JP5753771B2 - 製管用部材、及び採熱構造 - Google Patents

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Description

本発明は、螺旋状に巻き回されることによって管状体に製管される製管用部材、及びこの製管用部材を用いて構築された採熱構造に関する。
下水道管内を流下する下水や下水処理水(以下、下水と総称する。)は、昼夜、年間を通してほぼ一定の水温を維持していることから、熱源としての利用が検討されている。又、下水の水温は、大気温と比較して夏季は冷たい一方で冬季は温かいことから、温熱回収のみならず冷熱回収も可能であり、冷暖房設備をはじめとした多岐の分野において、下水の保有する熱(下水熱)の利用が期待されている。
この下水熱を熱源として利用する技術としては、下水道管の管頂部をジャケット状の採熱設備(熱交換器)にて被覆し、もって、下水道管の壁面を通じて下水熱を採熱する手段が開発されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
特開平11‐235757号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の下水採熱設備を既存の下水道管等の埋設管に設置するにあたっては、地面を掘り下げて、地中に埋設されている埋設管の管頂部を露出させる作業が必要となる。
又、下水道管の管頂部をジャケット状の採熱設備にて被覆する前記特許文献1に記載の下水採熱設備では、下水熱が最も生じている管底部から採熱することはできない。
本発明は、前記技術的課題を解決するために開発されたものであって、埋設管内を流下する下水等の流水が保有する熱を有効に利用し得る新規な製管用部材、及びこの製管用部材を用いて構築された新規な採熱構造を提供することを目的とする。
本発明では、埋設管内において螺旋状に巻き回されることによって隣接された側縁部同士が順次接合されて、管状体に製管される製管用部材を前提とする。前記製管用部材として、長尺の基板と前記基板の表面長さ方向に沿って設けられたリブとを具備する。前記基板には、その長さ方向に沿って一ないし複数本の管路が設けられ、前記管路は中空パイプからなり、前記中空パイプは、前記基板の内面側に設けられた溝部に嵌合された状態にて、前記基板に設けられてなる。または、前記基板には、その長さ方向に沿って一ないし複数の管路が設けられ、前記管路は、前記基板の表面側から断熱材によって覆われてなる。
本発明の製管用部材においては、前記管路が、前記基板の長さ方向に沿って、前記基板内を貫通する貫通孔であるものが好ましい態様となる。
本発明の製管用部材においては、前記管路が中空パイプからなり、前記中空パイプが、前記基板の内面側に設けられた溝部に嵌合された状態にて、前記基板に設けられてなるものが好ましい態様となる。
本発明の製管用部材においては、前記管路が中空パイプからなり、前記中空パイプが、前記基板の表面側に設けられた複数条のリブにおける隣り合うリブ間に嵌合された状態にて、前記基板に設けられてなるものが好ましい態様となる。
本発明の製管用部材においては、前記管路が、前記基板の表面側から断熱材によって覆われてなるものが好ましい態様となる。
本発明の製管用部材においては、前記管路内には、断熱材が充填されてなるものが好ましい態様となる。
本発明の採熱構造は、埋設管と、前記本発明の製管用部材を用いて製管されて、前記埋設管内に敷設された管状体と、を具備してなる採熱構造であって、前記管状体の管壁において螺旋状に配置された前記管路から選ばれた一ないし複数の管路には、熱交換用の媒体が通液されてなり、前記媒体が通液された前記管路が、前記管状体内を流下する流水の保有する熱を採熱する熱交換器として用いられてなることを特徴とする。
本発明の採熱構造においては、前記製管用部材には、複数の管路が設けられてなり、前記複数の管路は、前記管路同士を連結する連結管によって連続された連続管路となされ、前記連続管路には、前記熱交換用の媒体が通液されてなり、前記媒体が通液された前記連続管路が、前記管状体内を流下する流水の保有する熱を採熱する熱交換器として用いられてなるものが好ましい態様となる。
なお、前記連続管路は、前記管路の一端同士(或いは他端同士)を前記連結管にて連結したものに限られない。例えば、前記管路の経路途中において、前記連結管が前記管路同士を繋ぐバイパスとなるように取り付けることによって、前記連続管路を構築しても良い。
本発明の採熱構造においては、前記製管用部材には、偶数の管路が設けられてなり、前記連続管路に通液される前記熱交換用の媒体の入り口側と出口側が、いずれも前記管状体の一端側に存するようになされたものが好ましい態様となる。
本発明の採熱構造においては、前記管路における前記管状体の管頂部側の円弧部分に位置する部位には、断熱材が設けられてなるものが好ましい態様となる。
本発明の採熱構造においては、前記断熱材が設けられた前記管状体の管頂部側の円弧部分の中心角が、90〜270度となされたものが好ましい態様となる。
本発明によれば、埋設管内を流下する下水等の流水が保有する熱を有効に利用することができる。
図1(a)は、参考形態1に係る製管用部材を示す断面図であり、図1(b)は、前記製管用部材を螺旋状に巻き回して管状体に製管する様子を模式的に示す概略図であり、図1(c)は、前記製管用部材を接合する様子を示す断面図である。 図2は、前記製管用部材を用いて構築された採熱構造を模式的に示す概略図である。 図3は、前記製管用部材を用いて構築された採熱構造の別の例を模式的に示す概略図である。 図4は、参考形態2に係る製管用部材を示す断面図である。 図5は、前記製管用部材を用いて構築された採熱構造を模式的に示す概略図である。 図6は、実施形態に係る本発明の製管用部材を示す断面図である。 図7は、本発明の製管用部材の別の例を示す断面図である。 図8は、前記製管用部材を用いて構築された本発明の採熱構造を模式的に示す概図である。 図9は、前記製管用部材を用いて製管された管状体を模式的に示す斜視図である。 図10は、参考形態に係る製管用部材を示す断面図である。 図11は、前記製管用部材を用いて構築された採熱構造を模式的に示す概略図である。 図12(a)は、前記製管用部材を用いて製管された管状体の一端を模式的に示す斜視図であり、図12(b)は、前記製管用部材を用いて製管された管状体の他端を模式的に示す斜視図である。 図13(a)は、管路の経路途中において連結管が配置された製管用部材を模式的に示す正面図であり、図13(b)は、前記製管用部材を用いて製管された管状体を模式的に示す斜視図である。 図14は、前記製管用部材を用いて構築された本発明の採熱構造を模式的に示す概略図である。 図15(a)は、実施形態に係る本発明の製管用部材を示す断面図であり、図15(b)は、管路を示す正面図である。 図16(a)は、前記製管用部材を用いて構築された本発明の採熱構造を模式的に示す概略図であり、図16(b)は、前記製管用部材を用いて構築された本発明の採熱構造を模式的に示す断面図である。 図17(a)、(b)は、本発明の製管用部材の別の例を例示列挙する断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
参考形態1>
[製管用部材1]
図1に参考形態1に係る製管用部材1を示す。この製管用部材1は、長尺の基板100と、前記基板100の表面長さ方向に沿って設けられた複数条のリブ(短リブ107、及び長リブ103)と、を具備してなる。この製管用部材1は、塩化ビニル樹脂を連続押出成形することによって製造されたものである。
図1(a)に示すように、前記基板100の一側縁には、長手方向に沿って接合凹部102が設けられてなり、前記基板100の他側縁には、長手方向に沿って接合凸部101が設けられている。
前記接合凹部102は、前記基板100の内面(製管された際に、管内壁面側となる面)側において開口する被嵌入部106と、前記基板100の幅方向外側に向かって延設され、途中で前記基板100の裏面側に向かって屈折する傾斜片108と、を備える。前記被嵌入部106の外層(前記基板100の裏面側)には、前記基板100の裏面に基端が固定された状態で屹立する断面T字状の短リブ107が設けられている。
前記接合凸部101は、前記基板100の裏面(製管された際に、管外壁面側となる面)に基端が固定された状態で屹立する支柱部104と、前記支柱部104の先端に形成された断面略円形状の嵌入部105と、を備える。
前記接合凸部101と前記接合凹部102との間には、前記基板100の裏面に基端が固定された状態で屹立する複数条の断面T字状の長リブ103が長手方向に沿って設けられている。
そして、前記製管用部材1には、前記基板100の長さ方向に沿って複数本の管路10が設けられている。
この管路10は、前記基板100の長さ方向に沿って、前記基板100内を貫通する貫通孔である。この管路10は、前記製管用部材1を連続押出成形する際に形成されたものである。
図1(b)に示すように、前記製管用部材1は、螺旋状に巻き回されることにより、先行する製管用部材1の一側縁と周回遅れで後続する製管用部材1の他側縁とが接合されて管状体200に製管される。前記製管用部材1の接合は、螺旋状に巻き回すことによって隣接させた前記製管用部材1のうち、先行する製管用部材1の前記接合凹部102に、後続する製管用部材1の接合凸部101を嵌め込むことによって行われる(図1(c)参照)。この際、先行する製管用部材1の傾斜片108は押圧され、後続する製管用部材1の長リブ103の先端部下面に嵌め込まれる。
なお、前記製管用部材1の素材としては、塩化ビニル樹脂に限られない。前記製管用部材1は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化塩化ビニルなどの各種合成樹脂系材料を素材として製造しても良い。
又、本形態においては、前記製管用部材1として、一側縁に沿って設けられた前記接合凹部102に、他側縁に設けられた前記接合凸部101を嵌め込まれることによって製管されるものを用いたが、前記製管用部材1としては、このような接合機序により接合されるものに限られない。前記製管用部材1としては、例えば、螺旋状に巻き回すことによって隣接させた長尺の帯状部材の一側縁と他側縁とが、前記帯状部材とは別体の別体の接合部材(ジョイナー)にて接合されるものを用いても良い。
[採熱構造2]
図2に、前記製管用部材1を用いて構築された採熱構造2を示す。この採熱構造2は、埋設管300と、管状体200と、を具備する。
前記埋設管300は、地中に埋設された下水道管である。
前記管状体200は、前記埋設管300内において、前記製管用部材1を螺旋状に巻き回すことによって製管されたものである。従って、前記管状体200の管壁には、前記製管用部材1の長さ方向に沿って設けられた前記管路10が螺旋状に配置されることになる。
なお、前記埋設管300の内壁面と前記管状体200の外壁面との間に存する間隙には、モルタル等の裏込め材(図示せず)が充填されている。
前記管路10の一端と他端には、配管Pが連結されている。各配管Pは、それぞれ前記埋設管300に通じる一次側立坑301、又は、二次側立坑302のいずれかを通じて地上に導かれ、地上に配されたヒートポンプ3に接続されている。前記管路10及び配管Pによって構築された循環路に、水、グリコール、又は水‐グリコール混合液などの伝熱媒体(特許請求の範囲における熱交換用の媒体に相当する。)が図示しないポンプによって通液されることによって、前記循環路は、前記管路10を熱交換器とする二次回路(伝熱媒体回路)TCとなされる。以下、前記二次回路TCにおける、前記管路10から前記ヒートポンプ3に向かう伝熱媒体の流れを二次回路側往流TC1と称し、前記ヒートポンプ3から前記管路10に向かう伝熱媒体の流れを二次回路側流TC2と称する。
前記ヒートポンプ3には、蒸発器31と、圧縮機(コンプレッサ)32と、凝縮器33と、膨張弁34とからなる冷媒回路RCが構築されている。前記冷媒回路RCには、作動媒体(冷媒)が循環される。前記蒸発器31には、前記二次回路TCが接続されており、前記二次回路TCにおける前記二次回路側往流TC1は、前記蒸発器31を経由して、前記二次回路側流TC2となり、前記管路10に返送される仕組みとなっている。
又、前記ヒートポンプ3における前記凝縮器33には、一次回路(熱媒回路)HCが連結されている。前記一次回路HCには、水等の熱媒が通液されており、前記熱媒は、図示しないポンプによって、前記一次回路HCを循環し、前記凝縮器33から熱利用システムHSを経由して、前記凝縮器33に返送される。以下、前記一次回路HCにおける、前記凝縮器33から熱利用システムHSに向かう熱媒の流れを一次回路側往流TC1と称し、前記熱利用システムHSから前記凝縮器33に向かう熱媒の流れを二次回路側流TC2と称する。
前記熱利用システムHSを、例えば、家屋内の床下暖房やヒーター、或いは暖房エアコン等の暖房設備として利用する場合にあっては、前記ヒートポンプ3を加熱機として使用する。この場合、図2に示すように、前記冷媒回路RCにおける作動媒体(冷媒)の流れは、図中矢印で示す方向に循環され、前記蒸発器31から、前記圧縮機32、前記凝縮器33、前記膨張弁34の順に経由して前記蒸発器31に戻る。
前記構成を有する採熱構造2にて、熱源としての下水熱を利用するにあたっては、前記ヒートポンプ3を作動させて、前記冷媒回路RCにおいて作動媒体を循環させる。又、前記一次回路HCにおいて熱媒を循環させると共に、前記二次回路TCにおいて伝熱媒体を循環させる。
前記管状体200の上流側を流下する下水は一定の水温を有しており、前記管状体200を通過する際に、前記管路10からなる熱交換器によって採熱される。その結果、前記下水の水温が低下すると共に、前記二次回路TCにおける前記二次回路側往流TC1が昇温する。なお、前記採熱構造2の定常運転時において、前記管状体200の上流側を流下する下水の水温は、12〜20度程度であり、前記管状体200の下流側を流下する下水の水温は、9〜17度であった。
下水を採熱することによって昇温した伝熱媒体は、前記二次回路側往流TC1となって、前記蒸発器31に至り、前記蒸発器31内にて作動媒体に熱を放出する。この際、熱を受け取った作動媒体は気化する。一方、熱を放出した伝熱媒体は前記二次回路TCにおける前記二次回路側流TC2となり、前記管路10に戻る。即ち、前記二次回路TCにおいて、伝熱媒体は、下水熱を受け取ることによる昇温と、作動媒体に熱を放出することによる降温を繰り返しながら、前記二次回路TCを循環する。なお、前記採熱構造2の定常運転時において、前記二次回路側往流TC1の液温は6〜14度程度であり、前記二次回路側流TC2の液温は3〜11度程度であった。
前記伝熱媒体から熱を受け取って気化した作動媒体は、前記冷媒回路RCを通じて前記圧縮機32内に導入され、前記圧縮機32内で圧縮されることによって、更に昇温する。
前記圧縮機32によって圧縮されて昇温した作動媒体は、前記冷媒回路RCを通じて前記凝縮器33に至り、前記凝縮器33内にて熱媒に熱を放出する。この際、熱を受け取った熱媒は昇温する。一方、熱を放出した作動媒体は液化し、前記膨張弁34にて減圧された上で、前記蒸発器31に戻る。即ち、前記冷媒回路RCにおいて、作動媒体は気化と液化を繰り返しながら、前記冷媒回路RCを循環する。
前記作動媒体から熱を受け取った熱媒は、前記一次回路HCにおける一次回路側往流HC1となって、前記熱利用システムHSに至り、前記熱利用システムHSにおいて熱利用されることによって降温した後、一次回路側復流C2となって、再度、前記凝縮器33に至る。即ち、熱媒は、作動媒体から熱を受け取ることによる昇温と、前記熱利用システムHSにおいて熱利用されることによる降温とを繰り返しながら、前記一次回路HCを循環する。なお、前記採熱構造2の定常運転時において、前記一次回路側往流HC1の液温は35〜65度程度であり、前記一次回路側流HC2の液温は25〜55度程度であった。
前記採熱構造2においては、前記埋設管300内において前記製管用部材1を巻き回すことによって管状体200を形成するだけで、熱交換器として用いられる前記管路10を前記埋設管300内に配置することができる。これにより、地面を掘り下げて前記埋設管300を露出させる作業を行うことなく、熱交換器を前記埋設管300内に配置することができる。
又、前記製管用部材1は、前記埋設管300の内壁面をライニングするものであることから、老朽化した前記埋設管300を更生する作用も奏する。
更に、前記採熱構造2においては、熱交換器として機能する前記管路10が、前記管状体200の管壁を周回するように螺旋状に配置されることから、下水熱が最も生じている前記管状体200の管底部から効果的に採熱することができる。
なお、本形態においては、前記埋設管300の内壁面と前記管状体200の外壁面との間に存する間隙に裏込め材を充填し、前記管状体200を補強しているが、この際、前記裏込め材として、エアーモルタル等の気泡を包含する裏込め材を用いれば、前記管路10によって採熱された熱が放散されることを効果的に抑制することができる。
又、前記採熱構造2においては、前記埋設管300として下水道管を選択し、下水熱を熱源として利用しているが、前記採熱構造2が構築される前記埋設管300としては、管内を水が流下しているものであれば良く、下水道管に限られない。本発明の採熱構造2においては、前記埋設管300として、例えば、上水道管や農業用水管などの各種通水管を選択することができ、係る各種通水管内を流下する流水が保有する熱(水熱)を熱源として利用することができる。
又、前記採熱構造2を構築するために用いられた前記製管用部材1には、前記管路10が複数本設けられているが、係る複数の管路10から選ばれた一ないし複数の管路10を熱交換器として利用することができる。本形態においては、説明の便宜上、係る複数の管路10から選ばれた一の管路10を熱交換器として利用したケースを説明しているが、複数の管路10を熱交換器として利用すれば、採熱効率が向上する。
ところで、前記採熱構造2においては、前記熱利用システムHSを暖房設備として利用すべく、前記ヒートポンプ3を加熱機として用いているが、下水の水温は、大気温と比較して夏季は冷たい一方で冬季は温かいことから、温熱利用のみならず冷熱利用も可能である。従って、夏季においては、前記ヒートポンプ3を冷凍機として用いることによって、前記熱利用システムHSを冷房設備(或いは年間を通じて利用される冷暖房システム)として利用することもできる。なお、前記ヒートポンプ3を冷凍機として用いる場合には、前記冷媒回路RCにおける作動媒体(冷媒)を、図2の矢印で示す方向と逆方向に循環させれば良い。
、前記管路10によって採熱された熱を、前記二次回路TC、前記冷媒回路RC、前記一次回路HCの順に受け渡した後に、前記熱利用システムHSにて熱利用しているが、採熱構造2においては、図3に示すように、前記管路10によって採熱された熱を、前記二次回路TCを介さずに、前記冷媒回路RCに直接導入しても良い。
この採熱構造2における冷媒回路RCを循環する作動媒体(特許請求の範囲における熱交換用の媒体に相当する。)は、前記管路10を通過する際に、熱を受け取って気化する。気化した前記作動媒体は、冷媒回路RCを通じて圧縮機32内に導入され、前記圧縮機32内で圧縮されることによって、更に昇温する。前記圧縮機32によって圧縮されて昇温した作動媒体は、冷媒回路RCを通じて凝縮器33に至り、前記凝縮器33内にて熱媒に熱を放出する。前記作動媒体から熱を受け取った熱媒は、一次回路HCにおける一次回路側往流HC1を経由して、熱利用システムHSに至る。
即ち、図3に示す採熱構造2は、前記管路10が熱交換器及び蒸発器の役割を兼ねるものであり、システムの簡略化の点において利益がある。
参考形態2>
[製管用部材1]
図4に参考形態2に係る製管用部材1を示す。この製管用部材1は、長尺の基板100と、前記基板100の表面長さ方向に沿って設けられた複数条のリブ(短リブ107、長リブ103)と、を具備してなり、前記基板100には、その長さ方向に沿って複数本の管路10が設けられている。
そして、本形態においては、前記管路10内に、発泡スチロールからなる断熱材(請求項6における「断熱材」に相当)4が充填されている。
この断熱材4は、ポリスチレンビーズに炭化水素ガスを吸収させたものを前記管路10内に投入した後、加熱し、樹脂発泡させることによって、前記管路10内に充填されたものである。
なお、前記断熱材4としては、発泡スチロールに限られない。前記断熱材4としては、例えば、グラスウールやロックウール等の繊維系断熱材や、ウレタンフォームや発泡ゴム等の発泡系断熱材などを用いることができる。
本形態に係る製管用部材1のその余は、前記参考形態1に係る製管用部材1と同様である。
[採熱構造2]
図5に、前記製管用部材1を用いて構築された本発明の採熱構造2を示す。この採熱構造2は、埋設管300と、管状体200と、を具備する。
前記埋設管300は、地中に埋設された下水道管である。
前記管状体200には、参考形態2に係る製管用部材1を螺旋状に巻き回すことによって製管されたもの(以下、断熱用管状体200Aと称する。)と、前記参考形態1に係る製管用部材1を螺旋状に巻き回すことによって製管されたもの(以下、採熱用管状体200B)と称する。)との二種類がある。前記埋設管300内において、前記断熱用管状体200Aは、前記採熱用管状体200Bの上流側に配置される。
参考形態2に係る製管用部材1を螺旋状に巻き回すことによって製管された前記断熱用管状体200Aの管壁には、前記製管用部材1の長さ方向に沿って設けられ、且つ、前記断熱材4が充填された前記管路10が螺旋状に配置される。
一方、参考形態1に係る製管用部材1を螺旋状に巻き回すことによって製管された前記採熱用管状体200Bの管壁には、前記製管用部材1の長さ方向に沿って設けられた前記管路10が螺旋状に配置される。
前記採熱構造2においては、前記参考形態1に係る採熱構造2において用いたものと同様のヒートポンプ3が用いられている。前記採熱用管状体200Bにおける前記管路10と前記ヒートポンプ3との接続、及び前記熱利用システムHSと前記ヒートポンプ3との接続も前記参考形態1に係る採熱構造2と同様にして行った。
本形態に係る採熱構造2によって、前記埋設管300の下水熱(熱源)を利用するにあたっては、前記参考形態1に係る採熱構造2と同様にして、前記ヒートポンプ3を作動させて、前記冷媒回路RCにおいて作動媒体を循環させる。又、前記一次回路HCにおいて熱媒を循環させると共に、前記二次回路TCにおいて伝熱媒体を循環させる。
ここで、本形態においては、前記断熱用管状体200Aを、前記採熱用管状体200Bの上流側に配置しているから、下水は、前記断熱用管状体200Aを流下する間、前記断熱用管状体200Aの前記管路10内に充填された前記断熱材4によって保温され、水温が維持される。
これより、水温が維持された下水が、前記採熱用管状体200B内を流下することになり、下水熱をより効果的に利用することが可能となる。
本形態に係る採熱構造2のその余は、前記参考形態1において説明した事項と同様である。
<実施形態
[製管用部材1]
図6に実施形態に係る本発明の製管用部材1を示す。この製管用部材1は、長尺の基板100と、前記基板100の表面長さ方向に沿って設けられた複数条のリブ(短リブ107、長リブ103)と、を具備してなり、前記基板100には、その長さ方向に沿って管路10が設けられている。
本実施形態に係る製管用部材1においては、前記管路10が可撓性を有する中空パイプ(角パイプ)によって構成されている。前記中空パイプは、前記基板100の内面側に設けられた溝部110に嵌合された状態にて、前記基板100に設けられている。なお、前記溝部110の開口部には、前記溝部100に嵌合された前記管路10の抜け止めを図るべく、両縁に沿って前記溝部内に向かって突出する凸条120が設けられている。
本実施形態に係る製管用部材1のその余は、前記参考形態1に係る製管用部材1と同様である。
なお、本実施形態においては、前記管路10を構成する中空パイプとして、角パイプを用いたが、前記管路10を構成する中空パイプとしては、角パイプに限られない。
例えば、前記管路10を構成する中空パイプとして断面形状が円形のもの(丸パイプ)を用い、図7に示すような製管用部材1を構築しても良い。
図7に示す製管用部材1は、管路10が丸パイプ(積水化学工業株式会社製、商品名:エスロペックス、又は、商品名:エスロメタックス)によって構成されてなるものである。前記丸パイプは、基板100の内面側、且つ、長リブ103が存する位置に設けられた断面形状が略半円形の溝部110に嵌合された状態にて、前記基板100に設けられている。
前記管路10として丸パイプを用いれば、係る丸パイプを前記溝部110に嵌合する際の方向性に制限がなくなる。又、前記管路10として丸パイプを用いれば、製管時において製管用部材1にねじれが生じても、製管用部材1のねじれに対して良好に追随し、変形や脱落が生じ難いものとなる。
[採熱構造2]
図8に、前記製管用部材1を用いて構築された本発明の採熱構造2を示す。この採熱構造2は、埋設管300と、管状体200と、を具備する。
前記埋設管300は、地中に埋設された下水道管である。
前記管状体200には、本実施形態に係る製管用部材1を螺旋状に巻き回すことによって製管されたものである。従って、前記管状体200の管壁には、前記製管用部材1の長さ方向に沿って設けられた前記管路10が螺旋状に配置される。又、前記管路10としての中空パイプは、前記基板100の内面側に設けられた溝部110に嵌合された状態にて、前記基板100に設けられているから、図9に示すように、前記管状体200の内壁面には、前記中空パイプからなる前記管路10が露出している。
前記採熱構造2においては、前記参考形態1に係る採熱構造2において用いたものと同様のヒートポンプ3が用いられている。前記管状体200における前記管路10と前記ヒートポンプ3との接続、及び前記熱利用システムHSと前記ヒートポンプ3との接続も前記参考形態1に係る採熱構造2と同様にして行った。
本実施形態に係る採熱構造2によって、前記埋設管300の下水熱(熱源)を利用するにあたっては、前記参考形態1に係る採熱構造2と同様にして、前記ヒートポンプ3を作動させて、前記冷媒回路RCにおいて作動媒体を循環させる。又、前記一次回路HCにおいて熱媒を循環させると共に、前記二次回路TCにおいて伝熱媒体を循環させる。
ここで、本実施形態においては、熱交換器としての前記管路10を構成する中空パイプが、前記管状体200の内壁面において露出していることから、前記管状体200を流下する下水は、前記管路10に直接接触することになる。
これより、下水熱をより効率よく採熱することが可能となる。
本実施形態に係る採熱構造2のその余は、前記参考形態1において説明した事項と同様である。
参考形態
[製管用部材1]
図10に参考形態に係る製管用部材1を示す。この製管用部材1は、長尺の基板100と、前記基板100の表面長さ方向に沿って設けられた複数条のリブ(短リブ107、長リブ103)と、を具備してなり、前記基板100には、その長さ方向に沿って複数本の管路10が設けられている。
本形態に係る製管用部材1においては、前記管路10が可撓性を有する中空パイプ(角パイプ)によって構成されている。前記中空パイプは、前記基板100の表面側に設けられた複数条のリブ103、107における隣り合う長リブ103間に嵌合された状態にて、前記基板100に設けられている。なお、前記中空パイプ10は、偶数本(二本)、横並びの状態にて前記基板100に設けられている。
製管用部材1として、このような構造のものを選択すれば、老朽化した埋設管300を更生するために従来用いられていた帯状部材(製管用プロファイル)を流用することができるといった利益が生じる。
本形態に係る製管用部材1のその余は、前記参考形態1に係る製管用部材1と同様である。
[採熱構造2]
図11に、前記製管用部材1を用いて構築された採熱構造2を示す。この採熱構造2は、埋設管300と、管状体200と、を具備する。
前記埋設管300は、地中に埋設された下水道管である。
前記管状体200には、本形態に係る製管用部材1を螺旋状に巻き回すことによって製管されたものである。従って、前記管状体200の管壁には、前記製管用部材1の長さ方向に沿って設けられた前記管路10が螺旋状に配置される。
なお、図12(a)に示すように、前記管状体200の一端において、二本の中空パイプからなる前記管路10を、連結管Jによって連結することによって、二本の中空パイプからなる前記管路10を一本の連続管路(10・10)としている。従って、図12(b)に示すように、前記連続管路(10・10)の入り口側開口端、及び出口側開口端は、いずれも前記管状体200の他端側において開口している。
前記採熱構造2においては、前記参考形態1に係る採熱構造2において用いたものと同様のヒートポンプ3が用いられている。前記採熱用管状体200における前記管路(前記連続管路(10・10))10と前記ヒートポンプ3との接続、及び前記熱利用システムHSと前記ヒートポンプ3との接続も前記参考形態1に係る採熱構造2と同様にして行った。但し、前記連続管路(10・10)の入り口側開口端、及び出口側開口端は、いずれも前記管状体200の他端側において開口していることから、前記連続管路(10・10)と前記ヒートポンプ3における蒸発器31との接続は、一次側立坑301のみを通じて行っている。
本形態に係る採熱構造2によって、前記埋設管300の下水熱(熱源)を利用するにあたっては、前記参考形態1に係る採熱構造2と同様にして、前記ヒートポンプ3を作動させて、前記冷媒回路RCにおいて作動媒体を循環させる。又、前記一次回路HCにおいて熱媒を循環させると共に、前記二次回路TCにおいて伝熱媒体を循環させる。
ここで、本形態においては、前記連続管路(10・10)と前記ヒートポンプ3における蒸発器31との接続は、一次側立坑301のみを通じて行っていることから、前記二次回路TCの配管構築が容易となる利益を有する。
又、前記二次回路TCの熱交換部分の配管長さが相対的に長くなることから、下水熱をより効率よく回収することが可能となる。
なお、本形態においては、二本の中空パイプからなる前記管路10を一本の連続管路(10・10)とするにあたり、隣り合う前記管路10、10の一端同士を前記連結管Jにて連結しているが、前記連結管Jを配する位置としては、前記前記管路10、10の一端に限られない。
例えば、図13(a)に示すように、前記製管用部材1の長さ方向に沿って設けられた二本の中空パイプからなる前記管路10、10の経路の途中を切断し、係る切断した箇所に前記連結管Jを配しても良い。
このように、前記連結管Jを、前記管路10、10の経路途中において配置すれば、図13(b)に示すように、前記製管用部材1を製管することによって得られる管状体200には、前記管状体200の一端側と他端側に二本の連続管路(10・10)が形成される。
図14に、この管状体200を前記埋設管300内に敷設して構築した採熱構造2を示す。
この採熱構造2においては、下水の流下方向下流側となる連続管路(10・10)に伝熱媒体を通液し、係る下流側の連続管路(10・10)を熱交換器として利用したものである。
一方、上流側となる連続管路(10・10)には伝熱媒体が通液されていないことから、前記連続管路(10・10)内には空気が存在することになる。係る空気を内在させた前記連続管路(10・10)は、断熱効果を発現することから、前記管状体200における上流側の連続管路(10・10)が存する部分は、断熱用管状体200Aとして機能する。一方、前記管状体200における下流側の連続管路(10・10)が存する部分は、採熱用管状体200Bとして機能する。
従って、前記管状体200内を流下する下水は、前記断熱用管状体200Aを流下する間、保温され、水温が維持される。
この採熱構造2においては、水温が維持された下水が、前記採熱用管状体200B内を流下することになり、下水熱をより効果的に利用することが可能となる。
又、前記連結管Jの配置を適宜変更することによって、前記管状体200における採熱部分や断熱部分の割合を自由に設定することが可能となる。
本形態に係る採熱構造2のその余は、前記参考形態1において説明した事項と同様である。
<実施形態
[製管用部材1]
図15(a)に実施形態に係る本発明の製管用部材1を示す。この製管用部材1は、長尺の基板100と、前記基板100の表面長さ方向に沿って設けられた複数条のリブ(短リブ107、長リブ103)と、を具備してなり、前記基板100には、その長さ方向に沿って複数本の管路10が設けられている。
本実施形態に係る製管用部材1においては、前記管路10が可撓性を有する中空パイプ(角パイプ)によって構成されている。前記中空パイプは、前記基板100の表面側に設けられた複数条のリブ103、107における隣り合う長リブ103間に嵌合された状態にて、前記基板100に設けられている。なお、前記中空パイプ10は、複数本(二本)、横並びの状態にて前記基板100に設けられている。
図15(b)に示すように、前記管路10としての中空パイプには、ウレタンフォームからなる断熱皮膜(請求項における「断熱材」に相当するもの)5が一定の間隔をあけて断続的に被覆されている。
前記管路10としての中空パイプにおける前記断熱皮膜5が被覆されている部分(以下、断熱部11と称する。)の長さ(X)、及び、前記断熱皮膜5が被覆されていない部分(以下、採熱部12と称する。)の長さ(Y)は、前記製管用部材1が管状体200に製管された際における前記管状体200の曲率半径(R)を基準として設定されている。
具体的には、前記断熱部11の長さ(X)は、前記管状体200の曲率半径(R)との関係において、2πR×1/4≦X≦2πR×3/4となるように設定され、一方、前記採熱部12の長さ(Y)は、前記断熱部11の長さ(X)と、前記管状体200の曲率半径(R)との関係において、X+Y=2πRとなるように設定される。
なお、前記断熱皮膜5としては、ウレタンフォームに限られない。前記断熱皮膜5としては、例えば、グラスウールやロックウール等の繊維系断熱材や、発泡スチロールや発泡ゴム等の発泡系断熱材などを用いることができる。
本実施形態に係る製管用部材1のその余は、前記参考形態1に係る製管用部材1と同様である。
[採熱構造2]
図16(a)に、前記製管用部材1を用いて構築された本発明の採熱構造2を示す。この採熱構造2は、埋設管300と、管状体200と、を具備する。
前記埋設管300は、地中に埋設された下水道管である。
前記管状体200には、本実施形態に係る製管用部材1を螺旋状に巻き回すことによって製管されたものである。従って、前記管状体200の管壁には、前記製管用部材1の長さ方向に沿って設けられた前記管路10が螺旋状に配置される。
なお、本実施形態においては、前記参考形態と同様にして、前記管状体200の一端において、二本の中空パイプからなる前記管路10を、連結管Jによって連結することによって、二本の中空パイプからなる前記管路10を一本の連続管路(10・10)としている。従って、前記連続管路(10・10)の入り口側開口端、及び出口側開口端は、いずれも前記管状体200の他端側において開口している。
又、本実施形態においては、図16(b)に示すように、前記管路10における前記断熱部11の中央部が前記管状体200の管頂部に位置するように、前記管状体200を配置しており、従って、前記断熱部11は、前記管状体200の管頂部を中心とした円弧部分を占めることになる。なお、係る円弧の中心角(α)は、90〜270度となる。一方、前記採熱部12は、前記管状体200の管底部に位置される。
前記採熱構造2においては、前記参考形態1に係る採熱構造2において用いたものと同様のヒートポンプ3が用いられている。前記採熱用管状体200における前記管路(前記連続管路(10・10))10と前記ヒートポンプ3との接続、及び前記熱利用システムHSと前記ヒートポンプ3との接続も前記参考形態1に係る採熱構造2と同様にして行った。但し、前記連続管路(10・10)の入り口側開口端、及び出口側開口端は、いずれも前記管状体200の他端側において開口していることから、前記連続管路(10・10)と前記ヒートポンプ3における蒸発器31との接続は、一次側立坑301のみを通じて行っている。
本実施形態に係る採熱構造2によって、前記埋設管300の下水熱(熱源)を利用するにあたっては、前記参考形態1に係る採熱構造2と同様にして、前記ヒートポンプ3を作動させて、前記冷媒回路RCにおいて作動媒体を循環させる。又、前記一次回路HCにおいて熱媒を循環させると共に、前記二次回路TCにおいて伝熱媒体を循環させる。
ここで、本実施形態においては、熱交換器としての前記管路10における断熱部11が、前記管状体200の管頂部を中心とした円弧部分を占める一方で、前記採熱部12が、前記管状体200の管底部に位置されているから、下水熱が最も生じている前記管状体200の管底部から効果的に採熱することができる上、前記管路(前記連続管路(10・10))10内に通液された伝熱媒体が管頂部側を移動する際の放熱を制限することができる。
これより、下水熱をより効率よく回収することが可能となる。
なお、本実施形態においては、前記製管用部材1の製造時において、前記管路10に前記断熱皮膜5を断続的に設けているが、前記製管用部材1を前記管状体200に製管した後に、前記管状体200の管頂部側の円弧部分に、前記管状体200の内壁面側から、断熱材を付設しても良い。
本実施形態に係る採熱構造2のその余は、前記参考形態1において説明した事項と同様である。
ところで、本実施形態においては、前記管路10としての中空パイプに、前記断熱皮膜5を断続的に被覆することによって、前記断熱部11と採熱部12とを形成しているが、図17(a)、(b)に例示列挙する製管用部材1のように、前記管路10の長さ方向に沿って連続的に断熱材(請求項における「断熱材」に相当するもの)13を備えても良い。
図17(a)に示す製管用部材1は、長尺の基板100と、前記基板100の表面長さ方向に沿って設けられた複数条のリブ(短リブ107、長リブ103)と、を具備してなり、前記基板100には、その長さ方向に沿って複数本の管路10が設けられている。
図17(a)に示す製管用部材1においては、前記管路10が二本の丸パイプ(積水化学工業株式会社製、商品名:エスロペックス、又は、商品名:エスロメタックス)によって構成されている。前記管路10は、基板100の内面側、且つ、隣り合うリブ103、107によって挟まれた位置に設けられた二条の溝部110に各々嵌合された状態にて、前記基板100に設けられている。
そして、図17(a)に示す製管用部材1における前記管路10は、前記基板100の長さ方向に沿って配置された断熱材13によって、前記基板100の表面側から覆われている。
一方、図17(b)に示す製管用部材1は、長尺の基板100と、前記基板100の表面長さ方向に沿って設けられた複数条のリブ(短リブ107、長リブ103)と、を具備してなり、前記基板100には、その長さ方向に沿って複数本の管路10が設けられている。
図17(b)に示す製管用部材1においては、隣り合う二条の長リブ103の間に、一条の支持リブ109が前記基板100の表面長さ方向に沿って設けられており、二本の丸パイプ(積水化学工業株式会社製、商品名:エスロペックス、又は、商品名:エスロメタックス)からなる前記管路10は、前記長リブ103と前記支持リブ109との間に各々嵌合された状態にて、前記基板100に設けられている。
そして、図17(b)に示す製管用部材1における前記管路10は、前記基板100の長さ方向に沿って配置された断熱材13によって、前記基板100の表面側から覆われている。
即ち、図17(a)、(b)に示す製管用部材1は、いずれも、前記管路10が、前記基板100の長さ方向に沿って配置された断熱材13によって、前記基板100の表面側から覆われているから、前記製管用部材1を用いて埋設管300内に管状体200を敷設すると、前記管状体200の外壁面側は前記断熱材13によって覆われる。一方、前記管状体200の内壁面側には前記断熱材13が存在しない。
従って、図17(a)、(b)に示す製管用部材1を用いて、本発明の採熱構造2を構築した場合、下水熱は、前記断熱材13が存在しない前記管状体200の内壁面側から良好に採熱される一方で、前記断熱材13によって断熱された前記管状体200の外壁面によって保温される。
これより、下水熱をより効率よく回収することが可能となる。
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、地中に埋設された埋設管内を流下する水の水熱を熱源として利用する冷暖房設備の構築に好適に利用することができる。
1 製管用部材
10 管路
100 基板
103 リブ(長リブ)
107 リブ(短リブ)
110 溝部
2 採熱構造
3 ヒートポンプ
31 蒸発器
32 圧縮機
33 凝縮器
34 膨張弁
4 断熱材
5 断熱皮膜(断熱材)
10 管路
11 断熱部
12 採熱部
13 断熱材
200 管状体
200A 断熱用管状体
200B 採熱用管状体
300 埋設管
RC 冷媒回路
HC 一次回路(熱媒回路)
TC 二次回路(伝熱媒体回路)
HS 熱利用システム
J 連結管

Claims (10)

  1. 埋設管内において螺旋状に巻き回されることによって隣接された側縁部同士が順次接合されて、管状体に製管される製管用部材であって、
    長尺の基板と、前記基板の表面長さ方向に沿って設けられたリブと、を具備してなり、
    前記基板には、その長さ方向に沿って一ないし複数の管路が設けられ
    前記管路は中空パイプからなり、
    前記中空パイプは、前記基板の内面側に設けられた溝部に嵌合された状態にて、前記基板に設けられてなることを特徴とする製管用部材。
  2. 埋設管内において螺旋状に巻き回されることによって隣接された側縁部同士が順次接合されて、管状体に製管される製管用部材であって、
    長尺の基板と、
    前記基板の表面長さ方向に沿って設けられた複数条のリブと、
    を具備してなり、
    前記基板には、その長さ方向に沿って一ないし複数の管路が設けられ、
    前記管路は、前記基板の表面側から断熱材によって覆われてなることを特徴とする製管用部材。
  3. 請求項1又は2に記載の製管用部材において、
    前記管路が、前記基板の長さ方向に沿って、前記基板内を貫通する貫通孔である製管用部材。
  4. 請求項に記載の製管用部材において、
    前記管路が中空パイプからなり、
    前記中空パイプが、前記基板の内面側に設けられた溝部に嵌合された状態にて、前記基板に設けられてなる製管用部材。
  5. 請求項に記載の製管用部材において、
    前記管路が中空パイプからなり
    前記中空パイプが、前記基板の表面側に設けられた複数条のリブにおける隣り合うリブ間に嵌合された状態にて、前記基板に設けられてなる製管用部材。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の製管用部材において、
    前記管路内には、断熱材が充填されてなる製管用部材。
  7. 埋設管と、製管用部材を用いて製管されて前記埋設管内に敷設された管状体と、を具備してなる採熱構造であって、
    前記製管用部材は、長尺の基板と、前記基板の表面長さ方向に沿って設けられたリブとを具備し、前記基板には、その長さ方向に沿って一ないし複数の管路が設けられており、
    前記管状体は、前記埋設管内において前記製管用部材が螺旋状に巻き回され、隣接した側縁部同士が順次接合されて製管され、
    前記管状体の管壁において螺旋状に配置された前記管路から選ばれた一ないし複数の管路には、熱交換用の媒体が通液されてなり、
    前記媒体が通液された前記管路が、前記管状体内を流下する流水の保有する熱を採熱する熱交換器として用いられ
    前記管路における前記管状体の管頂部側の円弧部分に位置する部位には、断熱材が設けられてなることを特徴とする採熱構造。
  8. 請求項7に記載の採熱構造において、
    前記製管用部材には、複数の管路が設けられてなり、
    前記複数の管路は、前記管路同士を連結する連結管によって連続された連続管路となされ、
    前記連続管路には、前記熱交換用の媒体が通液されてなり、
    前記媒体が通液された前記連続管路が、前記管状体内を流下する流水の保有する熱を採熱する熱交換器として用いられてなる採熱構造。
  9. 請求項8に記載の採熱構造において、
    前記製管用部材には、偶数の管路が設けられてなり、
    前記連続管路に通液される前記熱交換用の媒体の入り口側と出口側が、いずれも前記管状体の一端側に存するようになされた採熱構造。
  10. 請求項7ないし9のいずれか1項に記載の採熱構造において、
    前記断熱材が設けられた前記管状体の管頂部側の円弧部分の中心角が、90〜270度となされた採熱構造。
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