JP4484742B2 - 電子写真感光体、乾式現像用画像形成装置及び湿式現像用画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、乾式現像用画像形成装置及び湿式現像用画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、乾式現像用画像形成装置及び湿式現像用画像形成装置に関する。特に、正孔輸送剤として、特定のアミン化合物を用いることにより、長期間にわたって、優れた感度特性及び帯電特性を示すことができる電子写真感光体、乾式現像用画像形成装置及び湿式現像用画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置等の電子写真感光体として、結着樹脂(バインダー樹脂)、電荷発生剤、および電荷輸送剤(正孔輸送剤、電子輸送剤)等からなる有機感光体(OPC)が使用されている。かかる有機感光体は、従来の無機感光体に比べて、製造が容易であるとともに、感光体材料の選択肢が多様であることから、構造設計の自由度が高いという利点がある。
しかしながら、電子写真感光体の高感度化、高耐久性が要求されるなかで、その電気的特性、例えば、帯電特性、光応答性、残留電位等、が不十分であるという問題が見られた。
そこで、正孔輸送剤として用いられる、電荷移動度の高い化合物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
(一般式(37)中のR11はそれぞれ独立にフェニル基、トリル基又はベンジル基を示す。)
特許第2651691号
しかしながら、特許文献1に記載された正孔輸送剤は、主に有機半導体に使用されており、電子写真感光体の正孔輸送剤の用途としては特に言及されていなかった。
そこで、本発明者らは、特定のアミン化合物を電子写真感光体の正孔輸送剤として使用することにより、感度特性に優れるという事実を見出した。さらに、かかるアミン化合物を含む電子写真感光体を、乾式現像剤、あるいは湿式現像剤を用いたそれぞれの画像形成装置に使用するできることを見出し、それぞれの特性を生かし鮮明な画像を提供することを可能にし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、感度特性及び帯電特性に優れた電子写真感光体、そのような電子写真感光体を備えた乾式現像用画像形成装置、及び湿式現像用画像形成装置を提供することにある。
本発明によれば、少なくとも結着樹脂と、正孔輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた電子写真感光体であって、正孔輸送剤として、下記一般式(1)で表されるアミン化合物を含むことを特徴とする電子写真感光体が提供され、上述した問題を解決することができる。
(一般式(1)中の複数のAr1 は、2箇所のオルト位にメチル基および炭素数2〜5のアルキル基をそれぞれ有するアリール基であり、Ar2は、それぞれ独立した炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基であり、その置換基はハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、または炭素数2〜30の不飽和炭化水素基であり、複数のR1〜R3はそれぞれ独立した置換基であり、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換又は非置換のアルキル基、炭素数6〜30の置換または非置換のアリール基、炭素数2〜20の置換または非置換の不飽和炭化水素基、置換又は非置換のアミノ基、あるいは、複数のR1〜R3のうち隣り合ういずれか2つが結合又は縮合して形成した炭素環構造であり、繰り返し数a〜cは0〜4の整数である。)
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、一般式(1)中のAr2が、一般式(2)で表される不飽和炭化水素基を有するアリール基であることが好ましい。
(一般式(2)中のR4は水素原子、炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基であり、R5は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基、あるいは複数のR5のうち隣り合ういずれか2つが結合又は縮合して形成した炭素環構造であり、繰り返し数dは0〜5の整数であり、eは0〜2の整数である。)
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、正孔輸送剤の分子量を800以上の値とすることが好ましい。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、感光体が、単層型または積層型であることが好ましい。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、単層型の感光体層を有する場合、さらに電子輸送剤を含み、当該電子輸送剤分子量を600以上の値とするがこと好ましい。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、かかる感光体が乾式現像剤または湿式現像剤を用いた電子写真画像形成装置に用いられることが好ましい。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、結着樹脂が、一般で表されるポリカーボネート樹脂であることが好ましい。
(一般式(3)中の複数のR6、及びR7は、それぞれ独立した置換基であり、水素原子、炭素数1〜5の置換又は非置換のアルキル基であり、Xは、単結合、−O−、−CO−であり、かつ、f/(f+g)で表されるモル比が0.05〜0.6の範囲内の値である。)
また、本発明の別の態様は、上述した電子写真感光体を備えるとともに、かかる感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を実施するための部位をそれぞれ配置し、かつ、現像工程において、乾式現像剤を用いて画像形成を行うことを特徴とする乾式現像用画像形成装置である。
また、本発明の別の態様は、上述したいずれかの電子写真感光体を備えるとともに、かかる感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を実施するための部位をそれぞれ配置し、かつ、現像工程において、炭化水素系溶媒にトナーを分散した液体現像剤を用いて画像形成を行うことを特徴とする湿式現像用画像形成装置である。
本発明の電子写真感光体によれば、正孔輸送剤として、一般式(1)で表される特定のアミン化合物を正孔輸送剤として使用することにより、感度特性及び帯電特性に優れた電子写真感光体を提供することができる。
すなわち、かかるアミン化合物を正孔輸送剤として使用することにより、結着樹脂との相溶性が高いため、感光体層中に均一に分散されるため優れた感度特性及び帯電特性を維持することができる。
また、本発明の電子写真感光体によれば、一般式(1)中のAr2が一般式(2)で表される不飽和炭化水素基を有するアリール基であることから、かかるアミン化合物と結着樹脂との相溶性がさらに向上し、さらに優れた感度特性及び帯電特性を得ることができる。
また、本発明の電子写真感光体によれば、正孔輸送剤の分子量を所定範囲内の値とすることにより、結着樹脂との相溶性にさらに優れ、感光体中に均一に分散されるため、優れた感度特性及び帯電特性を得ることができる。また、正孔輸送剤の分子量を所定範囲内の値とすることにより、正孔輸送剤の結晶化を有効に防ぐことができる。
また、本発明の電子写真感光体によれば、感光体層を単層型にすることにより、構成や製造が容易になる。
したがって、電子写真感光体が単層型であることにより、長時間にわたって所定感度及び所定帯電特性を有する電子写真感光体を効率よく製造することができる。
また、感光体層を積層型にすることにより、感光体材料の選択肢が多様であり、感度特性、耐久性など、任意の特性を有する電子写真感光体を比較的容易に作成することができるという利点がある。
したがって、電子写真感光体が積層型であることにより、感度特性及び帯電特性に特に優れた電子写真感光体を効率よく製造することができる。
また、本発明の単層型電子写真感光体によれば、所定分子量の電子輸送剤をさらに含むことにより、電荷発生剤及び正孔輸送剤との電荷の移動が容易になり、電荷移動度がより速くなり感度特性がさらに優れた単層型電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明の電子写真感光体によれば、かかる感光体が乾式現像剤または湿式現像剤を用いた電子写真画像形成装置で、それぞれの特性を活かして鮮明な画像を形成することが可能である。そのため、かかる感光体は広い分野での利用が可能になり、コストを削減することができる。
また、本発明の電子写真感光体によれば、結着樹脂が一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂であることにより、炭化水素系溶媒に対して難溶であるとともに、撥油性も高いため、感光体層表面と前述の炭化水素系溶媒との相互作用が小さくなって、長期間にわたって、感光体層表面の外観変化が少なくできる。
また、本発明の乾式現像用画像形成装置によれば、上述したいずれかの電子写真感光体を備えることにより、感度特性及び帯電特性に優れ、鮮明な画像形成が可能な画像形成装置を得ることができる
また、本発明の湿式現像用画像形成装置によれば、上述したいずれかの電子写真感光体を備えることにより、湿式現像液に長時間浸漬した場合であっても、電荷輸送剤等の溶出量が少なく、かつ、感度特性にも優れた湿式現像用電子写真感光体を備えた画像形成装置を提供することができる。
したがって、湿式現像用画像形成装置に、このような湿式現像用電子写真感光体を備えることにより、長時間にわたって鮮明な画像を提供することができる。
以下、本発明の電子写真感光体、電子写真感光体を備えた乾式現像用画像形成装置、及び湿式現像用画像形成装置に関する実施の形態を、それぞれ適宜図面を参照しながら、具体的に説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、結着樹脂と、正孔輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた電子写真感光体であって、正孔輸送剤として、下記一般式(1)で表されるアミン化合物を含む乾式現像用電子写真感光体である。
(一般式(1)中の複数のAr1 は、2箇所のオルト位にメチル基および炭素数2〜5のアルキル基をそれぞれ有するアリール基であり、Ar2は、それぞれ独立した炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基であり、その置換基はハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、または炭素数2〜30の不飽和炭化水素基であり、複数のR1〜R3はそれぞれ独立した置換基であり、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換又は非置換のアルキル基、炭素数6〜30の置換または非置換のアリール基、炭素数2〜20の置換または非置換の不飽和炭化水素基、置換又は非置換のアミノ基、あるいは、複数のR1〜R3のうち隣り合ういずれか2つが結合又は縮合して形成した炭素環構造であり、繰り返し数a〜cは0〜4の整数である。)
ここで、電子写真感光体には、単層型と積層型とがあるが、本発明の電子写真感光体は、いずれにも適用可能である。
電子写真感光体を単層型にすることにより、正負いずれの帯電性にも使用でき、構造が簡単で製造が容易であり、感光体層を形成する際の被膜欠陥を抑制することができる。また、層間の界面が少なく、光学的特性を向上することができる。したがって、電子写真感光体を単層型にすることにより、長期間にわたって所定感度及び帯電特性を有する電子写真感光体を効率よく製造することができる。
また、電子写真感光体を積層型にすることにより、感光体材料の選択肢が多様であり、感度特性、耐久性など、任意の特性を有する電子写真感光体を比較的容易に作成することができるという利点がある。
したがって、電子写真感光体が積層型であることにより、感度特性及び帯電特性に特に優れた電子写真感光体を効率よく製造することができる。
1.単層型感光体
(1)基本的構成
図1(a)に示すように、単層型感光体10は、導電性基体12上に単一の感光体層14を設けたものである。
この感光体層は、例えば、一般式(1)で表される正孔輸送剤と、結着樹脂と、電荷発生剤と、さらに必要に応じて電子輸送剤、レベリング剤等を適当な溶媒に溶解又は分散させ、得られた塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。かかる単層型感光体は、単独の構成で正負いずれの帯電型にも適用可能であるとともに、層構成が簡単であって、生産性に優れているという特徴がある。
(2)正孔輸送剤
(2)−1 種類
正孔輸送剤として、一般式(1)で表されるアミン化合物を含有することを特徴とする。
この理由は、一般式(1)で表されるように分子内に3つのトリアリールアミン構造を有することにより、分子量が比較的大きいにもかかわらず、結着樹脂との相溶性に優れており、電荷移動度が大きく、長時間にわって優れた感度特性及び帯電特性を提供することができる。したがって、電子写真感光体における正孔輸送剤として使用することにより、感光体層中に均一に分散されるため、均一な厚さの成膜が可能になって、長時間にわって所定感度を有する電子写真感光体を提供することができる。
また、一般式(1)中のAr 1 が、2箇所のオルト位にメチル基および炭素数2〜5のアルキル基をそれぞれ有するアリール基であることを特徴とする。
この理由は、一般式(1)中のAr1の所定位置に所定の置換基を有することにより、感光体の塗布液に用いられる溶剤への溶解性、及び結着樹脂との相溶性に優れており、長期間使用した場合においても、安定した電気特性を維持することができる。また、このような構造であれば、比較的導入が容易であるため、かかるアミン化合物を比較的高い収率で生産することができる。
また、正孔輸送剤として、一般式(1)中のAr2が、一般式(4)で表される不飽和炭化水素基を有するアリール基であることが好ましい。
この理由は、一般式(1)中のAr2の所定位置に一般式(4)で表される置換基を有することにより、分子内共役を広げることができ、その結果、電子写真感光体における正孔輸送剤として使用した場合に、安定性や耐久性を向上させるとともに、さらに長期間にわたって優れた感度特性及び帯電特性を示すことができるためである。
(一般式(4)中のR8及びR9は、それぞれ独立した置換基であり、水素原子、炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基、あるいはR8及びR9が結合又は縮合して形成した炭素環構造であり、繰り返し数hは0〜2の整数である。)
また、正孔輸送剤として、一般式(1)中のAr2が、一般式(2)で表される不飽和炭化水素基を有するアリール基であることがより好ましい。
この理由は、一般式(1)中のAr2の所定位置に一般式(2)で表される置換基を有することにより、分子内共役をさらに広げることができ、その結果、電子写真感光体における正孔輸送剤として使用した場合に、安定性や耐久性を向上させるとともに、さらに長期間にわって優れた感度特性及び帯電特性を示すことができるためである。
(一般式(2)中のR4は水素原子、炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基であり、R5は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基、あるいは複数のR5のうち隣り合ういずれか2つが結合又は縮合して形成した炭素環構造であり、繰り返し数dは0〜5の整数であり、eは0〜2の整数である。)
また、正孔輸送剤として、一般式(1)で表されるアミン化合物の分子量を800以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる分子量の正孔輸送剤であれば、結着樹脂との相溶性が良好であるとともに、電荷移動度が高いため、長期間使用した場合であっても電気的特性を提供できるためである。
なお、正孔輸送剤の分子量は、Chem Draw Std version8(Cambridge Soft社製)を用いて化学構造式を元に算出することもできるし、あるいはマススペクトルを用いて算出することができる。
(2)−2 具体例
また、一般式(1)で表されるアミン化合物の具体例として、下記構造式(5)〜(6)及び(9)〜(10)で表されるアミン化合物(HTM−A〜B及びE〜F)を示す。
また、従来公知の正孔輸送剤を併用することも好ましい。かかる正孔輸送剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物や、縮合多環式化合物が挙げられる。
(2)−3 製造方法
また、本発明の電子写真感光体に使用される正孔輸送剤のうち、式(9)で表されるアミン化合物(HTM−E)の製造方法は、下記反応式(1)に示されるように合成することが好ましい。
また、本発明の電子写真感光体に使用される正孔輸送剤のうち、式(9)で表されるアミン化合物を製造するにあたり、下記の工程(1)〜(4)を含むことが好ましい。
工程(1): 式(11)で表される4−ブロモベンジルブロミドと、亜リン酸トリエステルとを無溶媒又は溶媒中で反応させて、式(12)で表されるリン酸エステル誘導体を得る工程。
工程(2): 式(12)で表されるリン酸エステル誘導体と、式(13)で表されるジフェニルアセトアルデヒドとを無水溶媒中で、塩基の存在下で反応させて、式(14)で表されるブロモベンジル誘導体を得る工程。
工程(3): 式(14)で表されるブロモベンジル誘導体と、式(15)で表されるアニリン誘導体とを非極性溶媒中で、塩基存在下でホスフィン類及びパラジウム化合物を添加し、反応させて、式(16)で表されるアニリン誘導体を得る工程。
工程(4): 式(16)で表されるアニリン誘導体と、式(17)で表されるトリヨードトリフェニルアミンとを、無溶媒又は高沸点の溶媒中で、銅触媒及び塩基を添加し、反応させて、式(9)で表されるアミン化合物を得る工程。
また、工程(1)で用いられる式(11)で表される4−ブロモベンジルブロミドと、亜リン酸トリエステルとは、通常モル比で、1:0.5〜1:2.0の範囲の値で反応させることが好ましく、1:1.0〜1:1.5の範囲の値で反応させることがより好ましい。
また、反応条件は、通常80〜150℃程度の温度範囲で、1〜4時間程度の反応を行うことが好ましい。
また、溶媒は、反応に影響を及ぼさないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミドが挙げられる。
また、工程(1)において、第3級アミンを添加することが好ましい。この理由は、かかる工程に第3級アミンを添加すると、反応系からハロゲン化アルキルが除去されて、反応が促進するためである。かかる第3級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン等が挙げられる。
また、工程(2)で用いられる式(12)で表されるリン酸エステル誘導体と、式(13)ジフェニルアセトアルデヒドとは、通常モル比で、1:0.5〜1:2.0の範囲内の値で反応させることが好ましく、1:0.9〜1:1.5の範囲内の値で反応させることがより好ましい。
また、反応条件は、通常−10〜25℃程度の温度範囲で、3〜12時間低度の反応を行うことが好ましい。
また、溶媒は、反応に影響を及ぼさないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が挙げられる。
また、塩基は、例えば、ナトリウムメトキシド等のナトリウムアルコキシド、水素化ナトリウム等の金属水素化物が挙げられる。また、かかる塩基の使用量は、式(12)で表されるリン酸エステル誘導体1モルに対して2〜4倍モル当量を添加することがこのましく、2〜2.5倍モル当量を添加することがより好ましい。
また、工程(3)で用いられる式(14)で表されるブロモベンジル誘導体と、式(15)で表されるアニリン誘導体とは、通常モル比で、1:0.3〜1:3.0の範囲内の値で反応させることが好ましく、1:0.8〜1:1.5の範囲内の値で反応させることがより好ましい。
また、反応条件は、通常80〜150℃程度の温度範囲で、10分間〜24時間程度の反応を行うことが好ましい。
また、非極性溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
また、塩基をとしては、例えば、ナトリウム−ter−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等があげられる。また、かかる塩基の使用量は式(14)で表されるブロモベンジル誘導体1モルに対して、0.5〜10倍モル当量を添加することが好ましく、1.0〜3.0倍モル当量を添加することがより好ましい。
また、ホスフィン類としては、例えば、エチルホスフィン、ジエチルホスフィン、プロピルホスフィン、トリメチルフォスフィン等が挙げられる。またかかるホスフィン類の使用量は、式(14)で表されるブロモベンジル誘導体1モルに対して0.01〜10倍モル当量を添加することが好ましく、0.05〜1.0倍モル当量を添加することがより好ましい。
また、パラジウム化合物としては、例えば、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、パラジウムアセチルアセトナート等が挙げられる。またかかるパラジウム化合物の使用量は、式(14)で表されるブロモベンジル誘導体1モルに対して0.001〜5倍モル当量を添加することが好ましく、0.01〜0.5倍モル当量を添加することがより好ましい。
また、工程(4)で用いられる式(16)で表されるアニリン誘導体と、式(17)で表されるトリヨードトリフェニルアミンとは、通常モル比で、1:0.3〜1:2.0の範囲内の値で反応させることが好ましく、1:0.5〜1:1.2の範囲内の値で反応させることがより好ましい。
また、反応条件は、通常150〜260℃程度の温度範囲で、1〜24時間程度の反応を行うことが好ましい。
また、非極性溶媒としては、例えば、テトラニン、ニトロベンゼン、トリクロロベンゼン等が挙げられる。
また、塩基をとしては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。また、かかる塩基の使用量は式(16)で表されるアニリン誘導体1モルに対して、0.5〜10倍モル当量を添加することが好ましく、1.0〜3.0倍モル当量を添加することがより好ましい。
また、銅触媒としては、例えば、銅、ヨウ化銅等が挙げられる。またかかる銅触媒の使用量は、式(16)で表されるアニリン誘導体1モルに対して0.01〜10倍モル当量を添加することが好ましく、0.05〜5.0倍モル当量を添加することがより好ましい。
(2)−4 添加量
正孔輸送剤の添加量に関し、結着樹脂100重量部に対して、10〜80重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる正孔輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる正孔輸送剤の添加量が80重量部を超えた値になると、正孔輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、かかる正孔輸送剤の添加量を30〜70重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
(3)結着樹脂
各成分を分散させるための結着樹脂は、従来より感光層に使用されている種々の樹脂を使用することができる。例えばスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂;エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の樹脂が使用可能である。
特に、ポリカーボネート樹脂は、透明性や耐熱性に優れているばかりか、機械的特性や正孔輸送剤との相溶性にも優れていることから好ましい結着樹脂である。
(4)電子輸送剤
(4)−1 種類
また、電子輸送剤をさらに含むとともに、かかる電子輸送剤の分子量を600以上の値とすることが好ましい。この理由は、かかる分子量がこのような値以上であれば、低電界での電子輸送性や結着樹脂との相溶性にも優れ、感度特性及び耐久性に優れた電子写真感光体を提供することができるためである。
また、本発明の電子写真感光体によれば、電子輸送剤の種類として、ナフタレンカルボン酸ジイミド誘導体、ナフトキノン誘導体、及びアゾキノン誘導体からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。
この理由は、電子輸送剤として、特定の化合物を使用することにより、電子受容性に優れており、感度特性に優れた電子写真感光体を提供することができるためである。
これらの電子輸送剤の具体例として、下記式(18)〜(23)で表される化合物(ETM−A〜F)が挙げられる。
また、従来公知の電子輸送剤を併用することも好ましい。かかる電子輸送剤の種類としては、ジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体のほか、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等の電子受容性を有する種々の化合物が挙げられ、1種単独又は2種以上をブレンドして使用することが好ましい。
また、これらの化合物のうち、樹脂60重量%に対して、濃度40重量%に調整した場合であって、電界強度が5×105v/cmにおける電子移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上である電子輸送剤がより好ましい。
(4)−2 添加量
また、電子輸送剤の添加量に関し、結着樹脂100重量部に対して、電子輸送剤の添加量を、10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、電子輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる複数の電子輸送剤の添加量が100重量部を超えた値になると、電子輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、電子輸送剤の添加量を20〜80重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、電子輸送剤の添加量を定めるにあたり、前述した正孔輸送剤の添加量を考慮することが好ましい。より具体的には、電子輸送剤(全ETM)の添加割合(全ETM/全HTM)を、正孔輸送剤(全HTM)に対して、0.25〜1.3の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる全ETM/全HTMの比率がかかる範囲外の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。
したがって、かかる全ETM/全HTMの比率を0.5〜1.25の範囲内の値とすることがより好ましい。
(5)電荷発生剤
(5)−1 種類
本発明の電子写真感光体に使用される電荷発生剤としては、無金属フタロシアニン(τ型又はx型)、チタニルフタロシアニン(α型又はY型)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)、及びクロロガリウムフタロシアニン(II型)からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。
この理由は、電荷発生剤の種類を特定することにより、正孔輸送剤等を併用した場合に、感度特性、電気特性及び安定性等がより優れた電子写真感光体を提供することができるためである。
(5)−2 具体例
これらの電荷発生剤のうち、具体的に、下記式(24)〜(27)で表されるフタロシアニン系顔料(CGM−A〜CGM−D)を使用することがより好ましい。
また、従来公知の電荷発生剤を使用することも好ましい。かかる電荷発生剤の種類としては、オキソチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料といった有機光導電体や、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンといった無機光導電剤料等の一種単独又は二種以上の混合物が挙げられる。
(5)−3 添加量
また、電荷発生剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、0.2〜40重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる複数の電荷発生剤の添加量が0.2重量部未満の値になると、量子収率を高める効果が不十分となり、電子写真感光体の感度、電気特性、安定性等を向上させることができなくなるためである。一方、かかる複数の電荷発生剤の添加量が40重量部を超えた値になると、赤色及び赤外ないし近赤外領域に吸収波長を有する光に対する吸光係数が低下して、感光体の感度、電気特性、安定性等がそれに伴い低下する場合があるためである。
したがって、電荷発生剤の添加量を0.5〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
(6)添加剤
また、感光体層には、上記各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光体層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を併用してもよい。
(7)構造
また、単層型感光体における感光体層の厚さは、通常、5〜100μmの範囲内の値であり、好ましくは10〜50μmの範囲内の値である。
そして、このような感光体層が形成される導電性基体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属や、これらの金属が蒸着又はラミネートされたプラスチック材料、カーボンブラック等の導電性微粒子が分散されてなるプラスッチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等があげられる。
また、導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電性基体は、使用に際して十分な機械的強度を有するものが好ましい。
また、単層型の構成に関して、図1(b)に示すように、導電性基体12と感光層14との間に、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層16が形成されている感光体10´でもよい。また、図1(c)に示すように、感光層14の表面には、保護層18が形成されている感光体10´´でもよい。
(8)製造方法
単層型感光体を製造するにあたり、結着樹脂と、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、さらに必要に応じて電子輸送剤と、を溶媒に添加して、分散混合し、塗布液とする。すなわち、単層型感光体を塗布方法により形成する場合には、例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂等を適当な溶剤とともに、公知の方法、例えばロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合して分散液を調整し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。
より具体的には、固形分濃度が10〜30重量%の塗布液を作成することが好ましい。この理由は、塗布液の固形分濃度は10重量%未満の値になると、被膜欠陥を生じるおそれがあるためであり、一方、塗布液の固形分濃度は30重量%を超えると、層むらが生じやすくなり、感光体として均一な厚さを有する薄膜を形成することが困難となる場合があるためである。
また、塗布液を作るための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能である。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル,ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。また、これらの溶剤は1種単独又は2種以上を混合して用いられる。
さらに、塗布液中に、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性や感光体層表面の平滑性を良好なものとするために、界面活性剤やレベリング剤等を添加してもよい。
2.積層型感光体
(1)基本的構成
図2(a)に示すように、積層型電子写真感光体20は、基体12上に、蒸着または塗布等の手段によって、電荷発生剤を含有する電荷発生層24を形成し、次いでこの電荷発生層24上に、一般式(1)で表される化合物(正孔輸送剤)等の少なくとも1種と、結着樹脂を含む塗布液を塗布し、それを乾燥させて電荷輸送層22を形成することによって作製することができる。
また、上記構造とは逆に、図2(b)に示すように、基体12上に電荷輸送層22を形成し、その上に電荷発生層24を形成してもよい。
ただし、電荷発生層24は、電荷輸送層22に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには、図2(a)に示すように、電荷発生層24の上に電荷輸送層22を形成することがより好ましい。
また、積層型電子写真感光体は、上記電荷発生層および電荷輸送層の形成順序と、電荷輸送層に使用する電荷輸送剤の種類によって、正負いずれの帯電型となるかが選択される。
また、積層型の電子写真感光体であれば、感光体の残留電位が大きく低下しており、感度を向上させることができる。
また、積層型電子写真感光体における感光体層の厚さに関しては、電荷発生層が0.01〜5μm程度、好ましくは0.1〜3μm程度であり、電荷輸送層が2〜100μm、好ましくは5〜50μm程度である。
そして、このような感光体層が形成される基体としては、上述した単層型電子写真感光体の基体と同様のものを用いることができる。
また、図2(c)に示すように、感光体層を形成する前に、かかる基体12上に、中間層25を予め形成しておくことも好ましい。この理由は、かかる中間層25を設けることによって、基体側の電荷が容易に感光体層へ注入されるのを防ぐと共に、感光体層を基体12上に強固に結着させ、基体12における表面上の欠陥を被覆し平滑化することができるためである。
さらに、基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、基体は、アルミニウム等のように、使用に際して十分な機械的強度を有するとともに、軽量であることが好ましい。
(2)種類
本発明の積層型電子写真感光体を構成するにあたり、電荷発生剤、正孔輸送剤、結着樹脂等の種類については、上述した単層型電子写真感光体と基本的に同様の内容とすることができる。
また、本発明の積層型電子写真感光体に使用される電荷発生剤のうち、上記式(25)で表されるチタニルフタロシアニン(Y型)は、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、少なくともブラック角2θ±0.2°=27.2°に最大ピークを有するとともに、26.2°にピークを有さず、かつ示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴うピーク以外は、50℃から400℃までの温度変化のピークを有しないことが好ましい。
この理由は、チタニルフタロシアニン(Y型)が上述した物性を満たすことにより、有機溶媒中でのかかるチタニルフタロシアニンの結晶の安定性に優れており、結晶転移を抑えることができるためである。このようなチタニルフタロシアニン(Y型)を感光体塗布液に用いることにより、長期間にわたって良好な感度特性を維持する積層型電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明の電子写真感光体に使用される電荷発生剤のうち、式(25)で表されるチタニルフタロシアニン(Y型)の製造方法は、下記の工程(5)と(6)を含むことが好ましい。
工程(5): チタニルフタロシアニン化合物を水溶性有機溶媒中に加え、加熱下で一定時間、撹拌処理し、次いで前記撹拌処理よりも低温の温度条件下で一定時間、液を静置して安定化処理する顔料化前処理の工程
工程(6): 前記水溶性有機溶媒を除去して得たチタニルフタロシアニン化合物の粗結晶を溶媒に溶解したのち、この溶液を貧溶媒中に滴下してチタニルフタロシアニン化合物を再結晶させ、次いで水の存在下、非水系溶媒中でミリング処理する顔料化の工程
また、かかるチタニルフタロシアニン製造方法の工程(6)は、下記工程(6´)で表される製造方法を用いることも好ましい。
工程(6´): 上記工程(5)で得られた顔料化前処理液の水溶性有機溶媒を除去して得たチタニルフタロシアニン化合物の粗結晶を、アシッドペースト法にて処理し、得られた低結晶性チタニルフタロシアニン化合物を、水の存在下、非水系溶媒中でミリング処理する工程
また、工程(5)で用いられる水溶性有機溶媒としては、種々の有機溶媒が使用可能である。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオン酸、酢酸、N−メチルピロリドン、エチレングリコール等の1種または2種以上が挙げられる。なお水溶性有機溶媒には、少量であれば、非水溶性の有機溶媒を添加してもよい。
また、顔料化前処理のうち撹拌処理の条件は特に限定されないが、およそ70〜200℃程度の温度範囲の一定温度条件下で、1〜3時間程度のかく拌処理を行うのが好ましい。
また、撹拌処理後の安定化処理の条件も特に限定されないが、およそ10〜50℃程度、特に好ましくは23±1℃前後の温度範囲の一定温度条件下で、5〜10時間程度、液を静置して安定化させるのが好ましい。
また、上記顔料化前処理の終了後、水溶性有機溶媒を除去して得たチタニルフタロシアニン化合物の粗結晶を、さらに常法に従って溶媒に溶解したのち貧溶媒中に滴下して再結晶させ、ついでろ過、水洗、ミリング処理、ろ過、乾燥などの工程を経て顔料化することが好ましい。
ここでミリング処理は、水洗後の固体を乾燥させずに水が存在した状態で、非水系溶媒中に分散して撹拌する処理である。粗結晶を溶解する溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、臭化エチル、臭化ブチル等のハロゲン化炭化水素類、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリブロモ酢酸等のトリハロ酢酸類、および硫酸等の1種または2種以上の任意の組み合わせが挙げられる。
また再結晶のための貧溶媒としては、例えば水が挙げられる他、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類やアセトン、ジオキサン等の水溶性有機溶媒が挙げられ、これらがそれぞれ1種単独で、もしくは2種以上の任意の組み合わせで使用される。さらにミリング処理のための非水系溶媒としては、例えばクロロベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒が挙げられる。
その他、アシッドペースト法に使用する酸としては、例えば濃硫酸、スルホン酸等が挙げられる。またミリング処理に使用する非水系溶媒は前記と同様である。
また、式(25)で表されるチタニルフタロシアニンは、下記反応式(2)に示されるように、式(28)で表されるフタロニトリルと、式(29)で表されるチタンアルコキシドとを反応させか、あるいは、下記反応式(3)で示されるように、式(30)で表される1,3−ジイミノインドリンと、式(29)で表されるチタンアルコキシドとを反応させ、合成することが好ましい。
(反応式(2)中のR10は、炭素数1〜6のアルキル基である。)
(反応式(3)中のR10は、炭素数1〜6のアルキル基である。)
(3)添加量
本発明の積層型電子写真感光体に用いられる電荷発生剤の添加量は、電荷発生層を構成する結着樹脂100重量部に対して、10〜500重量部の範囲内の値とすることが好ましく、30〜300重量部の範囲内の値とすることがよし好ましい。
正孔輸送剤の添加量は、正孔輸送剤が電荷輸送層へ含まれる場合は、電荷輸送層を構成する結着樹脂100重量部に対して、10〜200重量部の範囲内の値とすることが好ましい。また、正孔輸送剤が電荷発生層へ含まれる場合は、電荷発生層を構成する結着樹脂100重量部に対して、5〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
電子輸送剤の添加量は、電子輸送剤が電荷輸送層へ含まれる場合は、電荷輸送層を構成する結着樹脂100重量部に対して、10〜200重量部の範囲内の値とすることが好ましい。また、電子輸送剤が電荷発生層へ含まれる場合は、電荷発生層を構成する結着樹脂100重量部に対して、5〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
(4)製造方法
本発明の積層型感光体層の製造方法に関し、以下のように電荷輸送層用塗布液と、電荷発生層用塗布液とを作成して、それぞれ基体上に塗布した後、乾燥させて製造することが好ましい。
(4)−1 塗布液作成工程
塗布液作成工程は、例えば、結着樹脂と、正孔輸送剤と、溶剤と、からなる電荷輸送層用塗布液、および結着樹脂と、電荷発生剤と、溶剤と、からなる電荷発生層用塗布液と、をそれぞれ作成する工程である。例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合し、塗布液とすることが好ましい。
より具体的には、電荷輸送層用塗布液の固形分濃度が10〜30重量%の範囲内の値、電荷発生層用塗布液の固形分濃度が1〜10重量%の範囲内の値の塗布液を作成することが好ましい。この理由は、電荷輸送層用塗布液の固形分濃度は10重量%未満の値になると、被膜欠陥を生じるおそれがあるためであり、一方、塗布液の固形分濃度は30重量%を超えると、層むらが生じやすくなり、感光体として均一な厚さを有する薄膜を形成することが困難となる場合があるためである。また、同様に電荷発生層用塗布液の固形分濃度も1重量%未満の値になると被膜欠陥を生じるおそれがあり、固形分濃度が10重量%を超えると、層むらを生じやすくなり、感光体として均一な厚さを有する薄膜を形成することが困難となる場合がある。
また、電荷輸送層用塗布液および電荷発生層用塗布液を作成するための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能である。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤等の分散性や、感光体層表面における平滑性を良くするために、塗布液を作成する際に、界面活性剤やレベリング剤等を添加することも好ましい。
(4)−2 塗布工程および乾燥工程
第1塗布工程および第1乾燥工程と、第2塗布工程および第2乾燥工程とを設けて、電荷輸送層と電荷発生層からなる感光体層を形成することが好ましい。例えば、図2(a)に示すように、第1塗布工程により電荷発生層用塗布液を塗布し、第1乾燥工程により電荷発生層用塗布膜を乾燥させて、基体12の上に電荷発生層24を形成し、次いで、第2塗布工程により電荷輸送層用塗布液を塗布し、第2乾燥工程により電荷輸送層用塗布膜を乾燥させて、電荷発生層24の上に電荷輸送層22を形成することが好ましい。
また、塗布工程を実施するにあたり、基体上に、塗布液を直接的に塗布することも好ましいし、あるいは、中間層を介して間接的に塗布することも好ましい。
また、塗布方法としては、均一な厚さの感光体層を形成するために、例えば、スピンコーター、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、ディップコーター、ドクターブレード等を用いることが好ましい。
なお、電荷発生層は残留電位を低くするため、電荷輸送層よりも薄く塗膜を形成するのが好ましい。
また、塗布工程の後、乾燥工程において、高温乾燥機や減圧乾燥機等を用いて、例えば、60℃〜150℃の乾燥温度で乾燥させることが好ましい。この理由は、かかる乾燥温度が60℃未満の値になると、乾燥時間が過度に長くなって、均一な厚さを有する感光体層を効率的に形成することが困難になる場合があるためである。一方、かかる乾燥温度が150℃を超えると、感光体が熱分解する場合があるためである。
また、本発明の積層型電子写真感光体を構成するにあたり、基体上に中間層を形成する場合は、図2(c)に示すように、基体12の上に、中間層25を形成し、次いで、電荷発生層および電荷輸送層を形成することが好ましい。
なお、塗布液作成工程、塗布工程および乾燥工程の条件については、電荷発生層および電荷輸送層の製造方法に準じることができる。なお、中間層の塗布液は、例えば結着樹脂と、添加剤と、から作成することが好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、結着樹脂と、正孔輸送剤と、電荷発生剤と、を含む電子写真感光体であって、正孔輸送剤として、上記一般式(1)で表されるアミン化合物を含むことを特徴とする湿式現像用電子写真感光体である。
以下、第1の実施形態で説明した乾式現像用電子写真感光体と異なる点を中心に説明する。
1.基本的構成
本発明の湿式現像用電子写真感光体の構造としては、導電性基材の周囲に、単層型又は積層型の感光体層を備えた電子写真感光体であれば特に制限されるものではない。
したがって、第1の実施形態と基本的に同様の内容とすることができるため、ここでの説明を省略する。
(1)正孔輸送剤
また、第2の実施形態の湿式現像用電子写真感光体に使用される正孔輸送剤としては、第1の実施形態の乾式現像用電子写真感光体と同様の内容とすることができる。
すなわち、正孔輸送剤として、特定のアミン構造を含むことにより、アイソパー(商品名)等に代表される炭化水素系溶媒に対する耐溶剤性を著しく向上させることができるためである。したがって、かかる電子写真感光体を湿式現像用電子写真感光体として使用することにより、長期間にわたって優れた耐溶剤性及び感度特性を提供することができる。
(2)結着樹脂
また、湿式現像用電子写真感光体に使用される結着樹脂としては、第1の実施形態と基本的に同様の内容とすることができるが、
より具体的には、結着樹脂として、一般で表されるポリカーボネート樹脂を用いることがより好ましい。
この理由は、かかるポリカーボネート樹脂を用いることにより、炭化水素系溶媒に対して難溶であるとともに、撥油性も高いためである。その結果、感光体層表面と炭化水素系溶媒との相互作用が小さくなって、長期間にわたって、感光体層表面の外観変化が少なくなるためである。
(一般式(3)中の複数のR6、及びR7は、それぞれ独立した置換基であり、水素原子、炭素数1〜5の置換又は非置換のアルキル基であり、Xは、単結合、−O−、−CO−であり、かつ、f/(f+g)で表されるモル比が0.05〜0.6の範囲内の値である。)
また、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂の具体例として、下記式(31)〜(33)で示される化合物(Resin−A〜C)が挙げられる。
(3)電子輸送剤
湿式現像用電子写真感光体に使用される電子輸送剤としては、高い電子輸送能を有する種々の化合物として、ジフェノキノン誘導体、スチルベンキノン誘導体、ジナフトキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アゾキノン誘導体等が挙げられる。したがって、第1の実施形態に例示した化合物と基本的に同様のものを使用することができる。
(4)電荷発生剤
湿式現像用電子写真感光体に使用される電荷発生剤としては、第1の実施形態と基本的に同様の内容とすることができるため、ここでの説明を省略する。
(5)製造方法
第2の実施形態の単層型及び積層型の感光体層を備えた電子写真感光体の製造方法としては、第1の実施形態と基本的に同様の内容とすることができるため、ここでの説明を省略する。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、第1の実施形態の乾式現像用電子写真感光体を備えるとともに、当該電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程をそれぞれ配置し、かつ、現像工程において、非液体現像剤を用いて画像形成を行うことを特徴とした画像形成装置である。
すなわち、第4の実施形態の画像形成装置を用いて、画像形成方法を実施するにあたり、図3に示すような画像形成装置である複写機130を好適に使用することができる。かかる複写機130は、画像形成ユニット131、排紙ユニット132、画像読取ユニット133、及び原稿給送ユニット134を備えている。また、画像形成ユニット131には、画像形成部131a及び給紙部131bがさらに備えられている。そして、図示された例では、原稿給送ユニット134は、原稿載置トレイ134a、原稿給送機構134b、及び原稿排出トレイ134cを有しており、原稿載置トレイ134a上に載置された原稿は、原稿給送機構134bによって画像読取位置Pに送られた後、原稿排出トレイ134cに排出される。
そして、原稿が原稿読取位置Pに送られた段階で、画像読取ユニット133において、光源133aからの光を利用して、原稿上の画像が読み取られる。すなわち、CCD等の光学素子133bを用いて、原稿上の画像に対応した画像信号が形成される。
一方、給紙部131bに積載された記録用紙(以下、単に用紙と呼ぶ。)Sは、一枚ずつ画像形成部131aに送られる。この画像形成部131aには、像担持体である感光体ドラム141が備えられており、さらに、この感光体ドラム141の周囲には、帯電器142、露光器143、現像器144、及び転写ローラ145、並びにクリーニング装置146が、感光体ドラム141の回転方向に沿って配置されている。
これらの構成部品のうち、感光体ドラム141は、図中、実線矢印で示す方向に回転駆動されて、帯電器142により、その表面が均一に帯電される。その後、前述の画像信号に基づいて、露光器143により感光体ドラム141に対して露光プロセスが実施され、この感光体ドラム141の表面において静電潜像が形成される。この静電潜像に基づき、現像器144によりトナーを付着させて現像し、感光体ドラム141の表面にトナー像を形成する。そして、このトナー像は、感光体ドラム141と転写ローラ145とのニップ部に搬送される用紙Sに対して、転写像として転写される。次いで、転写像が転写された用紙Sは、定着ユニット147に搬送されて、定着プロセスが行われる。
また、定着後の用紙Sは、排紙ユニット132に送られることになるが、後処理(例えば、ステイプル処理等)を行う際には、用紙Sは中間トレイ132aに送られた後、後処理が行われる。その後、用紙Sは、画像形成装置の側面に設けられた排出トレイ部(図示せず)に排出される。一方、後処理を行わない場合には、用紙Sは中間トレイ132aの下側に設けられた排紙トレイ132bに排紙される。なお、中間トレイ132a及び排紙トレイ132bは、いわゆる胴内排紙部として構成されている。 そして、上述したように転写が行われた後、感光体ドラム141に残留する残留トナー(及び紙粉)については、クリーニング装置146で除去される。すなわち、感光体ドラム141がクリーニングされる一方、残留トナーについては、廃トナーコンテナ(図示せず)に回収されることになる。
そして、感光体141において、特定のアミン構造体を有する正孔輸送剤料を使用することにより、感度特性や帯電特性に優れた乾式現像用電子写真感光体が得られ、長時間にわたって、優れた画像特性を維持することができる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態は、第2の実施形態の湿式現像用電子写真感光体(以下、単に、感光体と称する場合がある。)を備えるとともに、当該湿式現像用電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程をそれぞれ配置し、かつ、現像工程において、炭化水素系溶媒にトナーを分散した液体現像剤を用いて画像形成を行うことを特徴とした湿式現像用画像形成装置である。なお、この湿式現像用画像形成装置の例では、電子写真感光体として、単層型感光体を用いた場合を想定して説明する。
すなわち、図4に示すように、かかる湿式現像用画像形成装置には、感光体31の周囲に、帯電工程を実施するための帯電器32、露光工程を実施するための露光光源33、現像工程を実施するための湿式現像器34、及び転写工程を実施するための転写器35を少なくとも備えていることが好ましい。
また、感光体31は、矢印の方向に一定速度で回転しており、感光体31の表面で、次の順に電子写真プロセスが行われることになる。より詳細には、帯電器32により、感光体31が全面的に帯電され、次いで、露光光源33によって、印字パターンが露光される。次いで、湿式現像器34によって、印字パターンに対応して、トナー現像され、さらに、転写器35によって、転写材(紙)36へのトナーの転写が行われる。そして、最後に、感光体31に残った余分なトナーに対して、クリーニングブレード37による掻き落としが行われるとともに、除電光源38によって、感光体31の除電が行われることになる。
ここで、トナーが分散された液体現像剤34aは、現像ローラ34bによって運ばれ、所定の現像バイアスを印加することで、感光体31の表面上にトナーが引き付けられて、感光体31上に現像されることになる。また、液体現像剤34aにおける固形分濃度を、例えば、5〜25重量%の範囲内の値とすることが好ましい。さらに、液体現像剤34aに使用される液体(トナー分散溶媒)としては、炭化水素系溶剤やシリコーン系オイルが好適に使用される。
そして、感光体31において、特定のアミン構造体を有する正孔輸送剤料を使用することにより、耐溶剤性や感度特性に優れた湿式現像用電子写真感光体が得られ、長時間にわたって、優れた画像特性を維持することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。
[実施例1]
(1)単層型電子写真感光体の作成
電荷発生剤として、式(24)で表されるX型無金属フタロシアニン(CGM−A)を4重量部と、正孔輸送剤として、式(5)で表されるアミン化合物(HTM−A)を40重量部と、電子輸送剤として、式(18)で表されるナフタレン誘導体(ETM−A)を50重量部と、結着樹脂として、式(31)で表される粘度平均分子量50,000のポリカーボネート樹脂(Resin−A)を100重量部と、レベリング剤としてジメチルシリコンオイルKF−96−50CS(信越化学工業)を0.1重量部と、溶媒としてテトラヒドロフランを750重量部と、を超音波分散機にて50分間混合分散して単層型感光層用塗布液を作成した。
得られた塗布液を、直径30mm、長さ254mmの導電性基材(アルマイト処理済みアルミニウム素管)上に、ディップコート法にて塗布した。その後、130℃、30分間の条件で熱風乾燥することにより膜厚22μmの単層型電子写真感光体を得た。
また、共重合ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は、オストワルド粘度計によって、極限粘度[η]を求め、Schnellの式によって、[η]=1.23×10-40.83より算出した。なお、[η]は、20℃で、塩化メチレン溶液を溶媒として、濃度(C)が6.0g/dm3となるようにポリカーボネート樹脂を溶解させて得られたポリカーボネート樹脂溶液から測定することができる。
(2)評価
(2)−1 感度測定
得られた湿式現像用電子写真感光体における明電位を測定した。すなわち、ドラム感度試験機(GENTEC社製)を用いて、700Vになるように帯電させ、次いで、ハロゲンランプの光からハンドパルスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅:20nm、光量:1.0μJ/cm2)を露光した。露光後330msec経過後の電位を測定し、初期感度とした。
また、得られた電子写真感光体全体を、湿式現像の現像液として使用されるアイソパーL(エクソン化学社製)500mlに、暗所下、温度25℃、600時間の条件で浸漬した。その後、アイソパー液から電子写真感光体を取り出し、感度を同様に測定し、初期感度とアイソパー浸漬後の感度の差を算出した。
(2)−2 耐溶剤性評価
得られた電子写真感光体を、その感光層の全面が浸るように、500mlのアイソパーLに、温度25℃、600時間の条件で浸漬させた。一方、正孔輸送剤の濃度を変えて、アイソパーL中に溶解させた。その状態で紫外線吸収ピーク波長における吸光度を測定し、正孔輸送剤に関する濃度−吸光度検量線を予め作成した。次いで、アイソパーLに浸漬した湿式現像用電子写真感光体について、紫外線吸収測定を行い、検量線に照らして、正孔輸送剤の紫外線吸収ピーク波長における吸光度から、正孔輸送剤の溶出量を算出した。得られた結果を表1に示す。
(2)−3 外観評価
また、耐溶剤性評価後の湿式現像用電子写真感光体の外観を目視にてクラックの発生の有無を観察し、下記基準に準じて外観評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
◎:外観変化が全く見られない。
○:顕著な外観変化は見られない。
△:外観変化が少々見られる。
×:顕著な外観変化が見られる。
[実施例2〜4]
実施例2〜4では、電荷発生剤として式(24)で表される無金属フタロシアニン(CGM−A)のかわりに、式(25)〜(27)で表される電荷発生剤(CGM−B〜CGM−D)をそれぞれ添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
実施例5、参考例6〜7及び実施例8〜9
実施例5、参考例6〜7及び実施例8〜9では、正孔輸送剤として式(5)で表されるアミン化合物(HTM−A)のかわりに、式(6)〜(10)で表される正孔輸送剤(HTM−B〜F)をそれぞれ添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
[実施例10]
実施例10では、電子輸送剤として式(18)で表されるナフトキノン誘導体(ETM−A)のかわりに、式(19)で表される電子輸送剤(ETM−B)を添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
[実施例11、12]
実施例11、12では、結着樹脂として式(31)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−A)のかわりに、式(32)、(33)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−B、C)を添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
[比較例1]
比較例1では、正孔輸送剤として式(5)で表されるアミン化合物(HTM−A)のかわりに、下記式(34)で表されるアミン化合物(HTM−G)を添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
[比較例2]
比較例2では、正孔輸送剤として式(5)で表されるアミン化合物(HTM−A)のかわりに、式(34)で表されるアミン化合物(HTM−G)を添加し、電子輸送剤として式(18)で表されるナフタレン誘導体(ETM−A)のかわりに、下記式(35)で表されるナフタレン誘導体(ETM−G)を添加した、結着樹脂として式(31)で表されるポリカーボネート樹脂(Reisn−A)のかわりに、下記式式(36)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−D)を添加したほかは、実施例1と同様に単層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[実施例13]
電荷発生剤として、式(25)で表されるY型オキソチタニルフタロシアニン(CGM−B)を1重量部と、結着樹脂として、ポリビニルアセタール樹脂(エスレックKS−1、積水化学工業)を1重量部と、分散媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルを64重量部と、を収容した後、ボールミルにて、48時間混合分散させ、電荷発生層用塗工液を作成した。次いで、得られた塗布液を、直径30mm、長さ254mmのアルミニウム素管上、ディッピングにより塗工し、その後、60℃、5分間の条件で乾燥させて、平均膜厚が0.3μmの電荷発生層を形成した。
さらに、正孔輸送剤として、式(5)で表されるアミン化合物(HTM−A)を70重量部と、結着樹脂として、粘度平均分子量50,000のポリカーボネート樹脂(Resin−A)を100重量部と、溶剤として、テトラヒドロフランを460重量部と、を収容した後、48時間混合分散させ、電荷輸送用塗工液を作成した。次いで、得られた塗工液を、電荷発生層上にディッピングにより塗工し、その後130℃、30分間の条件で乾燥させて、平均膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。このようにして、積層型電子写真感光体を作成し、実施例1と同様の方法で評価した。得られた結果を表2に示す。
実施例14、参考例15〜16及び実施例17〜18
実施例14、参考例15〜16及び実施例17〜18では、実施例13で使用した正孔輸送剤として式(5)で表されるアミン化合物(HTM−A)のかわりに、式(6)〜(10)で表される化合物(HTM−B〜F)を使用したほかは、実施例13と同様に積層型電子写真感光体を作成して評価した。
[実施例19、20]
実施例19、20では、実施例13で使用した結着樹脂として式(31)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−A)のかわりに、式(32)、(33)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−B、C)を使用したほかは、実施例13と同様に積層型電子写真感光体を作成して評価した。
[比較例3]
比較例3では、実施例13の塗布膜中に、正孔輸送剤として式(5)で表されるアミン化合物(HTM−A)のかわりに、式(34)で表されるアミン化合物(HTM−G)を添加したほかは、実施例13と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
[比較例4]
比較例4では、実施例13の塗布膜中に、正孔輸送剤として式(5)で表されるアミン化合物(HTM−A)のかわりに、式(34)で表されるアミン化合物(HTM−G)を添加し、結着樹脂として式(31)で表されるポリカーボネート樹脂(Reisn−A)のかわりに、式(36)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−D)を添加したほかは、実施例13と同様に積層型電子写真感光体を作成して、評価した。
以上、詳述したように、本発明によれば、正孔輸送剤として、特定のアミン化合物を用いることにより、長期間にわたって、優れた感度特性及び帯電特性を示すことができる電子写真感光体、それを備えた乾式現像用画像形成装置及び湿式現像用画像形成装置が得られるようになった。したがって、本発明の電子写真感光体は、複写機やプリンタ等の各種画像形成装置における低コスト化、高速化、高性能化等に寄与することが期待される。
(a)〜(c)は、単層型感光体の基本構造及び変形構造を説明するために供する図である。 (a)〜(c)は、積層型感光体の基本構造及び変形構造を説明するために供する図である。 電子写真感光体を備えた乾式現像用画像形成装置を説明するために供する図である。 電子写真感光体を備えた湿式現像用画像形成装置を説明するために供する図である。
符号の説明
10:単層型感光体
10´:単層型感光体
10´´:単層型感光体
12:導電性基体
14:感光層
16:バリア層
18:保護層
20:積層型感光体
20´:積層型感光体
20´´:積層型感光体
22:電荷輸送層
24:電荷発生層
25:中間層
31:感光体
32:帯電器
33:露光光源
34:湿式現像器
34a:液体現像剤
34b:現像ローラ
35:転写器
36:転写材
37:クリーニングブレード
38:除電光源
39:プローブ

130:複写機
131:画像形成ユニット
131a:画像形成部
131b:給紙部
132:排紙ユニット
133:画像読取ユニット
133a:光源
133b:光学素子
134:原稿給送ユニット
134a:原稿載置トレイ
134b:原稿給送機構
134c:原稿排出トレイ
141:感光体ドラム
142:帯電器
143:露光源
144:現像器
145:転写ローラ
146:クリーニング装置

Claims (9)

  1. 結着樹脂と、正孔輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた電子写真感光体であって、
    前記正孔輸送剤として、下記一般式(1)で表されるアミン化合物を含むことを特徴とする電子写真感光体。

    (一般式(1)中の複数のAr1 は、2箇所のオルト位にメチル基および炭素数2〜5のアルキル基をそれぞれ有するアリール基であり、Ar2は、それぞれ独立した炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基であり、その置換基はハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、または炭素数2〜30の不飽和炭化水素基であり、複数のR1〜R3はそれぞれ独立した置換基であり、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換又は非置換のアルキル基、炭素数6〜30の置換または非置換のアリール基、炭素数2〜20の置換または非置換の不飽和炭化水素基、置換又は非置換のアミノ基、あるいは、複数のR1〜R3のうち隣り合ういずれか2つが結合又は縮合して形成した炭素環構造であり、繰り返し数a〜cは0〜4の整数である。)
  2. 前記一般式(1)中のAr2が、一般式(2)で表される不飽和炭化水素基を有するアリール基であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。

    (一般式(2)中のR4は水素原子、炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基であり、R5は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、炭素数6〜30の置換又は非置換のアリール基、あるいは複数のR5のうち隣り合ういずれか2つが結合又は縮合して形成した炭素環構造であり、繰り返し数dは0〜5の整数であり、eは0〜2の整数である。)
  3. 前記正孔輸送剤の分子量を800以上の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記感光体層が、単層型または積層型であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記単層型の感光体層に、さらに電子輸送剤を含み、当該電子輸送剤分子量を600以上の値とすることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記電子写真感光体が、乾式現像剤または湿式現像剤を用いた電子写真画像形成装置に用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記結着樹脂が、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子写真感光体。

    (一般式(3)中の複数のR6、及びR7は、それぞれ独立した置換基であり、水素原子、炭素数1〜5の置換又は非置換のアルキル基であり、Xは、単結合、−O−、−CO−であり、かつ、f/(f+g)で表されるモル比が0.05〜0.6の範囲内の値である。)
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子写真感光体を備えるとともに、当該電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を実施するための部位をそれぞれ配置し、かつ、現像工程において、乾式現像剤を用いて画像形成を行うことを特徴とする乾式現像用画像形成装置。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子写真感光体を備えるとともに、当該電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を実施するための部位をそれぞれ配置し、かつ、現像工程において、炭化水素系溶媒にトナーを分散した液体現像剤を用いて画像形成を行うことを特徴とする湿式現像用画像形成装置。
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