JP4487439B2 - 積層型半導体セラミック素子およびその製造方法 - Google Patents

積層型半導体セラミック素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は積層型半導体セラミック素子およびその製造方法に関し、特にたとえば、回路の過電流保護用として用いられる積層型半導体セラミック素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
チタン酸バリウム系半導体セラミックは、常温では比抵抗が小さく、ある温度(キュリー温度)を超えると急激に抵抗が上昇するという正の抵抗温度特性(PTC特性)を有しており、従来より温度制御、電流制御、定温度発熱などの用途に広く用いられている。中でも、回路用として用いられる過電流保護素子では、小型で高耐圧を維持しながら、特に室温において、より低抵抗化されていることが要望されている。特に、パーソナルコンピュータあるいはその周辺機器などにおいては、小型で低抵抗、高耐圧の半導体セラミック電子部品が望まれている。
【0003】
このような要望に対応するものとして、たとえば特開昭57−60802号公報には、積層型の半導体セラミック素子が提案されている。この半導体セラミック素子は、チタン酸バリウムを主成分とする半導体セラミック層と、Pt−Pd合金からなる内部電極とを交互に積層した基体を含み、これらの内部電極に接続された外部電極を形成したものである。この基体は、たとえばセラミックグリーンシートと内部電極材料とを積層したのち、一体焼成することによって作製される。このような積層構造を採用することにより、半導体セラミック素子全体としての内部電極の面積を大きくすることができ、室温における低抵抗化を図ることができるとともに、素子自体の小型化も図ることができる。
【0004】
しかしながら、このような積層型半導体セラミック素子では、内部電極の材料としてPt−Pd合金を用いているため、内部電極と半導体セラミック層との間でオーミック接触が得られにくく、オーミック接触が得られない場合、室温における抵抗値が大幅に上昇するという問題がある。
【0005】
そこで、特開平6−151103号公報において、NiまたはNi含有合金のようなNi系金属を用いた積層型セラミック素子が提案されている。このようなNi系金属からなる内部電極は、半導体セラミック層と良好なオーミック接触を示すため、室温における抵抗値の上昇を防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、内部電極としてNi系金属を用いた場合、通常の大気中において焼成すると、Ni系金属が酸化してしまうため、還元雰囲気中で焼成が行われる。ところが、還元雰囲気中で焼成を行うと、半導体セラミック層のPTC特性が得られないため、還元雰囲気中で焼成したのち、Ni系金属が酸化されない程度の比較的低温で半導体セラミック層の再酸化処理を行なう必要がある。しかしながら、このような方法で作製した積層型半導体セラミック素子では、温度変化による抵抗変化幅が2桁未満と小さくなってしまうという問題がある。
【0007】
また、積層型半導体セラミック素子においては、半導体セラミック層の1層当たりの厚みを薄くするほど抵抗値を下げることができるが、半導体セラミック層の厚みが20μm以下になると、Ni内部電極の拡散の影響で、逆に高抵抗化することがわかった。そのため、半導体セラミック層の厚みを20μm以下にすることができず、小型で、かつ室温における抵抗値が0.1Ω以下の低抵抗値を有する積層型半導体セラミック素子を得ることができなかった。
【0008】
さらに、多数の積層体を焼成するときに、焼成ロットによってPTC特性にばらつきが生じるという問題がある。そのため、還元性ガスを多数の導入口から入れたり、積層体を載置する基板の間隔を広くするなどの方法により、還元雰囲気を均一化する対策が講じられてきた。しかしながら、これらの方法では不充分であり、なおPTC特性のばらつきが生じていた。
【0009】
それゆえに、この発明の主たる目的は、半導体セラミック層と内部電極との間にオーミック接触が得られるとともに、小型で、かつ室温における抵抗値が0.1Ω以下の低抵抗で、さらに温度変化による抵抗変化幅が十分な値を有する積層型半導体セラミック素子と、その製造方法を提供することである。
また、この発明の目的は、特性ばらつきの少ない積層型半導体セラミック素子と、そのような積層型半導体セラミック素子を多量に得ることができる製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、半導体セラミック層とNiを含む内部電極とが交互に積層された基体を含む正の抵抗温度特性を有する積層型半導体セラミック素子の製造方法であって、セラミックグリーンシートとNiを含む内部電極材料層との積層体を還元雰囲気中で焼成したのち、再酸化することにより基体を形成する工程を含み、還元雰囲気は、金属ニッケルが酸化ニッケルになる平衡酸素分圧の1/106 以下の酸素分圧とした雰囲気であることを特徴とする、積層型半導体セラミック素子の製造方法である。
このような積層型半導体セラミック素子の製造方法において、積層体を焼成する際に、空隙率が0.15以上の基板上に積層体を載置して焼成することが好ましい。
また、この発明は、半導体セラミック層とNiを含む内部電極とが交互に積層された基体を含む正の抵抗温度特性を有する積層型半導体セラミック素子であって、上述の積層型半導体セラミック素子の製造方法によって製造された、積層型半導体セラミック素子である。
このような積層型半導体セラミック素子において、焼成後の半導体セラミック層の厚みが20μm以下であることが好ましい。
【0011】
積層型半導体セラミック素子の内部電極の材料としてNi系金属を用いることにより、内部電極と半導体セラミック層との間にオーミック接触を得ることができる。また、焼成時の雰囲気条件を、金属ニッケルが酸化ニッケルになる平衡酸素分圧の1/106 以下の酸素分圧という極めて還元性の強い雰囲気とすることにより、再酸化後の室温における抵抗値が0.1Ω以下で、かつ、温度変化による半導体セラミック層の抵抗変化幅が4.0桁以上という極めて急峻な変化幅を有する半導体セラミック層が得られることを見出した。
また、このような製造方法を採用することにより、内部電極材料のNiが半導体セラミック中に拡散することを防ぐことができ、半導体セラミック層の厚みを薄くしても、高抵抗化を防止することができる。
さらに、基体の焼成時に、空隙率が0.15以上の基板を用いることにより、焼成炉内の還元雰囲気を均一にすることができ、多数の基体を焼成しても特性ばらつきを大幅に抑制することができることを見出した。
【0012】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の積層型半導体セラミック素子の一例を示す図解図である。積層型半導体セラミック素子10は、基体12を含む。基体12は、半導体セラミック層14と内部電極16とを交互に積層したものである。内部電極16の隣接するものは、互いに基体12の反対側の側面に引き出される。そして、内部電極16が引き出された基体12の側面には、外部電極18,20が形成される。したがって、基体12の対向側面に形成された外部電極18,20には、隣接する内部電極16が交互に接続される。
【0014】
半導体セラミック層14は、たとえばチタン酸バリウム系半導体セラミック粉末を焼結させることによって得られる。このチタン酸バリウム系半導体セラミック材料において、必要に応じて、Baの一部をCa,Sr,Pbなどで置換してもよく、またTiの一部をSn,Zrなどで置換してもよい。また、このようなチタン酸バリウム系半導体セラミック材料中に含まれる半導体化剤は、ドナー元素と呼ばれるものであるが、このようなドナー元素としては、La,Y,Sm,Ce,Dy,Gdなどの希土類元素や、Nb,Ta,Bi,Sb,Wなどの遷移元素を用いることができる。さらに、このようなチタン酸バリウム系半導体セラミック材料に対して、必要に応じて、SiO2 やMnなどを添加してもよい。なお、チタン酸バリウム系半導体セラミック材料のBaサイト/Tiサイト比や、焼結体の磁器粒径については、特段の限定をされるものではないが、Baサイト/Tiサイト比は、0.990以上、1.010以下であることが好ましく、また、磁器粒径は平均で2μm以下であることが好ましい。
【0015】
また、内部電極16に含まれる導電成分としては、Ni系金属、Mo系金属、Cr系金属、またはこれらの合金を用いることができるが、半導体セラミック層14との間で確実なオーミック接触を得ることができるという点から、特にNi系金属を用いることが好ましい。一方、外部電極18,20に含まれる導電成分としては、Ag,Pd、またはこれらの合金などを用いることができるが、内部電極16の場合に比べると、その金属の種類に関して、それほど限定されるものではない。
【0016】
この積層型半導体セラミック素子10を作製するには、半導体セラミック材料で形成されたセラミックグリーンシート上に内部電極材料を印刷し、このセラミックグリーンシートを複数枚積層することにより、積層体が得られる。この積層体を還元雰囲気中で焼成し、さらに大気中において再酸化処理を行うことによって基体12が形成される。なお、焼成時の還元雰囲気としては、金属ニッケルが酸化ニッケルになる平衡酸素分圧の1/106 以下の酸素分圧とした還元雰囲気が用いられる。そして、得られた基体12の端部に外部電極用材料を塗布し、焼き付けることにより、外部電極18,20が形成される。このようにして得られた積層型半導体セラミック素子10は、室温における抵抗値は低く、キュリー温度を超えると急激に抵抗値が上昇するような正の抵抗温度特性を有する素子となる。したがって、この積層型半導体セラミック素子10は、たとえば回路の過電流保護用素子として用いることができる。
【0017】
この積層型半導体セラミック素子10では、積層体を金属ニッケルが酸化ニッケルになる平衡酸素分圧の1/106 以下の酸素分圧とした還元雰囲気中で焼成し、再酸化処理をすることにより、室温における抵抗値が低く、しかも温度変化による抵抗変化率が4.0桁以上の素子とすることができる。さらに、このような製造方法を採用することにより、半導体セラミック層が20μm以下の厚みとなるようにしても、Ni系金属の拡散を防ぐことができ、半導体セラミック層14の高抵抗化を防止することができる。そのため、低抵抗で小型の積層型半導体セラミック素子10を得ることができる。また、内部電極材料としてNi系金属を用いることにより、内部電極16と半導体セラミック層14との間にオーミック接触を得ることができ、室温における抵抗値を低くすることができる。
【0018】
さらに、基体を焼成する際に、空隙率が0.15以上の基板を用い、この基板上に積層体を載置して焼成することにより、積層体の周囲の還元雰囲気を均一にすることができる。そのため、多数の積層体を焼成しても、全ての積層体を均一な雰囲気中で焼成することができ、特性ばらつきの少ない積層型半導体セラミック素子を得ることができる。なお、基板の空隙率は0.15以上のときにこのような効果を得ることができるが、基板の機械的強度が弱くなるため、空隙率の上限は0.5程度となる。
【0019】
【実施例】
(実施例1)
出発原料として、BaCO3 ,SrCO3 ,TiO2 および硝酸サマリウム溶液を用い、(Ba0.938Sr0.06Sm0.0021.004TiO3 という組成となるように秤量し、純水およびPSZ5Φの玉石を用いて5時間ボールミルによる混合を行なった。次に、この混合液を蒸発乾燥し、得られた混合粉を1000〜1200℃の温度で2時間仮焼した。この仮焼粉に純水を加え、PSZ5Φの玉石を用いて、5〜30時間ボールミルによる粉砕を行ない、蒸発乾燥して粉砕済み仮焼粉末を得た。この粉砕済み仮焼粉末に、有機溶剤、有機バインダおよび可塑剤などを添加して、セラミックスラリーとした。このセラミックスラリーを用いて、ドクターブレード法により成形し、セラミックグリーンシートを得た。
【0020】
そして、セラミックグリーンシートの特定のものの上に、内部電極を形成するために、Niを含有する導電性ペーストをスクリーン印刷し、図1に示すような構造が得られるように、導電性ペーストを印刷したセラミックグリーンシートを積層し、その上下に導電性ペーストを印刷していないセラミックグリーンシートを積層した。これを加圧し、切断することによって、基体となるべき積層体を得た。このとき、セラミックグリーンシートの厚みと積層数を種々変更して、積層体の作製を行なった。
【0021】
得られた積層体を、大気中で脱バインダ処理したのち、水素/窒素=0.3/100〜3.3/100の雰囲気で還元焼成を行ない、焼結された基体を得た。なお、試料の焼成前において、試料支持板や炉材などを全て水素100%の雰囲気中で強還元雰囲気焼成を行なった。積層体の焼成時の酸素分圧は、炉の背面から取り付けられた直挿式のジルコニア酸素センサの起電力を読み取り、それをもとにして算出した。また、積層体の焼成時における、金属ニッケルから酸化ニッケルになる平衡酸素分圧は、エリンガム図のデータを読み取った。そして、還元焼成後の基体について、大気中において600〜1000℃で1時間再酸化処理を施した。そののち、基体の両端部にオーミック銀ペーストを塗布し、大気中で焼き付けることにより、外部電極を形成した積層型半導体セラミック素子を得た。得られた積層型半導体セラミック素子は、概ね、3.2mmの長さ方向寸法、2.5mmの幅方向寸法および1.0mmの厚み方向寸法を有するものであった。
【0022】
このようにして得られた各積層型半導体セラミック素子の室温における抵抗値および温度変化による抵抗変化幅を求めた。室温における抵抗値は、デジタルボルトメータを用いて4端子法で測定することによって求めた。また、温度変化による抵抗変化幅(桁)は、室温から250℃までにおける最大抵抗値を最小抵抗値で除し、その常用対数を求めることによって算出した。そして、これらの評価結果を表1に示した。なお、表1において、*印を付した試料番号は、この発明の範囲外のものであることを示す。
【0023】
【表1】
Figure 0004487439
【0024】
試料番号1,2,4,5からわかるように、1層当たりの半導体セラミック層の厚みが20μm以下で、かつ、金属ニッケルが酸化ニッケルになる平衡酸素分圧に対する焼成時の酸素分圧が1/106 以下である積層型半導体セラミック素子では、室温における抵抗値が0.1Ω以下であり、温度変化による抵抗変化幅が4.0桁以上の特性が得られている。
【0025】
それに対して、試料番号7,8のように、1層当たりの半導体セラミック層の厚みが20μmを超えると、室温における抵抗値が増加して0.1Ω以上となり好ましくない。
また、試料番号3,6のように、金属ニッケルが酸化ニッケルになる平衡酸素分圧に対する焼成時の酸素分圧が1/106 より大きくなると、1層当たりの半導体セラミック層の厚みが20μm以下の場合、室温における抵抗値が極端に上昇するとともに、温度変化による抵抗変化幅が大幅に低下して好ましくない。
【0026】
(実施例2)
実施例1と同じ原料を用いて、実施例1と同じ方法により、複数の積層体を作製した。これらの積層体については、セラミックグリーンシートの厚みおよび積層数は全て同じとなるようにした。そして、図2に示すように、得られた積層体30をセラミック製の基板32に載せて焼成した。基板32は、酸化ジルコニウムを原料として、混合するバインダの量や焼成温度を変えることで、所定の空隙率となるようにした。
【0027】
基板32を得るために、バインダと混合した酸化ジルコニウムを金型に入れ、プレス機で加圧した。得られた成形体を大気中で脱バインダの後1300℃〜1500℃で2時間焼成し、基板32を得た。基板32の大きさは、縦横50mm、厚み2.0mmである。
【0028】
1枚の基板32上の中央付近に5個の積層体30を載せ、スペーサ34を用いて、基板32間の距離2mmとして5段重ねた。これを焼成炉36内の回転テーブル38に載せて、水素/窒素=3/100の還元雰囲気中において、1200℃で2時間、積層体30の焼成を行なった。このときの酸素分圧は、金属ニッケルが酸化ニッケルになる平衡酸素分圧の1/106 である。そして、実施例1と同様にして再酸化処理し、外部電極を形成して、積層型半導体セラミック素子を得た。得られた積層型半導体セラミック素子の大きさは、実施例1と同様に、概ね、3.2mmの長さ寸法、2.5mmの幅方向寸法、1.0mmの厚み方向寸法を有するものである。
【0029】
焼成ロットごとに、積層体を載せる基板の空隙率のみを変えて、その他については同じ条件として、積層型半導体セラミック素子を得た。これらの積層型半導体セラミック素子について、実施例1と同様にして、室温における抵抗値と抵抗変化幅を測定した。そして、同じ空隙率を有する基板を用いた積層型半導体セラミック素子について、室温における抵抗値および抵抗変化幅を測定し、平均値と標準偏差とを求めて、その結果を表2に示した。
【0030】
表2において、基板の空隙率は、基板焼成後、焼結体の寸法から体積を求め、これに酸化ジルコニウムの真密度をかけて真重量とし、実際の焼結体基板の重量を真重量で除した値を1から引いて求めた。また、表2において、*印を付した試料番号は、この発明の範囲外のものであることを示す。
【0031】
【表2】
Figure 0004487439
【0032】
試料番号1〜4に示すように、基板の空隙率が0.15以上のとき、抵抗値および抵抗変化幅とも、ばらつきが小さいことがわかる。それに対して、試料番号5に示すように、基板の空隙率が0.15未満であると、抵抗値および抵抗変化幅のばらつきが大きい。これは、焼成時における還元性ガスが、基板の空隙を通して積層体の裏面にも供給され、十分な還元性ガスの循環が行なわれていることによるものと考えられる。
【0033】
【発明の効果】
この発明によれば、室温における抵抗値が0.1Ω以下と低く、温度変化による抵抗変化幅が4.0桁以上という十分な抵抗変化幅を有し、回路の過電流保護素子として好適な小型の積層型半導体セラミック素子を得ることができる。
また、積層体を焼成する際に、積層体を載せる基板の空隙率を0.15以上とすることにより、特性ばらつきの少ない積層型半導体セラミック素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の積層型半導体セラミック素子の一例を示す図解図である。
【図2】実施例2における積層体の焼成炉内を示す図解図である。
【符号の説明】
10 積層型半導体セラミック素子
12 基体
14 半導体セラミック層
16 内部電極
18,20 外部電極
30 積層体
32 基板
34 スペーサ
36 焼成炉
38 回転テーブル

Claims (4)

  1. 半導体セラミック層とNiを含む内部電極とが交互に積層された基体を含む正の抵抗温度特性を有する積層型半導体セラミック素子の製造方法であって、
    セラミックグリーンシートとNiを含む内部電極材料層との積層体を還元雰囲気中で焼成したのち、再酸化することにより前記基体を形成する工程を含み、
    前記還元雰囲気は、金属ニッケルが酸化ニッケルになる平衡酸素分圧の1/106 以下の酸素分圧とした雰囲気であることを特徴とする、積層型半導体セラミック素子の製造方法。
  2. 前記積層体を焼成する際に、空隙率が0.15以上の基板上に前記積層体を載置して焼成することを特徴とする、請求項1に記載の積層型半導体セラミック素子の製造方法。
  3. 半導体セラミック層とNiを含む内部電極とが交互に積層された基体を含む正の抵抗温度特性を有する積層型半導体セラミック素子であって、
    請求項1または請求項2に記載の積層型半導体セラミック素子の製造方法によって製造された、積層型半導体セラミック素子。
  4. 焼成後の前記半導体セラミック層の厚みが20μm以下である、請求項3に記載の積層型半導体セラミック素子。
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