JPH0719103A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents
内燃機関の失火検出装置Info
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Abstract
失火の誤検出を防止すること。 【構成】 ECU20は内燃機関2の回転速度変動量Δ
ωが失火判定値より大きいときに失火数積算カウンタC
MISをインクリメントする。また、Δωが失火判定値
とこれより小さい悪路判定値との間にあったときには、
悪路判別積算カウンタCRAFをインクリメントする。
このようにして所定期間カウントしたCMISの値が第
1の所定値J2 以上で、CRAFの値がCMISの値の
1〜2倍未満のとき、失火と判定し、それ以外のとき
は、正常点火と判定する。
Description
機関の回転速度の変化によって機関の失火を検出する装
置に関するものである。
る装置として、特開昭58−19532号公報に示され
るように、往復内燃機関の爆発行程後と爆発行程前との
クランク軸回転速度を検出し、その回転速度差が設定値
以下のとき失火と判断するものが知られている。即ち、
爆発行程と圧縮行程とでは回転速度が異なり、正常に点
火が行われている場合は前者の方が速いが、失火が発生
した場合にはその差がほとんど無くなることに基づき、
回転速度差が所定値以下、即ち爆発行程でクランク軸が
加速されていない場合に失火と判断している。
め、さらにその標準偏差を算出し標準偏差が大きいとき
即ち回転変動のちらばりが大きいとき失火と判定するも
のもある(例えば特開昭58−51243号公報)。
うな装置では車両が悪路を走行した場合には、路面の凹
凸によりクランク軸回転速度が不安定になり、失火が発
生していないにもかかわらず、失火であると誤判定する
ことがある。なぜなら、路面の凹凸により車輪と路面と
の接地状態が一定とならず、車両が路面から離れたり強
く接地したりして、内燃機関にかかる負荷が変動するこ
とから、クランク軸回転速度が上昇すべき行程であるに
もかかわらず、負荷が増大して回転速度が上昇しない場
合が生じてしまうためである。
度が上昇しない場合が生じると回転変動が大きくなり、
回転変動のちらばりが大きくなる場合が生じる。従っ
て、正確な失火検出が行われないという問題が生じてい
た。この問題を解決する技術として、振動センサや車高
センサ等の悪路走行状態を検出する別センサを設けて失
火検出を禁止する手段(例えば、特開平3−24635
3号公報)や、全気筒の回転速度変動量の平均値が所定
レベル以上のときに悪路走行状態であると判断し、失火
検出を禁止する手段を設ける方法が知られている。
サを設けることによるコスト増大や、実際に複数の気筒
に失火が発生した場合に失火検出ができなかったり、悪
路走行によって失火と同等の回転変動発生数の場合は、
誤検出にいたるといった問題が生じていた。また、回転
速度変動量の標準偏差を算出し、その結果、標準偏差が
大きい場合は、失火判定値をそれに応じて大きくした
り、失火判定を禁止する手段も考えられているが、標準
偏差を求めるための演算処理負荷が増大したり、間欠的
に失火が発生している場合、悪路走行による場合との区
別が困難であるという問題が生じていた。
く、確実に失火が発生している場合と悪路を走行してい
る場合とを判別し、悪路走行による失火誤検出を回避す
る失火検出装置を提供することを目的とする。
示すように、内燃機関の回転速度変動量が第1の判定値
より大きいとき失火が発生したと判定する失火判定手段
と、内燃機関の回転速度変動量が第1の判定値と第1の
判定値より小さい第2の判定値との間に存在した回数を
所定期間カウントするカウンタと、前記カウンタの値が
所定値より大きいときに、前記失火判定手段による判定
結果を無効とする判定無効手段とを備えることを特徴と
する内燃機関の失火検出装置を提供する。
1の判定値より大きいときに失火が発生したと判定す
る。また、カウンタは内燃機関の回転速度変動量が第1
の判定値と第1の判定値より小さい第2の判定値との間
に存在した回数を所定期間カウントし、このカウンタの
値が所定値より大きいとき、無効判定手段は前記失火判
定手段の判定結果を無効にする。
る。まず図2は本発明が適用された6気筒内燃機関(以
下、単に内燃機関という。)2およびその周辺装置を表
す概略構成図である。図2に示す如く、内燃機関2に
は、その運転状態を検出するためのセンサとして、吸気
管4内の圧力(吸気管圧力)を検出する吸気圧センサ
6,冷却水の温度を検出する水温センサ8,内燃機関2
のクランク軸に取り付けられて内燃機関2が所定のクラ
ンク角度(本実施例では30°CA)回転する度にパル
ス信号を発生する回転角センサ10,イグナイタ12が
発生した高電圧を内燃機関2の各気筒に設けられた図示
しない点火プラグに順次分配するディストリビュータ1
4に取り付けられて、ディストリビュータ14の1回転
に1回(内燃機関2の2回転に1回)の割でパルス信号
を発生する気筒判別センサ16が備えられている。
御装置(ECU)20に入力される。ECU20は、C
PU21,ROM22,RAM23を中心とした周知の
マイクロコンピュータにより構成されており、上記各セ
ンサからの検出信号を入出力ポート25を介して入力す
る。またCPU21は、予めROM22に記憶されてい
る制御プログラムに従い、内燃機関2の各気筒に設けら
れた燃料噴射弁27から噴射される燃料噴射量,イグナ
イタ12の高電圧の発生タイミング(即ち点火時期)を
制御するエンジン制御処理を実行するとともに、内燃機
関各気筒の爆発行程毎の回転速度から内燃機関2の失火
を検出して警告ランプ29を点灯する失火検出処理を実
行する。
て実行される本発明にかかわる主要な処理である失火検
出処理およびその失火検出処理による失火検出結果に従
い警告ランプ29の点灯等を行う故障診断処理につい
て、図3,図4,図5,図6および図10に示すフロー
チャートに沿って説明する。図3に示す失火検出処理
は、CPU21において、上記回転角センサ10からの
出力信号により、内燃機関2の所定のクランク角度(本
実施例では30°CA)毎に割り込み処理されるもので
あり、この処理が開始されると、まずステップ100に
て、前回の割り込み時刻と今回の割り込み時刻との偏差
から、内燃機関2が30°CA回転するのに要した時間
T30i を算出する。そして、続くステップ110で
は、現在、いずれかの気筒が上死点(TDC)となって
いるか否かを判別し、上死点でないならステップ120
に進み、上死点であればステップ130に進む。
燃機関2が120°CA回転するのに要する時間を算出
するための前段階として、T30i をT30i-1 ,T3
0i- 1 をT30i-2 ,T30i-2 をT30i-3 としてか
ら本ルーチンを終了する。ステップ130では、ステッ
プ100において算出した30°CA回転するのに要す
る時間T30i と、前回、前々回、および3回前の実行
時にそれぞれ求めたT30i-1 ,T30i-2 ,およびT
30i-3 の全4回分のデータを累計して、内燃機関2が
120°CA回転するのに要した時間T120i を算出
する。そしてステップ140では、この算出した時間T
120i の逆数を算出することにより、内燃機関2が1
20°CA回転する間の平均回転速度ωn を算出する。
平均回転速度ωn と前回,3回前,および4回前に算出
した平均回転速度ωn-1 ,ωn-3 ,ωn-4 とに基づき、
次式を用いて内燃機関2の回転変動量の変化量Δωn を
算出する。
n-4 −ωn-3 )は、爆発行程が連続する気筒での回転変
動量であり、(ωn-1 −ωn )は最新の、(ω n-4 −ω
n-3 )は360°CA前の値である。
内燃機関であり、1気筒が単独で爆発行程となる期間
は、次に爆発行程にはいる気筒の上死点前120°CA
となる。このため、まずステップ100〜ステップ14
0にて内燃機関2の120°CA毎に平均回転速度ωn
を算出することにより、内燃機関各気筒毎の爆発行程時
の回転速度を算出する。そして、ステップ150にてこ
の回転速度と前回求めた回転速度とから最新の回転変動
量を求め、さらにこの回転変動量と360°CA前の回
転変動量とから失火判定に用いる内燃機関2の回転変動
量Δωn を算出するようにしている。なお、本実施例で
は、上記数式1を用いて最新の回転変動量と360°C
A前の回転変動量とを同時に求めるようにしているが、
最新の回転変動量をRAM23内に格納するようにすれ
ば、360°CA前の回転変動量をRAM23から読み
だすことにより、この360°CA前の回転変動量を演
算することなく変化量Δωn を求めるようにすることも
できる。
運転状態(回転速度NE,吸気管圧力PM)を検出し、
ステップ170に進む。ステップ170では、ステップ
160で検出した運転状態(回転速度NE,吸気管圧力
PM)に基づき、予めROM22内に格納されている回
転速度NEと吸気管圧力PMとをパラメータとする図7
に示す2次元マップ(REFマップ)を検索することに
より、失火判定値REFを設定する。
と吸気管圧力PMとをパラメータとする図8に示す2次
元マップ(REF’マップ)を検索することにより、悪
路判定値REF’を設定する。図13は、正常点火時の
Δωの値とその頻度との関係(グラフA)、および、失
火時のΔωの値とその頻度との関係(グラフB)を表し
たものである。これらは図からもわかるように、それぞ
れ正規分布のグラフとなる。本実施例では図13に示し
たように、失火判定値REFのマップは、各運転条件で
測定された失火時のΔωの平均値をxREF ,標準偏差を
σとすると、
定値REF’のマップも同様に、各運転状態で測定され
た正常点火時のΔωの平均値をxREF',標準偏差をσ’
とすると、
判定値REFは平坦路において失火が発生した際の変化
量Δωより、少なくとも小さい値とする。また、悪路判
定値REF’は平坦路において正常点火が行われている
際の変化量Δωより、少なくとも大きい値とする。さら
に、REFとREF’との関係はREF>REF’を満
たしているものとする。
独立のマップから求めたが、失火時と正常時とのΔωn
の値に十分な差がある場合は所定の定数kを用いて、
イト数を削減するようにしてもよい。なお、k値は必ず
しも上記範囲にある必要はなく、0<k<1の範囲であ
れば必要に応じて変化させてもよい。
算出処理を実行する。この比較判定値算出処理は、ステ
ップ150で算出された前々回と前回とのΔωを比較す
る判定値K1、および前回と今回とのΔωを比較する判
定値K2を算出する処理である。以下、この処理を図4
のフローチャートに沿って説明する。ステップ171で
は、図3のステップ150で今回算出されたΔωn と、
図3のステップ170で求められた失火判定値REFと
を比較する。そして、ΔωnがREFより大きい場合は
ステップ172へ進む。ステップ172では、図9に示
すRAM値MFCYLの各ビットのうち、今回のΔωn
が算出された気筒に相当するビットを“1”に設定す
る。例えば、今回のΔωn が♯1気筒の点火時に算出さ
れた値であれば、♯1気筒に相当するビットに“1”を
設定し、ステップ174に進む。
テップ173へ進む。このとき、図9に示すRAM値M
FCYLの各ビットのうち、今回のΔωn が算出された
気筒に相当するビットを“0”に設定し、ステップ17
4に進む。ステップ174では、ステップ172および
ステップ173の処理によって求められた今回のMFC
YL(i)と、前点火で求められた前回のMFCYL
(i−1)とが同一であるか否かを判別する。即ち、今
回と前回との6ビットのRAM値が同一であるか否かを
判別し、Δωn が算出された気筒の点火状態が、その気
筒の前点火時の点火状態と同一か否かを判別する。そし
て、今回のMFCYLと前回のMFCYLとが同一であ
るならば、ステップ175へ進み、カウンタCMFCN
Tをインクリメント(CMFCNT←CMFCNT+
1)して、ステップ177に進む。
Lとが同一でないならば、ステップ176へ進み、カウ
ンタCMFCNTをゼロとして、ステップ177に進
む。すなわち、ステップ175でカウンタCMFCNT
がインクリメントされているときは、RAM値MFCY
Lの値が同一の状態を継続していることを示している。
すなわち、このときの機関2の点火状態が同一となって
いることを示し、例えば、機関2の各気筒が確実に点火
されている状態や、同一気筒で常に失火が発生している
状態が継続していることを示している。一方、RAM値
MFCYLの値が同一の状態でなくなり、ステップ17
6においてカウンタCMFCNTがゼロとされたとき
は、上記機関2の同一点火状態が続かなくなったことを
示している。
タCMFCNTが所定値kより大きいか否かを判別す
る。カウンタCMFCNTが所定値kより小さい場合、
ステップ179へ進み、比較判定値K1とK2とをそれ
ぞれ予め設定された第1の設定値A,第2の設定値Bと
する。なお、この設定値A,Bの値は、車両が良好な路
面で単一失火が発生した場合に検出性を損なわない値を
選定し、実験的にA,B=1.5〜2.0程度が良好で
あることが確認されている。
り大きくなった場合、ステップ178へ進み、比較判定
値K1とK2とをそれぞれ予め設定された設定値a,b
とする。なお、この設定値a,bの値は、上記設定値
A,Bよりも縮小された値であり、例えば本実施例では
a=b=0とする。上述の処理によって比較判定値K
1,K2が得られ、図3の失火検出処理におけるステッ
プ190が終了する。そして、次のステップ200へ進
む。
理を実行する。ここでは、所定点火数経過毎に故障表示
すべき失火発生状態か否かを判断するための失火数積算
カウンタCMISと悪路判別積算カウンタCRAFをイ
ンクリメントする処理を行う。以下、この処理を図5の
フローチャートに沿って説明する。まず、ステップ18
1では、図3のステップ150で前回算出されたΔω
n-1と、前々回算出されたΔωn-2 に図4の比較判定値
算出処理で算出された比較判定値K1を乗じた値とを比
較する。すなわち、前回と前々回との回転変動量の変化
量の比率Δωn-1 /Δωn-2 が比較判定値K1より大き
いか否かを判別する。そして、Δωn-1 /Δωn-2 が比
較判定値K1より大きい場合、ステップ182へ進み、
Δωn-1 /Δωn-2 が比較判定値K1より小さい場合、
ステップ187へ進む。
n-1 と、図3のステップ150で今回算出されたΔωn
に、図4の比較判定値算出処理で算出された比較判定値
K2を乗じた値とを比較する。すなわち、前回と今回と
の回転変動量の変化量の比率Δωn- 1 /Δωn が比較判
定値K2より大きいか否かを判別する。そして、Δω
n-1 /Δωn が比較判定値K2より大きい場合、ステッ
プ183へ進み、Δωn-1 /Δωn が比較判定値K2よ
り小さい場合、ステップ187へ進む。
ップ150で前回算出されたΔωn- 1 とステップ170
で前回求められたREFとを比較する。Δωn-1 がRE
Fより大きい場合はステップ184へ進み失火数積算カ
ウンタCMISをインクリメントする。また、小さい場
合はステップ185へ進み、Δωn-1 とステップ180
で前回求められたREF’と比較する。Δωn-1 がRE
F’より大きい場合はステップ186へ進み、悪路判別
積算カウンタCRAFをインクリメントする。小さい場
合はステップ187へ進む。ステップ187では所定点
火数経過したか否かの判別用の点火数カウンタCSPK
をインクリメントし、図3のステップ200が終了す
る。
今回算出されたΔωn によって今回の点火の失火判定を
実行するために、各ωi ,Δωi をωi-1 ,Δωi-1 と
設定し、ステップ220に進む。ステップ220では、
内燃機関2が所定回転する毎に、故障判定すべき失火状
態にあるか否かを判定する処理であり、図10のフロー
チャートに従って説明する。
述のステップ187で点火毎にインクリメントしたカウ
ンタCSPKの値が、所定値J1 に到達したか否かを判
断する。所定値J1 の値は、6気筒内燃機関において1
000回転ごとに故障判定する場合にはJ1 =3000
となる。したがって、所定回転毎にステップ202以下
の処理が実行されることとなる。
した場合はステップ202へ進み、失火数積算カウンタ
CMISの値と失火状態判別値J2 と比較する。J2 の
値は、1000回転毎に故障表示すべき失火状態が失火
発生率1%以上であるならば、J1 =3000のときJ
2 =30となる。CMIS値が所定値J2 よりも大きい
場合は悪路判定を行うためにステップ203へ進み、小
さい場合はステップ205へ進む。
RAFの値と、CMIS値に悪路判別係数J3 を乗算し
た値とを比較する。J3 の値は、実際に失火状態誤判定
にいたるような悪路を走行して適合される値であり、例
えばJ3 =1〜2程度の値である。本実施例では悪路判
定をCMIS×J3 との比較で行ったが、J2 ×J3等
の所定定数との比較で実施してもよい。ステップ203
にて、悪路判別カウンタ値CRAFの方が小さい場合は
悪路走行による失火誤判定ではないと判断してステップ
204にて失火検出フラグXMFを“1”にセットす
る。また、そうでない場合には悪路走行による失火誤検
出判定の可能性が高いと判断してステップ205へ進
み、失火検出フラグXMFを“0”にリセットする。
IS,CRAF,CSPKを0にクリアし、本失火検出
処理を終了する。次に、図6に示す故障診断処理は、C
PU21において所定時間毎に割り込み処理されるもの
であり、まずステップ310にて、例えばアクチュエー
タが正常に作動しているかどうかを検出する各種センサ
からの情報を記憶した異常検出フラグや、上記失火検出
処理で失火判断された際に“1”にセットされる失火検
出フラグXMF等の各種異常検出フラグを読み込む。
10で読み込んだ各種異常検出フラグの状態を判別し、
例えば失火検出フラグXMFが“1”にセットされてい
ればステップ330に進み、“0”にリセットされてい
ればメインルーチンにリターンする。そして、ステップ
330では、例えば触媒保護や排気ガス中のHC濃度の
増大を防止するために、失火発生と判定された気筒への
燃料供給を遮断したり、運転者等に失火が発生したこと
を知らせるための警告ランプ29を点灯させるなどの、
異常検出に対応した周知のフェイルセーフ処理を実行す
る。
行中に、機関2が正常点火状態となっている場合、回転
変動量の変化量Δωはほぼゼロに近い値を示し、機関2
に失火が発生している場合、この失火が生じた気筒で算
出されるΔωは大きな値を示す。したがって、特定気筒
において失火が発生する場合のΔωの挙動は、図11
(a)に示す如く、失火発生時のみ特異的に大きく、そ
の前後のΔωは正常点火であるため小さな値を示す。
場合、路面の凹凸によって回転が変動する。このとき、
回転変動量の変化量Δωの挙動は、車両の固有振動数
や、車輪とクランク軸との回転比、および車輪からクラ
ンク軸への伝達経路の影響等によって、多くの場合図1
1(b)に示すようになる。この図から明らかなよう
に、図11(b)のΔωの値は、図11(a)のように
鋭いピークを示さずになだらかな曲線状となる。つま
り、失火時と悪路走行時とでは、Δωの挙動は異なり、
詳しくはΔωと、このΔωの前後の値との比率が失火時
ではともに大きく、悪路走行時では小さくなるという特
性が得られる。
11(a)のようなΔωの挙動が生じたり、あるいは車
両が悪路を走行して図11(b)のようなΔωの挙動が
生じた場合、図4に示した比較判定値算出処理内におい
て、RAM値MFCYLの値が前回の値と異なるように
なる。すると、ステップ176でカウンタCMFCNT
がゼロとなるため、比較判定値K1,K2はそれぞれ
A,Bに設定される。このため、図5のステップ181
で前回と前々回との回転変動量の変化量の比率Δωn-1
/Δωn-2 が比較判定値K1で、そして、ステップ18
2でΔωn-1 /Δωが比較判定値K2で比較される。こ
のとき、上述の特性により、この2つの比率がともに比
較判定値よりも大きいならば、単発失火が発生したもの
と判別され、少なくとも一方が小さいならば車両が悪路
を走行していると判断される。
ときに発生する回転変動を失火と誤検出することを防止
できる。ところが、上記のように比較判定値K1,K2
をそれぞれA,Bに設定して処理する場合では、連続し
て点火する複数気筒において失火が発生する状態が継続
する場合、この失火を検出することができない。なぜな
らば、例えば、連続して点火する2気筒がともに失火し
た点火状態が継続する場合、Δωの挙動は図11(c)
に示すようになり、失火が発生したときのΔωとその前
後のΔωとの比率のうち、一方は小さな値を示すが、他
方は大きな値を示すからである。このため、Δωの比率
はA,Bに設定された比較判定値K1,K2のどちらか
一方より小さくなる場合があり、失火と判定しなくなる
おそれがある。
数気筒において失火が発生する状態が継続する場合にお
いても、図4の比較判定値算出処理でのRAM値MFC
YLの値は不変となる。したがって、ステップ175で
カウンタCMFCNTは増加し、ステップ177でカウ
ンタCMFCNTが所定値kより大きくなると、ステッ
プ178において比較判定値K1,K2はそれぞれa,
bに設定される。このa,bは、上記のようにA,Bよ
り小さい値に設定されているため、連続して点火する気
筒に失火が発生してΔωの比率が小さくなっても、ステ
ップ181およびステップ182の判別で肯定される。
このためステップ183へ進むことができるので、失火
と判別することができる。したがって、連続して点火す
る気筒に失火が発生しているにもかかわらず、正常点火
であると誤検出することを防止できる。
パターンのみでは悪路走行時の失火誤検出を回避できな
い場合も存在するため、本発明では、さらに失火判定値
REFとは別に失火判定値よりも小さい悪路判定値RE
F’を設け、Δωが失火判定値REFと悪路判定値RE
F’との間に存在する数により悪路であるか否かを判別
して最終的に誤判定を防止する。図12に平坦路正常点
火時、平坦路失火時、および悪路正常点火時の回転速度
変動量Δωを示す。平坦路では正常点火と失火時とでは
完全に分別が可能であるが、悪路では路面の状態により
Δω値はばらつきが大きく、失火判定値REFと悪路判
定値REF’との間に存在する場合が多くなる。本発明
はこの特性に着目し、悪路走行時の失火誤判定を完全に
防止するようにしている。
ップ186とがカウンタに、ステップ203,ステップ
205が判定無効手段に、ステップ204が失火判定手
段にそれぞれ相当し、機能する。
よれば、内燃機関の回転数が失火判定に用いる第1の判
定値より小さい第2の判定値を所定期間内に所定回数上
回ったときには、失火を正確に検出するのに適してない
状態(例えば、悪路走行中)であると判断し、失火検出
をしないようにする。
防止できるため、より正確な失火検出をすることができ
る。
図である。
のフローチャートである。
出処理のフローチャートである。
のフローチャートである。
のフローチャートである。
る。
ある。
理のフローチャートである。
である。
度との関係を表した正規分布図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 内燃機関の回転速度変動量が第1の判定
値より大きいとき失火が発生したと判定する失火判定手
段と、 内燃機関の回転速度変動量が第1の判定値と第1の判定
値より小さい第2の判定値との間に存在した回数を所定
期間カウントするカウンタと、 前記カウンタの値が所定値より大きいときに、前記失火
判定手段による判定結果を無効とする判定無効手段とを
備えることを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15015293A JP3407340B2 (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 内燃機関の失火検出装置 |
US08/152,504 US5539644A (en) | 1992-11-17 | 1993-11-16 | System for detecting misfire in a multi-cylinder internal combustion engine |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15015293A JP3407340B2 (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 内燃機関の失火検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0719103A true JPH0719103A (ja) | 1995-01-20 |
JP3407340B2 JP3407340B2 (ja) | 2003-05-19 |
Family
ID=15490642
Family Applications (1)
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1993
- 1993-06-22 JP JP15015293A patent/JP3407340B2/ja not_active Expired - Lifetime
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