JP3932732B2 - 燃料噴射弁とそれを用いた筒内噴射式エンジン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な筒内噴射式エンジン用燃料噴射弁および筒内噴射エンジンに関し、特にガソリン燃焼の際に発生するデポジットが該燃料噴射弁の表面に付着することを抑制した燃料噴射弁とそれを用いた筒内噴射式エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の省エネルギーの流れを受けて、自動車のガソリンエンジンにおいては筒内噴射式のものが注視されている。筒内噴射式エンジンの構成は以下の通りである。まず、シリンダブロック,シリンダブロック内にはピストンリングが装着されたピストンが挿入されている。シリンダブロックの上にはシリンダヘッドがあり、シリンダブロックの内壁,ピストンの頂面、およびシリンダヘッドの下面に囲まれた部分に燃焼室がある。シリンダヘッドにはおおむね中央に点火プラグ
(点火栓)が取り付けられ、点火プラグに隣接して吸気弁と排気弁があり、更に燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁が取り付けられている。燃料噴射弁から噴射された燃料は、ピストンの頂面の凹部に衝突して、シリンダヘッドの概ね中央にある点火プラグの近傍に誘導され、成層希薄燃焼が実現する。
【0003】
ところで、筒内噴射式エンジンの燃料噴射弁はエンジン内筒に装着されているため高温度の燃焼ガスにさらされる。この状態で燃料噴射弁の先端は燃焼によって発生するデポジットが堆積しやすく、エンジン内筒に設定されたガソリンの噴霧形状が崩れ、燃料の流量低下、および混合気形成が悪化し燃焼が不安定になる。デポジットの生成要因は燃焼室で発生したすす、およびガソリンが熱分解して生成したガム状物等の堆積物と考えられている。特に燃料噴射弁の周辺温度が高温度になるほど発生しやすいと報告され、デポジットを洗浄する目的でガソリン中に添加剤を混入する方法や燃料噴射弁の表面粗さを小さくする方法が試みられている(自動車技術界:学術講演会前刷り集976(1997-10)。また、デポジットを低減する方法としては特開平9−264232 号で述べてあるように噴射弁の先端温度を下げる工夫が数多く試みられている。特開平9−264232 号では、燃料噴射弁の表面を撥油性にし、デポジットの剥離を容易にし、燃料の流量低下を抑制できるといった報告がなされている。この方法はフルオロアルキル化合物を燃料噴射弁の表面に化学反応で固定し、表面を撥油性にする方法である。また、特開平7− 246365号では金属アルコキシドとアルコキシル基の一部がフルオロアルキル基により置換されたフロオロアルキル基置換金属アルコキシドの混合溶液をゾル・ゲル法により、燃料噴射弁の表面に処理し、水の接触角で約100度の低表面エネルギーの表面を構築することで燃料噴射弁の表面を撥油性にし、ガソリン付着を抑制することでデポジットの付着を抑制し、燃料の流量低下を抑制できるといった報告がなされている。この方法はフロオロアルキル基置換金属アルコキシド化合物と金属アルコキシドの混合溶液を燃料噴射弁表面に反応固定し、表面を撥油性にする方法である。その他、表面低表面エネルギー化する方法としては実開昭55−116875号等に記載されている。しかし、これらの方法では燃料噴射弁の先端温度が上昇すると、燃料噴射弁にはデポジットの堆積が進行し、燃料噴射弁の噴口の開口面積が低減し、流量低下が生じてしまう問題がある。また、このようにデポジットの堆積が進行した燃料噴射弁を用いたエンジンはガソリン流量、およびガソリンの噴霧形状が不適切となるため、設計通りのエンジン出力を発揮できない問題がある。
【0004】
【発明を解決しようとする課題】
デポジットの生成は燃料の高留分が燃料噴射弁表面に残留し、その残留物が核となって脱水素反応や重合反応を起こすのが原因といわれている。特開平9− 264232号では燃料噴射弁の表面にフルオロアルキル化合物を反応固定し、デポジットの剥離性を向上する方法を述べている。しかし、この方法では燃料噴射弁の先端部の温度を上げデポジットの生成量を多くすると効果が低下してしまう。
【0005】
また、特開平7−246365 号に述べた金属アルコキシドとフルオロアルキル基置換金属アルコキシドの混合物を燃料噴射弁の表面に焼き付け、燃料噴射弁の表面を撥油性にしてデポジットの剥離性を向上する方法は、燃料噴射弁の先端部の温度を上げデポジットの生成量を多くすると効果が低下してしまう。この原因は、水との接触角が最大で100度程度では目的としたデポジットの剥離性が充分に働かないためと推定される。また、この撥油性皮膜が高い燃料圧力,燃焼圧力、並びに燃料噴射弁の表面温度150〜200℃の環境下で分解するか否かも問題である。更に、従来例で述べているパーフルオロアルキル化合物はガソリンあるいはメタノール含有ガソリンに若干親和性がある。そのため、パーフルオロアルキル化合物の皮膜にガソリンが浸透し、結果的にパーフルオロアルキル化合物の皮膜が親油性となりデポジット抑制効果を失ってしまうと考えられる。これを解決するため、燃料噴射弁表面の表面エネルギーをより低下させ、ガソリンとの親和性の低い膜を形成できればデポジットの付着を抑制することができると考えた。そこで、燃料噴射弁の表面をさらに低表面エネルギー化可能なフッ素系材料の検討を行ったところ、その表面は水との接触角が100度以上が有効であるが、十分にデポジットの付着を抑制するには105度以上が必要であることがわかった。これによってデポジットの付着力が低下し、ガソリンでデポジットを簡単に洗浄することができる。また、この燃料噴射弁を用いた筒内噴射式エンジンは適正なガソリンの燃焼を維持することができる。この効果を達成するには以下の課題を解決することが望まれる。
【0006】
即ち、燃料噴射弁の表面温度150〜200℃の条件で燃料噴射弁の表面に安定に存在可能で、また撥水性を持つ低表面エネルギーを付与できる材料であることが望まれる。さらに長時間ガソリンに浸漬されても水との接触角が少なくとも100度以上保たれていることであり、特に105度以上に保たれていることが望まれる。さらにガソリンの燃焼にさらされる高温度の環境下で不燃性であることと、燃料噴射弁の表面への高い接着性を保つことも望まれる。
【0007】
本発明の目的は、ガソリン燃焼の際に発生するデポジットが筒内噴射式エンジン用燃料噴射弁の表面に付着することを抑制し、あるいは付着したデポジットを脱離し易くした筒内噴射式エンジン用燃料噴射弁とそれを用いた筒内噴射式エンジンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、ガソリン燃焼の際に発生するデポジットが筒内噴射式エンジン用燃料噴射弁の表面に付着することを抑制し、あるいは付着したデポジットが脱離し易くした筒内噴射式エンジン用燃料噴射弁の提供を可能にした。さらに、デポジットの付着を低減した燃料噴射弁を用いることによって、長時間運転しても出力低減の少ない筒内噴射式エンジンの提供を可能にした。
【0009】
筒内噴射式エンジン用燃料噴射弁の表面の耐デポジット膜は、燃料圧力を5〜12MPa、燃料噴射弁の表面温度150〜200℃およびガソリンの燃焼している環境で安定に燃料噴射弁表面に存在が可能で、しかも水との接触角が105度以上の低表面エネルギーを付与できるものであり、上記環境下で燃料噴射弁から脱離しない強い接着性も望まれる。また、上記環境で使用するため、耐デポジット膜を形成するための表面改質剤は不燃性でなければならず、これら条件から、使用する材料は限られる。
【0010】
これら上記条件を満たす材料として高分子状のパーフルオロポリエーテル化合物を選択した。このパーフルオロポリエーテル化合物のパーフルオロポリオキシアルキレン鎖又はパーフルオロポリオキシアルキル鎖の平均分子量は一般には800以上ある。これらのパーフルオロポリエーテル化合物はガソリン等の有機溶剤にはほとんど溶解しない特性があり、さらにパーフルオロポリエーテル化合物からなる皮膜も同様にガソリンなどの有機溶剤へはほとんど溶解しない。パーフルオロポリエーテル化合物からなる表面は低表面エネルギーであり、デポジットの付着を抑制、又はデポジットの剥離を容易にすると考えられる。また我々は、このパーフルオロポリエーテル化合物を基板に強力に結合させるためには、末端にアルコキシシラン残基を有するものを用いることが有効であると考えた。アルコキシシラン残基は加熱されると噴射弁表面に存在する水酸基と反応し、Si−Oの共有結合を形成する。この結合の生成を本発明では「反応固定」と定義している。
【0011】
本発明は、具体的には末端にアルコキシシラン残基を有するパーフルオロポリエーテル系化合物を該筒内噴射式エンジン用燃料噴射弁の少なくとも燃料を噴霧する燃料噴射孔を有する弁座に反応固定し、該デポジットが筒内噴射式エンジン用燃料噴射弁の弁座を含む燃料噴射孔近傍の表面に付着することを抑制あるいは付着したデポジットが脱離し易くしたものである。
【0012】
本発明に用いる末端にアルコキシシラン残基を有するパーフルオロポリエーテル化合物はパーフルオロポリオキシアルキレン鎖又はパーフルオロポリオキシアルキル鎖からなるものを示す。パーフルオロポリオキシアルキレン鎖又はパーフルオロポリオキシアルキル鎖を有し、端末にアルコキシシラン残基を有するパーフルオロポリエーテル化合物は、末端カルボン酸型のパーフルオロポリエーテルあるいはその末端カルボン酸をメチロールに還元したものと各種アルコキシシランから合成したものである。末端カルボン酸のパーフルオロポリエーテル鎖は、下記構造のダイキン工業(株)製のデムナムSH、デュポン社のクライトックス157FS、およびアウジモント社製のフォンブリンZ−DIACである。
【0013】
デムナムSH:F−((CF2)3−O)n−CF2CF2−COOH
クライトックス157FS:F−(CF(CF3)CF2O)n−CF(CF3)−COOH
フォンブリンZ−DIAC:HOCO−CyF2y−O−(CxF2xO)n−CyF2y−COOH
(式中、yは1または2。xは1〜3の整数で繰り返し毎異なっても良い。nは自然数)
各種アルコキシシランは下記構造のチッソ(株)製のサイラエースのN−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(S310),N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(S320),3−アミノプロピルトリエトキシシラン(S330),3−アミノプロピルトリメトキシシラン(S360),3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン(S610),3−クロロプロピルトリメトキシシラン(S620)であることがこれらに限定したものではない。
【0014】
S310:H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(−CH3)(−COH3)2
S320:H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(−OCH3)3
S330:H2NCH2CH2CH2Si(−OC2H5)3
S360:H2NCH2CH2CH2Si(−OCH3)3
S610:CICH2CH2CH2Si(CH3)(−OCH3)2
S620:CICH2CH2CH2Si(−OCH3)3
上記した末端カルボン酸型、あるいは上記した末端カルボン酸をメチロールに還元したパーフルオロポリエーテル化合物と各種アルコキシシランから合成したパーフルオロポリエーテル化合物の構造例は、下記の化合物1〜28があげられる。
【0015】
化合物1
F((CF2)3−O)1−C2F4−CONHCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(−CH3)(−OCH3)2
化合物2
F((CF2)3−O)1−C2F4−CONHCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(−OCH3)3
化合物3
F((CF2)3−O)1−C2F4−CONHCH2CH2CH2Si(−OC2H5)3
化合物4
F((CF2)3−O)1−C2F4−CONHCH2CH2CH2Si(−OCH3)3
化合物5
F((CF2)3−O)m−C2F4−CH2−O−CH2CH2CH2Si(CH3)
(−OCH3)2
化合物6
F((CF2)3−O)m−C2F4−CH2−O−C3H6−Si(−OCH3)3
化合物7
F(−CF(CF3)−CF2−O)n−CF(CF3)−
CONHCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(−CH3)(−OCH3)2
化合物8
F(−CF(CF3)−CF2−O)n−CF(CF3)−
CONHCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(−OCH3)3
化合物9
F(−CF(CF3)−CF2−O)n−CF(CF3)−
CONHCH2CH2CH2Si(−OC2H5)3
化合物10
F(−CF(CF3)−CF2−O)n−CF(CF3)−
CONHCH2CH2CH2Si(−OCH3)3
化合物11
F(−CF(CF3)−CF2−O)n−CF(CF3)−CH2−O−
CH2CH2CH2Si(CH3)(−OCH3)3
化合物12
F(−CF(CF3)−CF2−O)p−CF(CF3)−CH2−O−C3H6−Si(−OCH3)3
化合物13
F(−CF(CF3)−CF2−O)p−CF(CF3)−
CONHCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(−CH3)(−OCH3)2
化合物14
F(−CF(CF3)−CF2−O)p−CF(CF3)−
CONHCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(−OCH3)3
化合物15
F(−CF(CF3)−CF2−O)p−CF(CF3)−
CONHCH2CH2CH2Si(−OC2H5)3
化合物16
F(−CF(CF3)−CF2−O)p−CF(CF3)−
CONHCH2CH2CH2Si(−OCH3)3
化合物17
F(−CF(CF3)−CF2−O)pCF(CF3)−CH2−O−
CH2CH2CH2Si(CH3)(−OCH3)2
化合物18
F(−CF(CF3)−CF2−O)p−CF(CF3)−CH2−O−C3H6−Si(−OCH3)3
化合物19
F(−CF(CF3)−CF2−O)q−CF(CF3)−
CONHCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(−CH3)(−OCH3)2
化合物20
F(−CF(CF3)−CF2−O)q−CF(CF3)−
CONHCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(−OCH3)3
化合物21
F(−CF(CF3)−CF2−O)q−CF(CF3)−
CONHCH2CH2CH2Si(−OC2H5)3
化合物22
F(−CF(CF3)−CF2−O)q−CF(CF3)−
CONHCH2CH2CH2Si(−OCH3)3
化合物23
F(−CF(CF3)−CF2−O)q−CF(CF3)−O−
CH2CH2CH2Si(CH3)(−OCH3)2
化合物24
F(−CF(CF3)−CF2−O)q−CF(CF3)−CH2−O−C3H6−
Si(−OCH3)3
化合物25
D−NHCO−CyF2y−O−{(CF2−CF2−O)r−(CF2−O)s}−
CyF2y−CONH−D
化合物26
E−OCH2CyF2y−O{(CF2−CF2−O)r−(CF2−O)s}CyF2y−CH2O−E
化合物27
D−NHCO−CyF2y−O{(CF2−CF2−O)t−(CF2−O)u}−
CyF2y−CONH−D
化合物28
E−OCH2−CyF2y−O{(CF2−CF2−O)t−(CF2−O)u}−
CyF2y−CH2O−E
(式中、Dは−CH2CH2CH2Si(−OC2H5)3、
Eは−CH2CH2CH2Si(−OCH3)3、
1=平均14,m=平均12,n=平均24,p=平均10,q=平均34,r=平均21,s=平均27,t=平均8,u=平均10,y=1又は2)
(化合物1の合成法)
化合物1の合成法は以下の通りである。パーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が2440のデムナムSH−2(ダイキン工業製:ロット,DSH1L43001)を53.7g(0.022mol)とハイドロフルオロエーテル(3M社製:HFE−7200)50g、ジクロルメタン30g、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド4.6g(0.022mol)をナスフラスコに投入し1時間撹拌する。次に、このナスフラスコを氷で5℃以下に冷やしながら上記した混合液中にアルコキシシラン(S310)5.94g(0.0288mol)を投入し、6時間撹拌する。その後、常温で5日間撹拌を続ける。反応終了後、反応物を内径30mm,長さ30cmのガラス製円筒にラジオライトファインフローA(昭和化学工業(株)製)を充填したろ過筒を通し、さらにろ液中の溶剤をエバポレーターと真空ポンプで留去し、目的の化合物1を50g得る。
【0016】
(化合物2の合成法)
アルコキシシランとしてS310の代わりにS320を6.41g(0.0288mol)用いる以外は化合物1の合成法と同様にして化合物2を50g得る。
【0017】
(化合物3の合成法)
化合物3の合成法は以下の通りである。パーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が2440のデムナムSH−2(ダイキン工業製:ロット,DSH1L43001)を53.7g(0.022mol)とピリジン1.8g(0.023mol)の混合液を室温で撹拌する。この溶液に、塩化チオニル360g(3.0mol)を30分間掛けてゆっくりと滴下する。滴下終了後、65℃で12時間撹拌する。反応終了後、未反応の塩化チオニルを真空ポンプで留去する。次に、この反応物にハイドロフルオロエーテル(3M社製:HFE−7200)250gとアルコキシシラン(S330)6.38g(0.029mol)を加え、室温で2時間反応する。その後、反応物を内径30mm,長さ30cmのガラス製円筒にラジオライトファインフローA(昭和化学工業(株)製)を充填したろ過筒を通し、さらにろ液中の溶剤をエバポレーターと真空ポンプで留去し、目的の化合物3を50g得る。
【0018】
(化合物4の合成法)
アルコキシシランとしてS330の代わりにS360を5.16g(0.0288mol)用いる以外は化合物3の合成法と同様にして化合物4を50g得る。
【0019】
(化合物5の合成法)
化合物5の合成法は以下の通りである。パーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が2110のデムナムSH−2(ダイキン工業製:ロット,DESHL1X001)46.5g(0.022mol)とハイドロフルオロエーテル(3M社製:HFE−7100)100gを混合し、これにLiAlH4 を3.8g(0.1mol)加え、室温で2日間撹拌する。撹拌終了後、反応物を細かく砕いた氷の中に注ぎ、1時間放置する。その後、氷水、および反応物を分液ロートに移し、下層のハイドロフルオロエーテル(HFE−7100)層を分取し、内容物を内径30mm,長さ30cmのガラス製円筒にラジオライトファインフローA(昭和化学工業(株)製)を充填したろ過筒を通し、さらにろ液中の溶剤をエバポレーターと真空ポンプで留去して反応物(A)を45g得る。
【0020】
次に、上記反応で得た(A)のうち25.7g(0.0125mol)とハイドロフルオロエーテル(3M社製:HFE−7100)100gをフラスコに入れ、NaHを0.5g(0.0125mol)を加えた後、5時間室温で撹拌する。次にアルコキシシラン(S610)2.636g(0.0144mol)を加え、さらに室温で5時間撹拌する。撹拌終了後、反応物を内径30mm,長さ30cmのガラス製円筒にラジオライトファインフローA(昭和化学工業(株)製)を充填したろ過筒を通し、さらにろ液中の溶剤をエバポレーターと真空ポンプで留去し、目的の化合物5を21g得る。
【0021】
(化合物6の合成法)
アルコキシシランとしてS610の代わりにS620を2.86g(0.0144mol)用いる以外は化合物5の合成法と同様にして化合物6を24g得る。
【0022】
(化合物7の合成法)
化合物1のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が4100のクライトックス157FSM(デュポン製:ロット15)89.5g(0.022mol)を用いる以外は化合物1の合成法と同様にして化合物7を82gを得る。
【0023】
(化合物8の合成法)
化合物1のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が4100のクライトックス157FSM(デュポン製:ロット15)89.5g(0.022mol)及び、アルコキシシランとしてS310の代わりにS320を6.41g(0.029mol)を用いる以外は化合物1の合成法と同様にして化合物8を82g得る。
【0024】
(化合物9の合成法)
化合物3のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が4100のクライトックス157FSM(デュポン製:ロット15)89.5g(0.022mol)を用いる以外は化合物3の合成法と同様にして化合物9を81g得る。
【0025】
(化合物10の合成法)
化合物3のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が4100のクライトックス157FSM(デュポン製:ロット15)89.5g(0.022mol)及び、アルコキシシランとしてS330の代わりにS360を5.16g(0.029mol)用いる以外は化合物3の合成法と同様にして化合物10を81g得る。
【0026】
(化合物11の合成法)
化合物5のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が4100のクライトックス157FSM(デュポン製:ロット15)89.5g(0.022mol)を用いる以外は化合物5の合成法と同様にして化合物11を41g得る。
【0027】
(化合物12の合成法)
化合物5のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が1780のクライトックス157FSL(デュポン製:ロット10)39.4g(0.022mol)を用い、アルコキシシランとしてS610の代わりにS620を2.86g(0.014mol)用いる以外は化合物5の合成法と同様にして化合物12を15g得る。
【0028】
(化合物13の合成法)
化合物1のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が1780のクライトックス157FSL(デュポン製:ロット10)39.4g(0.022mol)を用いる以外は化合物1の合成法と同様にして化合物13を33g得る。
【0029】
(化合物14の合成法)
化合物1のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が1780のクライトックス157FSL(デュポン製:ロット10)39.4g(0.022mol)を用い、アルコキシシランとしてS310の代わりにS320を6.41g(0.029mol)用いる以外は化合物1の合成法と同様にして化合物14を35g得る。
【0030】
(化合物15の合成法)
化合物3のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が1780のクライトックス157FSL(デュポン製:ロット10)39.4g(0.022mol)を用いる以外は化合物3の合成法と同様にして化合物15を33g得る。
【0031】
(化合物16の合成法)
化合物3のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が1780のクライトックス157FSL(デュポン製:ロット10)39.4g(0.022mol)及び、アルコキシシランとしてS330の代わりにS360を5.16g(0.029mol)用いる以外は化合物3の合成法と同様にして化合物16を33g得る。
【0032】
(化合物17の合成法)
化合物5のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が1780のクライトックス157FSL(デュポン製:ロット10)39.4g(0.022mol)を用いる以外は化合物5の合成法と同様にして化合物17を17g得る。
【0033】
(化合物18の合成法)
化合物5のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が1780のクライトックス157FSL(デュポン製:ロット10)39.4g(0.022mol)及び、アルコキシシランとしてS610の代わりにS620を2.86g(0.014mol)用いる以外は化合物5の合成法と同様にして化合物18を17g得る。
【0034】
(化合物19の合成法)
化合物1のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が5760のクライトックス157FSH(デュポン製:ロット11)125.4g(0.022mol)を用いる以外は化合物1の合成法と同様にして化合物19を116g得る。
【0035】
(化合物20の合成法)
化合物1のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が5760のクライトックス157FSH(デュポン製:ロット11)125.4g(0.022mol)及び、アルコキシシランとしてS310の代わりにS320を6.41g(0.029mol)用いる以外は化合物1の合成法と同様にして化合物20を116g得る。
【0036】
(化合物21の合成法)
化合物3のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が5760のクライトックス157FSH(デュポン製:ロット11)125.4g(0.022mol)を用いる以外は化合物3の合成法と同様にして化合物21を120g得る。
【0037】
(化合物22の合成法)
化合物3のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が5760のクライトックス157FSH(デュポン製:ロット11)125.4g(0.022mol)及び、アルコキシシランとしてS330の代わりにS360を2.58g(0.014mol)用いる以外は化合物3の合成法と同様にして化合物22を120g得る。
【0038】
(化合物23の合成法)
化合物5のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が5760のクライトックス157FSH(デュポン製:ロット11)125.4g(0.022mol)を用いる以外は化合物5の合成法と同様にして化合物23を56g得る。
【0039】
(化合物24の合成法)
化合物5のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が5760のクライトックス157FSH(デュポン製:ロット11)125.4g(0.022mol)及び、アルコキシシランとしてS610の代わりにS620を2.86g(0.014mol)用いる以外は化合物5の合成法と同様にして化合物24を56g得る。
【0040】
(化合物25の合成法)
化合物3のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が4430のフオンブリンZ−DIAC 4000(アウジモント社製:ロット841)48.8g(0.011mol)を用いる以外は化合物3の合成法と同様にして化合物25を45g得る。
【0041】
(化合物26の合成法)
化合物5のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が4430のフオンブリンZ−DIAC 4000(アウジモント社製:ロット841)48.8g(0.011mol)を用いる以外は化合物5の合成法と同様にして化合物26を20g得る。
【0042】
(化合物27の合成法)
化合物3のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が1800のフオンブリンZ−DIAC 2000(アウジモント社製:ロットD2)20.4g(0.011mol)を用いる以外は化合物3の合成法と同様にして化合物27を15g得る。
【0043】
(化合物28の合成法)
化合物5のパーフルオロポリエーテル鎖の代わりにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が1800のフオンブリンZ−DIAC 2000(アウジモント社製:ロットD2)20.4g(0.011mol)を用いる以外は化合物5の合成法と同様にして化合物28を7g得る。
【0044】
化合物1〜28に示したパーフルオロポリエーテル化合物はいずれもフッ素系溶剤であるパーフルオロアルカンあるいはパーフルオロブチルメチルエーテル等のフッ素系溶剤に溶解する。少なくとも燃料を噴霧する燃料噴射孔を有する弁座に上記したパーフルオロポリエーテル化合物の反応膜を形成するには、パーフルオロポリエーテル化合物をパーフルオロアルカンあるいはパーフルオロブチルメチルエーテル等のフッ素系溶剤に溶解した溶液中に燃料噴射弁を浸す、あるいは溶液を燃料噴射弁のノズル部に滴下するなどの方法で塗布した後、これを150℃で10分加熱する。このような処理で化合物1〜28のパーフルオロポリエーテル化合物の末端官能基であるアルコキシシランは、塗布した表面に存在する水酸基と反応を起こし、両者は共有結合する。このような簡単な作業で燃料噴射弁の弁座表面にパーフルオロポリエーテル化合物の反応膜を形成できる。この時、形成された膜厚はパーフルオロポリエーテル化合物の分子量と塗布濃度に依存するが、1.5 〜30nmが好ましい。形成した反応膜の熱安定性は良好である。
本発明は、少なくとも燃料を噴霧する燃料噴射孔を有する弁座に化合物1〜28からなるパーフルオロポリエーテル系化合物を反応固定した燃料噴射弁であって、前記噴射孔は燃料を着火しやすくなるためガソリンの粒径をできるだけ小さく噴霧することが必要であり、ガソリンの粒径を20μm以下に噴霧することが望ましい。ガソリンの粒径を20μm以下に噴霧するためには、前記噴射孔の口径が0.3〜0.8mmが好ましく、前記噴射孔とその周辺近傍は耐腐食性に高い重量で、C0.6〜1.5%,Si1%以下,Mn1.5% 以下及びCr15〜20%を含むフェライト系ステンレス鋼からなることが好ましいことがわかった。
【0045】
本発明は、燃焼室内に吸気手段および排気手段を有するシリンダヘッドと、該シリンダヘッド内を往復運動するピストンと、前記燃焼室に燃料を噴射するように設置した燃料噴射手段と、該燃料噴射手段から噴射した燃料に着火する点火手段とを備えた筒内噴射式エンジンにおいて、前記燃料噴射手段は前述の燃料噴射弁よりなることを特徴とするものである。
【0046】
本発明の燃料噴射弁を用いた筒内噴射式エンジンの特徴は以下の通りである。筒内噴射式エンジンの際は空燃比20以上好ましくは45以上のリーンバーンであり、発進・急加速等の際は空燃比が約12〜15となるように制御され、燃焼室にガソリンを噴霧する弁はガソリンを噴霧する噴出孔とその周辺近傍の表面にパーフルオロポリエーテルからなる皮膜を設けていることを特徴とし、長期間の運転でもエンジンの出力低下がほとんど発生しない特徴がある。
【0047】
本発明の自動車用ガソリン筒内直接燃料噴射式エンジンの断面図を図1に示す。このエンジンは、シリンダヘッド10に燃料噴射弁1を備え、燃料ギャラリから供給された燃料を燃焼室14に直接燃料噴射するように、その先端部は開口している。点火プラグ3は吸気弁4と排気弁5の間に備わっており、吸気弁4が開いている間にピストン8の動きにより吸気ポート6から吸入した吸気と噴射弁1から噴射された燃料の混合気に対して電気火花による点火で燃焼を開始させる。燃焼後のガスは排気弁5が開いている間にピストン8の動きにより排気弁5から排出される。燃料噴射弁1の噴射弁駆動信号端子11には燃料噴射弁駆動回路2が電気的に接続されている。また、燃料噴射弁駆動回路2には燃料噴射弁駆動トリガー信号、および弁体の動作遅れを短縮するように燃料噴射弁の駆動を制御する信号を出力する電子制御ユニット(ECU)9が電気的に接続されている。なお、ECU9にはエンジンの各運転状態が入力され、その運転状態に応じた燃料噴射弁駆動トリガ信号を決定する。吸気ポート6からの空気量はアクセルに連動して動く2カ所の電磁的手段Mによってコントロールされる。燃焼後の排気ガスは低酸素ストレージ型三元触媒12により炭化水素,一酸化炭素およびNOxを排除し、更にリーンNOx触媒13によってNOxが除去される。本実施例においては、燃料噴射弁1から燃料を粒径20μm以下好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下に超微粒子化して筒内に噴射させるとともに空燃比50の高いリンバーンにて駆動させるものである。三元触媒12にはアルミナ担体にPt又はCeを担持し、NOx触媒13にはアルミナ担体にPt又はそれにNa,Tiの酸化物を担持させたものが用いられる。
【0048】
図2には本実施例における燃料噴射弁1の全体構造を示す断面であり、それはシリンダヘッド10に装着される。図2において、22はハウジング、23はコア,34はコイルASSY、25はコイル、26はアマーチャー、27は弁装置であり、この弁装置27はハウジング22の一端にかしめにより支持されている。また、弁装置27は小径円筒部および大径円筒部を持つ段付中空円筒部の弁本体29と、この弁本体29内で中心孔先端に固定されて燃料噴射孔31を有する弁座32とソレノイド装置により弁座32に離接して燃料噴射孔31を開閉する弁体であるニードルバルブ33とを備えている。34はコイルASSYの下端面に接して上記ハウジングとコアの囲む空間で、燃料圧力印加側に配置された2個のOリングである。35は燃料に回転運動を与える旋回手段を備えたスワラーである。燃料噴射孔31の直径は0.8mmである。
【0049】
次に燃料噴射弁1の作動について説明する。コイル25に通電すると、アマーチャー26,コア23で構成される磁気回路に磁束が発生し、アマーチャー26はコア23側で吸引作動し、アマーチャー26と一体構造であるニードルバルブ33が弁座32から離れて間隙が形成されると、高圧の燃料は弁本体29から弁座32の噴射孔31内に入ってその先端孔から前述のごとく20μm以下に超微粒子化して噴霧される。
【0050】
また、燃料噴射弁1はシリンダヘッド筒内に対し2〜10mm突出している。
【0051】
特に、弁本体29,弁座32,ニードルバルブ33及びスワラー35はJIS規格SUS44Cの1%C,16%Crを含むフェライト系ステンレス鋼の冷間塑性加工後焼鈍し、最終形状への切削加工によって製造したものである。噴射孔31の直径は0.8mm であり、その内径の真円度は0.5μm以下である。
【0052】
【発明の実施の形態】
〔実施例1〕
パーフルオロポリエーテル化合物1〜28の0.2wt% パーフルオロヘキサン(3M社製,商品名:FC−72)溶液を調製し、この溶液に図2に示した燃料噴射弁の先端部分を1時間浸漬した。その後、燃料噴射弁を溶液から取り出し、150℃で10分加熱する。このように加熱することで化合物1〜28の末端官能基であるアルコキシシラン残基は少なくとも燃料を噴霧する燃料噴射孔を有する弁座表面の水酸基と脱水反応を起こし、厚さ約2mmパーフルオロポリエーテル化合物の皮膜が形成される。
【0053】
このように、化合物1〜28のパーフルオロポリエーテル化合物を反応固定した燃料噴射弁をガソリン中に浸漬し、接触角の変化を調べた。結果を表1に示す。なお、化合物1〜28のパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量を表1に併記する。ガソリン中に1000時間放置しても燃料噴射弁の弁座表面の接触角は108度以上であり、デポジットの付着を抑制するのに必要な低表面エネルギーを保っていた。
【0054】
【表1】
【0055】
〔比較例1〕
図2に示した燃料噴射弁の少なくとも燃料を噴霧する燃料噴射孔を有する弁座に化合物1から28の代わりに化合物29〜32のパーフルオロアルキル化合物(ヒドラス化学(株)製)の0.2wt% パーフルオロヘキサン(3M社製,商品名:FC−72)溶液を用いて、実施例1と同様の方法で皮膜を形成した。なお、それぞれの正式名称は、構造式の下に併記した。
【0056】
化合物29
F(CF2)8−C2H4−Si(OC2H5)3
(1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン)
化合物30
F(CF2)6−C2H4−Si(O−C2H5)3
(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン)
化合物31
CF3−C2H4−Si(OCH3)3
((3,3,3−トリフルオロプロピル)オクチルトリメトキシシラン)
化合物32
(CF3)2−CFO−C3H6−Si(OC2H5)3
(3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン)
これらの化合物29〜32を反応固定した燃料噴射弁の弁座表面の水に対する接触角はいずれも102〜106度である。
【0057】
このようにして処理した燃料噴射弁を実施例2と同様にガソリン中に浸漬し、燃料噴射弁の弁座表面の接触角の変化を調べた。結果を表2に示す。
【0058】
500時間ガソリン中に浸漬すると、燃料噴射弁の弁座表面の接触角が100度以下に低下した。実施例1と本比較例の結果より、パーフルオロポリエーテル化合物を燃料噴射弁の弁座に反応固定したものは耐ガソリン性に優れていることが示された。
【0059】
【表2】
【0060】
〔実施例2〕
図2に示した燃料噴射弁の少なくとも燃料を噴霧する燃料噴射孔を有する弁座に化合物1〜28のパーフルオロアルキル化合物の皮膜を実施例1と同様にして形成した。このようにパーフルオロポリエーテル化合物の皮膜を形成した燃料噴射弁を、エンジンに組み込まれて使用する際の最高温度である200℃の恒温槽中に放置し、長時間高温雰囲気に晒されてもデポジットの付着を抑制するのに必要な低表面エネルギーが保たれているかどうかを燃料噴射弁の弁座表面の接触角の変化を追跡することで観察した。結果を表3に示す。パーフルオロポリエーテル化合物1〜28を表面に反応固定した燃料噴射弁の弁座表面の接触角は、燃料噴射弁の使用最高温度の200℃の雰囲気で1000時間放置後も107度以上であり、デポジットの付着を抑制するのに必要な低表面エネルギーが保っていた。
【0061】
【表3】
【0062】
〔実施例3〕
パーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量1780の化合物12,平均分子量1780の化合物15および平均分子量1800の化合物28のパーフルオロポリエーテル化合物を用い、実施例1と同様にして図2に示した燃料噴射弁の少なくとも燃料を噴霧する燃料噴射孔を有する弁座にパーフルオロポリエーテル化合物の皮膜を形成した。このようにして化合物12,15および28のパーフルオロポリエーテル化合物を処理した燃料噴射弁と無処理の燃料噴射弁についてベンチテストを行い、燃料噴射弁の弁座表面へのデポジットの付着量を示す指標としてガソリンの流量減少を測定した。
【0063】
使用したエンジンは直噴4サイクル,V型/6気筒(日産自動車製)を用い、エンジンヘッドには80℃の水を循環させてエンジンヘッドの温度を90〜110℃にコントロールし、エンジン回転は1200rpm で、燃料流量は2200cc/hとした。運転時間は140時間とした。
【0064】
図3に実施例3と本実施例の燃料の140時間後のガソリンの流量減少率を示した。図3の結果は、無処理の燃料噴射弁を用いた場合、140時間後のガソリンの流量減少率は12%であったが、パーフルオロポリエーテル化合物を表面処理した場合、燃料の流量低下を4〜5%に抑さえられ、デポジット防止に有効であることを示している。
【0065】
〔実施例4〕
パーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量2440の化合物3,平均分子量2110の化合物5,平均分子量2110の化合物6,平均分子量4100の化合物9,平均分子量4100の化合物11,平均分子量5760の化合物21,平均分子量4430の化合物25および平均分子量4430の化合物26のパーフルオロポリエーテル化合物を用い、実施例1と同様にして図2に示した燃料噴射弁の少なくとも燃料を噴霧する燃料噴射孔を有する弁座にパーフルオロポリエーテル化合物の皮膜を形成した。このようにして化合物3,5,6,9,11,21,25および26のパーフルオロポリエーテル化合物を処理した燃料噴射弁の燃料噴射弁を実験用エンジンに装着し、実施例3と同様にしてベンチテストを行い、燃料噴射弁へのデポジットの付着状況の観察を行った。
【0066】
図4より、化合物3,5,6,9,11,21,25および26のパーフルオロポリエーテル化合物を処理した燃料噴射弁のガソリンの流量減少率は2%以下であり、無処理の燃料噴射弁に比べ流量減少率が1/6以下であった。
【0067】
〔比較例2〕
化合物29〜32のフルオロアルキル化合物を用い、実施例1と同様にして図2に示した燃料噴射弁の少なくとも燃料を噴霧する燃料噴射孔を有する弁座に29〜32のフルオロアルキル化合物の皮膜を形成した。この燃料噴射弁を実施例3と同じ実験用エンジンに装着し、同様にベンチテストを行い、燃料噴射弁の弁座表面へのデポジットの付着量を示す指標としてガソリンの流量減少の測定を行った。
【0068】
図4に結果を示した。いずれの燃料噴射弁も140時間後のガソリンの流量減少率は7〜11%であった。実施例3および4と本比較例より、フルオロアルキル化合物よりもパーフルオロポリエーテル化合物で表面処理した燃料噴射弁の方がガソリンの流量減少を少なくすることが可能であり、さらにパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が2000以上のパーフルオロポリエーテル化合物を用いた場合、140時間後のガソリンの流量減少率を2%以下に抑さえられ、よりデポジット防止に有効であることを示している。
【0069】
以上より、パーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が2000未満でもデポジットの付着を抑制する効果は認められるが、パーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量が2000以上の場合、デポジットの付着を抑制する効果がより高いことを示している。
【0070】
〔実施例5〕
図1の自動車用ガソリン筒内直接燃料噴射式エンジンの燃料噴射弁の少なくとも燃料を噴霧する燃料噴射孔を有する弁座にパーフルオロポリエーテル鎖の平均分子量2440の化合物3,平均分子量2110の化合物6,平均分子量4100の化合物11,平均分子量1780の化合物13,平均分子量4430の化合物25、および平均分子量4430の化合物26のパーフルオロポリエーテル化合物を反応固定した燃料噴射弁を直噴4サイクル,水冷直列4気筒型エンジンに装着した実車の走行試験を行った。
【0071】
燃料噴射弁にこれらのパーフルオロポリエーテル化合物を反応固定するには、まず、パーフルオロポリエーテル化合物の0.2wt% パーフルオロヘキサン(住友3M社製,商品名:FC−72)溶液を調製し、この溶液に図2に示した燃料噴射弁を1時間浸漬し、その後、燃料噴射弁を溶液から取り出し、150℃で10分加熱する。この処理でパーフルオロポリエーテル化合物の未端官能基であるアルコキシシラン残基は燃料噴射弁の弁座表面の水酸基と脱水反応を起こし、パーフルオロポリエーテル化合物の皮膜が形成される。
【0072】
実車走行試験に用いた車のエンジンの総排気量は1769ccである。実車走行試験は市街地を1日8時間走行し、これを20日間行った。この時の走行距離はパーフルオロポリエーテル化合物によって異なるが3430〜3520km、平均のエンジンの回転数は1200rpm ,燃料噴射弁先端部の温度は平均140℃であった。
【0073】
実車走行試験前後の最大出力の経時変化をベンチテストで評価した。また、実車試験後のエンジンを分解し、燃料噴射弁を取り出しガソリンを用いて流量試験を行った。結果を表4に示す。
【0074】
化合物3,6,11,25および26を処理した燃料噴射弁の場合、走行前の最大出力が125〜130ps/6000rpm であったものが、走行後も125〜130ps/6000rpm であり、最大出力の減少はなかった。ガソリンの流量減少率は、いずれの場合も流量減少率が2%以下と小さかった。これに対して化合物13を処理した燃料噴射弁の場合、走行前の最大出力が125〜130ps/6000rpm であったものが、走行後は123〜128ps/6000rpm であり、最大出力は約1.5%減少し、ガソリンの流量減少率も4.1%と小さかった。
【0075】
【表4】
【0076】
〔比較例3〕
無処理の燃料噴射弁を用いる以外は実施例5と同様の条件で実車走行試験を行い、実車走行試験前後の最大出力の経時変化をベンチテストで評価した。また、実車試験後のエンジンを分解し、燃料噴射弁を取り出しガソリンを用いて流量試験を行った。結果を表5に示す。
【0077】
本比較例の場合、走行前の最大出力が125〜130ps/6000rpm であったものが、3460km走行後は112〜116ps/6000rpm と約11%減少した。走行後のガソリンの流量減少率は12%と大きく、デポジットが燃料噴射弁の燃料噴出口に堆積し流路抵抗になっていた。
【0078】
【表5】
【0079】
〔比較例4〕
パーフルオロポリエーテル化合物の代わりに、パーフルオロアルキル化合物 (化合物29)を用い、その他の条件は実施例5と同様にして実車走行試験を行い、実車走行試験前後の最大出力の経時変化をベンチテストで評価した。また、実車試験後のエンジンを分解し、燃料噴射弁を取り出しガソリンを用いて流量試験を行った。結果を表6に示す。
【0080】
その結果、走行前の最大出力が125〜130ps/6000rpm であったものが、走行後は118〜122ps/6000rpm と最大出力は約6%低下した。また、走行後のガソリンの流量減少率は7%と、デポジットが燃料噴射弁の燃料噴出口に堆積し流路抵抗になっていた。
【0081】
以上より、実施例5で述べたパーフルオロポリエーテル化合物を反応固定した燃料噴射弁を有するエンジンは、無処理の比較例3の場合、あるいはパーフルオロアルキル化合物を反応固定した本比較例の場合に比べ、出力低下が少ないことが示された。
【0082】
【表6】
【0083】
(実施例6)
図5は本発明の他の自動車用筒内噴射エンジンの全体構成を示す。本実施例は、アクセルペダル操作量センサ41,エンジン回転数センサ42,排気量センサ49,スロットルアクチュエータ40,点火プラグ48、実施例1と同様の超リーンバーンにてガソリンを超微粒化して気筒内へ直接燃料を噴射する高圧の燃料噴射弁47,高圧噴射弁へ燃料を供給する高圧燃料ポンプ43,空燃比センサ41,触媒42および制御装置43を備えたエンジンで構成され、本発明の特徴は、高圧噴射弁47を点火プラグ48と並設し、その制御装置43の制御方法にある。
【0084】
制御装置43では、アクセルペダル操作量とエンジン回転数から、燃焼モード決定手段によって燃焼モードを決定する。目標空燃比を目標空燃比算出手段によって燃焼モードに応じて算出した後、燃料噴射量算出手段により、燃料噴射量を算出する。一方、スロットル開度指令値はスロットル開度指令値算出手段により、燃焼モードに応じて算出するものである。
【0085】
図中、46は吸気弁、45はフラットピストン、50は排気弁である。燃料噴射弁47は実施例1と同じ図2に示すものを用い、実施例1〜7と同様に本発明に係るその燃焼ガス周辺にさらされる部分にデポジット付着防止膜を形成し、同様にエンジン試験を行った。デポジット付着防止膜の厚さは約2nmとした。本実施例においても40時間の運転試験で流量減少率を測定した結果、その減少率は約2%と著しく少ないものであった。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、ガソリン燃焼の際に発生するデポジットが直噴ガソリンエンジン用燃料噴射弁の表面に付着することを防止し、あるいは付着したデポジットが脱離し易くした筒内直噴ガソリンエンジン用燃料噴射弁が得られ、エンジン気筒内に設定したガソリン濃度,空気流動の最適化を長期間持続することができるとともに超リーンバーン制御を可能にし、燃費のより高い自動車が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る筒内噴射式エンジンの構成図。
【図2】燃料噴射弁の構成図。
【図3】本願および比較例の燃料噴射弁のガソリンの流量減少率を示す線図。
【図4】本願の燃料噴射弁の流量減少率を示す線図。
【図5】本発明に係る筒内噴射式エンジンの構成図。
【符号の説明】
1,47…燃料噴射弁、2…燃料噴射弁駆動回路、3,48…点火プラグ、4,46…吸気弁、5,50…排気弁、6…吸気ポート、7…排気ポート、8,45…ピストン、9…電子制御ユニット、10…シリンダヘッド、11…噴射弁駆動信号端子、12,45…三元触媒、13…NOx触媒、14…燃焼室、22…ハウジング、23…コア、25…コイル、26…アマーチュー、27…弁装置、29…弁本体、31…燃料噴射孔、32…弁座、33…ニードルバルブ、35…スワラー、40…スロットルアクチュエータ、49…排気量センサ。
Claims (9)
- 燃料噴射孔を有する弁座,弁座と同軸上にある燃料噴射孔を開閉するニードル弁、この燃料噴射孔に流入する燃料に回転運動を与える旋回手段を備えた燃料噴射弁において、少なくとも該弁座にパーフルオロポリエーテル化合物を反応固定した層を設け、かつ前記パーフルオロポリエーテル化合物は下記構造を有することを特徴とする燃料噴射弁。
Rf1−A
又は
A−Rf2−A
(式中、Rf1−はF−((CF2)3−O)n−CF2CF2−CONH−又はF−((CF2)3−O)n−CF2CF2−CH2O−,F−(CF(CF3)CF2O)n−CF(CF3)−CONH−,F−(CF(CF3)CF2O)n−CF(CF3)−CH2O−,Rf2−は−NHCO−CyF2y−O−(CxF2xO)n−CyF2y−CONH− 又は−OCH2−CyF2y−O−(CxF2xO)n−CyF2y−CH2O− でxは1〜3の整数で繰り返し毎異なっても良く、yは1または2、nは自然数、−Aはアルコキシシラン部位を有する残基) - 請求項1において、前記パーフルオロポリエーテル化合物のRf1− および−Rf2− の平均分子量が2000以上になることを特徴とする燃料噴射弁。
- 請求項1,2のいずれかにおいて、前記パーフルオロポリエーテル化合物層の厚さが1.5 〜30nmであることを特徴とする燃料噴射弁。
- 請求項1,2のいずれかにおいて、前記燃料噴射孔は燃料を粒径20μm以下に噴霧する口径を有することを特徴とする燃料噴射弁。
- 請求項1,2のいずれかにおいて、前記燃料噴射孔の口径が0.3〜0.8mmであることを特徴とする燃料噴射弁。
- 燃料噴射孔表面に有機皮膜を設けた燃料噴射弁であって、前記噴射孔とその周辺近傍が重量で、C0.6〜1.5%,Si1%以下,Mn1.5 %以下及びCr15〜20%を含むフェライト系ステンレス鋼からなることを特徴とする燃料噴射弁。
- 燃焼室内に吸気手段及び排気手段を有するシリンダヘッドと、該シリンダヘッド内を往復運動するピストンと、前記燃焼室に燃料を噴射するように設置した燃料噴射手段と、該燃料噴射手段から噴射した燃料に着火する点火手段とを備えた筒内噴射式エンジンにおいて、前記燃料噴射手段は請求項1,2のいずれかに記載の燃料噴射弁よりなることを特徴とする筒内噴射式エンジン。
- 燃焼室内に吸気手段及び排気手段を有するシリンダヘッドと、該シリンダヘッド内を往復運動するピストンと、前記燃焼室に燃料を空燃比20以上のリーンバーン制御噴射するように設置した燃料噴射手段と、該燃料噴射手段から噴射した燃料に着火する点火手段とを備えた筒内噴射式エンジンにおいて、前記燃料噴射手段は前記燃料を噴霧する噴出孔とその周辺近傍が重量で、C0.6〜1.5%,Si1%以下,Mn1.5 %以下及びCr15〜20%を含むフェライト系ステンレス鋼からなり、且つ前記噴射孔の口径が前記燃料を粒径20μm以下に噴霧する0.3〜0.8mmを有し、該噴射孔とその周辺近傍の表面に厚さ1.5 〜10nmの有機皮膜が設けられていることを特徴とする筒内噴射式エンジン。
- 請求項7,8のいずれかに記載の筒内噴射式エンジンを搭載したことを特徴とする自動車。
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