JP7058134B2 - シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法 - Google Patents

シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法に関し、例えば、流体圧シリンダを用いたものに関する。
エア(気体)や油(液体)といった流体を用いた流体圧シリンダが工業の広い分野で利用されている。
これら流体圧シリンダは、流体の圧力でシリンダ内のピストンに推力を発生させることにより、例えば、プレスやアクチュエータの駆動など、様々な機械的な動作の原動となることができる。
ところで、油圧シリンダは、油圧による大きな加圧力により小さなサイズでも大きな推力を得られるという特徴があるが、油圧供給装置などの大がかりな設備が必要であるという点が問題であった。
そのため、特許文献1では、エアシリンダと油圧シリンダを組み合わせたエアハイドロシリンダによってエア圧で油圧を発生させることにより、複雑な油圧系を省略し、低コストで小型化が可能な流体圧シリンダを提案している。
ところが、特許文献1の技術では、エアシリンダのピストンの移動量を油圧シリンダの断面積に対応させて推力を発生させるため、ストロークが短いという問題があった。
例えば、エアハイドロシリンダの出力側にアクチュエータを装着した場合、ストロークを確保するためには、アクチュエータをエアハイドロシリンダごと移動する必要があった。
特許第4895342号公報
本発明は、エアハイドロシリンダを用いたストロークの大きいシリンダ装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、シリンダと、前記シリンダ内の一端側に形成された空圧室と、前記シリンダ内を前記空圧室の圧力で他端側に移動する油圧室と、前記空圧室が前記油圧室に与えるスラスト方向の力からラジアル方向の力を発生させ、当該ラジアル方向の力によって前記油圧室を前記シリンダ内に固定する固定手段と、前記空圧室が前記固定した油圧室に発生させる油圧を増幅する油圧増幅手段と、前記増幅した油圧を出力する出力ロッドと、を具備し、前記油圧室は、前記出力ロッドが設けられた第1油圧室と、前記固定手段が設けられた第2油圧室と、から構成されており、前記固定手段は、前記第2油圧室の油圧によって前記ラジアル方向の力を発生させて前記第2油圧室と前記第1油圧室を固定し、前記油圧増幅手段は、前記第1油圧室に発生した油圧を増幅して前記出力ロッドに出力する、ことを特徴とするシリンダ装置を提供する。
請求項2に記載の発明では、前記油圧室は、前記空圧室が前記油圧室に与える前記他端側方向の力と前記出力ロッドが前記油圧室に与える前記一端側方向の力と、を受けて油圧を発生させることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項3に記載の発明では、前記固定手段は、前記ラジアル方向の力によって弾性変形した前記第2油圧室の側壁を前記シリンダの内壁に押圧することにより前記第2油圧室と前記第1油圧室を固定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項4に記載の発明では、前記固定手段は、前記第2油圧室に発生した油圧で、スラスト方向に移動するテーパ部材をクランパに押圧することによりラジアル方向の力を発生させ、当該力によって前記クランパを前記シリンダの内壁に押圧することにより前記第2油圧室と前記第1油圧室を固定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項5に記載の発明では、前記第1油圧室は、前記出力ロッドを出力方向に押圧する出力ピストンを備えており、前記出力ピストンを前記出力方向に対向する方向に付勢する付勢手段を具備したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項6に記載の発明では、前記第1油圧室の前記出力ピストンは、前記第1油圧室に増幅されて発生した油圧が前記出力ロッドに働いて推力を出力する状態でも移動せず、前記出力ロッドに出力だけを伝達することを特徴とする請求項5に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項7に記載の発明では、前記空圧室は、前記第1油圧室を加圧する第1ピストンを備えた第1空圧室と、前記第2油圧室を加圧する第2ピストンを備えた第2空圧室と、前記第1空圧室と前記第2空圧室を連通する連通孔とから構成され、前記第1空圧室は、第1吸排気口を有すると共に前記第2空圧室の前記一端側に形成されている、ことを特徴とする請求項1から請求項6までのうちの何れか1の請求項に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項8に記載の発明では、前記第1ピストンは、前記第1空圧室の圧力で、前記出力ロッドが押圧対象に当接するまで、又は、前記第1油圧室が移動可能な前記他端側の端部に到達するまで、前記第2空圧室、前記第1油圧室、及び前記第2油圧室を前記他端側に移動する、ことを特徴とする請求項7に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項9に記載の発明では、前記第2油圧室の前記第2ピストンが前記第2油圧室に増幅した油圧を発生させる際の、前記第2ピストンの移動量が、前記第2ピストンに配設された前記第2油圧室のシール部材の弾性変形量の範囲内である、ことを特徴とする請求項8に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項10に記載の発明では、前記第1空圧室は、第1吸排気口を有し、前記第1空圧室と前記第2空圧室を連通する連通孔を具備したことを特徴とする請求項8又は、請求項9に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項11に記載の発明では、前記第1油圧室は、前記第2油圧室の前記他端側に形成されており、前記第1ピストンは、前記第2空圧室と前記第2油圧室を貫通して前記第1油圧室まで形成されていることを特徴とする請求項8、請求項9、又は請求項10に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項12に記載の発明では、前記シリンダ内の他端側に設けられ、第2吸排気口を有し、前記油圧室を前記一端側に押圧する第3空圧室を具備したことを特徴とする請求項10、又は請求項11に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項13に記載の発明では、前記第1空圧室を貫通し、前記第1ピストンから前記シリンダの前記一端側に形成された空圧ロッドを具備したことを特徴とする請求項7から請求項12までのうちの何れか1の請求項に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項14に記載の発明では、前記第1ピストンのロッド部分は、所定のクリアランスを設けた2つのロッド部分に分割されていることを特徴とする請求項7から請求項11までのうちの何れか1の請求項に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項15に記載の発明では、請求項12に記載のシリンダ装置と、前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドに装着した工具で前記設置したワークをプレスするプレス手段と、前記プレスしたワークを前記所定位置から離脱する離脱手段と、を具備したことを特徴とするプレス装置を提供する。
請求項16に記載の発明では、請求項12に記載したシリンダ装置と、前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドで前記設置したワークを押圧しクランプする手段と、前記クランプしたワークを前記所定位置から離脱する離脱手段と、を具備したことを特徴とするワーククランプ装置を提供する。
請求項17に記載の発明では、請求項12のシリンダ装置を動作させるシリンダ装置動作方法であって、第2吸排気口から第3空圧室を加圧すると共に第1吸排気口から第1空圧室と第2空圧室を減圧することにより第1油圧室と第2油圧室を一端側に移動させて初期状態に設定する第1ステップと、前記第1吸排気口から前記第1空圧室と前記第2空圧室を加圧すると共に前記第2吸排気口から前記第3空圧室を減圧することにより前記第1空圧室と前記第2空圧室を他端側に移動させて、前記出力ロッドを押圧対象に当接させ、又は、前記第1油圧室が移動可能な前記他端側の端部に到達させる、第2ステップと、前記第1吸排気口から更に加圧して前記固定手段を動作させ、前記第1油圧室と前記第2油圧室をシリンダに固定する第3ステップと、前記第1吸排気口から更に加圧して前記油圧増幅手段を動作させ、前記出力ロッドを前記押圧対象に押圧する第4ステップと、前記第2吸排気口から前記第3空圧室を加圧すると共に前記第1吸排気口を減圧して前記第1油圧室と前記第2油圧室を前記一端側に移動させて初期状態に復帰させる第5ステップと、を有することを特徴とするシリンダ装置動作方法を提供する。
請求項18に記載の発明では、請求項12に記載のシリンダ装置を動作させてワークを所定位置にクランプする方法であって、ワークを所定位置に設置する第1ステップと、前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドがワークに当接し停止するまで、又は、前記第1油圧室が移動可能な前記他端側の端部に到達し停止するまで、前記第1空圧室の圧力で移動させる第2ステップと、前記固定手段により前記第1油圧室と前記第2油圧室を固定する第3ステップと、前記油圧増幅手段により前記第1油圧室の油圧力が増幅される第4ステップと、第4ステップにより増幅された油圧力により前記出力ロッドがワークを油圧力で押圧し所定の位置にクランプする第5ステップと、を有することを特徴とするワークのクランプ方法を提供する。
請求項19に記載の発明では、請求項15に記載のプレス装置を動作させてワークをプレスする方法であって、前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドの位置を初期状態に戻す第1ステップと、ワークを所定位置に設置する第2ステップと、前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドがワークに当接し停止するまで、又は、前記第1油圧室が移動可能な前記他端側の端部に到達し停止するまで、前記第1空圧室の圧力で移動させる第3ステップと、前記固定手段により前記第1油圧室と前記第2油圧室を固定する第4ステップと、前記油圧増幅手段により前記第1油圧室の油圧力が増幅される第5ステップと、第5ステップにより増幅された油圧力により前記出力ロッドに装着した工具がワークを油圧力で押圧し、ワークをプレスする第6ステップと、前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドと共に前記出力ロッドに装着した工具を空圧力で前記ワークから離脱させる第7ステップと、プレスが完了したワークを所定の位置から離脱する第8ステップと、を有することを特徴とするワークのプレス方法を提供する。
請求項20に記載の発明では、前記空圧室は、前記第1油圧室を加圧する第1ピストンを備えた第1空圧室と、前記第2油圧室を加圧する第2ピストンを備えた第2空圧室とから構成され、前記第2空圧室は、前記第2油圧室の前記一端側に配設され、前記第1空圧室は、前記第2油圧室の前記他端側に配設され、前記第2空圧室を加圧する第1吸排気口と、前記第2空圧室と前記第2油圧室を貫通して前記第1空圧室を加圧する第3吸排気口と、を備える、ことを特徴とする請求項1から請求項6までのうちの何れか1の請求項に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項21に記載の発明では、前記空圧室は、前記第1油圧室を加圧する第1ピストンを備えた第1空圧室と、前記第2油圧室を加圧する第2ピストンを備えた第2空圧室とから構成され、前記第2空圧室は、前記第2油圧室の前記一端側に配設され、前記第1空圧室は、前記第2油圧室の前記他端側に配設され、前記第2空圧室を加圧する第1吸排気口と、前記第2油圧室を貫通して、前記第2空圧室と前記第1空圧室を連通する連通手段と、を備える、ことを特徴とする請求項1から請求項6までのうちの何れか1の請求項に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項22に記載の発明では、前記第2油圧室を有する入力側ハウジングと、前記第1空圧室及び前記第1油圧室を有する出力側ハウジングを備え、前記入力側ハウジングは、前記出力側ハウジングの前記一端側に固定されている、ことを特徴とする請求項20、又は請求項21に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項23に記載の発明では、前記第2ピストンは、前記入力側ハウジングと前記第2空圧室との間に配設され、前記第2空圧室からの圧力で前記他端側に移動し、当該移動により前記第2油圧室を加圧するロッド部分を備える、ことを特徴とする請求項22に記載のシリンダ装置を提供する。
請求項24に記載の発明では、前記請求項20に従属する請求項23に記載のシリンダ装置であって、前記第3吸排気口は、前記第2ピストンと前記ロッド部分を貫通することで、前記第2空圧室と前記第2油圧室を貫通している、ことを特徴とするシリンダ装置を提供する。
請求項25に記載の発明では、前記請求項21に従属する請求項23に記載のシリンダ装置であって、前記連通手段は、前記第2ピストンとロッド部分を貫通し前記第2ピストンに固定された連通ロッドと、前記第1空圧室と前記第2空圧室との連通路上に配設された弁機構とを、備え、前記弁機構は、前記第2ピストンと共に移動する前記連通ロッドの移動に伴い開閉を行う、ことを特徴とするシリンダ装置を提供する。
請求項26に記載の発明では、請求項24のシリンダ装置を動作させるシリンダ装置動作方法であって、前記第1吸排気口から前記第2空圧室を加圧することで、前記第2ピストンと、前記入力側ハウジングと前記出力側ハウジングを、前記他端側に移動させる移動ステップと、前記出力ロッドを押圧対象に当接させ、又は、前記出力側ハウジングの出力側端部を前記シリンダの前記他端側の端部に当接させることで、前記入力側ハウジングと、前記出力側ハウジングの移動を停止させる移動停止ステップと、前記第1吸排気口から前記第2空圧室を更に加圧して、前記第2ピストンを前記他端側に移動させることで、前記第2油圧室を前記ロッド部分で加圧して前記固定手段を動作させ、前記入力側ハウジングと前記出力側ハウジングを前記シリンダに固定する固定ステップと、前記固定の後、前記第3吸排気口から第1空圧室を加圧して前記油圧増幅手段を動作させ、前記出力ロッドの先端から増幅された油圧による推力を発生させる推力発生ステップと、を有することを特徴とするシリンダ装置動作方法を提供する。
請求項27に記載の発明では、請求項25のシリンダ装置を動作させるシリンダ装置動作方法であって、前記第1吸排気口から前記第2空圧室を加圧することで、前記第2ピストンと、前記入力側ハウジングと前記出力側ハウジングを、前記他端側に移動させる移動ステップと、前記出力ロッドを押圧対象に当接させ、又は、前記出力側ハウジングの出力側端部を前記シリンダの前記他端側の端部に当接させることで、前記入力側ハウジングと、前記出力側ハウジングの移動を停止させる移動停止ステップと、前記第1吸排気口から前記第2空圧室を更に加圧して、前記第2ピストンを前記他端側に移動させることで、前記第2油圧室を前記ロッド部分で加圧して前記固定手段を動作させ、前記入力側ハウジングと前記出力側ハウジングを前記シリンダに固定する固定ステップと、前記固定ステップによる固定の後、前記第1吸排気口から更に前記第2空圧室を加圧して、前記第2ピストンと共に前記連通ロッドを前記他端側に移動させることで、前記弁機構を開き前記第2空圧室と前記第1空圧室を連通させる連通ステップと、前記連通ステップによる連通の後、前記第1吸排気口から更に連通した前記第1空圧室を加圧して前記油圧増幅手段を動作させ、前記出力ロッドの先端から増幅された油圧による推力を発生させる推力発生ステップと、を有することを特徴とするシリンダ装置動作方法を提供する。
本発明は、空圧室によって油圧室をシリンダ内で移動させることにより、ストロークの確保と推力の確保を両立させることができる。
第1実施形態のシリンダ装置を説明するための図である。 プレス加工を説明するための図である。 第2実施形態のシリンダ装置を説明するための図である。 第2実施形態の変形例を説明するための図である。 第3実施形態のシリンダ装置を説明するための図である。 第4実施形態のシリンダ装置を説明するための図である。 第5実施形態のシリンダ装置を説明するための図である。 第5実施形態の部品図である。 第5実施形態の動作状態を表す説明図である。 第5実施形態の他の動作状態を表す説明図である。 第6実施形態のシリンダ装置を説明するための図である。 第6実施形態の動作状態を表す説明図である。 第6実施形態の他の動作状態を表す説明図である。
(第1実施形態の概要)
従来のエアハイドロシリンダの場合、エアシリンダ部分では、ストロークは大きいが推力が小さいという特徴があり、油圧シリンダ部分では、ストロークは小さいが推力が大きいという特徴がある。
そこで。本実施形態のシリンダ装置1(図1)では、空圧室20から成る空圧系に、油圧室30から成る油圧系をシリンダ2内でスラスト方向に移動させる機能と、移動後に油圧室30を加圧して油圧を発生させる機能を持たせることにより、必要なストロークを確保すると共に必要な推力を発生する。
より詳細には、空圧室20は、第1ピストン11を加圧する第1空圧室21と、第2ピストン12を加圧する第2空圧室22から構成されている。
第1空圧室21と第2空圧室22は、抜止めボルト17の内部に形成された貫通孔によって連通している。
一方、油圧発生部55は、油圧室30を内蔵しており、更に、油圧室30は、第1ピストン11を介して第1空圧室21により加圧される第1油圧室31と、第2ピストン12を介して第2空圧室22により加圧される第2油圧室32から構成されている。
油圧発生部55は、シリンダ2内をスラスト方向に移動できるようになっており、第2油圧室32は、油圧によって薄肉部15をラジアル方向に弾性変形させ、移動する油圧発生部55をシリンダ2内で固定する機能を有している。
第1油圧室31は、固定により高まった第1油圧室31の油圧を出力ロッド7に出力する。
シリンダ装置1の動作は、以下の通りである。
まず、第1吸排気口5を開放すると共に第2吸排気口6からエアを注入し、油圧発生部55を第1吸排気口5の側に寄せて初期状態にセットする。
次に、第2吸排気口6を開放して第1吸排気口5からエアを注入する。
これにより第1空圧室21が加圧され、第1ピストン11が押されて油圧発生部55が第2吸排気口6の側に移動する。これにより出力ロッド7の十分なストロークが得られる。
出力ロッド7がワーク100に当接すると油圧発生部55の移動が止められる。油圧発生部55の内部にある第2油圧室32は、出力側に蓋34が内壁として構成されており、第2空圧室22の第2ピストン12とで内部の油を挟んだ構造をしている。
第1ピストン11と第2ピストン12に使用されているシール部材は材質が異なり、第2ピストン12のシール部材の方が摺動抵抗が小さく、より早く動作を開始し、より早く動作を完了するようになっている。この第1ピストン11と第2ピストン12のシール部材の摺動抵抗の違いは、材質の違いによる摩擦抵抗の差に基づくが、形状や、締め代の差に基づくようにしてもよい。
油圧発生部55の移動が停止して内部隔壁である蓋34の移動が止まると、入力側から第2ピストン12により押圧されるので内部圧力が上昇する。同時に油圧発生部55の内部にある第1油圧室31は、出力ロッド7と第1空圧室21の第1ピストン11で挟まれており、出力側を出力ロッド7で移動が止められると、入力側から第1ピストン11により押圧されるので内部圧力が上昇する。
この時、摺動抵抗が小さい第2ピストン12の方が早く動くので、第2油圧室32による油圧で薄肉部15が先に弾性変形し、シリンダ2の内周面に当接して、摩擦によって油圧発生部55がシリンダ2に固定される。
油圧発生部55が固定されると、第1吸排気口5から供給されるエアにより、第1ピストン11と第2ピストン12が第1油圧室31と第2油圧室32を更に加圧する。
これにより第2油圧室32で高まった油圧が更に薄肉部15をシリンダ2の内周面に押圧し、より固定が堅持される。油圧発生部55がシリンダ2に固定されると第1油圧室31の油圧力によって第3ピストン13を前進させる推力が大きくなるので、さらに高められた第1油圧室31の油圧力が第3ピストン13を介して出力ロッド7に出力され、油圧による大きな推力がワーク100に印加される。
以上のようにして、シリンダ装置1は、エアシリンダによる長いストロークと、油圧シリンダによる大きな油圧の両方を兼ね備えることができる。
(第1実施形態の詳細)
図1(a)は、第1実施形態に係るシリンダ装置1のスラスト方向(中心線の方向)の断面図を示しており、図1(b)は、部品図を示している。
なお、図1(a)では、図面の複雑化を避けるためOリングを省略してある。省略したOリングは、エアや油などの流体を封じる空間を構成する部材間に配設されることで、当該空間をシールし、流体の遺漏を防ぐために設置されるもので、図1(b)の部品図では、Oリングも図示してある。
シリンダ装置1は、シリンダ2の両開放端を蓋3、4で塞いで構成されており、内部には、第1空圧室21の第1ピストン11によってスラスト方向に移動する油圧発生部55が収納(内蔵)されている。
油圧発生部55は、ピストンハウジング14を筐体とし、その内部に収納された第2空圧室22、第2油圧室32、及び第1油圧室31などから構成された油圧発生機能を有するアセンブリである。
油圧発生部55は、第1空圧室21の圧力により出力側に移動する。そして、第2油圧室32は、油圧によって移動した油圧発生部55をシリンダ2内で固定し、第1油圧室31は固定されることによって内部で高まった油圧を出力ロッド7の1方向に推進力として出力する。
このように、シリンダ装置1は、シリンダ内を空圧室の圧力で他端側(出力側)に移動する油圧室を備えており、当該油圧室は、出力ロッド7が設けられた第1油圧室31と、固定手段(薄肉部15)が設けられた第2油圧室32から構成されている。
シリンダ装置1を構成する部品の材質は、アルミニウム、ステンレス、鉄などの金属である。
シリンダ装置1の大きさは、一例として、外径が20ミリ程度、ストローク長さが50ミリ程度であるが、これよりも大きくても、あるいは、小さくてもよい。以上が、シリンダ装置1の構成の概略である。
以下では、第1吸排気口5が形成された一端側を加圧用のエアが入力される側であるため入力側と呼び、第2吸排気口6が形成された他端側を油圧が出力される側であるため出力側と呼ぶことにする。
また、シリンダ2内の部品が最も入力側に位置する図1(a)に示した状態を初期状態と呼ぶことにする。
シリンダ2は、両端面が開放された円筒部材であって、シリンダ装置1の筐体を構成している。
シリンダ2の入力側端部は、円柱状の部材で構成された蓋3によって閉塞されている。
蓋3の出力側には、シリンダ2を挿入する凹部43が形成されており、シリンダ2の入力側端部の外周に形成された雄ネジと凹部43の内周面に形成された雌ネジを嵌合させることにより、シリンダ2と蓋3は、ネジ止めされて接合されている。
シリンダ2内の入力側の端部部分には、シリンダ2の内壁に沿ってスラスト方向に摺動する第1ピストン11が設けられている。
第1ピストン11の入力側端面と凹部43の底面は対面しており、凹部43の底面には、溝が形成された凸部44が形成されている。
凸部44により、第1ピストン11の入力側への移動範囲が規制されるため、第1ピストン11が最も入力側に寄った場合でも、凹部43、第1ピストン11の端面、及びシリンダ2の内壁で囲まれた空間が形成される。
蓋3の側面には、第1吸排気口5から当該空間に連通する吸排気路が形成されており、これによって、第1吸排気口5からの吸気や排気によって加減圧が可能な第1空圧室21が当該空間に形成される。
凸部44に溝が形成されているのは、第1吸排気口5からエアが供給された場合に、第1ピストン11の端面全体にエアが速やかに行き渡るようにするためである。
第1ピストン11の出力側端面には、後述の抜止めナット18、第2空圧室22、第2ピストン12、張出部57、第2油圧室32、蓋34を中心線に沿って貫通して第1油圧室31に至るロッド部分50がスラスト方向に形成されている。
このように、第1油圧室31は、第2油圧室32の他端側(出力側)に形成されており、第1ピストン11は、第2空圧室22と第2油圧室32を貫通して第1油圧室31まで形成されている。
第1ピストン11は、油圧発生部55をシリンダ2内で出力側に移動させる機能と、第1油圧室31を加圧して出力ロッド7に油圧を出力させる機能を有している。
第1ピストン11の出力側には、油圧発生部55が配置されている。
油圧発生部55は、略円筒状の形状を有するピストンハウジング14を筐体とし、当該筐体内に形成されている第2空圧室22、第2油圧室32、第1油圧室31を駆動して油圧を発生させる油圧発生アセンブリである。
ピストンハウジング14は、入力側から第2空圧室22、第2油圧室32、第1油圧室31を形成する内部形状を有する概略円筒形の部材である。
ピストンハウジング14の中央部には、シリンダ2の内周面と所定のクリアランスを隔てて摺動する薄肉部15が外筒部に形成されており、薄肉部15の両側の部分は、薄肉部15よりも外径が小さく形成されている。
ピストンハウジング14の入力側の端部には、ピストンハウジング14の開口部を閉塞する抜止めナット18が、ピストンハウジング14に形成された雌ネジと、抜止めナット18に形成された雄ネジを嵌合させることによりネジ止めされて固定されている。
第1ピストン11と抜止めナット18の間には、両者を離れる方向に付勢するコイルバネ19が設けられている。
コイルバネ19は、第1ピストン11の出力側端面と抜止めナット18の入力側端面の対応する位置に形成された凹部に設置されている。
また、第1ピストン11には、抜止めボルト17を挿通するための貫通孔が形成されており、抜止めナット18には、抜止めボルト17を固定するためのネジ孔が貫通して設けられている。
抜止めナット18の貫通孔は、入力側がザグリ加工されており、第1ピストン11の貫通孔から当該ザグリ加工された部分まで円筒部材であるカラー16が挿入されている。
そして、カラー16には、抜止めボルト17が挿入され、抜止めボルト17の先端が抜止めナット18に形成された雌ネジに嵌合してネジ止めされている。
また、第1ピストン11の貫通孔の入力側は、ザグリ加工されており、抜止めボルト17の頭部が当該ザグリ部分に当接することにより、第1ピストン11の抜けを防止している。
図示しないがカラー16の外周面と第1ピストン11の貫通孔の内周面の間にはOリングが設けられており、第1ピストン11は、カラー16に対してスラスト方向に摺動することができる。
このように、第1ピストン11は、コイルバネ19によって抜止めナット18から離れる方向に付勢されると共に、抜止めボルト17によって、第1ピストン11が抜止めナット18から所定距離以上離れないように最大離隔量が規制されている。
この最大離隔量は、第1ピストン11の出力側端面と抜止めナット18の入力側端面の間に、第1ピストン11が抜止めナット18側に押し込まれるストロークを確保するための間隙51が形成される量に設定されている。
以上の構成によって、初期状態では、コイルバネ19によって第1ピストン11と抜止めナット18は、抜止めボルト17によって規制される量だけ離れているが、第1空圧室21に圧力が加わって、第2油圧室により油圧発生部55が固定されるか、油圧発生部55が蓋4と当接し移動できなくなると、第1ピストン11は、抜止めナット18に接近できるようになる。
なお、この際に、間隙51にあった空気は、ピストンハウジング14の外周とシリンダ2の内周の間の空間を経由して第3空圧室41に排出される。
抜止めナット18の出力側には、凹部が形成されており、ピストンハウジング14内で抜止めナット18の出力側に配置された第2ピストン12の端面と当該凹部が形成する空間により第2空圧室22が形成される。
抜止めボルト17は、中心線に沿って貫通孔が形成されており、当該貫通孔を介して第1空圧室21と第2空圧室22は、連通している。
このように、シリンダ装置1は、シリンダ内の一端側(入力側)に形成された空圧室(空圧室20)を備えており、当該空圧室20は、第1油圧室31を加圧する第1ピストン11を備えた第1空圧室21と、第2油圧室32を加圧する第2ピストン12を備えた第2空圧室22と、から構成されている。
そして、第1空圧室21は、第2空圧室22の一端側に設けられており、第1吸排気口5を有している。
更に、第1ピストン11は、第1空圧室21と第2空圧室22を連通する連通孔を有している。
第2ピストン12の出力側には、第2油圧室32を形成するために、シリンダ2の内周面から中心線方向に張り出した張出部57が形成されている。
第2ピストン12の出力側端面と、張出部57の入力側端面の間には、張出部57から離れる方向に第2ピストン12を付勢するコイルバネ33が設置されており、コイルバネ33の中心を第1ピストン11のロッド部分50と第2ピストン12のロッド部分58が挿通している。
以上の構成によって、初期状態では、第2ピストン12の入力側端面は、抜止めナット18の凹部の縁部分先端に当接し、第2ピストン12の出力側端面と張出部57の入力側端面の間には、第2ピストン12が張出部57側に押し込まれるストロークを確保するための間隙52が設けられている。
また、ピストンハウジング14の間隙52が形成された部分には、第2ピストン12が張出部57の方に移動する際に、間隙52の空気をピストンハウジング14とシリンダ2の間の空間に逃がすための貫通孔40が形成されている。
張出部57の中心線上には、第2油圧室32に至る貫通孔が設けられており、第2ピストン12のロッド部分58が摺動可能に挿入されている。
更に、ロッド部分58は、中心線上に第2ピストン12を貫通する貫通孔が形成されており、第1ピストン11のロッド部分50が当該貫通孔を摺動可能に挿通している。
このようにロッド部分58は、円筒状に形成されており、張出部57を貫通して第2油圧室32に露出した端部が第2油圧室32の油を加圧するピストンとして機能する。
ここで、第1空圧室21と第2空圧室22のエアの圧力をP1、第2空圧室22における第2ピストン12の断面積(エアから圧力を受ける部分をスラスト方向に投影した面積、以下同様)をS1、第2油圧室32におけるロッド部分58の断面積をS2、コイルバネ33が第2ピストン12を付勢する力をF1とすると、第2油圧室32の油圧P2は、P2=(P1・S1-F1)/S2となる。そのため、(P1・S1-F1)/S2>P1なら、第2空圧室22の圧力が増幅されて第2油圧室32に伝達される。
油圧発生部55は、この条件が満たされるように構成されており、第2油圧室32は、増大した油圧で油圧発生部55を強固に固定する。
第2油圧室32は、入力側が張出部57で仕切られ、外周部分がピストンハウジング14の薄肉部15で仕切られ、出力側が蓋34で仕切られた空間で構成されており、油圧用の油が充填されている。
第2油圧室32は、第2ピストン12がスラスト方向の力によって張出部57の方に押圧されると、ロッド部分58が第2油圧室32に挿入されるため、上記の式に従って加圧される。特に出力ロッド7がワーク100に当接すると(より詳細には、出力ロッド7の先端に取り付けられた工具がワーク100に当接すると)、急激に加圧される。
第2油圧室32は、第2ピストン12がスラスト方向の力によって張出部57の方に押圧されると、ロッド部分58が第2油圧室32に挿入されるため、上記の式に従って加圧される。この時、加圧された圧力は周囲の内壁を均等に押圧する。第2油圧室32の内壁のスラスト方向の断面積は、入力側と出力側を比較すると、出力側よりもロッド部分58の端面積の分だけ入力側の方が小さい。このため、第2油圧室32内部の油が内壁を押圧する力は断面積が大きい出力側の方が大きくなるので、第2油圧室32には出力側へ移動しようとする力が働く。
この時、空圧室21と空圧室22には同時にエアが供給されるので、第2ピストン12と第1ピストン11は同時に動作を開始する。そのため同時に第1油圧室31にも油圧力が発生し始める。第1油圧室31で発生した油圧力は、蓋34の出力側端面を押圧するので、油圧発生部55には入力側へ移動しようとする力が発生する。
この出力側と入力側に移動させようとする相反する力の関係において、第2油圧室32による出力側へ移動しようとする力の方が大きい場合は、油圧発生部55には第2油圧室32により出力ロッド7を押圧する方向に力が作用するが、出力ロッド7は移動できないので油圧発生部55もその場で停止する。
そして第2油圧室32内部で高まった油圧は、出力ロッド7の停止に伴いスラスト方向に移動できなくなり、剛性が弱い薄肉部15に圧力が作用し、矢線で示したラジアル方向(中心線から外に向かう方向)に弾性変形して膨張し、薄肉部15の外周面がシリンダ2の内周面に押圧される。これにより、薄肉部15とシリンダ2の間に摩擦力が発生し、油圧発生部55がシリンダ2内でスラスト方向に固定される。
一方、第1油圧室31による入力側へ移動させる力の方が大きい場合は、第1ピストン11よりも第2ピストン12の方がシール部材による摺動抵抗が小さく、より早く動作するので、第1ピストン11が間隙51の隙間を動き切る前(第1ピストン11が抜止めナット18に当接する前)に第2ピストン12の動作が完了し、剛性が弱い薄肉部15に圧力が作用し、外周面がシリンダ2の内周面に押圧して、油圧発生部55がシリンダ2内でスラスト方向に固定される。
このように、シリンダ装置1は、空圧室が油圧室に与えるスラスト方向の力からラジアル方向の力を発生させ、当該ラジアル方向の力によって油圧室をシリンダ2内に固定する固定手段(薄肉部15)を備えている。
そして、当該油圧室は、空圧室が油圧室に与える他端側方向(出力側)の力と出力ロッドが油圧室に与える一端側方向(入力側)の力を受けて油圧を発生させている。
より詳細には、当該固定手段は、第2油圧室32の油圧によってラジアル方向の力を発生させ、当該ラジアル方向の力によって弾性変形した第2油圧室32の側壁をシリンダ2の内壁に押圧することにより第2油圧室32と第1油圧室31を固定している。
蓋34は、外周面に雄ネジが形成されており、ピストンハウジング14の出力側端部に形成された雌ネジにねじ込んで固定されている。
蓋34の中心には、出力側にザグリ部分が形成された貫通孔が形成されており、当該貫通孔には、第1ピストン11のロッド部分50の先端部分が挿入されている。
そして、第1ピストン11の先端部分に形成されたネジ孔には、抜止めボルト35がネジ止めにより固定されている。
抜止めボルト35の頭部が蓋34の貫通孔に形成されたザグリ部に当接することにより、ロッド部分50の抜けを防止している。
蓋34の出力側には、中心線に沿って出力側に出力ロッド7が形成された第3ピストン13が配置されており、蓋34の出力側端面、第3ピストン13の入力側端面、後述する給油口栓38の入力側端面、及びピストンハウジング14の内周面で空間によって仕切られた第1油圧室31が形成されている。
第3ピストン13の入力側端面の中央には、ロッド部分58が過度に挿入された場合に、これを逃がす凹部が形成されている。
出力ロッド7は、第3ピストン13の入力側端部に至るまで中心線上に貫通孔が形成された円筒構造を有している。
そして、貫通孔の入力側には、第1油圧室31に給油してからこれを密閉するための給油口栓38がネジ機構により固定されている。
当該構成により、第1ピストン11がピストンハウジング14に近づくと、ロッド部分50が第1油圧室31に挿入されて第1油圧室31の油が加圧され、出力ロッド7が当該加圧された油圧を受けて出力側に移動する。
ここで、第1空圧室21と第2空圧室22のエアの圧力をP1、第1空圧室21における第1ピストン11の断面積をS3、第1油圧室31の油圧をP3、第1油圧室31における第1ピストン11の断面積をS4とする。
この場合、P3=S3・P1/S4となり、S3>S4なら、第1空圧室21の圧力が増幅されて第1油圧室31に伝達される。
なお、後述するようにコイルバネ36によって入力側に付勢されているが、これによる力をF2とし、第1油圧室31における第3ピストン13の断面積をS5とすると、出力ロッド7がワーク100を押圧する力F3は、F3=(P1・S3・S5/S4)-F2となる。
シリンダ装置1の油圧系(油圧室30)は、第1空圧室21の圧力がピストン11のロッド部分50により第1油圧室31で増幅されて、ワーク100の加工に必要な力F3を出力ロッド7により発揮するように(推力が増大するように)設定されている。
このようにシリンダ装置1は、空圧室20が第1油圧室31に発生させる油圧を増幅する油圧増幅手段(ピストン11、ロッド部分50)と、当該増幅した油圧を出力する出力ロッド7を備えており、当該油圧増幅手段は、第1油圧室31に発生した油圧を増幅して出力ロッド7に出力している。
ピストンハウジング14の出力側の開放端には、ネジ溝が形成されており、中心に出力ロッド7を挿通する貫通孔が形成された抜止めナット37がネジ止めされている。
第3ピストン13の出力側端面と、抜止めナット37の入力側端面の間には、両者が離れる方向に付勢するコイルバネ36が設置されており、コイルバネ36の中心を出力ロッド7が挿通している。
このように、第1油圧室31は、出力ロッドを出力方向に押圧する出力ピストン(第3ピストン)を備えており、シリンダ装置1は、当該出力ピストンを出力方向に対向する方向に付勢する付勢手段を具備している。
コイルバネ36は、空圧室20(第1空圧室21、第2空圧室22)が加圧される際に、第2油圧室32が加圧されて油圧発生部55がシリンダ2にクランプされる前に、出力ロッド7が移動してしまうことで、ワークと当接する位置が変動してしまうのを防ぐ機能を有している。
コイルバネ36は、油圧発生部55の内部において、第3ピストンと13と出力ロッド7を入力側(蓋34の方向)に付勢する機能を有し、出力ロッド7の出力側への動作が、空圧室20の加圧と第1油圧室31の加圧以外(例えば、外乱)で生じることを防ぐ機能を有している。この時、コイルバネ36により、第3ピストン13(出力ロッド7)と、蓋34もしくは油圧発生部55の一部とが当接してもよいし、図1で示されているように第1油圧室31内部の油により隔離され当接していなくてもよい。
またコイルバネ36は、出力ロッド7が空圧室20の加圧と第1油圧室31の加圧により前進動作を行った後に、第3ピストン13と出力ロッド7が元の位置に後退する場合の動作補助の機能を有している。
なお、コイルバネ36を有しない構成も可能である。但し、第3ピストン13の出力側端面と、油圧発生部55の入力側端面が終始当接しない状態であることが条件となる。この形態は、出力ロッド7の移動量が極端に短く、ほとんど動作しない場合や、逆に極端に長く、最適なコイルバネを設計・製造できない場合に適している。
蓋4は、円柱状の部材であって、入力側にシリンダ2を挿入するための凹部が形成されている。
当該凹部の内周面には雌ネジが形成されており、これがシリンダ2の対応する外周面に形成された雄ネジと嵌合することにより両者は、ネジ止めされている。
蓋4の中心線上には、出力ロッド7を挿通するための貫通孔が形成されており、出力ロッド7は、当該貫通孔を経由して蓋4の外部まで延設されている。
蓋4の凹部の底面には、蓋3の凸部44と同様に、先端に溝が形成された凸部45が形成されている。ピストンハウジング14(油圧発生部55)が出力方向に移動すると、抜止めナット37が蓋4の凸部45と当接する。凸部45先端の溝は、この当接状態において第2吸排気口6から供給されるエアが、抜止めナット37と出力ロッド7の間を通って第3ピストン13の端面全体にエアが速やかに行き渡るようにするために形成されている。
更に、蓋4の側面には、第2吸排気口6からシリンダ2の内部に連通する吸排気路が設けられており、シリンダ2内の出力側には第2吸排気口6から吸排気される第3空圧室41が形成されている。
第3空圧室41は、第1吸排気口5を開放して第2吸排気口6からエアを供給することにより、油圧発生部55を入力側に移動して、シリンダ装置1を初期状態に復帰させるのに用いられる。
このように、シリンダ装置1は、シリンダ内の他端側に設けられ、第2吸排気口6を有し、油圧室(油圧室30)を一端側に押圧する第3空圧室41を備えている。
以上のように構成されたシリンダ装置1は、次のようにして動作する。
まず、第1吸排気口5を開放して空圧室20(第1空圧室21、第2空圧室22)を減圧しつつ、第2吸排気口6からエアを供給して、空圧室20、油圧室30(第1油圧室31、第2油圧室32)を初期状態に設定する。
次に、第2吸排気口6を開放して第3空圧室41を減圧しつつ、第1吸排気口5からエアを供給する。
すると、第1空圧室21と第2空圧室22の気圧が上昇し、第1ピストン11が油圧発生部55を押圧することにより、出力ロッド7がワーク100に当接するまで油圧発生部55が出力側にスライドして移動する。
このように、第1ピストンは、第1空圧室21の圧力で、出力ロッド7が押圧対象(ワーク100)に当接するまで、第2空圧室22、第1油圧室31、及び第2油圧室32を他端側(出力側)に移動している。
油圧発生部55が移動して出力ロッド7の先端(より詳細には出力ロッド7に取り付けられた工具の先端)がワーク100に当接すると、第1ピストン11が第1油圧室31を圧し、第2ピストン12が第2油圧室32を圧するため、第1油圧室31と第2油圧室32の油が加圧されてこれらの油圧が上昇する。
この時油圧発生部55は、第2油圧室32のスラスト方向の内壁の断面積において、出力側の断面積が入力側の断面積よりもロッド部分58の端面積分だけ大きいため、面積差分だけ押圧力が出力ロッド7の方向に発生する。
この時、第1油圧室31に発生した油圧力は、蓋34の出力側端面を押圧するので、油圧発生部55には入力側へ移動しようとする力が発生する。
この出力側と入力側に移動させようとする相反する力の関係において、第2油圧室32による出力側へ移動しようとする力の方が大きい場合は、出力ロッド7がワークに当接して停止しているので、油圧発生部55も移動が停止する。
これにより第2油圧室32内部の油はスラスト方向に移動できないので内部圧が更に上昇し、薄肉部15をラジアル方向に押圧して弾性変形させ、シリンダ2の内周面に当接させる。これにより油圧発生部55がシリンダ2内で固定される。
一方、第1油圧室31による入力側へ移動させる力の方が大きい場合は、第1ピストン11よりも第2ピストン12の方が摺動抵抗が小さく、より早く動作するので、第1ピストン11が間隙51の隙間を動き切る前に第2ピストン12の動作が完了し、剛性が弱い薄肉部15に圧力が作用し、外周面がシリンダ2の内周面に押圧して、油圧発生部55がシリンダ2内でスラスト方向に固定される。
油圧発生部55が固定された状態で、空圧室20にさらにエアが供給されるため、第1油圧室31、第2油圧室32の油圧が更に上昇する。これにより薄肉部15はさらにシリンダ2を押圧し、薄肉部15の押圧力による把持力が上昇する。薄肉部15による把持力が高まることにより、油圧発生部55がスラスト方向に堅持され(油圧発生部55が薄肉部15でシリンダ2に固定され)、第1油圧室31の油圧力が発生するスラスト方向の力を受けても動かなくなる。すると第1油圧室31の油圧力が出力ロッド7に印加され、コイルバネ36の付勢力に抗してワーク100を油圧力で押圧する。
この時ワーク100は、出力ロッド7がワーク100に当接後、押圧されてその場で固定されるのみで、出力ロッド7から印加される油圧力により移動もしくは変形等が無い場合には、第3ピストン13が第1油圧室31室内をスラスト方向に移動することがないので、第1油圧室31内部の油を第3ピストン13のOリング(図1(b)参照)の移動とともに外部に持ち出すことが無い。
また第2油圧室32は、内部の油が密閉されていて体積が一定であるため、薄肉部15がラジアル方向に膨らむと、そのラジアル方向の体積増加分だけスラスト方向の体積が減少して短くなり、短くなった分、第2ピストン12が前進できる。薄肉部15のラジアル方向の変形量は極わずかであり、そのためそれに伴うスラスト方向の変化量も僅かで、第2ピストン12が移動する量も小さくほとんど動かない。そのため第2ピストン12のOリング(図1(b)参照)が移動して第2油圧室32内部の油を外部に持ち出すことがほとんど無い。本実施形態では、第2ピストン12の移動量は、Oリング等のシール部材(第2ピストン12に配設された第2油圧室32のシール部材)の弾性変形範囲内の量になるよう設定されており、本実施形態では、Oリングが全く移動しないので内部油が外部に持ち出されることが無い。
ワーク100に対する押圧処理が終了すると、第1吸排気口5を開放し、第1空圧室21と第2空圧室22を減圧する。
これにより、第1油圧室31と第2油圧室32の油圧が低下する。
第1油圧室31では、コイルバネ36の付勢力により第3ピストン13が初期状態の位置まで戻り、第2油圧室32では、薄肉部15の弾性変形が復元力により戻る。これにより、油圧発生部55の固定が解除される。また、第2ピストン12は、コイルバネ33の付勢力により初期状態の位置に戻る。
次に、シリンダ装置1を用いてワーク100を押圧し、クランプする例を説明する。
シリンダ装置1にはワーク100を押圧しクランプするのに最適なクランプ用部材が出力ロッド7の先端に組付いているものとする。
そして、シリンダ装置1は、ワーク100を押圧し、クランプされる部材へのクランプ動作を次の順で行う。
(1)まず、第1吸排気口5を開放して第2吸排気口6にエアを供給することにより、シリンダ装置1を初期状態とし、これによってクランプ部材を後退させて、ワーク100を所定の位置に設置する。この時ワーク100は、押圧されても動かないように設置されている。
(2)そして、第2吸排気口6を開放して第1吸排気口5からエアを供給する。すると、エア駆動で出力ロッド7が出力方向に前進し、出力ロッド7の先端に取り付けたクランプ用部材がワーク100に当接する。
(3)クランプ部材が当接すると、空圧室20の圧力が高まって、油圧発生部55がシリンダ2に固定され。出力ロッド7に油圧力による推力が発生する。これにより、強い力でワーク100を押圧するので、ワーク100がクランプされる部材に強く押し付けられ、クランプされる。
(4)ワーク100をクランプされる部材から解放する場合は、第1吸排気口5を開放して第2吸排気口6からエアを供給し、エア駆動により出力ロッド7を退避させ、次いでワーク100を所定の位置から離脱させる。
以下、ワーク100を交換しながら、以上のサイクルを繰り返す。
ここで、シリンダエンドでの油圧力発生について、すなわち、出力側のシリンダエンド(蓋4)に油圧発生部55が当接した状態で油圧力を発生させる場合について説明する。この動作例は、出力ロッド7がワーク100に当接しなくても油圧推進力を発生できる事例である。
以下その動作について説明する。
油圧発生部55が前進し、シリンダエンド(蓋4)に当接すると、第2空圧室22により第2ピストンが第2油圧室32を押圧し、同時に第1空圧室21により第1ピストンが第1油圧室31を押圧する。油圧発生部55は前進できないので、第2油圧室32内部の油は蓋34と第2ピストン12とにより狭窄され加圧される。すると薄肉部15が弾性変形し、シリンダ2の内壁を固定する。この時、第2ピストン12の摺動抵抗の方が第1ピストン11よりも小さいので早く動作し、第1ピストン11が間隙51の隙間を動き切る前に第2ピストン12の動作が完了する。
油圧発生部55がシリンダ2に固定されるとスラスト方向の把持力が上昇し剛性が高まるので、第1油圧室31で発生するスラスト方向の油圧推力を受け止めることができ、出力ロッド7に油圧推進力が発生する。
これにより、出力ロッド7がワークに当接していない状態においても出力ロッド7に油圧推進力を印加することができる。
図2(a)は、シリンダ装置1を用いてプレス加工(抜き加工)を行う例を説明するための図である。
図示しないプレス装置は、出力方向を下方にしてシリンダ装置1を固定している。
出力ロッド7の先端には、抜き型用の工具であるパンチ71が出力ロッド7と同軸に固定されており、その下方には、下から設置台73、ワーク100、治具72の順で設置されている。これらは、ワーク設置手段として機能している。
パンチ71は、円柱形状を有しており、金属板で構成されたワーク100に円形の孔を明ける金型である。
治具72は、パンチの際に、ワーク100を設置台73に押圧してワーク100を固定する部材であって、パンチ71を通過させる貫通孔が形成されている。
設置台73にも、パンチする際にパンチ71を逃がす貫通孔が形成されている。
以上の構成において、シリンダ装置1は、次の順でプレス加工を行う。
(1)まず、第1吸排気口5を開放して第2吸排気口6にエアを供給することにより、シリンダ装置1を初期状態とし、これによってパンチ71を後退させて、設置台73の上にワーク100と治具72を所定位置に設置する。
(2)次に、治具72でワーク100を設置台73に押圧して固定する。そして、第2吸排気口6を開放して第1吸排気口5からエアを供給する。
すると、エアによる駆動で出力ロッド7が出力方向に前進し、パンチ71の先端がワーク100に当接する。
(3)パンチ71の先端が当接すると、空圧室20の圧力が高まって、油圧発生部55がシリンダ2に固定され、出力ロッド7が油圧で駆動される。これにより、強い力でパンチ71がワーク100に押しつけられて、ワーク100が穿孔される。このようにプレス装置は、プレス手段を備えている。
(4)ワーク100に孔が空けられると、第1吸排気口5を開放して第2吸排気口6からエアを供給し、エア駆動によりパンチ71を引き上げ、次いでワーク100を所定位置から離脱する。このようにプレス装置は、離脱手段を備えている。
図2(b)は、シリンダ装置1を用いたプレス加工でワーク100に凹部を形成する例を説明するための図である。
オス金型74は、円柱形状を有するオス型の金型であって、先端に凹部を形成するための突起部が形成されており、出力ロッド7に同軸に取り付けられている。
メス金型75は、メス型の金型であって、オス金型74の突起部を受ける凹部が形成されている。
以上の構成において、シリンダ装置1は、次の順でプレス加工を行う。
(1)まず、第1吸排気口5を開放して第2吸排気口6にエアを供給することにより、シリンダ装置1を初期状態とし、これによってオス金型74を後退させて、メス金型75の上にワーク100と治具72を設置する。
(2)次に、治具72でワーク100をメス金型75に押圧して固定する。そして、第2吸排気口6を開放して第1吸排気口5からエアを供給する。すると、エアによる駆動で出力ロッド7が出力方向に前進し、オス金型74の先端がワーク100に当接する。
(3)オス金型74の先端が当接すると、空圧室20の圧力が高まって、油圧発生部55がシリンダ2に固定され、出力ロッド7が油圧で駆動される。これにより、強い力でオス型74がワーク100に押しつけられて、ワーク100に凹部が形成される。
(4)ワーク100に凹部が形成されると、第1吸排気口5を開放して第2吸排気口6からエアを供給し、エア駆動によりオス金型74を引き上げる。
(第2実施形態)
本実施の形態に係るシリンダ装置1aは、入力側にも出力ロッド77を備えている。
以下では、第1実施形態と同じ箇所については、説明を簡略化、又は省略し、相違点について説明する。
図3は、シリンダ装置1aのスラスト方向の断面図を示している。
蓋3の凹部43の中央には貫通孔が形成されている。
第1ピストン11の入力側端面には、当該貫通孔を挿通し、シリンダ装置1の外部まで延設された出力ロッド77が第1ピストン11の中心線上に形成されている。
このように、シリンダ装置1aは、第1空圧室21を貫通し、第1ピストンからシリンダの一端側に形成された空圧ロッド(出力ロッド77)を備えている。
また、第1ピストン11の出力側に形成されているロッド部分50は、第1ピストン11に設けられたロッド部分50aと、第1油圧室31を加圧するロッド部分50bに分割されており、ロッド部分50aの出力側端部は、ロッド部分50bの入力側端部に形成された凹部に挿入されている。
そして、当該挿入部分において、ロッド部分50aの先端とロッド部分50bの凹部の底面の間には、間隙78が設けられている。
このようにロッド部分50を2分割して間隙78を設けたのは、出力ロッド7がワーク100に当接させた瞬間に第1ピストン11により第1油圧室31に油圧が発生するのを以下のようにして回避するためである。
第1ピストン11が油圧発生部55を出力側に移送する際には、空圧室22に供給されたエアが第2ピストン12を押圧し、第2ピストン12が第2油圧室32を押圧して移動する。この時出力側への移動の反力が油圧発生部55に働いていないので、第2油圧室32の油が狭窄されることが無く、薄肉部15は弾性変形を生じない。またコイルバネ19によって第1ピストン11と抜止めナット18が離反する方に付勢されているため、間隙78が維持されたまま油圧発生部55が移動する。
出力ロッド7がワーク100に当接すると、第2油圧室32により油圧発生部55は、シリンダ2をクランプする。
当接の際には、間隙78の存在により第1油圧室31が加圧されないので出力ロッド7に油圧は発生せずワーク100に当接する。
次に、第1ピストン11が更に間隙78の分だけ出力側に移動してロッド部分50aとロッド部分50bが接すると、第1油圧室31に油圧が発生して出力ロッド7が当該油圧で駆動される。
このようにロッド部分50を分割する方式は、油圧発生部55のシリンダ2への固定の方を出力ロッド7の油圧推力発生よりも確実に早く動作させることができ、また出力ロッド7の当接の瞬間に油圧をワーク100に及ぼしたくない場合に有効である。
以上のように構成されたシリンダ装置1aで、初期状態から第1吸排気口5にエアを供給すると、出力ロッド77と出力ロッド7が第1ピストン11と共に出力方向に移動し、出力ロッド7がワーク100に当接すると、まず、油圧発生部55の固定が成され、次いで、出力ロッド7に油圧が発生する。
このように、第2実施形態では、出力ロッド7をエアと油圧で駆動し、出力ロッド77をエアで駆動することができる。出力ロッド77は、例えば、シリンダ装置1aの外部に図示しないセンサを設け、出力ロッド77にセンサが感知できるドッグを設けることにより、第1ピストン11が動作した位置を検出するのに利用できる。
図4は、図3で説明した第2実施形態における変形例を説明するための図である。
当該変形例では、第1油圧室31や第2油圧室32の圧力を計測できるようにする。図4では、シリンダ装置1aから必要な部分だけ抜き出して示している。
図4(a)の例では、第1油圧室31から、抜止めボルト35、ロッド部分50、出力ロッド77を貫通する貫通孔81を形成し、出力ロッド77の先端に圧力センサ80を設置する。
そして、第1油圧室31と貫通孔81を油で満たし、第1油圧室31の油圧を圧力センサ80で検出する。
なお、図3に示したように第2実施形態のロッド部分50は間隙78を挟んでロッド部分50aとロッド部分50bに2分割されているが、本変形例のロッド部分50は、図4(a)(b)に示すように、一体形成されている。
図4(b)の例では、第2油圧室32においてロッド部分50の側面に開口部を設け、当該開口部からロッド部分50と出力ロッド77を貫通する貫通孔82を形成し、出力ロッド77の先端に圧力センサ80を設置する。
そして、第2油圧室32と貫通孔82を油で満たし、第2油圧室32の油圧を圧力センサ80で検出する。
図4(c)の例では、出力ロッド7のシリンダ装置1から外部に突出している部分で、先端に至るまでの間の側面に開口部を設け、当該開口部から第1油圧室31に至るまで出力ロッド7の中心を貫通する貫通孔83を形成し、当該開口部に油圧力センサ85を設置する。
そして、第1油圧室31と貫通孔83を油で満たし、第1油圧室31の油圧を油圧力センサ85で検出する。
図4(b)の圧力センサ80と図4(c)の油圧力センサ85を組み合わせると、第2油圧室32と第1油圧室31の両方の油圧を計測することができる。
(第3実施形態)
本実施の形態に係るシリンダ装置1bは、クランパによって油圧発生部55をシリンダ2に固定する。
図5(a)は、シリンダ装置1bの、クランパ90周辺における、スラスト方向の断面図を表し、図5(d)は、クランパ90周辺の部品図を表している。
第2油圧室32の入力側端面は、ピストンハウジング14に固定された円柱部材95の端面と、円柱部材95の周囲に配置された円環部材91の端面から構成されている。
円環部材91は、内周面が円柱部材95の外周面と接しており、外周面がピストンハウジング14の内周面と接している。これら接した面はOリングによってシールされており、気密性を保ったまま円環部材91は、スラスト方向に移動することができる。
円柱部材95の入力側には、雌ネジが形成されており、第1実施形態における抜け止めナット18に相当する部材が組付いている。抜け止めナット18に相当する部材の入力側外周には雄ネジが形成されており、ナット97がねじ込まれて固定されている。
ナット97の出力側端面と、円環部材91の間には、コイルバネ96が設置されており、円環部材91は、第2油圧室32を構成する空間を確保しつつ(図示しないが、この空間を確保するために円環部材91の出力側への移動を規制する規制手段が設けられている)、コイルバネ96によって出力側に付勢されている。
このため、円環部材91は、第2油圧室32の油圧が上昇すると、入力側に移動し、油圧が低下すると、出力側に移動して元に戻るようになっている。
図5(b)に示したように、円環部材91の入力側端部には、入力側(図面左側)に行くほど外径が小さくなるテーパ部92が形成されている。
そして、円環部材91のテーパ部92とナット97の出力側端面との間に形成された空間には、固定手段として機能するクランパ90が配置されている。
クランパ90は、入力側に行くほど内径が小さくなるテーパ部93が形成された円環部材であって、テーパ部93の角度は、テーパ部92の角度と等しくなっている。
図5(c)に示したようにクランパ90は、矢線で示したラジアル方向に広がるように4分割されている。
クランパ90の外周面は、シリンダ2の内周面と平行に形成されており、初期状態では、クランパ90の外周面とシリンダ2の内周面に所定のクリアランスが形成され、両者の間に摩擦力が生じないようになっている。
更に、クランパ90の外周面には円周方向に溝が形成されており、当該溝には、Oリング94が設置されている。
一般的にOリングは、気密性を保つために設置されるが、Oリング94は、ラジアル方向に広がったクランパ90を引き戻すために設置されている。
そのため、クランパ90の外周面に形成された溝の高さは、Oリング94の直径よりも大きく設定されており、Oリング94がシリンダ2の内周面に接しないようになっている。
なお、本実施形態では、Oリング94を用いているが、ラジアル方向に広がって内径が大きくなった場合に、元の内径に縮んで戻ろうとする部材であれば、他の部材を用いることができる。例えば、弾力性があるひも状の円環状弾性部材を使用してもよい。また、コイルバネの両端を繋いで円環状にしたものを使用してもよい。
このように構成されたシリンダ装置1bにおいて、初期状態では、第2油圧室32の圧力が低いため、円環部材91は、コイルバネ96によって出力側に付勢されており、これによって、ナット97の出力側端面と円環部材91のテーパ部92の間に十分なクリアランスが確保される。
そのため、クランパ90は、Oリング94の収縮力により中心軸方向に束ねられてクランパ90とシリンダ2の内周面との間にクリアランスが生じ、油圧発生部55は、スラスト方向に移動することができる。
一方、第2油圧室32の圧力が高まると、油圧によってクランパ90が入力側方向に押されて移動する。
すると、クランパ90には、ナット97の出力側端面と円環部材91のテーパ部92で挟まれて、図5(b)の矢線で示したように、両端側からスラスト方向の力を受ける。
具体的に説明すると、第2ピストン12が前進すると、第2油圧室32の圧力が上昇し、圧力の上昇は連通路32aを通り円環部材91の端面空間の油圧室32b(第2油圧室)まで達する。
円環部材91は、Oリング94がクランパ90を収縮させようとする力よりも、第2油圧室32の圧力により発生するスラスト方向に移動しようとする力の方が大きくなったとき、クランパ90を押し広げながら入力側に移動する。この時、第2ピストン12により押しのけられた第2油圧室32内部の油が、連通路32aを通り端面空間に流入するので円環部材91がスラスト方向に移動する。
このスラスト方向の力は、円環部材91のテーパ部92とクランパ90のテーパ部93の当接により、図5(b)の矢線で示したように、ラジアル方向の力に変換され、その結果、クランパ90は、ラジアル方向に押し出される。
これにより、クランパ90の外周面とシリンダ2の内周面が当接して摩擦力が発生し、油圧発生部55は、シリンダ2内で固定される。
第3実施形態で用いたクランパ90による固定方法は、第1実施形態、第2実施形態、及び後述の第4実施形態で用いることも可能である。
この例では、第2油圧室32に発生した油圧で、スラスト方向に移動するテーパ部材(円環部材91)をクランパ90に押圧することによりラジアル方向の力を発生させ、当該力によってクランパ90をシリンダの内壁に押圧することにより第2油圧室32と第1油圧室31を固定している。
(第4実施形態)
本実施の形態に係るシリンダ装置1cは、シリンダ装置1にシリンダ装置1aの分割ロッド方式を組み合わせたものである。
図6に示したように、シリンダ装置1cは、シリンダ装置1においてロッド部分(シャフト部分)50をロッド部分50aとロッド部分50bに分割し、その間に間隙78を設けたものである。
第2実施の形態で説明したように、当該構成を採用すると、第1空圧室21の圧力が高まって第1ピストン11により油圧発生部55が移動し、出力ロッド7がワーク100に当接した瞬間には、第1油圧室31に油圧が発生せず、当接の瞬間に出力ロッド7がワーク100に対して油圧を出力するのを防ぐことができる。
このように、シリンダ装置1cでは、第1ピストンのロッド部分50が、所定のクリアランスを設けた2つのロッド部分50a、50bに分割されている。
以上に説明した各実施の形態により、次のような効果を得ることができる。
(1)エアピストンと油圧ピストンを巧みに組み合わせてエアハイドロ機構を内蔵することにより、ワーク100に当接するまではエアピストンとして動作させ、ワーク100に当接してからは油圧シリンダとして動作させることができ、油圧ポンプ等の個別付帯設備や施工に手間が掛る油圧配管等が必要ないエア供給のみで、エアピストンによる長いストロークの移動と油圧ピストンの特徴である大きな推力の両方を実現することができる。
(2)エアピストンによって必要なストロークを稼いだ後、薄肉部15の弾性変形やクランパ90の押し出しなどによってスラスト方向の力をラジアル方向の力に変換して油圧ピストンをシリンダ2内で固定することができる。
(3)ラジアル方向の力を油圧により増大させて油圧ピストンを固定することができるため、強固に固定することができる。
(4)シリンダ2内に固定した油圧シリンダに油圧を発せさることにより大きな力を発生させることができる。
(5)必要なストロークのほとんどをエアピストンでカバーし、必要最小限のストロークを油圧ピストンで行うため、油圧ピストンのストローク量が小さくてすみ、そのため、油の遺漏による損耗を最小限に抑えることができる。
特に出力ロッド7がワーク100に当接し、その後出力ロッド7の移動を伴わないで油圧力だけをワークに印加する使用方法の場合は、各油圧室内部での各油圧ピストンの移動量が各シール部材の弾性変形の範囲内でしかないので、各油圧室内部の油の遺漏を発生させないことができる。
次に、第5実施形態と第6実施形態について説明する。
この第5実施形態と、第6実施形態では、エア駆動によりピストンハウジング60を所定位置まで移動させた後にシリンダ2に固定する移動、固定動作(クランプ動作)と、その後に、エアハイドロ機構により出力ロッド7の先端に増幅された油圧力を発生させる油圧出力動作とを、別々に行うことができるようにしたものである。
(第5実施形態)
以下、第5実施形態について説明する。
この第5実施形態では、固定動作において、ロッド部分58と第2ピストン12の動作により、第2油圧室32にラジアル方向の油圧を発生させることで、薄肉部15を膨張させピストンハウジング60の動きをシリンダ2に固定させる。
一方、油圧出力動作では、第1ピストン11の移動によりロッド部分50の先端が第1油圧室31を押すことで第3ピストン13から出力ロッド7に増幅した油圧力を発生させる。
図7は第5実施形態におけるシリンダ装置1dの構成を表したスラスト方向の断面を表したもので、(a)は全体を表し、(b)は拡大した一部分を表している。
図8はシリンダ2内に配設される各部品を表したもので、(a)は各部品の断面を表し、(b)は第1ハウジング61の正面図と側面図、及び抜止めリング29の正面図である。
なお、第1実施形態と同一構造や同一機能の部分については同一の符号を付して適宜その説明を省略する。また、図7(b)では、各部をシールするためのOリングが表示されているが、その説明は省略する。また、図面を見やすくするため、他の実施形態と同様に、断面を表す表示はせず、図7(a)だけエアが存在する領域に斜線を、油が存在する領域にドットを付している。
図7、8に示すように、本実施形態のシリンダ装置1dでは、第1実施形態におけるピストンハウジング14(図1参照)に代えて、第1ハウジング61、第2ハウジング62、第3ハウジング63からなるピストンハウジング60(図示しない)がシリンダ2内に配設されている。
図7に示すように、入力側から順に、第2ピストン12と連結されたロッド部分58を収容する第2ハウジング62、ロッド部分50が連接された第1ピストン11を収容する第1ハウジング61、出力ロッド7が連接された第3ピストン13を収容する第3ハウジング63の順に配設されている。
第2ハウジング62は、両端側が厚肉部に形成され、その間が薄肉部15を構成し、薄肉部15の内側が第2油圧室32となっている。
第2ハウジング62の両端の厚肉部には、第2油圧室32に油を充填するための給油孔が形成され、何れか一方から油を注入した後に給油口栓381、給油口栓382で密閉されている。
第2ハウジング62における入力側の端部には、周上に配置された複数のボルト39aによって、蓋39が固定されている。この蓋39は、第1実施形態における張出部57に対応している。
蓋39には入力側に円筒形状の凹部39d(図8(a)参照)が形成され、凹部39dの底部には中央にロッド部分58用の貫通孔が形成され、この貫通孔の外側に凹部39dの底部を貫通する連通孔39cが形成されている。この連通孔39cは、後述する第5空圧室65と第3空圧室41とを連通する経路の一部を構成している。
蓋39の入力側端部には、シリンダ2の内周壁との間にクリアランスを有するフランジ部が形成され、このフランジ部の周面には摺動補助リング2aが配設されている。摺動補助リング2aは、他の摺動補助リング2b、2cを含め金属以外の材料(例えば樹脂)で形成され、シリンダ2と蓋39、第1ハウジング61との金属接触を回避し、シリンダ2の内周面と第2ハウジング62との摺動を円滑にするために配設されている。
蓋39の凹部39dと中央の貫通孔を貫通するように、ロッド部分58が挿通されている。このロッド部分58の入力側には、第2ピストン12が連結ネジ12aで固定されている。
ロッド部分58は、出力側から入力側に向かって順に径が太くなる、小径部、中径部、大径部を備え、小径部と中径部の境界には段部58aが形成されている。このロッド部分58が蓋39内を出力方向に移動することで、第2ハウジング62内に形成される第2油圧室32が加圧され、この油圧によって薄肉部15がラジアル方向に弾性変形し、ピストンハウジング60(61~63)がシリンダ2内で固定される。
ロッド部分58の大径部には、中径部の外周に沿った凹部58bが形成されている。ロッド部分58の中径部は、コイルバネ33に挿通され、コイルバネ33の一端側が凹部58bに配置され、他端側が蓋39に形成した凹部39dの底面に当接している。
ロッド部分58の大径部の出力側端面には径方向に張り出したフランジ部58cが形成されている。
ロッド部分58は、コイルバネ33を挿通したロッド部分58の小径部と中径部を蓋39に通した状態において、抜止めリング29が入力側から蓋39にボルト29cで固定されている。抜止めリング29の内径は、ロッド部分58のフランジ部58cの外形よりも小さく形成されているため、コイルバネ33により入力側に付勢されロッド部分58が抜けないようになっている。
抜止めリング29は、図8(b)に示すように、2分割されていて、同一周上にボルト39a(蓋39の固定用)が貫通する貫通孔29aと、ボルト29cで抜止めリング29を蓋39に固定するためのボルト穴29bが複数形成されている。また2分割された合わせ目は、蓋39に組付けても密着せず隙間があり、第5空圧室65内部のエアと連通孔39c内部のエアは自由に行き来できる構成となっている。
抜止めリング29を固定した状態において、ロッド部分58には、第2ピストン12が連結ネジ12aで固定されている。このように、ロッド部分58と第2ピストン12とが分割されているのは、ボルト39aによる蓋39の固定と、ボルト29cによる抜止めリング29の固定を行うためである。
ロッド部分58の中央には貫通孔が形成されていて、この貫通孔に吸排気ロッド8aが挿通されている。この吸排気ロッド8aは、ロッド部分58の入力側端部で螺合されている。更に、ロッド部分58の入力側の端部は第2ピストン12の端面よりも入力側まで突出しており、この突出部において、吸排気ロッド8aが径方向から固定ネジ12bで固定されている。
本実施形態の蓋3には中央部に貫通孔が形成され、この貫通孔に吸排気ロッド8aが挿通されている。吸排気ロッド8aには、第1空圧室21にエア(気体)を供給するための吸排気路8bが形成されている。吸排気ロッド8aの入力側端部は第3吸排気口8に接続されている。
第2ピストン12は、入力側の端面が蓋3とシリンダ2の内周面とともに第2空圧室22を形成し、出力側の端面が蓋39とシリンダ2とともに第5空圧室65を形成している。
第2ハウジング62の出力側の端部には、蓋39と対向して蓋34の一部が挿入されている。蓋34の出力側にはフランジ部が形成され、このフランジ部が第2ハウジング62の出力側端部と当接し、ボルト34aで固定されている。
蓋34の中央には連通孔34dが貫通して形成されている。そして、第2油圧室32を通るロッド部分58の先端(小径部)が、連通孔34dの途中まで挿通されている。
蓋34の連通孔34dの外側には、蓋34を貫通する連通孔34bが形成されている。 この連通孔34bと、蓋39の連通孔39cとは、内側が第2油圧室32に配設されるカラー28によって連通されている。
蓋34の出力側端面には、連通孔34bとつながる連通溝34cが径方向に形成されている。
第1ハウジング61は、第2ハウジング62よりも出力側に配設され、入力側の端部には、蓋27が複数のボルト27eで固定されている。
この蓋27は、第2ハウジング62に固定された状態で、第2ハウジング62の内側からボルト27aによって蓋34に固定されている。これにより、蓋34に形成された連通溝34cが蓋27で蓋され、第5空圧室65からのエア通路を形成している。
蓋27には、出力側に凹部27f(図8(a)参照)が形成されている。この凹部27fは、第1空圧室21の入力側端面として機能する。
蓋27には、凹部27fの底面を貫通し、蓋34の連通孔34dと連通する連通孔27bが形成されると共に、凹部27fの底面には連通孔27bと繋がる連通溝27dが径方向に形成されている。
また、蓋27の外周面には、蓋34の連通溝34cと繋がる連通溝27cが軸方向に形成されている。
蓋27をボルト27aで蓋34に固定した状態で、第1ハウジング61内には、中央にロッド部分50が延設された第1ピストン11が配設されている。
第1ピストン11が配設されることで、第1ハウジング61は第1ピストン11で仕切られ、入力側に第1空圧室21が、出力側に第4空圧室64が形成される。
図8に示すように、第1ハウジング61には、両端側に周溝61a、61bが全周に渡って形成されている。この周溝61aには、上述したように摺動補助リング2b、2cが嵌められ、シリンダ2との摺動を円滑にしている。
また、第1ハウジング61には、全長に渡って軸方向(長手方向)に連通溝61eが形成されている。連通溝61eの入力側端部は、蓋27の連通溝27cと繋がっている。
周溝61a、61bと連通溝61eとが交叉する箇所には、周溝61a、61bに嵌められた摺動補助リング2b、2cによって連通溝61eが塞がれないようにするために、摺動補助リング2b、2cの幅よりも広く、厚さよりも深い凹部61c、61dが形成されている。この連通溝61eとシリンダ2の内周面との間が、第5空圧室65からのエアの通路となっている。
図7に戻り、第1ピストン11が内側に配置された第1ハウジング61の出力側の端部には、第3ハウジング63が複数のボルト63eで固定されている。
第3ハウジング63の出力側には凹部63a(図8参照)が形成されている。この凹部63aの底面中央には貫通孔63bが形成され、この貫通孔63bには、ロッド部分50が挿通されている。
第3ハウジング63の軸方向の途中にはフランジ部が形成され、このフランジ部には外周には径方向に溝63cが形成されている。
また、第3ハウジング63のフランジ部には、溝63cと繋がる位置から径方向に延び途中から軸方向に曲がった、断面L字状の連通孔63dが形成されている。
断面L字状の連通孔63dは、第3ハウジング63の入力側端面まで貫通することで、第4空圧室64と繋がっている。
一方、溝63cは、その入力側が第1ハウジング61の外周に形成した連通溝61eと繋がり、出力側が第3空圧室41と繋がっている。
第3ハウジング63の凹部63aには、中央に出力ロッド7が形成された第3ピストン13が配置されている。
第3ハウジング63の凹部63aは、第3ピストン13が配置されることで仕切られ、入力側に第1油圧室31が形成される。
第3ピストン13には、第1油圧室31に油を充填するための給油孔が形成され、油を注入した後に給油口栓38で密閉されている。
なお、第1油圧室31と出力ロッド7の中央には、軸方向に貫通していない空洞部7aが形成されている。この空洞部7aも第1油圧室31を構成し、空洞部7aの内部も油が充填されている。
空洞部7aは、その内径がロッド部分50の径よりも大きく形成されることで、ロッド部分50が出入するようになっている。
第3ハウジング63の出力側端部には、抜止めリング37aが複数のボルト37bで固定されている。抜止めリング37aの固定は、凹部63aに第3ピストン13が配置され、油が充填され給油口栓38がされた状態で行われる。
第3ピストン13と抜止めリング37aのそれぞれ対向する面には、凹部13b、凹部37cが形成され、第3ピストン13を入力側に付勢するコイルバネ36が配置されている。
第2ハウジング62は、蓋39、蓋34と共に入力側ハウジングを構成し、第1ハウジング61と第3ハウジング63は、蓋27、抜止めナット37と共に出力側ハウジングを構成している。
また、蓋34と蓋27とがボルト27aで固定されることにより、入力側ハウジングが出力側ハウジングの入力側(一端側)に固定されている。
次に、第5実施形態のシリンダ装置1dによる2種類の動作について説明する。
(第1動作)
図9は、シリンダ装置1dによる第1動作の各状態を表したものである。
この第1動作では、出力ロッド7の先端がワーク100に当接することでピストンハウジング60(61、62、63)の固定を行い、その後に任意のタイミングで出力ロッド7の先端から増幅された油圧力を出力する。
最初に、シリンダ装置1dを初期状態にする動作について、図7を参照して説明する。
シリンダ装置1dの初期状態とは、シリンダ2内のピストンハウジング60と第2ピストン12を入力側に移動した状態で、図7に示した状態が該当する。
初期状態にするには、第1吸排気口5と第3吸排気口8を開放した状態で、第2吸排気口6から所定圧力でエアを供給する。第3空圧室41に供給されたエアは、第3空圧室41を形成するピストンハウジング部60の出力側端面を押圧し、ピストンハウジング全体が入力方向に移動を開始する。同時に、第3空圧室41に供給されたエアは、溝63c、凹部61d、凹部61c、連通溝61e、連通溝27c、連通溝34c、連通孔34b、カラー28、連通孔39cを通り、第5空圧室65に到達する。第5空圧室に供給されたエアは、第2ピストン12の出力側端面を押圧し入力側に移動する。この時、第1吸排気口5を開放しているので、第2ピストン12とロッド部分58は、第2空圧室22による出力方向の空圧を受けないため、容易に入力方向に移動できる。
また、ロッド部分58のフランジ部58cはリング29と係合するのでピストンハウジング60全体も同時に移動する。ここで、第3空圧室41に供給されたエアは、ピストンハウジング60の出力側端面を押圧するのでピストンハウジング60全体は入力側に移動する。この時、第5空圧室65に供給されたエアによる内部圧力は、ピストンハウジング60の入力側端面も同時に押圧しており、且つコイルバネ33の付勢により第5空圧室65の空間を保持したまま移動する。なお、ロッド部分58に螺合されている吸排気ロッド8aも移動する。
この入力側への動きに伴い、第2空圧室22内のエアは、第1吸排気口5から排出される。
また、供給されたエアは第3空圧室41から溝63c、連通孔63dを通り第4空圧室64内の圧力も上昇する。第4空圧室64からの圧力により第1ピストン11は、蓋27に当接するまで入力側に移動する。この際、第1空圧室21内に存在するエアは、第1ピストン11に押され、連通溝27d、連通孔27b、連通孔34d、吸排気路8bを通り第3吸排気口8から放出される。
なお、出力ロッド7と第3ピストン13は、第3空圧室41の圧力上昇とコイルバネ36により入力側に付勢され入力側に移動する。それと同時に、第1ピストン11が移動するのに伴い、第1油圧室31内部の油が凹部63aから出力ロッド7の空洞部7aへ流入することにより第1油圧室31の凹部63aの空間が減少し、第3ピストン13が入力側に移動する。第3ピストン13は、第3ハウジング63の凹部63aの底面に当接するまで移動する。
以上の動きによりシリンダ装置1dは、図7に示した初期状態となる。
この初期状態において、図9(a)に示すように、第3吸排気口8を開放したまま、第2吸排気口6を開放すると共に、第1吸排気口5からエアを供給する。
すると、第2空圧室22の圧力が上昇し、第2ピストン12を出力側に押し、第2ピストン12はロッド部分58を介して第2油圧室32を押圧する。この時出力側への押圧力の反力がピストンハウジング60全体に働いていないので、第2油圧室32の油が狭窄されることが無く、薄肉部15は弾性変形を生じない。そのためロッド部分58が第2油圧室32を押圧することにより、ピストンハウジング60全体が出力側に移動する。コイルバネ33はピストンハウジング60全体を出力方向に押すことを補助している。
なお、第3吸排気口8が開放されているため、第1空圧室21の空圧は上昇しないので、第1ピストン11とロッド部分50は出力方向に移動せず、蓋27に当接したままである。またロッド部分50が出力方向に移動しないので、第1油圧室31内の油圧も上昇せず、第3ピストン13も第3ハウジング63に当接したままである。
そして、図9(a)に示すように、第2ピストン12とピストンハウジング60の移動と共に、出力ロッド7も出力方向に移動し、出力ロッド7の先端部がワーク100に当接する。
出力ロッド7がワーク100に当接すると、第3ピストン13が第3ハウジング63と当接しているので、ピストンハウジング60全体の移動が停止する。
この状態で、図9(b)に示すように、更に第1吸排気口5からエアを供給する。すると、ピストンハウジング60が移動停止しているため、第2空圧室22内の圧力が更に上昇し、コイルバネ33による入力方向の付勢力を越え、第2ピストン12とロッド部分58が出力方向に移動する。
なお、第2ピストン12の移動により第5空圧室65の容積が小さくなるが、第5空圧室65内のエアは、第3空圧室41に移動し、第2吸排気口6から排出される。具体的な経路としては、図7に示すように、第5空圧室65から、凹部39d、連通孔39c、カラー28、連通孔34b、連通溝34c、連通溝27c、連通溝61e、溝63c、第3空圧室41を通り、第2吸排気口6から排出される経路である。
ロッド部分58の移動により、第2油圧室32は段部58aで押圧され、内部圧力が上昇する。この油圧により、図9(b)において径方向の矢印で示すように、薄肉部15が外向きに弾性変形し、ピストンハウジング60は、移動が停止しているだけの状態から、シリンダ2に固定された状態となる。
なお、薄肉部15で固定されない状態では、ピストンハウジング60は移動できずに停止しているだけの状態である。
この非固定状態(図9(a)の状態)で、第1吸排気口5からのエア供給を停止し、第3吸排気口8からエアの供給をすると、ピストンハウジング60全体が逆方向(入力方向)に移動してしまう。すなわち、第1空圧室21の圧力で第1ピストン11とロッド部分50が移動して第1油圧室31内の油圧が上昇するが、出力ロッド7はワーク100で固定されているため、ワーク100からの反力によりピストンハウジング60全体が逆方向(入力方向)に移動してしまう。
そこで、ピストンハウジング60が薄肉部15の弾性変形により固定されたか否かについては、シリンダ2の外周部にひずみゲージ(図示しない)を配設し、薄肉部15によるシリンダ2への押圧力により生じるシリンダ2の変形ひずみを検知し、所定のひずみ量を検知することでピストンハウジング60の固定を判断する。あるいは第2油圧室32内の圧力を検出する圧力センサ(図示しない)を配置し、この圧力が所定値(薄肉部15が弾性変形する値)を超えたか否かにより判断してもよい。なお、圧力センサによる検出対象を第2空圧室22としてもよい。また、圧力センサに変えて、出力ロッド7の移動を検出するセンサや吸排気ロッド8aの移動を検出するセンサを設け、移動が停止してから所定時間(第2油圧室の圧力が上昇し肉薄部15が弾性変形するまでの時間)経過により、固定されたと判断するようにしてもよい。
薄肉部15の弾性変形によりピストンハウジング60がシリンダ2に固定された図9(b)の状態では、出力ロッド7はワーク100に当接しているだけで、出力ロッド7の先端からは増幅された推力は出力されない。
そこで、所望のタイミングにおいて、図9(c)に示すように、第3吸排気口8からエアを供給すると、供給されたエアは、吸排気路8b、連通孔34d、連通孔27bを通り第1空圧室21の圧力を上昇させる。
そして第1ピストン11が第1空圧室21の圧力を受け、ロッド部分50の先端が、第1油圧室31を押圧し、増幅された油圧力を第3ピストン13が受ける。この増幅された油圧力を第3ピストン13が受けることにより推力が増大され、大きな推力が出力ロッド7からワーク100に出力される。
(第2動作)
次に、図7に示した初期状態からの、第2動作について説明する。
図10は、シリンダ装置1dによる第2動作の各状態を表したものである。
この第2動作では、出力ロッド7の先端がワーク100に当接する前に、ピストンハウジング60の出力側端部(抜止めリング37a)が蓋4に当接することでピストンハウジング60の固定を行い、その後に任意のタイミングで出力ロッド7の先端から増幅された油圧力を出力する。
初期状態において、図10(a)に示すように、第3吸排気口8を開放したまま、第2吸排気口6を開放すると共に、第1吸排気口5からエアを供給する。
このエアの供給により、図9(a)で説明したのと同様に、第2ピストン12とピストンハウジング60(61、62、63)が出力方向に移動する。
そして、出力ロッド7の先端がワーク100と当接してピストンハウジング60が移動停止する第1動作と異なり、この第2動作では、抜止めリング37aが蓋4に当接することでピストンハウジング60全体の移動が停止する。
この状態で、図10(b)に示すように、更に第1吸排気口5からエアを供給する。すると、図9(b)を参照して説明した第1動作と同様に、第2空圧室22内の圧力上昇によりロッド部分58が移動し、第2油圧室32の油圧を上昇させる。これにより薄肉部15が弾性変形してピストンハウジング60全体がシリンダ2に固定される。
薄肉部15の弾性変形によりピストンハウジング60がシリンダ2に固定された図10(b)の状態から、所望のタイミングで第3吸排気口8からエアを供給する。すると、供給されたエアが、吸排気路8b、連通孔34d、連通孔27bを通り第1空圧室21の圧力を上昇させる。この上昇した圧力を第1ピストン11が受けることで、ロッド部分50の先端が第1油圧室31を押圧する。
第3吸排気口8からのエア供給による、ここまでの動作は第1動作と同様である。
しかし、第2動作では、図10(b)に示すように、出力ロッド7の先端には何も当接していないため、第3ピストン13と出力ロッド7は出力方向に移動可能である。
このため、第1ピストン11とロッド部分50は、ロッド部分50の先端が第1油圧室31を押圧しながら出力方向に移動し、出力ロッド7の空洞部7aに入り込む。
これにより、空洞部7a内の油は、ロッド部分50の外周面と出力ロッド7の内周面との間を通って第1油圧室31の凹部63a側に移動する。この第1油圧室31内の油の移動により第3ピストン13は、ロッド部分50の第1油圧室31内部への挿入ストローク量に応じた距離まで出力方向に移動する。
この状態で、ロッド部分50の先端が第1油圧室31を押圧することで上昇する油圧を、第3ピストン13が受けることで、出力ロッド7の先端から大きな推力が出力される。
なお、ロッド部分50が空洞部7a内を移動して出力ロッド7から推力が出力されるまでの、出力ロッド7の移動量(油圧ストローク)をLhとしたとき、ロッド部分50の第1油圧室31内部への挿入ストローク量(=第1ピストン11の移動量)をLa、ロッド部分50の第1油圧室31における出力側断面積をSa、第1油圧室31における第3ピストン13および出力ロッド7の入力側断面積をShとすると、次の式の関係が成り立つ。
Lh=La×(Sa/Sh)
以上説明したように、第5実施形態によれば、第2油圧室32の油圧を上昇させてピストンハウジング60をシリンダ2に固定するための第1吸排気口5とは別に、出力ロッド7の先端から推力を発生させるための第3吸排気口8を設けている。
これにより、ピストンハウジング60の固定動作と、出力ロッド7からの推力発生動作を独立させることができる。
また、第5実施形態によれば、出力ロッド7がワーク100に当接した状態でも、当接していない状態(抜止めリング37aが蓋4に当接した状態)でも、出力ロッド7先端から第1油圧室31の油圧により増幅された推力を出力することができる。
ここで、第1実施形態と第5実施形態の各油圧室の状態変化の差違について以下に説明する。
上述したように、第1実施形態では第1油圧室31と第2油圧室32は同時に圧力上昇を開始する。すなわち、第1実施形態は第5実施形態と異なり、第1空圧室21と第2空圧室22とは連通孔により連通されているため、油圧発生部55が移動して出力ロッド7の先端がワーク100に当接した後に、第1空圧室21と第2空圧室22には第1吸排気口5からのエアが同時に供給される。これにより、第1ピストン11と第2ピストン12は同時に動き始めて薄肉部15の変形と出力ロッド7への押圧が開始される。
ここで、出力ロッド7はワークに当接して動かないので、第1油圧室31の圧力は、蓋34の出力側端面にも印加される。これにより、第1油圧室31の圧力は蓋34を入力側に押圧し、油圧発生部55を入力側に押圧する。これと同時に、第2油圧室32の圧力が、蓋34の入力側端面に印加されて蓋34を出力側に押圧し、油圧発生部55を出力側に押圧する。この時の力関係で、蓋34を介し、油圧発生部55を入力側に押圧する力の方が大きい場合は、第1吸排気口5から供給されるエアにより出力側に移動する第1ピストン11、第2ピストン12および第1油圧室31により押圧されている出力ロッド7以外は入力側に移動しようとする。
このため第1ピストン11と抜け止めナット18とが当接して両者間の間隙51が無くなる前に、第2ピストン12が前進し、薄肉部15が変形してシリンダ2に固定される必要がある。すなわち第2ピストン12の動作が、第1ピストン11の動作より早くなる必要がある。これは、第2ピストン12が動作して薄肉部15を変形させる方が、第1ピストンが間隙51の距離を動作するよりも早くすることにより、油圧発生部55が確実に固定され、その後第1油圧室の圧力上昇に伴い、出力ロッド7に油圧推力を安定して発生させるためである。
第1実施形態においては、第1ピストン11よりも第2ピストン12の方が軽く構成されている。また、各ピストンの動作時に働く摺動抵抗を、第2ピストン12の動作が第1ピストン11の動作より早くなるように設定されている。上記の摺動抵抗の相違は、例えば、各ピストンに使用するシール部材の材質や形状の違い、取付時の締め代の違いにより設定される。
(第6実施形態)
次に第6実施形態について説明する。
この第6実施形態では、増幅した油圧力でピストンハウジング60をシリンダ2に固定する固定動作(クランプ動作)と、エアハイドロ機構により出力ロッド7の先端に増幅された油圧力を発生させる油圧出力動作とを、逆止弁(ボールチェック弁)54を用いて、自動的に連続して行うことができるようにしたものである。
図11は、第6実施形態におけるシリンダ装置1eの一部を表した断面図(a)と、その部品を表した断面図(b)である。
この図11では、第6実施形態に特徴的な逆止弁54周辺について表し、他の部分は図7、8で表した第5実施形態のシリンダ装置1dと同じである。
図11に示すように、シリンダ装置1eは、第1ハウジング61の入力側端部に固定される蓋27と、第2ハウジング62の出力側端部に固定される蓋34との間に逆止弁54が配設されている。
この逆止弁54は、連通ロッド8dの先端に取り付けられる開閉ロッド54a、ストップリング54b、球体54c、円筒部材54d、コイルバネ54eを備えている。
蓋27には、逆止弁54が収容される凹部27gが形成されている。この凹部27g内には、球体54c、円筒部材54d、コイルバネ54eが収容された状態で、ストップリング54bが蓋27に螺合されている。
コイルバネ54eは、凹部27gの底部と円筒部材54dの底部との間に配置され、逆止弁54を介して球体54cを入力方向に付勢することで、球体54cによりストップリング54bに形成された通気穴54fを閉じている。
第5実施形態における吸排気ロッド8aは、入力側が蓋3を貫通し端部が第3吸排気口8に接続され、連通路8eが軸方向に貫通していた(図7参照)。
これに対して吸排気ロッド8aに対応する本実施形態の連通ロッド8dは、図11に示すように、入力側の端部が、ロッド部分58の入力側の端面まで形成され、吸排気路8eは第2空圧室22と連通している。
一方、連通ロッド8dの出力側の端部は軸方向に貫通しておらず、先端面よりも少し手前で径方向に貫通形性された連通路8fと繋がっている。
この連通ロッド8dは、第5実施形態と同様に、ロッド部分58に形成された貫通孔内に挿通され、入力側の端部で螺合するとともに固定ネジ12bで径方向から固定されている。
ロッド部分58に形成された貫通孔は、第5実施形態と異なり、先端側(出力側の小径部)の内径が連通ロッド8dの出力側の外径よりも大きく形成されている。
これにより第2空圧室22のエアは、連通路8eから連通路8fを通り、さらに連通ロッド8d外周とロッド部分58の貫通孔との間を通り、連通孔34dに供給される。
連通ロッド8dの先端には、中心軸に沿って凹部が形成され、ここに逆止弁54の開閉ロッド54aが圧入されている。
この連通ロッド8dは、逆止弁54、連通孔27b、連通溝27dと共に、第2空圧室22と第1空圧室21とを連通する連通手段として機能している。
次に、第6実施形態のシリンダ装置1eによる第1動作と第2動作について説明する。
(第1動作)
図12は、シリンダ装置1eによる第1動作の各状態を表したものである。
この第1動作では、出力ロッド7の先端がワーク100に当接することでピストンハウジング60の固定する動作に連続して、逆止弁(ボールチェック弁)54が自動的に作動して、出力ロッド7の先端から増幅された油圧力を出力する。
シリンダ装置1eを初期状態にする場合、第1吸排気口5を開放した状態で、第2吸排気口6から所定圧力でエアを供給する。これによりシリンダ2内の各部が入力側に移動するが、この動きは第5実施形態と同様である。
なお、図11は初期状態ではなく出力側に移動した状態を表している。
初期状態において、図12(a)に示すように、第2吸排気口6を開放すると共に、第1吸排気口5からエアを供給する。
すると、第2空圧室22の圧力が上昇し、第2ピストン12を出力側に押し、第2ピストン12はロッド部分58で第2油圧室32を押圧する。ここで、出力側への移動の押圧力の反力がピストンハウジング60全体に働いていないので、第2油圧室32の油が狭窄されることが無く、薄肉部15は弾性変形を生じない。そのためロッド部分58が第2油圧室32を押圧することにより、ピストンハウジング60全体が出力側に移動する。コイルバネ33はピストンハウジング60全体を出力方向に押すことを補助している。これらの動作は、図9(a)の説明と同じ動作で、出力ロッド7が出力方向に移動して先端部がワーク100に当接する。
なお、第2空圧室22で上昇した圧力により、連通路8e、8fを通り、連通孔34dの圧力も上昇するが、この空圧よりもコイルバネ54e(図11参照)の付勢力の方が大きいため、逆止弁54は封止され状態のままである。
出力ロッド7がワーク100に当接すると、第3ピストン13が第3ハウジング63と当接しているので、ピストンハウジング60全体の移動が停止する。
この状態で、図12(b)に示すように、更に第1吸排気口5からエアを供給すると、第2空圧室22内の圧力がコイルバネ33の付勢力を越え、第2ピストン12とロッド部分58が出力方向に移動する。
これにより第2油圧室32は、段部58aで押圧されて内部圧力が上昇し、薄肉部15が外向きに弾性変形してピストンハウジング60全体が、移動が停止状態から、シリンダ2に固定された状態となる。
図12(c)は、薄肉部15の弾性変形によりピストンハウジング60がシリンダ2に固定された状態で、同時にロッド部分58の先端に固定された開閉ロッド54aが球体54cを押して逆止弁54を開いた状態を示している。
この状態になると、第1吸排気口5から供給されているエアが、第2空圧室22から吸排気路8e、連通孔34d、通気穴54f、凹部27g、連通孔27b、連通溝27d(図11参照)を通り、第1空圧室21の圧力を上昇させる。
そして第1ピストン11が第1空圧室21の圧力を受け、ロッド部分50の先端が、第1油圧室31を押圧し、増幅された油圧力を第3ピストン13が受ける。この増幅された油圧力を第3ピストン13が受けて、大きな推力が出力ロッド7からワーク100に出力される。
このとき、第2ハウジング62の固定(図12(b)の状態)と、開閉ロッド54aが球体54cを押して逆止弁54を開く(図12(c)の状態)がほぼ同時であればどちらが早くても構わない。第2ハウジング62の固定の方が早い場合は、その後、第2空圧室22の加圧により第2ピストン12やロッド部分58は、組付けられたシール部材に弾性変形が生じて、これによりロッド部分58がさらに出力側に移動して逆止弁54を開く。
逆止弁54を開く方が僅かに早い場合は、その僅かな時間分だけ第1空圧室21に先にエアが供給され、第3油圧室31が加圧されるので出力ロッド7が僅かに移動するが、第1ピストン11の移動距離が僅かであり、かつ出力ロッド7の移動量Lhは先に説明したように、Lh=La×(Sa/Sh)しか動かないので全体のストロークに大きな影響を与えない。但し、第2油圧室32が固定されていない間は、出力ロッド7に大きな油圧力を発生することができない。
第6実施形態のシリンダ装置1eにおいても、薄肉部15で固定されない状態(図12(a)の状態)では、ピストンハウジング60は移動できずに停止しているだけの状態である。
そこで、第5実施形態と同様に、ピストンハウジング60が薄肉部15の弾性変形により固定されたか否かについては、シリンダ2の外周部にひずみゲージ(図示しない)を配設し、薄肉部15によるシリンダ2への押圧力により生じるシリンダ2の変形ひずみを検知し、所定のひずみ量を検知することでピストンハウジング60の固定を判断する。あるいは第2油圧室32内の圧力を検出する圧力センサ(図示しない)を配置し、この圧力が所定値(薄肉部15が弾性変形する値)を超えたか否かにより判断してもよい。なお、圧力センサによる検出対象を第2空圧室22としてもよい。また、圧力センサに変えて、出力ロッド7の移動を検出するセンサを設け、移動が停止してから所定時間(第2油圧室の圧力が上昇し肉薄部15が弾性変形するまでの時間)経過により、固定されたと判断するようにしてもよい。
なお、第5、第6実施形態において、シリンダ2の外周部にひずみゲージを配設し、薄肉部15によるシリンダ2への押圧力により生じるシリンダ2の変形ひずみを検知してピストンハウジング60の固定を判断したが、第1実施形態から4実施形態においても同様に、ひずみゲージを配設してピストンハウジング14が薄肉部15の弾性変形により固定されたか否かについて判断してもよい。
(第2動作)
次に、初期状態からの第2動作について説明する。
図13は、シリンダ装置1eによる第2動作の各状態を表したものである。
この第2動作では、出力ロッド7の先端がワーク100に当接する前に、ピストンハウジング60の出力側端部(抜止めリング37a)が蓋4に当接することでピストンハウジング60の固定をする。この固定動作に連続して、逆止弁54が自動的に作動して、出力ロッド7の先端から増幅された油圧力を出力する。
この第6実施形態における第2動作では、シリンダ2内の各部は、初期状態から、図13(a)、(b)、(c)の状態に順次動作する。
そして、図13(a)~(c)の各状態における、逆止弁54を除いた、第2ピストン12とロッド部分58、ピストンハウジング60(61、62、63)、第1ピストン11とロッド部分50、及び、第3ピストン13と出力ロッド7の動作は、第5実施形態において図10(a)~(c)で説明した第2動作と同じである。
一方、逆止弁54の動作と、逆止弁54が開くタイミングや、第1空圧室21のエアが第1空圧室21を加圧する動作は、図12で説明した逆止弁54の動作と同じである。
但し、第2ハウジング62の固定と逆止弁54が開くタイミングは、僅かに逆止弁54が早く開くように連通ロッド8dを調整し、開閉ロッド54aの位置を最適にセットしてある。
また第1空圧室21が加圧された状態で第1ピストン11とロッド部分50が空洞部7a内を進行方向に移動し、出力ロッド7の先端から推力が出力される動作については、図10(c)で説明した動作と同じである。
なお、この第2動作では、図13(c)に示すように、第1ピストン11が第1ハウジング61内を出力方向に大きく移動しているため、初期状態に戻す動作については、第1動作の場合と異なり、次の通りである。
図13(c)の状態から初期状態に戻す場合、第1吸排気口5を開放した後に、第2吸排気口6から所定圧力でエアを供給する。この第2吸排気口6から供給されたエアは、第3空圧室41と、第4空圧室64および第5空圧室65に供給される。
一方、第1吸排気口5の開放により、第2ピストン12とロッド部分58は、第2空圧室22による出力方向の空圧を受けない。このため、第5空圧室65に供給されたエアによる加圧とコイルバネ33の付勢力とにより、第2ピストン12とロッド部分58は入力方向に移動を開始する。これにより第2ハウジング62の薄肉部15による固定が解放される。
第3空圧室41と第4空圧室64は第2吸排気口6からのエア供給により加圧され、第1ハウジング61を入力側に移動させるように力が働いているので、第2ハウジング62の固定が解放されると同時に、ピストンハウジング60(61~63)全体が入力側へ移動する。
ピストンハウジング60全体の入力側への移動は、第2ハウジング62の固定が解放されればよいので、フランジ部58cが抜止めリング29に当接する前に開始する。
このとき逆止弁54は第2ハウジング62の固定が解除されても僅かに開いているように開閉ロッド54aがセットされている。そのため同時に第1ピストン11が第1ハウジング61内部で入力側へ移動を開始する。
第2ピストン12が蓋3に当接して、ピストンハウジング60全体が停止する。
第4空圧室64は既に加圧されているので第1空圧室21のエアが逆止弁54を通り、連通路8eを通って第1吸排気口5から排出される。これにより第1ピストン11が入力側に移動する。また出力ロッド7も同時に入力側に移動する。
第1ピストン11が蓋27に当接して入力側への移動が完了したら、第2吸排気口6を開放する。第1ピストンの移動の完了は、第3吸排気口8からのエアの排気流量や出力ロッド7の位置で把握することができる。
コイルバネ33により、ピストンハウジング60(61~63)全体が移動を開始し、逆止弁54が閉じ、フランジ部58cが抜止めリング29に当接するまで出力側に移動し、初期状態となる。
なお図12で説明した第1動作では、第1ハウジング61内における第1ピストン11の移動は僅かであるため、逆止弁54が閉じる前に第1ピストン11は入力側への移動を完了する。このため、第1吸排気口5を開放し、第2吸排気口6からエアを供給することで初期状態に戻る。
以上説明したように、第6実施形態によれば、第2油圧室32の油圧を上昇させてピストンハウジング60をシリンダ2に固定するための第1吸排気口5を設け、この固定動作に連続して逆止弁54が開くようにしている。
第1吸排気口5からのエア供給だけで、ピストンハウジング60のシリンダ2への固定に連続して、出力ロッド7の先端から増幅した推力を出力することができる。
なお、説明した第5実施形態、第6実施形態においても、段落0086で説明した第1から第4実施形態の効果を得ることができる。
また、説明した第5実施形態と第6実施形態では、第2ハウジング62の薄肉部15でピストンハウジング60をシリンダ2に固定する場合について説明したが、図5で説明した第3実施形態と同様に、クランパによってピストンハウジング60をシリンダ2に固定するようにしてもよい。
また、第5実施形態、第6実施形態においても、図2で説明したのと同様にして、プレス加工による抜き加工や凹部を形成することができる。
1、1a、1b、1c シリンダ装置
2 シリンダ
3、4、34 蓋
5 第1吸排気口
6 第2吸排気口
7 出力ロッド
11 第1ピストン
12 第2ピストン
13 第3ピストン
14 ピストンハウジング
15 薄肉部
16 カラー
17 抜止めボルト
18 抜止めナット
19 コイルバネ
20 空圧室
21 第1空圧室
22 第2空圧室
30 油圧室
31 第1油圧室
32 第2油圧室
33 コイルバネ
35 抜止めボルト
36 コイルバネ
37 抜止めナット
38 給油口栓
40 貫通孔
41 第3空圧室
43 凹部
44 凸部
45 凸部
50、50a、50b ロッド部分
51、52、78 間隙
55 油圧発生部
57 張出部
58 ロッド部分
71 パンチ
72 治具
73 設置台
74 オス金型
75 メス金型
77 出力ロッド
80 圧力センサ
81、82、83 貫通孔
85 油圧力センサ
90 クランパ
91 円環部材
92、93 テーパ部
94 Oリング
95 円柱部材
96 コイルバネ
97 ナット
100 ワーク
2a、2b、2c 摺動補助リング
7a 空洞部
8 第3吸排気口
8a 吸排気ロッド
8b 吸排気路
8d 連通ロッド
8e、8f 連通路
27、34、39 蓋
37a 抜止めリング
54 逆止弁
60 ピストンハウジング
61 第1ハウジング
62 第2ハウジング
63 第3ハウジング
64 第4空圧室
65 第5空圧室

Claims (27)

  1. シリンダと、
    前記シリンダ内の一端側に形成された空圧室と、
    前記シリンダ内を前記空圧室の圧力で他端側に移動する油圧室と、
    前記空圧室が前記油圧室に与えるスラスト方向の力からラジアル方向の力を発生させ、当該ラジアル方向の力によって前記油圧室を前記シリンダ内に固定する固定手段と、
    前記空圧室が前記固定した油圧室に発生させる油圧を増幅する油圧増幅手段と、
    前記増幅した油圧を出力する出力ロッドと、
    を具備し
    前記油圧室は、前記出力ロッドが設けられた第1油圧室と、前記固定手段が設けられた第2油圧室と、から構成されており、
    前記固定手段は、前記第2油圧室の油圧によって前記ラジアル方向の力を発生させて前記第2油圧室と前記第1油圧室を固定し、
    前記油圧増幅手段は、前記第1油圧室に発生した油圧を増幅して前記出力ロッドに出力する、
    ことを特徴とするシリンダ装置。
  2. 前記油圧室は、前記空圧室が前記油圧室に与える前記他端側方向の力と前記出力ロッドが前記油圧室に与える前記一端側方向の力と、を受けて油圧を発生させることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
  3. 前記固定手段は、前記ラジアル方向の力によって弾性変形した前記第2油圧室の側壁を前記シリンダの内壁に押圧することにより前記第2油圧室と前記第1油圧室を固定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリンダ装置。
  4. 前記固定手段は、前記第2油圧室に発生した油圧で、スラスト方向に移動するテーパ部材をクランパに押圧することによりラジアル方向の力を発生させ、当該力によって前記クランパを前記シリンダの内壁に押圧することにより前記第2油圧室と前記第1油圧室を固定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリンダ装置。
  5. 前記第1油圧室は、前記出力ロッドを出力方向に押圧する出力ピストンを備えており、前記出力ピストンを前記出力方向に対向する方向に付勢する付勢手段を具備したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4に記載のシリンダ装置。
  6. 前記第1油圧室の前記出力ピストンは、前記第1油圧室に増幅されて発生した油圧が前記出力ロッドに働いて推力を出力する状態でも移動せず、前記出力ロッドに出力だけを伝達することを特徴とする請求項5に記載のシリンダ装置。
  7. 前記空圧室は、前記第1油圧室を加圧する第1ピストンを備えた第1空圧室と、前記第2油圧室を加圧する第2ピストンを備えた第2空圧室と、前記第1空圧室と前記第2空圧室を連通する連通孔とから構成され、
    前記第1空圧室は、第1吸排気口を有すると共に前記第2空圧室の前記一端側に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6までのうちの何れか1の請求項に記載のシリンダ装置。
  8. 前記第1ピストンは、前記第1空圧室の圧力で、前記出力ロッドが押圧対象に当接するまで、又は、前記第1油圧室が移動可能な前記他端側の端部に到達するまで、前記第2空圧室、前記第1油圧室、及び前記第2油圧室を前記他端側に移動する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のシリンダ装置。
  9. 前記第2油圧室の前記第2ピストンが前記第2油圧室に増幅した油圧を発生させる際の、前記第2ピストンの移動量が、前記第2ピストンに配設された前記第2油圧室のシール部材の弾性変形量の範囲内である、
    ことを特徴とする請求項8に記載のシリンダ装置。
  10. 前記第1空圧室は、第1吸排気口を有し、
    前記第1空圧室と前記第2空圧室を連通する連通孔を具備したことを特徴とする請求項8又は、請求項9に記載のシリンダ装置。
  11. 前記第1油圧室は、前記第2油圧室の前記他端側に形成されており、
    前記第1ピストンは、前記第2空圧室と前記第2油圧室を貫通して前記第1油圧室まで形成されていることを特徴とする請求項8、請求項9、又は請求項10に記載のシリンダ装置。
  12. 前記シリンダ内の他端側に設けられ、第2吸排気口を有し、前記油圧室を前記一端側に押圧する第3空圧室を具備したことを特徴とする請求項10、又は請求項11に記載のシリンダ装置。
  13. 前記第1空圧室を貫通し、前記第1ピストンから前記シリンダの前記一端側に形成された空圧ロッドを具備したことを特徴とする請求項7から請求項12までのうちの何れか1の請求項に記載のシリンダ装置。
  14. 前記第1ピストンのロッド部分は、所定のクリアランスを設けた2つのロッド部分に分割されていることを特徴とする請求項7から請求項11までのうちの何れか1の請求項に記載のシリンダ装置。
  15. 請求項12に記載のシリンダ装置と、
    前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、
    前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドに装着した工具で前記設置したワークをプレスするプレス手段と、
    前記プレスしたワークを前記所定位置から離脱する離脱手段と、
    を具備したことを特徴とするプレス装置。
  16. 請求項12に記載したシリンダ装置と、
    前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、
    前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドで前記設置したワークを押圧しクランプする手段と、
    前記クランプしたワークを前記所定位置から離脱する離脱手段と、
    を具備したことを特徴とするワーククランプ装置。
  17. 請求項12のシリンダ装置を動作させるシリンダ装置動作方法であって、
    第2吸排気口から第3空圧室を加圧すると共に第1吸排気口から第1空圧室と第2空圧室を減圧することにより第1油圧室と第2油圧室を一端側に移動させて初期状態に設定する第1ステップと、
    前記第1吸排気口から前記第1空圧室と前記第2空圧室を加圧すると共に前記第2吸排気口から前記第3空圧室を減圧することにより前記第1空圧室と前記第2空圧室を他端側に移動させて、前記出力ロッドを押圧対象に当接させ、又は、前記第1油圧室が移動可能な前記他端側の端部に到達させる、第2ステップと、
    前記第1吸排気口から更に加圧して前記固定手段を動作させ、前記第1油圧室と前記第2油圧室をシリンダに固定する第3ステップと、
    前記第1吸排気口から更に加圧して前記油圧増幅手段を動作させ、前記出力ロッドを前記押圧対象に押圧する第4ステップと、
    前記第2吸排気口から前記第3空圧室を加圧すると共に前記第1吸排気口を減圧して前記第1油圧室と前記第2油圧室を前記一端側に移動させて初期状態に復帰させる第5ステップと、
    を有することを特徴とするシリンダ装置動作方法。
  18. 請求項12に記載のシリンダ装置を動作させてワークを所定位置にクランプする方法であって、
    ワークを所定位置に設置する第1ステップと、
    前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドがワークに当接し停止するまで、又は、前記第1油圧室が移動可能な前記他端側の端部に到達し停止するまで、前記第1空圧室の圧力で移動させる第2ステップと、
    前記固定手段により前記第1油圧室と前記第2油圧室を固定する第3ステップと、
    前記油圧増幅手段により前記第1油圧室の油圧力が増幅される第4ステップと、
    第4ステップにより増幅された油圧力により前記出力ロッドがワークを油圧力で押圧し所定の位置にクランプする第5ステップと、
    を有することを特徴とするワークのクランプ方法。
  19. 請求項15に記載のプレス装置を動作させてワークをプレスする方法であって、
    前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドの位置を初期状態に戻す第1ステップと、
    ワークを所定位置に設置する第2ステップと、
    前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドがワークに当接し停止するまで、又は、前記第1油圧室が移動可能な前記他端側の端部に到達し停止するまで、前記第1空圧室の圧力で移動させる第3ステップと、
    前記固定手段により前記第1油圧室と前記第2油圧室を固定する第4ステップと、
    前記油圧増幅手段により前記第1油圧室の油圧力が増幅される第5ステップと、
    第5ステップにより増幅された油圧力により前記出力ロッドに装着した工具がワークを油圧力で押圧し、ワークをプレスする第6ステップと、
    前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドと共に前記出力ロッドに装着した工具を空圧力で前記ワークから離脱させる第7ステップと、
    プレスが完了したワークを所定の位置から離脱する第8ステップと、
    を有することを特徴とするワークのプレス方法。
  20. 前記空圧室は、前記第1油圧室を加圧する第1ピストンを備えた第1空圧室と、前記第2油圧室を加圧する第2ピストンを備えた第2空圧室とから構成され、
    前記第2空圧室は、前記第2油圧室の前記一端側に配設され、
    前記第1空圧室は、前記第2油圧室の前記他端側に配設され、
    前記第2空圧室を加圧する第1吸排気口と、
    前記第2空圧室と前記第2油圧室を貫通して前記第1空圧室を加圧する第3吸排気口と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6までのうちの何れか1の請求項に記載のシリンダ装置。
  21. 前記空圧室は、前記第1油圧室を加圧する第1ピストンを備えた第1空圧室と、前記第2油圧室を加圧する第2ピストンを備えた第2空圧室とから構成され、
    前記第2空圧室は、前記第2油圧室の前記一端側に配設され、
    前記第1空圧室は、前記第2油圧室の前記他端側に配設され、
    前記第2空圧室を加圧する第1吸排気口と、
    前記第2油圧室を貫通して、前記第2空圧室と前記第1空圧室を連通する連通手段と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6までのうちの何れか1の請求項に記載のシリンダ装置。
  22. 前記第2油圧室を有する入力側ハウジングと、前記第1空圧室及び前記第1油圧室を有する出力側ハウジングを備え、
    前記入力側ハウジングは、前記出力側ハウジングの前記一端側に固定されている、
    ことを特徴とする請求項20、又は請求項21に記載のシリンダ装置。
  23. 前記第2ピストンは、前記入力側ハウジングと前記第2空圧室との間に配設され、前記第2空圧室からの圧力で前記他端側に移動し、当該移動により前記第2油圧室を加圧するロッド部分を備える、
    ことを特徴とする請求項22に記載のシリンダ装置。
  24. 前記請求項20に従属する請求項23に記載のシリンダ装置であって、
    前記第3吸排気口は、前記第2ピストンと前記ロッド部分を貫通することで、前記第2空圧室と前記第2油圧室を貫通している、ことを特徴とするシリンダ装置。
  25. 前記請求項21に従属する請求項23に記載のシリンダ装置であって、
    前記連通手段は、前記第2ピストンとロッド部分を貫通し前記第2ピストンに固定された連通ロッドと、前記第1空圧室と前記第2空圧室との連通路上に配設された弁機構とを、備え、
    前記弁機構は、前記第2ピストンと共に移動する前記連通ロッドの移動に伴い開閉を行う、
    ことを特徴とするシリンダ装置。
  26. 請求項24のシリンダ装置を動作させるシリンダ装置動作方法であって、
    前記第1吸排気口から前記第2空圧室を加圧することで、前記第2ピストンと、前記入力側ハウジングと前記出力側ハウジングを、前記他端側に移動させる移動ステップと、
    前記出力ロッドを押圧対象に当接させ、又は、前記出力側ハウジングの出力側端部を前記シリンダの前記他端側の端部に当接させることで、前記入力側ハウジングと、前記出力側ハウジングの移動を停止させる移動停止ステップと、
    前記第1吸排気口から前記第2空圧室を更に加圧して、前記第2ピストンを前記他端側に移動させることで、前記第2油圧室を前記ロッド部分で加圧して前記固定手段を動作させ、前記入力側ハウジングと前記出力側ハウジングを前記シリンダに固定する固定ステップと、
    前記固定の後、前記第3吸排気口から第1空圧室を加圧して前記油圧増幅手段を動作させ、前記出力ロッドの先端から増幅された油圧による推力を発生させる推力発生ステップと、
    を有することを特徴とするシリンダ装置動作方法。
  27. 請求項25のシリンダ装置を動作させるシリンダ装置動作方法であって、
    前記第1吸排気口から前記第2空圧室を加圧することで、前記第2ピストンと、前記入力側ハウジングと前記出力側ハウジングを、前記他端側に移動させる移動ステップと、
    前記出力ロッドを押圧対象に当接させ、又は、前記出力側ハウジングの出力側端部を前記シリンダの前記他端側の端部に当接させることで、前記入力側ハウジングと、前記出力側ハウジングの移動を停止させる移動停止ステップと、
    前記第1吸排気口から前記第2空圧室を更に加圧して、前記第2ピストンを前記他端側に移動させることで、前記第2油圧室を前記ロッド部分で加圧して前記固定手段を動作させ、前記入力側ハウジングと前記出力側ハウジングを前記シリンダに固定する固定ステップと、
    前記固定ステップによる固定の後、前記第1吸排気口から更に前記第2空圧室を加圧して、前記第2ピストンと共に前記連通ロッドを前記他端側に移動させることで、前記弁機構を開き前記第2空圧室と前記第1空圧室を連通させる連通ステップと、
    前記連通ステップによる連通の後、前記第1吸排気口から更に連通した前記第1空圧室を加圧して前記油圧増幅手段を動作させ、前記出力ロッドの先端から増幅された油圧による推力を発生させる推力発生ステップと、
    を有することを特徴とするシリンダ装置動作方法。
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