JP4491478B2 - アルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付け方法およびアルミニウム合金製ブレージングシート - Google Patents
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Description
図1にインナーフィンを用いたエバポレーターコアのチューブ−フィン部位の組立状態の基本的構造の一例を斜視図で示す。同図はコアを切断して内部を示したもので、図面に示すように冷媒通路16を設けて成型加工し、冷媒通路16内部にコルゲート加工した内側フィン材13を設けたチューブ材11と、アルミニウム合金板材をコルゲート加工し、コア外部に設置した外側フィン材12を交互に重ね合わせて組み立て構成されている。図中14はチューブ材11の内側接合部であり、15は冷媒通路16内に設けたコルゲート状内側フィン材13のチューブ材11との接合部を示す。
同図において内側フィン材13とチューブ材11が接合している内側接合部15の側、あるいはチューブ接合部14の側を中空構造体内部とし、外側フィン材12とチューブ材11が接合している側を開放部と呼ぶこととする。同様に、図7に示すドロンカップ構造においてドロンカップ内側接合部74の側を中空構造体内部とし、ドロンカップ外側接合部75の側を開放部と呼ぶ。
この真空ろう付け法では複雑な構造においてもろう付けが可能であるが、雰囲気の制御には大型で高価な設備を用いなければならないという問題点がある。さらに、真空ろう付け法では材料中に添加したZnが蒸発してしまい、Znによる犠牲防食効果が得られない問題がある。
また、この工法は、非腐食性フラックスを使用して不活性ガス中で炉内ろう付けする方法で、不活性ガスにより炉内雰囲気の酸素濃度を簡単に制御できることから工業的に容易にろう付けすることができる。また非腐食性フラックスを使用するためろう付け加熱後にフラックスを除去する必要が無いことから、特に自動車用熱交換器の製造には最も広く利用されているろう付け方法である。
さらに、こうしてろう付けした熱交換器コアのチューブ内部においてはフラックス残渣が存在するため、チューブがフラックス残渣により閉塞することがあり熱交換器の性能低下の原因となることもあった。
覆い中のMgや覆い内部の置きMgを使用する方法では、大気圧下でのろう付けのためMgの蒸発はほとんど起きず、被ろう付け部に達するMg量が極端に少なく確実にろう付けするのは困難である。一方で、被ろう付け物のろう材中や被ろう付け物の構造材料中にMgを添加した材料を用いた熱交換器部材を、覆い内部に布置しろう付けを行う工法においては、ろう付けの度に被ろう付け物を覆い内部に布置しないとならず、工業的に生産するには非効率的な工法である。
このように、工業的に熱交換器を製造する際のろう付けには解決すべき問題が残されている。
さらに、本発明の目的は、構成部材にMgを含有させたブレージングシートを用いることによって、中空構造体内部の無フラックスろう付けを可能とする方法において、クラッドしたろう材厚が薄い場合にもろう切れが発生しにくいブレージングシートを提供することである。
(1)アルミニウム合金製ブレージングシートのろう材クラッド面がろう付け組立体の内側となって中空構造を為すように中空構造体を成形し、該中空構造体の内部においてフラックスを塗布せずに不活性ガス雰囲気中で大気圧下にてろう付けするアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付け方法であって、
前記アルミニウム合金製ブレージングシートとして、アルミニウム又はアルミニウム合金芯材の少なくとも前記中空構造体の内部側となる面に下記数式(1)〜(4)を満たすようAl−Si系合金ろう材をクラッドしたものを用いることを特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付け方法、
(X+Y)≦a/60+0.5 ・・・ 数式(1)
X>Y ・・・ 数式(2)
0.05≦X≦1.0 ・・・ 数式(3)
0.01≦Y<0.2 ・・・ 数式(4)
(数式中、aは中空構造体内部側のろう材クラッド厚さ(μm)を表す。Xは芯材のMg含有量(mass%)を表す。Yはろう材のMg含有量(mass%)を表す。)
(2)中空構造体内部以外の開放部において、フラックスを用いて不活性ガス雰囲気中でろう付けを行うことを特徴とする前記(1)項記載のアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付け方法、
(3)前記ろう材をクラッドしたアルミニウム合金製ブレージングシートが、さらに下記数式(5)を満たすことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付け方法、
(X+Y)≦−a/60+1.5 ・・・ 数式(5)
(数式中、a、X、Yは前記(1)項と同義である。)
(4)前記ろう材のクラッド厚さaが5μm以上80μm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付け方法、
(5)前記(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の方法に使用されるアルミニウム合金製ブレージングシートであって、アルミニウム又はアルミニウム合金芯材の片面又は両面にAl−Si系合金ろう材が下記数式(1)〜(4)を満たすようクラッドされたことを特徴とするアルミニウム合金製ブレージングシート、
(X+Y)≦a/60+0.5 ・・・ 数式(1)
X>Y ・・・ 数式(2)
0.05≦X≦1.0 ・・・ 数式(3)
0.01≦Y<0.2 ・・・ 数式(4)
(数式中、a、X、Yは前記(1)項と同義である。)
(6)前記ろう材をクラッドしたアルミニウム合金製ブレージングシートが、さらに下記数式(5)を満たすことを特徴とする前記(5)項に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金製ブレージングシート、
(X+Y)≦−a/60+1.5の ・・・ 数式(5)
(数式中、a、X、Yは前記(1)項と同義である。)
(7)アルミニウム合金製ブレージングシートが熱交換器用のブレージングシートであることを特徴とする前記(5)又は(6)項のいずれか1項に記載のアルミニウム合金製ブレージングシート、
(8)前記ろう材のクラッド厚さaが5μm以上80μm以下であることを特徴とする(5)〜(7)のいずれか1項に記載のアルミニウム合金製ブレージングシート、
(9)前記(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付け方法を介して製造することを特徴とするアルミニウム合金製熱交換器の製造方法。
さらに、このろう付け工法に好適に用いることができる本発明の熱交換器用ブレージングシートは、ろう付け炉内の酸素濃度を著しく低く制限する必要がなく、熱交換器のろう付け工程を大幅に簡略化することができ、良好で安定したろう付け性が得られる。また、特にろう材厚が薄い場合においてでも良好なろう付けを行なうことが出来る。したがって、工業上顕著な効果を奏するものである。本発明のアルミニウム合金製ブレージングシートは、自動車用熱交換器部材、例えばエバポレータ、コンデンサ、オイルクーラー等のチューブ材やその内部フィン材などとして好適である。
本発明のアルミニウム合金製ブレージングシートを用い、本発明のアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付け方法を用いることにより、アルミニウム合金製熱交換器を工業的かつ効率的に製造することができる。
本発明における無フラックスろう付けのメカニズムは以下の通りである。
前述の通り、従来技術の高真空中にて行われる真空ろう付け法は、ブレージングシートのろう材中のMgがろう付加熱によりブレージングシートから蒸発する際に、ろう材の強固な酸化皮膜を破壊する。また蒸発したMgが炉内の残留酸素および水分を除去するゲッターとしての役割を果たす。これらにより、熱交換器部材のろう付けが可能となる。
これに対し、本発明では、大気圧下でろう付けを行うためMgの蒸発はほとんど起きず、Mgの蒸発による炉内の酸化雰囲気低減の作用はほとんど起こらない。そのため、Mgの添加されたブレージング構成層に接するろう材表面ごく近傍のみがろう付けするのに可能な非酸化性雰囲気になっている。大気圧下でろう付けを行うときろう付け中のろう材の再酸化を防ぐためにこの状態を保つ必要があり、例えばチューブ内部のように中空構造を為して外部雰囲気の影響を受けにくくする必要がある。
3Mg+Al2O3→3MgO+2Al
で表される還元反応により、ろう材表面のアルミニウムの酸化皮膜は破壊され、ろう付けが可能となる。本発明では上記還元反応を利用して中空構造内部の無フラックスろう付けを可能としている。
本発明のろう付け法に用いられるブレージングシートは、少なくともろう材層以外のブレージングシート構成層(例えば芯材など)にMgを添加したアルミニウム合金製ブレージングシートである。
図3において、外ろう材31と内ろう材33の合金組成は同一であっても互いに異なっていてもよい。
図4において、第1及び第2の内ろう材41、43の合金組成は同一であっても互いに異なっていてもよい。
図5及び図6において外ろう材(51、61)と内ろう材(54、65)の合金組成は同一であっても互いに異なっていてもよい。
また、図6に示す例のように芯材と内側ろう材との間に拡散調整層を適宜クラッドすることができる。
また、本発明においては、内ろう材、拡散調整層、芯材及び犠牲防食層をこの順に有する4層構造や、図6に示す例において拡散防止層を省略した4層構造等を有するブレ−ジングシートとすることもできる。
ただし本発明において用いられるブレージングシートは上記構成に限定されるものではない。
近年、熱交換器の薄肉化に伴いろう材厚も薄くなっているが、このようにろう材厚が薄くなる場合、ろう付け加熱途中において、芯材からの拡散によりMgがろう材表面に過剰に供給されてしまう。この過剰に供給されるMgの自己酸化によりろう付け性は低下してしまう。そこで、ろう溶融前のMgの自己酸化を防ぐためにはろう材最表面にろう付け加熱途中に到達するMgを制御する必要がある。本発明では、中空構造体内部側のろう材(内ろう材)のクラッド厚さa(μm)と芯材のMg含有量X(mass%)、該ろう材のMg含有量Y(mass%)との関係が(X+Y)≦a/60+0.5とすることで無フラックスろう付けのろう付け性を低下させること無くろう材のクラッド厚さを薄くすることができる。
本発明においては、芯材のMg含有量は、上記の範囲に限定されず、例えば以下に述べるようにアルミニウム合金製ブレージングシートの実施の形態に応じてその量を上述のものとは異なる範囲とすることができる。
図2〜図6で示すブレージングシートの場合、芯材へのMg添加量は0.4mass%以下とすることが好ましい。さらには0.3mass%以下とすることがより好ましい。また0.1mass%以上とすることが好ましい。
図2で示すブレージングシートの場合、拡散防止層や犠牲防食層をクラッドする場合は、その厚みに応じて芯材へのMg添加量を増やすことができる。
図5及び図6で示すブレージングシートの場合、拡散防止層の厚みにより芯材へのMg添加量を適宜調整することができる。拡散防止層にもMgを添加することができるが、その量は0.4mass%以下であることが好ましい。さらには0.3mass%以下とすることがより好ましい。
また、図6で示すブレージングシートの場合、拡散調整層の厚みにより芯材へのMg添加量をさらに適宜調整することができる。拡散調整層はMgを含有しても含有しなくてもよいが、Mgを含有する場合は芯材より含有量が少ないことが好ましい。拡散調整層のMg含有量は、0.3mass%以下とすることが好ましい。拡散調整層を設ける場合には、芯材に含まれるMgが、拡散調整層さらには内ろう材へと拡散し、無フラックスろう付けが可能となる。
芯材53のSiは強度向上に寄与する。Si量は、0.2〜1.2mass%が好ましい。Si量が少なすぎると強度向上効果が十分でなく、多すぎると融点が低下し、ろう付け加熱中に溶融してしまう。
芯材のFeは粗大な金属間化合物を合金中に分布させて結晶粒を微細にし、成型加工時の割れを防止する作用を有する。Fe量は0.05〜2.0mass%が好ましい。Fe量が少なすぎるとこの作用が十分でなく、多すぎる場合成形性が低下し、成型加工時にブレージングシートが割れてしまう。
芯材のCuはろう付け後に固溶状態にて合金中に存在して強度を向上させる。Cu量は0.1〜1.2mass%が好ましい。Cu量が少なすぎると十分な強度向上効果が得られず、多すぎると融点が低下するため、ろう付け加熱中に溶融してしまう。
芯材のMnは微細な金属間化合物を合金中に分布させ強度を向上させるために有効である。Mn量は、0.05〜2.0mass%が好ましい。Mn量が少なすぎると強度向上が十分でなく、多すぎる場合、成形性が低下し、成型加工時にブレージングシートが割れてしまう。
芯材のMgは前述のようにろう付け加熱途中で内ろう材に拡散することにより、内部にフラックスを塗布せずにろう付けすることを可能にする。Mg量は0.2〜1.5mass%が好ましい。Mg量が少なすぎると内ろう材への拡散量が少ないため、内部にフラックスを塗布せずにろう付けすることはできない。多すぎる場合、合金の圧延加工性が低下しブレージングシートの製造が困難になる。このように本発明の4層材のような場合、内ろう材以外へのMg拡散量が多いため、芯材へのMg添加量は0.2mass%以上が好ましい。また、ろう材に低融点ろう材を用いてろう付け加熱を行なう場合、通常より20℃程度低い温度(580℃)でろう付けを行なうことが出来るため1.0mass%を超えたMgを添加してもエロージョン発生を押えることが出来る。
また、拡散防止層、拡散調整層はアルミニウム又はアルミニウム合金であれば特に制限されるものではなく、例えば、3000系合金、1000系合金を用いることができる。
Siはろう材の融点を下げる。このSi量は7〜12mass%が好ましい。その量が少なすぎると十分に融点が低下せず、多すぎると逆に融点が上がるためろう付け性が低下する。さらに、ろう流れ性を考慮すると8.0〜11.0mass%の添加量がより好ましい。
Cuはろう材の融点を下げる。このCu量は0.5〜8mass%が好ましい。その量が少なすぎると十分に融点が低下せず、多すぎると合金の圧延加工性が低下しブレージングシートの製造が困難になる。さらに、ろう流れ性を考慮すると1.0〜3.5mass%の添加量がより好ましい。
Znはろう材の融点を下げる。このZn量は0.5〜6mass%が好ましい。その量が少なすぎると十分に融点が低下せず、多すぎると合金の圧延加工性が低下しブレージングシートの製造が困難になる。さらに、ろう流れ性を考慮すると2.0〜5.0mass%の添加量がより好ましい。
本発明に用いられるろう材の合金元素は以上の通りであるが、不可避的不純物として、Fe等を、ろう付け性を低下させない範囲内で含有しても良い。
本発明に用いられるろう材はアルミニウム又はアルミニウム合金芯材の片面又は両面に所定の厚さにクラッドして、ブレージングシートの形成に用いられる。このろう材のクラッド率は片面について芯材に対し、好ましくは5〜30%、より好ましくは7〜20%である。
特に板厚の薄いブレージングシートにおいてろう材厚さが25μm以下となる場合において、本発明のブレージングシートではろう付けが良好であり効果的である。
開放部においてフラックスを用いたろう付けを行う場合に用いられるフラックスは通常使用されるものであり、例えばフッ化物系フラックスなどである。
本発明のアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付け方法は様々な用途に用いることができる。例えば、本発明を使用してアルミニウム又はアルミニウム合金材を組み立てることにより、パラレルフロータイプ(例えば、図1に示すミニコアを組立てたもの)やドロンカップタイプ(例えば、図7に示す基本的構造に従って組み立てたもの)などのアルミニウム合金製熱交換器を製造することができる。
実施例1
表1に示した組成の各合金材料を用いて表2〜6に示す構成のブレージングシートを作製した。各ブレージングシートにプレスオイルを塗布し、各型にプレスした後、有機溶剤で脱脂洗浄し、常温にて乾燥させ、表2、表4、または表6に示す構成の各ブレージングシートで図1に示したミニコア形状のチューブ部分を作製した。外側フィン材にはJIS A 3003芯材の両面にJIS A 4045を10%のクラッド率でクラッドした厚さ80μmのフィン材を用いた。外側フィン材にはフラックスを塗布し、乾燥させた。内側フィン材には厚さ70μmのJIS A 3003フィン材を用いて、以下に述べるようにろう付けを行った。
また、同様にして表3又は表5に示す構成の各ブレージングシートで図7に示した3段ドロンカップを作製した。2枚のカップを重ね合わせた時の高さは8mmであり、カップの直径は4cmである。図7はドロンカップ71の内部を一部切欠断面図により示したもので、図面に示すように最上段以外はドロンカップの上下のカップ中央部に10mmφの穴を空けられており、この穴が合わさるように重ね合わせて組み立て構成されている。図中74はドロンカップ71の内側接合部、75はドロンカップ間の接合部を示す。ドロンカップ各試料とも外ろう材面にフラックスを塗布し、乾燥させ作製した。
表9に示した各構造材料を表10および表11の構成において各種ブレージングシートを作製した。ブレージングシート作製には、芯材は600℃で均質加熱処理行った後、両面を面削して所定の厚さにしたものを用いた。ろう材は500℃の温度で均質加熱処理を行った後、熱間圧延をして所定の厚さにしたものを用いた。これら芯材、ろう材を500℃の温度で合せ圧延を行い、さらに冷間圧延を行い所定の厚さとした。
図12から明らかなように、(X+Y)≦a/60+0.5を満たさないブレージングシートの内部ろう付けは、ろう付けが出来ないか、もしくは著しくろう付け性が低下した。また、No.127、No.128、No.133、No.134、No.135、No.140、No.141のブレージングシートは(X+Y)≦a/60+0.5を満たしており、ろう付けするのに十分に良好なフィレットを形成したが、(X+Y)≦−a/60+1.5の範囲から逸脱しており、ブレージングシートの一部においてエロージョンの発生が観察された。
表13の結果から明らかなように、ろう材厚さが25μm以下であるNo.156〜168のブレージングシートは、ろう材Mg含有量が0.05mass%以下のものにおいて良好なフィレットを形成した。ろう材Mg含有量が0.05mass%を超えても、ろう材厚さが25μmを超えるものについては良好なフィレット形成が認められた。
通常のろう付け加熱雰囲気(酸素濃度100ppm、露点−40℃)であれば、ろう材Mg含有量が0.05mass%を超えた場合においてもろう材厚さが25μm以下でも良好なフィレット形成が得られることは表12から明らかである。
12 外側フィン材
13 内側フィン材
14 チューブ接合部
15 チューブと内側フィンの接合部
16 冷媒通路
21 芯材
22 内ろう材
31 外ろう材
32 芯材
33 内ろう材
41 第1の内ろう材
42 芯材
43 第2の内ろう材
51 外ろう材
52 拡散防止層
53 芯材
54 内ろう材
61 外ろう材
62 拡散防止層
63 芯材
64 拡散調整層
65 内ろう材
71 ドロンカップ
74 ドロンカップの内側接合部
75 ドロンカップ間の接合部
81 チューブ材
84 チューブの内側接合部
87 フィレット
88 のど厚
91 チューブ材
92 外側フィン材
93 フィレット
101 ドロンカップ
102 ドロンカップの内側接合部
103 フィレット
111 ドロンカップ
115 ドロンカップ間の接合部
117 フィレット
118 のど厚
Claims (9)
- アルミニウム合金製ブレージングシートのろう材クラッド面がろう付け組立体の内側となって中空構造を為すように中空構造体を成形し、該中空構造体の内部においてフラックスを塗布せずに不活性ガス雰囲気中で大気圧下にてろう付けするアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付け方法であって、
前記アルミニウム合金製ブレージングシートとして、アルミニウム又はアルミニウム合金芯材の少なくとも前記中空構造体の内部側となる面に下記数式(1)〜(4)を満たすようAl−Si系合金ろう材をクラッドしたものを用いることを特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付け方法。
(X+Y)≦a/60+0.5 ・・・ 数式(1)
X>Y ・・・ 数式(2)
0.05≦X≦1.0 ・・・ 数式(3)
0.01≦Y<0.2 ・・・ 数式(4)
(数式中、aは中空構造体内部側のろう材クラッド厚さ(μm)を表す。Xは芯材のMg含有量(mass%)を表す。Yはろう材のMg含有量(mass%)を表す。) - 中空構造体内部以外の開放部において、フラックスを用いて不活性ガス雰囲気中でろう付けを行うことを特徴とする請求項1記載のアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付け方法。
- 前記ろう材をクラッドしたアルミニウム合金製ブレージングシートが、さらに下記数式(5)を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付け方法。
(X+Y)≦−a/60+1.5 ・・・ 数式(5)
(数式中、a、X、Yは請求項1と同義である。) - 前記ろう材のクラッド厚さaが5μm以上80μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付け方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法に使用されるアルミニウム合金製ブレージングシートであって、アルミニウム又はアルミニウム合金芯材の片面又は両面にAl−Si系合金ろう材が下記数式(1)〜(4)を満たすようクラッドされたことを特徴とするアルミニウム合金製ブレージングシート。
(X+Y)≦a/60+0.5 ・・・ 数式(1)
X>Y ・・・ 数式(2)
0.05≦X≦1.0 ・・・ 数式(3)
0.01≦Y<0.2 ・・・ 数式(4)
(数式中、a、X、Yは請求項1と同義である。) - 前記ろう材をクラッドしたアルミニウム合金製ブレージングシートが、さらに下記数式(5)を満たすことを特徴とする請求項5に記載のアルミニウム合金製ブレージングシート。
(X+Y)≦−a/60+1.5 ・・・ 数式(5)
(数式中、a、X、Yは請求項1と同義である。) - アルミニウム合金製ブレージングシートが熱交換器用のブレージングシートであることを特徴とする請求項5又は6に記載のアルミニウム合金製ブレージングシート。
- 前記ろう材のクラッド厚さaが5μm以上80μm以下であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のアルミニウム合金製ブレージングシート。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付け方法を介して製造することを特徴とするアルミニウム合金製熱交換器の製造方法。
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