JP2019044965A - シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法 - Google Patents

シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019044965A
JP2019044965A JP2018156271A JP2018156271A JP2019044965A JP 2019044965 A JP2019044965 A JP 2019044965A JP 2018156271 A JP2018156271 A JP 2018156271A JP 2018156271 A JP2018156271 A JP 2018156271A JP 2019044965 A JP2019044965 A JP 2019044965A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
chamber
hydraulic
piston
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2018156271A
Other languages
English (en)
Inventor
茂弘 荒井
Shigehiro Arai
茂弘 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Publication of JP2019044965A publication Critical patent/JP2019044965A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Jigs For Machine Tools (AREA)
  • Supply Devices, Intensifiers, Converters, And Telemotors (AREA)
  • Press Drives And Press Lines (AREA)

Abstract

【課題】ストロークが大きく大きな推力を、軸方向の両方向に発生させることが可能なエアハイドロシリンダを用いたシリンダ技術を提供する。【解決手段】シリンダ2内に、2つのエアハイドロ機構A、Bを、図1の左右対称に形成する。両エアハイドロ機構Aの空圧室20aは、互いに連通する、第1ピストン6を加圧する第1空圧室21aと、第2ピストン12aを加圧する第2空圧室22aから構成されている。油圧発生部55aは、第1ピストン6を介して第1空圧室21aにより加圧される第1油圧室31aと、第2ピストン12aを介して第2空圧室22aにより加圧される第2油圧室32aを有する。第2油圧室32aは、油圧によって薄肉部15aをラジアル方向に弾性変形させ、移動する油圧発生部55aをシリンダ2内で固定する。第1油圧室31aは、固定により高まった第1油圧室31aの油圧を出力ロッド7aに出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法に関し、例えば、流体圧シリンダを用いたものに関する。
エア(気体)や油(液体)といった流体を用いた流体圧シリンダが工業の広い分野で利用されている。
これら流体圧シリンダは、流体の圧力でシリンダ内のピストンに推力を発生させることにより、例えば、プレスやアクチュエータの駆動など、様々な機械的な動作の原動となることができる。
例えば、特許文献1では、エアシリンダと油圧シリンダを組み合わせたエアハイドロシリンダによってエア圧で油圧を発生させることにより、複雑で大がかりな油圧系を省略し、低コストで小型化が可能な流体圧シリンダを提案している。
しかし、従来のエアハイドロシリンダは、いずれも押圧力を発揮することができる方向が片側(一方向)だけの片側タイプである。
このため、エアハイドロシリンダを使用して両方向に大きな推力を発生させようとする場合、2個の片側タイプを背面合せにする方法が考えられる。
この場合、全体の軸方向の長さが長くなると共に、エアの吸排気口がそれぞれ2個ずつの合計4個必要になり、装置が大型化してしまうという問題があった。
また、特許文献1の技術では、エアシリンダのピストンの移動量を油圧シリンダの端面積に対応させて推力を発生させるため、ストロークが短いという問題があった。
例えば、エアハイドロシリンダの出力側にアクチュエータを装着した場合、ストロークを確保するためには、アクチュエータをエアハイドロシリンダごと移動する必要があった。
特許第4895342号公報
本発明は、ストロークが大きく大きな推力を、軸方向の両方向に発生させることが可能なエアハイドロシリンダを用いたシリンダ技術を提供することを目的とする。
(1)請求項1に記載の発明では、シリンダと、前記シリンダの軸方向における両端側のそれぞれに配置された吸排気口と、前記シリンダ内で前記両吸排気口の間に配設された第1ピストンと、前記第1ピストンを中心として対称に、前記第1ピストンの両側に形成されたエアハイドロ機構と、を備え、前記第1ピストンを中心として対称に形成され、それぞれ前記第1ピストンから軸方向で外側の方向に油圧力を出力する2つのエアハイドロ機構と、を備え、前記両エアハイドロ機構のそれぞれは、前記第1ピストンよりも外側に配設され、前記第1ピストンの反対側に配設された前記吸排気口から供給されるエアにより加圧される空圧室と、前記空圧室よりも外側に配設され、前記空圧室の圧力で前記シリンダ内を外側方向に移動する油圧室と、前記空圧室が前記油圧室に与える軸方向の力から径方向の力を発生させ、当該径方向の力によって前記油圧室を前記シリンダ内に固定する固定手段と、前記空圧室が前記固定した油圧室に発生させる油圧を増幅する油圧増幅手段と、前記増幅した油圧を前記第1ピストンから離れる方向に出力する出力ロッドと、を具備したことを特徴とするシリンダ装置を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記油圧室は、前記空圧室が前記油圧室に与える外側方向の力と、前記出力ロッドが前記油圧室に与える内側方向の力と、を受けて油圧を発生させることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記油圧室は、前記出力ロッドが設けられた第1油圧室と、前記固定手段が設けられた第2油圧室と、から構成されており、前記固定手段は、前記第2油圧室の油圧によって前記径方向の力を発生させて前記第2油圧室と前記第1油圧室を固定し、前記油圧増幅手段は、前記第1油圧室に発生した油圧を増幅して前記出力ロッドに出力することを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のシリンダ装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記固定手段は、前記径方向の力によって弾性変形した前記第2油圧室の側壁を前記シリンダの内壁に押圧することにより前記第2油圧室と前記第1油圧室を固定することを特徴とする請求項3に記載のシリンダ装置を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、前記固定手段は、前記第2油圧室に発生した油圧で、軸方向に移動するテーパ部材をクランパに押圧することにより径方向の力を発生させ、当該力によって前記クランパを前記シリンダの内壁に押圧することにより前記第2油圧室と前記第1油圧室を固定することを特徴とする請求項3に記載のシリンダ装置を提供する。
(6)請求項6に記載の発明では、前記第1油圧室は、前記出力ロッドを外側方向に押圧する第3ピストンを備え、前記第3ピストンを前記内側方向に付勢する付勢手段を具備したことを特徴とする請求項3、請求項4、又は請求項5に記載のシリンダ装置を提供する。
(7)請求項7に記載の発明では、前記第3ピストンは、前記第1油圧室に増幅されて発生した油圧が前記出力ロッドに働いて推力を出力する状態でも移動せず、前記出力ロッドに出力だけを伝達することを特徴とする請求項6に記載のシリンダ装置を提供する。
(8)請求項8に記載の発明では、前記第2油圧室を加圧する第2ピストンを備え、前記空圧室は、前記素1ピストンの前記油圧室と対向する側の面と反対側の面側に配置され第1ピストンを外側方向に加圧する第1空圧室と、前記第1空圧室と連通し、前記第2ピストンを外側方向に加圧する第2空圧室と、を有することを特徴とする請求項3から請求項7までのうちの何れか1の請求項に記載のシリンダ装置を提供する。
(9)請求項9に記載の発明では、前記第1ピストンは、前記第1空圧室の圧力で、前記出力ロッドが押圧対象に当接するまで、又は、前記第1油圧室が移動可能な外側方向の端部に到達するまで、前記第2空圧室、前記第1油圧室、及び前記第2油圧室を前記他端側に移動する、ことを特徴とする請求項8に記載のシリンダ装置を提供する。
(10)請求項10に記載の発明では、前記第2ピストンが前記第2油圧室に増幅した油圧を発生させる際の、前記第2ピストンの移動量が、前記第2ピストンに配設された前記第2油圧室のシール部材の弾性変形量の範囲内である、ことを特徴とする請求項9に記載のシリンダ装置を提供する。
(11)請求項11に記載の発明では、前記第1ピストンは、軸方向に貫通する貫通孔を備え、前記第1空圧室と前記第2空圧室とは、その少なくとも一部が前記貫通孔内を通る連通管により連通している、ことを特徴とする10に記載のシリンダ装置を提供する。
(12)請求項12に記載の発明では、前記第1油圧室は、前記第2油圧室よりも外側に形成されており、前記第1ピストンは、両側に、前記第2空圧室と前記第2油圧室を貫通して前記第1油圧室まで延びる第1ロッドを備え、前記第1空圧室からの圧力を受けて前記第1ロッドの外側方向の端面で前記第1油圧室を加圧する、ことを特徴とする請求項8から請求項11のうちのいずれか1の請求項に記載のシリンダ装置を提供する。
(13)請求項13に記載の発明では、前記両エアハイドロ機構の両外側方向には、対応する側の前記吸排気口から供給されるエアで当該エアハイドロ機構を内側方向に加圧する共通空圧室が配設され、一方のエアハイドロ機構における第1空圧室は、他方のエアハイドロ機構と前記シリンダとの間に形成された隙間を介して、前記他方のエアハイドロ機構を内側に加圧する共通空圧室と連通している、ことを特徴とする請求項8から請求項12に記載のシリンダ装置を提供する。
(14)請求項14に記載の発明では、請求項13に記載したシリンダ装置と、前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドで前記設置したワークを押圧しクランプする手段と、前記クランプしたワークを前記所定位置から離脱する離脱手段と、を具備したことを特徴とするワーククランプ装置を提供する。
(15)請求項15に記載の発明では、請求項13に記載のシリンダ装置と、前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドに装着した工具で前記設置したワークをプレスするプレス手段と、前記プレスしたワークを前記所定位置から離脱する離脱手段と、を具備したことを特徴とするプレス装置を提供する。
(16)請求項16に記載の発明では、請求項13のシリンダ装置により、前記第1ピストンの両側に形成された2つのエアハイドロ機構のうちの一方のエアハイドロ機構を動作させて外側方向の油圧力を出力するシリンダ装置動作方法であって、前記一方のエアハイドロ機構側の吸排気口を開放し、前記他方のエアハイドロ機構の側の吸排気口からエアを供給することで、当該他方のエアハイドロ機構と前記シリンダとの間に形成された隙間を介して、前記一方のエアハイドロ機構における第1空圧室と前記第2空圧室を加圧することで、当該第1空圧室と前記第2空圧室を外側方向に移動させ、前記出力ロッドを押圧対象に当接させ、又は、前記第1油圧室が移動可能な前記他端側の端部に到達させる、第1ステップと、前記他方のエアハイドロ機構側に配置された吸排気口から更に加圧して、前記一方のエアハイドロ機構における前記固定手段を動作させ、前記第1油圧室と前記第2油圧室をシリンダに固定する第2ステップと、前記他方のエアハイドロ機構側に配置された吸排気口から更に加圧して、前記一方のエアハイドロ機構における前記油圧増幅手段を動作させ、前記出力ロッドを前記押圧対象に押圧する第3ステップと、前記一方のエアハイドロ機構側の吸排気口からエアを供給し、前記他方のエアハイドロ機構側の吸排気口からエアを供給することで、前記前記第1油圧室と前記第2油圧室、及び前記出力ロッドを内側方向に移動させる第4ステップと、を有することを特徴とするシリンダ装置動作方法を提供する。
(17)請求項17に記載の発明では、請求項14のワーククランプ装置を動作させて、前記第1ピストンの両側に形成された2つのエアハイドロ機構のうちの一方のエアハイドロ機構によりワークを所定位置にクランプする方法であって、前記一方のエアハイドロ機構側の所定位置にワークを設置する第1ステップと、前記シリンダ装置を駆動して、前記一方のエアハイドロ機構における前記出力ロッドがワークに当接し停止するまで、又は、前記第1油圧室が移動可能な前記他端側の端部に到達し停止するまで、前記第1空圧室の圧力で移動させる第2ステップと、前記一方のエアハイドロ機構における前記固定手段により前記第1油圧室と前記第2油圧室を固定する第3ステップと、前記一方のエアハイドロ機構における前記油圧増幅手段により前記第1油圧室の油圧力が増幅される第4ステップと、第4ステップにより増幅された油圧力により、前記一方のエアハイドロ機構における前記出力ロッドがワークを油圧力で押圧し所定の位置にクランプする第5ステップと、前記一方のエアハイドロ機構側の吸排気口からエアを供給し、他方のエアハイドロ機構側の吸排気口からエアを供給することで、前記クランプしたワークを前記所定位置から離脱する第6ステップと、を有することを特徴とするワークのクランプ方法を提供する。
(18)請求項18に記載の発明では、請求項15のプレス装置を動作させて、前記第1ピストンの両側に形成された2つのエアハイドロ機構のうちの一方のエアハイドロ機構によりワークをプレスする方法であって、前記一方のエアハイドロ機構側の所定位置にワークを設置する第1ステップと、前記シリンダ装置を駆動して、前記一方のエアハイドロ機構における前記出力ロッドがワークに当接し停止するまで、又は、前記第1油圧室が移動可能な前記他端側の端部に到達し停止するまで、前記第1空圧室の圧力で移動させる第2ステップと、前記一方のエアハイドロ機構における前記固定手段により前記第1油圧室と前記第2油圧室を固定する第3ステップと、前記一方のエアハイドロ機構における前記油圧増幅手段により前記第1油圧室の油圧力が増幅される第4ステップと、第4ステップにより増幅された油圧力により、前記一方のエアハイドロ機構における前記出力ロッドに装着した工具がワークを油圧力で押圧し、ワークをプレスする第5ステップと、前記一方のエアハイドロ機構側の吸排気口からエアを供給し、他方のエアハイドロ機構側の吸排気口からエアを供給することで、前記出力ロッドと共に前記出力ロッドに装着した工具を空圧力で前記ワークから離脱させる第6ステップと、プレスが完了したワークを所定の位置から離脱する第7ステップと、を有することを特徴とするワークのプレス方法を提供する。
本発明は、第1ピストンを中心として対称に形成され、それぞれ第1ピストンから軸方向で外側の方向に油圧力を出力する2つのエアハイドロ機構を備え、各エアハイドロ機構は、空圧室によって油圧室をシリンダ内で移動させることにより、ストロークの確保と推力の確保を両立させているので、ストロークが大きく大きな推力を、軸方向の両方向に発生させることができる。
第1実施形態のシリンダ装置を説明するための図である。 第1実施形態のシリンダ装置を構成する部品図である。 第1実施形態のシリンダ装置における動作説明図である。 第1実施形態のシリンダ装置における他の動作説明図である。 第1実施形態のシリンダ装置における異なる状態の動作説明図である。 プレス加工を説明するための図である。 第2実施形態のシリンダ装置を説明するための図である。
(第1実施形態の概要)
従来のエアハイドロシリンダの場合、エアシリンダ部分では、ストロークは大きいが推力が小さいという特徴があり、油圧シリンダ部分では、ストロークは小さいが推力が大きいという特徴がある。
そこで本実施形態のシリンダ装置1(図1)では、シリンダ2内に、2つのエアハイドロ機構A、Bを、第1ピストン6を中心とし長手方向に対称に(図1に向かって左右対称に)形成する。両エアハイドロ機構A、Bは、空圧室20から成る空圧系に、油圧室30から成る油圧系をシリンダ2内でスラスト方向に移動させる機能と、移動後に油圧室30を加圧して油圧を発生させる機能を持たせることにより、必要なストロークを確保すると共に必要な推力を発生する。
なお、各図では、エアハイドロ機構A、Bの各部を表す符号を同一数字で表し、両者を区別するためにa、bを数字に付しているが、構成及び動作は方向の違い以外同じであるため、エアハイドロ機構Aについて説明する。
より詳細には、空圧室20aは、第1ピストン6を加圧する第1空圧室21aと、第2ピストン12aを加圧する第2空圧室22aから構成されている。
第1空圧室21aと第2空圧室22aは、抜止めボルト17aの内部に形成された貫通孔によって連通している。
一方、油圧発生部55aは、油圧室30aを内蔵しており、更に、油圧室30aは、第1ピストン6を介して第1空圧室21aにより加圧される第1油圧室31aと、第2ピストン12aを介して第2空圧室22aにより加圧される第2油圧室32aから構成されている。
油圧発生部55aは、シリンダ2内をスラスト方向に移動できるようになっており、第2油圧室32aは、油圧によって薄肉部15aをラジアル方向に弾性変形させ、移動する油圧発生部55aをシリンダ2内で固定する機能を有している。
第1油圧室31aは、固定により高まった第1油圧室31aの油圧を出力ロッド7aに出力する。
シリンダ装置1の動作は、以下の通りである。
まず、吸排気口600と吸排気口500の開放とエアの注入により、第1ピストン6をシリンダ2の略中央に配置し初期状態にセットする。なお、初期状態としては、何れかのエアハイドロ機構A、Bの一方を使用する場合に他方側の端部側に第1ピストン6を寄せた状態を初期状態とするようにしてもよい。
次に、吸排気口600を開放し、吸排気口500からエアを注入する。
吸排気口500から供給されるエアによって共通空圧室510が加圧されると共に、エアハイドロ機構B(他方のエアハイドロ機構に相当)のピストンハウジング14bとシリンダ2の隙間を介して第1空圧室21aが加圧され、第1ピストン6が押されて油圧発生部55aが吸排気口600の側に移動する。これにより出力ロッド7aの十分なストロークが得られる。
出力ロッド7aがワークに当接して停止すると油圧発生部55aの移動が止められる。油圧発生部55aの内部にある第2油圧室32aは、前進側(図面右側)に蓋34aが内壁として構成されており、第2空圧室22aの第2ピストン12aとで内部の油を挟んだ構造をしている。
油圧発生部55aの移動が停止して内部隔壁である蓋34aの移動が止まると、後退側(図面左側)から第2ピストン12aの第2ロッド58aにより押圧されるので内部圧力が上昇を開始する。同時に、油圧発生部55aの内部にある第1油圧室31aは、第3ピストン13aと第1ピストン6の第1ロッド50aで挟まれており、前進側の第3ピストン13aは出力ロッド7aで移動が止められた状態で、後退側から第1ロッド50aにより押圧されるので内部圧力が上昇を開始する。
次いで、第2油圧室32aの油圧圧力が上昇することにより薄肉部15aが弾性変形し、シリンダ2の内周面に当接して、摩擦によって油圧発生部55aがシリンダ2に固定される。
油圧発生部55aが固定されると、吸排気口500から供給されるエアにより、第1ピストン6と第2ピストン12が第1油圧室31aと第2油圧室32aを更に加圧する。
これにより第2油圧室32aで高まった油圧が更に薄肉部15aをシリンダ2の内周面に押圧し、より固定が堅持される。油圧発生部55aがシリンダ2に固定される力が大きいほど第1油圧室31aの油圧力によって第3ピストン13aを前進させる推力が大きくなるので、さらに高められた第1油圧室31aの油圧力が第3ピストン13aを介して出力ロッド7aに出力され、油圧による大きな推力がワークに印加される。
以上がエアハイドロ機構Aによる動作であるが、エアハイドロ機構Bによって逆方向の動作をさせることができる。
以上のようにして、シリンダ装置1は、エアシリンダ装置による長いストロークと、油圧シリンダによる大きな油圧の両方を兼ね備えることができる。
また、2つの吸排気口500、600を備えたシリンダ2内に、第1ピストン6を中心に左右対称にエアハイドロ機構A、Bを配置することで、より簡単な構成により、シリンダ2の長手方向の両方向に対する押圧力を発揮することが可能なシリンダ装置1が提供される。
(第1実施形態の詳細)
図1は、第1実施形態に係るシリンダ装置1のスラスト方向(中心線の方向)の断面図を示しており、図2は、シリンダ2内に収容される部品図を示している。
なお、図1では、図面の複雑化を避けるため一部を除き大半のOリングを省略してある。省略したOリングは、エアや油などの流体を封じる空間を構成する部材間に配設されることで、当該空間をシールし、流体の遺漏を防ぐために設置されるもので、図2の部品図では、Oリングも図示してある。
同様に図面の複雑(a)を避けるため、また、図1の断面図において断面を表す斜線を省略し、各油圧室に充填されている油部分を灰色で塗りつぶし、各空圧室に存在するエア部分に斜線を付している。各空圧室のエア部分は、吸排気口500から供給されるエア部分と、吸排気口600から供給されるエア部分とは、斜線の向きを異なる向きとすることで区別している。
シリンダ装置1では、両エアハイドロ機構A、Bの同一動作(方向は逆)によって、シリンダ2の両端部側に対しても出力(押圧力)を得ることができるので、その動作についてはエアハイドロ機構Aによる動作を中心に説明する。
また、各実施形態の説明では、エアハイドロ機構Aによる油圧力の出力を中心に説明するため、図1における吸排気口600が配設された側を一端側(前進側)といい、吸排気口500が配設された側を他端側(後退側)として説明する。そして、第1ピストン6が一端側に向かう方向を前進側方向(外側方向)、他端側に向かう方向を後退側方向(内側方向)という。
また、第1ピストン6がシリンダ2の軸方向の略中央に位置している図1に示した状態を初期状態と呼ぶことにする。
シリンダ装置1は、シリンダ2を備え、このシリンダ2の両開放端のうち一端側を蓋4aで、他端側を蓋4bで塞いで構成されており、シリンダ2の内部には、軸方向の両方向の動きに対して空気圧を受けることでシリンダ2内を摺動する第1ピストン6が配設されている。この第1ピストン6の軸方向の両側には、軸方向に延びる第1ロッド50aと第1ロッド50bが形成されている。
シリンダ装置1は、シリンダ2の軸方向のいずれの側(両側)に対しても、エアハイドロシリンダとしての出力(押圧力)を得ることができるようにするため、第1ピストン6を中心に、一端側にはエアハイドロ機構Aが、他端側にはエアハイドロ機構Bが配置されることで、軸方向(左右)対象に形成されている。なお、第1ピストン6は、エアハイドロ機構A、Bの両者の一部として機能している。
以下、エアハイドロ機構Aとエアハイドロ機構Bを構成する同一の部材には同一の符号を付け、両機構AとBを区別するためにa、bを付して説明する。
シリンダ装置1は、シリンダ2の両開放端を蓋4a、4bで塞いで構成されており、内部には、第1空圧室21aの第1ピストン6によってスラスト方向に移動する油圧発生部55aが収納(内蔵)されている。
油圧発生部55aは、ピストンハウジング14aを筐体とし、その内部に収納された第2空圧室22a、第2油圧室32a、及び第1油圧室31aなどから構成された油圧発生機能を有するアセンブリである。
油圧発生部55aは、第1空圧室21aの圧力により前進側方向に移動する。そして、第2油圧室32aは、油圧によって移動した油圧発生部55aをシリンダ2内で固定し、第1油圧室31aは、油圧発生部55aが固定されることによって内部で高まった油圧を出力ロッド7aの1方向に推進力として出力する。
なお、図1においてエアハイドロ機構Aを中心として油圧力を出力する構成と動作においては、吸排気口500(他端側)から吸排気口600(一端側)に向かう方向を外側方向、その逆を内側方向という。
このように、シリンダ装置1は、シリンダ内を空圧室の圧力で外側方向に移動する油圧室30aを備えており、当該油圧室は、出力ロッド7aが設けられた第1油圧室31aと、固定手段(薄肉部15a)が設けられた第2油圧室32aから構成されている。
なお、ピストンハウジング14a、14bの最大外径は、シリンダ2の内径よりも小さく形成されている。これにより、エアハイドロ機構として機能していない側のピストンハウジング14a又はピストンハウジング14bと、シリンダ2との隙間、及び薄肉部15a、15bの外周面に形成した軸方向凹部(後述する)は、加圧されたエアの通路となっている。
具体的には、エアハイドロ機構Aにより前進方向の動作をする場合には、加圧されたエアが後述する共通空圧室510からエアハイドロ機構Bのピストンハウジング14bの外周側と軸方向凹部を通って、第1空圧室21aを加圧する。
一方、エアハイドロ機構Bにより後退方向の動作をする場合には、加圧されたエアが後述する共通空圧室610からエアハイドロ機構Aのピストンハウジング14aの外周側と軸方向凹部を通って、第1空圧室21bを加圧する。
シリンダ装置1を構成する各部品は、その機能を満たす各種材質により構成される。例えば、シリンダやピストン、ピストンハウジング、ロッド等の部品は、材質にアルミニウム、ステンレス、鉄などの金属が使用され、リングやシール部材等についてはゴムや樹脂が使用される。
シリンダ装置1の大きさは、一例として、外径が20ミリ程度、ストローク長さが50ミリ程度であるが、これよりも大きくても、あるいは、小さくてもよい。以上が、シリンダ装置1の構成の概略である。
シリンダ2は、両端面が開放された円筒部材であって、シリンダ装置1の筐体を構成している。
シリンダ2の前進側の端部は、円柱状の部材で構成された蓋4aによって閉塞されている。
蓋4aの後退側には、シリンダ2を挿入する凹部43aが形成されており、シリンダ2の前進側端部の外周に形成された雄ネジと凹部43aの内周面に形成された雌ネジを螺合させることにより、シリンダ2と蓋4aは、ネジ止めされて接合されている。
蓋4aの中心線上には、出力ロッド7aを挿通するための貫通孔が形成されており、出力ロッド7aは、当該貫通孔を経由して蓋4aの外部まで延設されている。
蓋4aの凹部43aの底面には、先端に溝(点線で表示)が形成された凸部44aが形成されている。エアハイドロ機構Aのピストンハウジング14a(油圧発生部55a)が前進側方向に移動すると、抜止めナット37aが蓋4aの凸部44aと当接する。凸部44a先端の溝は、この当接状態において吸排気口600から供給又は排出されるエアが、抜止めナット37aと出力ロッド7aの間を通って第3ピストン13aの端面全体にエアが速やかに行き渡るように、又は抜けるようにするために形成されている。
更に、蓋4aの側面には、吸排気口600からシリンダ2の内部に連通する吸排気路が設けられており、シリンダ2内の前進側には吸排気口600から吸排気される共通空圧室610が形成されている。
共通空圧室610は、吸排気口600からエアを供給することにより、エアハイドロ機構Bによる後退側方向への出力を得る場合に用いられる。
一方、エアハイドロ機構Aによる前進側方向への出力を得る場合には、後退側の吸排気口500からエアが供給されることで共通空圧室510が加圧される。
なお、エアハイドロ機構A、Bによる出力を得ている状態において、吸排気口500、600を開放することで共通空圧室510、610の内部のエアが排気されることで初期状態に戻される。
第1ピストン6の前進側端面には、第1ロッド50aがスラスト方向に形成されている。この第1ロッド50aは、後述の抜止めナット18a、第2空圧室22a、第2ピストン12a、第2油圧室32a、蓋34aを中心軸線に沿って貫通して第1油圧室31aに至るまで形成されている。
第1ピストン6は、エアハイドロ機構Aに対し、油圧発生部55aをシリンダ2内で前進側に移動させる機能と、第1油圧室31aを加圧して出力ロッド7aに油圧を出力させる機能を有している。
第1ロッド50aの先端部分は、径が小さく形成されるとこで段部501aが形成されている。第1油圧室31aと第2油圧室32aとを仕切る蓋34aの貫通孔は、第1ロッド50aの先端部分の径と略同じに形成されることで、第1ピストン6及び第1ロッド50aは、最大で段部501aが蓋34aに当接するまで移動可能になっている。
第1ピストン6の前進側には、油圧発生部55aが配置されている。
油圧発生部55aは、略円筒状の形状を有するピストンハウジング14aを筐体とし、当該筐体内に形成されている第2空圧室22a、第2油圧室32a、第1油圧室31aを駆動して油圧を発生させる油圧発生アセンブリである。
ピストンハウジング14aは、後退側から第2空圧室22a、第2油圧室32a、第1油圧室31aを形成する内部形状を有する概略円筒形の部材である。
ピストンハウジング14aの中央部には、シリンダ2の内周面と所定のクリアランスを隔てて摺動する薄肉部15aが外筒部に形成されており、薄肉部15aの両側の部分は、薄肉部15aよりも外径が小さく形成されている。
肉薄部15aの外周面には、図示しないが、肉薄部15aの軸方向の全長に渉って溝のような小さい凹部(以下、軸方向凹部という)が形成されていて、軸方向凹部の両端は第1空圧室21b側と共通空圧室610側とに開放されている。この軸方向凹部は、第2油圧室32aの内部圧力で薄肉部15aが膨張してシリンダ2の内周面に押圧された状態において、第1空圧室21b側と共通空圧室610側との連通状態を維持し、空気の移動を可能にするために形成されている。従って、軸方向凹部は、少なくとも1本あれば充分であるが、空気の移動抵抗をよりすくなくするために、軸方向凹部を等間隔に複数本形成することが好ましい。
肉薄部15aに軸方向凹部を形成することで、第2油圧室32aの内部圧力の増加に対して、薄肉部15aが膨張し易くなり、より確実に油圧発生部55aをシリンダ2に固定することができる。
ピストンハウジング14aの後退側の端部には、ピストンハウジング14aの開口部を閉塞する抜止めナット18aが、ピストンハウジング14aに形成された雌ネジと、抜止めナット18aに形成された雄ネジを嵌合させることによりネジ止めされて固定されている。
また、第1ピストン6には、連通管として機能する抜止めボルト17aを挿通するための貫通孔が形成されており、抜止めナット18aには、抜止めボルト17aを固定するためのネジ孔が貫通して設けられている。
抜止めナット18aの貫通孔は、後退側がザグリ加工されており、第1ピストン6の貫通孔から当該ザグリ加工された部分まで円筒部材であるカラー16aが挿入されている。
そして、カラー16aには、抜止めボルト17aが挿入され、抜止めボルト17aの先端が抜止めナット18aに形成された雌ネジに嵌合してネジ止めされている。
また、第1ピストン6の後退側端面に抜止めボルト17aの頭部が当接することにより、第1ピストン6の抜けを防止している。
図2に示すようにカラー16aの外周面と第1ピストン6の貫通孔の内周面の間にはOリングが設けられており、第1ピストン6は、カラー16aに対してスラスト方向に摺動することができる。
このように、第1ピストン6は、抜止めボルト17aによって、第1ピストン6が抜止めナット18aから所定距離以上離れないように最大離隔量が規制されている。
この最大離隔量は、第1ピストン6の前進側端面と抜止めナット18aの後退側端面の間に、第1ピストン6が抜止めナット18a側に押し込まれるストロークを確保するための間隙が形成される量に設定される。この隙間は、エアハイドロ機構Bにおける第1空圧室21bを形成している。
一方、エアハイドロ機構Bにおける第1ピストン6と抜止めナット18bの間に確保される間隙が、エアハイドロ機構Aにおける第1空圧21aを形成している。
以上の構成によって、初期状態では、第1ピストン6と抜止めナット18aは、抜止めボルト17aによって規制される量だけ離れているが、第1空圧室21aに圧力が加わって、第2油圧室32aにより油圧発生部55aが固定されるか、又は、油圧発生部55a(抜止めナット37a)が蓋4aと当接して移動できなくなると、第1ピストン6は、抜止めナット18aに接近できるようになる。
なお、この際に、間隙(第1空圧室21b)にあった空気は、ピストンハウジング14aの外周とシリンダ2の内周の間の空間と、油圧発生部55aの薄肉部15aに形成された軸方向凹部とを経由して共通空圧室610に排出される。
なお、第1ピストン6と抜止めナット18aの間には、両者を離れる方向に付勢するコイルバネを配設するようにしてもよい。この配設するコイルバネは、第1ピストン6の前進側端面と抜止めナット18aの後退側端面の対応する位置に形成された凹部に設置するようにし、この凹部は抜止ボルト17a、17bと干渉しない位置に形成する。
抜止めナット18aは、前進側に凹部が形成されており、ピストンハウジング14a内で抜止めナット18aの前進側に配置された第2ピストン12aの端面と当該凹部が形成する空間により第2空圧室22aが形成される。
抜止めボルト17aは、中心線に沿って貫通孔が形成されており、当該貫通孔を介して第1空圧室21aと第2空圧室22aは、連通している。
このように、シリンダ装置1のエアハイドロ機構Aは、シリンダ2内の後退側に形成された空圧室20aを備えており、当該空圧室20aは、第1油圧室31aを加圧する第1ピストン6を備えた第1空圧室21aと、第2油圧室32aを加圧する第2ピストン12aを備えた第2空圧室22aと、から構成されている。
そして、第1空圧室21aは、第2空圧室22aの他端側に設けられており、エアハイドロ機構Bのピストンハウジング14bの外周面とシリンダ2の内周面との間に形成された隙間と、薄肉部15bの外周に形成した軸方向凹部を介して、共通空圧室510と連通している。このように、エアハイドロ機構Bのピストンハウジング14bの外周面とシリンダ2の内周面との間に形成された隙間と、薄肉部15bの外周に形成した軸方向凹部は、「他方のエアハイドロ機構とシリンダとの間に形成された隙間」として機能している。
なお、エアハイドロ機構Bの第1空圧室21bは、エアハイドロ機構Aのピストンハウジング14aの外周面とシリンダ2の内周面との間に形成された隙間と、薄肉部15aの外周に形成した軸方向凹部を介して、共通空圧室610と連通している。そして、エアハイドロ機構Aのピストンハウジング14aの外周面とシリンダ2の内周面との間に形成された隙間と、薄肉部15aの外周に形成した軸方向凹部も、「他方のエアハイドロ機構とシリンダとの間に形成された隙間」として機能している。
第2ピストン12aの前進側には、第2油圧室32aを形成する隔壁57aがピストンハウジング14a内に形成されている。
第2ピストン12aの前進側端面と、隔壁57aの後退側端面の間にはコイルバネ33aが設置されており、コイルバネ33aは、隔壁57aから離れる方向に第2ピストン12aを付勢している。
隔壁57aの中心線上には、第2油圧室32aに至る貫通孔が形成されており、第2ピストン12aから前進側に延出する第2ロッド58aが摺動可能に挿通されている。
更に、第2ロッド58aは、中心線上に第2ピストン12aを貫通する貫通孔が形成されており、第1ピストン6の第1ロッド50aが当該貫通孔を摺動可能に挿通している。
このように第2ロッド58aは、円筒状に形成されており、隔壁57aを貫通して第2油圧室32aに露出した端部が第2油圧室32aの油を加圧するピストンとして機能する。
以上の構成によって、初期状態では、第2ピストン12aの後退側端面は、抜止めナット18aの凹部の縁部分先端に当接し、第2ピストン12aの前進側端面と隔壁57aの後退側端面の間には、第2ピストン12aが隔壁57a側に押し込まれるストロークを確保するための間隙52aが設けられている。
また、ピストンハウジング14aの間隙52aが形成された部分には、第2ピストン12aが隔壁57aの方(前進側)に移動する際に、間隙52aのエアをピストンハウジング14aとシリンダ2の間の空間に逃がすための貫通孔(図示しない)が形成されている。
ここで、第1空圧室21aと第2空圧室22aのエアの圧力をP1、第2空圧室22aにおける第2ピストン12aの端面積(エアから圧力を受ける部分をスラスト方向に投影した面積、以下同様)をS1、第2油圧室32aにおける第2ロッド58aの端面積をS2、コイルバネ33aが第2ピストン12aを付勢する力をF1とすると、第2油圧室32aの油圧P2は、P2=(P1・S1−F1)/S2となる。そのため、(P1・S1−F1)/S2>P1なら、第2空圧室22aの圧力が増幅されて第2油圧室32aに伝達される。
油圧発生部55aは、この条件が満たされるように構成されており、第2油圧室32aは、増大した油圧で油圧発生部55aを強固に固定する。
第2油圧室32aは、後退側が隔壁57aで仕切られ、外周部分がピストンハウジング14aの薄肉部15aで仕切られ、前進側が蓋34aで仕切られた空間で構成されており、油圧用の油が充填されている。
第2油圧室32aは、第2ピストン12aがスラスト方向の力によって隔壁57aの方(前進側)に押圧されると、第2ロッド58aが第2油圧室32aに挿入されるため、上記の式に従って加圧される。特に出力ロッド7aがワーク100に当接すると(より詳細には、出力ロッド7aの先端に取り付けられた工具がワーク100に当接すると)、急激に加圧される。
この時、第2ロッド58aで加圧された第2油圧室32aの圧力は、周囲の内壁を均等に押圧する。第2油圧室32aの内壁のスラスト方向の端面積は、後退側と前進側を比較すると、前進側よりも第2ロッド58aの端面積(正確には、第1ロッド50a先端の段部501aの端面積を加えた面積)の分だけ後退側の方が小さい。このため、第2油圧室32a内部の油が内壁を押圧する力は端面積が大きい前進側の方が大きくなるので、第2油圧室32aには前進側へ移動しようとする力が働く。
この時、第1空圧室21aと第2空圧室22aには同時にエアが供給されるので、第2ピストン12aと第1ピストン6は同時に動作を開始する。そのため同時に第1油圧室31aにも油圧力が発生し始める。第1油圧室31aで発生した油圧力は、蓋34aの前進側端面を押圧するので、油圧発生部55には後退側へ移動しようとする力が発生する。
この後退側と前進側に移動させようとする相反する力の関係において、第2油圧室32aによる前進側へ移動しようとする力の方が大きい場合は、油圧発生部55aには第2油圧室32aにより出力ロッド7aを押圧する方向に力が作用するが、ワーク100に当接している出力ロッド7aは移動できないので油圧発生部55aもその場で停止する。
そして第2油圧室32a内部で高まった油圧は、出力ロッド7aの停止に伴いスラスト方向に移動できなくなり、剛性が弱い薄肉部15aに作用し、ラジアル方向(中心線から径方向外側に向かう方向)に弾性変形して膨張し、薄肉部15aの外周面がシリンダ2の内周面に押圧される。これにより、薄肉部15aとシリンダ2の間に摩擦力が発生し、油圧発生部55aがシリンダ2内でスラスト方向に固定される。
一方、第1油圧室31aによる後退側へ移動させる力の方が大きい場合は、第1ピストン6よりも第2ピストン12aの方がシール部材による摺動抵抗が小さく、より早く動作するので、第1ピストン6が間隙(第1空圧室21b)の隙間を動き切る前に第2ピストン12aの動作が完了し、剛性が弱い薄肉部15aに圧力が作用し、外周面がシリンダ2の内周面に押圧して、油圧発生部55aがシリンダ2内でスラスト方向に固定される。第1ピストン6と第2ピストン12aのシール部材の摺動抵抗の違いは、材質の違いによる摩擦抵抗の違いにより生じているが、形状や、締め代による違いにより生じさせても構わない。
なお、薄肉部15aの外周には軸方向の全長にわたって軸方向凹部が形成されているので、薄肉部15aは、外周面の全体ではなく軸方向凹部を除く部分がシリンダ2と接し摩擦力を発生させることになる。
このように、シリンダ装置1は、第1空圧室21aが第2油圧室32aに与えるスラスト方向の力からラジアル方向の力を発生させ、当該ラジアル方向の力によって第2油圧室32aをシリンダ2内に固定する固定手段を備えている。
そして、当該油圧室32aは、第1空圧室21aが第2油圧室32aに与える前進側方向の力(外側方向の力)と出力ロッド7aが第2油圧室32aに与える他端側方向の力(内側方向の力)を受けて油圧を発生させている。
より詳細には、当該固定手段は、第2油圧室32aの油圧によってラジアル方向の力を発生させ、当該ラジアル方向の力によって弾性変形した第2油圧室32aの側壁(薄肉部15a)をシリンダ2の内壁に押圧することにより第2油圧室32aと第1油圧室31aを固定している。
第1油圧室31aと第2油圧室32aとの内部隔壁である蓋34aは、外周面に雄ネジが形成されており、ピストンハウジング14aの前進側端部に形成された雌ネジにねじ込んで固定されている。
蓋34aの中心には、貫通孔が形成されており、当該貫通孔には、第1ピストン6の第1ロッド50aの先端部分が挿入されている。
蓋34aの前進側には、第3ピストン13aが配置されている。
第3ピストン13aの前進側には、中心線に沿って出力ロッド7aが形成されている。
第3ピストン13aには、出力ロッド7aの外側で、後述するコイルバネ36aと干渉しない位置に、給油用の貫通孔が形成されている。この貫通孔の後退側には、第1油圧室31aに給油した後にこれを密閉するための給油口栓38aがネジ機構により固定されている。
蓋34aの前進側端面、第3ピストン13aの後退側端面、後述する給油口栓38aの後退側端面、及びピストンハウジング14aの内周面で仕切られた空間によって第1油圧室31aが形成されている。
当該構成により、第1ピストン6がピストンハウジング14aに近づくと、第1ロッド50aが第1油圧室31aに挿入されて第1油圧室31aの油が加圧され、出力ロッド7aが当該加圧された油圧を受けて前進側に移動する。
ここで、第1空圧室21aと第2空圧室22aのエアの圧力をP1、第1空圧室21aにおける第1ピストン6の端面積をS3、第1油圧室31aの油圧をP3、第1油圧室31aにおける第1ピストン6(第1ロッド50a先端)の端面積をS4とする。
この場合、P3=S3・P1/S4となり、S3>S4なら、第1空圧室21aの圧力が増幅されて第1油圧室31aに伝達される。
なお、第3ピストン13aは後述するようにコイルバネ36によって後退側に付勢されているが、これによる力をF2とし、第1油圧室31aにおける第3ピストン13aの端面積をS5とすると、出力ロッド7aがワーク100を押圧する力F3は、F3=(P1・S3・S5/S4)−F2となる。
シリンダ装置1の油圧系(油圧室30a)は、第1空圧室21aの圧力が第1ピストン6の第1ロッド50aにより第1油圧室31aで増幅されて、ワーク100の加工に必要な力F3を出力ロッド7aにより発揮するように(推力が増大するように)設定されている。
このようにシリンダ装置1は、空圧室20aが第1油圧室31aに発生させる油圧を増幅する油圧増幅手段(第1ピストン6、第1ロッド50a)と、当該増幅した油圧を出力する出力ロッド7aを備えており、当該油圧増幅手段は、第1油圧室31aの油圧圧力を増幅して出力ロッド7aに出力している。
ピストンハウジング14aの前進側の開放端には、ネジ溝が形成されており、中心に出力ロッド7aを挿通する貫通孔が形成された抜止めナット37aがネジ止めされている。
第3ピストン13aの前進側端面と、抜止めナット37aの後退側端面の間には、両者が離れる方向に付勢するコイルバネ36aが設置されている。
このように、第1油圧室31aは、出力ロッド7aを外側方向に押圧する第3ピストン13aを備えており、シリンダ装置1は、当該第3ピストン13aを内側方向に付勢するコイルバネ36a(付勢手段)を具備している。
コイルバネ36aは、空圧室20a(第1空圧室21a、第2空圧室22a)が加圧される際に、第2油圧室32aが加圧されて油圧発生部55aがシリンダ2にクランプされる前に、出力ロッド7aが移動してしまうことで、ワークと当接する位置が変動してしまうのを防ぐ機能を有している。
コイルバネ36aは、油圧発生部55aの内部において、第3ピストン13aと出力ロッド7aを後退側(蓋34aの方向)に付勢する機能を有し、出力ロッド7aの前進側への動作が、空圧室20aの加圧と第1油圧室31aの加圧以外(例えば、外乱)で生じることを防ぐ機能を有している。この時、図1に示されているようにコイルバネ36aにより、第3ピストン13a(出力ロッド7a)と、蓋34aもしくは油圧発生部55aの一部とが当接してもよいし、コイルバネ36aが無い場合などで第1油圧室31a内部の油により隔離され当接していなくてもよい。
またコイルバネ36aは、出力ロッド7aが空圧室20aの加圧と第1油圧室31aの加圧により前進動作を行った後に、第3ピストン13aと出力ロッド7aが元の位置に後退する場合の動作補助の機能を有している。
なお、コイルバネ36aを有しない構成も可能である。但し、第3ピストン13aの前進側端面と、油圧発生部55a(抜止めナット37a)の後退側端面が終始当接しない状態であることが条件となる。この形態は、出力ロッド7aの移動量が極端に短く、ほとんど動作しない場合や、逆に極端に長く、最適なコイルバネを設計・製造できない場合に適している。
次に、以上のように構成された第1実施形態におけるシリンダ装置1の動作について説明する。
図3、4はシリンダ装置1による動作の各状態を表したものである。
なお、上述したように本実施形態のシリンダ装置1は、エアハイドロ機構A、Bの同一動作(方向は逆)によって、シリンダ2の両端部側に対しても出力(押圧力)を得ることができるので、エアハイドロ機構Aによる前進方向(図面右方向)への動作について説明する。
図3、図4において、各部に加わる力や各部からの力とその方向を黒塗りの矢印で示している。
動作はどの状態(第1ピストン6の位置)からでも開始可能であるが、例えば図3(a)に示すように、第1ピストン6が略中央に位置する初期状態において、後退側の吸排気口500からエアを供給し、同時に前進側の吸排気口600からエアを開放する。
吸排気口500から供給されたエアは、共通空圧室510を加圧し、ピストン部全体(エアハイドロ機構A、Bの全体)を前進方向に押圧すると同時に、エアハイドロ機構Bのピストンハウジング14bとシリンダ2との隙間を通り、エアハイドロ機構Aの第1空圧室21aまで到達し、第1空圧室21aを加圧する。
第1空圧室21aに供給されたエアは、抜止めボルト17aの中央に形成された連通孔を通り、第2空圧室22aにも到達する。
吸排気口500から供給されたエアは、共通空圧室510の前進側端面(抜止めナット37bの後退側の端面371b)を押圧すると同時に、第1空圧室21aの前進側端面(ピストン6の後退側端面)を押圧する。これによりピストン部全体が前進側に移動する。
ピストン部全体がシリンダ2内を前進し、エアハイドロ機構Aの出力ロッド7aの先端がワーク100に当接すると、出力ロッド7aの前進が停止する。
出力ロッド7aが停止すると、ピストンハウジング14aは一旦停止する。
ピストンハウジング14aが停止すると、第1空圧室21aと第2空圧室22aのエア圧により第1ピストン6とエアハイドロ用ピストンである第2ピストン12aと第2ロッド58が前進し、第1油圧室31aと第2油圧室32aを加圧する。
このように、第1ピストン6は、第1空圧室21aの圧力で、出力ロッド7aが押圧対象(ワーク100)に当接するまで、第2空圧室22a、第1油圧室31a、及び第2油圧室32aと一緒に一端側(前進側)に移動している。
図4(b)に示すように、油圧発生部55aが移動して出力ロッド7aの先端(より詳細には出力ロッド7aに取り付けられた工具の先端)がワーク100に当接すると、第1ピストン6が第1油圧室31aを圧し、第2ピストン12aが第2油圧室32aを圧するため、第1油圧室31aと第2油圧室32aの油が加圧されてこれらの油圧が上昇する。
この時油圧発生部55aでは、第2油圧室32aのスラスト方向の内壁の端面積において、前進側の端面積が後退側の端面積よりも第1ロッド50a先端の端面積分だけ大きいため、面積差分の前進方向の押圧力が発生する。
同時に第2空圧室22aにもエアが供給されるので、第1ピストン6により第1油圧室31aにも油圧力が発生し始める。第1油圧室31aで発生した油圧力は、蓋34aの前進側端面を押圧するので、油圧発生部55には後退側へ移動しようとする力が発生する。この後退側と前進側に移動させようとする相反する力の関係において、第2油圧室32aによる前進側へ移動しようとする力の方が大きい場合は、油圧発生部55aには第2油圧室32aにより出力ロッド7aを押圧する方向に力が作用する。しかしながら出力ロッド7aはワーク100に当接していて移動できないので油圧発生部55aもその場で停止する。
一方、第1油圧室31aによる後退側へ移動させる力の方が大きい場合は、第1ピストン6よりも第2ピストン12aの方がシール部材による摺動抵抗が小さく、より早く動作するので、第1ピストン6が間隙(第1空圧室21b)の隙間を動き切る前に第2ピストン12aの動作が完了し、第2油圧室32aの内部圧が高まる。この時間隙52a内部のエアは、ピストンハウジング14aとシリンダ2の間の空間に逃がすための貫通孔(図示しない)により第1空圧室21bに排出される。
ピストンハウジング14aの外周面とシリンダ2の内壁とには僅かな隙間が形成されているが、薄肉部15aが第2油圧室32aの内部圧で弾性変形して膨らむことで、薄肉部15a(外周面に形成した軸方向凹部を除く)とシリンダ2とが当接し、薄肉部15aがシリンダ2の内壁を押圧する。
このように、ピストンハウジング14aの薄肉部15aがシリンダ2の内壁を押圧することで、ピストンハウジング14aがシリンダ2に固定される。すなわち、薄肉部15aによる把持力が高まることにより、油圧発生部55aがスラスト方向に堅持され(油圧発生部55aが薄肉部15aでシリンダ2に固定され)、第1油圧室31aの油圧力が発生するスラスト方向の力を受けても動かなくなる。
そして図4(c)に示すように、ピストンハウジング14aがシリンダ2に固定された状態で、第1空圧室21aの空圧により、第1ピストン6の第1ロッド50aに外側方向への力が作用し、第1油圧室31aをエアハイドロ機構により加圧する。
そして、第1ロッド50aにより加圧された第1油圧室31aの圧力は、ワーク100と当接している出力ロッド7aを増大した油圧力で押圧し、増大した油圧の推力でワーク100を押圧(クランプ)する。
この時ワーク100は、出力ロッド7aがワーク100に当接後、押圧されてその場で固定されるのみで、出力ロッド7aから印加される油圧力により移動もしくは変形等が無い場合には、第3ピストン13aが第1油圧室31a内をスラスト方向に移動することがないので、第1油圧室31a内部の油を第3ピストン13aのOリング(図2参照)の移動とともに外部に持ち出すことが無い。
また第2油圧室32aは、内部の油が密閉されていて体積が一定であるため、薄肉部15aがラジアル方向に膨らむと、そのラジアル方向の体積増加分だけスラスト方向の体積が減少して短くなり、短くなった分、第2ピストン12aが前進できる。薄肉部15aのラジアル方向の変形量は極僅かであり、そのためそれに伴うスラスト方向の変化量も僅かで、第2ピストン12aが移動する量も小さくほとんど動かない。そのため第2ピストン12aのOリング(図2参照)が移動して第2油圧室32a内部の油を外部に持ち出すことがほとんど無い。本実施形態では、第2ピストン12aの移動量は、Oリング等のシール部材(第2ピストン12aに配設された第2油圧室32aのシール部材)の弾性変形範囲内の量になるよう設定されており、本実施形態では、Oリングが全く移動しないので内部の油が外部に持ち出されることが無い。
ワーク100に対する押圧処理が終了した後は、吸排気口600の開放状態を維持したまま、吸排気口500を開放してエアの供給を停止する。これにより各空圧室(共通空圧室510、第1空圧室21a、第2空圧室22a)の圧力が下がり、第1油圧室31aと第2油圧室32aの油圧が低下する。
そして第1油圧室31aでは、コイルバネ36aの付勢力により第3ピストン13aが初期状態の位置まで戻る。
一方、第2空圧室22aの圧力が下がることで、第2油圧室32aの圧力が下がり、弾性変形していたピストンハウジング14aの薄肉部15aが復元力により元に戻り、シリンダ2への固定(クランプ)が解除される。また、第2ピストン12aは、コイルバネ33aの付勢力により初期状態の位置に戻る。
そして、前進側の吸排気口600からエアを供給すると、ピストン部全体(エアハイドロ機構A、Bの全体)が後退する。
次に、シリンダエンドでの油圧力発生について、すなわち、前進側のシリンダエンド(蓋4a)に油圧発生部55aが当接した状態で油圧力を発生させる場合について説明する。この動作例は、出力ロッド7aがワーク100に当接しなくても、ピストン部(エアハイドロ機構A、B)全体がシリンダエンドまで到達することで、油圧推進力を発生できる事例である。
以下、その動作について図5を参照しながら説明する。
出力ロッド7aがワーク100に当接する前の状態では、吸排気口500(図1参照)からのエアの供給により、ピストン部全体は前進方向に移動する。そして、出力ロッド7aがワーク100に当接する前に、ピストン部の端面(抜止めナット37a)がシリンダエンドである蓋4aの凸部44aと当接すると、進行方向の動きが停止する。
ピストン部(エアハイドロ機構A、B)が停止すると、吸排気口500からのエアが第2空圧室22aに供給されているので、第2油圧室32aが加圧される。この時、加圧された第2油圧室32aの圧力は、周囲の内壁を均等に押圧する。第2油圧室32aの内壁のスラスト方向の端面積は、後退側と前進側を比較すると、前進側よりも第2ロッド58aの端面積(正確には、第1ロッド50a先端の段部501aの端面積を加えた面積)の分だけ後退側の方が小さい。このため、第2油圧室32a内部の油が内壁を押圧する力は端面積が大きい前進側の方が大きくなるので、第2油圧室32aには前進側へ移動しようとする力が働く。
第1ピストン6も第1空圧室21aにより加圧され、第1ピストン6と共に第1ロッド50aが前進し、第1油圧室31aを加圧する。この時第1油圧室31は、出力ロッド7aに外力が加わっていないので圧力は上昇しない。そのため油圧発生部55aには第2油圧室32aによる前進側への力のみが作用し、抜け止めナット37aが蓋4aを押圧して停止状態となる。
油圧発生部55aが停止後、第2油圧室32aが加圧されると薄肉部15aが外側に弾性変形し、ピストンハウジング14aがシリンダ2に固定される。
この時ピストンハウジング14aが固定される前に、第1ピストン6の前進により前進する出力ロッド7aの先端がワークに当接した場合は、図4(b)と同じ状態となる。
なお、第1ピストン6が外側方向に前進することで、第1ピストン6と抜止めナット18aとの間隔が狭まるとき第1空圧室21b内のエアは、薄肉部15aの外周面に形成した軸方向凹部を通り、共通空圧室610から開放状態の吸排気口600に抜ける。
第1油圧室31aが加圧されても出力ロッド7aは何も当接していないので、第1ロッド50aの動作により押しのけられた油量分だけ第3ピストン13aが前進する。これにより、それまでコイルバネ36aの付勢力によって蓋34aに当接していた第3ピストン13aは蓋34aから離れる。
このとき出力ロッド7aに第1油圧室31aの推進力と反対方向(後退方向)の力が印加されていない場合は、動作中、油圧力はゼロである。実際には、反対向きの力としてOリングの摺動抵抗があり、その分だけ第1油圧室31aに油圧力が発生する。
一方、出力ロッド7aが、ワーク100を含む何かに当接したり、移動方向と反対方向(後退方向)の力が印加された場合は、エアハイドロ機構、すなわち、第1空圧室21aの空圧を受けて第1ピストン6の第1ロッド50aが第1油圧室31aを加圧することによって増幅された推力が出力ロッド7aに発生する。
これにより、出力ロッド7aがワークに当接していない状態においても出力ロッド7aに油圧推進力を印加することができる。
なお第1ロッド50aは、その先端には段部501aが形成されているため、この段部501aがピストンハウジング14aに組付けられている蓋34aに当接するまで前進する。
次に、シリンダ装置1を用いてワーク100を押圧し、クランプする例を説明する。
シリンダ装置1にはワーク100を押圧しクランプするのに最適なクランプ用部材が出力ロッド7aの先端に組付いているものとする。
そして、シリンダ装置1は、ワーク100を押圧し、クランプされる部材へのクランプ動作を次の順で行う。
(1)まず、吸排気口500を開放して吸排気口600にエアを供給することにより、シリンダ装置1を初期状態とし、これによってクランプ部材を後退させて、ワーク100を所定の位置に設置する。この時ワーク100は、押圧されても動かないように設置されている。
(2)そして、吸排気口600を開放して吸排気口500からエアを供給する。すると、エア駆動で出力ロッド7aが出力方向に前進し、出力ロッド7aの先端に取り付けたクランプ用部材がワーク100に当接する。
(3)クランプ部材が当接すると、空圧室20aの圧力が高まって、油圧発生部55aがシリンダ2に固定され、出力ロッド7aに油圧力による推力が発生する。これにより、強い力でワーク100を押圧するので、ワーク100がクランプされる部材に強く押し付けられ、クランプされる。
(4)ワーク100をクランプされる部材から解放する場合は、吸排気口500を開放して吸排気口600からエアを供給し、エア駆動により出力ロッド7を退避させ、次いでワーク100を所定の位置から離脱させる。
以下、ワーク100を交換しながら、以上のサイクルを繰り返す。
次に、本実施形態のシリンダ装置1を用いたプレス加工(抜き加工)について説明する。
なお、この動作においても、エアハイドロ機構Aを中心とした前進側方向(図1の吸排気口500側から吸排気口600側に向かう方向)への動作として説明する。
図6(a)は、シリンダ装置1を用いてプレス加工の動作例についての説明図である。
図示しないプレス装置は、出力方向を下方にしてシリンダ装置1を固定している。
出力ロッド7aの先端には、抜き型用の工具であるパンチ71が出力ロッド7aと同軸に固定されており、その下方には、下から設置台73、ワーク100、治具72の順で設置されている。これらは、ワーク設置手段として機能している。
パンチ71は、円柱形状を有しており、金属板で構成されたワーク100に円形の孔を空ける金型である。
治具72は、パンチの際に、ワーク100を設置台73に押圧してワーク100を固定する部材であって、パンチ71を通過させる貫通孔が形成されている。
設置台73にも、パンチする際にパンチ71を逃がす貫通孔が形成されている。
以上の構成において、シリンダ装置1は、次の順でプレス加工を行う。
(1)後退
まず、吸排気口500を開放して吸排気口600にエアを供給することにより、ピストン部(エアハイドロ機構A、B)をシリンダ2の長手方向の中央(初期状態の位置)よりも後退側(吸排気口500側)に移動させ、これによってパンチ71を後退させて、設置台73の上にワーク100と治具72を所定位置に設置する。
(2)エア駆動
次に、治具72でワーク100を設置台73に押圧して固定する。そして、吸排気口600を開放して吸排気口500からエアを供給する。
すると、エアによる駆動で出力ロッド7aが出力方向に前進し、パンチ71の先端がワーク100に当接する。
(3)油圧駆動
パンチ71の先端が当接すると、空圧室20aの圧力が高まって、油圧発生部55aがシリンダ2に固定され、出力ロッド7aが油圧で駆動される。これにより、強い力でパンチ71がワーク100に押しつけられて、ワーク100が穿孔される。このようにプレス装置は、プレス手段を備えている。
(4)エア駆動
ワーク100に孔が空けられると、吸排気口500を開放して吸排気口600からエアを供給し、エア駆動によりパンチ71を引き上げ、次いでワーク100を所定位置から離脱する。このようにプレス装置は、離脱手段を備えている。
図6(b)は、シリンダ装置1を用いたプレス加工でワーク100に凹部を形成する例を説明するための図である。
オス金型74は、円柱形状を有するオス型の金型であって、先端に凹部を形成するための突起部が形成されており、出力ロッド7aに同軸に取り付けられている。
メス金型75は、メス型の金型であって、オス金型74の突起部を受ける凹部が形成されている。
以上の構成において、シリンダ装置1は、次の順でプレス加工を行う。
(1)後退
まず、吸排気口500を開放して吸排気口600にエアを供給することにより、ピストン部(エアハイドロ機構A、B)をシリンダ2の長手方向の中央(初期状態の位置)よりも後退側(吸排気口500側)に移動させ、これによってオス金型74を後退させて、メス金型75の上にワーク100と治具72を設置する。
(2)エア駆動
次に、治具72でワーク100をメス金型75に押圧して固定する。そして、吸排気口600を開放して吸排気口500からエアを供給する。すると、エアによる駆動で出力ロッド7aが出力方向に前進し、オス金型74の先端がワーク100に当接する。
(3)油圧駆動
オス金型74の先端が当接すると、空圧室20aの圧力が高まって、油圧発生部55aがシリンダ2に固定され、出力ロッド7aが油圧で駆動される。これにより、強い力でオス金型74がワーク100に押しつけられて、ワーク100に凹部が形成される。
(4)エア駆動
ワーク100に凹部が形成されると、吸排気口500を開放して吸排気口600からエアを供給し、エア駆動によりオス金型74を引き上げる。
(第2実施形態)
上述した第1実施形態では、油圧発生部55aをシリンダ2に固定する機構として、ピストンハウジング14aの薄肉部15aが第2油圧室32aの油圧力によって弾性変形することで油圧発生部55aをシリンダ2に固定する場合について説明した。
これに対して、第2実施形態におけるシリンダ装置10は、クランパによって油圧発生部55aをシリンダ2に固定する。
図7(a)は、シリンダ装置10の、クランパ90a周辺における、スラスト方向の断面図を表し、図7(d)は、クランパ90a周辺の部品図を表している。
図7(a)に示すように、第2油圧室32aの後退側端面は、ピストンハウジング14aに固定された円柱部材95aの端面と、円柱部材95aの周囲に配置された円環部材91aの端面から構成されている。
円環部材91aは、内周面が円柱部材95aの外周面と接しており、外周面がピストンハウジング14aの内周面と接している。これら接した面はOリングによってシールされており、気密性を保ったまま円環部材91aは、スラスト方向に移動することができる。
円柱部材95aの後退側には、雄ネジが形成されており、ナット97aがねじ込まれて固定されている。
ナット97aの外周面はシリンダ2の内周面との間には、ピストンハウジング14aと同様に、共通空圧室510のエアを第1空圧室21a(図1参照)に供給するための隙間が形成されている。
ナット97aの前進側端面と、円環部材91aの間には、コイルバネ96aが設置されており、円環部材91aは、油圧室322aを構成する空間を確保しつつ、コイルバネ96aによって前進側に付勢されている。
このため、円環部材91aは、第2油圧室32aの油圧が上昇すると、後退側に移動し、油圧が低下すると、前進側に移動して元に戻るようになっている。
また、図7(b)に示すように、油圧室322aを構成する空間を確保するために、円環部材91aの前進側への移動を規制する規制手段900が円環部材91aに設けられている。但し、この規制手段900は、円柱部材95a又はピストンハウジング14aに設けられていてもよい。すなわち、規制手段900は、円環部材91a、円柱部材95a、及びピストンハウジング14aのうちの少なくとも1の部材に設けられていればよい。
図7(b)に示したように、円環部材91aの後退側端部には、後退側(図面左側)に行くほど外径が小さくなるテーパ部92aが形成されている。
そして、円環部材91aのテーパ部92aとナット97aの前進側端面との間に形成された空間には、固定手段として機能するクランパ90aが配置されている。
クランパ90aは、後退側に行くほど内径が小さくなるテーパ部93aが形成された円環部材であって、テーパ部93aの角度は、テーパ部92aの角度と等しくなっている。
図7(c)に示したようにクランパ90aは、矢線で示したラジアル方向に広がるように4分割されている。
クランパ90aの外周面は、シリンダ2の内周面と平行に形成されており、クランプ前の状態では、クランパ90aの外周面とシリンダ2の内周面に所定のクリアランスが形成され、両者の間に摩擦力が生じないようになっている。
なお、油圧発生部55aをシリンダ2に固定する機構として各4分割されたクランパ90aを使用する場合、4分割された各クランパ90aの間が、第1実施形態における軸方向凹部として機能しているため、本実施形態では、クランパ90aの外周面に軸方向凹部は形成されていない。
更に、クランパ90aの外周面には円周方向に溝が形成されており、当該溝には、Oリング94aが設置されている。
一般的にOリングは、気密性を保つために設置されるが、Oリング94aは、ラジアル方向に広がったクランパ90aを引き戻すために設置されている。
そのため、クランパ90aの外周面に形成された溝の高さは、Oリング94aの直径よりも大きく設定されており、Oリング94aがシリンダ2の内周面に接しないようになっている。
なお、本実施形態では、Oリング94aを用いているが、ラジアル方向に広がって内径が大きくなった場合に、元の内径に縮んで戻ろうとする部材であれば、他の部材を用いることができる。例えば、弾力性があるひも状の円環状弾性部材を使用してもよい。また、コイルバネの両端を繋いで円環状にしたものを使用してもよい。
このように構成されたシリンダ装置10において、初期状態では、第2油圧室32aの圧力が低いため、円環部材91aは、コイルバネ96aによって前進側に付勢されており、これによって、ナット97aの前進側端面と円環部材91aのテーパ部92aの間に十分なクリアランスが確保される。
そのため、クランパ90aは、Oリング94aの収縮力により中心軸方向に束ねられてクランパ90aとシリンダ2の内周面との間にクリアランスが生じ、油圧発生部55aは、スラスト方向に移動することができる。
一方、第2油圧室32aの圧力が高まると、油圧によってクランパ90aが後退側方向に押されて移動する。
すると、クランパ90aには、ナット97aの前進側端面と円環部材91aのテーパ部92aで挟まれて、図7(b)の矢線で示したように、両端側からスラスト方向の力を受ける。
具体的に説明すると、第2ピストン12aが前進すると、第2油圧室32aの圧力が上昇し、圧力の上昇は径方向に形成された連通路321aを通り円環部材91aの端面空間の油圧室322a(第2油圧室)まで達する。
円環部材91aは、Oリング94aがクランパ90aを収縮させようとする力よりも、第2油圧室32aの圧力により発生するスラスト方向に移動しようとする力の方が大きくなったとき、クランパ90aを押し広げながら後退側に移動する。この時、第2ピストン12aにより押しのけられた第2油圧室32a内部の油が、連通路321aを通り端面空間に流入するので円環部材91aがスラスト方向に移動する。
このスラスト方向の力は、円環部材91aのテーパ部92aとクランパ90aのテーパ部93aの当接により、図7(b)の矢線で示したように、ラジアル方向の力に変換され、その結果、クランパ90aは、ラジアル方向に押し出される。
これにより、クランパ90aの外周面とシリンダ2の内周面が当接して摩擦力が発生し、油圧発生部55aは、シリンダ2内で固定される。
この第2実施形態では、第2油圧室32aに発生した油圧で、スラスト方向に移動するテーパ部材(円環部材91a)をクランパ90aに押圧することによりクランパ90aに対してラジアル方向の力を発生させ、当該力によってクランパ90aをシリンダ2の内壁に押圧することにより第2油圧室32aと第1油圧室31aを固定している。
以上、各実施形態によるシリンダ装置1の動作について、エアハイドロ機構Aを中心とした前進方向(図1に向かって右方向)の動作を説明した。上述の通り本実施形態では、右側(前進側)のエアハイドロ機構Aと左側(後退側)とが第1ピストン6を中心として左右対称に形成されている。
従って、エアハイドロ機構Bを中心とした左方向(図1の後退方向)の動きについては、上述した前進方向の動作における各部の符号につけたaとb、吸排気口500と吸排気口600、共通空圧室510と共通空圧室610をそれぞれ入れ替えた動作となる。
すなわち、上述したエアハイドロ機構Aを中心とした動作では、図1の図面における右側方向の出力を得る動作であるため、吸排気口600が形成された一端側を前進側、吸排気口500が形成された他端側を後退側として説明した。
これに対して、エアハイドロ機構Bを中心とした動きについては、図1の図面における左側方向の出力を得る動作であるため、上述した各説明を、吸排気口500が形成された側を一端側(前進側)、吸排気口600が形成された側を他端側(後退側)と読み替えた動作となる。
以上に説明した各実施の形態により、次のような効果を得ることができる。
(1)シリンダ2内に、2つのエアハイドロ機構A、Bを、第1ピストン6を中心とし長手方向に対称に形成したので、シリンダ両端に配置した2つの吸排気口からのエア供給により、軸方向の両方向の油圧力を発生させることができる。
(2)また、両エアハイドロ機構A、Bは、空圧室20から成る空圧系に、油圧室30から成る油圧系をシリンダ2内でスラスト方向に移動させる機能と、移動後に油圧室30を加圧して油圧を発生させる機能を持たせることにより、必要なストロークを確保すると共に必要な推力を発生することができる。
(3)エアピストンと油圧ピストンを巧みに組み合わせてエアハイドロ機構を内蔵することにより、ワーク100に当接するまではエアピストンとして動作させ、ワーク100に当接してからは油圧シリンダとして動作させることができ、油圧ポンプ等の個別付帯設備や施工に手間が掛る油圧配管等が必要ないエア供給のみで、エアピストンによる長いストロークの移動と油圧ピストンの特徴である大きな推力の両方を実現することができる。
(4)エアピストンによって必要なストロークを稼いだ後、薄肉部15aの弾性変形やクランパ90aの押し出しなどによってスラスト方向の力をラジアル方向の力に変換して油圧ピストンをシリンダ2内で固定することができる。
(5)ラジアル方向の力を油圧により増大させて油圧ピストンを固定することができるため、強固に固定することができる。
(6)シリンダ2内に固定した油圧シリンダにエアピストンで油圧を発せさることにより油圧力による大きな力を発生させることができる。
(7)必要なストロークのほとんどをエアピストンでカバーし、必要最小限のストロークを油圧ピストンで行うため、油圧ピストンのストローク量が小さくてすみ、そのため、油の遺漏による損耗を最小限に抑えることができる。
特に出力ロッド7aがワーク100に当接し、その後出力ロッド7aの移動を伴わないで油圧力だけをワークに印加する使用方法の場合は、各油圧室内部での各油圧ピストンの移動量が各シール部材の弾性変形の範囲内でしかないので、各油圧室内部の油の遺漏を発生させないことができる。
以上説明した第1実施形態のシリンダ装置1では、「他方のエアハイドロ機構とシリンダとの間に形成された隙間」として、エアハイドロ機構A、Bのピストンハウジング14a、14bの外周面とシリンダ2の内周面との間に隙間を形成すると共に、薄肉部15a、15bの外周に軸方向凹部を形成した。
これに対し、ピストンハウジング14a、14bと外周面とシリンダ2の内周面との間の隙間をほぼゼロ(摺動に必要なだけの隙間)とし、軸方向凹部だけを形成するようにしてもよい。この場合の軸方向凹部は、肉薄部15a、15bを含め、ピストンハウジング14a、14bの全長にわたって形成する。この場合も、ピストンハウジング14a、14bの全体に形成する軸方向凹部は1つとすることも可能であるが、周方向等間隔に複数形成することが好ましい。
1、10 シリンダ装置
2 シリンダ
4a、4b 蓋
500、600 吸排気口
6 第1ピストン
7a、7b 出力ロッド
12a、12b 第2ピストン
13a、13b 第3ピストン
14a、14b ピストンハウジング
15a、15b 薄肉部
16a、16b カラー
17a、17b 抜止めボルト
18a、18b 抜止めナット
20a、20b 空圧室
21a、21b 第1空圧室(間隙)
22a、22b 第2空圧室
30a、30b 油圧室
31a、31b 第1油圧室
32a、32b 第2油圧室
33a、33b コイルバネ
34a、34b 蓋
36a、36b コイルバネ
37a、37b 抜止めナット
38a、38b 給油口栓
43a、43b 凹部
44a、44b 凸部
50a、50b 第1ロッド
501a、501b 段部
52a、52b 間隙
55a、55b 油圧発生部
57a、57b 隔壁
58a、58b 第2ロッド
71 パンチ
72 治具
73 設置台
74 オス金型
75 メス金型
90a、90b クランパ
91a、91b 円環部材
92a、92b、93a、93b テーパ部
94a、94b Oリング
95a、95b 円柱部材
96a、96b コイルバネ
97a、97b ナット
100 ワーク

Claims (18)

  1. シリンダと、
    前記シリンダの軸方向における両端側のそれぞれに配置された吸排気口と、
    前記シリンダ内で前記両吸排気口の間に配設された第1ピストンと、
    前記第1ピストンを中心として対称に、前記第1ピストンの両側に形成されたエアハイドロ機構と、を備え、
    前記第1ピストンを中心として対称に形成され、それぞれ前記第1ピストンから軸方向で外側の方向に油圧力を出力する2つのエアハイドロ機構と、を備え、
    前記両エアハイドロ機構のそれぞれは、
    前記第1ピストンよりも外側に配設され、前記第1ピストンの反対側に配設された前記吸排気口から供給されるエアにより加圧される空圧室と、
    前記空圧室よりも外側に配設され、前記空圧室の圧力で前記シリンダ内を外側方向に移動する油圧室と、
    前記空圧室が前記油圧室に与える軸方向の力から径方向の力を発生させ、当該径方向の力によって前記油圧室を前記シリンダ内に固定する固定手段と、
    前記空圧室が前記固定した油圧室に発生させる油圧を増幅する油圧増幅手段と、
    前記増幅した油圧を前記第1ピストンから離れる方向に出力する出力ロッドと、
    を具備したことを特徴とするシリンダ装置。
  2. 前記油圧室は、前記空圧室が前記油圧室に与える外側方向の力と、前記出力ロッドが前記油圧室に与える内側方向の力と、を受けて油圧を発生させることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
  3. 前記油圧室は、前記出力ロッドが設けられた第1油圧室と、前記固定手段が設けられた第2油圧室と、から構成されており、
    前記固定手段は、前記第2油圧室の油圧によって前記径方向の力を発生させて前記第2油圧室と前記第1油圧室を固定し、
    前記油圧増幅手段は、前記第1油圧室に発生した油圧を増幅して前記出力ロッドに出力することを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のシリンダ装置。
  4. 前記固定手段は、前記径方向の力によって弾性変形した前記第2油圧室の側壁を前記シリンダの内壁に押圧することにより前記第2油圧室と前記第1油圧室を固定することを特徴とする請求項3に記載のシリンダ装置。
  5. 前記固定手段は、前記第2油圧室に発生した油圧で、軸方向に移動するテーパ部材をクランパに押圧することにより径方向の力を発生させ、当該力によって前記クランパを前記シリンダの内壁に押圧することにより前記第2油圧室と前記第1油圧室を固定することを特徴とする請求項3に記載のシリンダ装置。
  6. 前記第1油圧室は、前記出力ロッドを外側方向に押圧する第3ピストンを備え、
    前記第3ピストンを前記内側方向に付勢する付勢手段を具備したことを特徴とする請求項3、請求項4、又は請求項5に記載のシリンダ装置。
  7. 前記第3ピストンは、前記第1油圧室に増幅されて発生した油圧が前記出力ロッドに働いて推力を出力する状態でも移動せず、前記出力ロッドに出力だけを伝達することを特徴とする請求項6に記載のシリンダ装置。
  8. 前記第2油圧室を加圧する第2ピストンを備え、
    前記空圧室は、前記素1ピストンの前記油圧室と対向する側の面と反対側の面側に配置され第1ピストンを外側方向に加圧する第1空圧室と、前記第1空圧室と連通し、前記第2ピストンを外側方向に加圧する第2空圧室と、
    を有することを特徴とする請求項3から請求項7までのうちの何れか1の請求項に記載のシリンダ装置。
  9. 前記第1ピストンは、前記第1空圧室の圧力で、前記出力ロッドが押圧対象に当接するまで、又は、前記第1油圧室が移動可能な外側方向の端部に到達するまで、前記第2空圧室、前記第1油圧室、及び前記第2油圧室を前記他端側に移動する、
    ことを特徴とする請求項8に記載のシリンダ装置。
  10. 前記第2ピストンが前記第2油圧室に増幅した油圧を発生させる際の、前記第2ピストンの移動量が、前記第2ピストンに配設された前記第2油圧室のシール部材の弾性変形量の範囲内である、
    ことを特徴とする請求項9に記載のシリンダ装置。
  11. 前記第1ピストンは、軸方向に貫通する貫通孔を備え、
    前記第1空圧室と前記第2空圧室とは、その少なくとも一部が前記貫通孔内を通る連通管により連通している、
    ことを特徴とする10に記載のシリンダ装置。
  12. 前記第1油圧室は、前記第2油圧室よりも外側に形成されており、
    前記第1ピストンは、両側に、前記第2空圧室と前記第2油圧室を貫通して前記第1油圧室まで延びる第1ロッドを備え、前記第1空圧室からの圧力を受けて前記第1ロッドの外側方向の端面で前記第1油圧室を加圧する、
    ことを特徴とする請求項8から請求項11のうちのいずれか1の請求項に記載のシリンダ装置。
  13. 前記両エアハイドロ機構の両外側方向には、対応する側の前記吸排気口から供給されるエアで当該エアハイドロ機構を内側方向に加圧する共通空圧室が配設され、
    一方のエアハイドロ機構における第1空圧室は、他方のエアハイドロ機構と前記シリンダとの間に形成された隙間を介して、前記他方のエアハイドロ機構を内側に加圧する共通空圧室と連通している、
    ことを特徴とする請求項8から請求項12に記載のシリンダ装置。
  14. 請求項13に記載したシリンダ装置と、
    前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、
    前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドで前記設置したワークを押圧しクランプする手段と、
    前記クランプしたワークを前記所定位置から離脱する離脱手段と、
    を具備したことを特徴とするワーククランプ装置。
  15. 請求項13に記載のシリンダ装置と、
    前記シリンダ装置に対してワークを所定位置に設置するワーク設置手段と、
    前記シリンダ装置を駆動して、前記出力ロッドに装着した工具で前記設置したワークをプレスするプレス手段と、
    前記プレスしたワークを前記所定位置から離脱する離脱手段と、
    を具備したことを特徴とするプレス装置。
  16. 請求項13のシリンダ装置により、前記第1ピストンの両側に形成された2つのエアハイドロ機構のうちの一方のエアハイドロ機構を動作させて外側方向の油圧力を出力するシリンダ装置動作方法であって、
    前記一方のエアハイドロ機構側の吸排気口を開放し、前記他方のエアハイドロ機構の側の吸排気口からエアを供給することで、当該他方のエアハイドロ機構と前記シリンダとの間に形成された隙間を介して、前記一方のエアハイドロ機構における第1空圧室と前記第2空圧室を加圧することで、当該第1空圧室と前記第2空圧室を外側方向に移動させ、前記出力ロッドを押圧対象に当接させ、又は、前記第1油圧室が移動可能な前記他端側の端部に到達させる、第1ステップと、
    前記他方のエアハイドロ機構側に配置された吸排気口から更に加圧して、前記一方のエアハイドロ機構における前記固定手段を動作させ、前記第1油圧室と前記第2油圧室をシリンダに固定する第2ステップと、
    前記他方のエアハイドロ機構側に配置された吸排気口から更に加圧して、前記一方のエアハイドロ機構における前記油圧増幅手段を動作させ、前記出力ロッドを前記押圧対象に押圧する第3ステップと、
    前記一方のエアハイドロ機構側の吸排気口からエアを供給し、前記他方のエアハイドロ機構側の吸排気口からエアを供給することで、前記前記第1油圧室と前記第2油圧室、及び前記出力ロッドを内側方向に移動させる第4ステップと、
    を有することを特徴とするシリンダ装置動作方法。
  17. 請求項14のワーククランプ装置を動作させて、前記第1ピストンの両側に形成された2つのエアハイドロ機構のうちの一方のエアハイドロ機構によりワークを所定位置にクランプする方法であって、
    前記一方のエアハイドロ機構側の所定位置にワークを設置する第1ステップと、
    前記シリンダ装置を駆動して、前記一方のエアハイドロ機構における前記出力ロッドがワークに当接し停止するまで、又は、前記第1油圧室が移動可能な前記他端側の端部に到達し停止するまで、前記第1空圧室の圧力で移動させる第2ステップと、
    前記一方のエアハイドロ機構における前記固定手段により前記第1油圧室と前記第2油圧室を固定する第3ステップと、
    前記一方のエアハイドロ機構における前記油圧増幅手段により前記第1油圧室の油圧力が増幅される第4ステップと、
    第4ステップにより増幅された油圧力により、前記一方のエアハイドロ機構における前記出力ロッドがワークを油圧力で押圧し所定の位置にクランプする第5ステップと、
    前記一方のエアハイドロ機構側の吸排気口からエアを供給し、他方のエアハイドロ機構側の吸排気口からエアを供給することで、前記クランプしたワークを前記所定位置から離脱する第6ステップと、
    を有することを特徴とするワークのクランプ方法。
  18. 請求項15のプレス装置を動作させて、前記第1ピストンの両側に形成された2つのエアハイドロ機構のうちの一方のエアハイドロ機構によりワークをプレスする方法であって、
    前記一方のエアハイドロ機構側の所定位置にワークを設置する第1ステップと、
    前記シリンダ装置を駆動して、前記一方のエアハイドロ機構における前記出力ロッドがワークに当接し停止するまで、又は、前記第1油圧室が移動可能な前記他端側の端部に到達し停止するまで、前記第1空圧室の圧力で移動させる第2ステップと、
    前記一方のエアハイドロ機構における前記固定手段により前記第1油圧室と前記第2油圧室を固定する第3ステップと、
    前記一方のエアハイドロ機構における前記油圧増幅手段により前記第1油圧室の油圧力が増幅される第4ステップと、
    第4ステップにより増幅された油圧力により、前記一方のエアハイドロ機構における前記出力ロッドに装着した工具がワークを油圧力で押圧し、ワークをプレスする第5ステップと、
    前記一方のエアハイドロ機構側の吸排気口からエアを供給し、他方のエアハイドロ機構側の吸排気口からエアを供給することで、前記出力ロッドと共に前記出力ロッドに装着した工具を空圧力で前記ワークから離脱させる第6ステップと、
    プレスが完了したワークを所定の位置から離脱する第7ステップと、
    を有することを特徴とするワークのプレス方法。
JP2018156271A 2017-08-29 2018-08-23 シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法 Withdrawn JP2019044965A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017164656 2017-08-29
JP2017164656 2017-08-29

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019044965A true JP2019044965A (ja) 2019-03-22

Family

ID=65814708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018156271A Withdrawn JP2019044965A (ja) 2017-08-29 2018-08-23 シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019044965A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112975725A (zh) * 2021-03-19 2021-06-18 惠州至精精密技术有限公司 一种管状型材抛光用夹具

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3511048A (en) * 1967-06-08 1970-05-12 Josef Nemetz Hydropneumatic clamping cylinder
JPH11287202A (ja) * 1998-02-27 1999-10-19 Stahl Gabriele 増圧装置
JP2007064339A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Seiko Instruments Inc 流体圧シリンダ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3511048A (en) * 1967-06-08 1970-05-12 Josef Nemetz Hydropneumatic clamping cylinder
JPH11287202A (ja) * 1998-02-27 1999-10-19 Stahl Gabriele 増圧装置
JP2007064339A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Seiko Instruments Inc 流体圧シリンダ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112975725A (zh) * 2021-03-19 2021-06-18 惠州至精精密技术有限公司 一种管状型材抛光用夹具
CN112975725B (zh) * 2021-03-19 2022-02-11 惠州至精精密技术有限公司 一种管状型材抛光用夹具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108621459B (zh) 缸装置、冲压装置、工件夹持装置、缸装置的工作方法、工件的夹持方法及工件的冲压方法
US10851813B2 (en) Method for producing piston assembly and hydraulic fluid device
US7685856B1 (en) Two mode hydroform seal apparatus and method
US10941790B2 (en) Cylinder device, press machine, workpiece clamping apparatus, cylinder device actuating method, method for clamping workpiece, and method for pressing workpiece
KR20180012213A (ko) 증력 기구가 부착된 유체압 실린더
CN110778827B (zh) 用于光孔密封充气的快换接头
JP2011185343A (ja) 流体圧シリンダ
US20070090611A1 (en) Hydraulic workholding assembly
US20210285544A1 (en) Method for producing piston assembly and hydraulic fluid device
JP2019044965A (ja) シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法
CN108223488B (zh) 流体压力缸
JPH0861308A (ja) 流体圧シリンダ
JPS6219606B2 (ja)
JP2020056499A (ja) シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのプレス方法、及びワークのクランプ方法
JP2020056500A (ja) シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのプレス方法、及びワークのクランプ方法
JPS64137B2 (ja)
US20200096014A1 (en) Cylinder device, pressmachine, workpiece clamping apparatus, cylinder device actuating method, method for pressing workpiece, and method for clamping workpiece
US6532785B1 (en) Method and apparatus for prefilling and hydroforming parts
JP6997015B2 (ja) シリンダ装置、プレス装置、ワーク接合装置、ワーク固定装置、シリンダ装置動作方法、ワークプレス方法、ワーク接合方法、及びワーク固定方法
US10982690B2 (en) Cylinder device, press machine, workpiece clamping apparatus, cylinder device actuating method, method for clamping workpiece, and method for pressing workpiece
JP7058134B2 (ja) シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法
JP7058135B2 (ja) シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法
JP6999439B2 (ja) シリンダ装置、プレス装置、ワーククランプ装置、シリンダ装置動作方法、ワークのクランプ方法、及びワークのプレス方法
JP2018044783A (ja) 気密試験用マスキング治具
JP6598083B2 (ja) ピストン組立体及び流体圧装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210609

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220404

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20220516