JP3444535B2 - 透かし入り帳票用紙 - Google Patents

透かし入り帳票用紙

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JP3444535B2
JP3444535B2 JP25347499A JP25347499A JP3444535B2 JP 3444535 B2 JP3444535 B2 JP 3444535B2 JP 25347499 A JP25347499 A JP 25347499A JP 25347499 A JP25347499 A JP 25347499A JP 3444535 B2 JP3444535 B2 JP 3444535B2
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壮司 岡本
茂伸 樅山
奨 高取
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小林記録紙株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、証明書,登録証,
有価証券,金券等に用いられるものであって、偽造防止
等を可能とする透かし入り帳票用紙に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】証明書,有価証券等の帳票にあって、そ
の偽造を防止するための偽造防止手段は種々提案されて
いる。
【0003】この偽造防止手段の簡便な手段として、原
紙に透かし標章を形成し、紙面を透かして視ることによ
り、その透かし標章の有無により、真正の原紙を用いた
帳票であるかどうかを確認可能とし、これにより真贋判
定を可能とする手段が古くから用いられている。
【0004】この透かし技術として、原紙に油性インキ
を含浸させ、滲み込んだ油性インキにより、光の透過度
を向上させ、これにより、油性インキの在る面部と印刷
塗布されていない面部との透過度の相違により、透かし
標章部を区画形成するようにした構成が提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の油性
インキにより透かし標章部を形成する手段であると、形
成後もインキが拡散し、経時変化が激しく、安定的に透
かし標章部を形成維持することや微細な印刷からなる意
匠的な表現ができなかった。また、この油性インキの濃
度が濃いと、複写した場合に、標章部が現れてしまうな
どの問題点があった。さらには、油性インキであると、
乾燥しにくく、かつ定着に時間がかかり、印刷機のガイ
ドローラが汚れ易く、かつ印刷工程に時間がかかるなど
の問題点もあった。
【0006】本発明は、かかる従来構成の問題を解決し
得る、新たな透かし入り帳票用紙を提供することを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙の紙面上
に、白色顔料として酸化チタンを含有する紫外線硬化型
紙色インキからなる、紙色の遮光インキを部分的に印刷
塗布して、該遮光インキが印刷塗布された面部と印刷塗
布されていない面部との透過度の相違により、透かし標
章部を区画形成し、光の透過により該透かし標章部を視
認可能としたことを特徴とする透かし入り帳票用紙であ
る。ここで透かし標章部は、識別マークとして用紙上に
点在させてもよいが、用紙上に多数連続させたり、又は
他の模様の透かし標章部と混在させることにより、全体
として透かし模様を形成しても良い。かかる構成にあっ
て、紙色の遮光インキとして、白色顔料として、無機顔
料である酸化チタン(TiO 2 )を用いた紫外線硬化型
紙色インキを使用したものであり、酸化チタンの反射特
性から、光の遮蔽能力が向上し、このため遮光インキの
印刷塗布されていない面部に比して遮光インキの在る面
部の透過度が大きく低下し、透かした状態で、透かし標
章部を明瞭に確認することができる。
【0008】ここで紙色の遮光インキとは、原紙の色調
と近似したインキであり、通常は有色である。この透か
し入り帳票用紙にあって、紙色の遮光インキを印刷塗布
した面部は、該インキの印刷塗布されていない面部に比
して、光の透過度が低い。従って、用紙を透かして視る
ことにより、遮光インキの有無により両面部が明らかに
区画され得る。このため該遮光インキを用いて、透かし
標章部を区画形成することが可能となる。ここで、透か
し標章部を遮光インキで形成する場合と、透かし標章部
以外の余白部分を遮光インキで形成する場合とがある。
また、この遮光インキは用紙の裏面に印刷塗布する場合
と、表面に印刷塗布する場合とがある。
【0009】一方、原紙の紙面上に、紙色の遮光インキ
を部分的に印刷塗布して、該遮光インキが印刷塗布され
た面部と印刷塗布されていない面部との透過度の相違に
より、透かし標章部を区画形成し、光の透過により該透
かし標章部を視認可能としたものであって、単一性のあ
る標章を二つの標章要素に分離し、原紙の表面上に、第
一標章要素を、裏面に第二標章要素を、夫々紙色の遮光
インキを塗布して印刷して、両標章要素の重ね合わせに
より、所定の標章が再現されるようにして透かし標章部
を形成することができる。
【0010】このように、表裏に夫々第一標章要素,第
二標章要素を夫々形成した場合には、紙面上での光の反
射率の相違によっては、一方の標章要素しか目視でき
ず、紙を透かさない限りは完成された標章を確認するこ
とができない。このため、透かし標章部の意義を向上さ
せ得ると共に、透かしにより、表面反射によって確認し
た標章とは、異なる標章が結像され、意外性のある変化
に富んだ透かし標章部を提供できる。また、模倣しよう
とする場合には、表裏の第一標章要素,第二標章要素を
夫々正確に位置合わせして印刷する必要があり、高い技
術を要し、偽造が困難となる。即ち偽造防止効果が向上
する。
【0011】ここで、用紙の表面には、用紙を透かして
視ない限りは、透かし標章部が用紙上で目立たないよう
に、透かし標章部を、網点印刷や、同一図形の繰り返し
印刷等により隠蔽する飾りパターンが形成される。用紙
の表面に遮光インキを形成する場合は、該遮光インキの
形成と、飾りパターンの形成を同一面で順次印刷すれば
良いから、形成が簡単となる。
【0012】また、原紙の裏面にのみ紙色の遮光インキ
を部分的に印刷塗布して、透かし標章部を区画形成し、
原紙の表面に透かし標章部を隠蔽する飾りパターンを印
刷するようにしても良い。かかる構成にあっては、飾り
パターンは、遮光インキを直接覆うように形成されるも
のではないから、遮光インキと同様のインキで形成する
必要はなく、この為、飾りパターンのインキの選択性が
広がる。
【0013】さらにまた、透かし標章部を、紫外線硬化
型紙色インキからなる遮光インキにより網点または線を
印刷することにより表現される階調表現層とすることが
できる。これにより透かし標章部を、濃淡等の階調表現
により、写真画像,キャラクター図形,模様等として表
現することが可能となる。この点、従来の油性インキに
よる透かし標章部では、インキの拡散により微細な印刷
からなる意匠的な表現ができなかったが、紫外線硬化型
紙色インキを用いることにより多様で繊細な表現が可能
となる。この場合にあっても、単一性のある標章を二つ
の標章要素に分離し、原紙の表面に第一標章要素を、裏
面に第二標章要素を夫々網点または線により形成するこ
とができる、
【0014】また、紙色の遮光インキとしては紫外線硬
化型紙色インキが用いられ得る。ここで紫外線硬化型紙
色インキとは、紫外線硬化型インキを基材として、原紙
の色に近似した顔料を混合して紙色としたものであり、
通常は紫外線硬化型白色インキを意味する。また、この
紫外線硬化型インキ層は、アクリル樹脂などのプレポリ
マー、及びモノマーと重合開始剤を混合してなり、紫外
線を照射することにより、硬化するものであり、速乾性
があるとともに、耐熱性がある。このため、レーザプリ
ンタなどの高温で印字するような印刷機械に用いる場合
のインキとして最適である。
【0015】また、上述の請求項2に係る構成にあって
も、白色の紫外線硬化型紙色インキの白色顔料として、
無機顔料である酸化チタン(TiO 2 )を用いることが
できる。
【0016】紫外線硬化型紙色インキを、紫外線硬化型
インキに原紙の色調と近似させるための調整顔料を混合
することにより作成しても良い。これにより、用紙に色
が付いている場合にあっても、常態において、遮光イン
キが目立たない。この場合に酸化チタンと共に、調整顔
料を混合することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る透かし標章
部2を有する帳票用紙1を示すものである。この透かし
標章部2は、白色の紫外線硬化型紙色インキからなる遮
光インキ5を印刷塗布することにより形成されるもので
あり、図3で示すように、原紙3の表面側に形成され
る。この遮光インキ5を形成する白色の紫外線硬化型紙
色インキは、紫外線硬化型インキを基材とし、これに白
色顔料を混合してなるものである。すなわちこの紫外線
硬化型紙色インキはアクリル樹脂などのプレポリマー及
びモノマーと重合開始剤と白色顔料とを混合してなり、
紫外線を照射することにより、硬化するものであり、速
乾性があるとともに、耐熱性がある。
【0018】このように、遮光インキ5として紫外線硬
化型紙色インキを用いた場合には、速乾性及び耐熱性が
あるから、レーザープリンタ等のように急激に高熱が加
わり、かつ速乾性が要求される印刷手段のインキとして
最適である。従って、この紫外線硬化型紙色インキを用
いた場合には、従来の酸化重合型インキを用いる場合に
比して、印刷加工が容易で、しかも量産性が高い。さら
には、送りローラを介してインキ汚れが転着せず、仕上
がりが良好となる。
【0019】また、遮光インキ5の白色顔料としては酸
化チタンが用いられ、この酸化チタンの作用により光を
効果的に遮断し、遮光インキ5の無い余白面6に比して
大きな透過度の差異を生ずる。而して、紙を透かして視
ると、図2で示すように、遮光インキ5が印刷塗布され
ている面部と印刷塗布されていない面部との透過度の相
違により、透かし標章部2が明瞭に区画されることとな
る。
【0020】ここで、遮光インキ5を覆うようにして、
原紙3の表面には、網点印刷や、同一図形の繰り返し印
刷等による隠蔽用の飾りパターン7が形成される。この
飾りパターン7により、遮光インキ5が紙色であること
と相俟って、透かし標章部2は、さらに効果的に隠蔽さ
れ、用紙1を透かして視ない限りは、該透かし標章部2
を用紙1上で確認することができず、透かし入り帳票用
紙1に印字される種々の情報8を、透かし標章部2によ
り視覚的に阻害されることなく、明瞭に読み取ることが
できる。
【0021】このように用紙1の表面に遮光インキ5を
形成する場合は、該遮光インキ5の形成と、飾りパター
ン7の形成を同一面で順次印刷すれば良いから、形成が
簡単となる。このとき、飾りパターン7を紫外線硬化型
インキを用いて形成すると、遮光インキ5と同一インキ
であるため、飾りパターン7を安定的に定着することが
できる。尚、この飾りパターン7を省略しても、透かし
標章部2は紫外線硬化型白インキによる遮光インキ5で
区画形成されるものであるから、所要の秘匿能を有し、
用紙1を透かさないことには確認し難い。すなわち、飾
りパターン7は、この秘匿能を補強する隠蔽作用を有す
るものである。
【0022】かかる構成にあって、透かし入り帳票用紙
1の表面には、飾りパターン7上または遮光インキ5上
に直接、書き込み情報8がレーザプリンタ等で印字され
る。
【0023】図4は、遮光インキ5を原紙3の裏面に形
成した構成に係るものである。この場合には、飾りパタ
ーン7は原紙3の表面側に形成される。
【0024】かかる構成にあっては、飾りパターン7
は、遮光インキ5を直接覆うように形成されるものでは
ないから、遮光インキ5と同様の紫外線硬化型インキで
形成する必要はなく、この為、飾りパターン7のインキ
の選択性が広がる。さらには、透かし標章部2が原紙3
の裏面に形成されるから、原紙3表面への反射光による
透かし標章部2の顕在化が避けられ、原紙3を透かして
視ることによりはじめて透かし標章部2が確認されるこ
ととなり、このため、透かし標章部2がさらに目立たな
いという利点がある。この飾りパターン7は省略され得
ること、及び飾りパターン7上または遮光インキ5上に
直接、書き込み情報8がレーザプリンタ等で印字され得
ることは前述と同様である。
【0025】さらに上述した各実施例は、透かし標章部
2を遮光インキ5で形成したものであるが、図5,6で
示すように、余白面部6を遮光インキ5で形成し、透か
し標章部2を遮光インキ5の印刷塗布されていない面部
により形成した帳票用紙1’も提案される。すなわち、
透かし標章部2は、遮光インキ5による透過度の相違に
より、余白面部6と区別されれば良いから、該遮光イン
キ5は透かし標章部2または余白面部6のいずれか一方
に形成することができる。この余白面部6を遮光インキ
5で形成する場合には、該余白面部6に白インキをベタ
印刷またはアミ点印刷する。
【0026】而して、各実施例にあって、帳票用紙1,
1’をすかしてみると、図2,5で示すように、遮光イ
ンキ5により光が反射され、その他の面では、光が透過
して、そのコントラストにより透かし標章部2を視覚的
に判別することができる。そしてこの透かし標章部2
は、真贋判定用マークとして用いられるものであり、上
述したように、透かし入り帳票用紙1を透かして視るこ
とにより、余白面部6との透過度の相違から、透かし標
章部2が確認され、この有無により真正な専用用紙かど
うかが判定される。このためこの透かし入り帳票用紙1
上にさらに、種々の書き込み情報8が印字されて各種証
明書,有価証券等として用いられるが、透かし標章部2
により、この透かし入り帳票用紙1が真正なものかどう
かを確認することにより、該証明書等の真贋を判定し得
ることとなる。また各構成にあって、上述したように、
遮光インキ5は白色であるため、原紙の白色と同化し、
更には、飾りパターン7により表面が覆われて、透かし
標章部2を隠蔽化でき、その存在が秘匿されることとな
る。
【0027】一方、用紙に色が付いている場合には、遮
光インキ5の材料である紫外線硬化型インキに、原紙3
の色調と近似させるための調整顔料を混合して紫外線硬
化型紙色インキを作成しても良い。これにより、用紙に
色が付いている場合にあっても、常態において、遮光イ
ンキ5が目立たない。この場合に酸化チタンと共に、調
整顔料を混合することができ、これにより酸化チタンの
遮蔽作用を維持することが可能となる。
【0028】各構成にあって、図7〜9で示すように、
透かし標章部2を、白色の紫外線硬化型紙色インキから
なる遮光インキ5により印刷塗布して網点または線によ
り表現される階調表現層10とすることができる。これ
により透かし標章部2を、濃淡等の階調表現により、写
真画像,キャラクター図形,模様等として表現すること
が可能となる。この点、従来の油性インキによる透かし
標章部では、インキの拡散により微細な印刷からなる意
匠的な表現ができなかったが、紫外線硬化型紙色インキ
を用いることにより多様で繊細な表現が可能となる。
【0029】ここで、図7は、原紙3の表面に、紫外線
硬化型紙色インキからなる遮光インキ5により、網点ま
たは線を印刷塗布して表現される階調表現層10を形成
し、これを透かし標章部2としたものである。この原紙
3の表面上には、書き込み情報8がレーザプリンタ等で
印字される。
【0030】この実施例にあっては、階調表現層10に
より透かし標章部2が写真画像,キャラクター図形で表
現された場合に、その表現内容を損なわないように、飾
りパターン7を除去している。尚、単純模様等の場合に
は、飾りパターン7を階調表現層10上に形成しても良
い。
【0031】また、図8は、原紙3の裏面に、階調表現
層10を形成し、これを透かし標章部2としたものであ
る。
【0032】図9は、遮光インキ5が印刷塗布されてい
ない面部により透かし標章部2を形成した帳票用紙1’
を示す図6の構成にあって、前記透かし標章部2の形成
領域面に階調表現層10を形成したものである。
【0033】図10,11は、他の構成の透かし標章部
2を備えた透かし入り帳票用紙1”を示す。これは、全
体として単一性のある標章を図12で示すように、第一
標章要素20a(イ参照)、第二標章要素20b(ロ参
照)に分離し、原紙の表面上に、第一標章要素20a
を、裏面に第二標章要素20bを、夫々紙色の遮光イン
キを塗布して印刷して、両標章要素の重ね合わせによ
り、所定の標章が再現されるようにして透かし標章部2
を形成するようにしたものである。かかる構成にあっ
て、このように、表裏に夫々第一標章要素20a,第二
標章要素20bを形成したから、紙面上での光の反射率
の相違によっては、一方の第一標章要素20aしか目視
できず、紙を透かさない限りは完成された標章を確認す
ることができない。このため、常態では、完成された標
章が分らず、透かし標章部2の意義を向上させ得ること
となる。
【0034】また、このように表面反射によっては第一
標章要素20aしか確認できず、透かして初めて、標章
が結像されるから、意外性のある変化に富んだ透かし標
章部を提供できる。たとえば、騙し絵のように、第一標
章要素20aはそれ自体で、あたかもそれ自体で独立し
た標章として把握され、透かして見ると、まったく異な
る標章となる等の細工も可能となる。
【0035】また、この第一標章要素20a,第二標章
要素20bからなる透かし標章部2を模倣しようとする
場合には、表裏の第一標章要素20a,第二標章要素2
0bを夫々正確に位置合わせして印刷する必要があり、
高い技術を要し、偽造が困難となる。即ち偽造防止効果
が向上する。
【0036】かかる構成にあっても、第一標章要素20
a,第二標章要素20bを階調表現層10により表現す
ることができる。また、飾りパターン7を表面または/
及び裏面に形成することができる。
【0037】
【発明の効果】本発明の透かし入り帳票用紙1は、上述
したように、原紙3の紙面上に、紙色の遮光インキ5を
部分的に形成して、該遮光インキ5の在る面部と印刷塗
布されていない面部との透過度の相違により、透かし標
章部2を区画形成し、光の透過により該透かし標章部を
視認可能としたものであり、従来構成の油性インキを含
浸させた構成と異なり、経時変化がなく、微細な意匠表
現も可能となり、かつ表面から目立たない。また、かか
る構成にあって、紙色の遮光インキとして、白色顔料と
して、無機顔料である酸化チタン(TiO 2 )を用いた
紫外線硬化型紙色インキを使用したから、酸化チタンの
反射特性から、光の遮蔽能力が向上し、このため遮光イ
ンキ5の印刷塗布されていない面部に比して遮光インキ
5の在る面部の透過度が大きく低下し、透かした状態
で、透かし標章部を明瞭に確認することができる。
【0038】一方、単一性のある標章を二つの標章要素
20a,20bに分離し、原紙の表面に第一標章要素2
0aを、裏面に第二標章要素20bを、夫々紙色の遮光
インキを塗布して印刷して、両標章要素の重ね合わせに
より、所定の標章が再現されるようにして透かし標章部
2を形成することができ、この場合には、紙面上での光
の反射率の相違によっては、一方の標章要素20aしか
目視できず、紙を透かさない限りは完成された標章を確
認することができず、透かし標章部2の意義を向上させ
得ると共に、透かしにより表面反射によって確認した標
章とは、異なる標章が結像され、意外性のある変化に富
んだ透かし標章部2を提供できる。また、模倣しようと
する場合には、表裏の第一標章要素20a,第二標章要
素20bを夫々正確に位置合わせして印刷する必要があ
り、高い技術を要し、偽造が困難となる。即ち偽造防止
効果が向上する。
【0039】また、用紙1の表面に、隠蔽用の飾りパタ
ーン7を形成した場合には、透かし標章部2を用紙1を
透かして視ない限りは、紙面上で目立たず、透かし入り
帳票用紙1に印字される種々の情報を視覚的に阻害しな
い。
【0040】ここで、用紙1の表面に遮光インキ5を形
成する場合は、該遮光インキ5の形成と、飾りパターン
7の形成を同一面で順次印刷すれば良いから、形成が簡
単となるとともに、飾りパターン7を遮光インキ5と同
一の紫外線硬化型インキを用いて形成することにより、
飾りパターン7を安定的に定着することができる。
【0041】また、原紙の裏面にのみ紙色の遮光インキ
5を部分的に印刷塗布して、透かし標章部2を区画形成
し、原紙の表面に透かし標章部2を隠蔽する飾りパター
ン7を印刷するようにしても良い。かかる構成にあって
は、飾りパターン7は、遮光インキ5を直接覆うように
形成されるものではないから、遮光インキ5と同様のイ
ンキで形成する必要はなく、この為、飾りパターン7の
インキの選択性が広がる。
【0042】さらに各構成にあって、透かし標章部2
を、遮光インキ5により印刷塗布して網点または線によ
り表現される階調表現層10により構成した場合には、
透かし標章部2を、濃淡等の階調表現により、写真画
像,キャラクター図形,模様等として表現することが可
能となり、意匠的効果が向上する。
【0043】ここで、遮光インキ5として、紫外線硬化
型紙色インキを用いた場合は、該インキは速乾性で、耐
熱性に優れているから、遮光インキ5の印刷形成が容易
であり、レーザプリンタなどの高温で印字するような印
刷機械で、透かし標章部2上にプリントすることができ
る。
【0044】また、単一性のある標章を二つの標章要素
20a,20bに分離して配設下構成(請求項2)にあ
っても、白色の紫外線硬化型紙色インキに用いられる白
色顔料として、無機顔料である酸化チタン(TiO2
を用いることができ、その反射特性から、光の遮蔽能力
が向上し、遮光インキ5の印刷塗布されていない面部に
比して遮光インキ5の在る面部の透過度が大きく低下
し、透かした状態で、透かし標章部を明瞭に確認するこ
とができる。
【0045】一方、用紙に色が付いている場合には、遮
光インキ5に、原紙の色調と近似させるための調整顔料
を混合しても良い。これにより、用紙に色が付いている
場合にあっても、常態において、遮光インキが目立たな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る帳票用紙1の平面図である。
【図2】帳票用紙1の透かした状態の平面図である。
【図3】透かし標章部2を表面側に形成した場合の実施
例を示す帳票用紙1の縦断面図である。
【図4】透かし標章部2を裏面側に形成した場合の実施
例を示す帳票用紙1の縦断面図である。
【図5】余白面部6を遮光インキ5で構成した変形例の
帳票用紙1’の透かし状態を示す平面図である。
【図6】変形例の帳票用紙1’の縦断面図である。
【図7】透かし標章部2を表面側に形成した場合の実施
例にあって、階調表現層10を形成した変形例を示す帳
票用紙1の縦断面図である。
【図8】透かし標章部2を裏面側に形成した場合の実施
例にあって、階調表現層10を形成した変形例を示す帳
票用紙1の縦断面図である。
【図9】変形例の帳票用紙1’にあって、階調表現層1
0を形成した実施例を示す縦断面図である。
【図10】変形例の帳票用紙1”の平面図である。
【図11】変形例の帳票用紙1”の縦断面図である。
【図12】イは第一標章要素20a,ロは第二標章要素
20bの正面図である。
【符号の説明】
1,1’1” 透かし入り帳票用紙 2 透かし標章部 3 原紙 5 遮光インキ 6 余白面 7 飾りパターン 10 階調表現層 20a 第一標章要素 20b 第二標章要素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−259900(JP,A) 特開 平11−34476(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 3/10 B41M 3/14 B42D 15/10 531

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙の紙面上に、白色顔料として酸化チタ
    ンを含有する紫外線硬化型紙色インキからなる、紙色の
    遮光インキを部分的に印刷塗布して、該遮光インキが印
    刷塗布された面部と印刷塗布されていない面部との透過
    度の相違により、透かし標章部を区画形成し、光の透過
    により該透かし標章部を視認可能としたことを特徴とす
    る透かし入り帳票用紙。
  2. 【請求項2】原紙の紙面上に、紙色の遮光インキを部分
    的に印刷塗布して、該遮光インキが印刷塗布された面部
    と印刷塗布されていない面部との透過度の相違により、
    透かし標章部を区画形成し、光の透過により該透かし標
    章部を視認可能としたものであって、 単一性のある標章を二つの標章要素に分離し、原紙の表
    面上に、第一標章要素を、裏面に第二標章要素を、夫々
    紙色の遮光インキを塗布して印刷して、両標章要素の重
    ね合わせにより、所定の標章が再現されるようにして透
    かし標章部を区画形成したことを特徴とする透かし入り
    帳票用紙
  3. 【請求項3】原紙の表面に、該透かし標章部上を覆うよ
    うにして、透かし標章部を隠蔽する飾りパターンを印刷
    したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の透か
    し入り帳票用紙。
  4. 【請求項4】原紙の裏面にのみ紙色の遮光インキを部分
    的に印刷塗布して、透かし標章部を区画形成し、原紙の
    表面に透かし標章部を隠蔽する飾りパターンを印刷した
    ことを特徴とする請求項1記載の透かし入り帳票用紙。
  5. 【請求項5】透かし標章部が、紙色の遮光インキにより
    網点または線により表現される階調表現層であることを
    特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の透
    かし入り帳票用紙。
  6. 【請求項6】遮光インキが、紫外線硬化型紙色インキで
    あることを特徴とする請求項2記載の透かし入り帳票用
    紙。
  7. 【請求項7】紫外線硬化型紙色インキが、白色顔料とし
    て酸化チタンを含有するものであることを特徴とする請
    求項6記載の透かし入り帳票用紙。
  8. 【請求項8】紫外線硬化型紙色インキが、紫外線硬化型
    インキに原紙の色調と近似させるための調整顔料を混合
    してなるものであることを特徴とする請求項1、請求項
    6又は請求項7記載の透かし入り帳票用紙。
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