JP4488328B2 - 既設管路の補修用内面部材および既設管路の補修方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、劣化の進んだ既設管路を補修する方法に用いる補修材である内面部材と、その内面部材を用いた既設管路の補修方法に関し、特に下水道管路や雨水管路などの排水管路で、しかも断面が円形の主として大口径管路の補修に適した内面部材および補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水道管路や雨水管路などの既設管路を補修する方法として、従来、樹脂製の帯状体を既設管路内で螺旋状に巻回して筒状の螺旋管を製管し、その螺旋管と既設管路の間にモルタルを充填する方法が知られている(例えば特開平10−146893号)。
【0003】
この従来の既設管路の補修方法によると、樹脂製の螺旋管と補修管路との間にモルタルを充填するに当たり、螺旋管の内側に支保を組んだりバッグを配置する必要があるばかりでなく、補修後の管路においては、モルタル層が既設管路内面と樹脂製の螺旋管の間に挟まれた単一の層で成り立っているため、地震や車両通行時の振動等により、モルタル層にクラックが生じると、そのクラックが徐々に伝播していき、最終的にはモルタル層全体にクラックが行き渡り、管路の強度が不足してしまうという問題もあった。
【0004】
そこで、本出願人は、既に、既設管路の内面に沿って外面部材を配置し、次いでその外面部材の内面に沿って繊維等からなる小径のチューブ状部材を例えばスパイラル状に配置し、そのチューブ状部材に対して樹脂製の内面部材を嵌合し、チューブ状部材の内部、および既設管路内面と内面部材の間にモルタル等の硬化性充填材を注入・硬化させる方法を提案している(特願2000−85963号)。
【0005】
この提案技術によれば、チューブ状部材内で硬化性充填材が硬化した状態では、これが高強度の内型枠の役割を担い、従って管路内面と内面部材との間に硬化性充填材を注入するときに内面部材の内側に支保やバッグ等を設ける必要がなくなり、施工時間の短縮、コストの削減等の効果を奏することができる。また、補修後の管路においても、管路内面と内面部材との間で硬化したモルタル等の硬化性充填材層の間に、チューブ状部材内で硬化した硬化性充填材が例えばスパイラル状に配置された構造となるため、機械的な強度が格段に向上し、管路内面と内面部材の間の硬化性充填材層にクラックが生じても、その伝播を抑制することができるといった効果を奏することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した提案技術において用いる内面部材は、チューブ状部材と一体化し、かつ、隣接する内面部材に対しても結合する構成が要求される。また、チューブ状部材には、硬化性充填材の注入圧力に耐えることのできる耐高内圧性が要求される。
【0007】
本発明は、このような要求に十分に耐えることのできる既設管路の補修用内面部材と、その内面部材を用いた管路の補修方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の既設管路の補修用内面部材は、既設管路の内面を補修すべく、その内面に沿って小径のチューブ状部材を配置するとともに、そのチューブ状部材に嵌合させて管路内面を覆うための所定幅のプラスチック長尺体からなる内面部材であって、一定の厚みを有する平板部と、その平板部の両側端部に形成されて隣接する内面部材どうしを相互に結合するための結合部と、上記平板部の片面側に、当該平板部よりも狭い幅をもって形成され、上記チューブ状部材に対して嵌合するための嵌合部を備えているとともに、上記両側端部に形成されている結合部の一方が上記嵌合部を兼用し、その嵌合部兼用の結合部は、チューブ状部材に嵌合した状態で他方の結合部に対して相互に結合されるように構成されていることによって特徴づけられる(請求項1)。
【0009】
ここで、本発明の既設管路の補修用内面部材においては、平板部の両側端部に形成されている各結合部のうち、少なくともいずれかの結合部に、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を形成すること(請求項2)が望ましい。
【0010】
本発明の既設管路の補修用内面部材においては、平板部の両側端部に形成されている結合部の一方が凸形状で、他方がその凸形状と係合可能な凹形状であって、これらの中間に上記嵌合部が形成された構成とするとともに、その嵌合部を、両側端部の結合部材のうちのいずれか一方の結合部側に近接して形成した構成(請求項3)を採用することができる。
【0011】
また、請求項3に係る発明の既設管路の補修用内面部材においては、隣接する内面部材相互の結合を、それぞれの内面部材の両側端部に形成した結合部どうしのみによって行うのではなく、その隣接する内面部材の結合部どうしを、別部材である結合補助材によって相互に結合するように構成すること(請求項4)もできる。
【0012】
また、以上の各請求項に係る発明の内面部材においては、平板部の片面に、硬化性充填材との結合を高めるための突出部を形成した構成(請求項5)を採用することが好ましい。
【0013】
更に、以上の各請求項に係る発明の内面部材においては、平板部の両側端部に形成されている結合部のうちの少なくともいずれか一方にシール材を配置した構成(請求項6)を採用することもできる。
【0014】
そして、請求項11に係る発明の既設管路の補修方法は、少なくとも緯糸の一部に曲げ反発性を有する糸が使用されてなる自己保形性を有する筒状織布の内面に、水密層が形成されてなるチューブ状部材を、既設管路内面に沿って配置し、そのチューブ状部材内に流体圧を加えることによって当該チューブ状部材を管路内面に圧接しながら、このチューブ状部材に対して請求項1、2、3、4、5または6に記載の内面部材の嵌合部を嵌合するとともに、その内面部材の両側端部を隣接する結合部どうしで結合し、次いで、上記チューブ状部材内に硬化性充填材を注入し、更に既設管路内面と上記内面部材の間に硬化性充填材を注入することによって特徴づけられる(請求項7)。
【0015】
また、この請求項7に係る発明の既設管路の補修方法においては、あらかじめチューブ状部材をその外径寸法が既設管路内径寸法に略等しくなるようにスパイラル状に巻回するとともに、そのスパイラル状に巻回されたチューブ状部材の外側に、当該スパイラル状のチューブ状部材のスパイラル形状および間隔を保持し、かつ、当該チューブ状部材を管路内に牽引するための外面部材を取り付けた後、この外面部材を牽引して既設管路内にチューブ状部材を配置する方法(請求項8)を採用することもできる。
【0016】
ここで、この請求項8に係る発明において用いる外面部材は、透水性筒状体、または多孔性筒状体、もしくは筒長方向に配置した複数本の帯状体とすること(請求項9)ができる。
【0017】
本発明は、既設管路と内面部材との間にチューブ状部材を介在させて、そのチューブ状部材に内面部材を嵌合固定し、チューブ状部材の内部と、内面部材と既設管路の内面との間にそれぞれ硬化性充填材を注入する既設管路の補修方法において用いるのに適した内面部材およびチューブ状部材と、これらの各部材を用いるとこによって、先の提案技術を更に改良した既設管路の補修方法を提供するものである。
【0018】
請求項1に係る発明の既設管路の補修用内面部材によれば、チューブ状部材に対する嵌合部が形成されているので、チューブ状部材との一体化が嵌合によって確実なものとなり、内面部材が外水圧などの圧力下に置かれても、管路内面側に離脱することを防止することができる。また、長尺体である内面部材の両側端部に、隣接する内面部材どうしを結合するための結合部が形成されているため、マンホール等から既設管路内への挿入時の取扱性を考慮してその幅寸法を設定しても、隣接する内面部材どうしを相互に確実に結合一体化して既設管路内面を隙間なく覆うことができる。同時に、使用設備や輸送などに対しても幅を自由に設定できることから、工事現場の状況に合わせて対応することが可能となる。更に、チューブ状部材に対する嵌合部は、平板部の幅よりも狭くされているため、嵌合部形成部分以外に平板部が存在することになり、従って、この内面部材を管路内でその両側端部において相互に結合して管路内面を密に覆った状態において、チューブ状部材は相互に密着して配置することなく、平板部の嵌合部に対する幅の広さ分だけ間隔を開けることが可能となり、チューブ状部材の使用量を少なくすることができると同時に、作業性向上およびコスト削減に有効である。
【0019】
しかも、内面部材の両側端部の結合部の一方を、チューブ状部材に対する嵌合部と兼用させた構成としているため、その結合部兼嵌合部を隣接する内面部材の結合部と結合した状態において、チューブ状部材はこれら双方の内面部材に対して結合された状態となり、内面部材に対してチューブ状部材が極めて外れにくい構造が形成される。また、一方の結合部とチューブ状部材に対する嵌合部とを兼用させることにより、内面部材の形状をシンプル化することができ、加工の容易化並びに低コスト化を達成することができる。
【0020】
ここで、本発明において、プラスチック長尺体とは、幅寸法に比して長さが十分に長いプラスチック成形体を言い、管路内面に配置時に内面部材が1本の一体ものである必要はない。従って、本発明においては、複数本の内面部材を長さ方向に繋ぐ場合も含まれている。この場合の接続は、適宜の接続用部材を用いて内面部材を長手方向に相互に連結するか、融着や接着等の手段を用いて繋いでもよく、更には内面部材を長手方向に突き合わせた状態で、その突き合わせ部分をモルタルやエポキシ樹脂などの何らかの物質で埋め込む等で対処することもできる。
【0021】
一方の結合部とチューブ状部材に対する嵌合部とを兼用させた請求項1の構成において、請求項2に係る発明のように、両側端部の各結合部のうち、少なくともいずれか一方の結合部に厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を形成することによって、チューブ状部材が平面部材によって外部に対して密閉されることを防止することができ、安定した強度を発揮することができる。すなわち、管路内面と内面部材との間に硬化性充填材を注入したとき、その硬化性充填材はこの貫通孔を介してチューブ状部材の表面にまで行き渡り、チューブ状部材は管路内面の内張り構造体から孤立することがなく、構造体全体としての強度は安定したものとなる。
【0022】
一方、請求項3に係る発明のように、平板部の両側端部に形成した結合部の中間部分にチューブ状部材に対する嵌合部を形成して、結合部と嵌合部とを分離した構造を採用した場合には、結合部の形状として一方を凸形状、他方をその凸形状と係合可能な凹形状として、その形状を任意の複雑な凹凸結合とすることが可能となり、互いに隣接する内面部材どうしを確実に結合することができ、内面部材の離脱を防止することができる。
【0023】
また、この請求項3に係る発明では、嵌合部をいずれか一方の結合部側に近接させているため、嵌合部と近接した結合部を隣接する内面部材の結合部と結合する際、管路内面に沿い、かつ、嵌合部に嵌合しているチューブ状部材が後ろ楯になって反力が得られやすく、作業を容易化することができる。
【0024】
また、本発明の内面部材においては、隣接配置された内面部材どうしを、それぞれの結合部のみによって結合するほか、請求項4に係る発明のように、別部材である結合補助材によって相互に結合する構成を採用することができ、この場合、結合構造をより複雑なものを選定するなど、その設計の自由度を増大させることができる。
【0025】
また、以上の各請求項に係る発明の内面部材においては、請求項5に係る発明のように、平板部の片面に、硬化性充填材との結合を高めるための突出部を形成すれば、アンカー効果による硬化性充填材に対する結合強度の増大効果のほか、内面部材自体の強度を向上させることができ、内面部材を単体で取り扱う場合、平板部が薄肉であっても変形しにくくなるという効果もある。
【0026】
また、平板部の両側端部にそれぞれ形成した結合部のうちの少なくともいずれか一方にシール材を配置する請求項6に係る発明の構成によると、隣接する内面部材を結合部において相互に結合して管路内面を覆った状態において、その隣接する内面部材間の隙間がシール材により封止された状態となり、管路内面との間に注入された硬化性充填材の漏出を確実に無くすることができ、また、補修後の管路においては、管路外からの地下水の侵入、管路外への管内流下物の管路外および管壁への漏れを確実に防止することができる。
【0027】
そして、請求項7に係る発明の既設管路の補修方法によると、少なくとも緯糸の一部に曲げ反発性を有する糸(例えばモノフィラメント等)を使用して自己保形性を持たせてなるチューブ状部材を、既設管路の内面に沿って配置するので、チューブ状部材を例えばスパイラル状に配置した場合、チューブ状部材の曲げ反発性によって折れ曲がって(キンク)閉塞することがない。その後、このチューブ状部材内に圧力流体による圧力を加えることで、チューブ状部材には外方、つまりスパイラル径を拡大する方向への力が加わり、管路内面にチューブ状部材が圧接して管路内での位置を固定することができる。そして、この流体圧力が加わった状態で、チューブ状部材に対して請求項1〜6の内面部材の嵌合部を嵌合する作業を行うと、内圧によりチューブ状部材は変形することなく、また、内圧により既設管路内面における位置も固定されるため、嵌合部を押し当てるだけで内面部材を容易かつ確実にチューブ状部材に対して嵌合固定することができる。
【0028】
その後、スパイラル状に配置したチューブ状部材に沿って内面部材を順次嵌合していくが、管路内周を一周した後には、内面部材は既に設置している内面部材と隣接する状態となる。この状態から、内面部材の嵌合部をチューブ状部材に嵌合する作業と、同じく内面部材の側端部に形成している結合部を既設の内面部材の結合部に対して結合する作業を行うことで、管路内全長を覆うように内面部材を配置する。
【0029】
次いでチューブ状部材内に硬化性充填材を注入していくが、このとき、前記したチューブ状部材の耐キンク性により、あるいは加えてチューブ状部材にデガッシング処理を施すことによる空気の透過性を付与することにより、その注入作業は容易なものとる。
【0030】
その後、チューブ状部材の外側となる既設管路の内面と内面部材との間に硬化性充填材を注入することで作業は完了する。本発明の補修方法により補修された後の管路の構造は、内面部材と管路内面との間の硬化した硬化性充填材層内に、チューブ状部材内で硬化した硬化性充填材が配置された構造、換言すれば、チューブ状部材により、内面部材と管路内面間の硬化性充填材層と、チューブ状部材内の硬化性充填材が仕切られた構造となり、硬化性充填材が何らかの原因、例えば取付管口穿孔のための削孔、他工事による外的損傷、地震等による振動、によってクラックが生じても全体に伝播することを構造的にくい止めることができる。
【0032】
この請求項7に係る発明の既設管路の補修方法において、請求項8に係る発明のように、チューブ状部材をあらかじめその外径寸法が既設管路内径寸法に略等しくなるようにスパイラル状に巻回し、かつ、そのスパイラル形状としたチューブ状部材の外側に、当該スパイラル形状およびチューブ状部材の間隔を保持可能な外面部材を取り付けて、この外面部材を牽引してスパイラル状のチューブ状部材をそのまま管路内に引き込めば、チューブ状部材のスパイラル形状および間隔は変わることなく常に当初の思惑通りのままに管路内に配置することができる。従って、外面部材によりチューブ状部材のスパイラル間隔を、組立後の内面部材の嵌合部の間隔に合わせて確定させておくことで、管路内での内面部材の嵌合作業を容易化することができる。
【0033】
ここで、以上の外面部材を、透水性筒状体、または多孔性筒状体、もしくは筒長方向に配置した複数本の帯状体によって構成する請求項9に係る発明の構成を採用すれば、これらは少なくとも筒長方向に連続したものであるため、スパイラル状に巻回したチューブ状部材を管路内筒長方向に引き込む際に、的確に力を伝達することができる。また、外面部材を透水性または多孔性の筒状体、あるいは複数の帯状体の組み合わせとしているので、気密性を有さず、外面部材と内面部材との間に硬化性充填材を注入するときに、少なくとも外面部材と内面部材との間の空気を管路外に排出することができ、硬化性充填材硬化後の物性を安定させることができる。特に、外面部材として透水性筒状体を用いる場合、硬化性充填材に管路内の溜水や管路内に流入してくる地下水などが混ざりにくく、かつ、硬化性充填材にセメント系を使用した場合には、余剰水を外面部材外に排出することができ、セメント系充填材の硬化物性を強固なものとすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4は本発明を適用した既設管路の補修方法の手順説明図であり、図1に示すような既設の下水道管路Pに本発明を適用した例について述べる。
この例では、図1のように既設の下水道管路P(以下、既設管路Pと称する)の2つのマンホールM1,M2間を補修するものとする。まず、補修すべき既設管路Pの汚水の水量等に応じた適宜の方法により、管路P内で人が作業できる環境を作る。例えば、補修対象管路の上流側に止水プラグを設置して汚水をせき止める。次に、マンホールM1またはM2を介して、チューブ状部材1を既設管路P内に搬入し、図2に示すように、そのチューブ状部材1を既設管路Pの内面に沿うようにスパイラル状に巻回する。
【0035】
チューブ状部材1は、経糸および緯糸に合成繊維を使用し、かつ、その緯糸の一部にワイヤなどの金属糸や、合成繊維のモノフィラメント糸を使用し、筒状に織成してなる筒状織布の内面にプラスチックチューブを接合一体化したものであり、プラスチックチューブに多数の小孔を形成するデガッシング処理により通気性を持たせている。この構造のチューブ状部材1の製造方法について述べると、まず、上記した筒状織布を製造した後、その筒状織布内に少なくとも外層面が熱融着性を有するプラスチックチューブを引き込み、プラスチックチューブ内に内圧をかけて筒状織布内面に圧接させ、この状態で加熱を行ってプラスチックチューブの内張りを行う。内圧の付与の加熱は、具体的にはプラスチックチューブ内に蒸気圧をかけることによって行うことが好ましい。そして、最後にデガッシング処理を行う。
【0036】
内径30mmのチューブ状部材1の製造方法の一例を以下に示す。
まず、織組織として、経糸をポリエステルスパン糸20番手/6(本撚り)×2(本引揃え)×293(本)、緯糸をポリエステルフィラメント糸1220dtex/4(本撚り)×35本/10cm(ピッチ)、ポリエステルモノフィラメント糸20700dtex/1(本撚り)×35本/10cm(ピッチ)とし、この組織を環状織機を用いて筒状織布に織成する。なお、緯糸の織り込みは2シャットル方式で行う。
【0037】
次に、織成した筒状織布内に、押出成形によりチュービングした内径25mmのウレタンエラストマチューブ(外層に低融点品を使用した2層構造、全体厚さ0.3mm)を引き込み、チューブ内に蒸気圧を加えて筒状織布と一体化させたうえでデガッシング処理を行うことにより、上記した構造のチューブ状部材1が得られる。このような構造のチューブ状部材1は自己保形性を有するものであり、管路内面に沿ってスパイラル状に巻回する際に、折れ曲がる(キンク)ことがない。
【0038】
さて、既設管路Pの内面に沿ってチューブ状部材1をスパイラル状に巻回した後、その先端部に止栓11等を施して内部に高圧空気等の圧力流体を供給する。これにより、チューブ状部材1はその流体圧力によってスパイラル径が拡大する方向に力が加わり、チューブ状部材1は既設管路Pの内面に圧接されて、その位置が実質的に固定された状態となる。
【0039】
その状態で、チューブ状部材1に対して内面部材2を嵌合固定する。内面部材2は、一様断面のプラスチック長尺体であって、その横断面図を図5に示す。この内面部材2は、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂などのプラスチックを押出成形する等によって製造する。この内面部材2は、一定の厚みを有する平板部2aの両端部に結合部2b,2cが形成されているとともに、その間に嵌合部2dが形成された形状とされている。
【0040】
結合部2b,2cは、互いに隣接する内面部材2どうしを結合するためのものであり、それぞれ凹部27b,凸部27cを主体とするものとしており、両者の結合は、凹部27bに凸部27cを嵌め込むことによって行うことができる。
【0041】
嵌合部2dは断面略C字形をしており、チューブ状部材1を嵌合することができるようになっている。この嵌合部2dは、凹部27bが形成された一方の結合部2bに近接して設けられている。この嵌合部2dの幅寸法は平板部2aの幅寸法よりも狭くなっている。この嵌合部2dを、既設管路P内でスパイラル状に巻回されて圧力流体により管路内面に圧接されたチューブ状部材1に対して嵌合することにより、つまり、内面部材2をスパイラル状のチューブ状部材1に沿わせてスパイラル状に巻回しつつ、嵌合部2d内にチューブ状部材1が嵌まり込むように嵌合固定していく。このとき、チューブ状部材1のスパイラル形状のピッチは内面部材2の幅寸法と同等としておき、チューブ状部材1に対して内面部材2を嵌合した状態では、スパイラル状に巻回された内面部材2の側縁どうしが密着するようにする。この状態では、密着する側縁どうしにおいて凹部27bを主体とする一方の結合部2bと、凸部27cを主体とする他方の結合部2cが対向することになるから、図6に示すように、その結合部2b,2cどうしを相互に結合して一体化することにより、図3に示すように、既設管路Pの内面が内面部材2によって隙間なく覆われた状態となる。また、図6に隣接する内面部材2の繋ぎ目部分の拡大断面図を示すように、隣接する内面部材2の結合部2bと2cとの間にシール材3が介在して、その繋ぎ目部分が水密構造となる。
【0042】
次に、図3に示すように、チューブ状部材1の先端に止栓11を装着した状態で、他端部側から硬化性充填材を注入する。また、内面部材2と既設管路Pのチューブ状部材1を介在させた状態で形成される筒状空間の端部にも、急結モルタル4等によって止水処理を施しておき、チューブ状部材1内の硬化性充填材が硬化した後、内面部材2と既設管路Pの間にも硬化性充填材を注入して硬化させる。
【0043】
硬化性充填材としては、セメントミルク、モルタル、コンクリート等のセメント系材料や、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂のうち、要求性能とコスト等に鑑みて適宜のものを用いることができる。
【0044】
以上の工程を終了した状態での要部断面図は図4に示す通りとなる。この状態では、内面部材2と既設管路Pの間に硬化性充填材層5が形成され、その硬化性充填材層5の内部に、チューブ状部材1内で硬化した硬化性充填材層6がスパイラル状に配置された構造となる。このような構造によれば、硬化性充填材層5に何らかの原因でクラックが生じても、チューブ状部材1およびその内部の硬化性充填材層6によってその伝播が阻止され、長期にわたって高い強度を持続することができる。
【0045】
また、内面部材2は嵌合部2dにおいてチューブ状部材1に対して嵌合固定され、かつ、その両端の結合部2b,2cが硬化性充填材層5内に入り込んだ状態となるため、長期の使用によっても剥離等が生じる恐れがない。また、嵌合部2dをチューブ状部材1に対して嵌合固定した状態において、凹部27bを備えた結合部2bがチューブ状部材1に対する嵌合固定部分に近接することになるため、その凹部27bに対して隣接する内面部材2の結合部2cの凸部27cを挿入して結合する際、凹部27b側がチューブ状部材1に支えられて逃げず、つまり有効な反力が得られて、その結合作業を容易化することができる。
【0046】
そして、上記した補修工程においては、前記したようにチューブ状部材1が自己保形性を有しているため、スパイラル状への巻回時に折れ曲がる等の不具合がなくその作業性は良好なものとなるとともに、デガッシング処理を施しているために硬化性充填材の注入時にそこに含まれている空気や、チューブ状部材1内の空気がチューブ状部材1外に逃げるなど、その注入作業も容易なものとなる。また、内面部材2と既設管路Pの内面との間に硬化性充填材を注入するに際しては、チューブ状部材1およびその内部で硬化した硬化性充填材層6が実質的に内型枠の役割を果たすため、従来のこの種の補修方法のように支保を組んだりバッグを挿入する等によって内面部材を支える必要がなく、その作業も容易なものとなる。
【0047】
ここで、本発明における内面部材2に、図7に例示するような略I形の突出部2eや、図8に例示するようなT字形やV字形等の突出部2eを形成することができる。このような突出部2eは、内面部材2と既設管路Pとの間に注入されて硬化した硬化性充填材層5内に入り込み、そのアンカー効果によって内面部材2の硬化性充填材層5に対する結合力を向上させる役割を担うと同時に、内面部材2の屈曲を防止するリブの役割をも担う。
【0048】
また、互いに結合される2つの内面部材2の結合部2bと2cの間に、例えば合成ゴムパッキンや水膨張性合成ゴムパッキン、あるいは各種シーラント等からなるシール材を介在させることにより、その継ぎ目部を水密構造とすることもできる。
【0049】
また、結合後の結合部2b,2cを相互に抜けにくくする構造として、図9(A)および(B)に示すように、凸部25bに、凹部25cへの差し込み方向と直交する方向に弾性を持たせ、凹部25cに差し込んだ状態において凸部25bが弾性変形する(A)か、あるいは、凹部25cへの差し込み時において凸部25bが弾性変形した後に元に戻る(B)ように構成し、差し込み状態においては両者に設けた抜け止め部Sが邪魔をして抜けにくくするといった対策を講じることもできる。
【0050】
また、隣接する内面部材2の側端部どうしを結合する構造として、一体形成されている結合部2bと2cのみによって相互に結合するほか、図10に示すように、別部材からなる結合補助材7を用いることもできる。この図10の例は、結合部2b,2cはそれぞれ互いに同一の形状であり、平板部2aの両側端部に立ち上がり部261を形成し、その先端に外側に直角に折り曲がる延出部262を形成し、更にその延出部262の先端を平板部2a側に再度直角に折れ曲がってその先端に膨出部264が形成された突起部263を形成している。そして、結合補助材7は、隣接する内面部材2の互いに突き合わせれた膨出部264が嵌まり込む凹部7aを備えた長尺体としている。この場合の内面部材2の継ぎ目部のシールは、膨出部264と結合補助材7の間の隙間に樹脂31を充填する等によって行うこともできる。
【0051】
また、結合補助材を用いる他の結合構造としては、図11に示すようなラップ構造を挙げることができる。すなわち、内面部材2の両側端部の結合部2b,2cは図示のようなL字形とし、これらを突き合わせた状態で両者間に形成される空間に、樹脂等からなる結合補助材7′を埋めて、融着ないしは接着によって相互に一体化する構造を採用することもできる。
【0052】
また、本発明において用いる内面部材2においては、両側端部の結合部2b,2cのいずれか一方と、チューブ状部材1に対する嵌合部2dとを兼用させることもできる。図12にその例を示す。この例においては、平板部2aの両側端部の結合部2b,2c′をそれぞれ逆向きに開口した断面C字形状とし、一方の結合部2bは他方の結合部2c′よりもその径を大きくしている。そして、径の小さい側の結合部2c′を、嵌合部兼用としたものである。
【0053】
すなわち、図13に示すように、嵌合部兼用の結合部2c′をチューブ状部材1に対して嵌合するとともに、そのチューブ状部材1に対して嵌合固定されている嵌合部兼用の結合部2c′の外側を、隣接する内面部材2の大径側の結合部2bで包み込むことによって、これらを相互に結合するようになっている。このような構成によれば、内面部材2の形状がシンプルなものとなって製造が容易であるとともに、チューブ状部材1は互いに隣接する内面部材2の双方の結合部2b,2c′に対して二重に嵌合された状態となり、チューブ状部材1と内面部材2との結合が強固なものとなるという利点がある。
【0054】
そして、このように内面部材2の一方の結合部2bまたは2cを嵌合部と兼用させる場合においては、図13に示すように、結合部2b,2c′のいずれか一方もしくは双方に、厚さ方向に貫通する貫通孔Hを形成することによって、チューブ状部材1が結合部2b,2cによって密閉されてしまうことを防止することができ、内面部材2と既設管路Pの間に注入された硬化性充填材がその貫通孔Hを介してチューブ状部材1にまで至り、チューブ状部材1が孤立してしまうことを防止して強固な結合構造が得られる。
【0055】
また、前記した補修方法の実施の形態においては、チューブ状部材1を既設管路P内でスパイラル状に巻回したが、チューブ状部材1を、あらかじめ既設管路Pの内径寸法に対応させてスパイラル状に巻回して、その巻回状態を織布や樹脂シート等の可撓性材料からなる外面部材により維持した状態で既設管路P内に搬入してもよく、その例を以下に示す。
【0056】
図14に示す例は、透水性筒状体からなる外面部材81の内側にチューブ状部材1をスパイラル状に巻回している。外面部材81はシート状のものを縫製、接着、あるいは融着によって筒状にしたものであり、チューブ状部材1の外面部材81に対する固定についても、縫製や接着等の手法を採用することができる。このような透水性筒状体からなる外面部材81としては、具体的には例えば合成繊維によって織成した重布を採用することができる。
【0057】
図15に示す例は、多孔性筒状体からなる外面部材82を用いた例であり、このような外面部材82は、例えば上記した透水性筒状体に格子状の窓を後加工で形成したものや、合成繊維によって織成した帯状体を格子状に配置して各交点を縫製により一体化したものなどを使用することができる。
【0058】
図16に示す例は、複数の帯状体83aからなる外面部材83を用いた例であり、帯状体83aは合成繊維により織成したものを好適に用いることができる。なお、図15,図16の例においても、チューブ状部材1の外面部材82,83に対する固定は縫製や接着等を採用することができる。
【0059】
このような外面部材81,82,83の内側にチューブ状部材1をあらかじめスパイラル状に巻回・固定したものを用いる場合、図17に示すように、外面部材81(または82,83)の先端部を結束して牽引索80によって既設管路P内に引き込むことが可能となり、適宜位置まで搬入した状態でチューブ状部材1の内部に圧力流体を供給することによって、チューブ状部材1は当初に巻回した形状・構造を保って既設管路Pの内面に外面部材81(または82,83)を介在した状態で圧接されることになり、チューブ状部材1の既設管路P内への位置決め配置が極めて容易となる。
【0060】
また、以上のような透水性筒状体や多孔性筒状体、あるいは複数本の帯状体を組み合わせることによって構成した外面部材81,82,83を用いることによって水の出入りを許容することで、その内側に配置される内面部材2との間に硬化性充填材を注入するとき、外面部材81,82,83と内面部材2との間の空気は管路外に排出されて、硬化性充填材の硬化物性が安定する。そして、特に透水性筒状体からなる外面部材81は、当該外面部材81と内面部材2との間に注入された硬化性充填材に対して管路内の溜水や管路内に流入してくる地下水などが混ざることを抑制し、しかも硬化性充填材としてセメント系材料を用いた場合には、その余剰水が外面部材81の外方に排出されるので、その硬化物性を強固にすることができる。
【0061】
また、以上の各実施の形態における補修方法においては、チューブ状部材1を既設管路Pの内面にスパイラル状に巻回して配置した後に、その管路P内のチューブ状部材1に対して内面部材2を嵌合部2dにおいて嵌合固定した例を示したが、チューブ状部材1と内面部材2とをあらかじめ嵌合させた状態で既設管路Pの内面に沿わせてスパイラル状に巻回してもよい。
【0062】
すなわち、あらかじめチューブ状部材1を内面部材2の嵌合部2dに嵌合させてこれら両者を一体化してなる嵌合体を作っておき、その嵌合体を既設管路P内に搬入して、その内面に沿わせてスパイラル状に巻回する。この場合、嵌合体を既設管路P内で位置決めする作業は、主として隣接する嵌合体の内面部材2を相互に結合する作業のみでよく、その配置作業は容易なものとなる。しかも、チューブ部材1と内面部材2との嵌合を管路外の適宜位置において行うために、その嵌合状態を目視により確認しつつ作業を行うことが可能となり、嵌合ミスなどを生じる恐れが少なく、また、この場合、両者の嵌合に接着、融着等の手段を併用して一体化することも容易となり、その一体化作業をより確実なものとすることができる。
【0063】
更に、本発明においては、チューブ状部材1をスパイラル状に巻回するに当たっては、1本のチューブ状部材1および内面部材2を用いるほか、複数本のチューブ状部材1およびそれと同数の内面部材2をそれぞれ並列に巻回してもよい。その例を図18に模式的に示す。この例においては、3本のチューブ状部材101,102,103を並列にそれぞれスパイラル状に巻回配置するとともに、これらの各チューブ状部材101,102,103にそれぞれ対応して内面部材201,202,203を嵌合させている。
【0064】
このように複数本のチューブ状部材101,102,103および内面部材201,202,203を並列に用いることにより、1本のチューブ状部材1を用いる場合に比して、同じ長さ管路の補修に用いる各チューブ状部材101,102,103の所要長さを短くすることができ、硬化性充填材の注入時における抵抗が少なくなり、特殊な配合により高流動化することなく通常の配合の硬化性充填材を用いることが可能となるとともに、注入時間の短縮、チューブ状部材101,102,103内での硬化性充填材の均質性が得られるといった効果も奏することができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明の既設管路の補修方法によれば、既設管路の内面に沿ってチューブ状部材が配置され、そのチューブ状部材に内面部材が嵌合固定された状態で、チューブ状部材の内部と、内面部材と既設管路内面との間の双方に硬化性充填材が充填されるので、補修後の管路においては、既設管路の内面と内面部材との間の硬化性充填材層に何らかの原因でクラックが生じても、その硬化性充填材層にはチューブ状部材の内側で硬化した別の硬化性充填材層が配置されて所定の間隔で仕切った状態となっているため、そのクラックが伝播することを防止することができ、長期にわたって高い強度を維持することができる。また、その施工においては、チューブ状部材内に硬化性充填材を注入して硬化させた後に内面部材と既設管路との間に硬化性充填材を注入することによって、内面部材がチューブ状部材およびその内部で硬化した硬化性充填材に対して嵌合固定されて支えられているため、従来のこの種の補修方法のように支保を組んだり内側からバッグを挿入して内面部材を支持する必要がなく、施工の簡素化、工期の短縮等を達成できる。
【0066】
本発明の内面部材によると、チューブ状部材に対する嵌合部が一体形成されているため、チューブ状部材に対する嵌合による一体化を確実なものとすることができ、内面部材が外水圧などの圧力下に曝されても、管路内面側に離脱することがなくなる。また、平板部の両側端部に隣接するものどうしを結合するための結合部を形成しているから、内面部材の幅寸法を取扱性等を考慮して適宜に設定しても、確実に既設管路内面を覆うことができる。更に、チューブ状部材に対する嵌合部の幅を平板部よりも狭くしているので、チューブ状部材を既設管路内面に密に配置する必要がなく、コストの低減および工期の短縮化を図ることができる。しかも、請求項1に係る発明では、内面部材の両側端部の結合部の一方を、チューブ状部材に対する嵌合部と兼用させた構成としているため、施工後にはチューブ状部材はこれら双方の内面部材に対して結合された状態となり、内面部材に対してチューブ状部材が極めて外れにくい構造となり、また、内面部材の形状をシンプル化することによる加工の容易化並びに低コスト化を期待できる。
【0067】
一方、請求項3に係る発明の内面部材によると、嵌合部をいずれか一方の結合部側に近接させているため、嵌合部と近接した結合部を隣接する内面部材の結合部と結合する作業において、管路内面に沿った状態で嵌合部に嵌合しているチューブ状部材が後ろ楯になって反力が得られやすく、その作業を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を適用する既設管路Pの例を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態の補修方法の手順説明図で、チューブ状部材1を既設管路Pの内面に沿うようにスパイラル状に巻回した状態を示す断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態の補修方法の手順説明図で、既設管路Pの内面にスパイラル状に巻回されたチューブ状部材1に対して内面部材2を嵌合し、かつ、隣接する内面部材2の両側端部どうしを結合して、既設管路Pの内面を内面部材2で覆った状態を示す断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態の補修方法の手順説明図で、チューブ状部材1の内部および既設管路Pの内面と内面部材2との間に硬化性充填材を注入して硬化させた状態を示す断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態の補修方法に用いた内面部材2の横断面図である。
【図6】 既設管路P内でチューブ状部材1に嵌合固定された、互いに隣接する内面部材2の継ぎ目部分の拡大断面図である。
【図7】 本発明の内面部材2の他の構造の要部を示す断面図である。
【図8】 同じく本発明の内面部材2の更に他の構造の要部を示す断面図である。
【図9】 (A)および(B)ともに、本発明の内面部材2の両側端部の結合部2b,2cを抜けにくくするための構造例を示す要部断面図である。
【図10】 本発明の内面部材2の結合を、結合補助材を用いて行う場合の構成例を示す要部断面図である。
【図11】 本発明の内面部材2の結合を、結合補助材を用いて行う場合の他の構成例を示す要部断面図である。
【図12】 一方の結合部2c′を嵌合部と兼用させた本発明の内面部材2の構造例を示す断面図である。
【図13】 図12の内面部材2をチューブ状部材1に嵌合し、かつ、隣接する内面部材どうしを結合した状態を示す部分斜視図である。
【図14】 本発明の補修方法の他の例の説明図で、チューブ状部材1をあらかじめスパイラル状に巻回して透水性筒状体からなる外面部材81に装着した状態を示す図である。
【図15】 同じく本発明の補修方法の他の例の説明図で、チューブ状部材1をあらかじめスパイラル状に巻回して多孔性筒状体からなる外面部材82に装着した状態を示す図である。
【図16】 同じく本発明の補修方法の他の例の説明図で、チューブ状部材1をあらかじめスパイラル状に巻回して、複数の帯状体を組み合わせてなる外面部材83に装着した状態を示す図である。
【図17】 本発明の補修方法においてチューブ状部材1をあらかじめスパイラル状に巻回して外面部材81,82または83に装着する方法を採用する場合、その全体を既設管路P内に搬入する方法の例の説明図である。
【図18】 本発明の補修方法において、チューブ状部材1および内面部材2をそれぞれ複数本並列に配置する場合の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 チューブ状部材
2 内面部材
2a 平板部
2b,2c 結合部
2d 嵌合部
5,6 硬化性充填材層
7 結合補助材
81,82,83 外面部材
Claims (9)
- 既設管路の内面を補修すべく、その内面に沿って小径のチューブ状部材を配置するとともに、そのチューブ状部材に嵌合させて管路内面を覆うための所定幅のプラスチック長尺体からなる内面部材であって、
一定の厚みを有する平板部と、その平板部の両側端部に形成されて隣接する内面部材どうしを相互に結合するための結合部と、上記平板部の片面側に、当該平板部よりも狭い幅をもって形成され、上記チューブ状部材に対して嵌合するための嵌合部を備えているとともに、上記両側端部に形成されている結合部の一方が上記嵌合部を兼用し、その嵌合部兼用の結合部は、チューブ状部材に嵌合した状態で他方の結合部に対して相互に結合されるように構成されていることを特徴とする既設管路の補修用内面部材。 - 上記平板部の両側端部に形成されている各結合部のうち、少なくともいずれかの結合部に、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の既設管路の補修用内面部材。
- 既設管路の内面を補修すべく、その内面に沿って小径のチューブ状部材を配置するとともに、そのチューブ状部材に嵌合させて管路内面を覆うための所定幅のプラスチック長尺体からなる内面部材であって、
一定の厚みを有する平板部と、その平板部の両側端部に形成されて隣接する内面部材どうしを相互に結合するための結合部と、上記平板部の片面側に、当該平板部よりも狭い幅をもって形成され、上記チューブ状部材に対して嵌合するための嵌合部を備えているとともに、
上記平板部の両側に形成されている各結合部の一方が凸形状で、他方がその凸形状と係合可能な凹形状であって、これらの間に上記嵌合部が形成され、かつ、その嵌合部がいずれか一方の結合部側に近接して形成されていることを特徴とする既設管路の補修用内面部材。 - 互いに隣接する内面部材の結合部どうしが、別部材である結合補助材によって相互に結合されるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の既設管路の補修用内面部材。
- 上記平板部の片面に、硬化性充填材との結合を高めるための突出部が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3または4のいずれか1項に記載の既設管路の補修用内面部材。
- 上記平板部の両側端部に形成されている結合部のうちの少なくともいずれか一方にシール材が配置されていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5のいずれか1項に記載の既設管路の補修用内面部材。
- 少なくとも緯糸の一部に曲げ反発性を有する糸が使用されてなる自己保形性を有する筒状織布の内面に、水密層が形成されてなるチューブ状部材を、既設管路内面に沿って配置し、そのチューブ状部材内に流体圧を加えることによって当該チューブ状部材を管路内面に圧接しながら、このチューブ状部材に対して請求項1、2、3、4、5または6に記載の内面部材の嵌合部を嵌合するとともに、その内面部材の両側端部を隣接する結合部どうしで結合し、次いで、上記チューブ状部材内に硬化性充填材を注入し、更に既設管路内面と上記内面部材の間に硬化性充填材を注入することを特徴とする既設管路の補修方法。
- 請求項7に記載の既設管路の補修方法であって、あらかじめ上記チューブ状部材をその外径寸法が既設管路内径寸法に略等しくなるようにスパイラル状に巻回するとともに、そのスパイラル状に巻回されたチューブ状部材の外側に、当該スパイラル状のチューブ状部材のスパイラル形状および間隔を保持させ、かつ、当該チューブ状部材を管路内に牽引するための外面部材を取り付けた後、この外面部材を牽引して既設管路内にチューブ状部材を配置することを特徴とする既設管路の補修方法。
- 上記外面部材は、透水性筒状体、または多孔性筒状体、もしくは筒長方向に配置した複数本の帯状体からなることを特徴とする請求項8に記載の既設管路の補修方法。
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