口5から供給されているエアが、第2空圧室22から連通路8e、連通孔34d、通気穴54f、凹部27g、連通孔27b、連通溝27d(図6参照)を通り、第1空圧室21の圧力を上昇させる。
そして第1ピストン11が第1空圧室21の圧力を受け、第1ロッド50の先端が、第1油圧室31を押圧し、増幅された油圧力を第3ピストン13が受ける。この増幅された油圧力を第3ピストン13が受けて、大きな推力が出力ロッド7からワーク100に出力される。
このとき、第2ハウジング62の固定(図7(b)の状態)と、開閉ロッド54aが球体54cを押して逆止弁54を開く(図7(c)の状態)がほぼ同時であればどちらが早くても構わない。第2ハウジング62の固定の方が早い場合は、その後、第2空圧室22の加圧により第2ピストン12や第2ロッド58は、組付けられたシール部材に弾性変形が生じて、これにより第2ロッド58がさらに出力側に移動して逆止弁54を開く。
逆止弁54を開く方が僅かに早い場合は、その僅かな時間分だけ第1空圧室21に先にエアが供給され、第1油圧室31が加圧され油圧力が発生し、出力ロッド7はワーク100に当接しているため動かないが、その反力として第3ハウジング63が入力側に僅かに移動するが、第1ピストン11の移動距離が僅かであり、かつ出力ロッド7の移動量Lhは先に説明したように、Lh=La×(Sa/Sh)しか動かないので全体のストロークに大きな影響を与えない。但し、第2油圧室32が固定されていない間は、出力ロッド7に大きな油圧力を発生することができない。
また出力ロッド7に大きな推力が発生後、それによりワークが変形もしくは移動する場合は、それに伴い出力ロッド7に油圧力によるストロークが生じる。すなわちワークが変形もしくは移動を行っている間のみ、出力ロッド7が増幅された油圧力で出力方向に移動し、ワークの停止と共に移動を停止する。この場合の出力ロッド7の動作については、第1実施形態と同様である。
第2実施形態のシリンダ装置1bにおいても、薄肉部15で固定されない状態(図7(a)の状態)では、ピストンハウジング60は移動できずに停止しているだけの状態である。
そこで、第1実施形態と同様に、ピストンハウジング60が薄肉部15の弾性変形により固定されたか否かについては、シリンダ2の外周部にひずみゲージ(図示しない)を配設し、薄肉部15によるシリンダ2への押圧力により生じるシリンダ2の変形ひずみを検知し、所定のひずみ量を検知することでピストンハウジング60の固定を判断する。あるいは第2油圧室32内の圧力を検出する圧力センサ(図示しない)を配置し、この圧力が所定値(薄肉部15が弾性変形する値)を超えたか否かにより判断してもよい。なお、圧力センサによる検出対象を第2空圧室22としてもよい。また、圧力センサに変えて、出力ロッド7の移動を検出するセンサを設け、移動が停止してから所定時間(第2油圧室の圧力が上昇し薄肉部15が弾性変形するまでの時間)経過により、固定されたと判断するようにしてもよい。
(第2動作)
次に、初期状態からの第2動作について説明する。
図8は、シリンダ装置1bによる第2動作の各状態を表したものである。
この第2動作では、出力ロッド7の先端がワーク100に当接する前に、ピストンハウジング60の出力側端部(抜止めリング37a)が蓋4に当接することでピストンハウジング60の固定をする。この固定動作に連続して、逆止弁54が自動的に作動して、出力ロッド7の先端から増幅された油圧力を出力する。
この第2実施形態における第2動作では、シリンダ2内の各部は、初期状態から、図8(a)、(b)、(c)の状態に順次動作する。
そして、図8(a)〜(c)の各状態における、逆止弁54を除いた、第2ピストン12と第2ロッド58、ピストンハウジング60(61、62、63)、第1ピストン11と第1ロッド50、及び、第3ピストン13と出力ロッド7の動作は、第1実施形態において図5(a)〜(c)で説明した第2動作と同じである。
一方、逆止弁54の動作と、逆止弁54が開くタイミングや、第1空圧室21のエアが第1空圧室21を加圧する動作は、図7で説明した逆止弁54の動作と同じである。
但し、第2ハウジング62の固定と逆止弁54が開くタイミングは、僅かに逆止弁54が早く開くように連通ロッド8dを調整し、開閉ロッド54aの位置を最適にセットしてある。
また第1空圧室21が加圧された状態で第1ピストン11と第1ロッド50が空洞部7a内を進行方向に移動し、出力ロッド7の先端から推力が出力される動作については、図5(c)で説明した動作と同じである。
なお、この第2動作では、図8(c)に示すように、第1ピストン11が第1ハウジング61内を出力方向に大きく移動しているため、初期状態に戻す動作については、第1動作の場合と異なり、次の通りである。
図8(c)の状態から初期状態に戻す場合、第1吸排気口5を開放した後に、第2吸排気口6から所定圧力でエアを供給する。この第2吸排気口6から供給されたエアは、第3空圧室41と、第4空圧室64および第5空圧室65に供給される。
第4空圧室64にエアが供給されると第1ピストン11が蓋27に当接するまで移動する。このとき第1空圧室21のエアは逆止弁54を通り、連通路8eを通って第1吸排気口5から排出される。
同時に第5空圧室65にもエアが供給されるので第2ピストン12と第2ロッド58も入力方向に移動を開始するが、第1ピストン11の方が第2ピストン12よりも予め摺動抵抗が小さく設定されており、第2ピストン12が移動して逆止弁54が閉じる前に第1ピストン11の動作が完了する。
摺動抵抗の違いは、潤滑油の有無や材質の違い、使用するパッキンの材質の違いや締め代を調整することにより行う。
一方、第1吸排気口5の開放により、第2ピストン12と第2ロッド58は、逆止弁54を通ってエアが第2空圧室22に流入しても出力方向の空圧を受けない。このため、第5空圧室65に供給されたエアによる加圧とコイルバネ33の付勢力とにより、第2ピストン12と第2ロッド58は入力方向に移動を開始する。これにより第2ハウジング62の薄肉部15による固定が解放される。
第3空圧室41と第4空圧室64は第2吸排気口6からのエア供給により加圧され、第1ハウジング61を入力側に移動させるように力が働いているので、第2ハウジング62の固定が解放されると同時に、ピストンハウジング60(61〜63)全体が入力側へ移動する。
ピストンハウジング60全体の入力側への移動は、第2ハウジング62の固定が解放されればよいので、フランジ部58cが抜止めリング29に当接する前に開始する。
このとき逆止弁54は、第1ピストン11が動作完了後に閉じるように開閉ロッド54aがセットされており、閉じるのは第2ハウジング62の固定が解除される前でも後でもよい。
第2ピストン12は、第5空圧室65にエアが供給されることにより、フランジ部58cが抜止めリング29に当接するまで出力側に移動し、さらに第2ピストン12が蓋3に当接して、ピストンハウジング60全体が停止する。
第1ピストン11が蓋27に当接して入力側への移動が完了し、ピストンハウジング60全体が停止状態となったら、第2吸排気口6を開放する。これにより初期状態となる。
第1ピストンの移動の完了は、第3吸排気口8からのエアの排気流量や出力ロッド7の位置で把握することができる。
なお図7で説明した第1動作では、第1ハウジング61内における第1ピストン11の移動は僅かであるため、逆止弁54が閉じる前に第1ピストン11は入力側への移動を容易に完了する。このため、予め第1ピストン11と第2ピストン12の摺動抵抗を調整しておかなくても第1吸排気口5を開放し、第2吸排気口6からエアを供給することで初期状態に戻る。
以上説明したように、第2実施形態によれば、第2油圧室32の油圧を上昇させてピストンハウジング60をシリンダ2に固定するための第1吸排気口5を設け、この固定動作に連続して逆止弁54が開くようにしている。
第1吸排気口5からのエア供給だけで、ピストンハウジング60のシリンダ2への固定に連続して、出力ロッド7の先端から増幅した推力を出力することができる。
次に、シリンダ装置1(1b)を用いたプレス加工について図9を参照して説明する。
図9(a)は、シリンダ装置1を用いてプレス加工(抜き加工)を行う例を説明するための図である。
なお、シリンダ装置1bも同様であるため、シリンダ装置1を例に説明する。
図示しないプレス装置は、出力方向を下方にしてシリンダ装置1を固定している。
出力ロッド7の先端には、抜き型用の工具であるパンチ71が出力ロッド7と同軸に固定されており、その下方には、下から設置台73、ワーク100、治具72の順で設置されている。これらは、ワーク設置手段として機能している。
パンチ71は、円柱形状を有しており、金属板で構成されたワーク100に円形の孔を明ける金型である。
治具72は、パンチの際に、ワーク100を設置台73に押圧してワーク100を固定する部材であって、パンチ71を通過させる貫通孔が形成されている。
設置台73にも、パンチする際にパンチ71を逃がす貫通孔が形成されている。
以上の構成において、シリンダ装置1は、次の順でプレス加工を行う。
(1)まず、第1吸排気口5と第3吸排気口8を開放して第2吸排気口6にエアを供給することにより、シリンダ装置1を初期状態とし、これによってパンチ71を後退させて、設置台73の上にワーク100と治具72を所定位置に設置する。
(2)次に、治具72でワーク100を設置台73に押圧して固定する。そして、第2吸排気口6と第3吸排気口8を開放して第1吸排気口5からエアを供給する。
すると、エアによる駆動で、図4(a)で説明した第1動作により、出力ロッド7が出力方向に前進し、パンチ71の先端がワーク100に当接する。
(3)パンチ71の先端が当接すると、第1吸排気口5からのエア供給によって、図4(b)で説明したように、第2油圧室32内の圧力が高まり、薄肉部15が径方向に弾性変形することで、ピストンハウジング60全体がシリンダ2に固定される。ピストンハウジング60の固定をひずみゲージ等で検出したら、第2吸排気口6の開放と第1吸排気口5からのエア供給を継続しながら、第3吸排気口8からエアを供給する。第3吸排気口8からのエアにより、図4(c)で説明したように、第1空圧室21が加圧され、これにより第1ピストン11の第1ロッド50先端が第1油圧室31の油圧力を増幅し、この増幅された油圧力で出力ロッド7が駆動される。これにより、強い力でパンチ71がワーク100に押しつけられて、ワーク100が穿孔される。このようにプレス装置は、プレス手段を備えている。
(4)ワーク100に孔が空けられると、第1吸排気口5と第3吸排気口8を開放して第2吸排気口6からエアを供給し、エア駆動によりパンチ71を引き上げ、次いでワーク100を所定位置から離脱する。このようにプレス装置は、離脱手段を備えている。
図9(b)は、シリンダ装置1を用いたプレス加工でワーク100に凹部を形成する例を説明するための図である。
オス金型74は、円柱形状を有するオス型の金型であって、先端に凹部を形成するための突起部が形成されており、出力ロッド7に同軸に取り付けられている。
メス金型75は、メス型の金型であって、オス金型74の突起部を受ける凹部が形成されている。
以上の構成において、シリンダ装置1は、次の順でプレス加工を行う。
(1)まず、第1吸排気口5と第3吸排気口8を開放して第2吸排気口6にエアを供給することにより、シリンダ装置1を初期状態とし、これによってオス金型74を後退させて、メス金型75の上にワーク100と治具72を設置する。
(2)次に、治具72でワーク100をメス金型75に押圧して固定する。そして、第2吸排気口6と第3吸排気口8を開放して第1吸排気口5からエアを供給する。すると、エアによる駆動で出力ロッド7が出力方向に前進し、オス金型74の先端がワーク100に当接する。
(3)オス金型74の先端が当接すると、第1吸排気口5からのエア供給によって、第2油圧室32内の圧力が高まり、薄肉部15の弾性変形でピストンハウジング60全体がシリンダ2に固定される。ピストンハウジング60の固定をひずみゲージ等で検出したら、第2吸排気口6の開放と第1吸排気口5の状態を維持しながら、第3吸排気口8からエアを供給する。第3吸排気口8からのエアにより、第1空圧室21が加圧され、これにより第1ピストン11の第1ロッド50先端が第1油圧室31の油圧力を増幅し、この増幅された油圧力で出力ロッド7が駆動される。これにより、強い力でオス金型74の先端がワーク100に押しつけられて、ワーク100に凹部が形成される。
(4)ワーク100に凹部が形成されると、第1吸排気口5と第3吸排気口8を開放して第2吸排気口6からエアを供給し、エア駆動によりオス金型74を引き上げる。
(第3実施形態)
次に第3実施形態のシリンダ装置1cについて説明する。
第2実施形態では、内部切替弁として機能する逆止弁54をシリンダ2内に配設ことにより、増幅した油圧力でピストンハウジング60をシリンダ2に固定する固定動作と、エアハイドロ機構により出力ロッド7の先端に増幅された油圧力を発生させる油圧出力動作とを自動的に連続して行うことができる。
この第2実施形態では、上述したように、第2動作の後に初期状態に戻す場合、第1吸排気口5を開放した後に、第2吸排気口6から所定圧力でエアが供給され、第3空圧室41に供給されたエアがピストンハウジング60を、第4空圧室64に供給されたエアが第1ピストン11を、第5空圧室65に供給されたエアが第2ピストン12と第2ロッド58を、それぞれ入力側に移動させる。
そして第1ピストン11の入力方向の移動に伴い、第1空圧室21のエアが逆止弁54を通って第1吸排気口5から排出される必要があるため、第2ピストン12が移動して逆止弁54が閉じる前に、第1ピストン11の動作が完了(蓋27に当接)する必要がある。そのため、第2実施形態では、潤滑油やパッキンの材質の違い等により、第1ピストン11の摺動抵抗を、第2ピストン12よりも小さく設定して、エアが供給されてから動作が完了するまでの時間が短くなるようになっている。
これに対して第3実施形態では、第2吸排気口6からのエアが第5空圧室65に供給される通路上(具体的には、蓋27を通るL字状連通孔27f上)に、第1ピストン11の移動により動作する開閉弁53を設ける。
開閉弁53は、第2動作後に初期状態に戻す際に、第1ピストン11の動作が完了して蓋27に当接するまで閉状態であるため、第2ピストン12が移動して逆止弁54が閉じることがない。
第2ピストン12は、第1ピストン11の動作が完了して蓋27に当接して開閉弁53が開状態になった後に、第2吸排気口6からのエアが第5空圧室65に供給されて入力方向に移動する。
図10は、第3実施形態のシリンダ装置1cにおける、開閉弁53とその周辺の部品図である。
なお、第3実施形態におけるシリンダ装置1cは、図10に示した開閉弁53と蓋27、蓋34以外の構成については、第2実施形態と同じであるためその説明を適宜省略することとする。
図10に示されるように、開閉弁53は、蓋34と蓋27の間で、入出力方向に移動するように配設されている。
蓋27には、L字状連通孔27fにおける、径方向に延びる部分と交差する位置に、L字状連通孔27fのエア通路を開閉する開閉弁53を配設するための貫通孔27kが軸方向(長手方向)に形成されている。貫通孔27kは、入力側の大径部と出力側の小径部により段差を有して形成され、この段差により開閉ロッド53aの出力側の移動が規制されている。
開閉弁53は、開閉ロッド53aとコイルバネ53bを備えており、開閉ロッド53aが蓋27の貫通孔27kの大径部に摺動自在に挿通されている。開閉ロッド53aは、後述する蓋27の小径部を軸方向に摺動自在に貫通しており、その先端が第1ピストン11と接離するようになっている。
開閉ロッド53aは、出力側のロッド部53dと、胴部53cと、コイルバネ53bの一端側(出力側)を収容する円筒部53gとを備えている。
胴部53cの外径は、入力側が円筒部53gと同径に形成された大径部と、出力側が円筒部53gよりも小径に形成された小径部を有している。胴部53cの大径部は蓋27の貫通孔27kの内径と略同径であり、小径部は貫通孔27kよりも小径に形成されている。
胴部53cには、径方向に貫通する連通路53eが小径部に形成されると共に、大径部の外周面に外周溝53fが形成されている。
また、胴部53cの中心には軸方向に伸び、円筒部53gの底面から連通路53eまで貫通する連通孔53jが形成されている。これにより蓋27の貫通孔27kと蓋34の貫通孔34kは、円筒部53gの内部、連通孔53j、連通路53eを介して連通し、貫通孔27kと貫通孔34k内部のエアは、開閉ロッド53aの動作に連動して互いに行き来することができる。
外周溝53fは、開閉弁53が開状態において、L字状連通孔27fと繋がる位置に形成されている。外周溝53fとL字状連通孔27fが一致すると、外周溝53fの溝内部をエアが流れるようになり、L字状連通孔27fを連通させることが可能になる。
蓋34における出力側に形成されているフランジ部には、軸方向の貫通孔34kが形成されている。なお、蓋34のフランジ部には、他に蓋34を第2ハウジング62に固定するためのボルト34aや、給油口栓382を通すための貫通孔等が形成されているため、これらと干渉しない位置に貫通孔34kが形成されている。
貫通孔34kの内径は、蓋27の貫通孔27kと同径であり、コイルバネ53bと開閉弁53の円筒部53gが、軸方向に摺動するように収容されている。
コイルバネ53bの他端側(入力側)の端部は、貫通孔34kを通り、第2ハウジング62に当接している(図11参照)。
このコイルバネ53bにより、開閉ロッド53aはロッド部53dを出力側に付勢している。
但し、シリンダ装置1の初期状態等では、開閉ロッド53aが第1ピストン11により入力側に押し込まれることで、開閉弁53が開状態となり、L字状連通孔27fが外周溝53fで連通している。
そして、第2動作において、第1ピストン11が蓋27から離れるに従って、開閉ロッド53aはコイルバネ53bの付勢力で出力側に移動し、第1ピストン11と開閉ロッド53aとが離れた状態において、蓋27のL字状連通孔27fは円筒部53gで閉鎖される。すなわち、第2吸排気口6から第5空圧室65までのエア流路が、開閉弁53で遮断される。
次に、第3実施形態のシリンダ装置1cによる第1動作と第2動作について説明する。
図11は、第3実施形態の動作状態を表す説明図で、(a)は初期状態におけるシリンダ装置1cの一部を、(b)は第2動作における途中の状態を表したものである。
(第1動作)
上述したように第1動作では、出力ロッド7の先端がワーク100に当接することで、ピストンハウジング60(61、62、63)がシリンダ2に固定され、その後に任意のタイミングで出力ロッド7の先端から増幅された油圧力を出力する動作である。
このとき、前述したようにピストンハウジング60(61、62、63)がシリンダ2へ固定されるまでは逆止弁54は閉状態であり、第1空圧室21にエアは供給されないので第1ピストン11は動作しない。そのため、第5空圧室65内のエアは、開閉弁53が開状態であるので、第2実施形態と同様に、第2ピストン12の出力方向の移動に伴い、第2エア通路(蓋39の凹部39dと連通孔39c、カラー28の貫通孔、蓋34の連通孔34b、連通溝27c、開閉弁53、連通溝61e、凹部61c、第3空圧室41)を通り、第2吸排気口6から排出される。
出力ロッド7がワーク100に当接してピストンハウジング60がシリンダ2に固定されるのとほぼ同時に逆止弁54が開となり、第1空圧室21にエアが供給され、第1ロッド50の先端が第1油圧室31を押圧した結果、出力ロッド7に増幅した推力が発生する。このとき当接したワーク100が出力ロッド7の推力により変形もしくは移動しない場合は、第2実施形態と同様に第1ピストン11は蓋27と当接した状態のままであり、開閉弁53は開状態のままである。
ワーク100が出力ロッド7の推力により変形もしくは移動する場合は、出力ロッド7の移動量に伴い、第1ピストン11も移動する。第1ピストン11が移動すると、開閉弁53はコイルバネ53bの付勢力により出力方向に移動し、閉状態となり、L字状連通孔27fの連通が遮断される。
第1動作の後、初期状態に戻す場合において、ワーク100が出力ロッド7の推力により変形もしくは移動しない場合は、第2実施形態と同様に、第2吸排気口6から供給されるエアが開閉弁53とL字状連通孔27fを通り第5空圧室65に供給されて、第2ピストン12と第2ロッド58を入力側に移動させる。すなわち、第1ピストン11は蓋27と当接した状態であり、開閉弁53は開状態であるため、第2吸排気口6から供給されるエアは、開閉弁53を通って第5空圧室65に供給され、直ちに第2ピストン12と第2ロッド58を入力方向に移動させる。これにより第2ハウジング62の固定が解除され、ピストンハウジング60全体の移動が可能となり、同時に入力側に移動を開始し、初期状態となる。
ワーク100が出力ロッド7の推力により変形もしくは移動する場合は、開閉弁53が閉状態すなわち第1ピストン11が移動している場合と同様のため、後述する第2動作で詳細に説明する。
(第2動作)
第3実施形態の第2動作においても、第2実施形態と同様に、出力ロッド7の先端がワーク100と当接する前に、抜止めリング37aが蓋4に当接し、その後ピストンハウジング60がシリンダ2に固定されるとともに、逆止弁54が作動して出力ロッド7の先端から増幅されて油圧力を出力する。
すなわち、図11(a)に示す初期状態において、第2吸排気口6を開放して第1吸排気口5(図示しない)からエアを供給することで、ピストンハウジング60全体が出力方向に移動し、抜止めリング37aが蓋4(図示しない)に当接することでピストンハウジング60全体の移動が停止する。
この状態で、更に第1吸排気口5からエアを供給すると、第2ロッド58の段部58aの移動で上昇した第2油圧室32の内部圧力により、薄肉部15が外向きに弾性変形してシリンダ2に固定される。この際、両端の蓋39と蓋34とが伸止めボルト34gで止められているため、薄肉部15は、第2油圧室32の内部圧力の上昇によって長手方向に伸びずに、径方向に膨張するように弾性変形する点は、第1、2実施形態と同様である。
ピストンハウジング60が固定された状態で更に第1吸排気口5からエアが供給されることで、第1空圧室21の圧力が上昇して第1ピストン11が出力方向に移動し、これにより第1ピストン11が蓋27から徐々に離れる(図11(b)参照)。
また第1ピストン11が出力方向に移動するのに従って、ロッド部53dが第1ピストン11に当接した状態のまま、コイルバネ53bの付勢力により円筒部53gとロッド部53dが出力方向に移動し、円筒部53gによってL字状連通孔27fが塞がれ、開閉弁53が閉状態となる。
第1空圧室21に更にエアが供給されることで、第1ピストン11はロッド部53dから離れると共に、第1ロッド50が出力ロッド7の空洞部7aに入り込む(図示しない)。
これにより、第1、第2実施形態と同様に、第1ロッド50の先端が第1油圧室31を押圧することで油圧が上昇し、この上昇した油圧を、第3ピストン13(図示しない)が受けることで、出力ロッド7の先端から大きな推力が出力される。
次に、第2動作の後にシリンダ装置1cを初期状態に戻す動作について説明する。
図11(b)の状態からシリンダ装置1cを初期状態に戻す場合、エアを供給していた第1吸排気口5を開放すると共に、第2吸排気口6からエアを供給する。
すると、第2吸排気口6から供給されたエアは、第2実施形態と同様に、第3空圧室41(図示せず、以下図1参照)から第3ハウジング63の溝63cとL字状連通孔63dを通り第4空圧室64に供給され、第4空圧室64の圧力が高まり第1ピストン11が入力方向に移動する。
この間、第1空圧室21内のエアは、開状態の逆止弁54、連通孔34d、連通路8eを通り、開放されている第1吸排気口5から出力される。
そして、第1ピストン11が入力方向に移動してロッド部53dに当接した後、更に移動して蓋27に当接するまでの間、第1ピストン11はコイルバネ53bの付勢力に抗して開閉ロッド53aを入力側に移動させ、開閉弁53を開状態にする。
開閉弁53が開状態になると、第2吸排気口6から供給されているエアは、第3空圧室41からL字状連通孔27f、凹部39d等を通って、第5空圧室65に供給される。
このとき、第1吸排気口5を開放しているので、第2ピストン12と第2ロッド58は、第2空圧室22による出力方向の空圧を受けないため、容易に入力方向に移動可能な状態である。
このため、開閉弁53が開くことで第5空圧室65にエアが供給され、第5空圧室65内のエアの圧力と、コイルバネ33の付勢力によって、第2ピストン12と第2ロッド58は入力側に移動する。
第2ロッド58が入力方向に移動することで、第2油圧室32内の圧力が下がって薄肉部15の膨張が元に戻り、ピストンハウジング60によるシリンダ2に対する固定状態が解除される。
そして、第2ピストン12と第2ロッド58が入力側に移動し、フランジ部58cが抜止めリング29と係合する。これ以降のピストンハウジング60は、抜止めリング29を介して第2ロッド58と第2ピストン12により入力側に引かれると共に、ピストンハウジング60の出力側端面が第3空圧室41のエアで入力側に押圧されることで、第2ピストン12を含むピストンハウジング60全体が入力側に移動し、初期状態となる。
このように、開閉弁53をL字状連通孔27fの通路上に配置することで、出力ロッド7から油圧力を発生した後、初期状態に戻す際に、確実に第1ピストン11を戻した(蓋27に当接させた)後に、薄肉部15の膨張による固定機能を解除することができる。
なお、第1動作、第2動作において、出力ロッド7の移動量が僅かしかない場合、それに伴い第1ピストン11の移動量も少ないので開閉弁53が全開と全閉の中間位置(半分開状態)で第1ピストン11と共に停止する場合がある。このような半開の状態から初期状態に戻す場合は、第1動作での動作とほぼ同じである。
開閉弁53の総移動量は元々微小であり、中間位置からの戻り動作であることからさらに移動量が少ない。そのため第1ピストンは戻り動作開始後、直ちに蓋27と当接する。さらに第2形態で説明したように、第1ピストン11の方が第2ピストン12よりも摺動抵抗が少なく移動速度が速いため、第1ピストン11は逆止弁54が閉じる前に確実に蓋27と当接する。
以上に説明した各実施の形態により、次のような効果を得ることができる。
(1)エアシリンダと油圧シリンダを巧みに組み合わせたエアハイドロ機構を内蔵することにより、ワーク100に当接するまではエアシリンダとして動作させ、ワーク100に当接してからは油圧シリンダとして動作させることができ、油圧ポンプ等の個別付帯設備や施工に手間が掛る油圧配管等が必要ないエア供給のみで、エアシリンダによる長いストロークの移動と油圧シリンダの特徴である大きな推力の両方を実現することができる。
(2)エア供給によりエアシリンダのピストン部分としてピストンハウジング60を必要なストロークだけ動かした後、薄肉部15の径方向の弾性変形によってスラスト方向の力をラジアル方向の力に変換してピストンハウジング60をシリンダ2内で固定することができる。
この際に薄肉部15は、伸止めボルト34gとスペーサー80により軸方向の変形を規制され、径方向にのみ弾性変形するため、確実にピストンハウジング60を固定することができる。
(3)ピストンハウジング60の径方向の弾性変形による固定は、エアハイドロ機構により増大された油圧力により固定することができるため、強固に固定することができる。
(4)シリンダ2内に固定したピストンハウジング60の内部にエアハイドロ機構による油圧力を発せさることにより大きな力を外部に出力させることができる。
(5)必要なストロークのほとんどをエア供給によるエア駆動でカバーし、必要最小限のストロークをエア供給による油圧駆動で行うため、油圧ピストンのストローク量が小さくてすみ、且つ油圧配管の必要が無い。そのため、油の遺漏による損耗を最小限に抑えることができる。
特に出力ロッド7がワーク100に当接し、その後出力ロッド7の移動を伴わないで油圧力だけをワークに印加する使用方法の場合は、各油圧室内部での各油圧ピストンの移動量が各シール部材の弾性変形の範囲内でしかないので、各油圧室内部の油の遺漏を発生させないことができる。
(6)また出力用エア通路に逆止弁54を設けているので、常に固定機能によるクランプ動作完了後に、油圧出力機能による推力を発生させることができ、また外部でのエア供給切り替えの必要が無く、クランプから推力発生への動作順序を間違うことなく自動的に切り替えることが可能となる。
(7)更に、第2エア通路に開閉弁53を配設するので推力発生後に初期状態へ戻す時にも、外部でのエア供給切り替えの必要が無く、第1ピストン11が初期状態に戻った後、クランプを解除する動作順序を間違うことなく自動的に切り替えることが可能となる。
1、1b シリンダ装置
2 シリンダ
2a、2b、2c、2d 摺動補助リング
3、4、27、34、39 蓋
3a、4a ボルト
5 第1吸排気口
6 第2吸排気口
7 出力ロッド
7a 空洞部7a
8 第3吸排気口
8a 吸排気ロッド
8b 吸排気路
8d 連通ロッド
8e、8f 連通路
11 第1ピストン
12 第2ピストン
13 第3ピストン
15 薄肉部
20 空圧室20
21 第1空圧室
22 第2空圧室
30 油圧室
31 第1油圧室
32 第2油圧室
33 コイルバネ
34g 伸止めボルト
36 コイルバネ
37a 抜止めリング
38 給油口栓
39h 緩み止めボルト
41 第3空圧室
50 第1ロッド
53 開閉弁
53a 開閉ロッド
53b コイルバネ
53c 胴部
53d ロッド部
54 逆止弁
58 第2ロッド
60 ピストンハウジング
61 第1ハウジング
62 第2ハウジング
63 第3ハウジング
64 第4空圧室
65 第5空圧室
71 パンチ
72 治具
73 設置台
74 オス金型
75 メス金型
77 出力ロッド
80 スペーサー
80a 貫通孔
80b 油通路
80c、80d U字溝
100 ワーク

Claims (14)

  1. シリンダと、
    前記シリンダ内に配設され、前記シリンダ内をスラスト方向に移動可能な出力側ハウジングと、
    前記出力側ハウジングの入力側に固定され、スラスト方向の一方側の蓋と他方側の蓋により内面の一部が構成される第2流体室と、当該第2流体室の圧力増加により外周面が径方向に膨張して前記シリンダに対して固定される固定機構部を備えた入力側ハウジングと、
    前記出力側ハウジング内に配設され、前記固定機構部による固定がされた状態で、増幅された流体圧力による推力を出力するエアハイドロ機構と、
    エアが供給される第2空圧室と、
    前記第2空圧室の空圧を受けて前記入力側ハウジングと出力側ハウジングとを出力側に移動させると共に、所定位置において前記第2流体室を加圧膨張させる第2ピストン部と、
    前記一方側の蓋と前記他方側の蓋との間の距離を固定する距離固定手段と、
    を具備したことを特徴とするシリンダ装置。
  2. 前記エアハイドロ機構は、
    エアが供給される第1空圧室と、
    前記第1空圧室の1面を構成する空圧受面を有する第1ピストンと、
    前記第1ピストンに配設され、前記空圧受面よりも小面積のロッド端面を有する第1ロッドと、
    前記第1ロッドの前記端面により1面が形成される第1流体室と、
    前記第1流体室の他の1面を構成し、前記第1ロッドの端面よりも大きな流体圧受面を有する出力ピストンと、
    前記出力ピストンに配設され、前記第1流体室の圧力により外部へ推力を出力する出力ロッドと、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
  3. 前記第1流体室、第2流体室の少なくとも一方が油圧室で構成される、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリンダ装置。
  4. 前記距離固定手段は、前記第2流体室内を貫通し、前記出力側ハウジングに設けた前記一方側の蓋と他方側の蓋とをボルトで固定する、
    ことを特徴とする請求項2、又は請求項3に記載のシリンダ装置。
  5. 前記距離固定手段は、前記第2流体室内に配置され、前記一方側の蓋と前記他方側の蓋との間に当接して配置されたスペーサーを有する、
    ことを特徴とする請求項2から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載のシリンダ装置。
  6. 前記第2ピストン部は、
    前記入力側ハウジングと前記第2空圧室との間に配設され前記第2空圧室からの圧力を受けて出力側に移動する第2ピストンと、
    前記第2ピストンに配設され、前記第2ピストンの出力側に移動することにより前記第2流体室を加圧する第2ロッドと、を備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1の請求項に記載のシリンダ装置。
  7. 前記シリンダ内の他端側に設けられ、前記入力側ハウジングと出力側ハウジングとを入力側に移動させる第3空圧室と、を具備したことを特徴とする請求項6に記載のシリンダ装置。
  8. 請求項7に記載のシリンダ装置と、
    前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、
    前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドに装着した工具で前記設置したワークをプレスするプレス手段と、
    前記プレスしたワークを前記所定位置から離脱する離脱手段と、
    を具備したことを特徴とするプレス装置。
  9. 請求項7に記載のシリンダ装置と、
    前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、
    前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドで前記設置したワークを押圧しクランプする手段と、
    前記固定したワークを前記所定位置から離脱する手段と、
    を具備したことを特徴とするワーククランプ装置。
  10. 請求項7のシリンダ装置を動作させるシリンダ装置動作方法であって、
    前記第3空圧室を加圧すると共に、前記第1空圧室と前記第2空圧室を減圧することにより、前記入力側ハウジングと出力側ハウジングを入力側に移動させて初期状態にする第1ステップと、
    前記第1空圧室を加圧すると共に、前記第3空圧室を減圧することにより、前記入力側ハウジングと出力側ハウジングを出力側に移動して、前記出力ロッドを押圧対象に当接させ、又は、前記出力側ハウジングを前記シリンダの出力側の端部に当接させる、第2ステップと、
    前記第2空圧室を更に加圧して前記第2ピストンと前記第2ロッドを出力側に移動させて前記第2流体室を加圧することにより、前記入力側ハウジングと前記出力側ハウジングを前記シリンダに対して固定する第3ステップと、
    前記第2空圧室を加圧して、前記エアハイドロ機構を動作させ、前記第1流体室の増幅された流体圧力で前記出力ロッドを前記対象に押圧する第4ステップと、
    前記第3空圧室を加圧すると共に、前記第1空圧室と第2空圧室を減圧して、前記入力側ハウジングと出力側ハウジングを入力側に移動させて初期状態に復帰させる第5ステップと、
    を有することを特徴とするシリンダ装置動作方法。
  11. 請求項8のプレス装置を動作させてワークをプレスする方法であって、
    前記第3空圧室を加圧すると共に、前記第1空圧室と前記第2空圧室を減圧することにより、前記入力側ハウジングと出力側ハウジングを入力側に移動させて初期状態にする第1ステップと、
    ワークを所定位置に設置する第2ステップと、
    前記第1空圧室を加圧すると共に、前記第3空圧室を減圧することにより、前記出力ロッドが前記ワークに当接して停止するまで前記入力側ハウジングと出力側ハウジングを出力側に移動させる第3ステップと、
    前記第2空圧室を更に加圧して前記第2ピストンと前記第2ロッドを出力側に移動させて前記第2流体室を加圧することにより、前記入力側ハウジングと前記出力側ハウジングを前記シリンダに対して固定する第4ステップと、
    前記第2空圧室を加圧して、前記エアハイドロ機構を動作させ、前記第1流体室の流体圧力を増幅する第5ステップと、
    第5ステップにより増幅された流体圧力により前記出力ロッドに装着した工具がワークを押圧し、ワークをプレスする第6ステップと、
    前記第3空圧室を加圧すると共に、前記第1空圧室と第2空圧室を減圧して、前記出力ロッドと共に前記出力ロッドに装着した工具をワークから離脱させる第7ステップと、
    プレスが完了したワークを所定の位置から離脱する第8ステップと、
    を有することを特徴とするワークのプレス方法。
  12. 請求項9のワーククランプ装置を動作させてワークを所定位置にクランプする方法であって、
    前記第3空圧室を加圧すると共に、前記第1空圧室と前記第2空圧室を減圧することにより、前記入力側ハウジングと出力側ハウジングを入力側に移動させて初期状態にする第1ステップと、
    ワークを所定位置に設置する第2ステップと、
    前記第1空圧室を加圧すると共に、前記第3空圧室を減圧することにより、前記出力ロッドが前記ワークに当接して停止するまで前記入力側ハウジングと出力側ハウジングを出力側に移動させる第3ステップと、
    前記第2空圧室を更に加圧して前記第2ピストンと前記第2ロッドを出力側に移動させて前記第2流体室を加圧することにより、前記入力側ハウジングと前記出力側ハウジングを前記シリンダに対して固定する第4ステップと、
    前記第2空圧室を加圧して、前記エアハイドロ機構を動作させ、前記第1流体室の流体圧力を増幅する第5ステップと、
    第5ステップにより増幅された流体圧力により前記出力ロッドがワークを押圧し所定の位置にクランプする第6ステップと、
    を有することを特徴とするワークのクランプ方法。
  13. 前記第2空圧室のエアを、前記第2ピストン部を貫通して、前記第1空圧室に供給する出力用エア通路と、
    前記出力用エア通路上に配設され、前記固定機構部が前記入力側ハウジングを前記シリンダに固定した状態において、前記出力用エア通路を開状態にする逆止弁と、
    を備えることを特徴とする請求項2から請求項7のうちのいずれか1の請求項に記載のシリンダ装置。
  14. 前記出力側ハウジングの出力側に形成され、エアが供給されることで前記出力側ハウジングを入力側に移動させる第3空圧室と、
    前記第3空圧室に供給されたエアを、前記第1ピストンの出力側に形成された第4空圧室に供給する第1エア通路と、
    前記第3空圧室に供給されたエアを、前記第2ピストンの出力側に形成された第5空圧室に供給する第2エア通路と、
    前記第2エア通路上に配設され、前記第1ピストンの移動に応じて、前記第2エア通路を開閉する開閉弁と、を備え、
    前記開閉弁は、前記第1ピストンが入力側に移動し、前記第1空圧室内のエアの排出が終了した後に前記第2エア通路を開く、
    ことを特徴とする請求項13に記載のシリンダ装置。
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