JP3953177B2 - 遊技機設置島 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機や雀球遊技機などの遊技機を並べて設置する遊技機設置島に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
遊技機設置島内で使用する遊技球の量を確保するために、設置島の内部下方に球貯留タンクを長手方向に並べて配置し、この球貯留タンク内に多数の球を貯留するようにしたパチンコ島が提案されている。この設置島においては、長手方向に複数の遊技機を並設し、これら遊技機から排出される使用済みの球を回収する球回収樋と、該球回収樋によって回収した球を揚送する球揚送装置と、該球揚送装置により揚送された球を遊技機よりも上方で貯留する上部タンクと、上部タンク内の球を各遊技機に補給する球補給樋とを備え、球貯留タンクの側面部分には、球貯留タンク内の球を揚送して前記球回収樋に排出する球排出装置を設け、上部タンク内の球が不足した場合には、球排出装置を作動して球貯留タンク内の球を短時間内に球回収樋に排出し、この球を球揚送装置によって揚送して上部タンクに補給する構成を採る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、球回収樋は、長尺な設置島の長手方向に設けるので、大きな傾斜角度にすることができない。また、球排出装置の球排出口から排出された球は、球回収樋上で流下方向を約９０度変換して流下しなければならないが、球回収樋の底面の角度は緩やかなので、流下方向の変換が速やかに行われ難い。このため、球排出装置の球排出口から大量の球が排出されると、これらの球を円滑に流下させることができない事態が発生する。
例えば、球排出装置の球排出口から排出された球が球回収樋上で山積みに滞留したり、この山積みになった球が崩れた際に球貯留タンク内に落下してしまうことがある。
【０００４】
また、設置島の端部に、賞球を計数する球計数装置を設置し、この球計数装置で計数を終了した球を球回収樋内に回収するように構成した設置島が提案されているが、この様な設置島において、球回収樋で球が滞留していると、球計数装置から排出される球を回収することができないので、球計数装置の使用ができなくなってしまう。これでは、遊技者にとっても不便であり、不都合である。
【０００５】
さらに、球回収樋は、球貯留タンクの大きさや設置島の長さなどの条件次第で傾斜角度がその都度異なることが多く、球排出装置の球排出口から球回収樋の底面までの高低差も異なることが多い。球排出口から球回収樋の底面までの高低差が大きすぎると、排出された球が球回収樋の底面上に落下した際の衝撃音が大きくなってしまう不都合が生じる。
【０００６】
本発明は上記事態に鑑みなされたもので、その目的は、球貯留タンク内の球を球排出装置により球排出口から球回収樋上に排出する際に、排出された球が球回収樋上を円滑に流下させることができる遊技機設置島を提供しようとするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたもので、請求項１に記載のものは、長手方向に複数の遊技機を並設し、これら遊技機から排出される使用済みの球を所定方向に誘導して回収する球回収樋と、該球回収樋と接続して回収した球を揚送する球揚送装置と、該球揚送装置により揚送された球を遊技機よりも上方で貯留する上部タンクと、該上部タンク内の球を各遊技機に補給する球補給樋とを備えた遊技機設置島において、
遊技機設置島内に前記球回収樋よりも低く球貯留タンクを配設し、
該球貯留タンクには、球回収樋の側面上方に球排出口を臨ませて球貯留タンク内の球を前記球回収樋に排出する球排出装置を設け、
該球排出装置の球排出口と前記球回収樋との間に、球排出口から排出された球の流下方向を変換して球回収樋へ流し込ませるために球回収樋の流下方向に向かって底面が下り傾斜した補助球受部材を設け、
前記補助球受部材は、
下り傾斜した底面の一方の側縁に立設されて、前記球排出装置の球排出口が連通する球貫通窓が開設された第１側壁部と、
下り傾斜した底面の他方の側縁に立設された第２側壁部と、
底面における傾斜方向に直交する幅方向の途中に球当接面を球排出口の傾斜下端側に向けた状態で立設され、前記球排出口から排出された球の一部が当接するバッフル部材と、
を備え、
前記バッフル部材よりも上流側の底面を、前記第２側壁部側に向かっても下り傾斜させたことを特徴とする遊技機設置島である。
【０００９】
請求項２に記載のものは、バッフル部材よりも下流側の底面上には、底面の下り傾斜方向に沿って複数本の凸条を平行に形成したガイド部を設けたことを特徴とする請求項１に記載の遊技機設置島である。
【００１０】
請求項３に記載のものは、補助球受部材の底面を、球回収樋の幅方向に向けて設けた支持軸により揺動可能に支持し、底面を固定部材により所定の傾斜角度で固定したことを特徴とする請求項１又は２に記載の遊技機設置島である。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図１は、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機１を設置した遊技機設置島２（以下、設置島２という。）の概略構成図、図２は３つの設置島２の接続状態を示す斜視図、図３は３つの設置島２の正面図、図４は設置島２のほぼ中央に設置した球揚送装置３の斜視図、図５は球揚送装置３の断面図である。
【００１２】
この設置島２は、一面に２台、相対向する両面で４台のパチンコ遊技機１を背向状態にして設置できる大きさの開口部を形成した金属製フレーム４を１モジュールとし、このフレーム４を所定数連結することにより床面積に応じた長さにできるように構成されており、長手方向のほぼ中央部分には球揚送装置用フレーム４を配置するとともに、このフレーム４内に球揚送装置３を配設する。各フレーム４の所定高さには設置用棚部（図示せず）が形成されているので、この設置用棚部上にパチンコ遊技機１を設置するとともに、台間球貸機５等の設備を設置する。
【００１３】
そして、この様に構成した設置島２の上部には、球揚送装置３により揚送した球を貯留する上部タンク６を設け、この上部タンク６から各パチンコ遊技機１に球を補給する第１球補給樋７ａと第２球補給樋７ｂを設置島２の各端部に向けてそれぞれ僅かに下り傾斜した状態で架設するとともに、上部タンク６から後述する第１球貯留タンク１０ａに供給する球を流下する第１貯留用球供給流路１１ａと第２球貯留タンク１０ｂに供給する球を流下する第２貯留用球供給流路１１ｂを同様に下り傾斜した状態でそれぞれ架設する。第１，第２球補給樋７ａ，７ｂには、各パチンコ遊技機１ごとに枝樋１２を分岐し、枝樋１２の出口をパチンコ遊技機１の球タンク上部に臨ませる。したがって、パチンコ遊技機１の球タンク内の球が不足した場合には、枝樋１２に設けた球補給装置の作動により当該パチンコ遊技機１の球タンク内に、球補給樋７内の球を補給することができる。
【００１４】
一方、設置島２内の下部、具体的にはパチンコ遊技機１よりも少し低い位置には、各パチンコ遊技機１から排出される使用済みの球（アウト球とセーフ球）を回収する第１球回収樋１３ａと第２球回収樋１３ｂを設置島２の各端部からそれぞれ球揚送装置３に向けて僅かに下り傾斜した状態で設ける。なお、本実施形態では、パチンコ遊技機１から排出された使用済みの球を一旦パルスタンクに受け入れ、ここで計数してから球回収樋１３に流下するように構成してある。また、第１，第２球回収樋１３ａ，１３ｂは、両側のパチンコ遊技機１から排出された使用済みの球を途中で落下させることなく球揚送装置３まで流下させるために、両側縁に落下防止部材として壁を立設してある。
【００１５】
本実施形態においては、各パチンコ遊技機１から排出された使用済みの球をすべて球回収樋１３により回収して球揚送装置３によって揚送研磨するので、汚れた使用済みの球が、後述する球貯留タンク１０内にそのまま貯留されることはない。同様に、設置島２の端部や途中に球計数装置１４を設けた場合、この球計数装置１４から排出される計数済みの球も主として球回収樋１３に流し込んで回収するので、この点においても、汚れた球をそのまま球貯留タンク１０で貯留することは殆どない。
【００１６】
また、上記第１球回収樋１３ａよりも低い設置島２内に第１球貯留タンク１０ａを、第２球回収樋１３ｂよりも低い設置島２内に第２球貯留タンク１０ｂをそれぞれ設置島２の長手方向に沿って配設する。そして、設置島２の端部に位置する第１，第２貯留用球供給流路１１ａ，１１ｂの傾斜下端からこれらの流路の一部として機能する第１，第２球流下管１５ａ，１５ｂを垂設し、第１球流下管１５ａの下端を第１球貯留タンク１０ａに連通し、第２球流下管１５ｂの下端を第２球貯留タンク１０ｂに連通する。したがって、球揚送装置３が揚送した球が上部タンク６から第１，第２貯留用球供給流路１１ａ，１１ｂに流入すると、これらの流路を通って球が設置島２の上部を通って設置島２の端部まで流下し、その後は第１，第２球流下管１５ａ，１５ｂを介して設置島２下部に配設された第１，第２球貯留タンク１０ａ，１０ｂ内に流入して貯留される。
【００１７】
球揚送装置３は、図４に示すように、遊技店の床面に固定するベース２０に下端を固定した状態で上下方向に長尺な筺体２１を垂直に立設し、筺体２１の下部に駆動ローラ２２を、上部に従動ローラ２３をそれぞれ軸方向を水平に向けた状態で設け、両ローラ２２，２３間に、上昇側のベルトを筺体２１内に配置し下降側のベルトを筺体２１外に配置して無端ベルト２４を掛け渡し、筺体２１の外部を通る無端ベルト２４の途中にテンションローラを押し当てて無端ベルト２４に張力を付加し、上記駆動ローラ２２の軸には駆動機構として減速機付きモータ２５を接続し、駆動ローラ２２の下方の球導入口２６には球を整列して導入する球導入ガイド２７をを備えた球導入樋２８を設け、筺体２１の上端には、揚送した球を排出する球排出口２９を横向きに突設する。
【００１８】
この筺体２１は、設置した状態で遊技機設置島２の外側に向いた一側面が上下に大きく開口した縦長な筐本体２１ａと、この筐本体２１ａの開口に開閉可能な状態で取り付けた縦長な蓋２１ｂとからなる。このような縦長な筐本体２１ａの内部には、上端に従動ローラ２３を、下端に駆動ローラ２２を設ける他に、従動ローラ２３と駆動ローラ２２の間には、無端ベルト２４の裏面に接触するバックアップローラ３１を多数設け、これらのバックアップローラ３１間に設けたバックアッププレート（図示せず）とにより無端ベルト２４が直線状態を維持しながら上昇するように構成してある。なお、バックアップローラ３１は従動ローラ２３や駆動ローラ２２よりも小径であり、これらのローラ２２，２３，３１はすべて平行に位置している。
【００１９】
本実施形態では分割蓋として、同じ上下長さ、即ち開口の上下寸法の半分の長さを有する上段蓋２１ｂと下段蓋２１ｂ′とを取り付けて筐本体２１ａの開口を塞ぎ、しかも上段蓋２１ｂと下段蓋２１ｂ′とに互換性を持つように構成してあるので、上段蓋２１ｂと下段蓋２１ｂ′とは同じ寸法であるばかりでなく取付金具を含めて同じ構成としてある。
【００２０】
この様な互換性を持たせた蓋２１ｂは、筐本体２１ａの幅と同様の幅を有する平面部と、この平面部の左右両側縁から無端ベルト２４側に延設した側面部とを有する断面略コ字状の部材であり、平面部の外側の上部に、コイルスプリング３２の付勢力により常時下方に向けて付勢してある可動クランプ部材３３を、下部に固定クランプ部材３４をそれぞれ設け、平面部の内側に押圧付勢部材として押圧スプリング３５を多数設け、これらの押圧スプリング３５の付勢力により、両クランプ部材３３，３４で縦方向のテンションを加えて張設した研磨布３６を案内板材３７によって無端ベルト２４側に押圧する。
【００２１】
研磨布３６は、耐摩耗性に優れ皺になり難い適度な剛性を有する布材であり、上端部分と下端部分を蓋２１ｂの裏側に過不足なく折り返して止着し得る十分な長さで切断してあり、例えば合成樹脂製の不織布を用いる。そして、この研磨布３６には、静電防止剤や抗菌剤などを予め含浸させておくことが好ましい。
【００２２】
案内板材３７は、揚送する球を整列して案内するものであり、本実施形態では合成樹脂製板に深さが球径の半分弱である断面半円形の球案内溝３９を７本平行に形成し、左右の側縁には案内板材用溝内に嵌合して前進位置を規制するとともに左右の位置を規制する嵌合段部を形成してある。なお、この案内板材３７の上下長さは、蓋２１ｂの上下長さと同じに設定する。
【００２３】
研磨布３６を張設したつの蓋２１ｂ，２１ｂ′を筐本体２１ａに取り付けると、研磨布３６と無端ベルト２４との間に揚送路４０が形成される。したがって、この状態で球揚送装置３を始動すると、球導入ガイド２７により整列した状態で導入された球が無端ベルト２４と研磨布３６との間の揚送路４０に入り込む。したがって、導入された球は、研磨布３６を間に挟んだ状態で球案内溝３９内に入り込み、この状態で押圧スプリング３５の付勢力により無端ベルト２４側に押圧される。この挟持状態で無端ベルト２４が上昇移動しているので、これにより揚送力を受ける。このため、揚送路４０内に入り込んだ球は転がりながら揚送され、この転がりにより研磨布３６に研磨されて表面の汚れが除去される。
【００２４】
そして、研磨されながら揚送路４０内を上昇した球は、従動ローラ２３を乗り越えると、筺体２１の球排出口２９から排出されて上部タンク６内に入る。
【００２５】
上部タンク６は、球揚送装置３により揚送された球を貯留するタンク本体と、隣りの設置島２へ球を補給したり、或は当該設置島２の球が不足したときに隣りの設置島２から球を受けいれるバランスタンクとから構成されており、図２および図３に示すように、隣りの設置島２との球の受渡しは球受渡し樋６０ａ，６０ｂを介して行う。
【００２６】
タンク本体は、縦長直方体形の有底箱体であり、球揚送装置３側の側面の上部に、球揚送装置３の球排出口が挿入される入口を開口し、この入口の下方に、複数の棚を交互に設けるとともに、所定部位に球の出口を設け、第１，第２球補給樋７ａ，７ｂや第１，第２貯留用球供給流路１１ａ，１１ｂなどに球を分流したり、あるいは貯留したりする。
【００２７】
左側の第１貯留用球供給流路１１ａ内に流れ込んだ球は、この流路内を流下して設置島２の左側端部に到達し、ここから第１球流下管１５ａを介して設置島２の左側下部に配設された第１球貯留タンク１０ａ内に流入して貯留される。また、第２貯留用球供給流路１１ｂ内に流れ込んだ球は、左側の第１貯留用球供給流路１１ａ内に流れ込んだ場合と同様に、設置島２の右側端部に到達してから第２球流下管１５ｂを介して設置島２の右側下部に配設された第２球貯留タンク１０ｂ内に流入して貯留される。
【００２８】
次に、球貯留タンク１０について説明する。なお、第１球貯留タンク１０ａと第２球貯留タンク１０ｂとは長さが異なるが構成が同様であるため、第１球貯留タンク１０ａについて説明する。
【００２９】
第１球貯留タンク１０ａは、設置島２の長手方向に沿って形成した長尺な箱状の上面開放タイプのタンクであり、具体的には設置島２の一端から球揚送装置３の手前までの長さを有する。図６および図７に示すように、第１球貯留タンク１０ａの一方の側面の長手方向ほぼ中央に、後述する第１球排出装置６１ａを収納する凹室状のリフト収納室４１を形成してある。したがって、このリフト収納室４１を形成した部分だけは幅が狭くなっている。また、この第１球貯留タンク１０ａの底面は、両端側から長手方向のほぼ中央に向かって緩やかに下り傾斜して、傾斜下端近傍においてはリフト収納室４１を形成した一方の側面側に向かって下り傾斜しており、この底面の傾斜下端に対応する側面、即ちリフト収納室４１の壁面の下部に球出口４２を開設してある。
【００３０】
第１球貯留タンク１０ａの幅は、第１球回収樋１３ａよりも十分に幅広であり、本実施形態では第１球回収樋１３ａの約２倍の幅員を有する。そして、この第１球貯留タンク１０ａには、設置島２の端部側に配置した第１球流路１５ａから流入する球を全長に亘って均して貯留させる貯留均等化手段を備えるとともに、長手方向のほぼ中央であって前記球出口４２を開設した側面に臨む位置に第１球排出装置６１ａを備え、この第１球排出装置６１ａを設置する部分には、前記したように幅員を他の部分よりも狭めたリフト収納室４１として成形されている。
【００３１】
貯留均等化手段は、球貯留タンク１０の底面との間に球貯留空間を空けた状態で球貯留タンク１０の長手方向に沿って延在する球転動部材４３により構成する。この球転動部材４３は、図６及び図７に示すように、ゴム等の弾性材を敷設した上面が球貯留タンク１０より幅狭（本実施形態では約半分）な平坦な板材であり、この上面が第１球流路１５ａの出口側（すなわち、設置島２の端部側）から球貯留タンク１０の長手方向に沿ってその端部に向けて下り傾斜している。
【００３２】
したがって、第１球流路１５ａの出口から流出した球が球転動部材４３上に載ると、この球は上面の下り傾斜によって第１球貯留タンク１０ａの球揚送装置３側端部に向かって転動して移動し始める。そして、この上面の側縁には落下を規制する壁等がないので、球は第１球流路１５ａの出口から流出した時の流出方向のいかんによって、或は流下途中で他の球との衝突によって弾かれた方向のいかんによって側縁から球が自由に落下でき、傾斜下端まで転動する球もあれば途中で落下する球もある。このため、球転動部材４３上から落下する球の位置が集中することはなく分散されて、第１球貯留タンク１０ａ内に貯留される球の均一化を図ることができる。
【００３３】
第１球貯留タンク１０ａには、貯留している球のレベル、すなわち球の量を検出する検出器４４を複数箇所備えており、これらの検出器４４からの信号に基づいて、当該第１球貯留タンク１０ａ内への球の流入を島制御装置により制御する。
【００３４】
また、球揚送装置３を作動しても上部タンク６内の球が不足した場合、球貯留タンク１０ａ，１０ｂ内で貯留していた球を球排出装置６１ａ，６１ｂにより球回収樋１３ａ，１３ｂに流し込み、この球を球揚送装置３により揚送して上部タンク６に補充する。したがって、遊技機１…で短時間に「大当り」が集中して発生した場合にも、賞球として排出する球の不足を生じることがない。
【００３５】
次に、球排出装置６１について説明する。
この球排出装置６１は、前記したように、島制御装置からの補給指令に基づいて球貯留タンク１０内の球を揚送して球回収樋１３に流し込む装置、即ち球貯留タンク１０内の球を排出する装置であり、球貯留タンク１０のリフト収納室４１に着脱可能に設置されており、ここに設置すると、球排出口４５が前記球回収樋１３内に側面上方から臨む。
【００３６】
球排出装置６１は、図８から図１０に示すように、筺体５０の一方の側面の下部に、球流入樋５１を設けた球流入口５２を、上部に球排出口４５を設け、この筺体５０内に２本のローラ５３ａ，５３ｂを水平方向に向けた状態で上下に軸支し、両ローラ５３ａ，５３ｂに無端ベルト５４を掛け渡すとともにテンションローラ５５により無端ベルト５４に適度の張力を与え、無端ベルト５４の上下及び一方の面の外側に球接触面材５６を、球を弾性的に挟持し得る間隔を配して設け、球接触面材５６の下端を下段のローラ５３ａの下方を通して球流入口５２に接続するとともに、球流入口５２に向かって僅かに下り傾斜した球流入樋５１を突設し、球接触面材５６の上端を球排出口５７に連通させ、下段のローラ５３ａの軸に駆動モータ５８を接続したものであり、これらの各部材はスライドベース５９上に取り付けられており、このスライドベース５９と球貯留タンク１０側との間に設けたスライド支持ユニットとによって、球貯留タンク１０に対して前後動可能である。
【００３７】
なお、球貯留タンク１０の球出口４２には球こぼれ防止機構（図示せず）を備え、球排出装置６１の着脱の際に、球出口４２から球がこぼれ出ない様に構成してある。
【００３８】
この球排出装置６１は、常態においては作動を停止している。したがって、球貯留タンク１０の球出口４２から球流入樋５１内に球が充満した状態で待機している。
【００３９】
そして、前記したように、例えば設置島２のパチンコ遊技機１で次々と「大当り」が発生するなどして上部タンク６内の球が不足して補給指令が送出されると、球排出装置６１の駆動モータ５８が始動し、無端ベルト５４を回転する。無端ベルト５４が回転すると、球接触面材５６側の無端ベルト５４が上昇するので、図１０（ｂ）に示すように、下段のローラ５３ａに掛かっている無端ベルト５４の表面と球接触面材５６との間に流下してきた球が無端ベルト５４と球接触面材５６との間に弾性的に挟み付けられ、この状態で無端ベルト５４が上昇するので、挟み付けられた球は両者の間で図１０（ｂ）中時計方向に回転しながら次第に上昇していく。球流入口５２には球貯留タンク１０内の球が次々と流れ込んでくるので、無端ベルト５４と球接触面材５６との間には球が連続して挟み込まれて順次上昇する。
【００４０】
この様にして、無端ベルト５４の回転により上昇した球は球排出口４５から排出されて、球排出口４５と球回収樋１３との間に設けてある補助球受部材６２上に流出し、この補助球受部材６２上で流下方向を変換してから球回収樋１３内に流れ込む。
【００４１】
補助球受部材６２は、球排出口４５から排出された球の流下方向を球回収樋１３の流下方向に変換するための部材であり、図１１に示す第１の実施形態では、一方に下り傾斜した底面６３の一方の側縁から固定用側壁部（本発明の第１側壁部に相当）６４を立設し、他方の側縁から落下防止用側壁部（本発明の第２側壁部に相当）６５を立設し、底面６３の上面にはラバーシートなどの緩衝材６６を添設し、固定用側壁部６４には球貫通窓６７を開設するとともに、遊技機設置島２側への固定に使用する固定孔６９を開設し、これらの固定孔６９にビス等を通して遊技機設置島２に固定すると、球排出装置６１の球排出口４５が球貫通窓６７に連通するように構成してある。
【００４２】
補助球受部材６２の底面６３の傾斜角度は、前記した球回収樋１３の下り傾斜角度よりも大きな傾斜角度に設定する。また、補助球受部材６２の底面６３の幅は、球回収樋１３の流路の幅よりも少し狭く設定することが望ましい。
【００４３】
上記した構成からなる補助球受部材６２を設けると、球排出装置６１の球排出口４５から排出された球は、補助球受部材６２の底面６３上に落下して重力加速度が抑制される。球が底面６３上に落下したときに、緩衝材６６が球の衝撃を吸収するので、騒音の発生を抑制することができる。落下した球のうち勢い良く排出された球は慣性力でその多くが落下防止用側壁部６５に当接してから底面６３の下り傾斜により流下方向を変換しながら傾斜下端側に向って流下し、落下防止用側壁部６５に当接しなかった球は底面６３の下り傾斜により流下方向を変換して傾斜下端側に向かって流下する。そして、底面６３上を流下した球は、傾斜下端から球回収樋１３上に落下し、この球回収樋１３上を球揚送装置３まで流下する。
【００４４】
したがって、球排出装置６１の球排出口４５から大量の球が勢い良く排出しても、これらの球が補助球受部材６２や球回収樋１３から落下して球貯留タンク１０に戻ってしまうことはないし、球排出口４５から排出された球が一旦補助球受部材６２上に落下してから球回収樋１３上に落下するので、球排出口４５と球回収樋１３との高低差が大きくても、球の落下による衝撃の騒音を低減させることができる。また、球排出装置６１の球排出口４５から排出された球の流下方向を球回収樋１３の流下方向に変換してから球回収樋１３上に落下させ、しかも補助球受部材６２の底面６３上で流下速度を十分につけてから球回収樋１３上に落下させるので、球回収樋１３の下り傾斜角度が小さくても、球回収樋１３上に落下した球は直ちに球回収樋１３上を球揚送装置３に向かって速やかに流下する。このため、球回収樋１３上で球が滞留することを防止することができ、球計数装置１４から排出される球を確実に球回収樋１３内に受け入れて流下させることができる。
【００４５】
図１２に示す補助球受部材６２の第２の実施形態は、第１実施形態のものに底面６３の傾斜角度調整機構を加えたものであり、底面６３の傾斜上端側に支持軸７０を設けて該支持軸７０を中心にして底面６３を揺動可能に支持し、底面６３の傾斜下端側に設けた固定部材７１により底面６３を所定の傾斜角度で固定できるようにしてある。なお、固定部材７１は、固定用側壁部６４に設けた固定孔６９と該固定孔６９内に通して底面６３の傾斜下端側を支持する軸とからなる。したがって、球回収樋１３の傾斜や球回収樋１３までの間隔などに応じて底面６３の傾斜角度を調整することができる。また、本実施形態では底面６３の傾斜下端部分の両側に、流路幅を絞り込む略三角形の球案内部７２を設けてあるので、底面６３の流路幅が大きくてもこの底面６３上を流下してきた球を球回収樋１３の流路幅内に確実に調整することができる。
【００４６】
図１３に示す補助球受部材６２の第３の実施形態は、第１実施形態のものに球の流下方向を案内するガイド部７４を設けるとともに、球排出口４５から排出された球の一部を球排出口４５寄りの底面６３上を流下させるバッフル部材７５を設けたものである。図面に示すバッフル部材７５は、球の流れを球当接面に当接することにより邪魔するバッフル板を立設することにより構成されており、球当接面を球排出口４５に向けた状態で取り付ける。このバッフル板は、球排出口４５の幅よりも短尺であり、本実施例では、図１３（ｂ）に示すように、バッフル板の長さを球排出口４５の幅の約半分の長さに設定し、球排出口４５の左右中央から一側端（底面６３の傾斜下端側の側縁）前方であって、底面６３の幅方向のほぼ中央に立設してある。そして、バッフル板と球排出口４５との間の底面６３の傾斜角度はバッフル板を越えた底面の傾斜角度と同じであるが、バッフル板よりも上流側の底面は落下防止用側壁部６５側に向かっても下り傾斜させ、この幅方向傾斜底面６３′の作用により、バッフル板に当接しない球を落下防止用側壁部６５側の底面上にまで到達させるように構成してある。
【００４７】
したがって、球排出口４５から球が排出されると、これらの球の約半分がバッフル板の球当接面に当接することになり、当接した球は流下方向を変換して底面６３上の手前側（球排出口４５側）を流下し、バッフル板に当接しない残り半分の球が、幅方向の傾斜底面６３′上を慣性により幅方向に転動してからバッフル板よりも遠い方の底面６３上に到達し、これにより排出された球が底面６３上で確実に幅方向に分散される。
【００４８】
また、バッフル板よりも下流側の底面６３上には、底面６３の下り傾斜方向に沿って複数本の凸条を平行に形成したガイド部７４が設けられているので、バッフル板や幅方向傾斜底面６３′により分散されて底面６３の幅方向に均一化された球は、凸条により流下方向を案内された状態で底面６３上を流下する。そして、幅方向に均一化され、しかも流下方向の規制された球が補助球受部材６２から球回収樋１３上に落下することになる。
したがって、球回収樋１３上に落下した球も幅方向に確実に分散され、しかも流下方向も予め球回収樋１３の流下方向に整えられており、これにより球回収樋１３上での滞留を一層確実に防止することができる。
なお、バッフル部材７５は、板状の部材に限定されるものではなく、球の流れを邪魔できればよい。したがって、ピンを立設して構成してもよい。
【００４９】
この様にして球回収樋１３内に流れ込んだ球は、球揚送装置３まで流下し、この球揚送装置３により揚送されて上部タンク６内に補給される。上部タンク６内に補給された球は、前記したように、球補給樋７ａ，７ｂを介して各遊技機１に補給される。したがって、各遊技機１への球が不足する事態を回避することができる。なお、球貯留タンク１０ａ，１０ｂから排出した球の補給によっても球が不足した場合には、隣り合う設置島２から球受渡し樋６０ａ，６０ｂを介して球の補給を受ける。
【００５０】
なお、前記した実施形態では、球排出装置６１にベルト駆動タイプ用いたが、球排出装置６１は球を揚送することができればどのような構成でも良く、例えばスクリューコンベアタイプでもよい。
【００５１】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項１の発明によれば、遊技機設置島内に球回収樋よりも低く球貯留タンクを配設し、該球貯留タンクには、球回収樋の側面上方に球排出口を臨ませて球貯留タンク内の球を前記球回収樋に排出する球排出装置を設け、該球排出装置の球排出口と前記球回収樋との間に、球排出口から排出された球の流下方向を変換して球回収樋へ流し込ませるために球回収樋の流下方向に向かって底面が下り傾斜した補助球受部材を設けたので、球回収樋の傾斜角度が小さくても、球排出口から排出された球を補助球受部材上に受け入れて球の流下方向を変換してから球回収樋に流し込むことができる。したがって、球回収樋内で球が山積みに滞留したり、勢い余って球回収樋から落下してしまうなどの不都合を解消することができ、球排出口から大量の球を排出しても、球回収樋により円滑に流下させることができる。このため、球揚送装置への球の供給も円滑であり、供給量の増加にも対処し易い。そして、球計数装置から排出される球を球回収樋に流下するように構成しても、球計数装置からの球の受け入れも確実に行うことができる。
【００５２】
また、球排出口から球回収樋までの高低差が大きくても、球排出口から排出された球を一旦補助球受部材上に受け止めてから球回収樋に落下するので、騒音の発生を抑制することができる。
【００５３】
さらに、補助球受部材は、下り傾斜した底面の一方の側縁に立設されて、球排出装置の球排出口が連通する球貫通窓が開設された第１側壁部と、下り傾斜した底面の他方の側縁に立設された第２側壁部と、底面における傾斜方向に直交する幅方向の途中に球当接面を球排出口の傾斜下端側に向けた状態で立設され、球排出口から排出された球の一部が当接するバッフル部材と、を備え、バッフル部材よりも上流側の底面を、他方の側壁部側に向かっても下り傾斜させたので、球排出口から排出された球を底面上で幅方向に分散させて均一化することができる。したがって、球回収樋上に落下した球も、球回収樋の幅方向に分散されるので、球回収樋の全幅を有効に活用することができる。
【００５４】
請求項２の発明によれば、バッフル部材よりも下流側の底面上には、底面の下り傾斜方向に沿って複数本の凸条を平行に形成したガイド部を設けたので、球が予め球回収樋の流下方向に整えられて球回収樋上に落下する。これにより球回収樋上での滞留をより確実に防止することができる。
【００５５】
請求項３の発明によれば、補助球受部材の底面を、球回収樋の幅方向に向けて設けた支持軸により揺動可能に支持し、底面を固定部材により所定の傾斜角度で固定したので、球回収樋の傾斜角度に応じて補助球受部材の底面を傾斜させることができる。したがって、球回収樋に当接しない範囲で補助球受部材の底面傾斜角度を大きく設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】パチンコ遊技機を設置した遊技機設置島の概略構成図である。
【図２】３つの設置島の接続状態を示す斜視図である。
【図３】３つの設置島の正面図である。
【図４】設置島に設置した球揚送装置の斜視図である。
【図５】（ａ）は蓋を開いた状態を、（ｂ）は蓋を閉じた状態をそれぞれ示す球揚送装置の断面図である。
【図６】球貯留タンクの内部を示す長手方向の断面図である。
【図７】球貯留タンクの内部を示す幅方向の断面図である。
【図８】球排出装置の斜視図である。
【図９】球貯留タンクに取り付けた状態における球排出装置の斜視図である。
【図１０】（ａ）は球排出装置の側面図、（ｂ）は球排出装置の内部を示す側面図である。
【図１１】補助球受部材の第１実施形態の斜視図である。
【図１２】補助球受部材の第２実施形態の斜視図である。
【図１３】（ａ）は補助球受部材の第３実施形態の斜視図、（ｂ）は（ａ）に示す補助球受部材の平面図である。
【符号の説明】
１ パチンコ遊技機
２ 遊技機設置島
３ 球揚送装置
４ フレーム
５ 台間球貸機
６ 上部タンク
７ 球補給樋
１０ 球貯留タンク
１１ 貯留用球供給流路
１２ 枝樋
１３ 揚送球供給樋としても機能する球回収樋
１４ 球計数装置
１５ 球流下管
２０ 球揚送装置のベース
２１ 筺体
２２ 駆動ローラ
２３ 従動ローラ
２４ 無端ベルト
２５ モータ
２６ 球導入口
２７ 球整列部材
２８ 球導入樋
２９ 球排出口
３０ 仕切り板
３１ バックアップローラ
３２ コイルスプリング
３３ 可動クランプ部材
３４ 固定クランプ部材
３５ 押圧スプリング
３６ 研磨布
３７ 案内板材
３９ 球案内溝
４０ 揚送路
４１ リフト収納室
４２ 球出口
４３ 球転動部材
４４ 検出器
４５ 球排出装置の球排出口
５０ 筺体
５１ 球流入樋
５２ 球流入口
５３ ローラ
５４ 無端ベルト
５５ テンションローラ
５６ 球接触面材
５８ モータ
５９ スライドベース
６０ 球受渡し樋
６１ 球排出装置
６２ 補助球受部材
６３ 底面
６４ 固定用側壁部
６５ 落下防止用側壁部
６６ 緩衝材
６７ 球貫通窓
６９ 固定孔
７０ 支持軸
７１ 固定部材
７２ 球案内部
７４ ガイド部
７５ バッフル部材

Claims (3)

1. 長手方向に複数の遊技機を並設し、これら遊技機から排出される使用済みの球を所定方向に誘導して回収する球回収樋と、該球回収樋と接続して回収した球を揚送する球揚送装置と、該球揚送装置により揚送された球を遊技機よりも上方で貯留する上部タンクと、該上部タンク内の球を各遊技機に補給する球補給樋とを備えた遊技機設置島において、
   遊技機設置島内に前記球回収樋よりも低く球貯留タンクを配設し、
   該球貯留タンクには、球回収樋の側面上方に球排出口を臨ませて球貯留タンク内の球を前記球回収樋に排出する球排出装置を設け、
   該球排出装置の球排出口と前記球回収樋との間に、球排出口から排出された球の流下方向を変換して球回収樋へ流し込ませるために球回収樋の流下方向に向かって底面が下り傾斜した補助球受部材を設け、
   前記補助球受部材は、
   下り傾斜した底面の一方の側縁に立設されて、前記球排出装置の球排出口が連通する球貫通窓が開設された第１側壁部と、
   下り傾斜した底面の他方の側縁に立設された第２側壁部と、
   底面における傾斜方向に直交する幅方向の途中に球当接面を球排出口の傾斜下端側に向けた状態で立設され、前記球排出口から排出された球の一部が当接するバッフル部材と、
   を備え、
   前記バッフル部材よりも上流側の底面を、前記第２側壁部側に向かっても下り傾斜させたことを特徴とする遊技機設置島。
2. 前記バッフル部材よりも下流側の底面上には、底面の下り傾斜方向に沿って複数本の凸条を平行に形成したガイド部を設けたことを特徴とする請求項１に記載の遊技機設置島。
3. 補助球受部材の底面を、球回収樋の幅方向に向けて設けた支持軸により揺動可能に支持し、底面を固定部材により所定の傾斜角度で固定したことを特徴とする請求項１又は２に記載の遊技機設置島。

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