JP4483927B2 - 多気筒内燃機関の失火気筒特定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、失火気筒を特定するための多気筒内燃機関の失火気筒特定装置に関し、特に複数気筒の同時失火時の失火気筒の特定をより好適に行うための失火気筒特定ロジックの改良に関するものである。
多気筒内燃機関では、失火が発生すると、トルク変動が生じる他、その気筒に供給された燃料が燃焼されないまま排出されてしまい、排気エミッションが悪化するようになる。そこで失火が発生した場合には、失火中の気筒への燃料供給を停止することで、失火に伴う排気エミッションの悪化を防止するようにしている。こうした失火気筒の休止を行うには、いずれの気筒で失火が発生しているかを特定する必要がある。
一般に、失火気筒の特定は、例えば特許文献1に見られるように、回転変動量が規定の失火判定値を上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数の多い気筒を失火気筒と特定することで行われている。こうした態様での失火気筒の特定は、単一の気筒のみで失火が発生している場合には、有効に行うことができる。
しかしながら、複数の気筒で同時に失火が発生している場合には、上記態様だけでは、失火気筒を有効に特定することは難しい。そこで従来、複数気筒の同時失火時にも、失火気筒の特定が可能な失火気筒特定装置として、特許文献2、3に記載のものが提案されている。例えば特許文献2に記載の装置では、回転変動パターンから単一気筒失火、連続2気筒失火、間欠2気筒失火のいずれであるかを判別し、失火気筒を特定するようにしている。また特許文献3に記載の装置では、点火順序の連続する3つの気筒についての回転変動パターンから、単一気筒失火、連続2気筒失火、間欠2気筒失火のいずれであるかを判別し、失火気筒を特定するようにしている。
特開平5−18311号公報 特開2003−343340号公報 特開平10−318033号公報
上記のような従来の失火気筒特定装置における回転変動パターンに基づく失火気筒の特定によっても、内燃機関の気筒数の少ないとき、例えば6気筒以下のときには、好適に失火気筒の特定を行うことができる。しかしながら、こうした態様での失火気筒の特定は、気筒数が多くなるに従って困難となる。すなわち、気筒数の増加に従って、考えられる失火気筒の組合せの数は指数的に増大する。例えば同時に失火する気筒が2気筒以下だとして、考えられる失火気筒の組み合わせは、4気筒内燃機関では10通りであるが、6気筒内燃機関では21通りに、8気筒内燃機関では36通りにもなる。更に3気筒以上の同時失火まで考慮するのであれば、考えられる失火気筒の組み合わせの数は、更に増大するようになる。
上記のような回転変動のパターンマッチングに基づく失火気筒の特定を行うには、考えられる失火気筒の組み合わせのそれぞれについて、回転変動パターンを予め求めておくとともに、その求められた回転変動パターンのすべてについて照合を行う必要がある。したがって、気筒数が多くなるほど、より多くの回転変動パターンを予め求めなければならなくなり、また失火気筒特定のロジックが複雑となってしまうようにもなる。そのため、上記のような回転変動のパターンマッチングのみに基づく失火気筒の特定は、気筒数の多い内燃機関では、その適用が困難となっている。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであって、その解決しようとする課題は、比較的簡単なロジックのみで多気筒内燃機関の失火気筒の特定を行うことのできる多気筒内燃機関の失火気筒特定装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果を記載する。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、失火気筒を特定する多気筒内燃機関の失火気筒特定装置であって、単一気筒失火であるか、複数気筒失火であるかを判別する判別手段と、前記判別手段によって複数気筒失火であると判別されたときに、回転変動の大きい順に2番目迄の気筒を失火気筒と特定する特定手段と、を備えることをその要旨としている。
上記構成では、失火気筒の特定に当ってまずは、単一気筒失火であるか、複数気筒失火であるかの判別のみが行われる。失火気筒の特定まで行わないのであれば、単一気筒失火か、複数気筒失火かの判別は、比較的簡単に行うことができる。そしてここでは、複数気筒失火であると判別されたときには、3気筒以上の同時失火が確率的に無視し得るものとして、2気筒で失火が発生していると見做すようにしている。こうして失火気筒が2気筒であるということが判りさえすれば、各気筒の回転変動の大きさから失火気筒を簡単に特定することができる。このように上記構成では、単一気筒失火か、複数気筒失火かの判別と、失火気筒の特定とを分離して行うことで、単一気筒失火、2気筒失火のいずれについても、簡単なロジックのみで失火気筒の特定を可能としている。したがって上記構成によれば、比較的簡単なロジックのみで多気筒内燃機関の失火気筒の特定を行うことができるようになる。
こうした請求項1に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置における前記特定手段による各気筒の前記回転変動の大きさの判断は、例えば請求項2に記載のように、規定サイクルにおける回転変動量の積算値を気筒毎に求めるとともに、その積算値の大きさにより行うことができる。この場合、回転変動量の積算値を気筒毎に求めるとともに、その積算値の大きい順に2番目迄の気筒を失火気筒と特定するという、簡単なロジックで失火気筒を特定することができる。
また請求項1に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置における前記特定手段による各気筒の前記回転変動の大きさを判断は、例えば請求項3に記載のように、規定サイクルの間、回転変動量が規定の失火判定値を上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数より行うこともできる。この場合、規定サイクルの間、回転変動量が規定の失火判定値を上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数の多い順に2番目迄の気筒を失火気筒と特定するという、簡単なロジックで失火気筒を特定することができる。
なおこうした請求項1〜3のいずれか1項に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置における前記判別手段による単一気筒失火か、複数気筒失火かの判別は、例えば請求項4に記載のように回転変動のパターンに基づいて行うことができる。この場合には、回転変動のパターンマッチングによっては、失火気筒の特定までは行わず、単に失火中の気筒が単数であるか、複数であるかの判別のみを行うため、気筒数が増えても、比較的簡易にその判別を行うことができる。
上記課題を解決するため、請求項5に記載の発明は、失火気筒を特定する多気筒内燃機関の失火気筒特定装置であって、失火気筒数を判別する判別手段と、前記判別手段によって失火気筒数が複数であると判別されたときには、回転変動の大きい順に[失火気筒数]番目迄の気筒を失火気筒と特定する特定手段と、を備えることをその要旨としている。
上記構成では、失火気筒の特定に当ってまずは、失火の発生している気筒の数、すなわち失火気筒数を判別することのみが行われる。失火気筒の特定まで行わないのであれば、失火気筒数の判別は、比較的簡単に行うことができる。そして失火気筒数さえ判れば、簡単なロジックで失火気筒を特定することができる。以上のように上記構成では、失火気筒数の判別と、失火気筒の特定とを分離して行うことで、単一気筒失火、複数気筒失火のいずれについても、簡単なロジックのみで失火気筒の特定を可能としている。したがって上記構成によれば、比較的簡単なロジックのみで多気筒内燃機関の失火気筒の特定を行うことができるようになる。
なおこうした請求項5に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置における前記特定手段による各気筒の前記回転変動の大きさの判断は、例えば請求項6に記載のように、規定サイクルにおける回転変動量の積算値を気筒毎に求めるとともに、その積算値の大きさより行うことができる。この場合には、規定サイクルにおける回転変動量の積算値を気筒毎に求めるとともに、その積算値の大きい順に[失火気筒数]番目迄の気筒を失火気筒と特定するという、簡単なロジックで失火気筒を特定することができる。
また上記請求項5に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置における前記特定手段による各気筒の前記回転変動の大きさの判断は、例えば請求項7に記載のように、規定サイクルの間、回転変動量が規定の失火判定値を上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数により行うこともできる。この場合には、規定サイクルの間、回転変動量が規定の失火判定値を上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数の多い順に[失火気筒数]番目迄の気筒を失火気筒と特定する、という簡単なロジックで失火気筒を特定することができる。
なおこうした請求項5〜7のいずれか1項に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置における前記判別手段による失火気筒数の判別は、例えば請求項8に記載のように、規定サイクルにおける回転変動量の積算値と、失火気筒数毎に設定された判定値との対比に基づき行うようにすることができる。すなわち、失火気筒数が多くなるほど、内燃機関の回転変動量はより大きくなるため、規定サイクルにおける回転変動量の積算値と、失火気筒数毎に設定された判定値との対比に基づき、失火気筒数を判別することが可能となる。
また上記請求項5〜7のいずれか1項に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置における前記判別手段による失火気筒数の判別は、例えば請求項9に記載のように、当該多気筒内燃機関が規定の運転条件で運転されるときの燃料噴射量及び吸入空気量のいずれかに基づいて行うようにすることもできる。すなわち、失火気筒数が増加すれば、一定の機関出力を得るために必要な単気筒当りの発生トルクは大きくなるため、多気筒内燃機関が規定の運転条件で運転されるときの燃料噴射量及び吸入空気量は、失火気筒数が増す毎に多くなる。したがって、上記態様によっても、失火気筒数を判別することが可能である。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置において、前記特定手段は、前記判別手段によって単一気筒失火であると判別されたときには、規定サイクルの間、回転変動量が規定の失火判定値を上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数が最も多い気筒を失火気筒と特定することをその要旨としている。
単気筒失火であることさえ判っているのであれば、失火気筒の特定は容易に行うことができる。例えば上記のように、規定サイクルの間、回転変動量が規定の失火判定値を上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数が最も多い気筒を失火気筒と特定するといった態様でも、失火気筒の特定が可能である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置を具体化した第1の実施の形態を、図1〜図4を参照して詳細に説明する。本実施の形態では、左右のバンクにそれぞれ4つの気筒が配列されたV型8気筒の内燃機関に本発明を適用した場合について説明する。
図1に、本実施の形態の失火気筒特定装置の全体構造を示す。同図に示される内燃機関の左バンクには、前方から順に第1気筒#1、第3気筒#3、第5気筒#5及び第7気筒#7が配置され、その右バンクには、前方から順に第2気筒#2、第4気筒#4、第6気筒#6及び第8気筒#8が配置されている。なお、ここでは、この内燃機関の点火順序が、第1気筒#1→第8気筒#8→第7気筒#7→第3気筒#3→第6気筒#6→第5気筒#5→第4気筒#4→第2気筒#2の順に設定されているものとする。
さて同図に示すように、こうした内燃機関の各気筒#1〜#8にはそれぞれ上下動可能にピストン10が配置され、その上方に燃焼室11が区画形成されている。そして各気筒#1〜#8の燃焼室11には、吸気通路12及び排気通路13,14がそれぞれ接続されている。
こうした内燃機関の吸気通路12には、吸入空気量を検出するエアフローメータ15と、開度調整を通じて吸入空気量を調節するスロットルバルブ16とが設けられている。そして吸気通路12は、左右バンクのシリンダヘッドに形成された吸気ポート17を介して各気筒#1〜#8の燃焼室11にそれぞれ接続されている。
各気筒#1〜#8の吸気ポート17には、燃料を噴射するインジェクタ18がそれぞれ設置されている。また各気筒#1〜#8の頂部には、インジェクタ18から噴射された燃料と、吸気通路12を通じて導入された空気との混合気を火花放電により着火させる点火プラグ19がそれぞれ設けられている。
各気筒#1〜#8のピストン10は、コネクティングロッド20を介して、機関出力軸であるクランクシャフト21にそれぞれ連結されている。こうしたクランクシャフト21の近傍には、その回転位相を検出するクランクポジションセンサ22が設置されている。
こうした内燃機関の制御は、電子制御ユニット23により行われるようになっている。電子制御ユニット23は、内燃機関の制御に係る各種演算処理を実施する中央演算処理装置(CPU)、制御用のプログラムやデータの記憶されたリードオンリーメモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、外部との信号の入出力を司る入出力ポート(I/O)等を備えて構成されている。こうした電子制御ユニット23には、上記エアフローメータ15やクランクポジションセンサ22を始め、アクセル操作量を検出するアクセルセンサ24や車速を検出する車速センサ25などの各種センサの信号が入力されている。そして電子制御ユニット23は、入力されたセンサ信号に基づいて上記スロットルバルブ16やインジェクタ18、点火プラグ19などに指令信号を出力して、スロットルバルブ16の開度制御やインジェクタ18の燃料噴射制御、点火プラグ19の点火時期制御などの制御を実施する。
続いて、以上のように構成された多気筒内燃機関の電子制御ユニット23は、その機関制御の一環として、機関運転中に、失火の有無を確認するとともに、失火の発生している気筒の特定を行う処理を行っている。続いて、こうした本実施の形態において電子制御ユニット23により行われる失火気筒の特定に係る処理の詳細を説明する。
電子制御ユニット23は、機関運転中、各気筒#1〜#8の回転変動量の算出を継続的に行っている。各気筒#1〜#8の回転変動量の算出は、以下の態様で行われている。
電子制御ユニット23は、クランクポジションセンサ22の検出結果に基づき、圧縮上死点を基準「0°CA」としたときに、クランクシャフト21が「0°CA」から「30°CA」まで回転するのに要した時間A(i)と、「90°CA」から「120°CA」まで回転するのに要した時間B(i)とを、各気筒#1〜#8が点火順序となる毎に計測する。ここでの時間A(i)は、クランクシャフト21の回転速度が極大になるときの「30°CA」の回転に要する時間として、時間B(i)は、同クランクシャフト21の回転速度が極大になるときの「30°CA」の回転に要する時間としてそれぞれ計測されている。
そして電子制御ユニット23は、下式(a)に示される通り、上記時間B(i)と時間A(i)との差(B(i)−A(i))を求めるとともに、点火順序においてその気筒の直前の気筒における同時間の差(B(i−1)−A(i−1))をその差から減算したものを、その気筒の回転変動量DLTFLとして求めるようにしている。
DLTFL=(B(i−1)−A(i−1))−(B(i)−A(i))…(a)
さて電子制御ユニット23は、こうして求められた各気筒#1〜#8の回転変動量に基づき、失火の有無の確認と同時に、単一気筒失火であるか、複数気筒失火であるかの判別を行っている。こうした確認及び判別は、以下のように、各気筒#1〜#8の回転変動パターンに基づき行われる。
図2(a)は、失火が一切発生していないときの、すなわち未失火時の回転変動パターンの一例を示している。同図に示すように、このときの各気筒#1〜#8の回転変動量DLTFLは、多少上下するものの、いずれも小さい値となっている。
一方、図2(b)は、単一気筒失火時、すなわちいずれか1つの気筒のみで失火が発生しているときの回転変動パターンの一例を示している。同図に示すように、このときの各気筒#1〜#8の回転変動量DLTFLは、失火の発生している気筒(同図では第3気筒#3で失火が発生)での値が突出して大きくなっている。
更に図2(c)は、複数気筒失火時、すなわち2つ以上の気筒で失火が発生しているときの回転変動パターンの一例を示している。同図に示すように、このときの各気筒#1〜#8の回転変動量DLTFLは、失火の発生している2つの気筒(同図では第3気筒#3と第8気筒#8とで失火が発生)において大きくなっている。なお、複数気筒失火時の回転変動パターンは、失火の発生している気筒の組み合せによって、図に例示したもの以外にも様々に変化する。
電子制御ユニット23は、こうした回転変動パターンにより、失火未発生と単一気筒失火と複数気筒失火とを判別するようにしている。すなわち電子制御ユニット23は、各気筒#1〜#8の回転変動量DLTFLがすべて小さい値に留まっていれば「未失火」と、いずれか1つの気筒の回転変動量DLTFLのみが突出して大きくなっていれば「単一気筒失火」と判別するようにしている。また電子制御ユニット23は、少なくとも1つの気筒の回転変動量DLTFLが大きく、且つ単一気筒失火時のような、1つの気筒の回転変動量DLTFLのみが突出して大きくなるような回転変動パターンでなければ、「複数気筒失火」と判別するようにしている。
上述したように、気筒数の多い内燃機関では、様々な失火気筒の組み合せが考えられることから、回転変動パターンのみに基づいて失火気筒を特定することは困難となっている。しかしながら、単一気筒失火か、複数気筒失火かを判別するだけであれば、上記のように簡単に行うことが可能である。
その後、電子制御ユニット23は、単一気筒失火であると判別されたのであれば、以下の態様で失火気筒の特定を行う。すなわち電子制御ユニット23は、規定サイクルの間、回転変動量DLTFLが規定の失火判定値LVMFを上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数が最も多い気筒を失火気筒と特定するようにしている。ここでは、各気筒#1〜#8の燃焼サイクルが100回となるまでの期間、すなわちクランクシャフト21の200回転(rev)分の期間、上記カウントを行って、失火気筒を特定するようにしている。
一方、電子制御ユニット23は、複数気筒失火であると判別されたときには、以下の態様で失火気筒の特定を行うようにしている。なお、ここでは、3気筒以上の同時失火が確率的に無視し得るものとして、このときには2気筒で失火が発生していると考えるようにしている。そしてその失火発生中の2つの気筒の特定を、規定サイクルにおける回転変動量DLTFLの積算値を気筒毎に求めるとともに、その積算値の大きさにより各気筒の回転変動の大きさを判断して行うようにしている。具体的には、各気筒#1〜#8のそれぞれについて、100燃焼サイクルにおける回転変動量DLTFLの積算値を算出し、その積算値の大きさの順で2番目迄の気筒を失火気筒と特定するようにしている。
図3は、2気筒失火時の各気筒#1〜#8の回転変動量DLTFLの推移の一例を示している。同図に示すように、失火の発生している気筒(同図の例では、第3気筒#3と第8気筒#8とで失火が発生)では、回転変動量DLTFLが大きくなる。ここで、そうした失火気筒の回転変動量DLTFLの増大の度合が燃焼サイクル毎に多少上下したとしても、或いはそれらの気筒で失火が間欠的に発生したとしても、一定数以上の燃焼サイクルにおける失火気筒の回転変動量DLTFLの積算値は、未失火気筒の同積算値に比して、統計的には大きくなると言える。したがって、失火が2気筒で発生していることが判っているのであれば、上記態様で失火気筒を特定することが可能となる。
図4は、こうした本実施の形態に採用される失火気筒特定ルーチンのフローチャートを示している。同ルーチンの処理は、失火の発生が確認されたときに、電子制御ユニット23により実行されるものとなっている。
さて本ルーチンが開始されると、電子制御ユニット23はまず、ステップS10において、上述した態様での回転変動パターンに基づく単一気筒失火か、複数気筒失火かの判別を行う。ここで「単一気筒失火」と判別された場合、電子制御ユニット23は、ステップS20及びステップS30の処理を通じて、クランクシャフト21が200回転(rev)される迄の期間、気筒別の失火カウンタの積算処理を、すなわち回転変動量DLTFLが規定の失火判定値LVMFを上回った回数を気筒別にカウントする処理を実行する。そして電子制御ユニット23は、続くステップS40において、その処理の結果に基づいて失火気筒を特定する。具体的には、このときの電子制御ユニット23は、失火カウンタの値が最大の気筒を失火気筒と特定する。その後、電子制御ユニット23は、ステップS80において、特定された失火気筒の燃料供給を停止して、今回の本ルーチンの処理を終了する。
一方、ステップS10において「複数気筒失火」と判別されたときには、電子制御ユニット23は、ステップS50及びステップS60の処理を通じて、クランクシャフト21が200回転(rev)される迄の期間、各気筒#1〜#8の回転変動量DLTFLの積算処理を実行する。すなわち、このときの電子制御ユニット23は、クランクシャフト21の200回転分の回転変動量DLTFLの積算値を気筒別にそれぞれ算出する。そしてその後、電子制御ユニット23は、ステップS70において、算出された積算値の大きい順に2番目迄の気筒を失火気筒と特定する。その後、電子制御ユニット23は、ステップS80において、特定された失火気筒の燃料供給を停止して、今回の本ルーチンの処理を終了する。
以上の本実施の形態では、上記「失火気筒特定ルーチン」のステップS10における電子制御ユニット23の処理が、上記「単一気筒失火であるか、複数気筒失火であるかを判別する判別手段」の行う処理に相当する。また同「失火気筒特定ルーチン」のステップS50〜S70における電子制御ユニット23の処理が「前記判別手段によって複数気筒失火であると判別されたときに、回転変動の大きい順に2番目迄の気筒を失火気筒と特定する特定手段」の行う処理に相当する。
以上説明した本実施の形態の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置によれば、次の効果を奏することができる。
(1)本実施の形態では、電子制御ユニット23は、単一気筒失火であるか、複数気筒失火であるかを判別するとともに、複数気筒失火であると判別されたときには、回転変動の大きい順に2番目迄の気筒を失火気筒と特定するようにしている。すなわち本実施の形態では、失火気筒の特定に当ってまずは、単一気筒失火であるか、複数気筒失火であるかの判別のみが行われる。失火気筒の特定まで行わないのであれば、単一気筒失火か、複数気筒失火かの判別は、比較的簡単に行うことができる。そしてここでは、複数気筒失火であると判別されたときには、3気筒以上の同時失火が確率的に無視し得るものとして、2気筒で失火が発生していると見做すようにしている。失火気筒が2気筒であるということが判りさえすれば、各気筒の回転変動の大きさから失火気筒を簡単に特定することができる。このように本実施の形態では、単一気筒失火か、複数気筒失火かの判別と、失火気筒の特定とを分離して行うことで、単一気筒失火、2気筒失火のいずれについても、簡単なロジックのみで失火気筒の特定を可能としている。したがって本実施の形態によれば、比較的簡単なロジックのみで多気筒内燃機関の失火気筒の特定を行うことができるようになる。
(2)本実施の形態では、電子制御ユニット23は、各気筒の回転変動の大きさの判断を、規定サイクルにおける回転変動量の積算値を気筒毎に求めてその積算値の大きさにより行うようにしている。そのため、回転変動量の積算値を気筒毎に求めるとともに、その積算値の大きい順に2番目迄の気筒を失火気筒と特定するという、簡単なロジックで複数気筒失火時の失火気筒の特定を行うことができるようになる。
(3)本実施の形態では、電子制御ユニット23は、単一気筒失火であると判別されたときに、規定サイクルの間、回転変動量が規定の失火判定値LVMFを上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数が最も多い気筒を失火気筒と特定するようにしている。そのため、単一気筒失火時の失火気筒の特定も、簡単なロジックで行うことができるようになる。
(第2の実施の形態)
続いて、本発明を具体化した多気筒内燃機関の失火気筒特定装置の第2の実施の形態について、上記実施の形態と異なる点を中心に説明する。なお、本実施の形態以後の各実施の形態について、前述した実施の形態と共通、或いはそれに準じた構成要素については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
第1の実施の形態では、規定サイクルにおける回転変動量DLTFLの積算値を気筒毎に求めるとともに、その積算値の大きさにより各気筒の回転変動の大きさを判断し、その大きさの順に2番目迄の気筒を失火気筒と特定するようにしていた。本実施の形態では、規定サイクルの間、回転変動量DLTFLが規定の失火判定値LVMFを上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数より各気筒の回転変動の大きさを判断し、その大きさの順に2番目迄の気筒を失火気筒と特定するようにしている。具体的には、気筒毎に失火カウンタを設定するとともに、燃焼サイクル毎に、回転変動量DLTFLが失火判定値LVMFを上回るか否かを判断するようにしている。そして、回転変動量DLTFLが失火判定値LVMFを上回ったときには、その気筒の失火カウンタの値を「1」ずつインクリメントするようにしている。そしてこうした処理をクランクシャフト21が200回転(rev)する迄の期間実行した後、各気筒の失火カウンタの値を比較し、その値の大きさの順に2番目迄の気筒を失火気筒と特定するようにしている。
図5は、2気筒失火時の各気筒#1〜#8の回転変動量DLTFLの推移の一例を示している。同図に示すように、失火の発生している気筒(同図の例では、第3気筒#3と第8気筒#8とで失火が発生)では、回転変動量DLTFLが大きくなる。ここでは、回転変動量DLTFLの値が規定の失火判定値LVMFを上回る毎にその気筒の失火カウンタの値をインクリメントするようにしている。なお、失火の発生している気筒にあっても、燃焼サイクルによっては、回転変動量DLTFLの値が失火判定値LVMF以下となることもある。また失火が間欠的にしか発生しないこともある。そうした場合にも、一定数以上の燃焼サイクルにおける失火気筒の失火カウンタの値は、未失火気筒の同カウンタの値に比して、統計的には大きくなると言える。したがって、失火が2気筒で発生していることが判っているのであれば、上記態様で失火気筒を特定することが可能となる。
図6は、こうした本実施の形態に採用される失火気筒特定ルーチンのフローチャートを示している。同ルーチンの処理も、失火の発生が確認されたときに、電子制御ユニット23により実行されるものとなっている。また本ルーチンのステップS10〜S40、S80の処理は、図4に示した第1の実施の形態の同ルーチンにおけるものと同じとなっている。
さて本実施の形態では、ステップS10において「複数気筒失火」と判別されたときには、電子制御ユニット23は、ステップS150及びステップS160の処理を通じて、クランクシャフト21が200回転される迄の期間、各気筒#1〜#8の失火カウンタの積算処理を実行する。すなわち、このときの電子制御ユニット23は、クランクシャフト21が200回転される迄の期間、各気筒#1〜#8の回転変動量DLTFLが失火判定値LVMFを上回った回数を気筒別にカウントし、その回数を気筒別の失火カウンタにそれぞれ記憶する。そしてその後、電子制御ユニット23は、ステップS170において、失火カウンタの値の大きい順に2番目迄の気筒を失火気筒と特定し、ステップS80において、特定された失火気筒の燃料供給を停止して、今回の本ルーチンの処理を終了する。
以上の本実施の形態では、上記「失火気筒特定ルーチン」のステップS10における電子制御ユニット23の処理が、上記「単一気筒失火であるか、複数気筒失火であるかを判別する判別手段」の行う処理に相当する。また同「失火気筒特定ルーチン」のステップS150〜S170における電子制御ユニット23の処理が「前記判別手段によって複数気筒失火であると判別されたときに、回転変動の大きい順に2番目迄の気筒を失火気筒と特定する特定手段」の行う処理に相当する。
以上説明した本実施の形態の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置によれば、上記(1)及び(3)に記載の効果に加え、更に以下の効果を奏することができる。
(4)本実施の形態では、電子制御ユニット23は、規定サイクルの間、回転変動量が規定の失火判定値LVMFを上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数より各気筒の回転変動の大きさを判断するようにしている。そのため、規定サイクルの間、回転変動量が規定の失火判定値LVMFを上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数の多い順に2番目迄の気筒を失火気筒と特定するという、簡単なロジックで複数気筒失火時の失火気筒の特定を行うことができる。
(第3の実施の形態)
上記実施の形態では、3気筒以上の同時失火が確率的に無視し得るものとして、失火気筒の特定を行うようにしていた。しかしながら、場合によっては、3つ、或いはそれ以上の気筒の同時失火時についても失火気筒の特定が求められることもある。本実施の形態の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置は、単一気筒失火時及び2気筒失火時に加え、3気筒失火時にも失火気筒の特定を行えるものとなっている。
こうした失火気筒の特定を行うには、失火気筒数を判別することが必要となる。ここでは、次の判別態様(A)、(B)のいずれかを通じて、失火気筒数の判別を行うようにしている。
(A)規定サイクルにおける回転変動量DLTFLの積算値と、失火気筒数毎に設定された判定値との対比に基づき失火気筒数の判別を行う。失火気筒数が多くなるほど、内燃機関の回転変動量はより大きくなるため、規定サイクルにおける回転変動量DLTFLの積算値と、失火気筒数毎に設定された判定値との対比に基づき、失火気筒数を判別することが可能となる。例えば規定サイクルにおける全気筒の回転変動量DLTFLの積算値が第1判定値以上、且つ第2判定値(>第1判定値)未満であれば単一気筒失火と判別し、同積算値が第2判定値以上、且つ第3判定値(>第2判定値)未満であれば2気筒失火と判別し、更に同積算値が第3判定値以上であれば3気筒失火と判別する、といった態様で失火気筒数の判別を行う。
(B)当該多気筒内燃機関が規定の運転条件で運転されるときの燃料噴射量及び吸入空気量のいずれかに基づいて失火気筒数の判別を行う。失火気筒数が増加すれば、一定の機関出力を得るために必要な単気筒当りの発生トルクは大きくなるため、多気筒内燃機関が規定の運転条件で運転されるときの燃料噴射量及び吸入空気量は、失火気筒数が増す毎に多くなる。よって、上記条件下での燃料噴射量や吸入空気量の大きさから失火気筒数を判別することが可能となる。例えば、ほぼ無負荷の状態で機関回転速度を規定のアイドル回転速度に維持するように吸入空気量や燃料噴射量のフィードバック制御が行われるアイドル運転時の燃料噴射量や吸入空気量に基づけば、失火気筒数の判別が可能である。また多気筒内燃機関を駆動源とする車両が平坦路を走行中で、運転者のアクセル操作を通じて車速が規定の車速に維持されているときの燃料噴射量や吸入空気量に基づくことでも、同様に失火気筒数の判別が可能である。この場合には、上記のような状況下での燃料噴射量や吸入空気量が、第1判定値以上、且つ第2判定値(>第1判定値)未満であれば単一気筒失火と判別し、同積算値が第2判定値以上、且つ第3判定値(>第2判定値)未満であれば2気筒失火と判別し、更に同積算値が第3判定値以上であれば3気筒失火と判別する、といった態様で失火気筒数の判別を行うことになる。
こうして失火気筒数が判別されれば、上述したような回転変動量DLTFLの積算値や失火カウンタの値に基づくことで簡単に失火気筒を特定することができる。すなわち、失火気筒数が「n」であると判別されていれば、規定サイクルにおける回転変動量の積算値を気筒毎に求めるとともに、その積算値の大きい順に「n」番目迄の気筒が失火気筒であると特定することができる。また同様に規定サイクルの間、回転変動量が規定の失火判定値LVMFを上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数の多い順に「n」番目迄の気筒が失火気筒であると特定することもできる。
図7は、こうした本実施の形態に採用される失火気筒特定ルーチンの一例を示している。本ルーチンの処理も、失火の発生が確認されたときに、電子制御ユニット23により実行されるものとなっている。なお同図には、失火カウンタを用いて失火気筒の特定を行う場合の処理手順を示したが、回転変動量DLTFLの積算値を用いて失火気筒の特定を行うことも同様に可能である。
さて本ルーチンが開始されると、電子制御ユニット23はまず、ステップS200において、上述の判別態様(A)、(B)のいずれかを通じて失火気筒数nの判別を行う。
こうして失火気筒数nが判別されると、電子制御ユニット23は、ステップS210及びステップS220の処理を通じて、クランクシャフト21が200回転(rev)される迄の期間、各気筒#1〜#8の失火カウンタの積算処理を実行する。すなわち、このときの電子制御ユニット23は、クランクシャフト21が200回転される迄の期間、各気筒#1〜#8の回転変動量DLTFLが失火判定値LVMFを上回った回数を気筒別にカウントし、その回数を気筒別の失火カウンタにそれぞれ記憶する。そしてその後、電子制御ユニット23は、ステップS230において、失火カウンタの値の大きい順に「n」番目迄の気筒を失火気筒と特定し、ステップS240において、特定された失火気筒の燃料供給を停止して、今回の本ルーチンの処理を終了する。
なお以上の本実施の形態では、上記失火気筒特定ルーチンのステップS200における電子制御ユニット23の処理が、上記「失火発生中の気筒数を判別する判別手段」の行う処理に相当する。また同ルーチンのステップS210〜S230における電子制御ユニット23の処理が、上記「前記判別手段によって失火気筒数が複数であると判別されたときには、回転変動の大きい順に[失火気筒数]番目迄の気筒を失火気筒と特定する特定手段」の行う処理に相当する。
以上説明した本実施の形態の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(5)本実施の形態では、電子制御ユニット23は、失火気筒数を判別するとともに、回転変動の大きい順に[失火気筒数]番目迄の気筒を失火気筒として特定するようにしている。すなわち、本実施の形態では、失火気筒の特定に当ってまずは、失火の発生している気筒の数、すなわち失火気筒数を判別することのみが行われる。失火気筒の特定まで行わないのであれば、失火気筒数の判別は、比較的簡単に行うことができる。そして失火気筒数さえ判れば、簡単なロジックで失火気筒を特定することができる。以上のように本実施の形態では、失火気筒数の判別と、失火気筒の特定とを分離して行うことで、単一気筒失火、複数気筒失火のいずれについても、簡単なロジックのみで失火気筒の特定を可能としている。したがって本実施の形態によれば、比較的簡単なロジックのみで多気筒内燃機関の失火気筒の特定を行うことができるようになる。
(6)本実施の形態では、電子制御ユニット23は、失火気筒数nの判別後に、規定サイクルの間、回転変動量が規定の失火判定値LVMFを上回った回数を、気筒別に設定された失火カウンタにてカウントするようにしている。そして電子制御ユニット23は、そのカウントされた回数により各気筒#1〜#8の回転変動の大きさの判断し、回転変動の大きさの順、より詳しくは失火カウンタの値の大きい順に[失火気筒数n]番目迄の気筒を失火気筒と特定するようにしている。そのため、失火気筒数nの判別後に簡単なロジックで失火気筒を特定することができるようになる。なお、失火気筒数nの判別後における失火気筒の特定は、規定サイクルにおける回転変動量DLTFLの積算値を気筒毎に求めるとともに、その積算値の大きさから各気筒の回転変動の大きさを判断して行なうことも可能である。この場合には、積算値の大きさの順で[失火気筒数n]番目迄の気筒を失火気筒と特定することができる。こうした場合にも、失火気筒数nの判別後に簡単なロジックで失火気筒を特定することが可能である。
(7)本実施の形態では、規定サイクルにおける回転変動量の積算値と、失火気筒数毎に設定された判定値との対比に基づくこと、及び当該多気筒内燃機関が規定の運転条件で運転されるときの燃料噴射量及び吸入空気量のいずれかに基づくこと、のいずれかを通じて失火気筒数nを判別するようにしている。そのため、失火気筒数nを好適に判別することができるようになる。
なお、以上説明した各実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・第3の実施の形態では、上記判別態様(A),(B)のいずれかを通じて失火気筒数nを判別するようにしていたが、それら以外にも、失火気筒数nを判別する適当なロジックがあるのであれば、上記判別態様(A),(B)の代りにそれを採用して失火気筒数nを判別するようにしても良い。
・第1及び第2の実施の形態では、回転変動のパターンに基づいて単一気筒失火か、複数気筒失火かの判別を行うようにしていたが、それ以外に上記判別を行う適当なロジックがあれば、それを採用して同様の判別を行うようにしても良い。要は、失火が単一気筒だけのものであるか、そうでないかを判別することのできるロジックであれば、単一気筒失火か、複数気筒失火かの判別に係るロジックとして任意のロジックを採用することが可能である。
・上記実施の形態では、回転変動量DLTFLの積算値、又は失火カウンタの値から各気筒#1〜#8の回転変動の大きさを判断して失火気筒の特定を行うようにしていた。もっとも、それら以外にも各気筒#1〜#8の回転変動の大きさを把握する適当なロジックがあれば、それらの代りにそれを採用して把握された回転変動の大きさに基づく失火気筒の特定を行うようにしても良い。
・上記実施の形態では、上式(a)を用いて各気筒#1〜#8の回転変動量DLTFLを算出するようにしていたが、回転変動量DLTFLの算出に係るロジックとしては、これ以外にも、適切なものを任意に採用することができる。すなわち、回転変動量DLTFLを算出可能な適切な算出ロジックが別にあれば、上式(a)の代りにそれを用いて回転変動量DLTFLを算出するようにしても良い。
・上記実施の形態では、V型8気筒内燃機関の失火気筒特定装置に本発明を適用した場合を説明したが、本発明は、それ以外の型式の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置にも同様に適用することができる。
・上記実施の形態では、点火プラグ19による火花放電を通じて燃料を着火する火花点火式の多気筒内燃機関に本発明を適用しているが、圧縮着火式の多気筒内燃機関での失火気筒を特定する装置としても、本発明は同様に適用することができる。
本発明の第1実施形態に係る多気筒内燃機関の失火気筒特定装置についてその全体構成を模式的に示す略図。 (a)は失火未発生時の回転変動パターンの一例を、(b)は単一気筒失火時の回転変動パターンの一例を、(c)は複数気筒失火時の回転変動パターンの一例を、それぞれ示すグラフ。 2気筒失火時の回転変動量の推移を例示するタイムチャート。 第1実施形態に採用される失火気筒特定ルーチンのフローチャート。 2気筒失火時の回転変動量の推移を例示するタイムチャート。 本発明の第2実施形態に係る多気筒内燃機関の失火気筒特定装置に採用される失火気筒特定ルーチンのフローチャート。 本発明の第3実施形態に係る多気筒内燃機関の失火気筒特定装置に採用される失火気筒特定ルーチンのフローチャート。
符号の説明
10…ピストン、11…燃焼室、12…吸気通路、13,14…排気通路、15…エアフローメータ、16…スロットルバルブ、17…吸気ポート、18…インジェクタ、19…点火プラグ、20…コネクティングロッド、21…クランクシャフト、22…クランクポジションセンサ、23…電子制御ユニット(判別手段、特定手段)、24…アクセルセンサ、25…車速センサ。

Claims (10)

  1. 失火気筒を特定する多気筒内燃機関の失火気筒特定装置であって、
    単一気筒失火であるか、複数気筒失火であるかを判別する判別手段と、
    前記判別手段によって複数気筒失火であると判別されたときに、回転変動の大きい順に2番目迄の気筒を失火気筒と特定する特定手段と、
    を備えることを特徴とする多気筒内燃機関の失火気筒特定装置。
  2. 前記特定手段は、規定サイクルにおける回転変動量の積算値を気筒毎に求めるとともに、その積算値の大きさにより各気筒の前記回転変動の大きさを判断するものである
    請求項1に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置。
  3. 前記特定手段は、規定サイクルの間、回転変動量が規定の失火判定値を上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数より各気筒の前記回転変動の大きさを判断するものである
    請求項1に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置。
  4. 前記判別手段による単一気筒失火か、複数気筒失火かの判別は、回転変動のパターンに基づいて行われる
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置。
  5. 失火気筒を特定する多気筒内燃機関の失火気筒特定装置であって、
    失火気筒数を判別する判別手段と、
    前記判別手段によって前記失火気筒数が複数であると判別されたときには、回転変動の大きい順に[失火気筒数]番目迄の気筒を失火気筒と特定する特定手段と、
    を備えることを特徴とする多気筒内燃機関の失火気筒特定装置。
  6. 前記特定手段は、規定サイクルにおける回転変動量の積算値を気筒毎に求めるとともに、その積算値の大きさより各気筒の前記回転変動の大きさを判断するものである
    請求項5に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置。
  7. 前記特定手段は、規定サイクルの間、回転変動量が規定の失火判定値を上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数により各気筒の前記回転変動の大きさを判断するものである
    請求項5に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置。
  8. 前記判別手段による失火気筒数の判別は、規定サイクルにおける回転変動量の積算値と、失火気筒数毎に設定された判定値との対比に基づき行われる
    請求項5〜7のいずれか1項に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置。
  9. 前記判別手段による失火気筒数の判別は、当該多気筒内燃機関が規定の運転条件で運転されるときの燃料噴射量及び吸入空気量のいずれかに基づいて行われる
    請求項5〜7のいずれか1項に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置。
  10. 前記特定手段は、前記判別手段によって単一気筒失火であると判別されたときには、規定サイクルの間、回転変動量が規定の失火判定値を上回った回数を気筒別にカウントするとともに、そのカウントされた回数が最も多い気筒を失火気筒と特定する
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の多気筒内燃機関の失火気筒特定装置。
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