JP4487104B2 - 水系樹脂用架橋剤 - Google Patents

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Description

本発明は、水酸基を有する水系樹脂の架橋剤に関する。詳しくは水と混合する事のできるチタン架橋剤に関するものであり、この発明の架橋剤と水酸基を有する水系樹脂は、塗料、接着剤、表面処理剤、収束剤等として、金属、セラミックス、樹脂などの機能向上に利用することができる。
技術背景
チタンアルコキシドは、架橋剤として分子中に水酸基を有する化合物と反応するため、塗料の架橋剤、接着改良剤に利用されている。しかしチタンアルコキシドは水と直ちに反応し酸化チタンを生成するため、水系の樹脂の架橋には適していない。
現在、水酸基を有する水系樹脂の架橋剤として使用されている架橋剤は、メチロールメラミン樹脂、アルキルメチロールメラミン樹脂、メチロール尿素樹脂、アルキルメチロール尿素樹脂、グリオキザール、硼酸化合物、レゾール樹脂、シラン化合物、水溶性ブロックイソシアネートなどがある。
本山卓彦:接着,44巻6号,241(2000)
本発明は、水に対して安定であり、反応性が高くかつ水系樹脂と混合した場合の保存安定性にも優れたチタン架橋剤に関するものである。従来のメラミン、尿素系樹脂による水系樹脂の架橋は、100℃以上の高温での反応性は高いが50℃以下の低温での反応性は非常に低い。低温で反応させるためには触媒が必要であり、触媒を使用して低温で反応するようにすると保存安定が悪くなり、樹脂と架橋剤と触媒の3者混合した液は短時間でゲル化してしまうという問題がある。また硼酸化合物は低温でも反応するが、耐水性が低く水で再溶解を起こしてしまう。水溶性ブロックイソシアネートは140℃以上の高温では反応性は高いが、50℃以下の低温ではほとんど反応しない。本発明の目的は、水に対して安定であり、かつ反応性が高く、かつ水系樹脂と混合した液も保存安定性に優れた水酸基を有する水系樹脂の架橋剤を提供することである。
上記の課題を解決するために本発明は、チタンアルコキシド(A)と、脂肪族アミン(B)と、一般式(I)
Figure 0004487104
(式中、R、R、R、Rはそれぞれ水素、アルキル基、ヒドロキシアルキル基のいずれかである)で表されるグリコール(D)からなり、チタンアルコキシドに対し脂肪族アミンのモル比が0.3以上であり、かつチタンアルコキシドに対し一般式(I)で表されるグリコールのモル比が1.0以上であることを特徴とする水酸基を有する水系樹脂用架橋剤である。
さらに本発明は、チタンアルコキシド(A)と、脂肪族アミン(B)と、オキシカルボン酸(C)と、一般式(I)
Figure 0004487104
(式中、R、R、R、Rはそれぞれ水素、アルキル基、ヒドロキシアルキル基のいずれかである)で表されるグリコール(D)からなり、チタンアルコキシドに対し脂肪族アミンのモル比が0.3以上であり、チタンアルコキシドに対しオキシカルボン酸のモル比が0.1以上であり、かつチタンアルコキシドに対し一般式(I)で表されるグリコールのモル比が1.0以上であることを特徴とする水酸基を有する水系樹脂用架橋剤である。
さらに本発明は、水系樹脂がポリビニルアルコールまたはビニルアルコール単位を含む水系樹脂用架橋剤である。
従来の水酸基を有する水系樹脂用の架橋剤であるメラミン、尿素系架橋剤は、50℃以下の低温で反応させるためには、パラトルエンスルホン酸や塩酸などの酸性の触媒を多量に使用する必要がある。そのため水系樹脂と架橋剤と酸性触媒の3者混合物は、短時間でゲル化を起こし保存安定性に問題があった。また硼酸化合物は低温でも反応するが、架橋したフィルムは耐水性が低く、水で再溶解を起こしてしまう。本発明による水系樹脂の架橋剤は、水に対して安定であり、かつ反応性が高く、かつ水系樹脂と混合した液も保存安定性に優れた水酸基を有する水系樹脂用架橋剤である。
従来の架橋剤を用いた水系樹脂を使用して紙、プラスチックス、その他、熱をかけることが出来ない材料へのコーティング、接着をする場合には、保存安定性が不充分なためゲル化しない程度に少量ずつ調合して使用し、使い終わったら再度少量調合して使用する必要があり作業上問題であった。
本発明による架橋剤を使用した水系樹脂の架橋の場合には、低温においても架橋が十分に進み、かつ配合液の安定性が高く、作業上大きな利点となりうるものである。
ここで、組成物を構成する各成分の具体的実施の形態につき説明する。
本発明に記載されるチタンアルコキシド(A)は下記一般式(II)で表される。
Figure 0004487104
はアルキル基である。好ましいアルキル基の炭素数は1〜8の整数であり、nは1〜10の整数である。さらに具体的には、例えばテトライソプロピルチタネート、テトラn−プロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネート、テトラt−ブチルチタネート、テトライソブチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトライソオクチルチタネート、混合アルキルチタネートであるジイソプロピルジイソオクチルチタネート、イソプロピルトリイソオクチルチタネート、テトラアルキルチタネート単量体を縮合したテトラn−ブチルチタネート2量体、テトラn−ブチルチタネート4量体などである。無論ここに例示したものに限らないが、これらのチタンアルコキシドを単独または2種類以上混合して用いる事ができる。
脂肪族アミン(B)としては、次のようなものがある。例えば、アルキルアミンではメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン,t−ブチルアミン、n−アミルアミン、sec−アミルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジn−ブチルアミノ)プロピルアミンなどがあり、脂肪族環状アミンではピペリジン、ピロリジンなどがあり、アルコキシアルキルアミンとしては、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミンなどがあり、ヒドロキシアルキルアミンではN,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジn−ブチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどがあり、第四級アンモニウム水酸化物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラn−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラn−ブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどがある。無論ここに例示したものに限らないが、これら脂肪族アミンを単独または2種類以上混合して用いる事ができる。
脂肪族アミンの添加量はチタンアルコキシド1モルに対しに対して、0.3モル以上が必要であり、0.3モル未満ではグリコールを加えた後、水を添加すると、液が白濁、または長時間放置すると浮遊物が生じる場合がある。またアミンの添加量を多くすると、水性チタン組成物中のチタン濃度が低下するため、より好ましくは4モル以下の比率で添加する。
オキシカルボン酸(C)としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、グリセリン酸、オキシ酪酸などがある。無論ここに例示したものに限らないが、これらのオキシカルボン酸を単独または2種類以上混合して用いる事もできる。この中で特にリンゴ酸、乳酸、グリコール酸、クエン酸が好ましい。
オキシカルボン酸の添加量はチタンアルコキシド1モルに対しに対して、0.1モル以上が必要である。オキシカルボン酸の添加は水性チタン組成物を安定化させ、急激な反応を押さえる安定した作業性を与える。またオキシカルボン酸の添加量を多くすると、架橋剤中のチタン濃度が低下するため、より好ましくは10モル以下の比率で添加する。
グリコール(D)としては、次のようなものがある。たとえば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,3−ペンタンジオール、グリセリンなどがある。無論ここに例示したものに限らないが、これらグリコールを単独または2種類以上混合して用いる事ができる。
グリコールの添加量については、チタンアルコキシド1モルに対し1.0モル以上である。1.0モル以上であれば特に限定はないが、添加量を多くすると、架橋剤中のチタン濃度が低下するため、より好ましくは6.0モル以下の比率で添加する。
チタンアルコキシド、脂肪族アミン、グリコールの添加順序については特に限定はない。例えば、チタンアルコキシドに脂肪族アミンを加え、次にグリコールを加える方法、チタンアルコキシドにグリコールを加え、次に脂肪族アミンを加える方法、脂肪族アミンにグリコールを加え、次にチタンアルコキシドを加える方法などがある。これらの方法で製造した組成物に水を添加すれば、チタンを含んだ水溶液を作る事が出来る。
オキシカルボン酸の添加はチタンアルコキシド、脂肪族アミン、グリコールを反応させてから行う。この添加は直接上記のチタンアルコキシド、脂肪族アミン、グリコール反応生成物に加えても良く、上記チタンアルコキシド、アミン、グリコール反応液に水を加えた後に加えても良い。または、他の水溶液と上記チタンアルコキシド、脂肪族アミン、グリコール反応生成物を混ぜる場合には、グリコール酸をあらかじめ他の水溶液に加えておき、これと上記チタンアルコキシド、脂肪族アミン、グリコール反応生成物を混合しても良い。
水酸基を有する水系樹脂としては次の様なものがある。
ポリビニルアルコール樹脂では、完全ケン化型ポリビニルアルコール、部分ケン化型ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールなどがある。
ビニルアルコール単位を含む樹脂としては、エチレンなどのオレフィン類と酢酸ビニルを共重合しその後ケン化して製造されており、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物などがある。
セルロース系樹脂では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等がある。
水酸基を有するアクリル系樹脂は、水酸基を有するアクリル系モノマーを、他のアクリル系モノマーまたは他のエチレン性二重結合を有するモノマーと共重合したものである。アクリル系樹脂に使用される水酸基を有するモノマーとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシイソプロピルアクリレート、ヒドロキシn−ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシイソプロピルメタクリレート、ヒドロキシn−ブチルメタクリレート等が挙げられる。もちろんこれらのアクリル系樹脂には、水酸基の他にカルボキシル基、アミド基やアミノ基などの官能基を有するモノマーが共重合されていても良い。
水酸基を有するポリエステル樹脂は、水酸基を含む原料として、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、4ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどを使用し、この水酸基が水系のポリエステル系樹脂に水酸基を付与する。
エポキシ樹脂も水酸基を含むものがあるが、この水酸基は例えばビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によるエポキシ樹脂が当初から有するものや、エポキシ樹脂とカルボン酸などの開環反応により生じるものなどである。上記の水系樹脂の中でも、特にポリビニルアルコール樹脂、またはビニルアルコール骨格を含む樹脂が好ましい。
これらの水系樹脂の形態は、水または水を含む溶媒に完全に水に溶解しているいわゆる水溶性樹脂、エマルジョン、ディスパージョンなどの様に水に分散した樹脂、これらの形態の樹脂と水酸基を有しない樹脂とが2種以上混ざったものでもよい。例えば、ポリビニルアルコールを保護コロイドとした酢酸ビニルエマルジョンやアクリルエマルジョンなどは、水酸基を有する樹脂と水酸基を有しない樹脂とが混ざったものである。
以下に本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
ポリビニルアルコール水溶液の調整
ポリビニルアルコールとして「ゴーセノール」N−300(日本合成化学工業(株)社製)を用い5%水溶液を調整した。
(1)成膜方法
5%ポリビニルアルコール水溶液100重量部に対し、チタン水溶液を所定量加え、混合した。その後径が10cmのポリプロピレンのカップに約5g測り取り、105℃で2時間、または40℃で16時間乾燥し、均一な膜を得た。
(2)評価方法
不溶化率の測定:100mLのビーカーに成膜した膜と約50mLの水を入れ、1時間煮沸し、室温において濾紙を使用し不溶分を濾別する。その後、105℃にて2時間乾燥し、濾紙と不溶分の質量を測定する。
不溶化率(%)=「(c−b)/a]×100
ここで、a=試験前の膜の質量(g)
b=濾紙の質量(g)
c=濾紙+不溶分の質量(g)
窒素で置換された四つ口フラスコにテトライソプロピルチタネートを28.4g(0.1モル)仕込み、攪拌しながらトリエタノールアミン29.8g(0.2モル)を30分かけて加えた。続いて1,2−エタンジオールを12.4g(0.2モル)を攪拌しながら60分かけて加え、さらに60℃で120分保ち透明な液体を得た。これに水を36.0g(2.0モル)加え充分攪拌後、90%の乳酸水溶液40.0g(乳酸として0.4モル)を加えて40℃で60分保ち透明なチタンを含む水溶液を得た。得られた水溶液は沈殿物、浮遊物を生じず透明であった。この水溶液にさらに水を加えチタン含有率を2.0%とした。このチタン水溶液を4.2g取り、5%のポリビニルアルコール水溶液100gに加え配合液を得た。この配合液5gをポリプロピレンのカップ中にとり、105℃で2時間と40℃で16時間の2条件で加熱し成膜後、各の不溶化率を測定した。また配合液を室温で5日間保存し安定性を調べた。
実施例1と同様にして、テトライソプロピルチタネートを28.4g(0.1モル)、25%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を36.4g(テトラエチルアンモニウムヒドロキシドとして0.1モル)、1,2−プロパンジオール30.4g(0.4モル)、70%のグリコール酸水溶液43.4g(グリコール酸として0.4モル)、および水を加えチタン含有率を2.0%とし、これを4.2g取り、5%のポリビニルアルコール水溶液100gに加え配合液を得た。この配合液5gをポリプロピレンのカップ中にとり、105℃で2時間と、40℃で16時間の2条件で加熱し成膜後、各の不溶化率を測定した。また配合液を室温で5日間保存し安定性を調べた。
実施例1と同様にして、テトライソプロピルチタネートを28.4g(0.1モル)、ジエチルアミンエチルアミンを28.4g(0.3モル)、1,2−プロパンジオール30.4g(0.4モル)、および水を加えてチタン含有率を2.0%とし、これを4.2g取り、5%のポリビニルアルコール水溶液100gに加え配合液を得た。この配合液5gをポリプロピレンのカップ中にとり、105℃で2時間と40℃で16時間の2条件で加熱し成膜後、各の不溶化率を測定した。また配合液を室温で5日間保存し安定性を調べた。
比較例1
水溶性メラミン樹脂(三井サイテック(株)製:サイメル303)を架橋剤として使用してポリビニルアルコールを硬化させた。配合は5%のポリビニルアルコール水溶液100gに対し、メラミン樹脂0.56g、酸性硬化触媒(三井サイテック(株)社製:キャタリスト600)0.17gを混合し配合液を得た。この配合液5gをポリプロピレンのカップ中にとり、105℃で2時間と40℃で16時間の2条件で加熱し成膜後、各の不溶化率を測定した。また配合液を室温で5日間保存し安定性を調べた。
比較例2
水溶性メラミン樹脂(三井サイテック(株)製:サイメル303)を架橋剤として使用してポリビニルアルコールを硬化させた。配合は5%のポリビニルアルコール水溶液100gに対し、メラミン樹脂1.25g、酸性硬化触媒(三井サイテック(株)社製:キャタリスト600)0.31gを混合し配合液を得た。この配合液5gをポリプロピレンのカップ中にとり、105℃で2時間と40℃で16時間の2条件で加熱し成膜後、各の不溶化率を測定した。また配合液を室温で5日間保存し安定性を調べた。
比較例3
硼砂を架橋剤として使用しポリビニルアルコールを硬化させた。配合は5%のポリビニルアルコール水溶液100gに対し、0.5%の硼砂水溶液を7g加え混合し、この配合液5gをポリプロピレンのカップ中にとり、105℃で2時間と40℃で16時間の2条件で加熱し成膜後、各の不溶化率を測定した。また配合液を室温で5日間保存し安定性を調べた。
結果を表1に示す。表1から、実施例1、2および3の水性チタン架橋剤では100℃、40℃とも不溶化率が高くかつ保存安定性が高いのに対し、比較例1では保存安定性はあるが不溶化率が低く、比較例2ではメラミン樹脂および酸性硬化触媒を増し反応性を上げ不溶化率を高めると、架橋剤を混合したポリビニルアルコールはゲル化しやすくなり保存安定性に問題を生じる。比較例3の硼砂使用の場合には、安定性および不溶化率が非常に低く、不溶化率と安定性のバランスが取れない。
Figure 0004487104
実施例1と同様にして、テトライソプロピルチタネートを28.4g(0.1モル)に、トリエタノールアミン29.8g(0.2モル)を30分かけて加えた。続いて1,2−プロパンジオールを30.4g(0.4モル)を攪拌しながら60分かけて加え、さらに60℃で120分保ち透明な液体を得た。これに水を加えてチタン含有率が3.0%の水溶液とした。得られた水溶液は沈殿物、浮遊物はなく透明であった。一方、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物(日本合成化学工業(株)製:ソアノール16DX)を水/n−プロピルアルコールの1対1溶液で5%に希釈し、これを100gとり実施例4で作ったチタン水溶液を2.8g加えた。この液は5日後もゲル化せず安定であった。この液を径が10cmのポリプロピレンのカップに5gとり105℃で2時間乾燥し、成膜後不溶化率を測定した。不溶化率の測定には、成膜後のフィルムをフラスコに入れ、水/i−プロピルアルコールの1対1溶液を加え90℃の浴中で加熱し、ポリビニルアルコールの不溶化率と同様に測定した。表2に結果を示す。
実施例1と同様にして、テトライソプロピルチタネートを28.4g(0.1モル)に、25%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を36.4g(テトラエチルアンモニウムヒドロキシドとして0.1モル)を30分かけて加えた。続いて1,2−プロパンジオール30.4g(0.4モル)を攪拌しながら60分かけて加え、さらに60℃で120分保ち、これに水を加えてチタン含有率が3.0%の水溶液とした。得られた水溶液は沈殿物、浮遊物はなく透明であった。実施例4と同様にして、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物(日本合成化学工業(株)製:ソアノール16DX)を水/n−プロピルアルコールの1対1溶液で5%に希釈し、これを100gとり、実施例5で作ったチタン水溶液2.8g加え不溶化率の測定をした。表2に結果を示す。
Figure 0004487104

Claims (3)

  1. チタンアルコキシド(A)と、脂肪族アミン(B)と、一般式(I)
    Figure 0004487104
    (式中、R、R、R、Rはそれぞれ水素、アルキル基、ヒドロキシアルキル基のいずれかである)で表されるグリコール(D)からなり、チタンアルコキシドに対し脂肪族アミンのモル比が0.3以上であり、かつチタンアルコキシドに対し一般式(I)で表されるグリコールのモル比が1.0以上であることを特徴とする水酸基を有する水系樹脂の架橋剤。
  2. チタンアルコキシド(A)と、脂肪族アミン(B)と、オキシカルボン酸(C)と、一般式(I)
    Figure 0004487104
    (式中、R、R、R、Rはそれぞれ水素、アルキル基、ヒドロキシアルキル基のいずれかである)で表されるグリコール(D)からなり、チタンアルコキシドに対し脂肪族アミンのモル比が0.3以上であり、チタンアルコキシドに対しオキシカルボン酸のモル比が0.1以上であり、かつチタンアルコキシドに対し一般式(I)で表されるグリコールのモル比が1.0以上であることを特徴とする水酸基を有する水系樹脂の架橋剤。
  3. 水系樹脂がポリビニルアルコール、またはビニルアルコール単位を含む樹脂である請求項1または請求項2に記載の水系樹脂の架橋剤。
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