JP2002061311A - 外断熱コンクリート建築物の躯体温度調整構造 - Google Patents

外断熱コンクリート建築物の躯体温度調整構造

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JP2002061311A JP2000253076A JP2000253076A JP2002061311A JP 2002061311 A JP2002061311 A JP 2002061311A JP 2000253076 A JP2000253076 A JP 2000253076A JP 2000253076 A JP2000253076 A JP 2000253076A JP 2002061311 A JP2002061311 A JP 2002061311A
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Takamasa Sekiguchi
高正 関口
Seiichi Asami
精一 浅見
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Emoto Kogyo KK
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Emoto Kogyo KK
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/90Passive houses; Double facade technology

Abstract

(57)【要約】 【課題】 夏季に外気が比較的に高くなる温暖地域にお
いても外断熱コンクリート建築物の年間を通しての省エ
ネルギー効果を得られるような外断熱コンクリート建築
物の躯体温度調整構造を提供すること。 【解決手段】 コンクリート躯体の外壁面に断熱材を配
置してなる外断熱コンクリート建築物の当該コンクリー
ト躯体の温度を調整する構造において、コンクリート躯
体を構成する柱、壁、天井或いは床のいずれか1つ若し
くは複数の躯体構造部11内に少なくとも1つの集熱配
管12を埋設配置し、この集熱配管12に所定温度の液
体を温度調整媒体として連続的又は断続的に流通させる
ことによりコンクリート躯体の温度を調整することを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外断熱コンクリート
建築物の躯体温度調整構造に関し、更に詳細にはコンク
リート躯体の外壁面に断熱材を配置して外断熱コンクリ
ート建築物を構成する際、コンクリート躯体の温度を最
適に調整する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、外断熱工法を用いて建築されたコ
ンクリート建築物の評価が高まっている。外断熱工法と
は、建築物を構成するコンクリート躯体が外気温の影響
をできるだけ受けないように当該コンクリート躯体を外
側から断熱材で包囲して建築する工法を言う。
【0003】このような外断熱工法の採用により、コン
クリート建築物内での生活環境が著しく改善され、特
に、コンクリート躯体の内側に断熱材を配置する内断熱
に比較して省エネルギー効果が高く、また冬季に室内側
での結露の発生を著しく低下できる等、経済的にも環境
衛生的にも優れた生活空間を提供することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
外断熱工法を採用してコンクリート建築物を建築する場
合、コンクリート躯体が外気温の影響をできるだけ受け
ないようにするためにコンクリート躯体の外壁面をロッ
クウール等の断熱材で覆うことから、蓄熱体としてのコ
ンクリート躯体の温度は年間を通して極端に低下するこ
とがない。
【0005】そのため、特に開口部からの受熱量が多い
夏季や、居室内での内部発熱量が多い場合などにはコン
クリート躯体の温度がかなり上昇してしまうことにな
る。前述したようにコンクリートは蓄熱作用があること
から、一度保温されると、たとえ外気が夜間に多少低下
しても、それだけでは所望の温度にまで低下しない。こ
のようなことから夏季において日中の外気温が30度前
後になり、且つ夜間でも外気が24〜25度となるよう
な温暖地域での外断熱コンクリート建築物は、室内の温
度が非常に高くなり、夏季では空調機を連続的に長時間
作動させる必要が生じるという問題があった。
【0006】この点について更に具体的に説明すると、
例えば内断熱方式のコンクリート建築物では、夏季に室
温が29.5度の時、室内で空調機を作動させると、空
調機の運転開始後1時間で約4.5度室温が低下し、空
調機を停止してもコンクリート躯体の内側に断熱材が配
置されているため室温は25度付近での状態が安定的に
継続している。
【0007】しかし、外断熱方式のコンクリート建築物
では、夏季に室温が29.5度の時、室内で空調機を作
動させると、空調機の運転開始後2時間で約5.0度室
温が低下するが、コンクリート躯体蓄熱による熱供給量
が大きいため空調機を停止すると直ぐに室温が上昇する
という、所謂「チャタリング状態」となる。
【0008】そのため、外断熱コンクリート建築物によ
る冬季における省エネルギー効果も、夏季における冷房
負荷の増加によって相殺されかねず、従って夏季に外気
が比較的に高くなる温暖地域での外断熱コンクリート建
築物の年間を通して省エネルギー効果を得るような改善
が望まれていた。
【0009】本発明の目的は、かかる従来の問題点を解
決するためになされたもので、夏季に外気が比較的に高
くなる温暖地域においても外断熱コンクリート建築物の
年間を通しての省エネルギー効果を得られるような外断
熱コンクリート建築物の躯体温度調整構造を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は外断熱コンクリ
ート建築物の躯体温度調整構造であり、前述した技術的
課題を解決するために以下のように構成されている。す
なわち、本発明は、コンクリート躯体の外壁面に断熱材
を配置してなる外断熱コンクリート建築物の当該コンク
リート躯体の温度を調整する構造において、コンクリー
ト躯体を構成する柱、壁、天井或いは床のいずれか1つ
若しくは複数の躯体構造部内に少なくとも1つの管路を
埋設配置し、この管路に所定温度の液体を温度調整媒体
として連続的又は断続的に流通させることによりコンク
リート躯体の温度を調整することを特徴とする。
【0011】<本発明における具体的構成>本発明に係
る外断熱コンクリート建築物の躯体温度調整構造は、前
述した必須の構成要素からなるが、その構成要素が具体
的に以下のような場合であっても成立する。その具体的
構成要素とは、コンクリート躯体の一部若しくは全部が
中空ウォール及び中空スラブで形成され、管路が中空ウ
ォール及び中空スラブにおける中空部の内周面に密着し
て配管され、更に中空部の中心側空所には詰め物が配置
されて空気の流通が阻止されていることを特徴とする。
【0012】また、本発明における外断熱コンクリート
建築物の躯体温度調整構造では、中空ウォール及び中空
スラブが、内部に帯状薄板鋼を螺旋状に巻いて形成され
且つ螺旋状の溝部が補強部として内周面に形成されたス
パイラルパイプを中空部成成形型枠として配置すること
により中空部を形成したものであり、管路をスパイラル
パイプの内周面に形成されている溝部内に配置すること
ができる。
【0013】また、本発明に係る外断熱コンクリート建
築物の躯体温度調整構造では、中空ウォール及び中空ス
ラブの中空部における中心側空所に充填される詰め物と
してウレタンフォーム等の発泡系樹脂材料を用いること
が好ましい。更に、コンクリート躯体の中空壁及び中空
スラブから出た管路の両端が、外断熱コンクリート建築
物に設備される貯水タンクに接続され、この貯水タンク
内の水を管路を介して循環させるようにすることが好ま
しい。
【0014】また、管路から貯水タンクへ流れ込む水或
いは貯水タンクから管路に供給する水を冷却用熱交換器
を通過させて熱交換させることがより好ましい。貯水タ
ンク内からの管路への水の供給は、ポンプを用いて行う
ことができる。このような貯水タンクとして、外断熱コ
ンクリート建築物に設備される給湯システムの給湯用補
助タンクを利用することができる。
【0015】更にまた、本発明に係る外断熱コンクリー
ト建築物の躯体温度調整構造では、コンクリート躯体を
構成している中空ウォール及び中空スラブの中空部内に
配置された管路の両端を、地下水をポンプで汲み上げて
当該管路に流通させ、再び地下水として戻す地下水循環
手段に接続し、コンクリート躯体を地下水を用いて冷却
することもできる。
【0016】また、本発明に係る外断熱コンクリート建
築物の躯体温度調整構造において、管路に水をポンプで
送る場合には、タイマーにより所定の時間だけ作動する
ようにポンプの運転を制御するか、或いはコンクリート
躯体の温度を検知するセンサーと制御装置とを設け、こ
のセンサーにより検知されたコンクリート躯体の温度が
所定の温度を超えた時に制御装置がポンプを作動させ
て、管路に水を供給して流通させるようにすることがで
きる。なお、前述した各特徴において、管路は合成樹脂
製パイプで形成することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る外断熱コンク
リート建築物の躯体温度調整構造を図に示される実施形
態について更に詳細に説明する。図1には本発明の一実
施形態に係る外断熱コンクリート建築物の躯体温度調整
構造(以下、躯体温度調整構造という)10の概念的な
構造が示されている。
【0018】この実施形態に係る躯体温度調整構造10
は、外壁面に例えばロックウールなどの断熱材が配置さ
れた外断面コンクリート建築物におけるコンクリート躯
体の柱、壁、天井或いは床のいずれか1つ若しくは複数
の構造部分11に例えばポリエチレン製等のような合成
樹脂製管からなる可撓性の集熱配管12が管路として埋
設されている。
【0019】このような集熱配管12は、コンクリート
躯体を建築する際に用いられるボイドスラブやボイドウ
ォールの中空部を利用して配置することが好ましい。基
本的には、この集熱配管12には、図1に示されるよう
にその一端12aから水が供給されて通水され、他端1
2bから排水される。集熱配管12を通水している間に
コンクリート躯体に蓄積された熱を当該水が吸収するこ
とにより熱交換が起こり、これによりコンクリート躯体
が冷却される。
【0020】コンクリート躯体内に配設された集熱配管
12の両端12a、12bは、コンクリート躯体の適所
から外部に出て、接続管13等を利用して、外断熱コン
クリート建築物に設備される貯水タンク14にそれぞれ
接続されている。その際、集熱配管12に水を供給する
時の供給端である一端12aと接続管13との間には、
貯水タンク14内の水を当該集熱配管12に強制的に供
給するためのポンプ15が設置されている。
【0021】このポンプ15は、タイマー16によって
その作動が制御されている。この実施形態では、我が国
の夏季(7月〜9月)における11時頃から17時頃の
間だけタイマー16によりポンプ15を作動させるよう
になっている。この理由は、夏季の日中にコンクリート
躯体温度が最も高くなるため、この時間帯にコンクリー
ト躯体を冷却すれば、夕方から夜間ないし明け方に掛け
ては外気温が低下することもあってコンクリート躯体の
温度はそれほど上昇しないからである。
【0022】勿論、ポンプ15の作動時間を制御する設
定は任意であり、外断熱コンクリート建築物が建築され
る地域の年間を通しての外気温度及び一日の外気温度変
化等を考慮して、コンクリート躯体の温度が最も最適に
なるように設定することが望ましい。
【0023】他方、集熱配管12から水の排出端である
他端12bと接続管13との間には、集熱配管12で熱
せられた水を貯水タンク14に戻す時、吸収した熱を大
気に逃がす熱交換器17が設置され、これにより貯水タ
ンク14内の水の温度が所定以下となるように管理され
ている。このような配管系により集熱配管12に貯水タ
ンク14内の水を温度調整媒体として連続的又は断続的
に流通させることによりコンクリート躯体の温度を調整
するものである。
【0024】次に、前述した集熱配管12をコンクリー
ト躯体の内部に設置する構造について説明する。集熱配
管12をコンクリート躯体の内部に埋設設置する際には
躯体の強度低下を避けること、集熱配管12からの漏水
を避けること、或いは設置した集熱配管12の表面に結
露を生じないようにすること等多くの問題が存在し、こ
の問題をクリアした状態で配設する必要がある。換言す
れば、このような問題が起こらないようにコンクリート
躯体内に埋設できれば、どのような構造であってもよ
い。
【0025】このような問題を考慮した上で、最も望ま
し集熱配管12の配設構造としては、コンクリート躯体
をボイドスラブやボイドウォールで構成し、これらボイ
ドスラブやボイドウォールに形成されている中空部に集
熱配管12を配設する構造である。ここで「ボイドスラ
ブ」とは、図2に示されるように適切な強度計算に基づ
いた設計で断面円形の貫通中空部18を内部に複数形成
した鉄筋コンクリート製の中空スラブ(床版)19であ
り、図2(a)は複数の貫通中空部18が一軸方向にの
み形成されている一方向中空スラブ19を示し、図2
(b)は複数の貫通中空部18が直交する二軸方向に形
成されている二方向中空スラブ19を示している。
【0026】このような中空スラブは既に良く知られて
おり、高い剛性や振動に対する強さ等の特性からマンシ
ョンのような居住用建築物をはじめとして高架軌道の構
造体等にも使用されている。現在よく知られている中空
スラブの多くは、次のようにして製造されている。すな
わち、例えば図2(a)に示される一方向中空スラブ1
9を製造する場合、図3に示されるように幅72〜14
4mm、厚さ0.4〜1.0mmの帯鋼を、螺旋状に巻
きながら当該帯鋼の両側部を重ね合わせて固定保持する
ことで形成される薄肉軽量のスパイラルパイプ20を型
枠内に所定の間隔で配列し、その周囲に配筋をした後、
型枠内にコンクリートを打設する。
【0027】このスパイラルパイプ20は、螺旋状の帯
と、ハゼとハゼとの間に波型に形成されたリブ21とが
管体を補強する役目をしていることで、当該パイプ20
に強度と弾性を与え、外圧に対して特に高い抵抗力を備
えている。このようなスパイラルパイプ20は中空スラ
ブ19の内部に、いわゆる埋め殺しにされる。これによ
り一方向に複数の貫通中空部即ち中空路18を備える中
空スラブ19が製造される。
【0028】従って、このような中空スラブ19の各貫
通中空部18の内周面には、金属製のスパイラルパイプ
20が配設されていることになり、更にこのスパイラル
パイプ20の内周面には、前述したようにハゼとハゼと
の間に波型に形成されたリブ21で形成される螺旋状の
溝部22が存在することになる。
【0029】集熱配管12は、図3及び図4に示される
ように中空スラブ19の各中空部18における内周部に
配設されているスパイラルパイプ20の螺旋状溝部22
に部分的に嵌め込むように配管され、これにより集熱配
管12は1つの中空部18について見るとその長手方向
中心軸線に沿って螺旋状に配設されていることになる。
【0030】他方、ボイドウォールとは、前述したボイ
ドスラブ19とほとんど同じ構成で且つ壁として使用し
得るように適切に強度設計されて製造された鉄筋コンク
リート版であり、従って集熱配管12の配設構造につい
ては実質的にボイドスラブ19の場合と同じである。
【0031】このようにコンクリート躯体を構成する多
数のボイドスラブ19や多数のボイドウォールにおける
各中空部18内に配設される集熱配管12は、供給端で
ある一端12aから延びる1本の長い管を順次各中空部
18内に配設し、最終的に排出端である他端12bに引
き出すようにしてもよい。
【0032】あるいは、多数のボイドスラブ19や多数
のボイドウォールを幾つかのグループに分け、各グルー
プ毎に1本の集熱配管を連続して各中空部に配設し、そ
れらをコンクリート躯体外部の適所で連結して連通させ
るようにしてもよい。すなわち、集熱配管12を多数の
分岐管から構成してもよい。前者のように1本の長い管
を順次各中空部18内に配設した場合には、下流側にお
ける集熱効果が低下することが考えられることから、後
者のように集熱配管12を多数の分岐管から構成するこ
との方が好ましい。
【0033】ところで、中空スラブや中空ウォールにお
ける中空部の内面に集熱配管12を前述したように配設
した場合、集熱配管12に低温の水が流れると集熱配管
12の表面に結露を生じる恐れがある。そのため、スパ
イラルパイプ20の内周部における溝部22に集熱配管
12を内設した後、その内部をウレタンフォームのよう
な樹脂材料からなる詰め物23で充填し、集熱配管12
の表面が空気と接触しないようにされる。中空スラブや
中空ウォールの外側の配管は結露防止の目的のために断
熱され、これにより冬季の凍結に対する予防策も兼ねる
形となる。
【0034】前述したような本実施形態に係る躯体温度
調整構造10によると、夏季の日中におけるコンクリー
ト躯体の温度が高くなる時間にポンプ15を作動させて
貯水タンク14内の水を集熱配管12に流通させる。集
熱配管12に供給された水は、前述したように中空スラ
ブ19や中空ウォールの各中空部18内を流れ、これら
中空スラブ19や中空ウォールに蓄熱された熱を吸収す
る。
【0035】その時、中空スラブ19や中空ウォールの
各中空部には、該中空部形成用の型枠として使用した金
属製のスパイラルパイプ20が配設されていることと相
まって、集熱配管12がその内周面に螺旋状に配設され
ることで接触面積の増大が図られているため、中空スラ
ブ19や中空ウォールに蓄積された熱が熱伝導率の大き
い金属製のスパイラルパイプ20を介して非常に効果的
に集熱配管12の水に吸収されることになる。すなわ
ち、コンクリート躯体が短時間に冷却される。
【0036】コンクリート躯体の熱を吸収した水は集熱
配管12の排出端12bから接続管13に引き続き流れ
て熱交換器17に送られる。この熱交換器17でコンク
リート躯体の熱を吸収した水が放熱され、再び貯水タン
クに14に戻され、以後この動作が繰り返される。この
熱交換器17の放熱手段としてはクーリングファン24
による方法、或いは熱交換器に水を掛けて放熱する方法
など従来の種々の方法を用いることができる。
【0037】前述した実施形態に係る躯体温度調整構造
10では、内部に形成された各中空部の内周部に金属製
のスパイラルパイプ20が配設された既存の中空スラブ
19や中空ウォールで構成したコンクリート躯体の温度
を調整する場合についてのものであったが、このような
スパイラルパイプ20の存在は本発明にとって必須の要
件ではない。
【0038】例えば、図5に示されるようにウレタンフ
ォームで形成された円柱体25の周面に集熱配管12を
螺旋状に巻き付けて、これを中空部の内周部に金属製の
スパイラルパイプが配設されていない中空スラブ19や
中空ウォールの各中空部に緊密に、言い換えれば集熱配
管12の表面が中空部の内周コンクリート面に直接接触
するように挿入するようにしたものであってもよい。
【0039】このようにして形成された中空スラブ19
や中空ウォールであれば、円柱体25が中空部18の空
間に詰められる詰め物として機能すると同時に、集熱配
管12をこの円柱体25に螺旋状に巻き付けることでそ
の支持及び位置決め、並びに中空部内への配設を容易に
行うことができる。
【0040】また、前述した実施形態に係る躯体温度調
整構造10では、コンクリート躯体冷却用として専用に
設置された貯水タンク14に溜められた水を集熱配管1
2に循環供給するようにしたものであったが、図6に示
されるように、貯水タンク14として、外断熱コンクリ
ート建築物に設備される給湯システムの給湯用補助タン
ク26を利用することができる。
【0041】このように給湯システムの給湯用補助タン
ク26内に溜められている水を集熱配管12に循環させ
てコンクリート躯体の蓄熱を吸収するようにすると、給
湯用補助タンク26内の水は、夏場で常時25℃前後に
保たれることから、風呂やシャワーを使用する時にガス
湯沸器27で使用するガス使用量を節減することができ
る。
【0042】但し、図6に示されるように給湯システム
の給湯用補助タンク26内に溜められている水を集熱配
管12に循環して使用する場合には、給湯用補助タンク
26内の水が給湯設備により使用され、その都度当該給
湯用補助タンク26内に15℃前後の水道水が補充され
ることが多いことから、熱交換器17を使用しないでも
ある程度の低温水を確保できる。
【0043】更にまた、本発明に係る躯体温度調整構造
では、コンクリート躯体を構成している中空ウォール及
び中空スラブの中空部内に配置された集熱配管12の両
端を、地下水をポンプで汲み上げて当該集熱配管12に
流通させ、再び地下水として戻す地下水循環手段即ち地
下水汲み上げポンプシステム(図示せず)に接続し、コ
ンクリート躯体を地下水を用いて冷却することもでき
る。
【0044】この場合にも、地下水汲み上げポンプシス
テムをタイマー15で所定の時刻にオンオフするように
することができる。このようなタイマー15によるポン
プ15或いは地下水汲み上げポンプシステムの作動制御
に代えて、コンクリート躯体の温度を検知する感温セン
サー(図示せず)をコンクリート躯体の適所に設置する
と共に、各感温センサーからの信号を受けて制御装置
(図示せず)がポンプ15や地下水汲み上げポンプシス
テムを作動制御することも好ましい。
【0045】具体的には、制御装置は、予めコンクリー
ト躯体の温度が所定の温度を超えた時にポンプ15或い
は地下水汲み上げポンプシステムを作動させるようにプ
ログラムされ、各感温センサーからの信号を受けてコン
クリート躯体温度を常時監視し、コンクリート躯体温度
が所定の温度を超えた時にポンプ15或いは地下水汲み
上げポンプシステムを作動させるようにするのである。
【0046】冬季の外気温が氷点下となる地域では、凍
結による配管破損対策を行う必要がある。すなわち、建
物構造体への内部配管や本発明の構造体内部配管内の滞
留水は、建物が長期非暖房状態では凍結膨張により破損
する可能性がある。そこで、これらの滞留水の凍結によ
る配管破損事故を避けるために、前述した配管断熱処理
若しくは水抜き処理などの対応策を行う必要がある。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の外断熱コ
ンクリート建築物の躯体温度調整構造によれば、夏季に
外気が比較的に高くなることに伴ってコンクリート躯体
の温度が上昇してもこれを効果的に冷却して適正な温度
に調整することができるため、夏季に外気が比較的に高
くなる温暖地域においても外断熱コンクリート建築物の
年間を通しての省エネルギー効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る外断熱コンクリート
建築物の躯体温度調整構造の構成を概略的に示す構成説
明図である。
【図2】本発明の外断熱コンクリート建築物の躯体温度
調整構造において外断熱コンクリート躯体を構成する2
種類の中空スラブを示す斜視図である。
【図3】図2に示される中空スラブの中空部内周面に配
置されているスパイラルパイプの内側に形成されたスパ
イラルの溝部に集熱配管を配置した状態を示すスパイラ
ルパイプの部分的な側面図である。
【図4】図2(a)に示される中空スラブを4−4線に
沿って切断して示す部分的な断面図である。
【図5】図3に示されるスパイラルパイプ内側への集熱
配管の配置例に代えてウレタンフォーム円柱体に集熱配
管をスパイラルに巻き付けて中空スラブの中空部に配置
する時のウレタンフォーム円柱体を部分的に示す斜視図
である
【図6】本発明の他の実施形態に係る外断熱コンクリー
ト建築物の躯体温度調整構造の構成を概略的に示す構成
説明図である。
【符号の説明】
10 外断熱コンクリート躯体の躯体温度調整構造 11 コンクリート躯体の構造部分 12 集熱配管(管路) 12a 供給端(一端) 12b 排出端(他端) 13 接続管 14 貯水タンク 15 ポンプ 16 タイマー 17 熱交換器 18 貫通中空部(中空部) 19 中空スラブ 20 スパイラルパイプ 21 リブ 22 螺旋状の溝部 23 詰め物 24 クーリングファン 25 ウレタンフォームの円柱体 26 給湯システムの給湯用補助タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DB05 DD01 DD04 DD18 EA01 FA02 FA03 FA04 FA14 GA07 GA20 GA65 GA77 HA04 HA32 HB02 HD03 HD11 HE10 LA03 LA10 QA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート躯体の外壁面に断熱材を配
    置してなる外断熱コンクリート建築物の前記コンクリー
    ト躯体の温度を調整する構造において、 前記コンクリート躯体を構成する柱、壁、天井或いは床
    のいずれか1つ若しくは複数の躯体構造部内に少なくと
    も1つの管路を埋設配置し、この管路に所定温度の液体
    を温度調整媒体として連続的又は断続的に流通させるこ
    とにより前記コンクリート躯体の温度を調整することを
    特徴とする外断熱コンクリート建築物の躯体温度調整構
    造。
  2. 【請求項2】 前記コンクリート躯体の一部若しくは全
    部が中空ウォール及び中空スラブで形成され、前記管路
    が前記中空ウォール及び中空スラブにおける中空部の内
    周面に密着して配管され、更に前記中空部の中心側空所
    には詰め物が配置されて空気の流通が阻止されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の外断熱コンクリート建
    築物の躯体温度調整構造。
  3. 【請求項3】 前記中空ウォール及び前記中空スラブ
    が、内部に帯状薄板鋼を螺旋状に巻いて形成され且つ螺
    旋状の溝部が補強部として内周面に形成されたスパイラ
    ルパイプを中空部成成形型枠として配置することにより
    中空部を形成したものであり、前記管路が前記スパイラ
    ルパイプの内周面に形成されている前記溝部内に配置さ
    れていることを特徴とする請求項2に記載の外断熱コン
    クリート建築物の躯体温度調整構造。
  4. 【請求項4】 前記中空ウォール及び中空スラブの前記
    中空部における中心側空所に充填される前記詰め物が発
    泡樹脂材であることを特徴とする請求項2又は3に記載
    の外断熱コンクリート建築物の躯体温度調整構造。
  5. 【請求項5】 前記コンクリート躯体の前記中空ウォー
    ル及び中空スラブから出た前記管路の両端が、前記外断
    熱コンクリート建築物に設備される貯水タンクに接続さ
    れ、この貯水タンク内の水が前記管路を流れて循環する
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の外断
    熱コンクリート建築物の躯体温度調整構造。
  6. 【請求項6】 前記管路から前記貯水タンクへ流れ込む
    水、又は前記貯水タンクから前記管路に供給する水が冷
    却用熱交換器を通過することを特徴とする請求項5に記
    載の外断熱コンクリート建築物の躯体温度調整構造。
  7. 【請求項7】 前記貯水タンク内からの前記管路への水
    の供給をポンプにより行うことを特徴とする請求項5に
    記載の外断熱コンクリート建築物の躯体温度調整構造。
  8. 【請求項8】 前記貯水タンクが、前記外断熱コンクリ
    ート建築物に設備される給湯システムの給湯用補助タン
    クであることを特徴とする請求項5に記載の外断熱コン
    クリート建築物の躯体温度調整構造。
  9. 【請求項9】 前記コンクリート躯体の前記中空ウォー
    ル及び中空スラブの前記中空部内に配置された前記管路
    の両端が、地下水をポンプで汲み上げて当該管路に流通
    させ、再び地下水として戻す地下水循環手段に接続され
    ていることを特徴とする請求項2〜4に記載の外断熱コ
    ンクリート建築物の躯体温度調整構造。
  10. 【請求項10】 前記ポンプが、タイマーにより所定の
    時間だけ作動するように制御されていることを特徴とす
    る請求項7〜9のいずれかに記載の外断熱コンクリート
    建築物の躯体温度調整構造。
  11. 【請求項11】 前記コンクリート躯体の温度を検知す
    る感温センサーと、この感温センサーにより検知された
    前記コンクリート躯体の温度が所定の温度を超えた時、
    前記ポンプを作動させて、前記管路に温度調整媒体を供
    給して流通させる制御装置を備えていることを特徴とす
    る請求項7〜9のいずれかに記載の外断熱コンクリート
    建築物の躯体温度調整構造。
  12. 【請求項12】 前記管路が合成樹脂製パイプで形成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに
    記載の外断熱コンクリート建築物の躯体温度調整構造。
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