JP4482842B2 - 印刷配線板用プリプレグおよび積層板 - Google Patents

印刷配線板用プリプレグおよび積層板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は安価で、レーザー加工性に優れ、軽量化、薄型化が可能な印刷配線板用プリプレグおよび積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の小型化、多機能化に伴い、プリント配線板も高密度化、小型化、多層化が進んでいる。また、実装条件もますます厳しくなっている。このため、プリント配線板はより薄型化が進み、特性面でもより高い耐熱性、低吸水率が重要になっている。
一方、近年回路加工したコア基材の両面に、絶縁層を積み重ねながら作成するビルドアップ配線板が注目を集めている。このビルドアップ配線板の高密度化のためには、非貫通相互接続穴(IVH)を小径化して各層の導通接続を行うことが必須となる。この小径IVHの形成のため、レーザー加工性などがますます重要になっている。
従来より、印刷配線板用プリプレグは基材に熱硬化性樹脂を含浸させ、加熱乾燥を行うことにより作られてきた。この際、基材に無機物であるガラスクロスを用いると、基材に連続するガラス繊維を有するために、レーザー加工性が十分でなく、炭酸ガスレーザーによるIVH形成は困難であった。一方、紙基材を用いると、レーザー加工性には優れるが、吸水率が高くなり、これに伴う絶縁劣化が問題となる。また、紙基材を用いた場合には、薄型化が進むにつれて紙基材そのものの強度が弱くなり、破れやすいという問題点も生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる現状に鑑みなされたもので、レーザー加工性に優れた紙基材を用いても、薄型化が可能で、高い絶縁信頼性を実現できる印刷配線板用プリプレグおよび積層板を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のものに関する。
(1)紙基材に熱硬化性樹脂を含浸、加熱乾燥してなるプリプレグにおいて、紙基材が予め(A)アルコキシシラン誘導体および/またはその縮合物、(B)フェノール樹脂並びに(C)一般式(式2)で示される塩基性触媒を必須成分とする溶液により含浸処理されたものであることを特徴とする印刷配線板用プリプレグ。
【化13】
Figure 0004482842

(2)アルコキシシラン誘導体が、少なくとも1つのエポキシ基を有するアルコキシシランおよび/またはその縮合物である(1)項に記載の印刷配線板用プリプレグ。
(3)アルコキシシラン誘導体が、一般式(式1)で示される化合物および/またはその縮合物である(1)又は(2)項に記載の印刷配線板用プリプレグ。
【化3】
Figure 0004482842
(4)フェノール樹脂がレゾール型フェノール樹脂である(1)〜(3)項のいずれかに記載の印刷配線板用プリプレグ。
(5)熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である(1)〜(4)項のいずれかに記載の印刷配線板用プリプレグ。
(6)紙基材が坪量100g/m2以下である(1)〜(5)のいずれかに記載の印刷配線板用のプリプレグ。
(7)(1)〜(6)項のいずれかに記載の印刷配線板用プリプレグを加熱加圧成形してなる印刷配線板用積層板。
(8)(A)一般式(式1)で示されるアルコキシシラン誘導体および/またはその縮合物5〜50重量部、(B)フェノール樹脂5〜50重量部,(C)一般式(式2)で示される塩基性触媒0.01〜1重量部、(D)水10〜70重量部、(E)アルコール類10〜70重量部を必須成分とする溶液を紙基材に含浸 させ、加熱乾燥を行った後、熱硬化性樹脂を含浸し、さらに加熱乾燥することを特徴とする印刷配線板用プリプレグの製造方法。
【化4】
Figure 0004482842
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるアルコキシシラン誘導体としては、
【化5】
Si(0.H3)4,Si(0C2H5)4、
Si(0C3H7)4,Si(0C4H9)4
等のテトラアルコキシシランなどの4官能性シラン化合物(以下、シラン化合物における官能性とは、縮合反応性の官能基を有することを意味する)、
【化6】
H3CSi(0CH3)3,H5C2Si(0CH3)3、
H7C3Si(0CH3)3,HgC4Si(0CH3)3、
H3CSi(0C2H5)3,H5C2Si(0C2H5)3、
H7C3Si(0C2H5)3,HgC4Si(0C2H5)3、
H3CSi(0C3H7)3,H5C2Si(0.3H7)3、
H7C3Si(0C3H7)3,HgC4Si(0C3H7)3、
H3CSi(0C4H9)3,H5C2Si(0C4H9)3、
H7C3Si(0C4H9)3,HgC4Si(0C4H9)3
等のモノアルキルトリアルコキシシラン、
【0006】
【化7】
PhSi(0CH3)3,PhSi(0C2H5)3、
PhSi(0C3H7)3,PhSi(0C4H9)3
(ただし、Phはフェニル基を示す。以下同様)
等のフェニルトリアルコキシシラン、
【化8】
(CH20CH)CH2Si(0CH3)3、
CH2=CHSi(0CH3)3、
HSC3H6Si(0CH3)3、
H2NC3H6Si(0CH3)3、
(CH20CH)CH2Si(0C2H5)3、
CH2=CHSi(0C2H5)3、
HSC3H6Si(0C2H5)3、
H2NC3H6Si(0C2H5)3、
(CH20CH)CH2Si(0C3H7)3、
CH2=CHSi(0C3H7)3、
HSC3H6Si(0C3H7)3、
H2NC3H6Si(0.3H7)3
等の反応性基を持つトリアルコキシシランなどの3官能性シラン化合物、
【化9】
(H3C)2Si(0CH3)2、(H5C2)2Si(0CH3)2、
(H7C3)2Si(0CH3)2、(HgC4)2Si(0CH3)2、
(H3C)2Si(0C2H5)2、(H5C2)2Si(0C2H5)2、
(H7C3)2Si(0C2H5)2、(HgC4)2Si(0C2H5)2、
(H3C)2Si(0C3H7)2、(H5C2)2Si(0C3H7)2、
(H7C3)2Si(0C3H7)2、(HgC4)2Si(0C3H7)2、
(H3C)2Si(0C4H9)2、(H5C2)2Si(0C4H9)2、
(H7C3)2Si(0C4H9)2、(HgC4)2Si(0C4H9)2
等のジアルキルジアルコキシシラン、
【0007】
【化10】
Ph2Si(0CH3)2,Ph2Si(0C2H5)2
等のジフェニルジアルコキシシラン、
【化11】
((CH20CH)CH2)2Si(0CH3)2、
(CH2=CH)2Si(0CH3)2、
(HSC3H6)2Si(0CH3)2、
(H2NC3H6)2Si(0CH3)2、
((CH20CH)CH2)2Si(0C2H5)2、
(CH2=CH)2Si(0C2H5)2、
(HSC3H6)2Si(0C2H5)2、
(H2NC3H6)2Si(0C2H5)2、
((CH20CH)CH2)2Si(0C3H7)2、
(CH2=CH)2Si(0C3H7)2、
(HSC3H6)2Si(0C3H7)2、
(H2NC3H6)2Si(0C3H7)2
等の反応性基を有するシアルコキシシランなどの2官能性シラン化合物などがある。
【0008】
これらのアルコキシシラン誘導体は単独であるいは数種類組み合わせて用いることが出来る。これらの中でも、反応性基を持つアルコキシシラン誘導体は、この後熱硬化性樹脂を塗工する際、熱硬化樹脂と反応することができ、紙と樹脂との界面の接着性が向上するため好ましい。さらに、これらの中でもトリメトキシ(グリシジルメチル)シラン((CH20CH)CH2Si(0CH3)3)はアルコキシシランの反応性が高く、またグリシジル基を持つため、熱硬化樹脂を塗工する際に親和性が良いためとりわけ好ましい。
【0009】
また、これらのアルコキシシラン誘導体は予め縮合させ、オリゴマー化した上で用いてもよい。この際には、触媒として塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、フッ酸等の無機酸、マレイン酸、スルホン酸、シュウ酸、ギ酸等の有機酸、あるいはアンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)などの塩基触媒を用いると好ましい。これら触媒は、用いるアルコキシシラン誘導体の種類、量によって適当量用いられるが、好適にはアルコキシシラン誘導体1モルに対して0.001〜0.5モルの範囲で用いられる。
上記縮合反応は、例えばアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メタノール、エタノールなどの溶媒中で行うことが好ましい。また、この反応に際して水の存在が重要である。水の量も適宜決められるが、多すぎる場合には縮合の進行が早すぎてゲル化が起こる可能性があり、少なすぎると十分に縮合が進行しないため、アルコキシシラン1モルに対して0.1〜5モルが好ましく、0.3〜4モルとするのがより好ましい。
【0010】
本発明で用いるフェノール樹脂としては、フェノール類とホルムアルデヒドまたはその誘導体を塩基触媒の存在下で反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂を用いることが好ましい。この際用いるフェノール類としてはフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノールなどの1価フェノール類や、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどの2価フェノール類が挙げられ、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラックなどの多官能フェノール類も単独で、あるいはこれらを組み合わせて用いることができる。
また、フェノール類に対して、反応させるアルデヒド類としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒドなどが挙げられる。反応させるアルデヒド類の量は、フェノール性水酸基に対して、モル等量が多いと未反応のホルムアルデヒドまたはその誘導体が残ってしまい、少ないと親水性が十分でなく紙繊維に十分に含浸出来ないことから、0.5〜5当量、好ましくは1〜3当量が好ましい。
また、これらを反応させる際に用いる塩基触媒としては、アンモニア水、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンなどのアミン類のほかに、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)などを単独で、あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
また、出来上がったフェノール樹脂の160℃におけるゲルタイムは、短いと紙への含浸性が悪くなり、長いと未反応のフェノール類やホルムアルデヒド誘導体が残存するため、30〜360秒、好ましくは60〜300秒となるよう反応を終了させるのが好ましい。
またこの反応は無溶剤で行ってもかまわないが、例えばアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メタノール、エタノールなどの溶媒中で行ってもかまわない。
【0011】
これらのアルコキシシラン誘導体および/またはその縮合物5〜50重量部に対して、レゾール型フェノール樹脂5〜50重量部、水10〜70重量部、アルコール10〜70重量部を加えた溶液を作ると好ましい。この際、水が少なすぎるとアルコキシシラン化合物の縮合が充分進まず効果が低減し、多すぎると保存安定性が悪くなる。
また、用いるアルコールの種類は特に限定されないが、メタノールを用いると沸点が低く、加熱乾燥が容易に行え好ましい。アルコールの量は少なすぎると保存安定性が悪くなり、多すぎるとアルコキシシラン誘導体の濃度が薄まるため効果が低減する。
さらに、この溶液に対して、塩基性触媒0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜1重量部を加えるとアルコキシシラン誘導体の反応性が上がり、より効果的な低吸水率化、を行うことが出来る。この際用いる塩基触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、トリsec−ブチルアミン、トリオクチルアミン、アンモニア水、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類のほか、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)などの塩基触媒も用いることが出来る。これらの塩基触媒を単独で、あるいは組み合わせて使用する。この中でも、トリn−ブチルアミンは反応を促進するのに適度な塩基性を持つことのために好ましい。
【0012】
本発明では、紙基材に予め上記アルコキシシランとフェノール樹脂からなる組成物を含む溶液を含浸させ、加熱乾燥を行う。本発明で用いる紙基材に特に制限はないが、坪量100g/m2以下、好ましくは30〜80g/m2の紙基材を用いると、製造したプリント配線板の厚さが120μm以下となり、薄型化が出来好ましい。また、紙基材への含浸性、塗工作業性を考慮し、引張り張力が9.8N/10mm巾以上、嵩密度が0.5〜0.8、好ましくは0.6〜0.8であるクラフトパルプ系の紙基材が好適に用いられる。
【0013】
紙基材に上記組成物を含む溶液を含浸した後、50℃〜200℃、好ましくは80℃〜180℃で5〜10分間、加熱乾燥を行う。この際、アルコキシシラン誘導体は縮合が進み、紙の疎水性を向上させる。この後、熱硬化性樹脂を塗工、乾燥させることによって、加熱加圧成形が可能なプレプリグを得ることが出来る。
この際用いる熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル酸あるいはメタクリル酸エステル樹脂などが挙げられる。この中でもエポキシ樹脂は電子材料としての特性バランスに優れ、安価であることのため好ましい。
用いるエポキシ樹脂としては特に制限はなく、通常積層板用として用いているエポキシ樹脂を用いることができる。このようなエポキシ樹脂として、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、臭素かエポキシ樹脂などが挙げられ、これらは単独、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。また、エポキシ樹脂の硬化剤としてはジシアンジアミド、イミダゾール類、芳香族アミン等のアミン類、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック等のノボラック樹脂などが挙げられ、単独でもしくは組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ジシアンジアミドが硬化性に優れており好ましく用いられる。
上記エポキシ樹脂ワニスにはさらにイミダゾール誘導体等の硬化促進剤やタルク、シリカ、水酸化アルミ、酸化アンチモン等の無機充填剤あるいは他の成分を必要に応じて配合することもできる。
【0014】
この場合のエポキシ樹脂ワニスの固形分濃度に関しては特に制限はないが、含浸時のワニス粘度は0.01〜10Pa・sが好ましい。ワニス粘度が0.01Pa・sより小さい場合には、紙基材に十分な量の樹脂を均一に付着させる困難があり、またワニス粘度が10Pa・sより大きくなると、紙基材への含浸性が著しく低下するため好ましくない。
上記エポキシ樹脂ワニスを、アルコキシシラン誘導体および/またはその縮合物で処理した紙基材に含浸し、加熱乾燥することにより、紙基材エポキシ樹脂プリプレグを得る。
エポキシ樹脂ワニスは、下塗り処理剤との合計樹脂量が乾燥後に40〜70重量%になるように含浸させるのが好ましい。合計樹脂量が40重量%未満、70重量%超のいずれの場合にも成形性が悪くなる傾向がある。このことから、樹脂付着量合計が乾燥後に40〜70重量%になるように含浸させるのがより好ましい。
前記アルコキシシラン誘導体処理、およびエポキシ樹脂ワニスによる紙基材に対する含浸方法については特に制限はなく、ディップコート方式、ロールコート方式等の公知の方法を用いることができる。
【0015】
【実施例】
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(エポキシ樹脂の配合)
攪拌器付きの1リットルフラスコに、以下の配合にしたがって配合を行い、1時間よく攪拌した。得られたワニスは12時間以上静置して脱泡した後用いた。
・臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂30重量部
(住友化学工業(株)製ESB400T、エポキシ当量400)
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂70重量部
(住友化学工業(株)製ESCN SCN-195、エポキシ当量195)
・ジシアンジアミド3重量部
・2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部
・メチルエチルケトン134重量部
(フェノール樹脂の合成)
攪拌機付きの500m1のフラスコに、フェノール94g(1.Oモル)、パラホルムアルデヒド60g(2.0モル)、トリエチルアミン5.1g(O.05モル)を投入し、70℃で2時間反応を行った。得られたレゾール型フェノール樹脂はそのまま用いた。
【0016】
(実施例1)
攪拌機付きの500m1フラスコにジメチルジメトキシシラン40g、蒸留水80g、メタノール80gを入れ10分間よく攪拌した。さらに、塩基触媒としてトリn−ブチルアミン0.2gを加え、さらに5分間攪拌した。その後、レゾール型フェノール樹脂20g、蒸留水40g、メタノール40gを加え10分間攪拌した。その後、レゾール型フェノール樹脂20g、蒸留水40g、メタノール40gを加え10分間攪拌した。
得られた溶液を紙基材(王子製紙、剥離紙原紙、坪量80g/m2)に含浸した後、160℃で10分間加熱乾燥を行った。その後、上記のエポキシ樹脂を含浸し、160℃で5分間、加熱乾燥を行うことによりプレプリグを得た。
得られたプレプリグの両面に厚さ35μmの銅箔を重ね、プレス圧2.5MPa、175℃で1時間プレスを行うことによって両面銅張り積層板を得た。
この両面銅張り積層板の銅箔をエッチングした上で、膜厚、絶縁抵抗の測定に用いた。
【0017】
(膜厚、絶縁抵抗の測定)
膜厚はマイクロメーターにより測定した。
絶縁抵抗はJIS規格C5012、プリント配線板の試験方法にしたがって測定した。すなわち、20mm×40mm角に切り出したサンプルに、パンチ加工によって、10mmの間隔で直径5mmの穴を2つあけた。この穴に電極を差し込み、500Vの電圧をかけた際の絶縁抵抗を測定した。
この絶縁抵抗を常態、および沸騰水に2時間サンプルを浸漬した後に測定し、絶縁劣化を測定した。結果を表1に示す。
【0018】
参考例1)攪拌機付きの500m1フラスコに、トリメトキシ(グリシジルメチル)シラン20g、蒸留水40g、メタノール40gを入れ10分間攪拌した。その後、レゾール型フェノール樹脂20g、蒸留水40g、メタノール40gを加え、10分間攪拌した。その後は、実施例1と全く同様にして、両面銅張り積層板を得、膜厚、絶縁抵抗を測定した。結果を表1に示す。
【0019】
(実施例3)
攪拌機付きの500m1フラスコに、トリメトキシ(グリシジルメチル)シラン20g、蒸留水40g、メタノール40gを入れ、10分間攪拌した。さらに、塩基触媒としてトリn−ブチルアミン0.2gを加え、さらに5分間攪拌した。その後、レゾール型フェノール樹脂20g、蒸留水40g、メタノール40gを加え10分間攪拌した。
その後は、実施例1と全く同様にして、両面銅張り積層板を得、膜厚、絶縁抵抗を測定した。結果を表1に示す。
【0020】
(実施例4)
攪拌機付きの500m1フラスコに、トリメトキシ(グリシジルメチル)シラン20g、蒸留水40g、メタノール40gを入れ10分間攪拌した。さらに、塩基触媒としてトリn−ブチルアミン0.2gを加え、さらに5分間攪拌した。その後、レゾール型フェノール樹脂20g、蒸留水40g、メタノール40gを加え10分間攪拌した。得られた溶液を紙基材(王子製紙、剥離紙原紙、坪量180g/m2)によく含浸した後、160℃で10分間加熱乾燥を行った。
その後は、実施例1と全く同様にして、両面銅張り積層板を得、膜厚、絶縁抵抗を測定した。結果を表1に示す。
【0021】
(実施例5)
攪拌機付きの500mlフラスコに、トリメトキシ(グリシジルメチル)シラン20g、蒸留水4g、メタノール40g、トリn−ブチルアミンO.2gを入れ、60℃で2時間反応を行い縮合物を得た。10分間攪拌後レゾール型フェノール樹脂20g、蒸留水76g、メタノール40gを加え、10分間攪拌した。
得られた溶液を紙基材(王子製紙、剥離紙原紙、坪量80g/m2)に含浸した後、160℃で10分間加熱乾燥を行った。
その後は、実施例1と全く同様にして、両面銅張り積層板を得、膜厚、絶縁抵抗を測定した。結果を表1に示す。
【0022】
(比較例1)
比較例として、紙基材に何も処理せずに、エポキシ樹脂を含浸させて銅張り積層板を得た。紙基材(王子製紙、剥離紙原紙、坪量80g/m2)に、エポキシ樹脂(VP-679、樹脂分45%、日立化成、商品名)を含浸し、160℃で5分間、加熱乾燥を行うことにより、プレプリグを得た。
得られたプレプリグの両面に厚さ35μmの銅箔を重ね、プレス圧2.5MPa,175℃で1時間プレスを行うことによって、両面銅張り積層板を得た。
この両面銅張り積層板の銅箔をエッチングした上で、膜厚、吸水率、はんだ耐熱性を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0023】
(比較例2)
実施例3の比較例として、紙基材の処理の際にフェノール樹脂を用いずに、同様の方法で銅張り積層板を得た。
攪拌機付きの500mlフラスコに、トリメトキシ(グリシジルメチル)シラン20g、蒸留水40g、メタノール40gを入れ、10分間よく撹枠した。さらに、塩基触媒としてトリn−ブチルアミン0.2gを加え、さらに5分間攪拌した。得られた溶液を紙基材(王子製紙、剥離紙原紙、坪量80g/m2)に含浸した後、160℃で10分間加熱乾燥を行った。
その後、上記のエポキシ樹脂を含浸し、160℃で5分間、加熱乾燥を行うことにより、プリプレグを得た。
得られたプリプレグの両面に厚さ35μmの銅箔を重ね、プレス圧2.5MPa、175℃で1時間プレスを行うことによって、両面銅張り積層板を得た。
この両面銅張り積層板の銅箔をエッチングした上で、膜厚、絶縁抵抗の測定に用いた。結果を表1に示す。
【0024】
(比較例3)
実施例3の比較例として、紙基材の処理の際にアルコキシシラン誘導体を用いずに、同様の方法で銅張り積層板を得た。
攪拌機付きの500m1フラスコに、レゾール型フェノール樹脂20g、蒸留水40g、メタノール40gを入れ、10分間攪拌した。さらに、塩基触媒としてトリn−ブチルアミン0.2gを加え、さらに5分間攪拌した。
得られた溶液を紙基材(王子製紙、剥離紙原紙、坪量80g/m2)に含浸した後、160℃で10分間加熱乾燥を行った。
その後、上記のエポキシ樹脂を含浸し、160℃で5分間、加熱乾燥を行うことにより、プリプレグを得た。
得られたプリプレグの両面に厚さ35μmの銅箔を重ね、プレス圧2.5MPa、175℃で1時間プレスを行うことによって、両面銅張り積層板を得た。
この両面銅張り積層板の銅箔をエッチングした上で、膜厚、絶縁抵抗の測定に用いた。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0004482842
【0026】
表1の実施例1〜5はいずれも本発明で得られたプリント配線板であり、本発明を用いなかった比較例に比べて、吸水後の絶縁抵抗が高い。また、アルコキシシラン誘導体として、グリシジル基を有するものを用いた実施例3は、グリシジル基を有しない実施例1に比べて、吸水後の絶縁抵抗が高かった。さらに、塩基触媒を用いた実施例3は塩基触媒を用いなかった実施例2よりも吸水後の絶縁抵抗が高かった。さらに、坪量80g/m2の紙基材を用いた実施例3は、坪量180g/m2の紙基材を用いた実施例4よりもプリント配線板の膜厚は薄かった。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、レーザー加工性に優れ、薄型化が可能で、吸水率が低く、はんだ耐熱性に優れたプリント配線板が得られ、各種配線板や実装用基板などに幅広く用いることが出来る。また、基材が紙であることから、安価に製造ができ、かつ軽量化も容易である。さらに吸湿後でも高い絶縁抵抗を維持できることから、絶縁信頼性の高いパッケージ材料としても十分に用いることが出来る。

Claims (8)

  1. 紙基材に熱硬化性樹脂を含浸、加熱乾燥してなるプリプレグにおいて、紙基材が予め(A)アルコキシシラン誘導体および/またはその縮合物、(B)フェノール樹脂並びに(C)一般式(式2)で示される塩基性触媒を必須成分とする溶液により含浸処理されたものであることを特徴とする印刷配線板用プリプレグ。
    Figure 0004482842
  2. アルコキシシラン誘導体が、少なくとも1つのエポキシ基を有するアルコキシシランおよび/またはその縮合物である請求項1に記載の印刷配線板用プリプレグ。
  3. アルコキシシラン誘導体が、一般式(式1)で示される化合物および/またはその縮合物である請求項1又は2に記載の印刷配線板用プリプレグ。
    Figure 0004482842
  4. フェノール樹脂がレゾール型フェノール樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の印刷配線板用プリプレグ。
  5. 熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の印刷配線板用プリプレグ。
  6. 紙基材が坪量100g/m2以下である請求項1〜5のいずれかに記載の印刷配線板用のプリプレグ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の印刷配線板用プリプレグを加熱加圧成形してなる印刷配線板用積層板。
  8. (A)一般式(式1)で示されるアルコキシシラン誘導体および/またはその縮合物5〜50重量部、(B)フェノール樹脂5〜50重量部,(C)一般式(式2)で示される塩基性触媒0.01〜1重量部、(D)水10〜70重量部、(E)アルコール類10〜70重量部を必須成分とする溶液を紙基材に含浸させ、加熱乾燥を行った後、熱硬化性樹脂を含浸し、さらに加熱乾燥することを特徴とする印刷配線板用プリプレグの製造方法。
    Figure 0004482842
    Figure 0004482842
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