JP4452594B2 - 下水発電工法 - Google Patents
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最近、その下水流をエネルギー資源に利用する下水発電システムが発表され、その実用化が企図されている(非特許文献1)。
水道産業新聞,第4089号,平成16年8月12日
発表者の実験結果によると、電力量は下水管の長さやコイルの巻数に比例し、1KW〜20KWの電力が得られたと報告されている。
また、コイルを付設した下水本管では、下水本管に宅内マスからの取付管を接続する際、コイルが破断される危険性がある。
従って、単にコイルを下水管に付設するだけでは、前記下水発電システムの工業化は至難である。
老朽化した地中パイプラインを更生する方法として、製管工法、反転工法、形成工法等が開発され(非特許文献2)、その実績例は広地域に及んでいる。
農業用パイプライン更生,SPA−A工法技術資料,積水化学工業株式会社土木システム事業部,2000年6月発行,p54〜55
本発明の他の目的は、宅内マスから下水本管への取付管の接続に支障をきたすことのない下水発電システムを構築することにある。
くる帯状材を螺旋状に製管すると共に前記導電線をコイル状とし、この製管した管内を流れる下水で前記導電線のコイルに電力を発生させることを特徴とする。
請求項4に係る下水発電工法は、請求項3の下水発電工法において、少なくとも一つの補強リブ間に導電線を固定するためのクリップを設け、少なくとも一つの補強リブ間に収容した導電線を該クリップで固定することを特徴とする。
図1−1〜図1−4は、本発明において使用する自走式製管機及びその製管機を使用したライニング施工法を示している。
図1−1の(イ)は管状体に形成される合成樹脂製帯状材Dの一例を示し、図1−1の(ロ)はその帯状材の相接する縁端部の接合状態を示している。
図1−1において、Dは帯状材(塩化ビニル樹脂やポリエチレン樹脂を主成分とするものを使用することが好ましい)であり、外面に一定の巾方向間隔を隔てて長手方向のT型リブを成形し、帯状材の一方の縁端側のT型リブの根元に雌型係止溝jを成形し、帯状材の他方の縁端側に雄型係止凸条j’を成形してあり、図1−1の(ロ)に示すように、螺旋状にされた帯状材の相接する縁端部間が雌型係止溝jと雄型係止凸条j’との嵌合により接合される。sはシール材であり、帯状材Dに貼してある。
図1−2において、123は油圧モータ125の固定配管と油圧ホース1231との間を連結するロータリジョイントである。
この接合機構部による帯状材の相接する縁端部間の接合過程は、図1−3に示す通りであり、外面ローラ121と内面ローラ122との間に油圧モータ125の駆動力で帯状材Dが螺旋状に送られ、雌型係止溝と雄型係止凸条との嵌合により接合された帯状材螺旋接合管状体に、最初の接合機構部に供給されてくる帯状材Dが嵌合接合されていく。
既設管を、Mは出発側マンホールを、Hは出発側マンホールM上に配設した帯状材供給ドラムを、Bは前記した製管機を、M’は到達側マンホールを、Pは到達側マンホールM’上に配設した油圧ポンプを、1231は油圧ホースをそれぞれ示している。
図1−4中、製管機Bにおいて、図1−2に示す接合機構部の外面ローラ121及び内面ローラ122が油圧モータ125の駆動で同調回転され、これらのローラで帯状材Dが製管機Bの案内ローラ13上に送り込まれて螺旋状に巻回されていくと共にドラムHから製管機Bに送られてくる帯状材Dの一方の縁端が図1−3により説明した通り、案内ローラ13,…に螺旋状に巻回接合された先の帯状材の他方の縁端に前記した嵌合接合構造で接合されていく。
この場合、油圧モータによる接合機構部の帯状材の送り速度とドラムからの帯状材の供給速度とが平衡され、その送り速度に平衡した速度で帯状材螺旋接合管状体が形成されていく。
このコイルの設置には、下水管内径よりも大なる外径の螺旋状に加工した絶縁導電線を下水管内径よりも少なる外径のコイル束に弾性的に縮径し、この縮径コイル束の導電線一端を出発側マンホールの管路口に固定し、更に、縮径コイル束を導電線を繰り出しつつ到達側マンホールに向け移動させる方法を使用することができる。繰り出された導電線は下水管内面に弾性曲げ反力で押しつけられてコイル状に保持される。
このようにして下水管の内面に絶縁導電線をコイル状に設置したのち、前記図1−1に示した外面に一定の巾方向間隔を隔てて長手方向のT型リブを成形し、帯状材の一方の縁端側のT型リブの根元に雌型係止溝jを成形し、帯状材の他方の縁端側に雄型係止凸条j’を成形してなる帯状材Dを出発側マンホールから製管機に供給し、下水管内で螺旋状に接合して製管しながら連続の合成樹脂製内管を延設していく。合成樹脂製内管と下水管内面との間にモルタル等のグラウト材を裏込めしつつ合成樹脂製内管を延設していくことができる。
絶縁導電線を収容する補強リブ間の位置は、図1−3において、接合機構部の外面ローラ121の鍔が欠在する箇所とするか、または外面ローラ121の適当な鍔を省略して空間状態とした補強リブ間の位置とすることができる。
少なくとも一つの補強リブ間への絶縁導電線の収容に関しては、絶縁導電線を収容した帯状材を帯状材供給ドラムに巻回しておき、この帯状材を製管機に供給してもよいし、帯状材供給ドラムとは別に設けた絶縁導電線供給ドラムから繰り出した絶縁導電線を帯状材供給ドラムから繰り出した帯状材の所定の補強リブ間に収容しつつ製管機に供給するようにしてもよい。
請求項4に係る下水発電工法によれば、製管更生中、導電線を安定に保持できるので、通常通り製管更生を円滑に施工できる。
導電性補強材を収容する補強リブ間の位置は、図1−3において、接合機構部の外面ローラ121の鍔が欠在する箇所とするか、または外面ローラ121の適当な鍔を省略して空間状態とした補強リブ間の位置とすることができる。
少なくとも一つの補強リブ間への導電性補強材の収容に関しては、補強材を収容した帯状材を帯状材供給ドラムに巻回しておき、この帯状材を製管機に供給してもよいし、帯状材供給ドラムとは別に設けた補強材供給ドラムから繰り出した補強材を帯状材供給ドラムから繰り出した帯状材の所定の補強リブ間に収容しつつ製管機に供給するようにしてもよい。
前記導電性補強材の断面形状は、外圧に対する耐圧潰性を高め得る形状、従って、大なる断面二次モーメントの断面形状とされる。前記W型以外に例えば図4の(ハ)に示すU型とすることができる。
導電性補強材の内側に前記したモルタル等のグラウト材を回り込ませるために当該導電性補強材に孔を設けることもできる。
請求項5に係る下水発電工法によれば、製管の補強材をコイルに利用できるので低コストで下水発電工法を構築できる。
ある。
請求項6に係る下水発電工法を製管機を使用して実施するには、ドラムから出発側マンホールを経て前記合成樹脂製帯状材Dと合成樹脂製接合材Doを製管機に供給し、この供給されてくる両材を螺旋状に嵌合接合し製管して合成樹脂製ライニングを延設していく。絶縁導電線担持の接合材の螺旋化により導電線のコイルが形成される。
請求項6に係る発電工法を製管機を使用して実施するには、両材D,Doを互いに並列に嵌合接合してドラムに巻回しておき、これをドラムから出発側マンホールを経て製管機に供給し、この供給されてくる接合材嵌合帯状材を螺旋状に嵌合接合し製管して合成樹脂製ライニングを延設していくこともできる。
請求項6に係る発電工法によれば、帯状材以外に接合材にもコイルを付設して全体のコイル巻数を増し発電量の増加を図ることができる。
図6の(イ)に示すように、ライナー材Eにおいては、外径が下水管内径よりも大なる塩化ビニル樹脂やポリエチレン等の熱可塑性樹脂原管(点線で示されている)、好ましくは塩化ビニル樹脂原管をその原管形状を記憶させて屈曲縮小形状、例えばオメガ形に成形してある。この屈曲縮小成形温度はガラス転移温度Tg〜Tg+40℃の範囲とすることが好ましい。
その理由は、この温度範囲で屈曲縮小成形した塩化ビニル樹脂ライナー材を、この成形温度以上に加熱すると、分子鎖の凍結が解除され、残留ストレスが解放されて原形の円形断面に復元されるが、(Tg〜Tg+40℃)の温度領域でガラス領域からゴム領域への転移が生じ回復限界が高くなり、また復元速度が速くなり、復元温度を70℃〜100℃程度にでき、復元のための加熱媒体に低蒸気圧のスチームの使用が可能となるからである。
このライナー材を使用して既設管内面をライニングするには、図6の(ロ)に示すように、出発側マンホールMよりライナー材Eを既設管内にウィンチWで引込み、更に図6の(ハ)に示すように、ボイラーユニット車Uよりライナー材の内部に加熱蒸気を送り込んで加熱したライナー材Eを形状記憶効果により原形に復元させ、円形復元後、低圧の圧縮空気(0.5〜1.5kgf/cm2)を供給して図6の(ニ)に示すように、管内面に密着さ
せ、これにてライニングを終了する。
このようにして下水管の内面に絶縁導電線をコイル状に設置したのち、図6の(ロ)〜(ニ)に示した手順で下水管内面に合成樹脂ライナーを施していけばよい。
気(0.5〜1.5kgf/cm2)を供給して管内面に密着させている。
この場合、エナメル線等の導電線を予め緩く巻いたライナー材をドラムに巻取り、これを既設下水管内に引き込んでもよいし、ドラムよりマンホールの管路口に至る途中で絶縁導電線を巻きつけつつライナー材を既設下水管内に引き込んでもよい。
図7において、Mは出発側マンホール、Hはホースライニング材Eを巻き付けたドラム、31はドラムHを包囲する気密カバー、310は気密カバー31の空気吐出口、32は気密カバー31内に加圧空気を供給するためのコンプレッサである。
ホースライニング材Eの反転前の形態では、柔軟なシールホースの外面側に熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂含浸繊維層が存在する。熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂等を挙げることができるが、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂を使用することが好ましい。繊維には、ガラス繊維やポリエステル不織布を使用できる。
反転工法を実施するには、反転前のホースライニング材Eをドラムから所定長さ引き出し、その先端を反転し硬化性樹脂含浸繊維層を内面側にしシールホースを外面側にして気密カバー31の空気吐出口310に気密に結着し、次でコンプレッサ32を駆動して空気を気密カバー31内に吹き込んでホースライニング材Eを下水管内に反転挿入していく。
この反転挿入のもとでは硬化性樹脂含浸繊維層が内面側に在り、反転挿入後、加熱空気の供給またはランプ挿入による光照射で硬化性樹脂含浸繊維層を熱硬化または光硬化させていく。
このようにして下水管の内面に絶縁導電線をコイル状に設置したのち、図7に示すように下水管内面をホースライニングしていけばよい。
請求項7に係る下水発電工法によれば、マンホール近傍の下水管部分の内径をコイルの設置にもかかわらず既設下水管の内径に等しくすることができ、下水性能を良好に保持できる。
B 製管機
D 帯状材
Do 導電線担持接合材
E 内管またはライニング
2 導電線
20 導電補強材
21 クリップ
200 コイル
Claims (7)
- 既設下水管の内面に導電線コイルを設置したのち、その下水管内面に合成樹脂製更生内管を設け、この内管を流れる下水で前記導電線コイルに電力を発生させることを特徴とする下水発電工法。
- 既設下水管内面に外郭が密接される断面形状を記憶させた断面屈曲縮小合成樹脂管を導電線をコイル巻きして前記下水管内に挿入し、この挿入した断面屈曲縮小合成樹脂管を加熱により原形状に復元し、この復元した合成樹脂管を流れる下水で前記導電線のコイルに電力を発生させることを特徴とする下水発電工法。
- 外面に複数条の補強リブを有する合成樹脂製帯状材を少なくとも一つの補強リブ間に導電線を収容して既設下水管内に供給し、この供給されてくる帯状材を螺旋状に製管すると共に前記導電線をコイル状とし、この製管した管内を流れる下水で前記導電線のコイルに電力を発生させることを特徴とする下水発電工法。
- 少なくとも一つの補強リブ間に導電線を固定するためのクリップを設け、少なくとも一つの補強リブ間に収容した導電線を該クリップで固定することを特徴とする請求項3記載の下水発電工法。
- 外面に複数条の補強リブを有する合成樹脂製帯状材を少なくとも一つの補強リブ間に導電性補強材を収容して既設下水管内に供給し、この供給されてくる帯状材を螺旋状に製管すると共に前記導電性補強材をコイル状とし、この製管した管内を流れる下水で前記導電線のコイルに電力を発生させることを特徴とする下水発電工法。
- 外面に複数条の補強リブを有する合成樹脂製帯状材と導電線を担持させた合成樹脂製帯状材とを下水管内において螺旋状に接合して製管すると共に前記導電線をコイル状とし、この製管した管内を流れる下水で前記導電線のコイルに電力を発生させることを特徴とする下水発電工法。
- 既設下水管路におけるマンホール近傍の下水管部分の内径を拡大し、この内面部分に導電線コイルを設置し、この部分に合成樹脂ライニングを施し、下水管内を流れる下水で前記導電線コイルに電力を発生させることを特徴とする下水発電工法。
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