JP4492696B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、内燃機関等に燃料を噴射供給する燃料噴射弁に関する。
従来から、例えば内燃機関等に燃料を噴射供給する燃料噴射弁が知られている。
このような燃料噴射弁としては、燃料を噴射する噴孔を備えた筒状の弁体と、該弁体の内側において着座及び離座することにより噴孔を開閉する弁部材とを有するものがある。
上記燃料噴射弁は、筒状の弁体と弁部材との間に燃料通路が形成されており、弁部材の着座及び離座により噴孔を開閉し、燃料通路内の燃料を噴孔から噴射するものである。
ところで、上記燃料噴射弁は、微細な噴孔から燃料を噴射する。そのため、噴孔の周辺(特に燃料出口側)には、噴射された燃料が残留しやすい。燃料残留物は、高温の燃焼ガスに晒されたり、内燃機関停止後の放置などにより固化したりして、噴孔の周辺にデポジットとして堆積する。噴孔の周辺にデポジットが堆積すると、燃料の噴射方向や噴霧形状が変化し、所望の燃料噴射性能を確保することが困難となる。
そこで、特許文献1では、上記の問題を解決すべく、噴孔を有する弁座(弁体)に撥水性を有するFAS(フルオロアルキルシラン)等の層を設けた燃料噴射弁が開示されている。これにより、噴孔近傍の表面にデポジットが付着することを抑制し、あるいは付着したデポジットが剥離し易くなる。
特開2001−90638号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された燃料噴射弁では、次のような問題が生じる。すなわち、噴孔の下流側は、燃焼ガス等の影響により高温となる。そのため、FASが熱分解して燃料中のP、Zn、Si、カルボン酸塩等と反応し、低融点非晶質ガラスを生成する。これにより、FASが熱分解した部分は撥水性が失われる。また、FASの熱分解により生成した低融点非晶質ガラスは、未燃炭素(C)等を含む燃料残留物と共にデポジットを形成し、噴孔の周辺に固着してしまう。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、噴孔におけるデポジットの堆積を抑制することができる燃料噴射弁を提供しようとするものである。
本発明は、燃料を噴射する噴孔を備えた筒状の弁体と、該弁体の内側において着座及び離座することにより上記噴孔を開閉する弁部材とを有する燃料噴射弁であって、
上記弁体における上記噴孔の燃料出口側の開口部周辺近傍の表面に、h−BN(六方晶系−窒化硼素)を含有する被覆層が設けてあることを特徴とする燃料噴射弁にある(請求項1)。
本発明の燃料噴射弁は、上記弁体における上記噴孔の燃料出口側の開口部周辺近傍の表面に、h−BN(六方晶系−窒化硼素)を含有する親水性の高い被覆層が設けてある。これにより、上記噴孔におけるデポジットの堆積を抑制することができる。
この理由については、以下のように推測される。
上記噴孔の燃料出口側周辺にh−BN(六方晶系−窒化硼素)を含有する親水性の高い上記被覆層を設けることにより、該被覆層の表面に水膜が形成される。そのため、上記噴孔から噴射され、該噴孔の燃料出口側周辺に残留する燃料残留物(例えば、未燃炭素(C)、P、Zn、Si、カルボン酸塩等)は、上記被覆層の表面に形成された水膜上に浮遊した状態となる。
これにより、上記燃料残留物は、水膜上に浮遊した状態であるため、上記噴孔から噴射される燃料の噴流によって剥離し易くなる。それ故、上記噴孔の燃料出口側周辺にデポジットの核となる燃料残留物が堆積することを抑制することができる。その結果、燃料残留物によるデポジットの生成及び堆積を抑制することができる。
このように、本発明によれば、噴孔におけるデポジットの堆積を抑制することができる燃料噴射弁を提供することができる。
本発明において、上記燃料噴射弁は、筒状の上記弁体と上記弁部材との間に燃料通路が形成されており、上記弁部材の着座及び離座により上記噴孔を開閉し、上記燃料通路内の燃料を上記噴孔から噴射するものである。
また、上記燃料噴射弁とは、内燃機関等に燃料を噴射供給する燃料噴射弁の他、排ガス浄化用触媒の排ガス浄化作用の低下を抑制するために実施されるNOx還元処理やPM再生処理において、排気通路に燃料を添加供給する燃料添加弁等も含まれる。
また、上記噴孔の内壁面にも上記被覆層が設けてあることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記噴孔の出口側周辺に加えて、該噴孔の内壁面においても、燃料残留物が堆積することを抑制することができる。そのため、燃料残留物によるデポジットの生成及び堆積をより一層抑制することができる。
また、上記被覆層は、上記弁部材の表面にも設けることができる。この場合においても、上記弁部材の表面に燃料残留物が付着・堆積することを抑制することができる。また、さらに、上記弁部材と上記弁体との摺動摩擦抵抗を低減するという効果も得られる。
また、上記被覆層は、h−BN(六方晶系−窒化硼素)を含有する
この場合には、上記被覆層は、耐熱性に優れ、燃料残留物(例えば、未燃炭素(C)、P、Zn、Si、カルボン酸塩等)と反応しないものとなる。そのため、上記被覆層の性能向上を図ることができる。
なお、h−BN等の上記被覆層は、例えばプラズマCVD法等を用いてコーティングすることができる。
また、上記被覆層の厚みは、20nm〜10μmであることが好ましい(請求項3)。
上記被覆層の厚みが20nm未満の場合には、燃料残留物の堆積を抑制するという上記被覆層の効果を充分に得られないおそれがある。一方、10μmを超える場合には、上記被覆層が剥離するおそれがある。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる燃料噴射弁(以下、インジェクタという)について、図1及び図2を用いて説明する。
本例のインジェクタ1は、図1に示すごとく、例えば直噴式のガソリンエンジンに適用されるものである。インジェクタ1は図示しないエンジンヘッドに搭載される。なお、インジェクタ1は、直噴式のガソリンエンジンに限らず、予混合式のガソリンエンジン、又はディーゼルエンジンなどに適用することもできる。
また、本例のインジェクタ1においては、噴孔34が設けられている側を先端側、その反対側を後端側とする。
インジェクタ1は、筒状のハウジング10を備えている。ハウジング10は、第一磁性部11、非磁性部12及び第二磁性部13により構成されており、例えばレーザ溶接等により一体的に接合されている。第一磁性部11及び第二磁性部13は、磁性材料により形成されている。また、非磁性部12は、非磁性材料により形成されている。非磁性部12は、磁性材料により形成されている第一磁性部11と第二磁性部13との間の磁気的な短絡を防止している。
ハウジング10の内周側には、固定コア21が圧入により収容されている。固定コア21は、磁性材料により筒状に形成されている。固定コア21の内周側には、後述するアジャスティングパイプ28及びスプリング26が収容されている。
ハウジング10の後端部102には、外部コネクタ19が圧入されている。外部コネクタ19は、後端部に燃料入口191を形成している。燃料入口191には、図示しない燃料ポンプにより燃料タンクから燃料が供給される。燃料入口191に供給された燃料は、外部コネクタ19の内部に設けられたフィルタ部材18を経由してハウジング10の内周側に流入する。フィルタ部材18は、燃料に含まれる異物を除去する。
ハウジング10の先端側には、ノズルホルダ14が配設されている。ノズルホルダ14は、ハウジング10の先端部に接合されている。ノズルホルダ14の先端部141には、ノズルボディ(弁体)30が収容されている。ノズルボディ30は、筒状に形成され、例えば圧入、溶接等によりノズルホルダ14の先端部141に固定されている。
ノズルボディ30は、ノズルボディ本体部31とノズルボディ30の先端部に配設された噴孔プレート33とにより構成されている。ノズルボディ本体部31は、先端に近づくにつれて内径が小さくなる円錐状の内壁面に弁座32を有している。噴孔プレート33は、ノズルボディ本体部31の先端部とノズルホルダ14との間に、ノズルボディ本体部31の先端側を覆うように配設されている。噴孔プレート33には、噴孔34が形成されている。噴孔34は、噴孔プレート33の内側と外側とを連通して設けられている。噴孔34は、単数又は複数のいずれであってもよい。
また、ハウジング10の内周側には、可動コア22が収容されている。可動コア22は、磁性材料により筒状に形成されている。可動コア22は、固定コア21と軸方向に対向して配設され、後述するコイル51への通電によって固定コア21との間に発生する磁気吸引力により固定コア21に吸引される。また、可動コア22は、ハウジング10の内周側を軸方向へ往復移動可能である。
ハウジング10、ノズルホルダ14及びノズルボディ30の内周側には、ニードル(弁部材)40が軸方向へ往復移動可能に収容されている。ニードル40は、ノズルボディ31と同軸上に配置されている。ニードル40は、後端部が可動コア22に接合されている。そのため、可動コア22及びニードル40は、一体的に軸方向に往復移動可能である。ニードル40は、先端部にシール部42を有している。シール部42は、ノズルボディ30の弁座32に着座可能である。
また、ニードル40は、後端部において弾性部材であるスプリング26と接している。スプリング26は、一方の端部がニードル40の後端部に接しており、他方の端部がアジャスティングパイプ28に接している。なお、上記弾性部材は、スプリングに限らず、例えば板ばね、又は気体や液体のダンパ等を適用可能である。
アジャスティングパイプ28は、上述のごとく、固定コア21の内周側に圧入されている。アジャスティングパイプ28の圧入量を調整することにより、スプリング26の荷重は調整される。スプリング26は、軸方向へ伸びる力を有している。そのため、一体のニードル40及び可動コア22は、スプリング26によりシール部42が弁座32に着座する方向へ押し付けられている。
ハウジング10の外周側には、コイルアセンブリ50が配設されている。コイルアセンブリ50は、コイル51、モールド成形体52及び電気コネクタ53により一体に構成されている。
コイル51は、樹脂で形成されているモールド成形体52によって被覆されている。コイル51、モールド成形体52によって外周側及び内周側が覆われた状態で円筒状に形成されている。コイル51は、ハウジング10の外周側を周方向へ連続して覆っている。コイル51は、配線部材54により電気コネクタ53のターミナル55と接続している。また、モールド成形体52及び電気コネクタ53は、樹脂により一体に形成されている。
コイル51の外周側及び後端側には、プレートハウジング15が配設されている。プレートハウジング15は、筒状に形成されており、コイル51の外周側及び後端側を覆うように配設されている。プレートハウジング15は、ハウジング10との間においてモールド成形体52に覆われたコイル51を保持している。プレートハウジング15は、磁性材料により形成されている。
そして、本例では、図2に示すごとく、噴孔34の燃料出口側の開口部341周辺近傍の表面(噴孔プレート33の表面331(領域a))には、被覆層5が設けてある。
本例の被覆層5は、h−BN(六方晶系−窒化硼素)を厚み約0.2μmでコーティングした層である。被覆層5は、プラズマCVD法によりコーティングした。
また、h−BNよりなる被覆層5は、この被覆層5を設けた噴孔34の燃料出口側の開口部341周辺近傍の表面(噴孔プレート33の表面331)よりも親水性が高い。
本例では、SUS304よりなる噴孔プレート33の表面331の撥水角は約90°であり、h−BNよりなる被覆層5の撥水角は約70°である。つまり、被覆層5のほうが高い親水性を示している。なお、撥水角の測定は、マイクロシリンジにより微小な水滴を被覆層5の表面に滴下し、一方側より光を当てて反対側に設けた受光部にて水滴の形状を画像として取り込み、被覆層5に対する水滴の接触角を測定することにより行った。
次に、上記構成のインジェクタ1の作動について説明する。
コイル51への通電が停止されているとき、固定コア21と可動コア22との間には磁気吸引力は発生しない。そのため、可動コア22はスプリング26の押し付け力により固定コア21から離れている。その結果、コイル51への通電が停止されているとき、ニードル40のシール部42は弁座32に着座している(閉弁状態)。よって、燃料は噴孔34から噴射されない。
コイル51に通電されると、コイル51に発生した磁界によりハウジングプレート14、第一磁性部11、可動コア22、固定コア21、第2磁性部13及びカバー15に形成された磁気回路に磁束が流れる。そのため、互いに離れている固定コア21と可動コア22との間には磁気吸引力が発生する。これにより、固定コア21と可動コア22との間に発生する磁気吸引力がスプリング26の押し付け力よりも大きくなると、一体の可動コア22及びニードル40は固定コア21方向へ移動する。その結果、ニードル40のシール部42は弁座32から離座する(開弁状態)。
外部コネクタ19の燃料入口191から流入した燃料は、フィルタ部材18、ハウジング10の内周側、つまりアジャスティングパイプ28の内周側、固定コア21の内周側及び可動コア22の内周側を経由する。可動コア22の内周側からニードル40の内部に流入した燃料は、ニードル40の内側と外側とを連通する燃料孔45からハウジング10とニードル40の間を経由し、ニードル40とノズルホルダ14との間に流入する。そして、弁座32から離座したニードル40とノズルボディ30との間を経由して噴孔34から噴射される。
コイル51への通電を停止すると、固定コア21と可動コア22との間の磁気吸引力は消滅する。これにより、一体の可動コア22及びニードル40は、スプリング26の押し付け力により固定コア21とは反対方向へ移動する。その結果、ニードル40のシール部42は再び弁座32に着座する(閉弁状態)。よって、噴孔34からの燃料の噴射は終了する。
次に、本例のインジェクタ(燃料噴射弁)1における作用効果について説明する。
本例のインジェクタ1は、ノズルボディ30における噴孔34の燃料出口側の開口部341周辺近傍の表面331に、その表面331よりも親水性の高い被覆層5が設けてある。これにより、噴孔34におけるデポジットの堆積を抑制することができる。
この理由については、以下のように推測される。
噴孔34の燃料出口側周辺に親水性の高い被覆層5を設けることにより、被覆層5の表面に水膜が形成される。そのため、噴孔34から噴射され、噴孔34の燃料出口側周辺に残留する燃料残留物(例えば、未燃炭素(C)、P、Zn、Si、カルボン酸塩等)は、被覆層5の表面に形成された水膜上に浮遊した状態となる。
これにより、燃料残留物は、水膜上に浮遊した状態であるため、噴孔34から噴射される燃料の噴流によって剥離し易くなる。それ故、噴孔34の燃料出口側周辺にデポジットの核となる燃料残留物が堆積することを抑制することができる。その結果、燃料残留物によるデポジットの生成及び堆積を抑制することができる。
このように、本例によれば、噴孔におけるデポジットの堆積を抑制することができるインジェクタ(燃料噴射弁)を提供することができる。
また、本例では、図2に示すごとく、被覆層5を噴孔プレート33の表面331(領域a)に設けたが、図3に示すごとく、さらに噴孔34の内壁面341(領域b)やノズルホルダ14の先端部141(領域c)に設けてもよい。この場合には、噴孔34の内壁面341やノズルホルダ14の先端部141においても、燃料残留物が堆積することを抑制することができる。そのため、燃料残留物によるデポジットの生成及び堆積をより一層抑制することができる。
また、被覆層5は、ニードル40の表面に設けてもよい。この場合においても、ニードル40の表面に燃料残留物が付着・堆積することを抑制することができる。また、さらに、ニードル40とノズルボディ30との摺動摩擦抵抗を低減するという効果も得られる。
また、本例のインジェクタでは、図2及び図3に示すごとく、ノズルボディ本体部31と噴孔プレート33とが別体で構成されたノズルボディ30を採用しているが、これに代えて、図4に示すごとく、ノズルボディ本体部と噴孔プレートとが一体で構成されたノズルボディ30を採用することもできる。この場合には、ノズルボディ30の先端部301に噴孔34を形成し、噴孔34の燃料出口側の開口部341周辺近傍の表面(ノズルボディ30の先端面300(領域d))や噴孔34の内壁面342(領域e)等に被覆層5を設けることができる。
(実施例2)
本例は、本発明のインジェクタの耐デポジット性を評価した例である。
本例では、実施例1と同様の構成であり、h−BNよりなる被覆層5を噴孔33の燃料出口側の開口部341周辺近傍の噴孔プレート33の表面331(図2の領域a)にコーティングしたインジェクタと、コーティングしていない比較のためのインジェクタとを準備した。そして、エンジンに搭載し、所定時間運転をした後、デポジットの付着状況の観察、燃料の噴霧量及び噴射角の測定を行った。
なお、エンジン運転条件は、インジェクタをエンジンのセンター位置(インジェクタ先端温度:250℃)に搭載し、エンジン回転数を2000rpm、燃料圧力を12MPa、トルクを80N/m、運転時間を4時間とした。
次に、評価結果について説明する。
図5は、エンジン運転初期及び運転後における、噴孔プレートの表面の外観及び中央部をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察したものである。
同図からわかるように、h−BNよりなる被覆層をコーティングしていない場合には、運転後の噴孔プレートの表面(特に噴孔34の燃料出口側の開口部近傍表面)にデポジット(図中のD)が堆積している。これに比べて、h−BNよりなる被覆層をコーティングした場合には、噴孔プレートの表面へのデポジット(図中のD)の堆積が非常に少ない。すなわち、デポジットの堆積防止に有効であることがわかる。
また、図6は、燃料の噴霧量変化率を測定したものである。ここで、噴霧量変化率とは、初期の燃料噴霧量に対する変化率を示すものである。本例では、インジェクタをエンジンに搭載して4時間運転をした後、燃料の噴霧量を測定し、(エンジン運転前の燃料噴射量−エンジン運転後の燃料噴霧量)/エンジン運転前の燃料噴射量×100(%)の式により算出した。
また、図7は、燃料の噴霧角変化率を測定したものである。ここで、噴霧角変化率とは、初期の燃料噴霧角に対する変化率を示すものである。本例では、インジェクタをエンジンに搭載して4時間運転をした後、燃料の噴霧角を測定し、(エンジン運転前の燃料噴霧角−エンジン運転後の燃料噴霧角)/エンジン運転前の燃料噴霧角×100(%)の式により算出した。
図6及び図7からわかるように、h−BNよりなる被覆層をコーティングしていない場合には、噴霧量変化率及び噴霧角変化率共に運転初期(0.0%)から減少している。これに比べて、h−BNよりなる被覆層をコーティングした場合には、噴霧量変化率及び噴霧角変化率共に運転初期(0.0%)から大きな変化がない。すなわち、燃料噴射性能を確実に維持できることがわかる。
実施例1における、インジェクタの構造を示す説明図。 実施例1における、被覆層のコーティング領域を示す噴孔周辺拡大図。 実施例1における、被覆層のコーティング領域を示す噴孔周辺拡大図。 実施例1における、被覆層のコーティング領域を示す噴孔周辺拡大図。 実施例2における、耐デポジット性の評価結果を示す説明図。 実施例2における、燃料の噴霧量変化率の測定結果を示す説明図。 実施例2における、燃料の噴霧角変化率の測定結果を示す説明図。
符号の説明
1 インジェクタ(燃料噴射弁)
30 ノズルボディ(弁体)
34 噴孔
341 開口部
40 ニードル(弁部材)
5 被覆層

Claims (3)

  1. 燃料を噴射する噴孔を備えた筒状の弁体と、該弁体の内側において着座及び離座することにより上記噴孔を開閉する弁部材とを有する燃料噴射弁であって、
    上記弁体における上記噴孔の燃料出口側の開口部周辺近傍の表面に、h−BN(六方晶系−窒化硼素)を含有する被覆層が設けてあることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 請求項1において、上記噴孔の内壁面にも上記被覆層が設けてあることを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 請求項1又は2において、上記被覆層の厚みは、20nm〜10μmであることを特徴とする燃料噴射弁。
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