JP4484179B2 - 印刷物の真贋判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、偽造防止に適した印刷物の真贋判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、偽造防止用印刷物として、例えば、赤外線等の特定の波長を吸収するインキを用いて、図3(a)のように、紙等の基シート1上に偽造防止用の赤外線吸収インキ印刷層11を一様に印刷し、その上に、普通の可視光により目視できるインキ層12を全面に印刷した印刷物13や、可視光により目視できるインキに赤外線吸収材料を混合したインキで、基シート上に単層の偽造防止用の印刷層を形成した印刷物が用いられている。
【0003】
この印刷物の真贋を判定するには、印刷物に赤外線吸収インキの吸収波長に合った波長の赤外線を照射し、その反射光あるいは透過光を検出して、その検出レベルが図3(a)のhのようにハイレベルになれば本物、図3(b)のように赤外線吸収材料を含まないインキ14のみで、赤外線等の特定の波長を吸収しない印刷物15に赤外線を照射して、その検出レベルが図3(b)のkのようにローレベルになれば偽物と判定する。
【0004】
赤外線等吸収インキを使用した偽造防止用の上記印刷物13と普通の印刷物15とは、見かけ上はインキ層12または14の同じ色で識別できず、真贋は判別できないが、印刷物に赤外線吸収インキの吸収波長に合った波長の赤外線を照射してその反射あるいは吸収状態を調べることにより真贋の判定ができるのである。
【0005】
しかし、この従来の偽造防止用印刷物は、その紫外線から赤外線へかけてのスペクトルを取れば、容易にその原理が分かってしまい、プリンタ等を使用して偽物を作ることは比較的簡単、容易であった。
【0006】
偽造防止原理を盗み出しにくくするための発明として、特開平8−20158号公報には、偽造防止用に赤外線吸収インキ等の濃度が互いに異なる複数の単位を不規則に配列し、その上層に隠蔽層を設けた記録媒体が開示されている。この記録媒体は、図3に示した偽造防止用の単純、一様な印刷層を形成した印刷物よりもはるかに複雑な、濃度が段階的変化する単位を不規則に配列した偽造防止用印刷層を備えているから、模倣や偽造がしにくい。しかし、その製作も真贋の判定も、技術的にかなり繁雑なものになり、実用化は簡単ではなく、コスト高にもなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記のような課題を解決しようとするものであり、製作、判定が容易でありながら、スペクトル分析等では容易に分かることがなく、偽造困難な印刷物の真贋判定方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の印刷物の真贋判定方法は、印刷物に対して所定の波長光を上記印刷物に照射し、上記印刷物から反射し、または、上記印刷物を透過してくる上記波長光を順次検出し、この検出した検出出力を微分して、その微分値の形状により、上記印刷物に上記波長光を吸収するインキにより形成されたグラデーション印刷層が存在すると判定することを特徴とする。
【0010】
この発明における「所定の波長光」には、赤外線または紫外線が含まれる。可視光線は使用できないことはないが、上層の隠蔽層の色と波長が近いと隠蔽層が真贋判定用の光を遮り、逆に、波長が近くない場合は、グラデーション印刷層が目視できてしまうおそれがあり、隠蔽層に迷彩模様を施す等の追加の対策が必要になる。
【0011】
「グラデーション印刷層」は、グラデーション以外の模様等は必要がない。模様等があると、真贋判定の検出値が変動して判定を困難にする。グラデーションは、特定の方向に直線状に設けるのが、印刷の単純化に好都合であって好ましい。
【0012】
「微分値の形状により、‥‥判定」は、一様、単調なグラデーションの場合は、これに対応する微分値の形状がフラットになるので、フラット部分を確認できれば、グラデーションがあると判定できる。しかし、グラデーションが常に一様、単調とは限らないから、フラットに近かったり、意図的に変化を付けたグラデーションに対しては、それに対応した判定を行うものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を図1および図2を参照して説明する。
【0014】
図1は、この発明の一実施の形態を示し、(a)は、この発明の印刷物、(b)および(c)は、それぞれ従来の印刷物の場合を示す。
【0015】
図1(a)において、本発明品10は、基シート1に赤外線吸収インキにより形成された、次第に変化する濃淡を付けたグラデーション印刷層2と、このグラデーション印刷層2上のほぼ全面に、青色のインキにより形成された隠蔽印刷層3とを有している。この隠蔽印刷層3に使用する青色のインキは、グラデーション印刷層2に使用する赤外線吸収インキが吸収する赤外線をよく透過するものを使用する。
【0016】
上記グラデーション印刷層2の濃淡のグラデーションは、図面の左右方向に一直線状に設けられ、左方が淡く右方へ向けて次第に濃くなっている。
【0017】
この印刷物10の真贋判定は、以下のようにして行う。
【0018】
印刷物10に対して、グラデーション印刷層2に用いたインキの吸収波長の赤外線を印刷物10に照射し、印刷物10から反射してくる上記波長の反射赤外線、または、印刷物10を透過してくる上記波長光の透過赤外線を、図1(a)のように、光電変換出力として順次検出して、この検出した光電変換出力を微分して、微分変換出力を得る。グラデーション印刷層2のグラデーションが単調、かつ、一様に変化するグラデーションであれば、光電変換出力は、図1(a)の中央の線図のように、勾配を持った直線となり、その微分変換出力は、図1(a)の右側の線図のように、上がフラットな矩形波状となる。この微分値の形状により、印刷物に上記波長光を吸収するインキにより形成されたグラデーション印刷層2が存在すると判定する。
【0019】
図1(b)および(c)には、それぞれ、偽物の印刷物とその検出出力を、本物の印刷物10の検出線図等に対応させて、示す。
【0020】
図1(b)の印刷物は、従来の技術において説明した図3(b)の偽物の印刷物15である。この偽物の印刷物15に対してグラデーション印刷層2に用いたインキの吸収波長の赤外線を走査、照射して得られる光電変換出力は、図1(b)の中央の線図のように、赤外線吸収インキがないから、出力がなく、従って、その微分変換出力は、図1(b)の右側の線図のように、出力がない状態となる。この微分値の形状により、印刷物15は偽物と判定する。
【0021】
図1(c)の印刷物は、従来の技術において説明した図3(a)の印刷物13である。つまり、この発明においては、グラデーションのない一様に印刷した赤外線吸収インキ印刷層11の印刷物13も偽物なのである。この偽物の印刷物13に対してグラデーション印刷層2に用いたインキの吸収波長の赤外線を照射して得られる光電変換出力は、図1(c)の中央の線図のように、赤外線吸収インキが一様だから、矩形波状となり、従って、その微分変換出力は、図1(c)の右側の線図のように、赤外線吸収インキ印刷層11の両側の境界で瞬間的な鋭い波形が現われ、その中間は出力がない状態となる。この微分値の形状により、印刷物13は偽物と判定する。
【0022】
なお、透過赤外線を検出する場合は、基シート1もその赤外線をよく透過する材料を用いる。
【0023】
図2は、この発明の他の実施の形態を示す。この実施の形態は、グラデーション印刷層のグラデーションを変化させて偽造を一層困難にしたひとつの例を示す。
【0024】
印刷物20のグラデーション印刷層4は、そのグラデーションが両端側で淡く、中央部で濃くなっている。
【0025】
この印刷物20の真贋判定は、図1の実施の形態の場合と同様、印刷物20に対して、グラデーション印刷層4に用いたインキの吸収波長の赤外線を印刷物20に照射し、印刷物20から反射してくる上記波長の反射赤外線、または、印刷物20を透過してくる上記波長光の透過赤外線を、図2のように順次検出して、この検出した光電変換出力を微分して、微分変換出力を得る。グラデーション印刷層4のグラデーションがグラデーション印刷層4の中央部分まで、単調、かつ、一様に増加し、その先が対称形で、単調、かつ、一様に減少するグラデーションであれば、光電変換出力は、図2の中央の線図のように、前半が増加する勾配を、後半が減少する勾配を持った三角波形となり、その微分変換出力は、図2の右側の線図のように、前半が上に凸のフラット部分、後半が下に凸のフラット部分を持つ矩形波状、となる。この微分値の形状により、印刷物に上記波長光を吸収するインキにより形成された、中央部が濃く、両側が淡いグラデーション印刷層4が存在すると判定する。
【0026】
この図2の実施の形態の場合には、図1の実施の形態の本物の印刷物10も検出する微分値の形状が本物と異なるから、偽物と判定されることになる。
【0027】
上述の実施の形態のように、グラデーション印刷層1、4の濃淡のグラデーションを特定の方向に直線状に設ければ、その真贋判定のための装置が簡単になる。一方、偽物を一層作りにくくするために、グラデーションを基シート上方から見て適宜曲げたり、円環状にしたりしてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、グラデーション印刷手法により赤外線吸収インキ等の印刷層を形成して偽造防止用情報とし、その上に可視光を反射するインキにより隠蔽印刷層を形成したから、その印刷は比較的簡単でありながら、偽造防止用情報の存在や、その情報の内容を盗み出しにくく、たとえ情報を盗み出せてもこれを偽造することが困難である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法の一実施の形態を示す説明図で、(a)はこの発明の印刷物、(b)および(c)は、それぞれ従来の印刷物の場合を示す。
【図2】この発明の他の実施の形態を示す説明図。
【図3】従来の印刷物真偽判定方法を示す説明図。
【符号の説明】
1 基シート
2 グラデーション印刷層
3 隠蔽印刷層
4 グラデーション印刷層
Claims (2)
- 印刷物に対して所定の波長光を上記印刷物に照射し、
上記印刷物から反射し、または、上記印刷物を透過してくる上記波長光を順次検出し、
この検出した検出出力を微分して、その微分値の形状により、上記印刷物に上記波長光を吸収するインキにより形成されたグラデーション印刷層が存在すると判定する
ことを特徴とする印刷物の真贋判定方法。 - 上記微分値にフラット部分があることでグラデーション印刷層が存在すると判定する請求項1記載の印刷物の真贋判定方法。
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