JP4492469B2 - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス発生源から発生するガスにより車両ボディの側部と乗員との間で膨張展開されるエアバッグを備えたサイドエアバッグ装置に関する。
この種のサイドエアバッグ装置は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示のサイドエアバッグ装置におけるエアバッグは、乗員の胸部の側方及び頭部の側方にて膨張展開する。つまり、このサイドエアバッグ装置は、車両ボディの側部における衝突に対して、乗員の胸部や頭部を保護する。
特開平10−297409号公報
しかし、特許文献1に開示のサイドエアバッグ装置では、車両に対する斜め前方からの衝突に対して乗員の頭部を保護する機能が不十分である。
本発明は、車両に対する斜め前方からの衝突に対して乗員の頭部を保護する機能に優れたサイドエアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明は、ガス発生源から発生するガスにより車両ボディの側部と乗員との間で膨張展開されるエアバッグを備えたサイドエアバッグ装置を対象とし、請求項1の発明は、前記エアバッグは、車両ボディの側部と乗員との間で膨張展開される主室形成部と、前記主室形成部の上部に連なって乗員の頭部の前方で膨張展開される副室形成部とを備え、前記副室形成部は、前記エアバッグが収容される場合において、前記主室形成部の内方側及び外方側と重なるように内方側から外方側に向けて折り曲げられると共に、その先端側が外方側に配置されるように折り返されることにより、前後方向に折り曲げられ、前記副室形成部は、前後方向に折り曲げられた後に前記主室形成部の上部と共に上下方向に折り曲げられていることを特徴とする。
エアバッグが膨張展開したときには、副室形成部が乗員の頭部の前方で膨張展開する。つまり、膨張展開した副室形成部は、車両に対する斜め前方からの衝突から乗員の頭部を保護する。副室形成部が前後方向に折り曲げられた後に主室形成部の上部と共に上下方向に折り曲げられているため、主室形成部の上部及び副室形成部は、前後方向よりも上下方向への展開が優先的に行われる。これは、乗員と車両ボディの側部との間の狭い場所でエアバッグを迅速に展開する上で有効である。
こにおける主室形成部の内方とは、乗員に近い方の車両ボディの側部とは反対側の方のことであり、主室形成部の外方とは、乗員に近い方の車両ボディの側部の方のことである。副室形成部の先端側は、膨張しながら主室形成部の外方側から主室形成部の内方側へと移動配置され、乗員の頭部が膨張展開中の副室形成部によって叩かれることはない。
好適な例では、前記副室形成部は、前記主室形成部の上下方向に沿って前記主室形成部の内側面に連結されており、前記副室形成部は、前記主室形成部の内側面に重なり、次いで前記主室形成部の外方側に向けて折り曲げられて前記主室形成部の外側面に重なっている。
膨張する副室形成部の前端部は、主室形成部の外側面側から主室形成部の内側面側へ反転移動して配置され、乗員の頭部が膨張展開中の副室形成部によって叩かれることはない。
好適な例では、前記副室形成部の少なくとも一部は、前記主室形成部に重ね合わされており、前記副室形成部と前記主室形成部の上部とは、前記主室形成部の上下方向に蛇腹折りされており、前記副室形成部と前記主室形成部との蛇腹折り部は、前記主室形成部の前後方向に蛇腹折りされている。
副室形成部と主室形成部の上部とは、主室形成部の上下方向に蛇腹折りされているため、エアバッグ内へ供給される高圧ガスのガス圧は、主室形成部の上部及び副室形成部を上方へ迅速に展開する。
好適な例では、前記副室形成部と前記主室形成部との蛇腹折り部は、中折りによって主室に入れ込まれている。
主室に入れ込まれている副室形成部と主室形成部との蛇腹折り部は、エアバッグ内へ供給される高圧ガスのガス圧によって上方へ迅速に展開される。
好適な例では、前記主室形成部の上部は、前記副室形成部を伴って前記主室形成部の上下方向にカクタス折りされており、前記副室形成部を伴って前記主室形成部の上下方向にカクタス折りされている前記主室形成部の上部は、前記主室形成部の前後方向に蛇腹折りされている。
副室形成部を伴って前記主室形成部の上下方向にカクタス折りされている主室形成部の上部は、エアバッグ内へ供給される高圧ガスのガス圧によって上方へ迅速に展開される。
本発明のサイドエアバッグ装置は、車両に対する斜め前方からの衝突に対して乗員の頭部を保護する優れた機能を有する。
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。なお、以下において、前後方向とは、車両の前後進方向のことであり、前方とは、車両の前進方向、後方とは、車両の後進方向のことである。又、右側とは、車両の進行方向に見て右側のことであり、左側とは、車両の進行方向に見て左側のことである。
図1に示すように、シート11は、座部111と背もたれ部112とによって構成されている。シート11の背もたれ部112にはサイドエアバッグ装置12がケース13に収容された状態で内蔵されている。サイドエアバッグ装置12は、シート11に対応する車両の右側のサイドドア10と対向する背もたれ部112の側部に設けられている。サイドエアバッグ装置12は、ケース13の内部に固定されたインフレータ14と、インフレータ14を被覆する布製のエアバッグ15とを備えている。インフレータ14の内部には高圧ガスを発生するガス発生剤(図示略)が収容されている。インフレータ14には噴出口141が形成されている。ガス発生剤から発生する高圧ガスは、噴出口141を経由してエアバッグ15内へ噴出する。
車両ボディには図示しない衝撃センサ(例えば加速度検出器)が設けられている。衝撃センサは、車両に加えられる衝撃の情報(加速度検出器の場合には加速度情報)を図示しない制御手段へ送る。制御手段は、衝撃センサによって検出された衝撃が所定の大きさ以上の衝撃である場合には、インフレータ14を作動させる。つまり、衝撃センサによって検出された衝撃が所定の大きさ以上の衝撃である場合には、ガス発生剤から高圧ガスが発生する。図1及び図2に示すエアバッグ15は、ガス発生剤から発生した高圧ガスによって膨張展開した状態を示す。
エアバッグ15は、図3(a),(b),(c),(d)に示す順序で製作される。図3(a)は、エアバッグ15の材質である布(本実施形態では織布)を所定形状に形成した基本材16を示す。一点鎖線Y1で分けられた基本材16の一方の布部161の形状と他方の布部162の形状とは、谷折り線T1に関して対称である。つまり、基本材16は、左右対称の形状である。
図3(b)は、図3(a)に一点鎖線で示す谷折り線T1で布部161を谷折りした状態を示す。図3(b)に示す17は、布部161を谷折り線T1で折り曲げた折り曲げ片18を残りの布部161(以下、基部21という)に糸で縫いつけたシーム部である。図3(c)は、図3(b)の一点鎖線Y1で基本材16を山折りした状態を示す。図3(d)は、図3(c)に一点鎖線で示す谷折り線T2で布部162を谷折りした状態を示す。布部162を谷折り線T2で折り曲げた折り曲げ片19は、折り曲げ片18に重ね合わせられる。布部162を谷折り線T2で折り曲げた折り曲げ片19以外の残りの布部162(以下、基部22という)は、基部21と重なり合っている。
図3(d)に示す23,24は、重ね合わせられた布部161,162の周縁部を糸で縫い合わせたシーム部である。図3(d)に示す25,26は、重ね合わせられた折り曲げ片18,19の折り曲げ端部20の中間部付近を重ね合わせられた基部21,22に糸で縫いつけたシーム部である。図3(d)に示す27,28は、重ね合わせられた基部21,22を縫い合わせたシーム部である。図3(e)は、図3(d)に示すエアバッグ15を裏側から見た状態を示す。
シーム部23、折り曲げ端部20、シーム部27及び基部21,22は、重ね合わせられた基部21,22間に主室S(図2に図示)を形成する。以下、重ね合わせられた基部21,22を主室形成部Soという。シーム部25、折り曲げ端部20及び折り曲げ片18,19は、重ね合わせられた折り曲げ片18,19間に副室F(図2に図示)を形成する。以下、重ね合わせられた折り曲げ片18,19を副室形成部Foという。副室形成部Foは、主室形成部Soの上部So1の内側面(基部21側の表面)に連結されており、先端縁29と谷折り線T3との間の副室形成部Foの領域F1は、主室形成部Soの内側面(基部21の表面)に重なっている。インフレータ14で発生する高圧ガスは、噴出口141を経由して主室Sへ流入する。主室Sへ流入した高圧ガスの一部は、折り曲げ端部20を経由して副室Fへ流入する。
車両ボディの左側のシートに設けられるサイドエアバッグは、図3(d),(e)に示すエアバッグ15の図を図3(d),(e)上で左右反転した構成となる。
図3(d),(e)に示すように製作されたエアバッグ15は、図4、図5、図6、図6及び図7に示す順序で折り畳まれる。図4(a)は、重ね合わせられた折り曲げ片18,19(副室形成部Fo)を図3(d)に一点鎖線で示す谷折り線T3で谷折りした状態を示す。つまり、副室形成部Foは、谷折り線T3で後側から前側へ折り曲げられている。シーム部27は、谷折り線T3の限界位置を規定し、谷折り線T3がシーム部27の内側(シーム部27と折り曲げ端部20との間)に入り込むことはない。図4(b)は、図4(a)に示すエアバッグ15を裏側から見た状態を示す。
図5(a)は、副室形成部Foを図4(a)に一点鎖線で示す山折り線Y2で山折りした状態を示す。つまり、副室形成部Foは、山折り線Y2で前側から後側へ折り曲げられている。つまり、副室形成部Foのうち、谷折り線T3と山折り線Y2との間の領域F2は、主室形成部Soの内側面(基部21の表面)に重なっており、山折り線Y2と副室形成部Foの先端縁29との間の領域F3は、主室形成部Soの外側面(基部22の表面)に重なっている。図5(b)は、図5(a)に示すエアバッグ15を裏側から見た状態を示す。図5(c)は、図5(a),(b)に示すエアバッグ15を上から見た簡略図である。
図6(a)は、折り曲げ片18,19(副室形成部Fo)と基部21,22(主室形成部So)との重なり部30を通る一点鎖線T4,T5,Y3でエアバッグ15の上部(副室形成部Fo及び主室形成部Soの上部So1)を上下方向に蛇腹折りした状態を示す。本実施形態では、主室形成部Soの上部So1とは、図5(a),(b)において基部21と基部22との垂直に立てられた連結部163よりも上側のことを言う。重なり部30は、谷折り線T4,T5で谷折りされ、山折り線Y3で山折りされる。つまり、副室形成部Foは、前後方向に折り曲げられた後に主室形成部Soの上部So1と共に上下方向に折り曲げられる。一点鎖線T4,T5,Y3は、互いに略平行であり、一点鎖線T4,T5,Y3は、基部21と基部22との連結部163(山折り線Y1)と略直交している。図6(b)は、図6(a)のエアバッグ15を裏側から見た状態を示す。図6(c)は、図6(a)のB−B線で見た簡略断面図である。
図7(a),(b)は、図6(a),(b)に示す重なり部30を通る一点鎖線C1,C2,C3,C4でエアバッグ15を中折りした状態を示す。図7(b)は、図7(a)のエアバッグ15を裏側から見た状態を示す。副室形成部Fo及び主室形成部Soの上部So1を蛇腹折りした蛇腹折り部31における基部21は、図6(a)に示す一点鎖線C1で谷折りされ、一点鎖線C2で山折りされる。蛇腹折り部31における基部22は、図6(b)に示す一点鎖線C3で谷折りされ、一点鎖線C4で山折りされる。図7(c)は、図7(a)のC−C線で見た簡略断面図である。蛇腹折り部31の一部は、中折りによって主室S内に入れ込まれている。
図7(a),(b)に示すように蛇腹折り部31の一部を主室S内に入れ込まれたエアバッグ15は、一点鎖線T6,T7,T8,T9,Y4,Y5,Y6,Y7,Y8で前後方向に蛇腹折りされる。本実施形態では、一点鎖線T6,T7,T8,T9は、谷折り線であり、一点鎖線Y4,Y5,Y6,Y7,Y8は、山折り線である。一点鎖線T6,T7,T8,T9,Y4,Y5,Y6,Y7,Y8は、互いに略平行であり、かつ基部21と基部22との連結部163(山折り線Y1)に対して略平行である。つまり、一点鎖線T6,T7,T8,T9,Y4,Y5,Y6,Y7,Y8は、一点鎖線T4,T4,T3に対して略直交している。
図7(d)は、図7(a),(b),(c)に示すエアバッグ15を蛇腹折りしたエアバッグ(以下、エアバッグ15Jという)を示す簡略図である。シート11の背もたれ部112に内蔵されるエアバッグは、図7(d)に示すエアバッグ15Jである。
インフレータ14で発生した高圧ガスは、ケース13内に収容されたエアバッグ15Jの主室Sへ噴出口141から流入する。主室Sへ流入した高圧ガスは、エアバッグ15Jの前後方向に蛇腹折りされている蛇腹折り部分を前側へ伸長するように展開しようとし、かつ主室Sに折れ込まれている蛇腹折り部31を上方へ伸長するように展開しようとする。これにより、エアバッグ15Jの前後方向に蛇腹折りされている蛇腹折り部分が前方に伸長するように展開すると共に、蛇腹折り部31が上方に伸長するように展開する。蛇腹折り部31内へ進入した高圧ガスの一部は、副室Fへ進入する。副室形成部Foは、基部21の表面側から折り曲げ端部20の前側を通って基部22の表面側へと折り曲げられているため、主室Sから副室Fへの高圧ガスの流入は、蛇腹折り部31がかなり展開した後に専ら生じる。つまり、エアバッグ15Jの上方への展開が副室Fの展開よりも優先的に行われる。
図2に示すように、主室形成部Soは、シート11に着座している乗員Pと、車両ボディの側部であるサイドドア10との間で展開する。副室形成部Foは、乗員Pの頭部Hの斜め前方で展開する。基部21は、乗員P側にあり、基部22は、シート11に対応するサイドドア10側にある。主室形成部Soは、乗員Pの腹部、胸部、肩及び頭部Hを保護し、副室形成部Foは、乗員Pの頭部Hを保護する。
第1の実施形態では以下の効果が得られる。
(1)主室形成部Soは、車両の側部における衝突から乗員Pの頭部Hも保護するが、乗員Pの頭部Hの斜め前方で展開する副室形成部Foは、車両の斜め前方からの衝突から乗員Pの頭部Hを保護する。つまり、主室形成部Soのみしかないエアバッグ(特許文献1に開示されるエアバッグに相当)に比べて、副室形成部Foを備えたエアバッグ15は、乗員Pの頭部Hを保護する機能に優れている。
(2)乗員Pの首より下の身体部とサイドドア10との間の隙間は狭い。副室形成部Foの展開がエアバッグ15の上下方向への展開よりも優先されると、副室形成部Foが乗員Pの首より下の身体部とサイドドア10との間の狭い場所で膨張展開しようとする。これは、結果的にはエアバッグ15を迅速に展開完了させる上で妨げとなる。
一点鎖線T3,Y2で前後方向に副室形成部Foを折り曲げた後に一点鎖線T4,T5,Y3で上下方向に副室形成部Foを主室形成部Soの上部So1と共に折り曲げた構成は、主室Sから副室Fへの高圧ガスの流入を遅らせて、副室形成部Foの展開よりも主室形成部Soの上方への膨張展開を優先させる上で有効である。つまり、主室Sから副室Fへの高圧ガスの流入を遅らせて、副室形成部Foの展開よりも主室形成部Soの上方への膨張展開を優先させる構成は、エアバッグ15の展開完了の迅速化に有効である。
(3)副室形成部Foの一部(山折り線Y2と副室形成部Foの先端縁29との間の領域F3)は、膨張しながら主室形成部Soの外方側(基部21の表面側)から主室形成部Soの内方側(基部22の表面側)へと移動配置される。従って、乗員Pの頭部Hが膨張展開中の副室形成部Foによって叩かれることはない。
(4)副室形成部Fo(折り曲げ片18,19)は、折り曲げ端部20にて基部21の表面に接する(折り曲げ片18が基部21の表面に接する)ように折り曲げられている。このような折り曲げ構成は、主室Sから副室Fへの高圧ガスの流入を遅らせて主室形成部Soの上方への膨張展開を優先させる上で有効である。
(5)副室形成部Foのうち、谷折り線T3と山折り線Y2との間の領域F2は、基部21の表面側にあり、山折り線Y2と副室形成部Foの先端縁29との間の領域F3は、基部22の表面側にある。このような折り曲げ構成は、副室形成部Foの膨張展開を遅らせて主室形成部Soの上方への膨張展開を優先させる上で有効である。
(6)蛇腹折り部31には副室形成部Foが含まれている。一部を主室形成部Soの内方側から外方側に向けて折り曲げられている副室形成部Foを主室形成部Soの上部So1と共に蛇腹折りにした構成は、副室形成部Foの膨張展開を遅らせて主室形成部Soの上方への膨張展開を優先させる上で有効である。
(7)副室形成部Foに重なる主室形成部Soと副室形成部Foとの重なり部30は、主室形成部Soの上下方向に蛇腹折りされている。この蛇腹折り部31へ進入した高圧ガスは、蛇腹折り部31を上方へ迅速に膨張展開し、主室形成部Soが上方へ迅速に膨張展開する。蛇腹折り部31には副室形成部Foが前後方向に折り曲げた状態で含まれているため、主室形成部Soの上方への展開は、副室形成部Foの膨張展開よりも優先して行われる。重なり部30を主室形成部Soの上下方向に蛇腹折りした構成は、主室形成部Soの上方への展開を副室形成部Foの膨張展開よりも優先させる上で、簡便な折り曲げ構成である。
(8)副室形成部Foと主室形成部Soとの蛇腹折りされた重なり部30(蛇腹折り部31)は、中折りによって主室Sに入れ込まれている。蛇腹折り部31を中折りによって主室Sに入れ込んだ構成は、折り畳まれたエアバッグ15Jをコンパクトにし、かつ主室形成部Soを上方へ迅速に展開する上で有効である。しかも、中折りは、蛇腹折り部31を主室S内へ入れ込む上で簡便な折り曲げ構成である。
本発明では以下のような実施形態も可能である。以下の各実施形態においては、第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
・図8(a),(b)に示すように、重なり部30をカクタス折りしてもよい。重なり部30をカクタス折りしたカクタス折り部32の一部は、主室Sに入れ込まれている。この実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
・図9の実施形態では、副室形成部Foの先端側の領域F4が主室形成部Soの内方側から外方側へ折り曲げられている。つまり、副室形成部Foの先端側の領域F4は、前側から後側へ折り曲げ形成されており、折り曲げられた領域F4は、副室形成部Fo自身と重ね合わせられている。重なり部30は、第1の実施形態と同様に上下方向に蛇腹折りされている。
・図10の実施形態では、副室形成部Foの先端側の領域F5が主室形成部Soの内方側から外方側へ折り曲げられている。つまり、副室形成部Foの先端側領域F5は、前側から後側へ折り曲げ形成されており、折り曲げられた領域F5は、副室形成部Foの領域F1と領域F2との間に折り込まれている。重なり部30は、第1の実施形態と同様に上下方向に蛇腹折りされている。
・図11の参考例では、副室形成部Foの先端側の領域F6が主室形成部Soの外方側から内方側へ折り曲げられている。つまり、副室形成部Foの先端側の領域F6は、前側から後側へ折り曲げ形成されており、折り曲げられた領域F6は、副室形成部Foの領域F2と重ね合わせられている。重なり部30は、第1の実施形態と同様に上下方向に蛇腹折りされている。
・図12の実施形態では、副室形成部Foの先端側の領域F3に連なる領域F7が主室形成部Soの内方側から外方側へ折り曲げられている。つまり、副室形成部Foの先端側の領域F7は、後側から前側へ折り曲げ形成されており、折り曲げられた領域F7は、副室形成部Foの領域F3と重ね合わせられている。重なり部30は、第1の実施形態と同様に上下方向に蛇腹折りされている。
第1の実施形態において、蛇腹折り部31の全部を主室S内に入り込ませてもよい。
・図13に示すように、一点鎖線T4,T5,Y3は、基部21と基部22との連結部163に対して傾いていてもよい。つまり、一点鎖線T4,T5,Y3と連結部163との成す角度αは、例えば60°〜120°の範囲内にあればよい。
・図14に示すように、一点鎖線T6,T7,T8,T9,Y4,Y5,Y6,Y7,Y8は、基部21と基部22との連結部163に対して傾いていてもよい。つまり、一点鎖線T6,T7,T8,T9,Y4,Y5,Y6,Y7,Y8と連結部163との成す角度βは、例えば−45°〜+45°(直交しているときを0°としている)の範囲内にあればよい。
・一点鎖線T4,T5,Y3と一点鎖線T6,T7,T8,T9,Y4,Y5,Y6,Y7,Y8とは、直交していなくてもよい。つまり、一点鎖線T4,T5,Y3と一点鎖線T6,T7,T8,T9,Y4,Y5,Y6,Y7,Y8との成す角度は、例えば−30°〜+30°(直交しているときを0°としている)の範囲内にあればよい。
・前記した各実施形態において、蛇腹折り部31あるいはカクタス折り部32を主室Sに入れ込んだ後、蛇腹折り部31あるいはカクタス折り部32と共に主室形成部Soを前側から後側へとロール折りしてもよい。この場合、ロール折りの折り方向は、望ましくは主室形成部Soの内方側から外方側(車両の室内側から室外側)に向かう方向であるが、主室形成部Soの外方側から内方側(車両の室外側から室内側)に向かう方向であってもよい。主室形成部Soの内方側から外方側(車両の室内側から室外側)に向けて主室形成部Soを折ってゆく構成では、このロール折りされたエアバッグの前方への展開の際にロール折りがドアトリム側で解かれてゆくため、乗員側のエアバッグ表面が滑らかに車両前方へ拡がってゆく状態となる。従って、乗員とドアトリムとの間でエアバッグがスムーズに展開でき、しかもエアバッグが乗員をソフトに拘束する。
第1実施形態を示す側面図。 図1のA−A線断面図。 (a),(b),(c),(d),(e)は、エアバッグの製作を説明する側面図。 (a),(b)は、副室形成部の折り曲げ方を説明する側面図。 (a),(b)は、副室形成部の折り曲げ方を説明する側面図。(c)は、図5(a)の簡略平面図。 (a),(b)は、副室形成部を含む重なり部の折り曲げ方を説明する側面図。(c)は、図6(a)のB−B線断面図。 (a),(b)は、蛇腹折り部を入れ込んだ主室形成部の折り曲げ方を説明する側面図。(c)は、図7(a)のC−C線断面図。(d)は、折り畳まれたエアバッグを示す簡略側面図。 別の実施形態を示し、(a)は、側面図。(b)は、図8(a)のD−D線断面図。 別の実施形態を示す簡略平面図。 別の実施形態を示す簡略平面図。 参考例を示す簡略平面図。 別の実施形態を示す簡略平面図。 別の実施形態を示す側面図。 別の実施形態を示す側面図。
符号の説明
10…車両ボディの側部であるサイドドア。12…サイドエアバッグ装置。14…ガス発生源としてのインフレータ。15,15J…エアバッグ。30…重なり部。31…蛇腹折り部。S…主室。So…主室形成部。So1…上部。Fo…副室形成部。P…乗員。H…頭部。

Claims (5)

  1. ガス発生源から発生するガスにより車両ボディの側部と乗員との間で膨張展開されるエアバッグを備えたサイドエアバッグ装置において、
    前記エアバッグは、車両ボディの側部と乗員との間で膨張展開される主室形成部と、前記主室形成部の上部に連なって乗員の頭部の前方で膨張展開される副室形成部とを備え、
    前記副室形成部は、前記エアバッグが収容される場合において、前記主室形成部の内方側及び外方側と重なるように内方側から外方側に向けて折り曲げられると共に、その先端側が外方側に配置されるように折り返されることにより、前後方向に折り曲げられ、
    前記副室形成部は、前後方向に折り曲げられた後に前記主室形成部の上部と共に上下方向に折り曲げられているエアバッグ装置。
  2. 前記副室形成部は、前記主室形成部の上下方向に沿って前記主室形成部の内側面に連結されており、前記副室形成部は、前記主室形成部の内側面に重なり、次いで前記主室形成部の外方側に向けて折り曲げられて前記主室形成部の外側面に重なっている請求項に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記副室形成部の少なくとも一部は、前記主室形成部に重ね合わされており、前記副室形成部と前記主室形成部の上部とは、前記主室形成部の上下方向に蛇腹折りされており、前記副室形成部と前記主室形成部との蛇腹折り部は、前記主室形成部の前後方向に蛇腹折りされている請求項1又は請求項に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記副室形成部と前記主室形成部との蛇腹折り部は、中折りによって主室に入れ込まれている請求項に記載のエアバッグ装置。
  5. 前記主室形成部の上部は、前記副室形成部を伴って前記主室形成部の上下方向にカクタス折りされており、前記副室形成部を伴って前記主室形成部の上下方向にカクタス折りされている前記主室形成部の上部は、前記主室形成部の前後方向に蛇腹折りされている請求項1又は請求項に記載のエアバッグ装置。
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