JP4491100B2 - 座席シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電車、自動車、事務用椅子などの座席シートに関し、特に、比較的硬質な面ファスナーの雄材の突出長さを短くして、その面ファスナーの雄材が取着される表皮カバーの柔軟性を向上させることができる座席シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電車、自動車、事務用椅子などの座席シートにおいて、クッション体の表面を覆う表皮カバーの裏面に面ファスナーの雄材を取着し、その面ファスナーの雄材によって表皮カバーをクッション体の表面に着脱可能に貼着する座席シートが特開平11−42147号公報に記載されている。この特開平11−42147号公報に記載の座席シートは、クッション体自体を繊維が立体的に絡まった構造に形成して、表皮カバーの裏面に取着された面ファスナーの雄材と係合させることにより、表皮カバーをクッション体に対して着脱可能に貼着するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる特開平11−42147号公報に記載される構成により表皮カバーをクッション体に対して着脱可能に貼着する場合、クッション体の表面が略平坦に形成されているので、クッション体を構成する立体的に絡まった繊維に表皮カバーの裏面に取着された面ファスナーの雄材を係合させるためには、その面ファスナーの雄材の突出長さを長くする必要がある。面ファスナーの雄材はクッション体や表皮カバーと比べて硬質であるため、クッション体や表皮カバーが十分な柔軟性を有していても、突出長さを長くした面ファスナーの雄材を表皮カバーの裏面に取着すると表皮カバーの柔軟性が著しく損なわれ、座席シートへの座り心地が悪くなってしまうという問題点がある。
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、比較的硬質な面ファスナーの雄材の突出長さを短くして、その面ファスナーの雄材が取着された表皮カバーの柔軟性を向上させることができる座席シートを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1記載の座席シートは、着座時に人体を保持する綿状体により構成されると共に、裏面に取着された面ファスナーの雄材によって貼着される表皮カバーで表面が覆われるクッション体を備えており、前記クッション体は、硬綿を複数層に積層した綿状体により構成され、綿状体により形成されつつ前記クッション体の着座面側の表面から前記着座面側とは反対側の表面までを覆うように固着されると共に、表面側に前記綿状体の繊維を突出させた面ファスナーの雌材を備え、前記面ファスナーの雌材の表面には、押圧力を受けていない多数の凸部が形成されている。
【0006】
この請求項1記載の座席シートによれば、綿状体により構成されたクッション体の表面を覆う表皮カバーは、その裏面に取着された面ファスナーの雄材が、クッション体の表面に固着されると共に綿状体により形成されつつ表面側にその綿状体の繊維を突出させた面ファスナーの雌材に係合されることによってクッション体に貼着される。
さらに、綿状体により構成されたクッション体の表面を覆う表皮カバーは、その裏面に取着された面ファスナーの雄材が、クッション体の表面に形成された押圧力を受けていない多数の凸部に係合されることによりクッション体に貼着される。
【0007】
請求項2記載の座席シートは、請求項1記載の座席シートにおいて、前記面ファスナーの雌材は、前記綿状体の繊維をその綿状体の裏面側から針金状部材によって押し出すことにより前記綿状体の表面側に突出させて形成されている。
【0008】
請求項3記載の座席シートは、請求項1または2に記載の座席シートにおいて、前記面ファスナーの雌材と前記クッション体との接合は、多数の通気孔を有した金型によって、双方を圧縮しつつ熱風を通過させることにより双方の構成材料を溶融させ、その溶融した双方の構成材料を凝固させることにより行われる。
この座席シートによれば、金型によって押圧された部分は面ファスナーの雌材およびクッション体が圧縮されるのに対し、熱風を通過させるための金型の通気孔部分は面ファスナーの雌材およびクッション体に押圧力が加えられないので、金型によって押圧された部分に対して金型の通気孔部分は面ファスナーの雌材の表面が盛り上がって成形される。
【0009】
【0010】
【0011】
請求項記載の座席シートは、請求項1から3のいずれかに記載の座席シートにおいて、前記クッション体硬度の異なる前記硬綿を複数層に積層して構成されると共に、前記硬綿の内の最も硬度の大きい硬綿が前記着座面側とは反対側に配置され、前記面ファスナーの雌材は、その縁部が、前記硬綿の内の最も硬度の大きい硬綿に固着されている
【0012】
この請求項記載の座席シートによれば、請求項1から3のいずれかに記載の座席シートと同様に作用する上、面ファスナーの雌材の縁部を、積層された硬綿の内の最も硬度の大きい硬綿に固着できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例の座席シート1は、電車、自動車、事務用椅子などに用いられるものである。本実施例では、電車に用いられる座席シート1について説明する。座席シート1は、着座時に人体を保持するクッション体2と、そのクッション体2の表面を覆う表皮カバー3とにより構成されている。
【0014】
図1(a)は、本実施例の座席シート1の部分的な断面を示した斜視図である。理解を容易にするために、クッション体2の表面を覆う表皮カバー3は、部分的に省略して図示している。図1(a)に示すように、クッション体2は綿状体2aにより略L字形断面に形成されている。本実施例では、このクッション体2を構成する綿状体2aに、積層硬綿を使用している。
【0015】
綿状体2aは、トウ(籐)状のポリエステル繊維(2〜100デニール、5〜10cm)に、芯鞘型でトウ状のポリエステル複合繊維P(2〜100デニール、5〜10cm)を5〜50重量%混合したもの(以下、「混合ポリエステル繊維」という。)を原料と使用している。ポリエステル複合繊維Pの鞘は、重縮合時にイソフタール酸を混合してパイプインパイプ等で製造した低融点共重合体ポリエステルである。
【0016】
クッション体2の表面には、布状に形成されると共に、クッション体2を覆う表皮カバー3が覆設されている。表皮カバー3の表面に形成される表皮3aの素材は、特に限定されるものではなく、例えば、ニット、トリコット、モケット、立毛メリヤスなどが用いられる。
【0017】
次に、図1(b)を参照して、第1実施例における表皮カバー3およびクッション体2の構成の詳細について説明する。図1(b)は、図1(a)におけるb部の拡大断面図である。図1(b)に示すように、表皮カバー3の表皮3aの裏面側(クッション体2側)には、着脱可能な面状テープの一方である面ファスナー雄材3bが接着剤により固着されている。
【0018】
面ファスナー雄材3bは、基材3b1から多数の突起3b2が突設されており、その各突起3b2の先端部分には、略半球状の係合粒3b3がそれぞれ形成され、略きのこ形状を呈している。なお、面ファスナー雄材3bの表面形状は、きのこ状に限らず、各突起3b2の先端部分に粒状または鉤状の引っ掛け部を有したJフック状、膨頭状であっても良い。
【0019】
一方、クッション体2を構成する綿状体2aの表面には、着脱可能な面状テープの他方である面ファスナー雌材2bが積層(固着)されている。面ファスナー雌材2bは、クッション体2の本体と同じ材質である綿状体によって略布状に形成されており、その布状綿状体2b1の表面側(表皮カバー3側)には、多数のリング状のパイル2b2が形成され、表面が「コード調」を呈している。
【0020】
かかる構成によれば、表皮カバー3をクッション体2の表面に押さえ付けると、表皮カバー3の裏面側に固着された面ファスナー雄材3bの係合粒3b3が、クッション体2の表面に積層(固着)された面ファスナー雌材2bのパイル2b2に係合される(引っ掛けられる)ので、表皮カバー3がクッション体2の表面に貼着される。
【0021】
逆に、クッション体2の外方へ表皮カバー3を引っ張ると、面ファスナー雄材3bの係合粒3b3と面ファスナー雌材2bのパイル2b2との係合状態が解除されるので、表皮カバー3がクッション体2の表面から剥離される。つまり、クッション体2に対して、表皮カバー3を着脱可能に取着することができるのである。
【0022】
このように、面ファスナー雌材2bには、その表面側に綿状体の繊維を突出させたパイル2bが形成されているので、その面ファスナー雌材2bに係合される比較的硬質な面ファスナー雄材3bの突起3b2の突出長さを短くすることができる。よって、その面ファスナー雄材3bが取着された表皮カバー3の柔軟性を向上させて、座席シート1への座り心地を良くすることができる。
【0023】
さらに、クッション体2とクッション体2の表面に積層(固着)される面ファスナー雌材2bとは、共に綿状体で形成されているので、座席シート1の使用後には、その綿状体を解きほぐすことにより資源として再利用することができる。よって、産業廃棄物の発生を防止することができると共に、産業廃棄物としての処理コストを削減することができる。
【0024】
ここで、面ファスナー雌材2bの多数のリング状のパイル2b2は、布状綿状体2b1をクッション体2を構成する綿状体2aの表面に載置する前の段階において、布状綿状体2b1の裏面側(クッション体2側)から、先端が「鏑(かぶら)状」になった針金状部材(図示せず)で突くことによって、布状綿状体2b1の繊維を表面側に突出させて形成される。よって、突起3b2の突出長さを短くした面ファスナー雄材3bに確実に係合させることができる面ファスナー雌材2bを、クッション体2と同じ材質の綿状体から形成することができる。
【0025】
図2に、面ファスナー雌材2bの変形例を示す。図2は、面ファスナー雌材2bの変形例を示した図1(a)におけるb部の拡大断面図である。面ファスナー雌材2bは、布状綿状体2b1の表面側(表皮カバー3側)に、面ファスナー雌材2bを構成する綿状体の繊維を突出させて形成されていれば良く、その形態は特に限定されるものではない。
【0026】
例えば、布状綿状体2b1の表面側にリング状のパイル2b2を突出させる代わりに、図2に示すように、略S字状にカールした綿状体の繊維2b3を突出させて、布状綿状体2b1の表面を「ベロア調」に形成しても良い。この「ベロア調」の面ファスナー雌材2bは、布状綿状体2b1をクッション体2を構成する綿状体2aの表面に載置する前の段階において、布状綿状体2b1の裏面側(クッション体2側)から、先端が尖った針金状部材(図示せず)で突くことによって、布状綿状体2b1の繊維を表面側に突出させて形成される。
【0027】
かかる構成の面ファスナー雌材2bによれば、表皮カバー3の裏面側に固着された面ファスナー雄材3bの突起3b2および係合粒3b3が、略S字状にカールした綿状体の繊維2b3に絡まって係合される。よって、前述の「コード調」の面ファスナー雌材2bの場合と同様に、面ファスナー雄材3bの突起3b2の突出長さを短くすることができるのである。
【0028】
図3を参照して、クッション体2の製造工程および綿状体2aの構成の詳細について説明する。図3は、クッション体2の製造工程を示した概略的な断面図である。図3に示すように、クッション体2の上方および下方には、その内側壁がクッション体2の完成形状を有しつつ、フッ素樹脂のコーティングを施された金型4がそれぞれ配設されている。その金型4には、均等径(1〜20mmの範囲)の通気孔4aが全面に等しい間隔を保って多数穿設されている。なお、図3においては、金型4に設けられる通気孔4aは一部のみを図示し、他の図示を省略している。
【0029】
図3に示すように、クッション体2の綿状体2aは、複数層(図3においては4層)の硬綿2a1〜2a4により構成されている。これらの各硬綿2a1〜2a4は、前述の混合ポリエステル繊維を圧縮することにより、略平板状に形成したものである。具体的には、所定の厚さの混合ポリエステル繊維を圧縮しつつ、その内部に100〜250℃の熱風を通過させて加熱する。すると、前述の複合繊維Pの鞘が溶融してポリエステル繊維同士が接合されるとともに、混合ポリエステル繊維の体積が減少して成形可能な硬綿となるのである。
【0030】
このようにして形成される各硬綿2a1〜2a4の硬度は、それぞれ10度、15度、25度、30度(高分子計器株式会社製アスカーF型硬度計で測定)とし、密度は0.02〜0.05g/cmの範囲とする。これらの硬綿2a1〜2a4を硬度の大きいものから順に積層したものが、クッション体2の綿状体2aである。この状態においては、各硬綿2a1〜2a4は重ね合わされているだけであり、まだ接着はされていない。
【0031】
かかる綿状体2aの着座面側の表面(図3における左上表面)を面ファスナー雌材2bで覆い、下方に配設された金型4の上にクッション体2を設置する。そして、そのクッション体2の上方から他方の金型4を被せる。この状態でクッション体2を圧縮しつつ、矢印A方向から矢印B方向へと多数の通気孔4aを介して、100〜220℃の熱風を10〜180秒間通過させる。
【0032】
その結果、綿状体2aや面ファスナー雌材2bに含まれるポリエステル複合繊維Pの鞘が溶融して、各硬綿2a1〜2a4および面ファスナー雌材2bがその溶融したポリエステル複合繊維Pによって連結される。その後、金型4による圧縮を継続しつつ20〜180秒間放置した後、矢印A方向から矢印B方向へと多数の通気孔4aを介して冷風を通過させる。
【0033】
すると、クッション体2の形状が固定されるとともに、溶融したポリエステル複合繊維Pが凝固し、綿状体2aを構成する各硬綿2a1〜2a4どうし、および綿状体2aと面ファスナー雌材2bとが接着される。かかる方法によれば、接着剤を用いることなく、綿状体2aと面ファスナー雌材2bとを接着することができ、加えて、表皮カバー3の張り替えを行った場合にも、面ファスナー雌材2bを確実に綿状体2aの表面に固着しておくことができる。さらに、綿状体2aの成形とその綿状体2aの表面への面ファスナー雌材2bの接着とが同一工程内で行われるので、クッション体2の製造工程を短縮して省力化を図ることができる。
【0034】
次に、図4〜図6を参照して、第2実施例について説明する。第2実施例では、前記した第1実施例に対して、次の点が変更されている。第1実施例では、表皮カバー3の裏面側に固着された面ファスナー雄材3bをクッション体2に貼着するために、クッション体2を構成する綿状体2aの着座面側の表面に、綿状体によって形成された面ファスナー雌材2bを積層(固着)していた。
【0035】
それに対して、第2実施例では、この面ファスナー雌材2bを省略し、表皮カバー3の裏面側に固着された面ファスナー雄材3bをクッション体10の綿状体2aの表面に直接貼着している。なお、その他の部分は前記した第1実施例と同様であるので、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0036】
図4は、第2実施例のクッション体10の製造工程を示した概略的な断面図である。なお、図4においては、図3と同様に、金型4に設けられる通気孔4aは一部のみを図示し、他の図示を省略している。図4に示すように、クッション体10は複数層(図4においては4層)の硬綿2a1〜2a4からなる綿状体2aにより構成されている。
【0037】
このクッション体10を、前述した第1実施例と同様に、多数の通気孔4aを有した金型4で挟み込んで押圧しつつ、多数の通気孔4aを介して熱風を通過させることにより、クッション体10の構成材料であるポリエステル複合繊維Pを溶融させる。そして、所定時間経過後に多数の通気孔4aを介して冷風を通過させることにより、その溶融したポリエステル複合繊維Pを凝固させてクッション体10の形状を固定するとともに、綿状体2aを構成する各硬綿2a1〜2a4どうしを接着する。
【0038】
図5に、上記の製造工程が完了して金型4を外した状態のクッション体10の斜視図を示す。前述のように、金型4には、均等径(1〜20mmの範囲)の通気孔4aが全面に等しい間隔を保って多数穿設されているので、金型4を外したクッション体10の表面には、綿状体2aの表面が盛り上がった多数の凸部10aが形成される。
【0039】
図6に、この凸部10が形成されるメカニズムと、この凸部10aによる効果とを示す。図6(a)は、金型4で押圧されている状態の綿状体2aの表面近傍の断面図であり、図6(b)は、金型4による製造工程が完了して金型4を外した後に、表皮カバー3の裏面側に固着された面ファスナー雄材3bを貼着した状態の綿状体2aの表面近傍の断面図である。
【0040】
図6(a)に示すように、金型4によって押圧された部分はクッション体10の綿状体2aが圧縮されるのに対し、熱風または冷風を通過させるための金型4の通気孔4aの部分はクッション体10の綿状体2aに押圧力が加えられないので、金型4によって押圧された部分に対して金型4の通気孔4aの部分はクッション体10の表面側に盛り上がって成形される。よって、クッション体10の成形(製造工程)時に、そのクッション体10の表面に押圧力を受けていない多数の凸部10aを形成することができるのである。
【0041】
金型4による製造工程が完了して金型4を外した後に、表皮カバー3をクッション体10の表面に貼着した場合には、図6(b)に示すように、表皮カバー3の裏面側に固着された面ファスナー雄材3bの突起3b2および係合粒3b3が、クッション体10の表面に形成された押圧力を受けていない多数の凸部10aの繊維に絡まって係合される。
【0042】
つまり、金型4によって押圧された部分は、綿状体2aの密度が高く、表面が平坦で硬くなっているため、面ファスナー雄材3bの突起3b2および係合粒3b3が進入しにくいのに対して、クッション体10の表面に形成された押圧力を受けていない多数の凸部10aには、面ファスナー雄材3bの突起3b2および係合粒3b3が進入するための隙間が確保されている。
【0043】
よって、クッション体10の凸部10aには面ファスナー雄材3bが係合しやすいので、比較的硬質な面ファスナー雄材3bの突起3b2の突出長さを短くすることができる。従って、その面ファスナー雄材3bが取着される表皮カバー3の柔軟性を向上させて、座席シート1への座り心地を良くすることができる。さらに、かかる構成によれば、面ファスナー雌材2bが不要となるので、面ファスナー雌材2bの製造工程を省略して、座席シート1の製造コストを低減することができる。
【0044】
以上説明したように、第1実施例の座席シート1は、クッション体2を構成する綿状体2aの表面に綿状体で形成された面ファスナー雌材2bが積層(固着)されており、その面ファスナー雌材2bの表面側には綿状体の繊維を突出させたパイル2bが形成されているので、その面ファスナー雌材2bに係合される比較的硬質な面ファスナー雄材3bの突起3b2の突出長さを短くすることができる。また、第2実施例の座席シート1は、綿状体2aによって形成されたクッション体10の表面には押圧力を受けていない多数の凸部10aが形成されているので、その凸部10aに係合される比較的硬質な面ファスナー雄材3bの突起3b2の突出長さを短くすることができる。以上より、比較的硬質な面ファスナー雄材3bが取着された表皮カバー3の柔軟性を向上させて、座席シート1への座り心地を良くすることができる。
【0045】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0046】
例えば、第1実施例では、クッション体2を構成する綿状体2aの表面に、同じく綿状体によって形成された面ファスナー雌材2bを積層(固着)する場合に、綿状体2aおよび面ファスナー雌材2bに含まれるポリエステル複合繊維Pの鞘を溶融させてクッション体2を成形させつつ接着したが、クッション体2を構成する綿状体2aだけを成形した後に、綿状体2aと面ファスナー雌材2bとを接着剤によって接着しても良い。
【0047】
【発明の効果】
請求項1記載の座席シートによれば、綿状体により構成されたクッション体の表面を覆う表皮カバーは、その裏面に取着された面ファスナーの雄材が、クッション体の表面に固着されると共に綿状体により形成されつつ表面側にその綿状体の繊維を突出させた面ファスナーの雌材に係合されることによってクッション体に貼着される。面ファスナーの雌材は、その表面側に綿状体の繊維を突出させて形成されているので、その面ファスナーの雌材に係合される比較的硬質な面ファスナーの雄材の突出長さを短くすることができる。よって、その面ファスナーの雄材が取着された表皮カバーの柔軟性を向上させて、座席シートへの座り心地を良くすることができるという効果がある。また、複数層に積層された各硬綿と面ファスナーの雌材とが接着され、各硬綿が面ファスナーの雌材に覆われる。これにより、表皮カバーの張り替えを行った場合にも、面ファスナーの雌材を確実に綿状体の表面に固着しておくことができる。さらに、クッション体とクッション体の表面に固着される面ファスナーの雌材とは、共に綿状体で形成されているので、座席シートの使用後には、綿状体を解きほぐすことにより資源として再利用することができる。よって、産業廃棄物の発生を防止することができると共に、産業廃棄物としての処理コストを削減することができるという効果がある。
さらに、綿状体により構成されたクッション体の表面を覆う表皮カバーは、その裏面に取着された面ファスナーの雄材が、面ファスナーの雌材の表面に形成された押圧力を受けていない多数の凸部に係合されることにより面ファスナーの雌材に貼着される。つまり、面ファスナーの雌材の表面に形成された押圧力を受けていない多数の凸部には、面ファスナーの雄材が進入するための隙間が確保されているので、面ファスナーの雌材の凸部には面ファスナーの雄材が係合しやすく、比較的硬質な面ファスナーの雄材の突出長さを短くすることができる。よって、その面ファスナーの雄材が取着された表皮カバーの柔軟性を向上させて、座席シートへの座り心地を良くすることができるという効果がある。
【0048】
請求項2記載の座席シートによれば、請求項1記載の座席シートの奏する効果に加え、更に、面ファスナーの雌材は、綿状体の繊維をその綿状体の裏面側から針金状部材によって押し出すことにより綿状体の表面側にその繊維を突出させて形成される。よって、突出長さを短くした面ファスナーの雄材に確実に係合させることができる面ファスナーの雌材を、クッション体と同じ材質の綿状体から形成することができるという効果がある。
【0049】
請求項3記載の座席シートによれば、請求項1または2に記載の座席シートの奏する効果に加え、更に、面ファスナーの雌材は、面ファスナーの雌材とクッション体との双方を圧縮しつつ熱風を通過させることにより双方の構成材料を溶融させ、その溶融した双方の構成材料を凝固させることにより、クッション体に接着される。よって、接着剤を用いることなく、クッション体と面ファスナーの雌材とを接着することができ、加えて、表皮カバーの張り替えを行った場合にも、面ファスナーの雌材を確実にクッション体の表面に固着しておくことができるという効果がある。
さらに、金型によって押圧された部分は面ファスナーの雌材およびクッション体が圧縮されるのに対し、熱風を通過させるための金型の通気孔部分は面ファスナーの雌材およびクッション体に押圧力が加えられないので、金型によって押圧された部分に対して金型の通気孔部分は面ファスナーの雌材の表面が盛り上がって成形される。よって、クッション体の成形時に、面ファスナーの雌材の表面に押圧力を受けていない多数の凸部を形成することができるという効果がある。
【0050】
【0051】
請求項記載の座席シートによれば、請求項1から3のいずれかに記載の座席シートの奏する効果に加え、面ファスナーの雌材の縁部を、積層された硬綿の内の最も硬度の大きい硬綿に固着できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本実施例の座席シートの部分的な断面を示した斜視図であり、(b)は、図1(a)におけるb部の拡大断面図である。
【図2】 面ファスナー雌材の変形例を示した図1(a)におけるb部の拡大断面図である。
【図3】 クッション体の製造工程を示した概略的な断面図である。
【図4】 第2実施例のクッション体の製造工程を示した概略的な断面図である。
【図5】 製造工程が完了して金型を外した状態のクッション体の斜視図である。
【図6】 (a)は、金型で押圧されている状態の綿状体の表面近傍の断面図であり、(b)は、金型による製造工程が完了して金型を外した後に、表皮カバーの裏面側に固着された面ファスナー雄材を貼着した状態の綿状体の表面近傍の断面図である。
【符号の説明】
1 座席シート
2,10 クッション体
2a 綿状体
2a1〜2a4 硬綿
2b 面ファスナー雌材
3 表皮カバー
3b 面ファスナー雄材
4 金型
4a 通気孔
10a 凸部
P 芯鞘型でトウ状のポリエステル複合繊維(構成材料)

Claims (4)

  1. 着座時に人体を保持する綿状体により構成されると共に、裏面に取着された面ファスナーの雄材によって貼着される表皮カバーで表面が覆われるクッション体を備えた座席シートにおいて、
    前記クッション体は、硬綿を複数層に積層した綿状体により構成され、
    綿状体により形成されつつ前記クッション体の着座面側の表面から前記着座面側とは反対側の表面までを覆うように固着されると共に、表面側に前記綿状体の繊維を突出させた面ファスナーの雌材を備え
    前記面ファスナーの雌材の表面には、押圧力を受けていない多数の凸部が形成されていることを特徴とする座席シート。
  2. 前記面ファスナーの雌材は、前記綿状体の繊維をその綿状体の裏面側から針金状部材によって押し出すことにより前記綿状体の表面側に突出させて形成されていることを特徴とする請求項1記載の座席シート。
  3. 前記面ファスナーの雌材と前記クッション体との接合は、多数の通気孔を有した金型によって、双方を圧縮しつつ熱風を通過させることにより双方の構成材料を溶融させ、その溶融した双方の構成材料を凝固させることにより行われることを特徴とする請求項1または2に記載の座席シート。
  4. 前記クッション体硬度の異なる前記硬綿を複数層に積層して構成されると共に、前記硬綿の内の最も硬度の大きい硬綿が前記着座面側とは反対側に配置され、
    前記面ファスナーの雌材は、その縁部が、前記硬綿の内の最も硬度の大きい硬綿に固着されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の座席シート。
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