JP4919208B2 - チャック装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークを把持して回転させるチャック装置に関し、特に、ダイヤフラムチャック装置に関するものである。
従来、ダイヤフラムチャック装置(以下、チャック装置と表記する。)としては、ワークを把持する爪をシリンダに圧力を供給することにより開き、シリンダに加えていた圧力を解除することにより、ダイヤフラムの剛性によってシリンダを戻して爪を閉じる方式のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−11008号公報
しかしながら、従来のチャック装置においては、ダイヤフラムの剛性によってワークを把持する把持力を発生させていたので、加工中に加わる切削力に対してワークをずれないように把持するのに十分な把持力を発生させるために、ダイヤフラムの剛性を十分に高く設定しておく必要があった。このため、このように高く設定されたダイヤフラムの剛性に抗してダイヤフラムを弾性変形させるだけの推力をシリンダにより発生する必要があり、シリンダが大型化するという問題があった。
また、加工速度を増大させると、ワークに加わる切削力が増大するため、ワークがずれないようにさらに高い把持力を発生させる必要があるが、把持力がダイヤフラムの剛性に依存しているため、そのような高速加工が必要とされる場合には、あらかじめ高剛性のダイヤフラムを有するチャック装置を用意しておかなければならない。一方、高精度の加工を行う場合には、チャック装置による把持力が高いと、ワークに発生する内部応力によって、加工後にチャック装置から取り外されたときに、ワークに発生していた内部応力が解放され、ワークの弾性変形が復元して、形状精度が低下してしまう不都合がある。このため、高剛性のダイヤフラムを有するチャック装置を用いて高精度の加工を行うことが困難であるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、装置を小型化しながら、ワークを把持する把持力を自由に調節でき、かつ、高速加工および高精度加工に対応することができるチャック装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、厚さ方向に変形可能な薄板状のダイヤフラム部と、該ダイヤフラム部に周方向に間隔をあけて固定されワークを着脱可能に把持する複数の爪を備えるチャック部と、前記ダイヤフラム部を変形させて前記チャック部の爪を開閉させるチャック駆動部とを備え、該チャック駆動部が、外部供給流体圧により往復駆動される第1の複動型流体圧ピストンと、前記ダイヤフラム部に固定され、内部流体圧により往復駆動されて該ダイヤフラム部の厚さ方向双方向に加える駆動力を発生する第2の複動型流体圧ピストンと、前記第1の複動型流体圧ピストンの移動方向の両側に配置され、該第1の複動型流体圧ピストンにより加圧される内部流体を収容した一対の第1の流体室と、前記第2の複動型流体圧ピストンの移動方向の両側に配置される一対の第2の流体室と、これら第1、第2の流体室をそれぞれ接続する連通流路とを備え、前記第2の流体室の受圧面積が、第1の流体室の受圧面積より大きく構成されているチャック装置を提供する。
本発明によれば、チャック駆動部を作動させ、ダイヤフラム部をその厚さ方向一方向に変形させることにより、ダイヤフラム部に固定された複数の爪の間隔を広げ、そこにワークを挟んだ状態で、ダイヤフラム部の変形を復元させることにより、複数の爪の間に挟んだ状態にワークを把持することができる。チャック駆動部に備えられた複動型ピストンがダイヤフラム部を厚さ方向の両方向に変形させるので、ワークの把持力をダイヤフラム部の剛性に依存することなく決定できる。
その結果、ダイヤフラム部の剛性を低くして、複動型ピストンの推力により複数の爪を開閉することができ、ピストンを小型化できる一方、複動型ピストンに加える駆動圧の調節により、ワークの把持力を自由に調節することができる。すなわち、高速加工が必要とされるときには、ワークの把持力を増加させて、工具から受ける大きな切削力によってワークがずれないように把持することができ、高精度加工が必要とされるときには、ワークの把持力を低下させて、加工後の残留応力による形状精度低下を防止することができる。
上記発明においては、前記チャック駆動部が、外部供給流体圧により往復駆動される第1の複動型流体圧ピストンと、前記ダイヤフラム部に固定され、内部流体圧により往復駆動される第2の複動型流体圧ピストンと、前記第1の複動型流体圧ピストンの移動方向の両側に配置され、該第1の複動型流体圧ピストンにより加圧される内部流体を収容した一対の第1の流体室と、前記第2の複動型流体圧ピストンの移動方向の両側に配置される一対の第2の流体室と、これら第1、第2の流体室をそれぞれ接続する連通流路とを備え、前記第2の流体室の受圧面積が、第1の流体室の受圧面積より大きく構成されている。
このようにすることで、第1の複動型流体圧ピストンを一方向に移動させると、一方の第1の流体室内の内部流体が加圧され、内部流体が連通流路を介して一方の第2の流体室内に流入し、第2の複動型流体圧ピストンを一方向に押圧する。また、第1の複動型流体圧ピストンを他方向に移動させると、他方の第1の流体室内の内部流体が加圧され、該内部流体が連通流路を介して他方の第2の流体室内に流入し、第2の複動型流体圧ピストンを他方向に押圧する。
第2の複動型流体圧ピストンはダイヤフラム部に固定されているので、第2の複動型流体圧ピストンが往復駆動されることにより、ダイヤフラム部が厚さ方向に往復変形させられ、複数の爪を開閉してワークを着脱することができる。この場合において、第2の流体室の受圧面積が第1の流体室の受圧面積より大きく構成されているので、第1の複動型流体圧ピストンにより加圧された第1の流体室内の圧力がその受圧面積の比の倍率で増幅され、ダイヤフラム部に大きな推力を作用させて、ワークを確実に把持することができる。
上記発明においては、前記外部供給流体圧が空気圧であることとしてもよい。
上記発明においては、前記内部流体が非圧縮性流体であることが好ましい。
このようにすることで、内部流体圧により駆動される第2の複動型流体圧ピストンに、圧縮性流体を用いた場合より大きな推力を発生させることができる。すなわち、第1の流体室内の流体の圧縮にエネルギを消費することなく効率的に第2の流体室内の圧力を上昇させることができる。
また、上記発明においては、前記第2の複動型流体圧ピストンに固定され、該第2の複動型流体圧ピストンを前記ダイヤフラム部に固定する連結部材を備え、該連結部材が、前記ダイヤフラム部を厚さ方向に挟み込んで該ダイヤフラム部に固定されていることとしてもよい。
このようにすることで、第2の複動型流体圧ピストンを作動させると、連結部材を介してダイヤフラム部を厚さ方向に往復変形させることができ、ダイヤフラム部に固定された複数の爪を開閉してワークを容易に着脱することができる。
また、上記発明においては、前記連結部材前記ダイヤフラム部とが、該ダイヤフラム部の変形方向に直交する方向に線接触していることが好ましい。
このようにすることで、ダイヤフラム部と連結部材との接触部を支点としてダイヤフラム部を変形させることができる。これにより、ダイヤフラム部の変形が妨げられず、スムーズにチャックを開閉動作させることができる。
また、上記発明においては、前記第1の複動型流体圧ピストンの半径方向内方に前記第1の流体室が配置されていることとしてもよい。
このようにすることで、軸方向の全長を短く抑えて、高剛性のチャック装置を提供することができる。
また、本発明は、上記いずれかのチャック装置を備える主軸ユニットを提供する。
この発明によれば、チャック装置によって把持したワーク(または工具)と、その外側に支持した工具(またはワーク)を相対的に高速回転(例えば,5000rpm以上)させることができる。
本発明によれば、装置を小型化しながら、ワークを把持する把持力を自由に調節でき、かつ、高速加工および高精度加工に対応することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るチャック装置について、図1〜図4を参照して以下に説明する。
図1は、本実施形態に係るチャック装置1を示す縦断面図である。
本実施形態に係るチャック装置1は、図1に示すように、主軸ユニット3のスピンドル軸5の端部に取り付けられ、スピンドル軸5とともに中心軸C回りに回転させられるようになっている。
本実施形態に係るチャック装置1は、開閉することによりワークWを把持するチャック機構部7と、所定の押圧力を与えることによりチャック機構部7を開閉させるチャック駆動部9とを備えている。
図2は、図1のチャック機構部7の構成を説明する正面図である。
チャック機構部7は、図1および図2に示されるように、厚さ方向に弾性変形可能なダイヤフラム(ここでは、薄板状のダイヤフラム部11をダイヤフラムと称する。)11と、該ダイヤフラム11の表面に周方向に等間隔をあけて放射状に固定された6つの爪13と、ダイヤフラム11の裏面に爪13に対応して固定された6つのバランスウエイト15とを備えている。ダイヤフラム11は、略円板状に形成されるとともに、中央に貫通する中央孔17を備えている。本実施形態において、ダイヤフラム11の厚さ方向とは、略円板状のダイヤフラム11の中心軸Cに概略沿う方向を意味している。
ダイヤフラム11は、その外周部をボルト18により後述するチャック駆動部9のハウジング21に固定されている。これにより、ダイヤフラム11は、その中央孔17近傍を厚さ方向に押し引きされて弾性変形させられるようになっている。そして、その弾性変形によって、ダイヤフラム11に固定されている爪13を中心軸Cに対して開閉する方向に移動させることができるようになっている。
6つのバランスウエイト15は、爪13と同様に、中心軸Cを中心として放射状に等間隔に配置されている。これにより、バランスウエイト15は、チャック装置1が回転させられた際に、爪13に働く遠心力を相殺し、爪13が遠心力により開いてしまうことを防止するようになっている。
チャック駆動部9は、図1に示すように、スピンドル軸5の端面に形成された凹部5a内に取り付けられるピストンガイド19と、スピンドル軸5の端面に取り付けられるハウジング21と、ピストンガイド19に中心軸Cに沿う方向に移動可能に取り付けられる空気圧ピストン(第1の複動型流体圧ピストン)23および油圧ピストン(第2の複動型流体圧ピストン)25とを備えている。ピストンガイド19の油圧ピストン25との嵌合面には、周方向の一部に軸方向に延びる空気抜き溝19aが設けられ、油圧ピストン25の動作時に、該空気抜き溝19aを介して空気を逃がすことで、油圧ピストン25の動作が妨げられないようになっている。
スピンドル軸5の端面には、内部に空気圧ピストン23を摺動可能に収容する空気圧シリンダ27が設けられている。符号29は、空気圧シリンダ27内周面と空気圧ピストン23外周面とを気密状態に密封するシール部材、符号31,32は、空気圧シリンダ27内の空気圧ピストン23の両側に形成される空気圧室、符号33,34は該空気圧室31,32にそれぞれ空気圧を供給するための空気圧供給ポートである。また、符号30は空気圧供給ポート34からチャック駆動部9に加圧空気を供給するためのリングである。このリング30は、1カ所の空気圧供給ポート34から供給された加圧空気を周方向に分配して均等にチャック駆動部9に供給する機能を有する。これにより、空気圧ピストン23の動きを円滑にすることができる。リング30の外周面には環状の周溝30aが設けられ、そこで、全周にわたって加圧空気を行き渡らせ、半径方向に延びる複数の細い空気通路孔30bを介して回転するスピンドル軸5内のチャック駆動部9に加圧空気を供給するようになっている。
ピストンガイド19には、中央孔35aを有するブラケット35が固定されている。前記ハウジング21にも中央孔21aが設けられている。前記空気圧ピストン23の半径方向内側には、前記ピストンガイド19を嵌合させる貫通孔37aを有する円筒状の油圧ピストン部37が設けられている。該油圧ピストン部37は、空気圧ピストン23の軸方向の両側に延び、それぞれ、前記ブラケット35の中央孔35aおよびハウジング21の中央孔21aに摺動可能に挿入配置されている。
ブラケット35およびハウジング21の中央孔35a,21a内面と油圧ピストン部37外面、およびピストンガイド19外面と油圧ピストン部37内面との間は、それぞれオイルシール39により密封されている。これにより、油圧ピストン部37の軸方向の両端には、ピストンガイド19、ブラケット35および油圧ピストン部37端面、または、ピストンガイド19、ハウジング21および油圧ピストン部37端面により囲まれた円環状の第1の油圧室(第1の流体室)41,43がそれぞれ形成されている。
前記ハウジング21には、前記油圧ピストン25を摺動可能に収容する油圧シリンダ45が設けられている。符号47は、油圧シリンダ45内周面と油圧ピストン25外周面とを液密状態に密封するシール部材、符号49は、油圧ピストン25とピストンガイド19との間を密封するシール部材、符号51はハウジング21に固定されたブラケットである。これにより、油圧ピストン25の軸方向の両側には、ピストンガイド19、ハウジング21および油圧ピストン25の端面、またはピストンガイド19、ブラケット51および油圧ピストン25の端面により囲まれた円環状の第2の油圧室(第2の流体室)53,55がそれぞれ形成されている。
第2の油圧室53,55に面する油圧ピストン25の受圧面積は、第1の油圧室41,43に面する油圧ピストン部37の受圧面積に比較して十分に大きく設定されている。
さらに、ピストンガイド19には、第1油圧室41と第2の油圧室53とを連絡する連通流路57が設けられ、ハウジング21には、第1油圧室43と第2油圧室55とを連絡する連通流路59が設けられている。図中符号60は、第1油圧室41,43および連通流路57に、符号61は第2油圧室53,55および連通流路59にそれぞれ内部流体であるオイルを供給するためのオイル供給部である。オイル供給部60,61から供給されたオイルは第1,第2油圧室41,43,53,55および連通流路57,59の全体に気泡を形成すること無く充填されるようになっている。
なお、第1油圧室41,43、第2油圧室53,55および連通流路57,59に充填される流体は、非圧縮性流体であればよく、上述のようなオイルに限定されるものではない。
また、チャック駆動部9を構成する油圧ピストン25の一端には連結部材63が固定され、該連結部材63を介してダイヤフラム11に固定されている。連結部材63は、油圧ピストン25の一端に固定され、前記ダイヤフラム11の中央孔17を貫通する雄ネジ部材63aと、該雄ネジ部材63aに締結される雌ネジ部材63bとを備えている。雄ネジ部材63aおよび雌ネジ部材63bには、相互に締結された状態で対向するリング状の挟持部65が設けられている。
挟持部65はそれぞれ半円状の縦断面形状を有し、雄ネジ部材63aに雌ネジ部材63bが締結されると、両ネジ部材63a,63bに設けられた挟持部65がダイヤフラム11の中央孔17の周囲に全周にわたって線接触させられて、ダイヤフラム11を厚さ方向に挟んで固定されるようになっている。これにより、油圧ピストン25が軸方向に移動させられると、その移動に遅れなく追従してダイヤフラム11を弾性変形させることができるようになっている。
図中、符号67はスピンドル軸5を回転可能に支持するベアリングである。
また、図中符号69は、爪13の間に挿入されたワークWを軸方向に突き当てるバッキングロッドである。バッキングロッド69にワークWを突き当てることにより、チャック装置1へのワークWの取り付け位置精度の低下を防止できるようになっている。
このように構成された本実施形態に係るチャック装置1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係るチャック装置1を用いてワークWを把持するには、まず、図1に示される状態から、空気圧供給ポート34に加圧空気を供給する。これにより、空気圧室32に加圧空気が供給され、図3に示されるように、空気圧ピストン23が空気圧シリンダ29内において軸方向後方(矢印Aの方向)に移動させられる。
空気圧ピストン23には油圧ピストン部37が一体的に設けられているので、空気圧ピストン23の移動とともに油圧ピストン部37が移動させられ、第1油圧室41が加圧される一方、第1油圧室43が減圧される。第1油圧室41は連通流路57を介して第2油圧室53に連絡しているので、第1油圧室41の油圧が連通流路57を介して第2油圧室53に伝達され、第2油圧室53が加圧される。
これにより、油圧ピストン25が油圧シリンダ45内において軸方向前方(矢印Bの方向)に移動させられる。油圧ピストン25には連結部材63によってダイヤフラム11が固定されているので、油圧ピストン25が軸方向に移動させられると、連結部材63が軸方向に移動する結果、ダイヤフラム11がその中央孔17近傍を軸方向に移動させられることにより弾性変形させられる。
その結果、ダイヤフラム11は、その外周部をハウジングに固定され、中央部のみを押圧されて弾性変形させられるので、外周部に対して中央部が矢印Bの方向に突出させられて爪13の取付面が微少傾斜し、図3に示されるように、爪13が中心軸Cから離れる方向(矢印Dの方向)に微少傾斜させられる。
全ての爪13が中心軸Cから離れる方向に傾斜させられることにより、爪13間の隙間が拡大されるので、ワークWを挿入できるようになる。
この状態で、ワークWをバッキングロッド69の端面に突き当たるまで爪13間に挿入し、空気圧供給ポート34を大気開放し、空気圧供給ポート33に加圧空気を供給する。これにより、空気圧室31に加圧空気が供給され、図4に示されるように、空気圧ピストン23が空気圧シリンダ29内において軸方向前方(矢印A′の方向)に移動させられる。
空気圧ピストン23に一体的に設けられた油圧ピストン部37、空気圧ピストン23の移動とともに移動させられ、第1油圧室43が加圧される一方、第1油圧室41が減圧される。第1油圧室43は連通流路59を介して第2油圧室55に連絡しているので、第1油圧室43の油圧が連通流路59を介して第2油圧室55に伝達され、第2油圧室55が加圧される。
これにより、油圧ピストン25が油圧シリンダ45内において軸方向後方(矢印B′の方向)に移動させられる。油圧ピストン25に連結部材63を介して固定されたダイヤフラム11は、連結部材63が軸方向に移動する結果、その中央孔17近傍を軸方向に移動させられる。したがって、ダイヤフラム11は、爪13の開放時の弾性変形を復元させる方向に変形させられ、略平坦な形態となる。これにより、中心軸Cから離れる方向に傾斜していた爪13が中心軸Cに近接する方向に移動させられ、中央に配置されているワークWの外周面に接触してこれを把持するようになる。
空気圧室31と、第1油圧室43および第2油圧室55において発生する圧力と、中心軸線C方向への力の相互作用について説明する。
空気圧室31に供給される加圧空気の圧力をPa、空気圧室31における空気圧ピストン23の加圧空気と接する面における中心軸線Cに対する垂直面への投影面積をSaとすると、加圧空気により空気圧ピストン23に作用する中心軸線C方向への力Faは、
Fa=Pa×Sa ・・・(1)
と表される。
空気圧ピストン23と油圧ピストン部37とは一体に設けられているため、力Faは第1油圧室43にも作用する。
油圧ピストン部37の油と接する面における中心軸線Cに対する垂直面への投影面積(受圧面積)をSy1とすると、第1油圧室43内の油圧Py1は、
Py1=Fa/Sy1 ・・・(2)
と表される。
ここで、(1)式と(2)式とから、油圧Py1は、
Py1=Fa/Sy1=Pa×Sa/Sy1 ・・・(3)
と表すことができる。加圧空気と接する空気圧ピストン23の投影面積Saは、油圧ピストン部37の投影面積Sy1より大きいため、Sa/Sy1>1となる。したがって、(3)式から第1油圧室43内の油圧Py1は、加圧空気の圧力Paより高くなることが示されている。
第2油圧室55内の油圧Py2は、パスカルの原理により、第1油圧室43内の油圧Py1と同じであるため、
Py2=Py1=Fa/Sy1 ・・・(4)
と表される。
油圧ピストン25の油と接する面の中心軸線Cに対する垂直面への投影面積(受圧面積)をSy2とすると、油圧ピストン25に働く中心軸線C方向への力(推力)Fy2は、
Fy2=Py2×Sy2 ・・・(5)
と表される。
ここで、式(4)と式(5)とから、推力Fy2は、
Fy2=Fa×Sy2/Sy1 ・・・(6)
と表される。油圧ピストン25の投影面積Sy2は、油圧ピストン部37の円筒部の投影面積Sy1より大きいため、Sy2/Sy1>1となる。したがって、(6)式から油圧ピストン25に働く推力Fy2は、加圧空気の圧力Paに基づく空気圧ピストン23に作用する力Faより大きくなっていることが示されている。
上記の構成によれば、油圧ピストン25の投影面積Sy2が、油圧ピストン部37の円筒部の投影面積Sy1より大きく形成されているとともに、第1油圧室43と第2油圧室55と連通流路59に油OLが満たされているため、油圧ピストン25には、供給エアARと接する空気圧ピストン23の投影面積Saに加えられた加圧空気の圧力に係る力Faに、油圧ピストン部37の円筒部と油圧ピストン25の投影面積比(Sy2/Sy1)を掛けた、大きな推力Fy2を発生させることができる。
また、空気圧室32と、第1油圧室41および第2油圧室53において発生する圧力と、中心軸線C方向への力の相互作用についても同様の関係が成立する。
したがって、油圧ピストン25を駆動する推力は、空気圧ピストン23を駆動する推力に対して受圧面積の比率に対応する割合で十分に増幅され、大きな推力でダイヤフラム11を駆動し、爪13を開閉することができる。
すなわち、油圧ピストン25が大きな推力を発生させるので、ワークWの把持力を低下させることなくチャック装置1を小型化することができる。
この場合において、本実施形態に係るチャック装置1によれば、空気圧ピストン23により加圧される第1油圧室41,43の受圧面積よりも、油圧ピストン25の両端の第2油圧室53,55の受圧面積が十分に大きく形成されるとともに、これら第1油圧室41,43、第2油圧室53,55および連通流路57,59にオイルが満たされている。したがって、油圧ピストン25を駆動する推力は、空気圧ピストン23を駆動する推力に対して受圧面積の比率に対応する割合で十分に増幅され、大きな推力でダイヤフラム11を駆動し、爪13を開閉することができる。
すなわち、油圧ピストン25が大きな推力を発生させるので、ワークWの把持力を低下させることなくチャック装置1を小型化することができる。
また、本実施形態に係るチャック装置1は、ダイヤフラム11による爪13の開閉をチャック機構部7の油圧ピストン25の複動動作による大きな推進力によって行うので、爪13によるワークWの把持力をダイヤフラム11の小さな剛性に依存することなく油圧ピストン25の大きな推進力により自由に決定することができる。複動型の油圧ピストン25は、複動型の空気圧ピストン23により軸方向に往復移動し、供給される空気圧力に比例した推力を発生するため、空気圧供給ポート33に加える空気圧を調節するだけで、爪13によるワークWの把持力を調節できる。
したがって、ワークWの高速加工を行う際等に、切り込み量を増大させると切削力が増大するが、本実施形態に係るチャック装置1によれば、空気圧供給ポート33に加える加圧空気の圧力を増大させるだけで、爪13によりワークWを大きな把持力で堅固に把持し、ワークWがずれてしまう不都合の発生を防止できる。また、ワークWが柔らかい材料である場合や、ワークWに高い真円度が要求される場合等には、空気圧供給ポート33に加える加圧空気の圧力を減少させて、爪13によりワークWを弱い把持力で柔らかく把持することができる。
これにより、ワークWの外面が傷つく不都合の発生を防止できる。また、把持によりワークWに過大な内部応力が発生するのを防止して、爪13から取り外した後の内部応力解放により、ワークWが変形する不都合の発生を防止することができる。
さらに、本実施形態に係るチャック装置1は、空気圧供給ポート33に加える空気圧を調節して、爪13によるワークWの把持力を調節するので、ワークWの把持力を増大させるために従来のようにダイヤフラム11の剛性を増大させる必要がない。したがって、従来、大きな把持力を得るために剛性の高いダイヤフラムを採用し、該ダイヤフラムの剛性に抗してダイヤフラムを変形させることができる大きなピストンを採用していたのと比較して、十分に低い剛性のダイヤフラムを採用し、これを駆動するピストンとしても、低推力の小型のピストンを採用することができる。
また、本実施形態に係るチャック装置1は、空気圧ピストン23により駆動する油圧ピストン部37を、空気圧ピストン23の半径方向内方に一体的に設けているので、軸方向の寸法を節約して、チャック装置1の全長の短縮を図ることができる。また、スピンドル軸5を支持するベアリング67からチャック装置1の先端までの張り出し量を短縮できる。これにより、高剛性、高精度のチャック装置1を提供することができる。
また、本実施形態に係るチャック装置1においては、油圧ピストン25とダイヤフラム11とを接続する連結部材63が、ダイヤフラム11に設けられた中央孔17の近傍に円環状に線接触させられている。ダイヤフラム11は半径方向に変形させられるため、これに直交する方向に沿って線接触させられている連結部材63がダイヤフラム11の変形を妨げることがなく、ダイヤフラム11に無理な応力が生じる不都合の発生を防止できる。
また、本実施形態に係るチャック装置1は空気圧のみで駆動されるため、油圧装置などの付帯装置を必要としない。したがって、油圧装置などの付帯設備の設置スペースの削減や、設置コストの削減を図ることができる。
また、油圧装置を必要としないため、油圧装置に起因する振動が発生しない。また、油圧装置から圧力変動のある油圧が供給されないため、油圧の変動に基づくチャック装置1の振動発生を防止できる。
さらに、油圧装置を用いないため、油圧装置とチャック装置1との間でオイルの供給を行う油圧ホース等の配管部品を必要としない。油圧用の配管部品は空気圧用の配管部品と比較して、高圧に耐える必要があるため、大きく、強固に作られている。そのため、油圧用の配管部品を必要としないことから、作業性の容易さと組み立てコストの低減、配管スペースの削減を行うことができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、空気を供給することにより爪13が開閉されるチャック装置1を例示したが、非圧縮性流体等その他各種の流体により駆動されるチャック装置に適用することにしてもよい。
また、ダイヤフラム11として略円板状のものを例示したが、これに限定されるものではなく、他の任意の形態のものを採用してもよい。この場合、ダイヤフラム部とは、その構成部品のうち薄板状で厚さ方向に弾性変形可能な略円板状の部位を指すものとする。
本発明の一実施形態に係るチャック装置示す縦断面図である。 図1のチャック装置のチャック機構部を示す正面図である。 図1のチャック装置の爪を開いた状態を示す縦断面図である。 図1のチャック装置の爪を綴じてワークを把持した状態を示す縦断面図である。
符号の説明
W ワーク
1 チャック装置
7 チャック機構部(チャック部)
9 チャック駆動部
11 ダイヤフラム(ダイヤフラム部)
13 爪
23 空気圧ピストン(第1の複動型流体圧ピストン)
25 油圧ピストン(第2の複動型流体圧ピストン、複動型ピストン)
41,43 第1油圧室(第1の流体室)
53,55 第2油圧室(第2の流体室)
57,59 連通流路
63 連結部材

Claims (7)

  1. 厚さ方向に変形可能な薄板状のダイヤフラム部と、
    該ダイヤフラム部に周方向に間隔をあけて固定されワークを着脱可能に把持する複数の爪を備えるチャック部と、
    前記ダイヤフラム部を変形させて前記チャック部の爪を開閉させるチャック駆動部とを備え、
    該チャック駆動部が、外部供給流体圧により往復駆動される第1の複動型流体圧ピストンと、前記ダイヤフラム部に固定され、内部流体圧により往復駆動されて該ダイヤフラム部の厚さ方向双方向に加える駆動力を発生する第2の複動型流体圧ピストンと、前記第1の複動型流体圧ピストンの移動方向の両側に配置され、該第1の複動型流体圧ピストンにより加圧される内部流体を収容した一対の第1の流体室と、前記第2の複動型流体圧ピストンの移動方向の両側に配置される一対の第2の流体室と、これら第1、第2の流体室をそれぞれ接続する連通流路とを備え、
    前記第2の流体室の受圧面積が、第1の流体室の受圧面積より大きく構成されているチャック装置。
  2. 前記外部供給流体圧が空気圧である請求項に記載のチャック装置。
  3. 前記内部流体が非圧縮性流体である請求項1または請求項に記載のチャック装置。
  4. 前記第2の複動型流体圧ピストンに固定され、該第2の複動型流体圧ピストンを前記ダイヤフラム部に固定する連結部材を備え、
    該連結部材が、前記ダイヤフラム部を厚さ方向に挟み込んで該ダイヤフラム部に固定されている請求項1から請求項のいずれかに記載のチャック装置。
  5. 前記連結部材前記ダイヤフラム部とが、該ダイヤフラム部の変形方向に直交する方向に線接触している請求項に記載のチャック装置。
  6. 前記第1の複動型流体圧ピストンの半径方向内方に前記第1の流体室が配置されている請求項1から請求項のいずれかに記載のチャック装置。
  7. 請求項1から請求項のいずれかに記載のチャック装置を備える主軸ユニット。
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