以下、本発明を複数の島設備を備えた遊技場システムに具体化した一実施形態を図1〜図16に基づき説明する。
図1に示すように、遊技場Hには本実施形態の遊技場システムASが設けられており、該遊技場システムASには、複数(本実施形態では3台)の島設備(「設置島」ともいう)10A,10B,10Cが各島設備10A〜10Cにおける短手方向に沿うように並設されている。具体的には、島設備10Aが遊技場Hの壁面W側となる一方側(図1では上方側)に設置されると共に、島設備10Cが他方側(図1では下方側)に設置され、島設備10Aと島設備10Cとの間に島設備10Bが設置されている。また、遊技場Hのバックヤード(遊技場Hの壁面Wの裏側)には、遊技場Hで使用される多数の遊技球を貯留する球集中タンク11が設けられている。
島設備10Bには、図2に示すように、その設置島台S上に複数台のパチンコ機(遊技機)Pが背面を対向させた状態で列設されている。また、島設備10Bには、その長手方向(図1では左右方向)の略中央に2つの球揚送装置12が設置されており、各球揚送装置12は、島設備10Bの短手方向(図1では上下方向)に沿うように配置されている。前記球揚送装置12は球取込部12aから取り込んだ遊技球を研磨しながら上方へと揚送するものであり、球揚送装置12の上方端と対応する位置には多数の遊技球を一旦貯留可能な島上タンク13Bが設置されている。前記各パチンコ機Pの上方域には、各パチンコ機Pへ前記島上タンク13B内に一旦貯留された遊技球を分配供給するための球供給樋14が前記各球揚送装置12側を上流端とする斜状態様で左右一対設けられている。そして、各球供給樋14からは複数の球分配シュート(図示略)が各パチンコ機Pと個別対応するように分岐形成され、各球分配シュートを介して各パチンコ機Pへ遊技球が分配供給されるようになっている。
一方、前記島設備10B内における各パチンコ機Pの下方域には、各パチンコ機Pから排出された遊技球(例えばアウト球等)を回収するための球回収樋(球回収通路)15が前記各球揚送装置12側を下流端とする斜状態様で左右一対設けられている。前記両球回収樋15は、各下流端が前記島設備10Bの長手方向の略中央で前記各球揚送装置12の下方端と対応する位置に設置された球回収タンク16内まで延設されている。なお、球回収樋15の傾斜角θ1(図2に示す)は、島設備10Bの大きさ(島設備10Bの長手方向に沿う長さ)や球回収タンク16の位置などによって変化するが、3〜10度程度となる。
また、前記島設備10Bの長手方向他端側(図1及び図2では左端側)には、遊技者などによって投入(返却)された遊技球を計数する返却球計数機(「ジェットカウンタ」ともいう)Jが配設されている。この返却球計数機Jは、返却口Jaを介して球回収樋15の上流端(図2では左端)と連通している。そのため、前記返却球計数機J内に多数の遊技球が投入された場合には、それら多数の遊技球が返却口Jaを介して球回収樋15を上流端から下流端に流下(転動)するようになっている。
島設備10B内において前記球回収樋15と各パチンコ機Pとの間には、図3に示すように、アウトタンク17が設置されている。前記アウトタンク17は、各パチンコ機Pの機裏側(背面側)と対向するように設置島台S上に設置されている。アウトタンク17は、パチンコ機Pの機裏側の球排出口Paから排出された遊技球Bを受け入れるようになっている。さらに、アウトタンク17は、受け入れた遊技球Bをアウトタンク17に備えられた球計数機18にて計数するようになっている。そして、アウトタンク17は、球計数機18にて遊技球Bを計数した後、球計数機18に接続された蛇腹状をなす排出管19を介して遊技球Bを球回収樋15に落下排出するようになっている。その後、球回収樋15内へと排出された遊技球Bは、球回収樋15を下流端側に向けて流下し、その下流端から前記球回収タンク16内へ放出されることになる。
前記球回収樋15は、図4に示すように、球回収樋15の外郭を形成する樋本体20と、樋本体20の底部21に敷設されて球回収樋15の底部を形成する底部形成部材22とが一体化されて形成されている。具体的には、前記樋本体20の底部21に前記底部形成部材22が接着剤によって接着されている。前記樋本体20は、長尺状に製造されると共に、底部21の長辺側の両縁部に側壁23が相対向するように立設されて製造されている。また、前記底部形成部材22は、長手方向へ延びる樋部(通路部)24と、該樋部24の長辺側の両縁部に形成された球受け部25,26とを備えている。前記樋部24は球回収樋15内で遊技球Bを転動させるために設けられており、前記各球受け部25,26はパチンコ機P(アウトタンク17)から排出された遊技球Bを受けるために設けられている。ここで、球回収樋15に排出された遊技球B及び前記返却球計数機J内に投入された遊技球Bの流下方向(転動方向)を転動方向M1とし、該転動方向M1に直交する方向を直交方向M2とした場合、前記球受け部25,26は直交方向M2において前記樋部24を挟んで相対向するように形成されている。
前記樋部24は、該樋部24の上面に遊技球Bを転動させるための転動面24aを備えており、該転動面24aは前記転動方向M1及び直交方向M2へ平坦に延びる平面状に形成されている。また、前記球受け部25,26の上面は、それぞれ樋部24に向かって斜状をなすように形成されている。すなわち、一方(図3では左方)の球受け部25の上面には傾斜面25aが形成され、他方(図3では右方)の球受け部26の上面には傾斜面26aが形成されている。そして、上記構成の底部形成部材22は、樋本体20の底部21に敷設されることにより、樋本体20とともに球回収樋15を形成し、該球回収樋15内には樋部24、転動面24a、球受け部25,26及び傾斜面25a,26aが設けられることになる。また、球回収樋15において、各側壁23の内面には各球受け部25,26の傾斜面25a,26aがそれぞれ連設しており、各側壁23の内面と球受け部25,26の間に隙間が形成されないようになっている。
また、前記各傾斜面25a,26aは、それぞれ下端縁が前記転動面24aの端縁と連続して繋がるように形成されている。すなわち、各傾斜面25a,26aの下端縁と転動面24aの端縁との間には段差が形成されず(無段差状)、各傾斜面25a,26aと転動面24aとは段差なく連設されている。そして、各パチンコ機P(アウトタンク17)から排出された遊技球Bが各球受け部25,26に落下した場合、各傾斜面25a,26aは、それらの傾斜によって遊技球Bを転動させながら転動面24aへ案内するようになっている。なお、転動面24aに対する各傾斜面25a,26aの傾斜角θ2は、5〜15度程度に設定される。
また、前記島設備10Bにおいては、上記構成の球回収樋15の各球受け部25,26で遊技球Bが受け入れられるように前記アウトタンク17の排出管19が位置決めされている。すなわち、アウトタンク17は、排出管19が各球受け部25,26の上方位置に配置されるように位置調整されて設置島台Sに設置される。なお、球回収樋15に排出された遊技球Bは、球受け部25,26の傾斜面25a,26aによって図3に示す直交方向M2に向かって転動案内される。このため、遊技球Bは、球受け部25と球受け部26との間を往復しつつ、球回収樋15を下流端側へ流下していくことになる。従って、遊技球Bを図3に示す転動方向M1に向かって早く転動させるためには、遊技球Bを各傾斜面25a,26aの最下端側(転動面24aの端縁側)に近い位置に落下させることが好ましい。すなわち、前記排出管19は、前記各傾斜面25a,26aの最下端側の上方位置に配置されるのが好ましい。
図5に示すように、前記球回収タンク16は、上方を開口した箱体であり、その上方開口部分は遊技球Bが球回収タンク16外へ飛散するのを防止するための蓋体27により閉塞されている。また、前記両球回収樋15の下流端構成部位となる各カバー28には、ブラケット29を介して回収ガイド装置30がそれぞれ支持されている。すなわち、各回収ガイド装置30は、各球回収樋15の下流端近傍位置において斜状をなすようにそれぞれ配設されている。そして、回収ガイド装置30に球回収樋15の下流端から放出された遊技球Bが衝突した場合には、その遊技球Bの飛出し方向が球回収タンク16内の連絡口31側に向けて変更ガイドされるようになっている(図7参照)。その後、球回収タンク16の連絡口31側に変更ガイドされた遊技球Bは、連絡口31を介して前記球揚送装置12側に通出されるようになっている。
次に、本実施形態の回収ガイド装置30の具体的な構成について図6及び図7に基づき以下説明する。
図6に示すように、本実施形態の回収ガイド装置30は、弾性材(本実施形態では、ポリウレタン系のエラストマ)からなる1枚の板状をなす衝撃吸収部材32と矩形枠状をなす基材33とを備えており、該基材33の表面側(図6では右面側)に衝撃吸収部材32が接着されている。そして、前記基材33に貫通孔33aを形成することにより、回収ガイド装置30には、衝撃吸収部材32が裏面側へ変位することを許容する変位スペース34が形成されている。そのため、前記各球回収樋15の下流端から球回収タンク16内に放出された遊技球Bが回収ガイド装置30の表面(表装材35の表面35a)に衝突した際には、各衝撃吸収部材32が遊技球Bからの衝撃荷重を受けて前記変位スペース34の範囲内で湾曲・振動することになる。そして、回収ガイド装置30においては、そのように衝撃吸収部材32が湾曲・振動することにより、前記遊技球Bの衝突に基づく衝撃(及び衝突音)を吸収(減衰)するようになっている。
また、前記各回収ガイド装置30においては、前記衝撃吸収部材32の表面32aが通気性を有する表装材35によりそれぞれ被覆保護されている。この表装材35は、ナイロン製の織物からなり、より具体的には、合成繊維であるナイロン繊維を織って作られた布であって、繊維と繊維との間には微小な空気層が形成されているために通気性を有している。そして、前記表装材35は、前記基材33の裏面側に対して布押さえ板36を介在させた状態で複数(図6には2つのみ図示)のネジ37により固定されている。そして、前記両球回収樋15の各下流端から遊技球Bが球回収タンク16内に放出された場合には、図7に示すように、前記表装材35の表面35aに遊技球Bが衝突して、その飛出し方向が変更ガイドされるようになっている。従って、本実施形態では、前記回収ガイド装置30における表装材35の表面35aが遊技球Bとの衝突面として構成されると共に、前記表装材35により被覆保護された衝撃吸収部材32における表面32aが遊技球Bからの衝撃荷重を受ける受圧面として機能する構成とされている。
次に、本実施形態の球揚送装置12の具体的な構成について図8〜図12に基づき以下説明する。
図8及び図9に示すように、本実施形態の球揚送装置12は、遊技球Bの揚送方向(図8における上下方向)に延びる支持柱38を備えており、該支持柱38の上側位置及び下側位置には下回転ドラム(回転ローラ)39及び上回転ドラム(回転ローラ)40が回転可能な状態で配設されている。また、各回転ドラム39,40には無端状をなす揚送ベルト41が所定の張力にて張架されており、揚送ベルト41は、駆動モータ42の駆動に基づき下回転ドラム39が回転することにより、前記各回転ドラム39,40間を循環移動するようになっている。
また、前記揚送ベルト41における上昇側(図9では左側)の内面側には、前記支持柱38に沿って該揚送ベルト41が確実に上昇移動できるように、複数(図9では8つのみ図示)のガイドローラ43が所定の間隔にて設けられている。また、前記揚送ベルト41における上昇側の外面側には、図10に示すように、ガイドレール(挟持板)44と、該ガイドレール44が格納・支持されるカバーケース45とが設けられている。前記カバーケース45は、その一端(図8では左端)が蝶番46により回転自在に取り付けられており、その他端(図8では右端)が係止具47にて固定されている。また、カバーケース45は、所定の長さにて分割されている。
前記カバーケース45における上側及び下側の両位置には、前記ガイドレール44と揚送ベルト41との間に介在させる研磨布48を固定するための固定金具49が設けられている。そして、研磨布48は、所定の張力にて前記カバーケース45内に配置されたガイドレール44の表面を覆い、前記揚送ベルト41と対向するように配置されている。また、前記球揚送装置12における前記下回転ドラム39に隣接する隣設位置には、前記球回収タンク16より連絡口31を介して通出された遊技球Bを球揚送装置12内に供給するための球取込部(供給ガイド)12aが設けられている。
また、前記ガイドレール44には、図10及び図11に示すように、遊技球Bの直径よりも僅かに大きな直径を有する略半円形状の凹部溝(揚送通路)50が略等間隔にて複数列(本実施形態では7列)形成されており、前記カバーケース45内にはガイドレール44がゴム材51を介して固定されている。すなわち、ガイドレール44の長辺側端部には切欠部44aが形成されており、ガイドレール44は、その切欠部44aを前記カバーケース45の内面側に形成された係合部45aに係合させることにより固定されている。ここで、前記ガイドレール44は、弾性変形することのない所定以上(1ギガパスカル以上)の圧縮弾性係数を有することが好ましい。なお、ガイドレール44は、前記各凹部溝50を形成する必要があるため、本実施形態ではアクリル樹脂をベースとした人工大理石から構成されている。また、前記研磨布48はナイロンの織物からなっており、その厚みは、十分な研磨能力を得るために1.2〜1.9mmの範囲とすることが好ましい。
前記ガイドレール44の所定の位置には、図11及び図12に示すように、遊技球Bの揚送方向に対して直交する方向(図11では上方向)に前記各凹部溝50の幅が拡げられた回転部52が複数箇所(本実施形態では3箇所)形成されている。各回転部52は、前記各凹部溝50が遊技球Bの揚送方向に対して直交する方向に拡げられることにより、遊技球Bと研磨布48との間に空隙53が生じるか、又は研磨布48との摩擦力が減少するため、前記拡げられた方向と反対方向(図11では時計回りの方向)に遊技球Bが回転するようになる。従って、遊技球Bが揚送により回転する回転軸を変化させることができ、これを適宜に繰り返すことで、遊技球Bの外周面全体を満遍なく研磨することができるようになっている。なお、図11においては、説明理解の便宜上、研磨布48を省略している。
一方、前記島設備10A及び島設備10Cは、前記島設備10Bとほぼ同一構成となっており、複数のパチンコ機Pが夫々列設されている。また、島設備10A及び島設備10Cには、各パチンコ機Pの下方域に球回収タンク(図示略)と、該球回収タンク内に回収された多数の遊技球Bを上方へ揚送する1つの球揚送装置12と、揚送された遊技球Bを再び各パチンコ機Pに供給する前に一旦貯留可能な島上タンク13A,13Cとがそれぞれ設けられている。また、島設備10A及び島設備10Cには、島上タンク13A,13C内に一端貯留された遊技球Bを各パチンコ機Pに分配供給するための球供給樋(図示略)、及び各パチンコ機Pから排出された遊技球Bを回収するための球回収樋(図示略)等の各種球通路が設けられている。なお、本実施形態では、島設備10A、10Cには返却球計数機Jが設けられていない。そこで、返却球計数機Jが設けられた島設備10Bのことを「メイン島設備」、返却球計数機Jが設けられていない島設備10A,10Cのことを「サブ島設備」と呼ぶこともある。
前記メイン島設備10Bの島上タンク13Bは、図1に示すように、第1連絡樋(球流通路)54aを介してサブ島設備10Aの島上タンク13Aと連通している。前記第1連絡樋54aは、図13に示すように、島上タンク13Bから島上タンク13A側に遊技球Bを流下(転動)させるために、該遊技球Bの流下方向(転動方向)における上流側(島上タンク13B側)から下流側(島上タンク13A側)へ斜状をなすように形成されている。また、島上タンク13Bは、第2連絡樋(球流通路)54b及び接続部55を介して前記島上タンク13Aと連通している。前記第2連絡樋54bは、島上タンク13Aから島上タンク13B側に遊技球Bを流下させるために、該遊技球Bの流下方向における上流側(島上タンク13A側)から下流側(島上タンク13B側)へ斜状をなすように形成されている。また、接続部55は、島上タンク13Bの下端部13aと連通しており、島上タンク13Bの下端部13aは、揚送装置取込通路56を介して前記球揚送装置12の球取込部12aと連通している。なお、図13においては、説明理解の便宜上、球揚送装置12を省略している。
また、メイン島設備10Bの島上タンク13Bは、図1に示すように、第3連絡樋(球流通路)54cを介してサブ島設備10Cの島上タンク13Cと連通している。前記第3連絡樋54cは、図13に示すように、島上タンク13Bから島上タンク13C側に遊技球Bを流下(転動)させるために、該遊技球Bの流下方向(転動方向)における上流側(島上タンク13B側)から下流側(島上タンク13C側)へ斜状をなすように形成されている。また、島上タンク13Bは、第4連絡樋(球流通路)54d及び接続部55を介して島上タンク13Cと連通している。前記第4連絡樋54dは、島上タンク13Cから島上タンク13B側に遊技球Bを流下させるために、該遊技球Bの流下方向における上流側(島上タンク13C側)から下流側(島上タンク13B側)へ斜状をなすように形成されている。また、接続部55は、島上タンク13Bの下端部13aと連通しており、島上タンク13Bの下端部13aは、揚送装置取込通路56を介して前記球揚送装置12の球取込部12aと連通している。
また、前記各島設備10A〜10Cの島上タンク13A〜13Cは、図1に示すように、供給連絡樋57を介して前記球集中タンク11と夫々連通している。すなわち、供給連絡樋57は、サブ島設備10A(島上タンク13A)付近において連絡支流樋57aが枝分かれするように形成されており、連絡支流樋57aの先端(図1における右端)が島上タンク13Aの図1における左端部に接続されている。同様に、供給連絡樋57は、メイン島設備10B(島上タンク13B)付近において連絡支流樋57bが枝分かれするように形成されており、連絡支流樋57bの先端(図1における右端)が島上タンク13Bの図1における左端部に接続されている。また、供給連絡樋57は、サブ島設備10C(島上タンク13C)付近で略直角(図1では右方側に向けて略直角)に屈折することにより島上タンク13Cの図1における左端部に接続されている。ちなみに、前記供給連絡樋57は、球集中タンク11との接続部位を上流端とする斜状態様に形成されており、球集中タンク11内の遊技球Bを各島設備10A〜10C(各島上タンク13A〜13C)に供給するようになっている。
前記島上タンク13Bは、略直方体をなす箱体であり、図14に示すように、島上タンク13A側となる一方側面(図13における左側面)13bの上部及び島上タンク13C側となる他方側面(図13における右側面)13cの上部には、球揚送装置12の球排出口(図示略)と連通する球受入口58がそれぞれ開口形成されている。また、島上タンク13Bにおける短手方向に沿う一側面(図13における奥方側の側面であって、図14における右側面)13dには、球持出タンク59が連接されており、該球持出タンク59内には、島上タンク13B内の遊技球Bの一部が球持出口60を介して通入するようになっている。また、球持出タンク59は、回収連絡樋(連絡通路)61を介して球集中タンク11と連通しており、回収連絡樋61は、球持出タンク59との接続部位を上流端とする斜状態様に形成されている。そのため、球持出タンク59内に通入した遊技球Bは、回収連絡樋61を球集中タンク11側に流下(転動)するようになっている。
前記島上タンク13B内における各球受入口58の下方には、第1球流下樋62が設けられており、該第1球流下樋62は、前記各球受入口58の長手方向(図14では左右方向)における略中央の直下位置を上流位置とし、該上流位置から図14における左右方向に離間するにつれて斜状をなすように形成されている。また、第1球流下樋62の一端部(図14では右端部)62aは、前記球持出タンク59内まで延設されている。そのため、前記各球受入口58を介して島上タンク13B内に通入した遊技球Bのうち第1球流下樋62上を前記一端部62a側に向けて流下(転動)した遊技球Bは、前記球持出口60を介して球持出タンク59内に通入するようになっている。すなわち、本実施形態では、第1球流下樋62が島上タンク13B内に通入した遊技球Bのうち一部を島上タンク13B外(球持出タンク59内)に通出させる球通出通路として機能するようになっている。一方、第1球流下樋62上を他端部(図14では左端部)62b側に向けて流下した遊技球Bは、該第1球流下樋62の他端部62bから下方に落下するようになっている。
また、前記島上タンク13Bの一方側面13bには、球受入口58の斜め下方位置(図14では右斜め下方位置)に球通出口63が形成されており、前記第1連絡樋54aは、該球通出口63と連通している。同様に、前記島上タンク13Bの他方側面13cにも、一方側面13bに形成された球通出口63と対応する位置に球通出口63が形成されており、前記第3連絡樋54cは、島上タンク13Bの他方側面13cに形成された球通出口63と連通している。そのため、島上タンク13B内に貯留される遊技球Bが増えて、前記各球通出口63の下端における高さ位置を越えた高さ位置まで遊技球Bが貯留された場合、それらの遊技球Bは、各球通出口63を介して島上タンク13Bの外部(第1連絡樋54aや第3連絡樋54c)に通出されるようになっている。すなわち、本実施形態の島上タンク13Bでは、該島上タンク13B内に貯留された遊技球Bのうち最も上方に位置する遊技球Bの高さ位置が各球通出口63における下端の高さ位置を越えるまで、遊技球Bを貯留できるようになっている。
また、前記第1球流下樋62の下方であって、さらに各球通出口63の下方には、第2球流下樋64が設けられており、該第2球流下樋64は、その他端部(図14では左端部)64aが上流端となる斜状態様に形成されている。また、第2球流下樋64の他端部64aは、島上タンク13Bにおける短手方向に沿う他側面(図4では左側面)13eに当接しており、該他側面13eには、第2球流下樋64の他端部64aに対応する位置に球通入口65が形成されている。ちなみに、前記連絡支流樋57b(供給連絡樋57)は、球通入口65を介して島上タンク13Bと連通している。そのため、連絡支流樋57bから球通入口65を介して島上タンク13B内に通入した遊技球Bは、第2球流下樋64上を流下(転動)して、該第2球流下樋64の一端部(図4では右端部)64bから下方に落下するようになっている。なお、第2球流下樋64は、その一端部64bが島上タンク13Bの長手方向における略中央に位置するように形成されている。
また、前記第2球流下樋64の下方には、第3球流下樋66が設けられており、該第3球流下樋66は、第2球流下樋64の一端部64bの直下位置を上流位置とし、該上流位置から図14における左右方向に離間するにつれて斜状をなすように形成されている。また、第3球流下樋66は、その他端部(図14では左端部)66aが島上タンク13Bの他側面13eに当接しており、その一端部(図14では右端部)66bが島上タンク13Bの一側面13dに当接している。そして、前記島上タンク13Bの他側面13eには、第3球流下樋66の他端部66aに対応する位置に球供給口67が形成され、前記島上タンク13Bの一側面13dには、第3球流下樋66の一端部66bに対応する位置に球供給口67が形成されている。また、島設備10Bに設けられた各球供給樋14は、各球供給口67を介して島上タンク13Bとそれぞれ連通しており、第3球流下樋66上を他端部66a側及び一端部66b側に流下した遊技球Bは、球供給樋14を流下して各パチンコ機Pに供給されるようになっている。なお、島上タンク13B内には、図14では説明の便宜上省略したが、本来、多数の遊技球Bが貯留(一旦貯留)されている。
一方、前記球持出タンク59の一方側面(図14における紙面奥方側の側面であって、図1では上側の側面)59aには、前記回収連絡樋61の上流端部61aと対応する位置に球回収口68が形成されている。従って、本実施形態では、図15に示すように、球持出タンク59が第1球流下樋(球通出通路)62の一端部(下流端部)62aと回収連絡樋(連絡通路)61の上流端部61aとを屈曲状に接続した通路接続部として機能するようになっている。なお、球持出タンク59内において遊技球Bが転動しながら流通する流通面59bは、球回収口68が形成された一方側面59a側を下流端とし、他方側面(図1における下側面)59c側を上流端とする斜状をなすように形成されている。
また、球持出タンク59内には、図15に示すように、前記第1球流下樋62を流下して球持出タンク59内の前記流通面59bにまで至った遊技球Bが衝突することになる接続ガイド装置69が設けられている。この接続ガイド装置69は、弾性体(本実施形態ではポリウレタン系のエラストマ)からなる1枚の板状をなす衝撃吸収部材70を備えており、該衝撃吸収部材70の表面(図15では左面)70aが通気性を有する表装材(本実施形態ではナイロン製の織物)Mにより被覆保護されている。そして、第1球流下樋62を介して球持出タンク59内に通入した遊技球Bは、表装材Mの表面(図15では左面)Maに衝突するようになっている。すなわち、本実施形態では、表装材Mの表面Maが、第1球流下樋(球通出通路)62を転動して球持出タンク(通路接続部)59まで至った遊技球Bが衝突することになる衝突面として機能するようになっている。また、衝撃吸収部材70の表面70aが前記第1球流下樋62の一端部(下流端部)62aから放出された遊技球Bからの衝撃荷重を受ける受圧面として機能するようになっている。
また、接続ガイド装置69は、衝撃吸収部材70の表面70a(表装材Mの表面Ma)における回収連絡樋61側となる一方端側が該回収連絡樋61の上流端部61aから下流側へ伸びる通路壁面61bのうち第1球流下樋62の一端部(下流端部)62aから遠い側となる通路壁面61bに連なるように配置されている。そして、前記表装材Mの表面Maは、その面位置が常には回収連絡樋61の通路壁面61bのうち第1球流下樋62の一端部62aから遠い側となる通路壁面61bの上流側への延長線上に位置するようになっている。そのため、本実施形態の球持出タンク59は、回収連絡樋61に連通する球回収口68付近の通路幅が回収連絡樋61の上流端部61aにおける通路幅と略同一幅となるように形成されている。
前記衝撃吸収部材70の裏面側(図15では右側)には枠状をなすスペーサ71が設けられており、該スペーサ71を介して衝撃吸収部材70は球持出タンク59の一側面(図5における右側面)59dに取り付けられている。そのため、衝撃吸収部材70と前記球持出タンク59の一側面59dとの間には、表装材Mの表面Maに遊技球Bが衝突した場合に、衝撃吸収部材70が表面70aの裏面側へ変位することを許容する変位スペース72が形成されている。なお、図5においては、説明理解の便宜上、3つの遊技球Bのみ図示しているが、本来、多数の遊技球Bが球持出タンク59内に通入するようになっている。
また、本実施形態では、前記球持出タンク59内の流通面59bと第1球流下樋62の一端部(下流端部)62aとの間に、該一端部62aが流通面59bよりも上方に位置するように段差が形成されている。この段差の高さ寸法は、遊技球Bの直径寸法(約11mm)よりも大きくなるように設定されている。ここで、もし仮に前記段差の高さ寸法が遊技球Bの直径寸法(11mm)以下に設定されたとすると、図16に示すように、該段差付近に遊技球Bが滞留している場合に、この遊技球Bと第1球流下樋62を流下して球持出タンク59内に通入した遊技球Bとが衝突してしまう可能性があった。すなわち、球持出タンク59内では、本来、発生させる必要のない遊技球B同士の激しい衝突が発生してしまう虞があった。しかし、本実施形態では、前記段差の高さ寸法は、遊技球Bの直径寸法よりも大きくなるように設定されているため、該段差近傍における遊技球B同士の衝突を極力回避できるようになっている。
次に、多数の遊技球Bが返却球計数機J内に投入された場合における本実施形態の遊技場システムAS及びメイン島設備10Bの作用について、特に球回収樋15における作用、球回収タンク16内における作用、球揚送装置12における作用及び球持出タンク59内における作用に着目して以下説明する。
さて、返却球計数機J内に多数の遊技球Bが投入(返却)されると、返却球計数機Jによって計数された遊技球Bが返却口Jaを介して球回収樋15における樋部24の転動面24a上に導かれる。すると、球回収樋15における樋部24の転動面24a上では、前記多数の遊技球Bが上流端から下流端に向けて転動する。ところで、各パチンコ機Pからは、常時、遊技球Bがアウトタンク17、球計数機18及び排出管19を介して球受け部25の傾斜面25a(又は球受け部26の傾斜面26a)上に落下排出される(図4参照)。そして、各パチンコ機Pから排出された遊技球Bは、傾斜面25a(又は傾斜面26a)の傾斜によって樋部24の転動面24aに向かって転動を開始する。この際に、傾斜面25a(又は傾斜26a)の傾斜角θ2が、球回収樋15の傾斜角θ1よりも大きい場合、遊技球Bの直交方向M2への回転速度(転動速度)は転動方向M1への回転速度より大きくなる。従って、遊技球Bは略直交方向M2へ向かって転動を開始し、徐々に加速しながら転動面24aへと転動して傾斜面25a(又は傾斜面26a)により転動面24aへと案内される。
そして、傾斜面25a(又は傾斜面26a)の下端縁と転動面24aの端縁とは連続して繋がっているため、転動面24aへと向かって転動する遊技球Bは、傾斜面25a(又は傾斜面26a)から転動面24aへと各面に沿って転動して球受け部25(又は球受け部26)から樋部24へと移送される。すなわち、傾斜面25a(又は傾斜面26a)から転動面24aへと移送されることによって発生した遊技球Bの運動エネルギが損失されることがない。そのため、傾斜面25a(又は傾斜面26a)を形成したことにより、転動面24aへ移送された遊技球Bは、転動面24a上にて停止したり、その回転速度(転動速度)が低下したりすることなく、転動し続けることになる。
そして、傾斜面25a(又は傾斜面26a)から転動面24aへと移送された遊技球Bは、球回収樋15(転動面24a)の傾斜によって直交方向M2への回転速度が転動方向M1への回転運動(転動)へと移行する。このため、転動面24aでは、遊技球Bは球回収樋15の下流端側へ流下しながら他方の球受け部26(又は球受け部25)に向かって転動する。すなわち、転動面24aにおいて、遊技球Bは球回収樋15の傾斜によって転動方向M1へ回転速度が付けられたのに加え、傾斜面25a(又は傾斜面26a)の傾斜によって直交方向M2へ付けられた回転速度も利用して傾斜面26a(又は傾斜面25a)を転動する。
そして、一方の傾斜面25a(又は傾斜面26a)から転動面24aへと移送された遊技球Bは他方の傾斜面26a(又は傾斜面25a)へと移送される。すると、遊技球Bは、傾斜面26a(又は傾斜面25a)上を転動して上昇し、その回転速度が低下して転動を停止するが、傾斜面25a(又は傾斜面26a)の傾斜によって転動面24aに向かって速やかに転動を開始する。ここで、遊技球Bが転動面24aの端縁から傾斜面26a(又は傾斜面25a)を上り転動した距離は、遊技球Bが落下点(パチンコ機Pから落下排出された位置)から傾斜面25a(又は傾斜面26a)の端縁まで下り転動した距離より短くなっている。すなわち、遊技球Bの傾斜面26a(又は傾斜面25a)での前記停止点の高さ(転動面24aからの高さ)は、前記落下点における高さ(転動面24aからの高さ)より低くなっている。
そのため、遊技球Bが前記停止点から転動面24aへ向かって転動を再開したときに傾斜面26a(又は傾斜面25a)の傾斜によって発生する回転速度は、遊技球Bが前記落下点から転動面24aへ向かって転動したときに発生する回転速度より小さくなる。その一方、球回収樋15の傾斜は一定であり、球回収樋15の傾斜によって発生する回転速度は一定である。従って、遊技球Bが転動面24aを転動するとき、遊技球Bは前記落下点から転動面24aへ移送されて転動面24aを転動したときよりも、進行方向を転動方向M1へ傾けて球回収樋15の下流端側へ向かって流下する。
上記のように、遊技球Bは両球受け部25,26の間を往復しながら球回収樋15の下流端側へ流下していくが、流下するに従い遊技球Bの各傾斜面25a,26aへの上昇距離が徐々に短くなっていく。このため、傾斜面25a,26aでの停止点から転動面24aへ向かって転動を再開したとき、直交方向M2へ発生する遊技球Bの回転速度が、流下するに従い徐々に小さくなっていく。その結果、最終的に遊技球Bは球回収樋15の傾斜のみによる転動方向M1への転動によって球回収樋15の下流端側へ流下していく。従って、各パチンコ機Pから落下排出された遊技球Bは、返却球計数機Jに投入された前記多数の遊技球Bと共に球回収樋15を下流端側に向けて転動して球回収タンク16内に放出される。
そして、球回収樋15の下流端から放出された遊技球Bは、その放出軌跡上に設置された回収ガイド装置30の表面(表装材35の表面35a)に衝突する。すると、回収ガイド装置30の表面(表装材35の表面35a)に衝突した遊技球Bは、その飛出し方向が変更され、球回収タンク16内における連絡口31側に向けてガイドされる。そのため、返却球計数機J内に投入された多数の遊技球Bが球回収タンク16内に通入したとしても、該多数の遊技球Bは、前記球回収タンク16内において交錯した状態(即ち、滞留した状態)となることなく、速やかに前記連絡口31から当該連絡口31に連通する各球揚送装置12(球取込口12a)へ向けてスムーズに通出される。
そして、前記球取込部12aに取り込まれた遊技球Bが球揚送装置12内に供給されると、該遊技球Bはガイドレール44に形成された凹部溝50内に収容される。この際に、遊技球Bの外周面と凹部溝50の内周面との間には、研磨布48が介在している(図10参照)。また、前記ガイドレール44と揚送ベルト41は前記凹部溝50内に収容された遊技球Bを挟持しているため、揚送ベルト41は、駆動モータ42の駆動に基づき支持柱38に沿って移動することによって、遊技球Bを、凹部溝50内を揚送方向(上方向)に向けて揚送(移送)する。
そして次に、前記凹部溝50内を揚送方向に揚送される遊技球Bが回転部52に到達すると、該回転部52では、凹部溝50の溝幅が拡げられているため、遊技球Bと研磨布48との間に空隙53が形成されるか(図12参照)、遊技球Bと研磨布48との摩擦力が減少する。すると、各凹部溝50は図12における左側に拡げられているため、拡げられた方向と逆方向(図11では時計回りの方向)に遊技球Bが回転する。すなわち、回転部52は、該回転部52に移送された遊技球Bの外周面を研磨布48にて満遍なく研磨する。前述したように、本実施形態の球揚送装置12内には回転部52が3箇所に形成されているため、該各回転部52にて遊技球Bの研磨がそれぞれ行われる。そして、球揚送装置12は、遊技球Bを研磨しつつ上方位置まで揚送(移送)し、球受入口58を介して島上タンク13B内に通入させる。
すると、島上タンク13B内に通入した遊技球Bは、第1球流下樋62上に落下する。そして、第1球流下樋62上を前記上流位置から他端部62b側に向けて流下した遊技球Bは、第1球流下樋62の他端部62bから第2球流下樋64上に落下する。一方、第1球流下樋62上を前記上流位置から第1球流下樋62の一端部62a側に向けて流下する遊技球Bは、第1球流下樋62の一端部62aから球持出タンク59内に勢い良く通入する。ここで、前記第1球流下樋62の一端部62aと球持出タンク59の流通面59bとの間には、前述したような段差が形成されている。そのため、たとえ前記段差付近に1つの遊技球Bが滞留していたとしても、遊技球Bと第1球流下樋62を流下して球持出タンク59内に勢い良く通入する遊技球Bとが衝突することはない。
また、第1球流下樋62を流下して球持出タンク59内に勢い良く通入した遊技球Bは、その転動方向の前方に位置する接続ガイド装置69(表装材Mの表面Ma)に衝突する。すると、表装材Mの表面Maに衝突した遊技球Bは、その流下方向(転動方向)が変更され、球持出タンク59内における球回収口68側に向けてガイドされる。そして、前記流通面59bを球回収口68側に流下する遊技球Bは、球回収口68を介して回収連絡樋61に通出され、回収連絡樋61を転動して球集中タンク11に回収される。すなわち、返却球計数機J内に投入された多数の遊技球Bが球持出タンク59内に流通したとしても、前記接続ガイド装置69は、それら多数の遊技球Bを球持出タンク59内で滞留させることなく回収連絡樋61を介して球集中タンク11内に通出させる。
従って、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)球回収樋(球回収通路)15において、球受け部25,26の傾斜面25a,26aにおける下端縁と樋部(通路部)24の転動面24aにおける端縁とは連続して繋がっており、傾斜面25a,26aと転動面24aとは段差なく連設されている。このため、各パチンコ機(遊技機)Pから排出され球受け部25,26に落下した遊技球Bを傾斜面25a,26aから転動面24aへと転動させながら移送することができる。そして、前記傾斜面25a,26aから転動面24aに転動した遊技球Bは、転動面24a上にて停止状態になることなく、下流端側(球回収タンク16側)に確実に流下(転動)するようになる。そのため、返却球計数機J内に投入(返却)された多数の遊技球Bは、球回収樋15(樋部24の転動面24a)を上流端から下流端に向けて転動する際に、各パチンコ機Pから落下排出された遊技球Bにより前記転動面24a上での転動を妨害されることはない。すなわち、前記多数の遊技球Bは、前記各パチンコ機Pから落下排出された遊技球Bと共に球回収樋15の下流端まで転動して球回収タンク16内に確実に回収される。従って、返却球計数機J内に多数の遊技球Bが投入された場合でも、メイン島設備10B内で遊技球Bを円滑に流通させることにより、遊技場システムAS全体で遊技球Bを円滑に流通させることができる。
(2)球回収タンク16内に向けて球回収樋(球回収通路)15の下流端から放出された遊技球Bは、該遊技球Bの放出軌跡上に設けられた回収ガイド装置30により、球回収タンク16内における連絡口31に向けて案内ガイドされる。そのため、球回収タンク16内に回収された遊技球Bを速やかに各球揚送装置12にてメイン島設備10Bの島上タンク13Bまで揚送することができ、メイン島設備10B及び遊技場システムASでの遊技球Bの円滑な流通に寄与することができる。
(3)各凹部溝(揚送通路)50の一部には、遊技球Bの揚送方向に対して直交する方向のうちの何れかの方向(図11では上方向)に各凹部溝50の幅が拡げられた回転部52が設けられている。そのため、球揚送装置12によって上方に揚送される遊技球Bは前記回転部52を通過することにより進行方向と相対する回転が加えられることにより、遊技球Bの全周を満遍なく研磨することができ、高い研磨能力を得ることができる。
(4)返却球計数機J内に多数の遊技球Bが投入されたとしても、球回収樋(球回収通路)15を介して球回収タンク16内に通入された多数の遊技球Bは、2つの球揚送装置12によって島上タンク13B内まで揚送されることになる。すなわち、2倍の揚送能力でもって前記多数の遊技球Bを島上タンク13Bまで揚送することになるため、メイン島設備10B及び遊技場システムASにおける遊技球Bの円滑な流通に寄与することができる。
(5)第1球流下樋(球通出通路)62を一端部62a側に流下(転動)する遊技球Bは、第1球流下樋62の一端部62aと回収連絡樋(連絡通路)61の上流端部61aとの接続部位に設けられた接続ガイド装置69に衝突する。その際、この接続ガイド装置69の衝撃吸収部材70は、遊技球Bの衝突に基づく衝撃を変位することにより吸入して、遊技球Bを回収連絡樋61の下流側に向けてガイドするようになっている。そのため、接続ガイド装置69(表装材Mの表面Ma)に衝突した遊技球Bは、その勢いが緩和され、当該接続ガイド装置69によって回収連絡樋61にガイドされる。従って、遊技球Bが球持出タンク(通路接続部)59内に滞留することを抑制でき、遊技場システムASでの遊技球Bの円滑な流通に寄与することができる。
(6)一対の傾斜面25a,26aが転動面24aに向かって下り傾斜するように形成されている。このため、例えば、一方の球受け部25に落下した遊技球Bが一方の傾斜面25aから転動面24aへと転動し、さらに他方の傾斜面26aにまで転動しても、他方の傾斜面26aの傾斜によって遊技球Bの転動面24aに向かった転動を速やかに再開させることができる。従って、転動面24aでは遊技球Bの転動を常に確保して遊技球Bの球回収樋(球回収通路)15の下流端側への移送性の向上に寄与することができる。
(7)回収ガイド装置30には、弾性材からなる衝撃吸収部材32が設けられており、該衝撃吸収部材32の表面(一面)32aが球回収樋(球回収通路)15の下流端から放出された遊技球Bと表装材35の表面35aとの衝突時に衝撃荷重を受ける受圧面とされている。すなわち、回収ガイド装置30に遊技球Bが衝突した場合に、衝撃吸収部材32は、その表面32aの裏面側に形成された変位スペース34の範囲内で変位(湾曲・振動)することにより、遊技球Bの衝突に基づく衝撃を確実に吸収できる。従って、球回収樋15の下流端から放出された遊技球Bが回収ガイド装置30(表装材35の表面35a)に衝突した場合、該遊技球Bの勢いを確実に緩和できると共に、遊技球Bの回収ガイド装置30への衝突に基づく衝突音の発生を良好に低減できる。
(8)接続ガイド装置69には弾性体からなる衝撃吸収部材70が設けられているため、第1球流下樋(球通出通路)62を転動する遊技球Bが接続ガイド装置69(表装材Mの表面Ma)に衝突する。このような場合に、衝撃吸収部材70は、その表面70aの裏面側に形成された変位スペース72の範囲内で変位(湾曲・振動)変位することにより、接続ガイド装置69は遊技球Bの衝突に基づく衝撃を確実に吸収できる。すなわち、第1球流下樋62を転動する遊技球Bが接続ガイド装置69(表装材M)に衝突した場合、その遊技球Bの勢いを確実に緩和できると共に、遊技球Bの接続ガイド装置69への衝突に基づく衝突音の発生を良好に低減できる。
(9)表装材35,Mは、合成繊維であるナイロン繊維を織って作られた布であり、同一温度雰囲気において衝撃吸収部材32,70よりも摩擦係数が低い。そのため、表装材35,Mは、遊技球Bが衝突した際に生じる摩擦熱を抑制できる。また、表装材35,Mは、通気性を有しているため、多数の遊技球Bが長期にわたって繰り返し衝突しても、衝撃吸収部材32,70に生じた摩擦熱を外部に良好に放熱できる。従って、各ガイド装置30,69に遊技球Bが長期にわたって繰り返し衝突しても、衝撃吸収部材32,70は、ゲル化して欠損(例えば、穴が空く等)するのを回避でき、その衝撃吸収能力を長期にわたって維持できる。また、表装材35,Mには繊維と繊維との間に空気層が形成されているため、表装材35,M自体も遊技球Bの衝突に基づき織り目が変位すること、及び繊維間に形成された微小な空気層がクッションとして機能することにより衝撃荷重を吸収でき、表装材35,Mの耐久性を向上することができる。
なお、本実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・前記実施形態において、回収ガイド装置30に設けられる衝撃吸収部材32は、その内部に複数の空隙を有するスポンジ状の衝撃吸収部材32であってもよい。同様に、接続ガイド装置69に設けられる衝撃吸収部材70もまた、その内部に複数の空隙を有するスポンジ状の衝撃吸収部材70であってもよい。これらのように構成した場合、衝撃吸収部材32,70自身がクッション性を有することになるため、表面32a,70aの裏面側には、衝撃吸収部材32,70の変位を許容する変位スペース34,72を設けなくてもよい。
・前記実施形態において、回収ガイド装置30及び接続ガイド装置69は、表装材35,Mを設けない構成であってもよい。
・前記実施形態において、回収ガイド装置30は、表装材35の表面35aに衝突した遊技球Bを球回収タンク16の連絡口31近傍にガイドできるのであれば、弾性体からなる衝撃吸収部材ではない例えば金属板で形成されたガイド部材を設けた構成であってもよい。同様に、接続ガイド装置69もまた、表装材Mの表面Maに衝突した遊技球Bを回収連絡樋61側にガイドできるのであれば、弾性体からなる衝撃吸収部材ではない例えば金属板で形成されたガイド部材を設けた構成であってもよい。これらのように構成した場合、遊技球Bが衝突する衝突面の裏面側に形成された変位スペース34,72内には、遊技球Bがガイド部材に衝突した際の勢いを緩和させるために、複数のコイルスプリングを設けることが望ましい。
・前記実施形態において、球回収樋15は、底部形成部材22の何れか一方の長辺側縁部のみに球受け部25(又は球受け部26)が形成された構成であってもよい。すなわち、転動面24aの一方の長辺側縁部のみに傾斜面25a(又は傾斜面26a)を形成するようにしてもよい。
・前記実施形態において、回収連絡樋61は、遊技場Hに設けられた球集中タンク11に接続されるのではなく、サブ島設備10A,10Cの島上タンク13A,13Cに接続されてもよい。
・前記実施形態において、メイン島設備10Bには、3つ以上の任意数の球揚送装置12を設けてもよい。また、サブ島設備10A,10Cにも、2つ以上の任意数の球揚送装置12を設けてもよい。
・前記実施形態において、回収ガイド装置30は、球回収タンク16の上方開口部分を閉塞する蓋体27に取り付けられてもよい。ただし、この場合においても、回収ガイド装置30(表装材35の表面35a)は、球回収樋15の下流端から放出された遊技球Bの放出軌跡上に設けられる必要がある。
・前記実施形態において、返却球計数機Jは、サブ島設備10A,10Cに設けてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記球受け部は、前記通路部における遊技球の転動方向に対して直交する直交方向において前記通路部を挟んで相対向するように設けられている。
(ロ)前記回収ガイド装置は、弾性材からなる衝撃吸収部材を備え、該衝撃吸収部材の一面が前記球回収通路の下流端から放出された遊技球と前記衝突面との衝突時に衝撃荷重を受ける受圧面として構成されている。
(ハ)前記接続ガイド装置は、弾性材からなる衝撃吸収部材を備え、該衝撃吸収部材の前面が前記球回収通路の下流端から放出された遊技球と前記衝突面との衝突時に衝撃荷重を受ける受圧面として構成されている。
(ニ)前記衝撃吸収部材の裏面側には、前記衝突面に遊技球が衝突した場合に、前記衝撃吸収部材が前記衝突面の裏面側へ変位することを許容する変位スペースが形成されている。
10A,10C…サブ島設備、10B…メイン島設備、11…球集中タンク、12…球揚送装置、13A〜13C…島上タンク、15…球回収樋(球回収通路)、16…球回収タンク、24…樋部(通路部)、24a…転動面、25,26…球受け部、25a,26a…傾斜面、30…回収ガイド装置、31…連絡口、32…衝撃吸収部材、32a…表面(一面、受圧面)、34,72…変位スペース、35…表装材、35a…表面(衝突面)、39…下回転ドラム(回転ローラ)、40…上回転ドラム(回転ローラ)、41…揚送ベルト、44…ガイドレール(挟持板)、48…研磨布、50…凹部溝(凹溝、揚送通路)、52…回転部、54a…第1連絡樋(球流通路)、54b…第2連絡樋(球流通路)、54c…第3連絡樋(球流通路)、54d…第4連絡樋(球流通路)、59…球持出タンク(通路接続部)、61…回収連絡樋(連絡通路)、61a…上流端部、61b…通路壁面、62…第1球流下樋(球通出通路)、69…接続ガイド装置,70…衝撃吸収部材、70a…表面(受圧面)、AS…遊技場システム、B…遊技球、H…遊技場、J…返却球計数機、Ja…返却口、M…表装材、Ma…表面(衝突面)、P…パチンコ機(遊技機)。