JP2003065143A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置

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JP2003065143A
JP2003065143A JP2001260790A JP2001260790A JP2003065143A JP 2003065143 A JP2003065143 A JP 2003065143A JP 2001260790 A JP2001260790 A JP 2001260790A JP 2001260790 A JP2001260790 A JP 2001260790A JP 2003065143 A JP2003065143 A JP 2003065143A
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misfire
pattern
engine
output shaft
internal combustion
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JP2001260790A
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Yukihide Hashiguchi
幸秀 橋口
Keisuke Tsukamoto
啓介 塚本
Hiroki Kusano
弘揮 草野
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Toyota Industries Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不必要な判定保留処理を抑制して、より精度の
高い失火異常の検出を可能とする内燃機関の失火検出装
置を提供する。 【解決手段】この失火検出装置は、クランクシャフトの
回転変動量を求め、回転変動量ΔNE2が所定値N1を
超える頻度に基づき内燃機関の失火異常を判定する。回
転変動量ΔNE2が所定値N1を超えた原因が失火発生
によるものとは疑わしい状況についての頻度を悪路カウ
ンタによりカウントし、このカウント値γが所定値に達
することに基づいて失火発生の判定を保留する。悪路走
行時における回転変動量の変化パターンが悪路パターン
として記憶されている。悪路パターンに基づくパターン
判定により(S105)、回転変動量ΔNE2が所定値
N1を超えた原因が悪路走行によるものであると判断さ
れる場合にのみ、悪路カウンタのカウントを進める(S
106)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関での失火
の発生を同機関の回転変動に基づき検出する内燃機関の
失火検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、内燃機関において混合気
への着火がなされない現象、いわゆる失火が発生する
と、未燃燃料が排気通路に排出され、排気エミッション
の悪化や、排気浄化触媒の劣化を招くようになる。ま
た、失火発生時には機関回転速度の変動が大きくなるこ
とから、上述のように、この回転変動に基づいて失火の
発生を検出する失火検出装置もよく知られている。
【0003】一方、内燃機関が搭載された車両が悪路を
走行する場合にも、路面の凹凸などの影響によって機関
回転速度が急激に変化することがある。このため、単に
機関回転速度の変動が大きくなったことを条件に失火の
発生を検出すると、車両の悪路走行中には、失火が発生
してないにもかかわらず失火が発生したと誤検出するお
それがある。
【0004】そこで従来は、こうした問題を解消すべ
く、機関回転速度の変動が大きくなったときに、これが
失火発生によるものか、悪路走行によるものかを更に判
断するようにした失火検出装置も提案されている(例え
ば特開平6−307284号公報参照)。
【0005】ちなみに、内燃機関において失火が発生す
ると、失火が生じた爆発行程における機関回転速度の変
動が、その直前及び直後の爆発行程における変動と比べ
て特に大きくなる傾向にある。上記失火検出装置は、こ
うした傾向に着目したもので、機関回転速度の変動が大
きいときに、その変動が上記傾向をもつときにのみ(失
火時の変化パターンとなったときにのみ)失火発生を検
出するようにしている。これにより、悪路走行による失
火発生の誤検出が抑制されるようになる。
【0006】また、この失火検出装置では、機関回転速
度の変動が大きくとも、その変化の傾向(変化パター
ン)が上記傾向以外であるときには、車両が悪路走行中
であるとしてこれを判断している。そして、こうして検
出、あるいは判断される失火発生及び悪路走行それぞれ
についての頻度を算出するとともに、それら頻度に基づ
いて、排気エミッションの悪化や排気浄化触媒の劣化等
をひき起こす頻度で失火が発生しているか否かを判断す
るようにしている。具体的には、上記算出される失火発
生の頻度が所定頻度以上になることを条件に、失火異常
の判定がなされる。ただし、悪路走行の頻度が所定頻度
以上であるときには、悪路走行が頻繁に行われており、
失火発生の検出精度自体が疑わしいとして、失火異常の
判定が保留されるようになっている。
【0007】このように、機関回転速度の変動が大きく
なったときに、これが失火発生によるものか、あるいは
悪路走行によるものかを判断し、更には、それらの頻度
に基づいて失火異常の判定を行うことで、この判定が精
度よく行われるようになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
失火検出装置では、機関回転速度の変動が大きくなった
ときに、同変動が上記傾向(失火時の変化パターン)以
外の傾向をもって変化する場合には、一義的に悪路走行
中であると判断される。
【0009】しかし実際には、こうして機関回転速度の
変動が大きくなる原因の一つとして、同機関の燃焼室内
において混合気への着火はなされるものの該混合気の燃
焼が完全にはなされない現象、いわゆる半燃焼もあるこ
とが発明者等によって確認されている。
【0010】このため、上記従来の失火検出装置のよう
に、失火時の変化パターン以外の機関回転速度の変動を
一義的に悪路走行中であると判断すると、この悪路走行
についての判断頻度が不要に高くなり、ひいては失火異
常の判定が不要に保留されてしまうおそれがある。すな
わち、上記従来の失火検出装置にあっても、失火異常に
ついての判定精度の低下は避けられない。
【0011】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、不必要な判定保留処理を抑
制して、より精度の高い失火異常の検出を可能とする内
燃機関の失火検出装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。先
ず、請求項1に記載の発明は、車載内燃機関の出力軸か
らその回転変動量を求め、この求めた回転変動量が所定
値を超える頻度に基づいて失火の発生を検出するに、前
記機関出力軸の回転変動量が所定値を超えた原因が同機
関の失火によるものとは疑わしい状況についてその頻度
を併せて求め、この失火によるものとは疑わしい頻度が
所定値に達することをもって前記失火発生の検出を保留
する内燃機関の失火検出装置において、前記機関出力軸
の回転変動が当該機関を搭載する車両の悪路走行による
ものであることを判定する悪路判定手段を備え、この悪
路判定手段によって前記機関出力軸の回転変動が前記車
両の悪路走行によるものであることが判定されるときに
のみ、前記失火によるものとは疑わしい状況としてその
頻度をカウントすることをその要旨とする。
【0013】すなわちこの発明では、車両の悪路走行に
起因する機関出力軸の回転変動を上記悪路判定手段を通
じて積極的に検出、判定することとしている。このため
同構成によれば、機関出力軸の回転変動量が所定値を超
えた原因が同機関の失火によるものとは疑わしい状況に
ついての頻度として、その原因が悪路走行によるもので
ある頻度のみが精度よくカウントされるようになる。そ
して、こうしてカウントされる頻度が所定値に達するこ
とをもって判断される失火発生検出の保留についても、
これが上記悪路走行によるものである頻度が所定頻度以
上になることに基づいて精度よく判断されるようにな
る。従って、不必要な判定保留処理を抑制して、より精
度の高い失火異常の検出が可能になる。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
記載の内燃機関の失火検出装置において、前記車両の悪
路走行時における前記機関出力軸の回転変動パターンが
悪路パターンとして記憶された記憶手段を備え、前記悪
路判定手段は、該記憶された悪路パターンによるパター
ン判定に基づいて前記機関出力軸の回転変動が前記車両
の悪路走行によるものであることを判定することをその
要旨とする。
【0015】上記構成によれば、悪路走行時における機
関出力軸の回転変動パターンを悪路パターンとして予め
記憶し、この悪路パターンと実際の回転変動パターンと
を比較するといった手法をもって、悪路走行により機関
出力軸の回転変動が大きくなったことを精度よく判定す
ることができるようになる。
【0016】また、請求項3に記載の発明は、車載内燃
機関の出力軸の回転変動量をもとに、該回転変動量が所
定値を超える頻度を第1のカウンタにてカウントし、そ
のカウント値に基づいて前記機関の失火発生を判定する
失火判定手段と、前記機関出力軸の回転変動量が所定値
を超えた原因が同機関の失火によるものとは疑わしい状
況についてその頻度をカウントする第2のカウンタと、
この第2のカウンタのカウント値が所定値に達すること
に基づいて前記第1のカウンタをリセットする手段と、
前記機関出力軸の回転変動が当該機関を搭載する車両の
悪路走行によるものであることを判定する悪路判定手段
と、この悪路判定手段によって前記機関出力軸の回転変
動が前記車両の悪路走行によるものであることが判定さ
れるときにのみ、前記第2のカウンタのカウントを進め
る手段とを備えることをその要旨とする。
【0017】この発明でも、車両の悪路走行に起因する
機関出力軸の回転変動を上記悪路判定手段を通じて積極
的に検出、判定することとしている。このため同構成に
よれば、機関出力軸の回転変動量が所定値を超えた原因
が同機関の失火によるものとは疑わしい状況についての
頻度として、その原因が悪路走行によるものである頻度
のみが第2のカウンタにより精度よくカウントされるよ
うになる。このため、この第2のカウンタのカウント値
が所定値に達することに基づいて行われる第1のカウン
タのリセットについても、これが上記悪路走行の検出頻
度が所定頻度以上になることに基づいて精度よく判断さ
れるようになる。従って、第1のカウンタの不要なリセ
ット、すなわち不必要な判定保留処理を抑制して、より
精度の高い失火異常の検出が可能になる。
【0018】また、請求項4に記載の発明は、請求項3
記載の内燃機関の失火検出装置において、前記機関に失
火が生じたときの前記機関出力軸の回転変動パターンと
前記車両の悪路走行時における同機関出力軸の回転変動
パターンとがそれぞれ失火パターン及び悪路パターンと
して記憶された記憶手段を備え、前記失火判定手段は、
前記記憶された失火パターンによるパターン判定に基づ
き失火パターンと判定される前記機関出力軸の回転変動
についてその回転変動量が所定値を超える頻度を前記第
1のカウンタにてカウントし、前記悪路判定手段は、前
記記憶された悪路パターンによるパターン判定に基づい
て前記機関出力軸の回転変動が前記車両の悪路走行によ
るものであることを判定することをその要旨とする。
【0019】機関出力軸の回転変動が大きくなる場合
に、その原因が失火発生によるものである場合と悪路走
行によるものである場合とでは回転変動パターンがそれ
ぞれ異なる。ここに上記構成では、この点に着目して実
際の回転変動パターンと上記失火パターン及び悪路パタ
ーンとを比較している。このため、機関出力軸の回転変
動が大きくなった原因が失火発生によるものか、悪路走
行によるものか、あるいはそれ以外の要因によるものか
を精度よく判別することができるようになる。また、こ
れにより、失火発生により回転変動が大きくなった頻度
(第1のカウンタのカウント値)と、悪路走行により回
転変動が大きくなった頻度(第2のカウンタのカウント
値)とに基づき検出される失火異常についても、これを
精度よく検出することができるようになる。
【0020】また、請求項5に記載の発明は、請求項4
記載の内燃機関の失火検出装置において、前記悪路判定
手段による前記機関出力軸の回転変動が前記車両の悪路
走行によるものであることの判定は、前記失火判定手段
により前記失火パターンと判定されない機関出力軸の回
転変動を対象に行われることをその要旨とする。
【0021】上記構成によれば、実際の機関出力軸の回
転変動パターンが失火パターンであると判定されたとき
には、悪路パターンに基づくパターン判定を省略するこ
とができるようになる。また、実際の機関出力軸の回転
変動パターンが失火パターンではないと判定されるとき
にのみ悪路パターンの判定を行うことで、その判定精度
を上げることができるようにもなる。これにより、失火
パターン及び悪路パターンに基づくパターン判定を簡素
化、並びに高精度化することができるようになる。
【0022】また、請求項6に記載の発明は、請求項4
または5記載の内燃機関の失火検出装置において、前記
車載内燃機関が4気筒内燃機関であり、この機関出力軸
の任意点火時点での回転変動量をΔNE0、1点火前の
回転変動量をΔNE1、2点火前の回転変動量をΔNE
2、3点火前の回転変動量をΔNE3として且つ、定数
A、B、C、D、E、Fについてそれらの関係をA>
D、B<E、C<Fとするとき、前記記憶手段には、前
記失火パターンとして、(a)ΔNE2×A<|ΔNE
0|、且つ(b)ΔNE2×B≧ΔNE3、且つ(c)
ΔNE2×C≧ΔNE1である条件が記憶され、前記悪
路パターンとして、(d)−(ΔNE2×D)>ΔNE
0、または(e)ΔNE2×E≦ΔNE3、または
(f)ΔNE2×F≦ΔNE1である条件が記憶される
ことをその要旨とする。
【0023】上述したように、失火発生により機関出力
軸の回転変動が大きくなる場合には、失火が発生した爆
発行程における回転変動量が、その直前及び直後の爆発
行程における回転変動量と比べて特に多くなる傾向にあ
る。そしてこの傾向は、上記(a)〜(c)の論理積条
件が満たされることをもって判断することができる。こ
れに対して、悪路走行により機関出力軸の回転変動が大
きくなる場合には、回転変動量の多い状態が比較的長く
続く傾向にある。そしてこの傾向は、上記(d)〜
(f)の論理和条件が満たされることをもって判断する
ことができる。なお、前記半燃焼の発生によって機関出
力軸の回転変動が大きくなる場合には、回転変動量の変
化が、これら失火発生時における変化傾向と悪路走行時
の変化傾向との中間の傾向を示す。従って、上記構成に
よれば、上記(a)〜(c)の条件、及び(d)〜
(f)の条件に基づいてそれぞれ失火判定並びに悪路判
定を行うことができ、上述のパターン判定を極めて効率
よく行うことができるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる内燃機関の
失火検出装置を具体化した一実施の形態について説明す
る。
【0025】はじめに、図1を参照して、本実施の形態
の失火検出装置が適用される内燃機関、並びにその周辺
装置の概略構成について説明する。同図1に示すよう
に、内燃機関1は、4気筒分(図示は1気筒分のみ)の
シリンダボア2を有するシリンダブロック1aと、シリ
ンダヘッド1bとを備えている。各シリンダボア2内に
上下動可能に設けられたピストン3は、コンロッド3a
を介して内燃機関1の出力軸であるクランクシャフト1
0に連結されている。そして、シリンダボア2の内部に
おいて、ピストン3とシリンダヘッド1bとにより囲ま
れた空間によって燃焼室4が区画形成されている。
【0026】シリンダヘッド1bには、各燃焼室4に対
応して点火プラグ11が設けられている。また、シリン
ダヘッド1bには、各燃焼室4に通じる吸気ポート5a
及び排気ポート6aがそれぞれ設けられ、これら吸気ポ
ート5a及び排気ポート6aには、吸気通路5及び排気
通路6がそれぞれ接続されている。吸気ポート5a及び
排気ポート6aの燃焼室4に通じる各開口端には、吸気
バルブ7及び排気バルブ8がそれぞれ設けられている。
吸気バルブ7及び排気バルブ8は、クランクシャフト1
0の動力によってそれぞれ回転する吸気カムシャフト3
1及び排気カムシャフト32によって開閉される。クラ
ンクシャフト10の動力は、タイミングベルト35及び
各タイミングプーリー33,34を介して、上記吸気カ
ムシャフト31及び排気カムシャフト32に伝達されて
いる。
【0027】また、上記吸気ポート5aの近傍には、各
気筒に対応して燃料噴射弁9がそれぞれ備えられてい
る。各燃料噴射弁9には図示しない燃料供給系を介して
所定圧力の燃料が供給されている。
【0028】内燃機関1の運転が開始され、吸気通路5
内への吸入空気の導入とともに燃料噴射弁9から燃料が
噴射されることにより、それら吸入空気と燃料とが混合
されて混合気となる。そして、内燃機関1の吸入行程に
おいて、吸気バルブ7により吸気ポート5aが開かれる
ことにより混合気が吸気ポート5aを通じて燃焼室4に
取り込まれ、燃焼室4に取り込まれた混合気が点火プラ
グ11によって点火されることにより、その混合気が爆
発・燃焼して内燃機関1に駆動力が付与される。燃焼後
の排気ガスは、排気バルブ8により排気ポート6aが開
かれることによって排気通路6に排出され、更に触媒1
2を経て浄化された後、外部に放出される。なお、上記
点火プラグ11は、イグナイタ13から出力される高電
圧の印加タイミングに応じて混合気への点火動作を実行
する。
【0029】一方、吸気通路5にはサージタンク16が
設けられ、このサージタンク16の上流側には、アクセ
ルペダル18の操作に応じて開閉駆動されるスロットル
バルブ19が設けられている。このスロットルバルブ1
9の開度に応じて吸気通路5へ導入される吸入空気量が
調整される。
【0030】内燃機関1には、その運転状態を検出する
センサとして、以下に記載する各センサを含む各種のセ
ンサが設けられている。上記クランクシャフト10の近
傍には、その回転角(クランク角)及び回転速度(機関
回転速度NE)を検出するためのクランク角センサ21
が配設されている。このクランク角センサ21は、所定
のクランク角(例えば30度)毎にパルス信号を出力す
る。
【0031】上記吸気カムシャフト31の近傍には、カ
ム角センサ22が配設されている。このカム角センサ2
2は通常、気筒判別センサとして用いられ、例えば第1
気筒#1の圧縮上死点(TDC)に対応して適宜のパル
ス信号を出力する。
【0032】上記サージタンク16には、吸気通路5内
の圧力(吸気管内圧力PM)を検出するための圧力セン
サ23が設けられている。この圧力センサ23は、サー
ジタンク16内の圧力に応じた信号を出力する。
【0033】また、この失火検出装置は、例えばマイク
ロコンピュータを有して構成される電子制御装置40を
備えている。この電子制御装置40には、上記各センサ
21〜23の出力信号がそれぞれ取り込まれている。そ
して、電子制御装置40は、これら各信号に基づいてク
ランク角や、機関回転速度NE、現在の運転気筒、吸気
管内圧力PM等を演算するとともに、それら演算結果に
基づいて燃料噴射弁9の駆動制御や、イグナイタ13の
駆動制御等、内燃機関1にかかる各種制御を実行する。
【0034】次に、本実施の形態にかかる失火検出方法
について説明する。本実施の形態の失火検出装置は、各
気筒の上死点を基準として、360°クランク角(C
A)前から遅角側に0°〜30°CA回転するのに要す
る時間をT1、また同じく遅角側に90°〜120°C
A回転するのに要する時間をT2として算出する。この
時間T1及びT2はそれぞれ、各点火毎にクランクシャ
フト10が30°CA回転するのに要する時間が極大に
なると推定される角度、及び極小になると推定される角
度に対応した同30°CAの所要時間である。
【0035】また、現在の、すなわちそれから360°
CA後の同じく遅角側に0°〜30°CA回転するのに
要する時間をT3、遅角側に90°〜120°CA回転
するのに要する時間をT4として算出する。これら時間
T3及びT4も、各点火毎にクランクシャフト10が3
0°CA回転するのに要する時間が極大になると推定さ
れる角度、及び極小になると推定される角度にそれぞれ
対応した同30°CAの所要時間である。
【0036】そして、これら各時間T1,T2,T3,
T4に基づき、回転変動量ΔNE0を次式 ΔNE0=(T4−T3)−(T2−T1) …(1) から算出する。
【0037】また、この装置は、こうして算出される回
転変動量ΔNE0について、1点火前の算出量をΔNE
1、2点火前の算出量をΔNE2、3点火前の算出量を
ΔNE3として記憶している。
【0038】そして、この装置は、これら各回転変動量
ΔNE0〜ΔNE3のうち、特に2点火前の算出量ΔN
E2が所定値N1以上になったときに、各回転変動量Δ
NE0〜ΔNE3の関係に基づき、これが失火異常によ
るものか、悪路走行によるものかを判別する。
【0039】なお、上記所定値N1は、機関回転速度N
Eが速いほど小さな値として例えばマップ演算される。
これは、次の理由による。通常、機関回転速度NEが速
くなると、それに伴って上記各所要時間T1〜T4がそ
れぞれ短い時間として算出される。そしてこのため、上
記(1)式に基づき算出される回転変動量ΔNE2も小
さな値として算出されるようになる。そこで、所定値N
1を機関回転速度NEが速くなるほど小さな値として算
出することで、回転変動量ΔNE2が大きくなったこと
を、機関回転速度NEの変化による影響を極力排除した
上で判断することができるようにしている。
【0040】また、上記所定値N1は、吸気管内圧力P
Mが高いほど大きな値として、同様に、例えばマップ演
算される。これは、次の理由による。内燃機関の制御で
は通常、吸気管内圧力が高くなるほど燃料噴射弁から多
くの燃料が噴射される。このため、吸気管内圧力PMが
高くなるほど、燃焼室4内における混合気の燃焼圧力も
高くなって、内燃機関1のクランクシャフト10には大
きな駆動力が付与されるようになる。これにより、吸気
管内圧力PMが高いときには、同圧力PMが低いときと
比較して上記極小側の各所要時間T2,T4がそれぞれ
更に短い時間として算出されるようになり、上記(1)
式に基づき算出される回転変動量ΔNE2は大きな値と
して算出されるようになる。そこで、所定値N1を吸気
管内圧力PMが高くなるほど大きな値として算出するこ
とで、回転変動量ΔNE2が大きくなったことを、吸気
管内圧力PMの変化による影響を極力排除した上で判断
することができるようにしている。
【0041】図2は、失火が発生した場合における各回
転変動量ΔNE0〜ΔNE3の関係の一例を示してい
る。同図2に示されるように、本実施の形態では、一番
気筒を#1、同様に二番〜四番気筒をそれぞれ#2〜#
4とすると、#1→#3→#4→#2の順で各気筒にお
ける混合気への点火が実行されるようになっている。そ
して、上記回転変動量ΔNE0〜ΔNE3の変化パター
ンは、失火発生時において以下のような傾向を示す。
【0042】すなわち、例えば2点火前の三番気筒#3
で失火が発生する場合には、この三番気筒#3の点火時
に算出された回転変動量ΔNE2が、その直前の一番気
筒#1の点火時に算出された回転変動量ΔNE3、及び
直後の4番気筒#4の点火時に算出された回転変動量Δ
NE1と比べて特に大きくなる。また、これに加えて、
今回の2番気筒#2の点火時に算出された回転変動量Δ
NE0が、上記回転変動量ΔNE2と、ほぼその絶対値
が同じであって、且つ正負が逆の値をとるようになる。
【0043】一方、悪路走行時には、回転変動量の大き
い状態が比較的長く続く。すなわち、図3に悪路走行時
における各回転変動量ΔNE0〜ΔNE3の関係の一例
を示すように、悪路走行時には、2点火前の三番気筒#
3の点火時に算出された回転変動量ΔNE2が、その直
前の一番気筒#1の点火時に算出されたΔNE3及び、
直後の四番気筒#4の点火時に算出された回転変動量Δ
NE1と比べて、値の大きい側に大きく突出した値をと
ることはない。また、今回の二番気筒#2の点火時に算
出された回転変動量ΔNE0が、失火発生時のように回
転変動量ΔNE2と高い相関をもつこともない。
【0044】他方、半燃焼時には、回転変動量ΔNE0
〜ΔNE3の変化パターンは、上述した失火発生時にお
ける変化パターンと、これも上述した悪路走行時におけ
る変化パターンとの中間の傾向を示す。
【0045】本実施の形態の失火検出装置では、このよ
うに回転変動量ΔNE0〜ΔNE3の変化パターンが失
火発生時、悪路走行時、半燃焼時においてそれぞれ異な
ることに着目し、それらを判別すべく、以下の各条件が
電子制御装置40内の適宜のメモリに予め記憶されてい
る(図4参照)。
【0046】すなわち、回転変動量ΔNE0〜ΔNE3
の変化パターンが失火発生時における変化パターンとな
っていることを判断するための条件(失火パターン)と
して、以下の条件 (a)ΔNE2×A<|ΔNE0|、且つ (b)ΔNE2×B≧ΔNE3、且つ (c)ΔNE2×C≧ΔNE1 が予め定められている。これら(a)〜(c)の論理積
が満たされることを条件として、回転変動量ΔNE2が
特に大きくなったことを判断することが可能になる。
【0047】また、回転変動量ΔNE0〜ΔNE3の変
化パターンが悪路走行時における変化パターンとなって
いることを判断するための条件(悪路パターン)とし
て、以下の条件 (d)−(ΔNE2×D)>ΔNE0、または (e)ΔNE2×E≦ΔNE3、または (f)ΔNE2×F≦ΔNE1 も予め定められている。これら(d)〜(f)の論理和
が満たされることを条件として、回転変動量の多い状態
が比較的長く続いていることを判断することが可能にな
る。
【0048】ここで、上記各値A,B,C,D,E,F
は、それぞれ「1」未満の正の定数として設定され、そ
れらの関係がそれぞれ、A>D、B<E、C<Fとなる
ように定められている。
【0049】また、これら定数A〜Fは、機関回転速度
NEに基づき算出される。具体的には、上記各所定値A
〜Fは、機関回転速度NEが速くなるほど小さな値とし
て算出される。これは、次の理由による。
【0050】上述したように、機関回転速度NEが速く
なると、それに伴って各回転変動量ΔNE0〜ΔNE3
は小さな値として算出されるようになる。そこで、上記
各所定値A〜Fを機関回転速度NEが速いときほど小さ
な値として算出することで、これら回転変動量ΔNE0
〜ΔNE3の変化パターンと、上記失火パターン及び悪
路パターンとを、機関回転速度NEの変化による影響を
極力排除した上で比較することができるようにしてい
る。
【0051】そして、上記(a)〜(c)の論理積条件
が満たされているときには、回転変動量ΔNE0〜ΔN
E3の変化パターンが失火パターンになっており、回転
変動量ΔNE2が大きくなったのは失火発生が原因であ
るとして失火発生が検出される。
【0052】一方、上記(d)〜(f)の論理和条件が
満たされているときには、回転変動量ΔNE0〜ΔNE
3の変化パターンが悪路パターンとなっており、回転変
動量ΔNE2が大きくなったのは悪路走行が原因である
として、悪路走行が検出される。
【0053】なお、回転変動量ΔNE2が上記所定値N
1を超えているにもかかわらず、上記失火パターン及び
悪路パターンの何れにも属していないときには、回転変
動量ΔNE0〜ΔNE3の変化パターンが失火パターン
と悪路パターンとの中間の傾向を示す半燃焼が発生して
いるとして、失火発生及び悪路走行の何れも検出しな
い。
【0054】更に、本実施の形態の失火検出装置では、
失火発生の検出頻度、及び悪路走行の検出頻度に基づい
て、排気エミッションの悪化や触媒12の劣化を招く頻
度で失火が発生しているか否かの判定が行われる。具体
的には、失火発生の検出頻度が高い場合には、排気エミ
ッションの悪化や触媒12の劣化等を招くおそれのある
頻度で失火が発生しているとして、失火異常と判定され
る。ただし、悪路走行の検出頻度が高い場合には、失火
発生の検出精度自体が疑わしいとして、失火異常の判定
が保留される。
【0055】こうした失火検出処理によれば、予め記憶
されている失火パターン及び悪路パターンに基づくパタ
ーン判定を通じて、回転変動量ΔNE2、すなわちクラ
ンクシャフト10の回転変動が大きくなった原因が失火
発生によるものか、悪路走行によるものかが精度よく判
別されるようになる。そして、回転変動量ΔNE2が所
定値N1を超えた原因が内燃機関1の失火によるものと
は疑わしい状況についての回数として、その原因が悪路
走行によるものであると判定された回数のみが、後述す
る悪路カウンタにより精度よくカウントされるようにな
る。更には、この悪路カウンタにより監視される悪路走
行の検出頻度に基づいて判断される失火異常の判定保留
についても、これが精度よく判断されるようになる。
【0056】以下、こうした失火検出にかかる処理の詳
細について、図5及び図6を参照して詳細に説明する。
なお、この処理は、例えば180°CA毎の割り込み処
理として上記電子制御装置40により実行される。
【0057】図5に示すように、この処理では先ず、失
火異常を判定するための前提条件が成立しているか否か
が判断される(ステップS100)。この判断では、上
記前提条件に基づく判断を通じて、失火発生、悪路走
行、及び半燃焼以外の要因で機関回転速度NEが大きく
変動するおそれがなく、これら失火発生、悪路走行、及
び半燃焼に伴う機関回転速度NEの変動を精度よく検出
することができる条件下であるか否かが判断される。な
お、上記前提条件としては例えば、エアーコンディショ
ナの作動/非作動が切り換えられてから所定時間が経過
していることや、シフトレバーが操作されてから所定時
間が経過していること等がある。
【0058】そして、上記前提条件が成立していないと
判断される場合には(ステップS100:NO)、内燃
機関1が現在、失火発生、悪路走行、及び半燃焼に伴う
機関回転速度NEの変動を精度よく判定することのでき
ない条件下にあるとして、本処理が一旦終了される。
【0059】一方、上記前提条件が成立していると判断
される場合には(ステップS100:YES)、検出カ
ウンタのカウント値αがインクリメントされる(ステッ
プS101)。このカウント値αは、後述する失火異常
の判定に際し失火発生の検出頻度、及び悪路走行の検出
頻度の算出基準となる総検出回数として用いられる。
【0060】その後、機関回転速度NE及び吸気管内圧
力PMに基づいて上記所定値N1がマップ演算され、上
述した態様で算出される回転変動量ΔNE2がこの所定
値N1よりも大きいか否かが判断される(ステップS1
02)。なお、上記マップ演算に用いられるマップは、
機関回転速度NE及び吸気管内圧力PMから所定値N1
を算出するためのマップであり、これら機関回転速度N
E、吸気管内圧力PM及び所定値N1の関係が実験等に
よって求められた上で設定されている。また、このマッ
プも予め電子制御装置40内の適宜のメモリに記憶され
ている。
【0061】そして、回転変動量ΔNE2が所定値N1
よりも大きいと判断される場合には(ステップS10
2:YES)、以下の処理(ステップS103またはS
105)を通じて、その原因が失火発生によるものか、
悪路走行によるものかが判別される。
【0062】この判別処理では先ず、上記各回転変動量
ΔNE0〜ΔNE3の変化パターンが上記失火パターン
となっているか否かが、すなわち各回転変動量ΔNE0
〜ΔNE3が上記(a)〜(c)の論理積条件を満たし
ているか否かが判断される(ステップS103)。
【0063】そして、同論理積条件を満たしていると判
断される場合には(ステップS103:YES)、回転
変動量ΔNE2が大きくなったのは失火発生が原因であ
るとして、失火発生の検出回数をカウントする失火カウ
ンタのカウント値βがインクリメントされる(ステップ
S104)。
【0064】一方、上記論理積条件を満たしていないと
判断される場合には(ステップS103:NO)、回転
変動量ΔNE2が大きくなった原因が内燃機関1の失火
によるものとは疑わしいとして、次に各回転変動量ΔN
E0〜ΔNE3が上記(d)〜(f)の論理和条件を満
たしているか否かが判断される(ステップS105)。
すなわち、この判断では、回転変動量ΔNE0〜ΔNE
3の変化パターンが上記悪路パターンとなっているか否
かが判断される。
【0065】そして、同論理和条件を満たしていると判
断される場合には(ステップS105:YES)、回転
変動量ΔNE2が大きくなったのは悪路走行が原因であ
るとして、悪路走行の検出回数をカウントする悪路カウ
ンタのカウント値γがインクリメントされる(ステップ
S106)。
【0066】このように各回転変動量ΔNE0〜ΔNE
3の変化パターンが失火パターン若しくは悪路パターン
となっている場合には、失火検出回数若しくは悪路検出
回数がカウントされた後、以下の処理(図6のステップ
S107〜S111)を通じた失火異常を判定する処理
が実行される。
【0067】他方、回転変動量ΔNE2が所定値N1以
下であると判断される場合(ステップS102:N
O)、あるいは回転変動量ΔNE2が所定値N1を超え
ていても上記失火パターン及び悪路パターンの何れにも
属さないと判断される場合には(ステップS103:N
O、且つステップS105:NO)、上記失火カウンタ
及び悪路カウンタのカウント操作を行うことなく、ステ
ップS107以降の処理にジャンプする。
【0068】そして、このステップS107以降の失火
異常の判定処理では先ず、図6に示すように、悪路カウ
ンタのカウント値γが所定値N2(例えば10)以上で
あるか否かが判断される(ステップS107)。
【0069】そして、悪路カウンタのカウント値γが所
定値N2未満であると判断される場合には(ステップS
107:NO)、悪路走行の検出回数がさほど多くなっ
ていないとして、次に、検出カウンタのカウント値αが
所定値N3(例えば2000)以上であるか否かが判断
される(ステップS108)。この判断では、総検出回
数が失火発生の検出頻度を判定する基準回数(例えばク
ランクシャフト10の1000回転相当)に達したか否
かが判断される。
【0070】そして、総検出回数が基準回数に達したと
判断される場合には(ステップS108:YES)、次
に失火カウンタのカウント値βが所定値N4(例えば6
0)以上であるか否かが判断される(ステップS10
9)。すなわちこの判断では、総検出回数中に所定回数
(たとえば60回)以上の頻度で失火発生が検出された
か否かが判断される。
【0071】そして、失火カウンタのカウント値βが所
定値N4以上であると判断される場合には(ステップS
109:YES)、排気エミッションの悪化や触媒12
の劣化等を招くおそれのある頻度で失火が発生している
として、失火異常と判定される(ステップS110)。
この場合には、例えば、この異常判定を異常履歴として
記憶したり、異常ランプを点灯させたりする。そしてそ
の後、上記各カウンタのカウント値α,β,γの全てが
「0」にリセットされた後(ステップS111)、本処
理が一旦終了される。
【0072】一方、悪路カウンタのカウント値γが所定
値N2以上であると判断される場合には(ステップS1
07:YES)、悪路走行が高い頻度で検出されてお
り、失火発生の検出精度自体が疑わしいとして、この場
合にも各カウンタのカウント値α,β,γの全てが
「0」にリセットされた後(ステップS111)、本処
理が一旦終了される。すなわち、この場合には、失火異
常の判定が保留される。
【0073】また、検出カウンタのカウント値αが所定
値N3未満であると判断される場合には(ステップS1
08:NO)、総検出回数が上記基準回数に達していな
いとして、本処理が一旦終了される。
【0074】また、失火カウンタのカウント値βが所定
値N4未満であると判断される場合には(ステップS1
09:NO)、失火発生の検出頻度がさほど高くないと
して、この場合にも各カウント値α,β,γが「0」に
リセットされた後(ステップS111)、本処理が一旦
終了される。
【0075】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、以下に記載する効果が得られるようになる。 (1)悪路パターンに基づくパターン判定を通じて、悪
路走行により回転変動量ΔNE2が大きくなった場合に
のみ、悪路カウンタのカウント値γをインクリメントす
るようにした。これにより、回転変動量ΔNE2が所定
値N1を超えた原因が悪路走行によるものであると判定
された回数のみが悪路カウンタにより精度よくカウント
されるようになる。このため、この悪路カウンタのカウ
ント値γが所定値N2に達することに基づいて判断され
る失火カウンタのリセットについても、これが悪路走行
の検出頻度が所定頻度以上になることに基づいて精度よ
く判断されるようになる。従って、失火カウンタの不要
なリセットを、すなわち不必要な判定保留処理を抑制し
て、より精度の高い失火異常の検出が可能になる。
【0076】(2)失火発生時における回転変動量ΔN
E0〜ΔNE3の変化パターンを失火パターンとして、
また悪路走行時における同変化パターンを悪路パターン
としてそれぞれ予め記憶し、実際の変化パターンと、こ
れら失火パターン及び悪路パターンとを比較するように
した。これにより、回転変動量ΔNE2が大きくなった
原因が失火発生によるものか、悪路走行によるものか、
あるいは半燃焼によるものかを精度よく判別することが
できるようになる。従って、失火発生により回転変動量
ΔNE2が大きくなった回数(失火カウンタのカウント
値β)と、悪路走行により回転変動量ΔNE2が大きく
なった回数(悪路カウンタのカウント値γ)とに基づき
判断される失火異常についても、これを精度よく判定す
ることができるようになる。
【0077】(3)悪路パターンに基づくパターン判定
を、回転変動量ΔNE0〜ΔNE3の変化パターンが失
火パターンではないときにのみ実行するようにした。こ
のため、実際の回転変動量ΔNE0〜ΔNE3の変化パ
ターンが失火パターンであると判定されたときには、悪
路パターンに基づくパターン判定を省略することができ
るようになる。また、悪路パターンに基づくパターン判
定に際し、その判定精度を上げることができるようにも
なる。これにより、失火パターン及び悪路パターンに基
づくパターン判定を簡素化、並びに高精度化することが
できるようになる。
【0078】(4)失火パターンとして前記(a)〜
(c)の論理積条件を、悪路パターンとして前記(d)
〜(f)の論理和条件をそれぞれ設定するようにした。
これにより、失火判定及び悪路判定を効率よく、しかも
高精度に行うことができるようになる。
【0079】なお、上記実施の形態は、以下のように変
更して実施してもよい。 ・上記実施の形態では、所定値N1を機関回転速度NE
及び吸気管内圧力PMに基づき算出するようにしたが、
これに限られない。例えば、この所定値N1を、機関回
転速度NE及び吸気管内圧力PMの何れか一方に基づき
算出したり、あるいは他のパラメータに基づき算出した
りするようにしてもよい。また、吸気管内圧力PMに代
えて吸入空気量を検出するシステムにあっては、この吸
入空気量を代用しても勿論よい。他方、所定値N1を一
定の値として設定するようにしてもよい。要は、失火の
発生に伴う回転変動量ΔNE2の変化を好適に監視でき
るのであれば、所定値N1をどのように算出、若しくは
設定するようにしてもよい。
【0080】・上記実施の形態では、各定数A〜Fを機
関回転速度NEに基づき算出するようにしたが、これに
限らず、例えば各定数A〜Fを吸気管内圧力PMや吸入
空気量に基づいて算出したり、あるいは他のパラメータ
に基づき算出したりするようにしてもよい。また、各定
数A〜Fを一定の値として設定するようにしてもよい。
要は、失火パターン及び悪路パターンを好適なパターン
として設定できるのであれば、定数A〜Fをどのように
算出、若しくは設定するようにしてもよい。
【0081】・上記実施の形態では、悪路パターンに基
づくパターン判定を、回転変動量ΔNE0〜ΔNE3の
変化パターンが失火パターンではないときにのみ実行す
るようにした。これとは逆に、失火パターンに基づくパ
ターン判定を、回転変動量ΔNE0〜ΔNE3の変化パ
ターンが悪路パターンではないときにのみ実行するよう
にしてもよい。
【0082】・また、失火パターンに基づくパターン判
定と、悪路パターンに基づくパターン判定とを共に実行
するようにしてもよい。こうした構成によっても、上記
(1)(2),(4)に記載の効果を得ることはでき
る。
【0083】・上記実施の形態では、検出カウンタによ
って総検出回数を、失火カウンタによって失火発生の検
出回数を、悪路カウンタによって悪路走行の検出回数を
それぞれカウントすることで、失火発生の検出頻度及び
悪路走行の検出頻度を求めるようにしたが、これら頻度
の求め方も任意である。
【0084】・上記実施の形態では、回転変動量を前記
(1)式から算出するようにしたが、これに限られな
い。要は、失火発生に伴う機関回転速度の変動を把握す
ることが可能な態様であれば、回転変動量の算出態様を
適宜変更してもよい。この場合であれ、回転変動量の算
出態様に対応したかたちで失火パターンや悪路パターン
を変更することで、上記実施の形態に準じた効果を得る
ことはできる。
【0085】・上記実施の形態では、予め記憶されてい
る失火パターンや悪路パターンによるパターン判定に基
づき、回転変動量が大きくなった原因が失火発生による
ものか、悪路走行によるものかを判別するようにした
が、これに限られない。パターン判定以外の方法でも失
火発生と悪路走行とを的確に判別することのできる方法
であれば、適宜採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる失火検出装置の一実施の形態に
ついてその概略構成を示すブロック図。
【図2】失火発生時における回転変動量の変化パターン
を示すグラフ。
【図3】悪路走行時における回転変動量の変化パターン
を示すグラフ。
【図4】失火パターン及び悪路パターンを示すグラフ。
【図5】失火検出処理についてその処理手順を示すフロ
ーチャート。
【図6】失火検出処理についてその処理手順を示すフロ
ーチャート。
【符号の説明】
1…内燃機関、1a…シリンダブロック、1b…シリン
ダヘッド、2…シリンダボア、3…ピストン、3a…コ
ンロッド、4…燃焼室、5…吸気通路、5a…吸気ポー
ト、6…排気通路、6a…排気ポート、7…吸気バル
ブ、8…排気バルブ、9…燃料噴射弁、10…クランク
シャフト、11…点火プラグ、12…触媒、13…イグ
ナイタ、16…サージタンク、18…アクセルペダル、
19…スロットルバルブ、21…クランク角センサ、2
2…カム角センサ、23…圧力センサ、31…吸気カム
シャフト、32…排気カムシャフト、33,34…タイ
ミングプーリー、35…タイミングベルト、40…電子
制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 啓介 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 草野 弘揮 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 Fターム(参考) 3G084 DA27 EA11 EB09 EB22 EC01 FA04 FA24 FA34 FA38

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車載内燃機関の出力軸からその回転変動量
    を求め、この求めた回転変動量が所定値を超える頻度に
    基づいて失火の発生を検出するに、前記機関出力軸の回
    転変動量が所定値を超えた原因が同機関の失火によるも
    のとは疑わしい状況についてその頻度を併せて求め、こ
    の失火によるものとは疑わしい頻度が所定値に達するこ
    とをもって前記失火発生の検出を保留する内燃機関の失
    火検出装置において、 前記機関出力軸の回転変動が当該機関を搭載する車両の
    悪路走行によるものであることを判定する悪路判定手段
    を備え、この悪路判定手段によって前記機関出力軸の回
    転変動が前記車両の悪路走行によるものであることが判
    定されるときにのみ、前記失火によるものとは疑わしい
    状況としてその頻度をカウントすることを特徴とする内
    燃機関の失火検出装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の内燃機関の失火検出装置に
    おいて、 前記車両の悪路走行時における前記機関出力軸の回転変
    動パターンが悪路パターンとして記憶された記憶手段を
    備え、前記悪路判定手段は、該記憶された悪路パターン
    によるパターン判定に基づいて前記機関出力軸の回転変
    動が前記車両の悪路走行によるものであることを判定す
    ることを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  3. 【請求項3】車載内燃機関の出力軸の回転変動量をもと
    に、該回転変動量が所定値を超える頻度を第1のカウン
    タにてカウントし、そのカウント値に基づいて前記機関
    の失火発生を判定する失火判定手段と、 前記機関出力軸の回転変動量が所定値を超えた原因が同
    機関の失火によるものとは疑わしい状況についてその頻
    度をカウントする第2のカウンタと、 この第2のカウンタのカウント値が所定値に達すること
    に基づいて前記第1のカウンタをリセットする手段と、 前記機関出力軸の回転変動が当該機関を搭載する車両の
    悪路走行によるものであることを判定する悪路判定手段
    と、 この悪路判定手段によって前記機関出力軸の回転変動が
    前記車両の悪路走行によるものであることが判定される
    ときにのみ、前記第2のカウンタのカウントを進める手
    段と、 を備える内燃機関の失火検出装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の内燃機関の失火検出装置に
    おいて、 前記機関に失火が生じたときの前記機関出力軸の回転変
    動パターンと前記車両の悪路走行時における同機関出力
    軸の回転変動パターンとがそれぞれ失火パターン及び悪
    路パターンとして記憶された記憶手段を備え、 前記失火判定手段は、前記記憶された失火パターンによ
    るパターン判定に基づき失火パターンと判定される前記
    機関出力軸の回転変動についてその回転変動量が所定値
    を超える頻度を前記第1のカウンタにてカウントし、前
    記悪路判定手段は、前記記憶された悪路パターンによる
    パターン判定に基づいて前記機関出力軸の回転変動が前
    記車両の悪路走行によるものであることを判定すること
    を特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  5. 【請求項5】前記悪路判定手段による前記機関出力軸の
    回転変動が前記車両の悪路走行によるものであることの
    判定は、前記失火判定手段により前記失火パターンと判
    定されない機関出力軸の回転変動を対象に行われる請求
    項4記載の内燃機関の失火検出装置。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載の内燃機関の失火検
    出装置において、 前記車載内燃機関が4気筒内燃機関であり、この機関出
    力軸の任意点火時点での回転変動量をΔNE0、1点火
    前の回転変動量をΔNE1、2点火前の回転変動量をΔ
    NE2、3点火前の回転変動量をΔNE3として且つ、
    定数A、B、C、D、E、Fについてそれらの関係をA
    >D、B<E、C<Fとするとき、前記記憶手段には、
    前記失火パターンとして、 (a)ΔNE2×A < |ΔNE0| 且つ (b)ΔNE2×B ≧ ΔNE3 且つ (c)ΔNE2×C ≧ ΔNE1 である条件が記憶され、前記悪路パターンとして、 (d)−(ΔNE2×D) > ΔNE0 または (e)ΔNE2×E ≦ ΔNE3 または (f)ΔNE2×F ≦ ΔNE1 である条件が記憶されることを特徴とする内燃機関の失
    火検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011196195A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Toyota Motor Corp 内燃機関の回転変動異常検出装置
JP2013024076A (ja) * 2011-07-19 2013-02-04 Toyota Motor Corp 車両および内燃機関の失火判定方法
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