JP2020056500A - シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのプレス方法、及びワークのクランプ方法 - Google Patents

シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのプレス方法、及びワークのクランプ方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020056500A
JP2020056500A JP2019152506A JP2019152506A JP2020056500A JP 2020056500 A JP2020056500 A JP 2020056500A JP 2019152506 A JP2019152506 A JP 2019152506A JP 2019152506 A JP2019152506 A JP 2019152506A JP 2020056500 A JP2020056500 A JP 2020056500A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
output
piston
cylinder
housing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019152506A
Other languages
English (en)
Inventor
茂弘 荒井
Shigehiro Arai
茂弘 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Publication of JP2020056500A publication Critical patent/JP2020056500A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Press Drives And Press Lines (AREA)
  • Jigs For Machine Tools (AREA)
  • Supply Devices, Intensifiers, Converters, And Telemotors (AREA)

Abstract

【課題】ストロークが大きく大きな推力を軸方向の両方向に発生させる。【解決手段】シリンダ装置1は、シリンダ2内に中央ピストン12が配設され、右側の第1機構部1Aと左側の第2機構部1Bが対称に形成されている。両機構部1A、1Bには、シリンダ2内に移動可能なピストンハウジング60(61〜63)、106(161〜163)が形成されている。そして、シリンダ装置1では、中央ピストンと12と両機構部1A、1Bをスラスト方向に大きく移動させる移動機能と、移動後にピストンハウジング60、160をシリンダ2に固定する固定機能、エアハイドロ機構により増幅された油圧力(推力)を発生させる油圧出力機能の3機能を実現している。シリンダ装置1では、ピストンハウジング60、160の移動機能、固定機能による動作と、その後の油圧出力機能による動作とを別々に行うことができるように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのプレス方法、及びワークのクランプ方法に関し、例えば、流体圧シリンダを用いたものに関する。
エア(気体)や油(液体)といった流体を用いた流体圧シリンダが工業の広い分野で利用されている。
これら流体圧シリンダは、流体の圧力でシリンダ内のピストンに推力を発生させることにより、例えば、プレスやアクチュエータの駆動など、様々な機械的な動作の原動となることができる。
例えば、特許文献1では、エアシリンダと油圧シリンダを組み合わせたエアハイドロシリンダによってエア圧で油圧を発生させることにより、複雑で大がかりな油圧系を省略し、低コストで小型化が可能な流体圧シリンダを提案している。
しかし、従来のエアハイドロシリンダは、いずれも押圧力を発揮することができる方向が片側(一方向)だけの片側タイプである。
このため、エアハイドロシリンダを使用して両方向に大きな推力を発生させようとする場合、2個の片側タイプを背面合せにする方法が考えられる。
この場合、全体の軸方向の長さが長くなると共に、エアの吸排気口がそれぞれ2個ずつの合計4個必要になり、装置が大型化してしまうという問題があった。
また、特許文献1の技術では、エアシリンダのピストンの移動量を油圧シリンダの端面積に対応させて推力を発生させるため、ストロークが短いという問題があった。
例えば、エアハイドロシリンダの出力側にアクチュエータを装着した場合、ストロークを確保するためには、アクチュエータをエアハイドロシリンダごと移動する必要があった。
特許第4895342号公報
本発明は、ストロークが大きく大きな推力を、軸方向の両方向に発生させることが可能なエアハイドロシリンダを用いた技術を提供することを目的とする。
(1)請求項1に記載の発明では、シリンダと、前記シリンダ内に配設された中央ピストンと、前記中央ピストンの一方の側に配設されて前記一方の側方向を出力方向とする第1機構部と、前記中央ピストンの他方の側に配設されて前記他方の側方向を出力方向とし、前記中央ピストンを中心として前記第1機構部と対称に形成された第2機構部と、前記シリンダの軸方向における両端側のそれぞれに配置され、エアの吸排気を行う吸排気口と、前記吸排気口のそれぞれに対応して前記シリンダの両端側に配置され、一方側の前記吸排気口から供給されるエアにより、前記中央ピストンと前記2つの機構部を、他方側の前記吸排気口方向に移動させる駆動用空圧室と、を備え、前記第1機構部と前記第2機構部のそれぞれは、前記シリンダ内に配設され、前記シリンダ内を軸方向に移動可能な出力側ハウジングと、前記出力側ハウジングの前記中央ピストン側に固定され、前記出力側ハウジングとともに移動する中央側ハウジングと、前記中央側ハウジングに配設され、前記出力側ハウジングと中央側ハウジングを流体圧力により前記シリンダに固定する固定機構部と、前記出力側ハウジングに配設され、前記固定機構部による固定がされた状態で、増幅された流体圧力による推力を出力するエアハイドロ機構と、を具備したことを特徴とするシリンダ装置を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記固定機構部は、前記中央ハウジングの周面の一部を構成する薄肉部と、前記薄肉部により周面が構成され、充填された流体の圧力増加により前記薄肉部を径方向に膨張させて、前記中央側ハウジングを前記シリンダに対して固定させる第2流体室と、前記中央シリンダに接続され、前記中央シリンダの移動により、前記第2流体室の圧力を増加させる中央ロッドと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記エアハイドロ機構は、エアが供給される第1空圧室と、前記第1空圧室の1面を構成する空圧受面を有する第1ピストンと、前記第1ピストンに配設され、前記空圧受面よりも小面積のロッド端面を有する第1ロッドと、前記第1ロッドの前記出力端面により1面が形成される第1流体室と、前記第1流体室の他の1面を構成し、前記第1ロッドの端面よりも大きな流体圧受面を有する出力ピストンと、前記出力ピストンに配設され、前記第1流体室の圧力により外部へ推力を出力する出力ロッドと、を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリンダ装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記第1流体室、第2流体室の少なくとも一方が油圧室で構成される、ことを特徴とする請求項3に記載のシリンダ装置を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、前記中央ピストンの両側に配置され、前記中央ピストンの一面と前記中央側ハウジングとの間に形成される第2空圧室と、前記駆動用空圧室のエアを、前記中央ピストンの当該駆動用空圧室側に形成された前記第2空圧室に供給する、固定用エア通路と、前記第2空圧室のエアを、前記中央ピストンを貫通して反対側の前記第1空圧室に供給する出力用エア通路と、前記出力用エア通路上に配設され、前記固定機構部が前記出力側ハウジングと前記中央側ハウジングを前記シリンダに固定した状態において、前記出力用エア通路を開状態にする第1開閉弁と、を備えることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のシリンダ装置を提供する。
(6)請求項6に記載の発明では、前記固定用エア通路上に配設され、前記第1ピストンの移動に応じて、前記固定用エア通路を閉じる第2開閉弁、を備えることを特徴とする請求項5に記載のシリンダ装置を提供する。
(7)請求項7に記載の発明では、請求項6に記載のシリンダ装置と、前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドに装着した工具で前記設置したワークをプレスするプレス手段と、前記プレスしたワークを前記所定位置から離脱する離脱手段と、を具備したことを特徴とするプレス装置を提供する。
(8)請求項8に記載の発明では、請求項6に記載のシリンダ装置と、前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、前記シリンダ装置を駆動して、前期出力ロッドで前記設置したワークを押圧しクランプする手段と、前記クランプしたワークを前記所定位置から離脱する手段と、を具備したことを特徴とするワーククランプ装置を提供する。
(9)請求項9に記載の発明では、請求項6のシリンダ装置により、前記中央ピストンの両側に形成された前記第1機構部と前記第2機構部のうちの一方の機構部側から出力方向の推力を出力するシリンダ装置動作方法であって、前記一方の機構部側の吸排気口を開放し、他方の機構部側の吸排気口からエアを供給することで、前記第1機構部、前記第2機構部及び前記中央ピストンを、前記一方の機構部の出力ロッドが押圧対象に当接するまで、又は、前記一方の機構部が前記シリンダにおける前記移動方向側の端部に到達するまで、移動させる第1ステップと、前記他方の機構部側の吸排気口から更にエアを供給して、前記一方の機構部における固定機構部を動作させて、当該一方の機構部を前記シリンダに固定する第2ステップと、前記他方の機構部側の吸排気口から更にエアを供給して、前記一方の機構部におけるエアハイドロ機構を動作させ、増幅された流体圧力による推力を、前記一方の機構部側の出力ロッドから前記押圧対象に出力第3ステップと、前記一方の機構部側の吸排気口からエアを供給し、前記他方の機構部側の吸排気口を開放して、前記第1機構部、前記第2機構部及び前記中央ピストンを初期状態に復帰させる第4ステップと、を有することを特徴とするシリンダ装置動作方法を提供する。
(10)請求項10に記載の発明では、請求項7のプレス装置を動作させて、前記中央ピストンの両側に形成された前記第1機構部と前記第2機構部のうちの一方の機構部側から出力方向の推力を出力してワークをプレスする方法であって、前記一方の機構部側の所定位置にワークを設置する第1ステップと、前記一方の機構部側の吸排気口を開放し、他方の機構部側の吸排気口からエアを供給することで、前記第1機構部、前記第2機構部及び前記中央ピストンを、前記一方の機構部の出力ロッドが前記ワークに当接するまで移動させる第2ステップと、前記他方の機構部側の吸排気口から更にエアを供給して、前記一方の機構部における固定機構部を動作させて、当該一方の機構部を前記シリンダに固定する第3ステップと、前記他方の機構部側の吸排気口から更にエアを供給して、前記一方の機構部におけるエアハイドロ機構を動作させ、増幅された流体圧力により、前記一方の機構部側の出力ロッドに装着した工具がワークを流体圧力で押圧し、ワークをプレスする第4ステップと、前記一方の機構部側の吸排気口からエアを供給し、前記他方の機構部側の吸排気口を開放して、前記一方の機構部側の前記出力ロッドと共に前記出力ロッドに装着した工具を空圧力で前記ワークから離脱させる第5ステップと、プレスが完了したワークを所定の位置から離脱する第6ステップと、を有することを特徴とするワークのプレス方法を提供する。
(11)請求項11に記載の発明では、請求項8のワーククランプ装置を動作させて、前記中央ピストンの両側に形成された前記第1機構部と前記第2機構部のうちの一方の機構部側から出力方向の推力を出力してワークを所定位置にクランプする方法であって、前記一方のエアハイドロ機構側の所定位置にワークを設置する第1ステップと、前記一方の機構部側の吸排気口を開放し、他方の機構部側の吸排気口からエアを供給することで、前記第1機構部、前記第2機構部及び前記中央ピストンを、前記一方の機構部の出力ロッドが前記ワークに当接するまで移動させる第2ステップと、前記他方の機構部側の吸排気口から更にエアを供給して、前記一方の機構部における固定機構部を動作させて、当該一方の機構部を前記シリンダに固定する第3ステップと、前記他方の機構部側の吸排気口から更にエアを供給して、前記一方の機構部におけるエアハイドロ機構を動作させ、増幅された流体圧力により、前記一方の機構部側の出力ロッドがワークを流体圧力で押圧し所定の位置にクランプする第4ステップと、前記一方の機構部側の吸排気口からエアを供給し、前記他方の機構部側の吸排気口を開放して、前記クランプしたワークを前記所定位置から離脱する第5ステップと、を有することを特徴とするワークのクランプ方法を提供する。
(12)請求項12に記載の発明では、前記固定機構部は、前記薄肉部と共に前記第2流体室を形成する、前記中央側ハウジングの両端に固定された蓋と、前記中央側ハウジングの一方側の蓋と他方側の蓋との間の距離を固定する距離固定手段と、を具備したことを特徴とする請求項2に記載のシリンダ装置を提供する。
(13)請求項13に記載の発明では、前記距離固定手段は、前記第2流体室内を貫通し、前記出力側ハウジングに設けた前記一方側の蓋と前記他方側の蓋とをボルトで固定する、ことを特徴とする請求項12に記載のシリンダ装置を提供する。
(14)請求項14に記載の発明では、前記距離固定手段は、前記第2流体室内に配置され、前記一方側の蓋と前記他方側の蓋との間に当接して配置されたスペーサーを有する、ことを特徴とする請求項13に記載のシリンダ装置を提供する。
本発明によれば、中央ピストンを中心として対称に形成された第1機構部と第2機構部をシリンダ内に配設し、吸排気口から供給されるエアにより中央ピストンと両機構部を移動させると共に、油圧力により固定する固定機構部、油圧力による推力を出力するエアハイドロ機構を備えることで、ストロークが大きく大きな推力を、軸方向の両方向に発生させることができる。
実施形態のシリンダ装置を説明するための図である。 シリンダ装置の部品図である。 シリンダにおいてエアと、油が存在する領域を表した説明図である。 シリンダ装置による第1動作の各状態を表した説明図である。 第1動作において、エアにより圧力が高くなっている空間領域を表した説明図である。 シリンダ装置による第2動作の各状態を表した説明図である。 プレス加工を説明するための図である。 第2実施形態におけるシリンダ装置を説明するための図である。 第2実施形態におけるシリンダ装置の一部部品図である。
(1)実施形態の概要
本実施形態によるシリンダ装置1では、推力は小さいがストロークが大きいエアシリンダ部分の特徴と、パスカルの原理を利用して空気圧で入力した推力を出力側に増幅した流体圧力として変換して大きな推力を出力するエアハイドロ機構の特徴と、を併せ持つ機構部を、さらに長手方向に対して対称に配置して1つにしたものをエアシリンダの中にピストン部分として内蔵したものである。
すなわち、シリンダ装置1は、シリンダ2内に中央ピストン12が配設され、この中央ピストン12を中心として、図1(a)に向かって右側に第1機構部1Aが形成され、左側に第2機構部1Bが長手方向に対称に(左右対称に)形成されている。第1機構部1Aと第2機構部1B(以下、両機構部1ABという)には、それぞれシリンダ2内にスラスト方向に移動可能なピストンハウジング60(61〜63)、160(161〜163)が形成されている。
このエアハイドロ機構で増幅した流体圧力として出力する部分に使用する流体は、流動性を持つ気体、液体またはゲル状の物質であれば何でも良いが、入手が容易で非圧縮性流体である作動油などの油が最適である。よって以下の説明では、エアハイドロ機構で推力を増幅する流体室を油圧室、その内部に使用する流体を油として説明する。
そして、シリンダ装置1では、中央ピストンと12と第1機構部1A、第2機構部1Bをスラスト方向に大きく移動させる移動機能と、移動後にピストンハウジング60、160をシリンダ2に固定(内側からクランプ)する固定機能、エアハイドロ機構により増幅された大きな油圧力(推力)を発生させる油圧出力機能の3機能を実現している。
シリンダ装置1では、ピストンハウジング60、160の移動機能、固定機能による動作と、その後の油圧出力機能による動作とを別々に行うことができるように構成されている。
ここで、エアハイドロ機構は、第1空圧室21の1面を構成するエアピストン部(第1ピストン11と第1ロッド50)と、第1油圧室の1面を構成する油圧ピストン部(第3ピストン13と出力ロッド7)を組み合わせることで、第1空圧室に供給する空気圧を大きな油圧力に増大して出力ロッド7から出力する機構である。
そして、第1機構部1A側の出力ロッド7からの出力(油圧力)を使用する場合の上記3機能は次のようにして実現される。
移動機能については、第2機構部1B側の第2空圧室122の空気圧(エア供給)によって実現される。
固定機能については、第2機構部1B側の第2空圧室122の空気圧により中央ピストン12が出力方向(この場合には第2機構部1B側から第1機構部1A側の方向)に移動することで、第1機構部1Aの中央ロッド58が移動し、ピストンハウジング60の第2油圧室32内の油圧が高くなり薄肉部15部分が径方向に膨張することで実現される。
エアハイドロ機構による油圧出力機能については、第2機構部1Bの第2空圧室122から、第1機構部1Aの第1空圧室21にエアが供給され、第1ピストン11の第1ロッド50が第1油圧室31の油圧を増幅し、増幅した油圧力が推力として第3ピストン13の出力ロッド7から出力されて実現される。
本実施形態のシリンダ装置1は、中央ピストン12を中心に左右対称に配置した第1機構部1Aと第2機構部1Bにエアハイドロ機構を配設することで、長手方向に対し、両方向への大きな推力を発生させることができる。
そして、一方(例えば、第1機構部1A)のエアハイドロ機構を使用して推力を発生させる場合には、他方(第2機構部1B)側の空圧系(吸排気口5から第2空圧室122までのエア経路)を使用することで、エアハイドロ機構を備えた片側タイプのシリンダ装置を2つ背面合せに接続する場合に比べて全長を短くすることができる。
(2)実施形態の詳細
図1は第1実施形態におけるシリンダ装置1の構成を表したスラスト方向(中心線の方向)の断面を表したもので、(a)は全体を表し、(b)は拡大した一部分を表している。
図2はシリンダ2内に配設される各部品を表したもので、(a)は各部品の断面を表し、(b)は第1ハウジング61の正面図と側面図を表し、(c)は抜止めリング29の正面図である。(d)は開閉ロッド53aの拡大断面を表したものである。なお、図1(b)では、各部をシールするためのOリングが表示されているが、その説明は省略する。
図3は、シリンダ2内においてエアと、油が存在する領域を表したもので、(a)は図1(a)のAA線から左側を、(b)はAA線から右側を表している。図3において、エアが存在する領域に斜線を、油が存在する領域にドットを付している。
また、本実施形態の各図では、見やすくするため断面を表す表示はせず、シリンダ装置1を構成する各部品を表示するために、ピストンハウジング60の内部(特に第2ハウジング62内)における断面の位置(角度)を適宜変更して表示している。
図1〜3に示すように、本実施形態のシリンダ装置1は、両端面が開放された円筒形状のシリンダ2と、その両開放端側を塞ぐ蓋4、104を備えている。蓋4、104は、それぞれ周方向に配置された複数のボルト4a、104aによりシリンダ2に固定されている。
蓋4、104の中央には貫通孔が形成されており、この貫通孔を出力ロッド7、107がシール状態で摺動可能に挿通されている。
本実施形態のシリンダ装置1を構成する部品(Oリングや摺動補助リング等の特定の部品を除く)の材質は、アルミニウム、ステンレス、鉄などの金属である。
シリンダ装置1の大きさは、一例として、外径が60ミリ程度、出力ロッド7、107のストローク長さ(片側)が50ミリ程度であるが、これよりも大きくても、あるいは、小さくてもよい。
本実施形態のシリンダ装置1では、シリンダ2内に、中央ピストン12が配設されている。この中央ピストン12を中心に、図1に向かって右側に第1機構部1A、左側に第2機構部1Bが配設されている。第1機構部1Aと第2機構部1B(以下、両機構部1ABという)は、中央ピストン12を中心として長手方向に対称に(図1に向かって左右対称に)形成されている。
本実施形態の各図面では、第1機構部1Aと第2機構部1Bとが対称に形成されているので、各部を構成する部材等については、第1機構部1Aの各部に付した符号に対し、第2機構部1Bの同一部材に対して100を加算した符号を付している。
図3の斜線部で示すように、両機構部1ABは、それぞれ第1空圧系(第1空圧室21、121等)と、第2空圧系(第2空圧室22、122、第3空圧室41、141、第4空圧室64、164)からなる空圧系を備えている。なお、第3空圧室41、141は、駆動用空圧室として機能する。
そして、第1機構部1Aの第1空圧室21は、第2機構部1B側の中心に向けて斜めに形成された中央ピストン12の貫通孔112dと接続されることで、第2機構部1B側のエア経路(108aなど)を通り、第1空圧室121と繋がるようになっている。同様に、第2機構部1Bの第1空圧室121は、第1機構部1A側の中心に向けて斜めに形成された中央ピストン12の貫通孔12dと接続されることで、第1機構部1A側のエア経路(18aなど)を通り、第1空圧室21と繋がるようになっている。
また、図3のドット部分で示すように、両機構部1ABは、それぞれ、油圧系として、第1油圧室31、131と、第2油圧室32、132を備えている。
本実施形態のシリンダ装置1は、中央ピストン12を中心に第1機構部1Aと第2機構部1Bとが対称に形成されているので、以下、その構成と動作について、第1機構部1Aを中心に説明する。
そして、以下の説明では、第1機構部1A側を使用してその出力ロッド7から推力を出力する場合について説明することとし、出力ロッド7の先端面側を出力側、第2機構部1B側の出力ロッド107の先端面側を、吸排気口105からエアが入力される側であるため入力側と呼ぶこととする。なお、逆に第2機構部1B側を使用してその出力ロッド107から推力を出力する場合には、出力ロッド107の先端面側が出力側となり、第1機構部1A側の出力ロッド7の先端面側が入力側となる。
また、本実施形態では、中央ピストン12がシリンダ2の長手方向のほぼ中央に位置する図1(a)に示した状態を初期状態と呼ぶことにする。
但し、第1機構部1Aと第2機構部1Bのうちの何れか一方側の出力ロッド7、107から推力を得る場合に、他方側の抜止めリング37a、137aが入力側の蓋4a、104aに当接している状態を、本実施形態における初期状態としてもよい。例えば、第2機構部1Bの出力ロッド107から推力を得る場合には、第1機構部1Aの抜止めリング37aが蓋4に当接している図6(a)の状態が初期状態である。
また、出力ロッド7、107の最大可動範囲のうち、シリンダ装置1により後述のプレス加工等の処理で必要な移動範囲以上のストロークを確保できる位置であればいずれも初期状態とすることも可能である。例えば出力ロッド7の場合、最も出力側に移動している図4(b)の状態の位置から、プレス加工等に必要なストロークだけ入力側に移動している位置にある状態を初期状態としてもよい。
第1機構部1Aと第2機構部1Bの間には中央ピストン12が配設されている。
図2(a)に示すように、中央ピストン12の両機構部1AB側には、中央には大径の突出部12a、112aが形成されている。
突出部12a、112aの端面には径方向に張り出したフランジ部12b、112bが形成されている。このフランジ部12b、112bの外径は、後述する蓋39、139における凹部39d、139dの内径よりも小さく形成されることで、凹部39d、139d内を軸方向に移動すると共に、後述する抜止めリング29、129の内径よりも大きく形成されることで、凹部39d、139dから抜けることが防止されている。
また、突出部12a、112aの中央には凹部12c、112cが形成されている。この凹部12c、112cは、端面側に形成された第1凹部と、更にこの第1凹部の底部に形成された第1凹部の内径よりも小さな内径の第2凹部を有している。第2凹部の内周面には雌ねじが形成され、後述する中央ロッド58、158の一端側(中径部側)に形成された雄ねじと螺合するようになっている。
凹部12c、112cの第2凹部には、径方向の貫通孔が形成され、中央ロッド58、158を螺合した状態で、固定ネジ12e、112eで固定されている。
図1に戻り、中央ピストン12における出力側の端面は、蓋39の入力側の端面、及びシリンダ2の内周面とともに第2空圧室22を形成している。中央ピストン12の入力側の端面は、第2機構部1Bの蓋139の出力側端面(中央ピストン12側)、及びシリンダ2の内周面とともに第2空圧室122を形成している。
シリンダ2内には、第1ハウジング61、第2ハウジング62、第3ハウジング63からなるピストンハウジング60(図示しない)が配設されている。
ピストンハウジング60は、図1に示すように、入力側から順に、第2ハウジング62、第1ハウジング61、第3ハウジング63の順に配設されている。
第2ハウジング62には、中央ピストン12に連結された中央ロッド58の一部が収容され、第1ハウジング61には、第1ピストン11と第1ピストン11に連接された第1ロッド50が収容され、第3ハウジング63には、第3ピストン13と第3ピストン13に連接された出力ロッド7の一部が収容されている。
第2ハウジング62は、両端側が厚肉部に形成され、その間の周面が薄肉部15を構成し、薄肉部15の内側が第2油圧室32となっている。
第2ハウジング62における入力側の厚肉部には、第2油圧室32に油を充填するための給油孔が形成され、油を注入した後に給油口栓62aで密閉されている。なお、給油の際に第2油圧室32内のエアを抜き易くするために、第2ハウジング62の出力側の圧肉部にも給油孔と給油口栓を設けるようにしてもよい。この場合、入力側、出力側のいずれ側から給油することも可能である。
第2ハウジング62における入力側の端部には、周上に配置された複数のボルト39aによって、蓋39が固定されている。この蓋39は、ボルト39aによって第2ハウジング62の厚肉部(入力側)に固定されるフランジ部と、第2ハウジング62の厚肉部(入力側)よりも第2ハウジング62の内側(中心側)に張り出した張出部を備えている。
蓋39の張出部には、入力側に円筒形状の凹部39d(図2(a)参照)が形成され、凹部39dの底部には中央に中央ロッド58用の貫通孔が形成され、この貫通孔の径方向の外側には凹部39dの底部から張出部を貫通する連通孔39cが2箇所形成(図では1箇所だけ表示)されている。この連通孔39cは、第2機構部1Bの給気ロッド108の貫通孔108aと第1機構部1Aの第3空圧室41とを連通する経路の一部を構成している。
蓋39の入力側端部に形成されたフランジ部の外径はシリンダ2の内径よりも小さく形成されることで、シリンダ2の内周壁との間にクリアランスを有している。この蓋39のフランジ部の外周面には、全周にわたって周溝39b(図2(a)参照)が形成されており、この周溝39bには摺動補助リング2aが配設されている。
摺動補助リング2aは、他の摺動補助リング2b、2c、2dを含め金属以外の材料(例えば樹脂)で形成され、シリンダ2と蓋39、第1ハウジング61、蓋34との金属接触を回避し、シリンダ2の内周面と第2ハウジング62との摺動を円滑にするために配設されている。
蓋39の凹部39dと中央の貫通孔には、中央ロッド58が挿通及び貫通している。
中央ロッド58は、出力側から入力側に向かって順に径が太くなる小径部と中径部を備えている。中央ロッド58における中径部の外径は、中央ピストン12に形成されている大径の突出部12aの外径よりも小さく形成されている。
中央ロッド58の中径部側は、中央ピストン12に固定されている。すなわち、中径部の入力側端部に形成された雄ねじ部分が、中央ピストン12の凹部12cに形成された第2凹部の雌ねじと螺合されると共に、径方向からの固定ネジ12eにより、中央ロッド58が中央ピストン12に固定されている。
中央ロッド58の小径部と中径部の境界には段部58aが形成されている。この中央ロッド58が蓋39内を出力方向に移動することで、段部58aが第2ハウジング62内に形成される第2油圧室32を加圧し、この加圧された油圧によって薄肉部15がラジアル方向に弾性変形し、ピストンハウジング60(61〜63)がシリンダ2内で固定される。
中央ロッド58の中央には、軸方向の全体にわたる貫通孔58bが形成され、出力側の先端には、貫通孔58bの内径よりも小径の小口部58cが形成されている。

中央ロッド58の貫通孔58b内には、第2機構部1Bの第2空圧室122からのエアを、中央ピストン12の貫通孔12dを通して、第1空圧室21に供給するための給気ロッド8が配設されている。
給気ロッド8は、中央ロッド58よりも短く形成されることで、軸方向に摺動可能に配設されている。
この給気ロッド8は、全長にわたって貫通する貫通孔8aが形成され、この貫通孔8aと連通する径方向の径方向貫通孔8bが出力側に形成されている。
給気ロッド8の出力側の外径は、中央ロッド58の貫通孔58bの内径よりも小さく形成されることで、その隙間に径方向貫通孔8bからのエアが供給されるようになっている。
給気ロッド8の出力側の端部と、中央ロッド58の小口部58cの内側との間には、弁球9aが配置されている。
給気ロッド8の入力側端部には、径方向貫通孔8bの内径よりも大きな径の凹部が形成され、この凹部と中央ピストン12との間には、給気ロッド8を出力方向に付勢するコイルバネ9bが配設されている。このコイルバネ9bの出力方向の付勢力により、給気ロッド8の先端に配設された弁球9aが小口部58cを塞いでいる。
一方、中央ピストン12と中央ロッド58がピストンハウジング60に対して出力方向に移動することで、弁球9aが後述する開閉ロッド9cにより入力側に押され、これにより小口部58cが開放する。
この弁球9a、コイルバネ9b、小口部58c及び開閉ロッド9cは、第2機構部1B側から第1空圧室21にエアを供給するエア経路(貫通孔12d、貫通孔8a、連通孔34d、連通孔27b、連通溝27d)を開閉する第1開閉弁として機能している。この開閉弁の小口部58cは、第1機構部1A側のエアハイドロ機構による油圧出力機能を使用する際に開状態となる。
中央ロッド58が固定される中央ピストン12は、その突出部12aに形成されたフランジ部12bを蓋39の凹部39d内に通した状態において、抜止めリング29が入力側から蓋39にボルト29cで固定されている。
抜止めリング29の内径は、中央ピストン12の突出部12aの外径よりも大きく、フランジ部12bの外形よりも小さく形成されているため、突出部12aと中央ロッド58が抜けないようになっている。
抜止めリング29は、図2(c)に示すように、2分割されていて、同一周上にボルト39a(蓋39の固定用)が貫通する貫通孔29aと、ボルト29cで抜止めリング29を蓋39に固定するためのボルト穴29bが複数形成されている。また2分割された合わせ目は、蓋39に組付けても密着せず隙間があり、第2空圧室22内部のエアと凹部39d内のエアは自由に行き来できる構成となっている。
中央ロッド58にはコイルバネ33が挿通され、コイルバネ33の入力側の一端側が中央ピストン12の凹部12cに配置され、他端側が蓋39に形成した凹部39dの底面に当接している。
コイルバネ33は、中央ピストン12と、蓋39を介してピストンハウジング60(61、62、63)全体とを互いに離れる方向に付勢する。すなわち、コイルバネ33は、ピストンハウジング60に対して中央ピストン12を入力側に付勢し、中央ピストン12に対してピストンハウジング60を出力側に付勢している。
このため、コイルバネ33は、シリンダ装置1を初期状態にする場合において、第1機構部1Aの吸排気口5から供給される所定圧力のエアに加えて、コイルバネ33の付勢力によって、中央ピストン12のフランジ部12bが抜止めリング29と当接するまで戻りやすくしている。一方、後述する動作において、コイルバネ33はピストンハウジング60全体を出力方向に押すことを補助している。
第2ハウジング62の出力側には、蓋39と対向して蓋34の一部(張出部)が挿入されている。この蓋34は、ボルト34aによって第2ハウジング62の厚肉部(出力側)に固定されるフランジ部と、第2ハウジング62の厚肉部(出力側)よりも第2ハウジング62の内側(中心側)に張り出した張出部を備えている。
蓋34のフランジ部の外径はシリンダ2の内径よりも小さく形成されることで、シリンダ2の内周壁との間にクリアランスを有している。
なお、第2ハウジング62の両端に配設する蓋39と蓋34間の距離を一定にするために、第2油圧室32内を通る固定ボルトで固定するようにしてもよい。このボルトは、蓋39と蓋34間の距離を固定する固定手段として機能し、第2油圧室32内の圧力増加に対して薄肉部15が軸方向に伸びることを抑制し、径方向に膨張させることで、第2ハウジング62を確実にシリンダ2に固定するためである。
この軸方向の伸びを抑制する固定手段の詳細については、第2実施形態において説明する。
蓋34の中央には連通孔34dが貫通して形成されている。そして、第2油圧室32内を通る中央ロッド58の先端側が、連通孔34dの途中まで挿通されている。
蓋34の連通孔34dの径方向外側の2箇所(図面では1つのみ表示)には、断面L字状のL字状連通孔34bが形成されている。すなわち、L字状連通孔34bは、蓋34の入力側端面から軸方向出力側に延び途中から径方向外側に曲がって蓋34の出力側端面まで貫通している。
このL字状連通孔34bと、蓋39の連通孔39cとは、第2油圧室32を貫通して配設されるカラー28の貫通孔によって連通している。
また蓋34の外周面には、L字状連通孔34bの外周面側の開口部位置に、L字状連通孔34bと繋がる径方向の連通溝34cが形成されている。
蓋34には、L字状連通孔34bの径方向の通路途中に、L字状連通孔34bのエア通路を開閉する第2開閉弁53を配設するための貫通孔34eが形成されている(図2(a)参照)。
第2開閉弁53は、開閉ロッド53aとコイルバネ53bを備えており、開閉ロッド53aが蓋34の貫通孔34eに摺動自在に挿通されている。開閉ロッド53aは、後述する蓋27を径方向に摺動自在に貫通しており、その先端が第1ピストン11と接離するようになっている。
開閉ロッド53aは、図2(d)の拡大図に示すように、出力側のロッド部53dと、コイルバネ53bの一端側を収容する円筒部53gとを備えている。また、ロッド部53dと円筒部53gの間の胴部には、径方向に貫通する貫通孔53eが形成されると共に、胴部の外周面には貫通孔53eを通る外周溝53fが形成されている。
径方向の貫通孔53eは、第2開閉弁53が開状態においてL字状連通孔34bと繋がる位置に形成されている。そして、外周溝53fを設けることで、貫通孔53eとL字状連通孔34bとの周方向の位相がズレた場合であっても、L字状連通孔34bを連通させることが可能になる。
第2開閉弁53の円筒部53gに一端側が収容されたコイルバネ53bは、その他端側が蓋34の厚肉部(出力側)に形成された凹部62bに収容されている。
このコイルバネ53bにより、開閉ロッド53aはロッド部53dを出力側に付勢している。但し、シリンダ装置1の初期状態等(エアハイドロ機構が動作していない状態)では、開閉ロッド53aが第1ピストン11により入力側に押し込まれることで、L字状連通孔34bが貫通孔53e、外周溝53fで連通している。
そして、エアハイドロ機構が動作して第1ピストン11が蓋27から離れるに従って、開閉ロッド53aはコイルバネ53bの付勢力で出力側に移動し、第1ピストン11と開閉ロッド53aとが離れた状態でL字状連通孔34bは円筒部53gで閉鎖される。
第2ハウジング62の出力側には第1ハウジング61が配設されている。
第1ハウジング61の入力側の端部には、蓋27が複数のボルト27eで固定されている。
この蓋27は、第1ハウジング61に固定された状態で、第1ハウジング61の内側からボルト27aによって第2ハウジング62の蓋34に固定されている。これにより第1ハウジング61と第2ハウジング62とが連結されている。
蓋27には、出力側に凹部27f(図2(a)参照)が形成されている。この凹部27fは、第1空圧室21の入力側端面として機能する。
蓋27には、凹部27fの底面を貫通し、蓋34の連通孔34dと連通する連通孔27bが形成されると共に、凹部27fの底面には連通孔27bと繋がる連通溝27dが径方向に形成されている。
蓋27の外周面には、蓋34の外周面に形成された連通溝34cと繋がるように、軸方向の連通溝27cが全長にわたって形成されている。
蓋27の外周面に形成した連通溝27cは、蓋34の連通溝34cとL字状連通孔34b、カラー28、蓋39の連通孔39cと凹部39d、によって第2空圧室22からのエア通路を形成している。一方、連通溝27cは、後述する第1ハウジング61の外周に形成した連通溝61eを介して第3空圧室41と繋がっている。
また、蓋27の入力側端面の中央には、上述した第1開閉弁の開閉ロッド9cが埋設されている。
蓋27をボルト27aで蓋34に固定した状態で、第1ハウジング61内には、中央に第1ロッド50が延設された第1ピストン11が配設されている。
第1ピストン11が配設されることで、第1ハウジング61は第1ピストン11で仕切られ、入力側に第1空圧室21が、出力側に第4空圧室64が形成される。
図2(a)(b)に示すように、第1ハウジング61には、両端側に周溝61a、61bが全周にわたって形成されている。この周溝61a、61bには、上述したように摺動補助リング2b、2cが嵌められ、シリンダ2との摺動を円滑にしている。
また、第1ハウジング61には、全長にわたって軸方向(長手方向)に連通溝61eが形成されている。連通溝61eの入力側端部は、蓋27の連通溝27cと繋がっている。
周溝61a、61bと連通溝61eとが交叉する箇所には、周溝61a、61bに嵌められた摺動補助リング2b、2cによって連通溝61eが塞がれないようにするために、摺動補助リング2b、2cの幅よりも広く、厚さよりも深い凹部61c、61dが形成されている。この連通溝61eとシリンダ2の内周面との間が、第2空圧室122からのエアの通路となっている。
図1に戻り、第1ピストン11が内側に配置された第1ハウジング61の出力側の端部には、第3ハウジング63が複数のボルト63eで固定されている。
第3ハウジング63の出力側には凹部63a(図2参照)が形成されている。この凹部63aの底面中央には貫通孔63bが形成され、この貫通孔63bには、第1ロッド50が挿通されている。
第3ハウジング63の軸方向の途中にはフランジ部が形成され、このフランジ部の外周には軸方向に溝63cが形成されている。
また、第3ハウジング63のフランジ部には、溝63cと繋がる位置から径方向内側に延び途中から軸方向に曲がった、断面L字状のL字状連通孔63dが形成されている。
L字状連通孔63dは、第3ハウジング63の入力側端面まで貫通することで、第4空圧室64と繋がっている。
一方、溝63cは、その入力側が第1ハウジング61の外周に形成した連通溝61eと繋がり、出力側が第3空圧室41と繋がっている。また、第3空圧室41と第4空圧室64は、連通溝61eやカラー28等により第2空圧室22を経て第2機構部1Bの給気ロッド108の貫通孔108aと繋がっている。
第3ハウジング63の凹部63aには、中央に出力ロッド7が形成された第3ピストン13が配置されている。
第1油圧室31と出力ロッド7の中央には、軸方向に貫通していない空洞部7aが形成されている。空洞部7aは、その内径が第1ロッド50の径よりも大きく形成されることで、第1ロッド50が出入するようになっている。
第3ハウジング63の凹部63aは、第3ピストン13が配置されることで仕切られ、第3ハウジング63の凹部63aの内周面と底面、貫通孔63b、第3ピストン13の入力側面、第1ロッド50の出力側端面、及び、出力ロッド7の空洞部7aにより第1油圧室31が形成されている。
第3ピストン13には、第1油圧室31に油を充填するための給油孔が形成され、油を注入した後に給油口栓38で密閉されている。
第3ハウジング63の出力側端部には、抜止めリング37aが複数のボルト37bで固定されている。抜止めリング37aの固定は、凹部63aに第3ピストン13が配置され、油が充填され給油口栓38がされた状態で行われる。
第3ピストン13と抜止めリング37aのそれぞれ対向する面には、凹部13b、凹部37cが形成され(図2(a)参照)、第3ピストン13を入力側に付勢するコイルバネ36が配置されている。
第2ハウジング62は、蓋39、蓋34と共に中央側ハウジングを構成し、第1ハウジング61と第3ハウジング63は、蓋27、抜止めリング37aと共に出力側ハウジングを構成している。
また、蓋34と蓋27とがボルト27aで固定されることにより、中央側ハウジングが出力側ハウジングの入力側(一端側)に固定されている。
以上説明したシリンダ装置1の構成において、両機構部1A、1Bの第2ハウジング62、162の固定および解除に必要な第2空圧室22、122へのエア供給と排出を行うための固定用エア通路(A側エア通路、B側エア通路)について、及び、両機構部1A、1Bの推力出力に必要な、第1空圧室21、121へのエア供給を行うための出力用エア通路について、以下に説明する。
第1機構部1A側に位置する、A側エア通路(相互に連通する、第3ハウジング63の溝63c、第1ハウジング61の連通溝61e、蓋27の連通溝27c、蓋34の連通溝34cとL字状連通孔34b、カラー28、蓋39の連通孔39cと凹部39d)は、駆動用空圧室41と第2空圧室22とを連通する。このA側エア通路は、駆動用空圧室41のエアを第2空圧室22に供給する。またA側エア通路は、第2空圧室22内部のエアを駆動用空圧室41に移動させる通路にもなる。
同様に、図4(b)、図5(b)に示す、第2機構部1B側に位置する、B側エア通路(相互に連通する、溝163c、連通溝161e、連通溝127c、連通溝134c、L字状連通孔134b、カラー128、連通孔139c、凹部139d)は、駆動用空圧室141と第2空圧室122とを連通する。このB側エア通路は、駆動用空圧室141のエアを第2空圧室122に供給する。またB側エア通路は、第2空圧室122内部のエアを駆動用空圧室141に移動させる通路にもなる。
第1機構部1A側を固定する場合、第2機構部1B側のB側エア通路を使用し、駆動用空圧室141から第2空圧室122にエアを供給することで、中央ピストン12と第1機構部1A側の中央ロッド58を出力方向に移動させる。この中央ピストン12の移動に伴い、第1機構部1A側の第2空圧室22のエアはA側エア通路を使用して駆動用空圧室41に排出される。
一方、第2機構部1B側を固定する場合、これらの関係が逆になり、A側エア通路を使用して駆動用空圧室41から第2空圧室22にエアを供給することで、中央ピストン12と中央ロッド158を入力方向(図面左方向)に移動させる。この中央ピストン12の移動に伴い、第2空圧室122のエアはB側エア通路を使用して駆動用空圧室141に排出される。
また第1機構部1A側において、相互に連通する、中央ピストン12の貫通孔12d、給気ロッド8の貫通孔8aと径方向貫通孔8b、第2ロッド58の小口部58c、蓋34の連通孔34d、蓋27の連通孔27bと連通溝27dをA側出力用エア通路とし、第2機構部1B側の第2空圧室122のエアを、前記中央ピストン12を貫通して第1機構部1A側の第1空圧室21に供給する(第2機構部1B側からエアを供給し、第1機構部1A側で油圧出力を得る場合)。
同様に、第1機構部1B側にも、中央ピストン12の貫通孔112d〜連通溝127dをB側出力用エア通路とし、第2機構部1A側の第2空圧室22のエアを、前記中央ピストン12を貫通して第1機構部1B側の第1空圧室121に供給する(第1機構部1A側からエアを供給し、第2機構部1B側で油圧出力を得る場合)。
次に、本実施形態のシリンダ装置1による2種類の動作について説明する。
以下に説明する第1動作、第2動作についても、両機構部1ABのうち、第1機構部1A側のエアハイドロ機構を使用する場合の動作について説明する。なお、逆の場合の動作、すなわち第2機構部1B側のエアハイドロ機構を使用する場合の動作は、シリンダ2、中心に配置した中央ピストン12、ワーク100を除き、下記の動作説明において、100未満の符号には100を加算し、100を超える符号には100を減算した値の符号を付した各部の動作となる。
(第1動作)
図4は、シリンダ装置1による第1動作の各状態を表したものである。
図5は、第1動作において、エアにより圧力が高くなっている空間領域を拡大して表したものである。図5(b)、(c)はそれぞれ図4(b)、(c)に対応している。
この第1動作では、出力ロッド7の先端がワーク100に当接することでピストンハウジング60(61、62、63)の固定を行い、その後に任意のタイミングで出力ロッド7の先端から増幅された油圧力を出力する。
最初に、シリンダ装置1を初期状態にする動作について、図1を参照して説明する。
上述したように、本実施形態では、中央ピストン12を中心として対称形であるため、説明の便宜上、シリンダ2の長手方向のほぼ中央に位置する図4(a)、図1(a)に示した状態を初期状態として説明する。
第1機構部1Aを出力側に移動させる場合において、初期状態で必ずしも中央ピストン12がシリンダ2の中央にある必要はなく、第1機構部1Aが蓋4に向かって移動できる位置であればどこでもよい。
初期状態にするには、第2機構部1B側の吸排気口105を開放した状態で、第1機構部1A側の吸排気口5から所定圧力でエアを供給することで初期状態にする。初期状態にする際の詳細な動作については、第2動作において後述する。
第1機構部1A側の第1動作では、図4(a)に示す初期状態において、第1機構部1A側の吸排気口5を開放し、第2機構部1B側の吸排気口105からエアを供給する。
すると、図4(b)に示すように、吸排気口105から供給されたエアにより、第3空圧室141の空気圧が上昇し、抜止めリング137aと第3ハウジング163を出力側に押圧する。これにより、第3ハウジング163と第1ハウジング161が出力側に移動する。
この際、第3空圧室141のエアは、図4(b)に示すように、溝163cとL字状連通孔163dを通り、第4空圧室164の空気圧を上昇させる。この第4空圧室164の空気圧により第1ピストン111は、蓋127に当接したままの状態、及び、開閉ロッド153aを押し込んで第開閉弁153は開放させたままの状態で、第1ハウジング161と共に出力側に移動する。
なお、第1ピストン111が蓋127と離れている場合には、第1ピストン111が蓋127に当接するまで出力側に移動し、開閉ロッド153aと当接して第2開閉弁153を開放させた後に、第1ピストン111と第1ハウジング161が出力側に移動する。
この開閉ロッド153aが開放した状態では、図4(b)、図5(b)に示すように、第3空圧室141内のエアは、固定用エア通路、すなわち溝163c、連通溝161e、連通溝127c、連通溝134c、L字状連通孔134b、カラー128、連通孔139c、凹部139dを通り、第2空圧室122に供給される。
このとき第1機構部1A側の弁球9aは開閉ロッド9cと離れた位置にあり、第2空圧室122と繋がる貫通孔12d、貫通孔8aは、小口部58cで閉じられている。このため、第3空圧室141、第4空圧室164と同様に、第2空圧室122内の空気圧も上昇して、中央ピストン12を出力方向に押す。そして中央ピストン12に接続された中央ロッド58の段部58aが第2油圧室32を押圧する。この時、出力側への押圧力の反力がピストンハウジング60全体に働いていないので、第2油圧室32の油が狭窄されることが無く、薄肉部15は弾性変形を生じない。そのため中央ロッド58の段部58aが第2油圧室32を押圧することにより、第1機構部1A側のピストンハウジング60(第1ハウジング61、第2ハウジング62、第3ハウジング63)全体が出力側に移動する。
なお、中央ロッド58の小口部58cが弁球9aで閉じられているので、図5(b)に示すように、第1空圧室21の空圧は上昇しない。このため、第1ピストン11と第1ロッド50は、ピストンハウジング60を基準として出力方向に移動せず、蓋27に当接したままである。また第1ロッド50が出力方向に移動しないので、第1油圧室31内の油圧も上昇せず、第3ピストン13も第3ハウジング63に当接したままである。
そして、図4(b)に示すように、中央ピストン12とピストンハウジング60の移動と共に、出力ロッド7も出力方向に移動し、出力ロッド7の先端部がワーク100に当接する。
以上のように、第2機構部1B側の吸排気口105から第2空圧室122への空気圧(エア供給)によって、第1機構部1A側の移動機能が実現される。
そして、この移動機能により、図4(a)の初期状態から、図4(b)の出力ロッド7がワークに当接するまでに、両機構部1ABは出力方向に距離L1だけ移動する。
出力ロッド7がワーク100に当接すると、図4(b)に示すように、第3ピストン13は、第3ハウジング63と当接しているので、第1機構部1A側のピストンハウジング60全体の移動が停止する。
この状態で、図4(c)に示すように、更に吸排気口105からエアを供給する。すると、ピストンハウジング60が移動停止しているため、第2機構部1B側の第2空圧室122内の圧力が更に上昇し、コイルバネ33の付勢力を越えた時点で当接していたフランジ部12bが抜止めリング29から離れ、中央ピストン12と中央ロッド58が出力方向に移動する。
なお、中央ピストン12の移動により第2空圧室22の容積が小さくなるが、第2空圧室22内のエアは、第3空圧室41に移動し、吸排気口5から排出される。具体的な経路としては、図1、図4(c)に示すように、第2空圧室22から、凹部39d、連通孔39c、カラー28、L字状連通孔34b(第2開閉弁53は開状態)、連通溝34c、連通溝27c、連通溝61e、溝63c、第3空圧室41を通り、吸排気口5から排出される経路である。なお、この場合のエアは、上述した第2機構部1B側に配設された第1機構部1Aを固定する固定用エア通路と対称であり、第2機構部を固定する場合のエア通路を逆方向に流れることになる。
中央ロッド58が出力方向に移動することで、第2油圧室32は段部58aで押圧され、内部圧力が上昇する。この油圧により、図4(c)において径方向の矢印で示すように、第1機構部1A側の第2ハウジング62の薄肉部15が外向きに弾性変形し、シリンダ2に固定される。これにより、ピストンハウジング60は、移動が停止しているだけの状態から、薄肉部15でシリンダ2に固定された状態となる。
以上のように、第2機構部1B側の第2空圧室122の空気圧によって中央ピストン12が出力方向に移動し、第1機構部1A側の段部58aが第2油圧室32の油圧を高くすることで、薄肉部15が膨張してピストンハウジング60がシリンダ2に固定される、固定機能が実現される。
中央ピストン12が出力方向に移動して固定機能が実現された直後の状態では、中央ピストン12は、図4(b)に示す位置から、図4(c)に示すように距離L2だけ移動している。この状態では、図4(c)に対応する図5(c)に示すように、開閉ロッド9cがコイルバネ9bの付勢力に抗して給気ロッド8と弁球9aを入力側に押し込み小口部58cを開放する。
すると、図5(c)に示すように、吸排気口105から供給されているエアは、第2機構部1B側の第2空圧室122から中央ピストン12の貫通孔12d、給気ロッド8の貫通孔8aと径方向貫通孔8b、開放された小口部58cを通り、蓋34の連通孔34dに供給される。更にエアは、連通孔34dから連通孔27b、連通溝27dを通り第1空圧室21の圧力を上昇させる。
そして第1ピストン11が第1空圧室21の圧力を受け、第1ロッド50の先端が、第1油圧室31を押圧し(図4(c))、増幅された油圧力を第3ピストン13が受ける。この増幅された油圧力を第3ピストン13が受けることにより推力が増大され、大きな推力が出力ロッド7からワーク100に出力される。
以上のように、第2機構部1Bの第2空圧室122から、第1機構部1Aの第1空圧室21にエアが供給され、第1ピストン11の第1ロッド50が第1油圧室31の油圧を増幅し、増幅した油圧力が推力として第3ピストン13の出力ロッド7から出力されることで、エアハイドロ機構による油圧出力機能が実現される。
なお、このとき出力ロッド7の大きな推力によりワークが変形もしくは移動する場合は、それに伴い出力ロッド7に油圧力によるストロークが生じる。すなわちワークが変形もしくは移動を行っている間のみ、出力ロッド7が増幅された油圧力で出力方向に移動し、ワークの停止と共に移動を停止する。
この油圧ストロークについての動作内容については、図6(b)で後述する第1ピストン11の動作説明と、それによって生じる第1油圧室13への動作説明と同じである。
(第2動作)
次に、図1に示した初期状態からの、第2動作について説明する。
図6は、シリンダ装置1による第2動作の各状態を表したものである。
この第2動作では、出力ロッド7の先端がワーク100に当接する前に、ピストンハウジング60の出力側端部(抜止めリング37a)が蓋4に当接することでピストンハウジング60の移動が停止し、移動停止した状態でピストンハウジング60をシリンダ2に固定した後に、出力ロッド7の先端から増幅された油圧力を出力する。
初期状態において、図6(a)に示すように、エアハイドロ機構を使用する第1機構部1A側の吸排気口5を開放すると共に、第2機構部1B側の吸排気口105からエアを供給する。
この吸排気口105からのエアの供給により、図4(b)で説明したのと同様に、中央ピストン12を含む両機構部1AB全体が出力方向に移動する。
第1動作と異なり、この第2動作では、出力ロッド7の先端がワーク100と当接してピストンハウジング60が移動停止する前に、ピストンハウジング60の最出力側に位置する抜止めリング37aが蓋4に当接することでピストンハウジング60全体の移動が停止する。
この状態で、更に吸排気口105からエアを供給すると、図4(c)を参照して説明した第1動作と同様に、移動停止している第2油圧室32に対して、中央ピストン12と中央ロッド58の段部58aが出力方向に移動し、第2油圧室32の油圧を上昇させる。これにより、薄肉部15が径方向に弾性変形してピストンハウジング60全体がシリンダ2に固定される。
この状態で更に吸排気口105からエアを供給すると、ピストンハウジング60がシリンダ2に固定された直後に、給気ロッド8の弁球9aが開閉ロッド9cで入力側に押し込まれ、小口部58cが開放する。そして、エアは、第2機構部1B側の第2空圧室122から中央ピストン12の貫通孔12d〜連通溝27dを通り第1空圧室21の圧力を上昇させる。この上昇した第1空圧室21の圧力を第1ピストン11が受けることで、第1動作と同様に、第1ロッド50の先端が第1油圧室31を押圧する。
しかし、第2動作では、図6(a)に示すように、出力ロッド7の先端には何も当接していないため、第3ピストン13と出力ロッド7は出力方向に移動可能である。
このため、第1空圧室21の圧力で出力方向に押される第1ピストン11と第1ロッド50は、第1ロッド50の先端が第1油圧室31を押圧しながら出力方向に移動し、出力ロッド7の空洞部7aに入り込む(図6(b)参照)。
これにより、空洞部7a内の油は、第1ロッド50の外周面と出力ロッド7の内周面との間を通って第1油圧室31の凹部63a側に移動する。この第1油圧室31内の油の移動により第3ピストン13は、第1ロッド50の第1油圧室31内部への挿入ストローク量に応じた距離まで出力方向に移動する。
この状態で、第1ロッド50の先端が第1油圧室31を押圧することで上昇する油圧を、第3ピストン13が受けることで、出力ロッド7の先端から大きな推力が出力される。
なお、第1ロッド50が空洞部7a内を移動して出力ロッド7から推力が出力されるまでの、出力ロッド7の移動量(油圧ストローク)をLhとしたとき、第1ロッド50の第1油圧室31内部への挿入ストローク量(=第1ピストン11の移動量)をLa、第1ロッド50の第1油圧室31における出力側断面積をSa、第1油圧室31における第3ピストン13および出力ロッド7の入力側断面積をShとすると、次の式の関係が成り立つ。
Lh=La×(Sa/Sh)
また、図6(b)に示すように、第1空圧室21に供給されたエアにより、第1ピストン11が蓋34から離れると、第2開閉弁53が閉じられた状態となる。
すなわち、第1ピストン11が出力方向に移動することで、第1ピストン11と当接していた開閉ロッド53aもコイルバネ53bの付勢力で出力方向に移動する。そして、L字状連通孔34bが円筒部53gで塞がれることで、第2開閉弁53が閉じられる。
次に、初期状態に戻る動作について説明する。
図6(b)の状態からシリンダ装置1を初期状態に戻す場合、エアを供給していた第2機構部1B側の吸排気口105を開放すると共に、第1機構部1A側の吸排気口5からエアを供給する。
すると、吸排気口5から供給されたエアは、第3空圧室41から第3ハウジング63の溝63cとL字状連通孔63dを通り第4空圧室64に供給され、第4空圧室64の圧力が高まり第1ピストン11が入力方向に移動する。
この間、第1空圧室21内のエアは、第2機構部1B側の吸排気口105から第1空圧室21にエアが供給された経路を逆方向に流れて、開放されている吸排気口105から出力される。
そして、図6(c)に示すように、第1ピストン11が入力方向に移動して蓋34に当接する間に、第1ピストン11はコイルバネ53bの付勢力に抗して開閉ロッド53aを入力側に移動させ、第2開閉弁53を開状態にする。
第2開閉弁53が開状態になると、吸排気口5から供給されているエアは、第3空圧室41からL字状連通孔34bまでを通り、更に、カラー28と連通孔39c、凹部39dを通って、第2空圧室22に供給される。
このとき、第2機構部1B側の吸排気口105を開放しているので、中央ピストン12と中央ロッド58は、第2空圧室122による出力方向の空圧を受けないため、容易に入力方向に移動可能な状態である。
このため、図6(d)に示すように、第1機構部1A側の第2空圧室22の圧力が高まると共にコイルバネ33の付勢力と共に入力側に押されて、中央ピストン12と中央ロッド58は入力側に移動する。
中央ロッド58が入力方向に移動することで、第2油圧室32内の圧力が下がって薄肉部15の膨張が元に戻り、ピストンハウジング60によるシリンダ2に対する固定状態が解除される。
そして、中央ピストン12と中央ロッド58が入力側に移動し、フランジ部12bがリング29と係合する。フランジ部12bがリング29と係合した以降のピストンハウジング60は、リング29を介してフランジ12bにより入力側に引かれると共に、その出力側端面が第3空圧室41のエアで入力側に押圧されることで、中央ピストン12を含む両機構部1AB全体が入力側に移動し、初期状態となる。
このように出力ロッド7から油圧力を発生した後、初期状態に戻す際に、推力が増幅するための第1ピストン11と第1ロッド50を元に戻して(蓋27に当接させて)から、固定機能を解除する必要がある。
本実施形態のシリンダ装置1では、第2開閉弁53をL字状連通孔34bの通路上に配置することで、第1ピストン11を戻した後に固定機能を解除することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、出力ロッド7がワーク100に当接した状態(第1動作)でも、当接していない状態(抜止めリング37aが蓋4に当接した状態:第2動作)でも、出力ロッド7の先端から第1油圧室31の油圧により増幅された推力を出力することができる。
次に、シリンダ装置1の第1機構部1A側のエアハイドロ機構を用いたプレス加工について説明する。
図7(a)は、シリンダ装置1を用いてプレス加工(抜き加工)を行う例を説明するための図である。
図示しないプレス装置は、出力方向を下方にしてシリンダ装置1を固定している。
出力ロッド7の先端には、抜き型用の工具であるパンチ71が出力ロッド7と同軸に固定されており、その下方には、下から設置台73、ワーク100、治具72の順で設置されている。これらは、ワーク設置手段として機能している。
パンチ71は、円柱形状を有しており、金属板で構成されたワーク100に円形の孔を開ける金型である。
治具72は、パンチの際に、ワーク100を設置台73に押圧してワーク100を固定する部材であって、パンチ71を通過させる貫通孔が形成されている。
設置台73にも、パンチする際にパンチ71を逃がす貫通孔が形成されている。
以上の構成において、シリンダ装置1は、次の順でプレス加工を行う。なお、以下の(1)〜(4)の説明は、図7(a)の(1)〜(4)に対応している。
(1)まず、第2機構部1B側の吸排気口105を開放し、第1機構部1A側の吸排気口5からエアを供給することで、シリンダ装置1を初期状態とし、これによってパンチ71を後退させて、設置台73の上にワーク100と治具72を所定位置に設置する。
(2)次に、治具72でワーク100を設置台73に押圧して固定する。そして、吸排気口5を開放し、吸排気口105からエアを供給する。
すると、エアによる駆動で図4で説明した第1動作により、出力ロッド7が出力方向に前進し、パンチ71の先端がワーク100に当接する。
(3)パンチ71の先端がワーク100に当接すると、吸排気口105からのエア供給によって、図4(b)で説明したように、第2油圧室32内の圧力が高まり、薄肉部15が径方向に弾性変形することで、ピストンハウジング60全体がシリンダ2に固定される。吸排気口5の開放と吸排気口105からのエア供給を継続すると、図4(c)で説明したように、第1空圧室21が加圧され、これにより第1ピストン11の第1ロッド50の先端が第1油圧室31の油圧力を増幅し、この増幅された油圧力で出力ロッド7が駆動される。これにより、強い力でパンチ71がワーク100に押しつけられて、ワーク100が穿孔される。このようにプレス装置は、プレス手段を備えている。
(4)ワーク100に孔が開けられると、吸排気口105を開放して吸排気口5からエアを供給し、エア駆動によりパンチ71を引き上げ、次いでワーク100を所定位置から離脱する。このようにプレス装置は、離脱手段を備えている。
図7(b)は、シリンダ装置1を用いたプレス加工でワーク100に凹部を形成する例を説明するための図である。
オス金型74は、円柱形状を有するオス型の金型であって、先端に凹部を形成するための突起部が形成されており、出力ロッド7に同軸に取り付けられている。
メス金型75は、メス型の金型であって、オス金型74の突起部を受ける凹部が形成されている。
以上の構成において、シリンダ装置1は、次の順でプレス加工を行う。
(1)まず、第2機構部1B側の吸排気口105を開放し、第1機構部1A側の吸排気口5からエアを供給することで、シリンダ装置1を初期状態とし、これによってオス金型74を後退させて、メス金型75の上にワーク100と治具72を設置する。
(2)次に、治具72でワーク100をメス金型75に押圧して固定する。そして、吸排気口5を開放して吸排気口105からエアを供給する。すると、エアによる駆動で出力ロッド7が出力方向に前進し、オス金型74の先端がワーク100に当接する。
(3)オス金型74の先端が当接すると、吸排気口105からのエア供給によって、第2油圧室32内の圧力が高まり、薄肉部15の弾性変形でピストンハウジング60全体がシリンダ2に固定される。
吸排気口5の開放状態を維持しながら、吸排気口105からエア供給を継続すると、第1空圧室21が加圧され、これにより第1ピストン11の第1ロッド50の先端が第1油圧室31の油圧力を増幅し、この増幅された油圧力で出力ロッド7が駆動される。これにより、強い力でオス金型74の先端がワーク100に押しつけられて、ワーク100に凹部が形成される。
(4)ワーク100に凹部が形成されると、吸排気口105を開放し、第1機構部1A側の吸排気口5からエアを供給し、エア駆動によりオス金型74を引き上げる。
次に第2実施形態について説明する。
(3)第2実施形態の概要
第2実施形態のシリンダ装置1bでは、第1実施形態と同様に、中央ピストン12と第1機構部1A、第2機構部1Bをスラスト方向に大きく移動させる移動機能と、移動後にピストンハウジング60、160をシリンダ2に固定する固定機能、エアハイドロ機構により増幅された大きな油圧力(推力)を発生させる油圧出力機能の3機能を実現し、移動機能、固定機能による動作と、その後の油圧出力機能による動作とを別々に行うことができるように構成されている。この固定機能は、第2油圧室32、132の油圧の増加により、ピストンハウジング60、160の薄肉部15、115が膨張してシリンダ2をクランプすることで実現している。
この第2実施形態では、第2油圧室32、132の油圧の増加によって、薄肉部15、115が軸方向(スラスト方向)に伸びることを抑制し、径方向(ラジアル方向)に膨張するようにしたものである。すなわち、軸方向の伸びを抑制する伸張抑制手段として、薄肉部15、115をその両端側から、それぞれ、伸止めボルト34g、134gで固定する。伸止めボルト34gは、薄肉部15の両端側の厚肉部、又は、薄肉部15の両端を挟むように配設される蓋39と蓋34とを固定することで、距離固定手段として機能している。同様に、伸止めボルト134gは、薄肉部115の両端側の厚肉部、又は、薄肉部115の両端を挟むように配設される蓋139と蓋134とを固定することで、距離固定手段として機能している。
また、これらの伸止めボルト34g、134gによる締め付けにより薄肉部15、115が縮むことを防止するために、薄肉部15、115の両端側の厚肉部、又は、薄肉部15、115の両端の間に、それぞれ、スペーサー80、180を配設する。
(4)第2実施形態の詳細
図8は、第2実施形態におけるシリンダ装置1bの一部を表したものである。
図9は、シリンダ装置1bの第1機構部1Aを構成する部品の一部を表したものである。
本実施形態のシリンダ装置1bも、第1機構部1Aと第2機構部1Bとが対称に形成されているので、符号および図面の表記については第1実施形態と同様に表示し、第1実施形態と同一部部については同一の符号を付して適宜その説明を省略し、第2実施形態特有の箇所を中心に説明する。
また、第1実施形態における説明と同様に、第1機構部1A側を使用してその出力ロッド7から推力を出力する場合について説明することとし、出力ロッド7の先端面側を出力側、第2機構部1B側の出力ロッド107の先端面側を、吸排気口105からエアが入力される側であるため入力側と呼ぶこととする。
図8に示すように、第2ハウジング62における入力側の端部には、周上に配置された複数のボルト39aによって、蓋39が固定されている。
図9(a)に示すように、この蓋39は、ボルト39aによって第2ハウジング62の厚肉部(入力側)に固定されるフランジ部と、第2ハウジング62の厚肉部(入力側)よりも第2ハウジング62の内側(中心側)に張り出した張出部を備えている。
この蓋39の張出部の先端側(出力側)には、後述するスペーサー80の軸方向の一部が嵌入される、管状の小径凸部39gが形成されている。
また、蓋39の張出部には、凹部39dの底部から張出部を貫通する貫通孔39fが4箇所形成されている。
この貫通孔39fの内周面には、伸止めボルト34g用と緩み止めボルト39h用の雌ねじが形成されている。貫通孔39fには、出力側から入力側の方向に伸止めボルト34gが、その反対側から緩み止めボルト39hが螺合される。
伸止めボルト34gは、蓋34側から挿入されて、その頭部で蓋34に固定されると共に、先端のネジ部が蓋39の貫通孔39fに螺合されることで、蓋34と蓋39との距離を固定し、これによって第2ハウジング62の薄肉部15が軸方向に伸びることを抑止している。
一方、緩み止めボルト39hは、蓋39の凹部39d側から、その先端部が伸止めボルト34gの先端部に当接し、伸止めボルト34gを出力方向に付勢するまで、貫通孔39fにねじ込まれる。これにより、第2油圧室32の加圧による薄肉部15の膨張と、減圧による収縮が繰り返されて発生する伸縮荷重により伸止めボルト34gに緩みが生じることが回避される。
なお、蓋39に形成した貫通孔39fと連通孔39cは、図9(a)では同一面上に存在するように表示しているが、実際の位置関係は同一平面ではなく、4つの貫通孔39fと2つの連通孔39cは互いに干渉を避けた位置に形成されている。貫通孔39fに螺合される伸止めボルト34gと、連通孔39cに挿通されるカラー28の位置関係は、図9(d)で後述する通りである。
また蓋34における連通孔34dの径方向外側には、伸止めボルト34gが挿通される貫通孔34fが4箇所形成されている(図9(a)参照)。
上述したように、貫通孔34fに挿通された伸止めボルト34gは、その頭部で蓋34に固定されると共に、先端のネジ部が蓋39の貫通孔39fに螺合されると共に、蓋39に螺合された緩み止めボルト39hで出力方向に付勢されている。
この伸止めボルト34gは、第2ハウジング62の薄肉部15が内部の第2油圧室32の圧力により、径方向の膨張だけでなく、軸方向にも伸びてしまうことを抑制するために使用されるが、逆に、締め付けによって薄肉部15が軸方向に縮んでしまう恐れがある。この、軸方向の縮みを防止するために、第2ハウジング62の内部で、蓋39の張出部と蓋34の張出部の間にスペーサー80が配置されている。
すなわち、第2ハウジング62の両端に配置され、内部に張り出す張出部を有する蓋39と蓋34間の距離を一定に保つために、伸止めボルト34gとスペーサー80が使用され、補助的に緩み止めボルト39hが使用されている。蓋39と蓋34間の距離が一定に保たれることで、蓋39、蓋34が固定されて第2ハウジング62の長さが一定に保たれている。
図9(b)〜(d)はスペーサー80について表したもので、(b)は出力側からみた斜視図、(c)は入力側からみた斜視図、(d)はスペーサー80と他部品との配置関係を表した説明図である。
図9に示されるように、スペーサー80には、貫通孔80a、油通路80b、U字溝80c、U字溝80dが形成されている。油通路80b、U字溝80c、U字溝80dは、それぞれが干渉を避けた位置に形成されている。
貫通孔80aは、スペーサー80の中央に軸方向に貫通形成されている。この貫通部80aには、図9(d)に示すように、その中央から順に、吸排気路8bを有する第3吸排気ロッド8a、第2ロッド58の小径部が貫通し、更に外側に、段部58a(第2ロッド58)を間隔とする第2油圧室32をおいて、蓋39の小径凸部39gが途中(油通路80bの溝底面)まで挿通されている。
油通路80bは、出力側の面に径方向に等間隔に形成された溝である。スペーサー80は、図8に示すように、その貫通孔80aに蓋39の小径凸部39gが、油通路80bの溝底面の位置(若しくは手前位置)まで挿通されている。これにより、第2ロッド58の段部58aが出力方向に移動した場合に、第2ロッド58の小径部外周面と蓋39の貫通孔内周面との間に存在する油(第2油圧室32)が、油通路80bを通ってスペーサー80の外側に移動し、第2油圧室32内の圧力が上昇する。
U字溝80cとU字溝80dは、それぞれカラー28と伸止めボルト34gを配設するための溝で、スペーサー80の全長にわたって形成されている。それぞれ配設されるカラー28とボルト34gの数に応じて、U字溝80cは対向する2箇所に、U字溝80dは4箇所に形成されている。
このU字溝80c、U字溝80dを、スペーサー80の全長に渉る貫通孔ではなく、外周面側が開放されたU字溝としたのは次の理由による。すなわち、カラー28、伸止めボルト34gを配設した後に第2油圧室32内に油を充填するが、貫通孔だとカラー28等と貫通孔との間にエアが残留してしまうのに対し、U字溝80c、80dとすることで開放された外周面側からエアの残留を無くすことができるためである。
以上のように構成された第2実施形態におけるシリンダ装置1bの動作については、第1実施形態で説明した第1動作、第2動作と同じであり、図7で説明したプレス加工についても同様である。
但し、第2実施形態では、伸張抑制手段として機能する伸止めボルト34とスペーサー80を配設しているので、第2油圧室32の油圧の増加により第2ハウジング62の軸方向の伸びを抑制して、薄肉部15が確実に径方向に膨張してシリンダ2をクランプすることができる。
すなわち第1動作において出力ロッド7の先端がワーク100に当接した状態、及び、第2動作において抜止めリング37aが蓋4に当接した状態において、第1機構部1A側のピストンハウジング60が移動停止した状態となる。
この移動停止状態において、吸排気口105からエアを供給すると、第2機構部1B側の第2空圧室122内の圧力が更に上昇して、中央ピストン12と中央ロッド58が出力方向に移動し、第2油圧室32は段部58aで押圧され、内部圧力が上昇する。
第2油圧室32の上昇した油圧に対して、第2ハウジング62の薄肉部15は、その両端の蓋39と蓋34が伸止めボルト34gとスペーサー80で止められているので、内部圧力の上昇によっては長手方向の伸張が抑止されている。
このため、第2ハウジング62の薄肉部15は、第2油圧室32の油圧上昇によって、径方向に膨張するように弾性変形し、シリンダ2に固定される。
これにより、ピストンハウジング60は、移動が停止しているだけの状態から、薄肉部15でシリンダ2に固定された状態となる。
一方、第1動作、第2動作の後に初期状態に戻す際には、第2機構部1B側の吸排気口105を開放した状態で、第1機構部1A側の吸排気口5から所定圧力でエアを供給する。
そして、第2開閉弁53が開いた状態において、吸排気孔5から供給されたエアが、第2空圧室22に供給されることで、中央ピストン12と中央ロッド58は入力側に移動する。これにより、第2油圧室32内の圧力が下がって薄肉部15の膨張が元に戻り、ピストンハウジング60によるシリンダ2に対する固定状態が解除される。
そして、中央ピストン12と中央ロッド58が入力側に移動し、中央ピストン12を含む両機構部1AB全体が入力側に移動し、初期状態となる。
以上の通り、第2実施形態のシリンダ装置1bによれば、第1動作や第2動作において薄肉部15の径方向の膨張により固定機能を実現し、その後薄肉部15の膨張が戻って初期状態に戻る。
このように、薄肉部15の膨張と収縮が繰り返されることで、伸止めボルト34gに伸縮荷重が発生する。
しかし伸止めボルト34gは、その先端部が蓋39側から緩み止めボルト39hで出力方向に付勢されているので、伸縮荷重が発生したとしても、緩むことが回避される。
以上に説明した各実施の形態により、次のような効果を得ることができる。
(1)シリンダ2内に、2つのエアハイドロ機構(第1機構部1Aと第2機構部1B)を、中央ピストン12を中心とし長手方向に対称に形成したので、シリンダ2の両端に配置した2つの吸排気口5、105の何れか一方からエアを供給し他方側を開放することで、軸方向の両方向の油圧力を発生させることができる。
(2)また、シリンダ装置1では、中央ピストン12と両機構部1AB全体をスラスト方向に大きく移動させる移動機能と、移動後にピストンハウジング60、160をシリンダ2に固定(内側からクランプ)する固定機能、エアハイドロ機構により増幅された大きな油圧力(推力)を発生させる油圧出力機能の3機能を実現することができる。
これにより通常のエアシリンダとして動作し必要なストロークを確保(移動機能)すると共に必要な推力を発生(油圧出力機能)することができる。
そして、シリンダ装置1では、ピストンハウジング60、160の移動機能による動作、固定機能による動作、固定後の油圧出力機能による動作とを別々に行うことができる。
(3)そして、弁球9a、開閉ロッド9c等による小口部58cの第1開放弁を設けているので、常に固定機能によるクランプ動作完了後に、油圧出力機能による推力を発生させることができ、また外部でのエア供給切り替えの必要が無く、クランプから推力発生への動作順序を間違うことなく自動的に切り替えることが可能となる。
また、第2開閉弁53を配設するので推力発生後に初期状態へ戻す時にも、外部でのエア供給切り替えの必要が無く、第1ピストン11が初期状態に戻った後、クランプを解除する動作順序を間違うことなく自動的に切り替えることが可能となる。
(4)また、シリンダ装置1のストロークを長くすることができ、大きく移動する際(移動機能)にはエアで動作し早送りにし、出力ロッド7がワークに当接した後、クランプ力が必要になった時に自動的に油圧力を発生するので、通常の油圧シリンダよりも動作時間を短縮できる。
(5)エアピストンと油圧ピストンを巧みに組み合わせてエアハイドロ機構を内蔵することにより、ワーク100に当接するまではエアピストンとして動作させ、ワーク100に当接してからは油圧シリンダとして動作させることができ、油圧ポンプ等の個別付帯設備や施工に手間が掛る油圧配管等が必要ないエア供給のみで、エアピストンによる長いストロークの移動と油圧ピストンの特徴である大きな推力の両方を実現することができる。
(6)ラジアル方向の力を油圧により増大させて油圧ピストンを固定することができるため、強固に固定することができる。
(7)シリンダ2内に第1機構部1Aまたは第2機構部1Bを固定することにより、エアハイドロ機構で発生した油圧の大きな力を外部に出力することができる。
(8)必要なストロークのほとんどをエア供給によるエア駆動でカバーし、必要最小限のストロークをエア供給による油圧駆動で行うため、油圧ピストンのストローク量が小さくてすみ、そのため、油の遺漏による損耗を最小限に抑えることができる。
また、エア供給のみで稼働できるので別途油圧供給装置を必要とせず、さらにコストが掛る油圧配管も必要としないため設備コストを最小限にすることができる。
(9)エア供給によりエアシリンダのピストン部分としてピストンハウジング60を必要なストロークだけ動かした後、薄肉部15の径方向の弾性変形によってスラスト方向の力をラジアル方向の力に変換してピストンハウジング60をシリンダ2内で固定することができる。この際に薄肉部15は、伸止めボルト34gとスペーサー80により軸方向の変形を規制され、径方向にのみ弾性変形するため、確実にピストンハウジング60を固定することができる。
1 シリンダ装置 2 シリンダ
2a〜2d 摺動補助リング 4、27、34、39 蓋
4a ボルト 5、105 吸排気口
7 出力ロッド 7a 空洞部
8 給気ロッド 8a 貫通孔
8b 径方向貫通孔 9 第1開閉弁
9a 弁球 9b コイルバネ
9c 開閉ロッド 11 第1ピストン
12 中央ピストン 12a 突出部
12b フランジ部 12c 凹部
12d 貫通孔 13 第3ピストン
15 薄肉部 21 第1空圧室
22 第2空圧室 29 抜止めリング
31 第1油圧室 32 第2油圧室
33 コイルバネ 36 コイルバネ
37a 抜止めリング 38 給油口栓
41 第3空圧室(駆動用空圧室) 50 第1ロッド
53 第2開閉弁 53a 開閉ロッド
53b コイルバネ 58 中央ロッド
60 ピストンハウジング 61 第1ハウジング
62 第2ハウジング 63 第3ハウジング
64 第4空圧室 71 パンチ
72 治具 73 設置台
74 オス金型 75 メス金型
100 ワーク
34f 貫通孔 34g 伸止めボルト
39f 貫通孔 39h 緩み止めボルト
80 スペーサー 80a 貫通孔
80b 油通路 80c、80d U字溝

Claims (14)

  1. シリンダと、
    前記シリンダ内に配設された中央ピストンと、
    前記中央ピストンの一方の側に配設されて前記一方の側方向を出力方向とする第1機構部と、
    前記中央ピストンの他方の側に配設されて前記他方の側方向を出力方向とし、前記中央ピストンを中心として前記第1機構部と対称に形成された第2機構部と、
    前記シリンダの軸方向における両端側のそれぞれに配置され、エアの吸排気を行う吸排気口と、
    前記吸排気口のそれぞれに対応して前記シリンダの両端側に配置され、一方側の前記吸排気口から供給されるエアにより、前記中央ピストンと前記2つの機構部を、他方側の前記吸排気口方向に移動させる駆動用空圧室と、
    を備え、
    前記第1機構部と前記第2機構部のそれぞれは、
    前記シリンダ内に配設され、前記シリンダ内を軸方向に移動可能な出力側ハウジングと、
    前記出力側ハウジングの前記中央ピストン側に固定され、前記出力側ハウジングとともに移動する中央側ハウジングと、
    前記中央側ハウジングに配設され、前記出力側ハウジングと中央側ハウジングを流体圧力により前記シリンダに固定する固定機構部と、
    前記出力側ハウジングに配設され、前記固定機構部による固定がされた状態で、増幅された流体圧力による推力を出力するエアハイドロ機構と、
    を具備したことを特徴とするシリンダ装置。
  2. 前記固定機構部は、
    前記中央ハウジングの周面の一部を構成する薄肉部と、
    前記薄肉部により周面が構成され、充填された流体の圧力増加により前記薄肉部を径方向に膨張させて、前記中央側ハウジングを前記シリンダに対して固定させる第2流体室と、
    前記中央シリンダに接続され、前記中央シリンダの移動により、前記第2流体室の圧力を増加させる中央ロッドと、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
  3. 前記エアハイドロ機構は、
    エアが供給される第1空圧室と、
    前記第1空圧室の1面を構成する空圧受面を有する第1ピストンと、
    前記第1ピストンに配設され、前記空圧受面よりも小面積のロッド端面を有する第1ロッドと、
    前記第1ロッドの前記出力端面により1面が形成される第1流体室と、
    前記第1流体室の他の1面を構成し、前記第1ロッドの端面よりも大きな流体圧受面を有する出力ピストンと、
    前記出力ピストンに配設され、前記第1流体室の圧力により外部へ推力を出力する出力ロッドと、
    を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリンダ装置。
  4. 前記第1流体室、第2流体室の少なくとも一方が油圧室で構成される、
    ことを特徴とする請求項3に記載のシリンダ装置。
  5. 前記中央ピストンの両側に配置され、前記中央ピストンの一面と前記中央側ハウジングとの間に形成される第2空圧室と、
    前記駆動用空圧室のエアを、前記中央ピストンの当該駆動用空圧室側に形成された前記第2空圧室に供給する、固定用エア通路と、
    前記第2空圧室のエアを、前記中央ピストンを貫通して反対側の前記第1空圧室に供給する出力用エア通路と、
    前記出力用エア通路上に配設され、前記固定機構部が前記出力側ハウジングと前記中央側ハウジングを前記シリンダに固定した状態において、前記第1エア通路出力用エア通路を開状態にする第1開閉弁と、
    を備えることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のシリンダ装置。
  6. 前記固定用エア通路上に配設され、前記第1ピストンの移動に応じて、前記固定用エア通路を閉じる第2開閉弁、
    を備えることを特徴とする請求項5に記載のシリンダ装置。
  7. 請求項6に記載のシリンダ装置と、
    前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、
    前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドに装着した工具で前記設置したワークをプレスするプレス手段と、
    前記プレスしたワークを前記所定位置から離脱する離脱手段と、
    を具備したことを特徴とするプレス装置。
  8. 請求項6に記載のシリンダ装置と、
    前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、
    前記シリンダ装置を駆動して、前期出力ロッドで前記設置したワークを押圧しクランプする手段と、
    前記クランプしたワークを前記所定位置から離脱する手段と、
    を具備したことを特徴とするワーククランプ装置。
  9. 請求項6のシリンダ装置により、前記中央ピストンの両側に形成された前記第1機構部と前記第2機構部のうちの一方の機構部側から出力方向の推力を出力するシリンダ装置動作方法であって、
    前記一方の機構部側の吸排気口を開放し、他方の機構部側の吸排気口からエアを供給することで、前記第1機構部、前記第2機構部及び前記中央ピストンを、前記一方の機構部の出力ロッドが押圧対象に当接するまで、又は、前記一方の機構部が前記シリンダにおける前記移動方向側の端部に到達するまで、移動させる第1ステップと、
    前記他方の機構部側の吸排気口から更にエアを供給して、前記一方の機構部における固定機構部を動作させて、当該一方の機構部を前記シリンダに固定する第2ステップと、
    前記他方の機構部側の吸排気口から更にエアを供給して、前記一方の機構部におけるエアハイドロ機構を動作させ、増幅された流体圧力による推力を、前記一方の機構部側の出力ロッドから前記押圧対象に出力第3ステップと、
    前記一方の機構部側の吸排気口からエアを供給し、前記他方の機構部側の吸排気口を開放して、前記第1機構部、前記第2機構部及び前記中央ピストンを初期状態に復帰させる第4ステップと、
    を有することを特徴とするシリンダ装置動作方法。
  10. 請求項7のプレス装置を動作させて、前記中央ピストンの両側に形成された前記第1機構部と前記第2機構部のうちの一方の機構部側から出力方向の推力を出力してワークをプレスする方法であって、
    前記一方の機構部側の所定位置にワークを設置する第1ステップと、
    前記一方の機構部側の吸排気口を開放し、他方の機構部側の吸排気口からエアを供給することで、前記第1機構部、前記第2機構部及び前記中央ピストンを、前記一方の機構部の出力ロッドが前記ワークに当接するまで移動させる第2ステップと、
    前記他方の機構部側の吸排気口から更にエアを供給して、前記一方の機構部における固定機構部を動作させて、当該一方の機構部を前記シリンダに固定する第3ステップと、
    前記他方の機構部側の吸排気口から更にエアを供給して、前記一方の機構部におけるエアハイドロ機構を動作させ、増幅された流体圧力により、前記一方の機構部側の出力ロッドに装着した工具がワークを流体圧力で押圧し、ワークをプレスする第4ステップと、
    前記一方の機構部側の吸排気口からエアを供給し、前記他方の機構部側の吸排気口を開放して、前記一方の機構部側の前記出力ロッドと共に前記出力ロッドに装着した工具を空圧力で前記ワークから離脱させる第5ステップと、
    プレスが完了したワークを所定の位置から離脱する第6ステップと、
    を有することを特徴とするワークのプレス方法。
  11. 請求項8のワーククランプ装置を動作させて、前記中央ピストンの両側に形成された前記第1機構部と前記第2機構部うちの一方の機構部側から出力方向の推力を出力してワークを所定位置にクランプする方法であって、
    前記一方のエアハイドロ機構側の所定位置にワークを設置する第1ステップと、
    前記一方の機構部側の吸排気口を開放し、他方の機構部側の吸排気口からエアを供給することで、前記第1機構部、前記第2機構部及び前記中央ピストンを、前記一方の機構部の出力ロッドが前記ワークに当接するまで移動させる第2ステップと、
    前記他方の機構部側の吸排気口から更にエアを供給して、前記一方の機構部における固定機構部を動作させて、当該一方の機構部を前記シリンダに固定する第3ステップと、
    前記他方の機構部側の吸排気口から更にエアを供給して、前記一方の機構部におけるエアハイドロ機構を動作させ、増幅された流体圧力により、前記一方の機構部側の出力ロッドがワークを流体圧力で押圧し所定の位置にクランプする第4ステップと、
    前記一方の機構部側の吸排気口からエアを供給し、前記他方の機構部側の吸排気口を開放して、前記クランプしたワークを前記所定位置から離脱する第5ステップと、
    を有することを特徴とするワークのクランプ方法。
  12. 前記固定機構部は、
    前記薄肉部と共に前記第2流体室を形成する、前記中央側ハウジングの両端に固定された蓋と、
    前記中央側ハウジングの一方側の蓋と他方側の蓋との間の距離を固定する距離固定手段と、
    を具備したことを特徴とする請求項2に記載のシリンダ装置。
  13. 前記距離固定手段は、前記第2流体室内を貫通し、前記出力側ハウジングに設けた前記一方側の蓋と前記他方側の蓋とをボルトで固定する、
    ことを特徴とする請求項12に記載のシリンダ装置。
  14. 前記距離固定手段は、前記第2流体室内に配置され、前記一方側の蓋と前記他方側の蓋との間に当接して配置されたスペーサーを有する、
    ことを特徴とする請求項13に記載のシリンダ装置。
JP2019152506A 2018-09-26 2019-08-23 シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのプレス方法、及びワークのクランプ方法 Pending JP2020056500A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018180231 2018-09-26
JP2018180231 2018-09-26

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020056500A true JP2020056500A (ja) 2020-04-09

Family

ID=70106893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019152506A Pending JP2020056500A (ja) 2018-09-26 2019-08-23 シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのプレス方法、及びワークのクランプ方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020056500A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114483270A (zh) * 2021-12-27 2022-05-13 浙江零跑科技股份有限公司 一种发动机排气热量再利用装置
CN116989028A (zh) * 2023-09-27 2023-11-03 贵州乌江水电开发有限责任公司 一种水电站挡风板支撑装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114483270A (zh) * 2021-12-27 2022-05-13 浙江零跑科技股份有限公司 一种发动机排气热量再利用装置
CN114483270B (zh) * 2021-12-27 2023-03-21 浙江零跑科技股份有限公司 一种发动机排气热量再利用装置
CN116989028A (zh) * 2023-09-27 2023-11-03 贵州乌江水电开发有限责任公司 一种水电站挡风板支撑装置
CN116989028B (zh) * 2023-09-27 2023-12-01 贵州乌江水电开发有限责任公司 一种水电站挡风板支撑装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108621459B (zh) 缸装置、冲压装置、工件夹持装置、缸装置的工作方法、工件的夹持方法及工件的冲压方法
JP2020056500A (ja) シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのプレス方法、及びワークのクランプ方法
JP4895342B2 (ja) 流体圧シリンダ
CN108626197B (zh) 缸装置、冲压装置、工件夹持装置、缸装置的工作方法、工件的夹持方法及工件的冲压方法
JP2018017269A (ja) 増力機構付き流体圧シリンダ
JP2007085492A (ja) 増圧型流体圧シリンダ
JP2020056499A (ja) シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのプレス方法、及びワークのクランプ方法
JP2018003958A (ja) プッシュ型流体圧シリンダ及びリンク式クランプ装置
JP2019002540A (ja) 逆止め弁付シーケンス弁
US6398100B1 (en) Back-up clamp
JP2006263753A (ja) 液圧成形方法と装置
US20200096014A1 (en) Cylinder device, pressmachine, workpiece clamping apparatus, cylinder device actuating method, method for pressing workpiece, and method for clamping workpiece
JP2012137106A (ja) 増圧シリンダ装置
JP4929514B2 (ja) チャック装置
KR101950873B1 (ko) 공압실린더장치
JP6999439B2 (ja) シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法
JP2019044965A (ja) シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法
JP6997015B2 (ja) シリンダ装置、プレス装置、ワーク接合装置、ワーク固定装置、シリンダ装置動作方法、ワークプレス方法、ワーク接合方法、及びワーク固定方法
JP7058134B2 (ja) シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法
JP7058135B2 (ja) シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法
CN108621460B (zh) 缸装置、冲压装置、工件夹持装置、缸装置的工作方法、工件的夹持方法及工件的冲压方法
JP2645943B2 (ja) 増圧型流体圧シリンダ
JP6761735B2 (ja) 流体圧シリンダ
KR20080052079A (ko) 튜브링 일체형 시험장치
JP2020076495A (ja) 推力拡大装置