JP3681118B2 - エポキシプレプレグと併用する接着促進層 - Google Patents

エポキシプレプレグと併用する接着促進層 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、多層構造体に関し、これは、窒素含有シラン化合物の接着促進層を含む。さらに具体的には、本発明は、多層構造体に関し、これは、エポキシ樹脂から製造したプレプレグ層、および窒素含有シラン化合物を含有する接着促進層を含む。
【0002】
(発明の背景)
プリント回路基板は、電子素子の部品として使用され得る。PCB類は、多層構造体から製造され得、これは、典型的には、導電性箔(例えば、銅箔)および高分子樹脂基板から構成される。この導電性箔は、導体をなすのにのに対して、この高分子樹脂基板(プレプレグ)は、構造を完全な状態にし、そして導体間で絶縁体をなす。この導体および絶縁体は、密接に接触しているので、両者の間の接着は、それと共に製造される電子素子の性能および信頼性に寄与する。
【0003】
プリント回路基板の製造で使用される電着し、そして鍛造または圧延した銅箔は、しばしば、これらの高分子基板にうまく接着しない。銅箔と絶縁性高分子基板との間で接着を達成する従来の方法は、銅表面を粗くすることであった。
【0004】
表面を粗くすることは、いくつかの手段により、達成されている。これらの電着銅箔は、粗面を使って電気鋳造できる。この粗面の上では、さらに、大きな表面積にわたる処理を適用することにより、さらに粗くされる。これらの処理は、特に、結節形状または粉末形状で電気分解的に沈着した銅、または結節または樹状で成長する酸化銅であり得る。しばしば、圧延銅箔には、圧延中または引き続いた研磨により、機械的な粗さが与えられている。これらの圧延銅箔はまた、通常、表面積増大結節銅または酸化銅処理により、処理される。
【0005】
これらの表面を粗くする処理は、この樹脂との機械的なインターロックを形成することにより、これらの高分子との接着性を高める。この機械的なインターロックは、接着剤がその液体状態で塗布されて硬化されるとき、またはこの樹脂が積層中の硬化前に溶融して流動するとき、形成される。これらの高分子は、粗くした表面領域処理体の周りで流動して、この機械的なインターロックを形成する。ある場合には、表面粗化処理は、導電性金属箔の電気特性に好ましくない影響を与えるので、このような場合には、それらの使用は、好ましくない。
【0006】
この銅箔と高分子樹脂との間で測定される接着に寄与するいくつかの要因が存在する。これらのいくつかには、表面積、粗さの種類、濡れ、化学結合の形成、化学結合の種類、相互貫通ネットワークの形成、および接着材料の特性がある。
【0007】
接着試験中、インターロックした樹脂および銅は、しばしば、十分にうまく接着するが、この樹脂内では、不良(凝集不良)が起こる。一部の樹脂を使うと、処理および樹脂を機械的にインターロックした結果、所望の高い接着性が得られず、樹脂と銅の間の界面で、不良(接着不良)が起こる。
【0008】
この高分子樹脂基板を製造するために、種々の異なるプレプレグが使用されている。最も一般的なプレプレグには、エポキシプレプレグ、ポリイミドプレプレグおよびポリエステルプレプレグがある。金属箔がプレプレグに積層されるとき、接着特性を改良するために、シランカップリング剤を含有する接着促進層が使用され得る。
【0009】
この高分子樹脂基板には、それらの接着強度および熱特性のために、エポキシ樹脂が使用されている。実際、エポキシ樹脂は、安価な材料であるが長期間にわたって高い信頼性を有するので、頻繁に使用される。市場に出ている多くのエポキシプレプレグは、架橋剤としてアミン硬化剤(例えば、ジシアンジアミド)を使用して、製造される。しかしながら、アミン硬化剤の使用には、多くの問題(環境、安全および取り扱いの問題を含めて)が付随している。相当な量のある種の揮発性有機化化合物(VOC類)(例えば、メチルセロソルブ、ジメチルホルムアミドおよびプロピレングリコールエーテルを含めた有機溶媒)は、典型的には、アミン硬化剤と併用される。安全上および環境上の理由のために、VOC類の使用は、できるだけ少なくするか使用しないのが望ましい。
【0010】
最近では、エポキシ樹脂系に基づいた新規プレプレグが市場に出回っている。これらの新規なエポキシプレプレグは、アミン硬化剤なしで、そして、典型的には、相当な量のVOC類なしかまたは有害な有機物を少なくして製造されているので、有利である。しかしながら、導電性金属箔および新規エポキシプレプレグ製の積層体の引き続いた処理中(例えば、酸食刻過程中)にて、この積層体の剥離強度は、著しく低下し、時には、完全に減少する。その望ましくない結果は、層間剥離となり、ここで、その積層体は、使用には不適当となる。これは、この導電性金属箔と新規エポキシプレプレグとの間の接着が酸環境では破壊されるからである。
【0011】
従って、特に、その引き続いた多層構造体の処理中にて、導電性金属箔が上記新規プレプレグとしっかりと結合した多層構造体を提供するのが望ましい。また、同時に高温安定性を示しつつ、この導電性金属箔と新規エポキシプレプレグとの間の接着性を高めるかまたは少なくとも維持することも望ましい。
【0012】
(発明の要旨)
1実施形態では、本発明は、接着促進層に関し、これは、プリント回路基板用の多層構造体にある金属箔層とプレプレグ層の間に配置したとき、酸環境でも高い剥離強度に寄与する。さらに具体的には、本発明は、多層構造体に関し、この多層構造体は、プレプレグ層および接着促進層を含み、ここで、このプレプレグ層は、エポキシ樹脂および非アミン硬化剤から製造され、そしてこの接着促進層は、窒素含有シラン化合物を含有する。
【0013】
他の実施形態では、本発明は、多層構造体に関し、この多層構造体は、金属箔層、エポキシプレプレグ層および接着促進層を含み、ここで、このエポキシプレプレグ層は、エポキシ樹脂および非アミン硬化剤から製造され、この非アミン硬化剤は、酸、無水物、アルコキシド、フェノキシド、重合体チオールおよびフェノールの少なくとも1種を含有し、そしてこの接着促進層は、窒素含有シラン化合物を含有し、ここで、この接着促進層は、金属箔層とエポキシプレプレグ層の間にある。
【0014】
さらに別の実施形態では、本発明は、多層構造体に関し、この多層構造体は、金属箔層、エポキシプレプレグ層および接着促進層を含み、この金属箔層は、銅を含み、このエポキシプレプレグ層は、エポキシ樹脂および非アミン硬化剤から製造され、この非アミン硬化剤は、酸、無水物およびフェノールの少なくとも1種を含有し、そしてこの接着促進層は、金属箔層とエポキシプレプレグ層の間にあり、アミノシラン化合物を含有する。
【0015】
本発明の多層構造体は、導電性金属箔を含み、これは、この多層構造体の引き続いた処理中でも、その新規エポキシプレプレグ(これは、非アミノ硬化剤で製造されている)にしっかりと結合されている。特に、本発明の多層構造体は、酸環境でも安定である。これは、本発明の多層構造体が、酸劣化を原因とする導電性金属箔の新規エポキシプレプレグからの部分的および/または完全な層間剥離に抵抗するからである。
【0016】
(詳細な説明)
本発明による多層構造体は、少なくとも2層を含む。1実施形態では、この多層構造体は、少なくとも1層の金属箔層および少なくとも1層の接着促進層を含む。別の実施形態では、この多層構造体は、少なくとも1層の金属箔層、少なくとも1層のエポキシプレプレグ層および少なくとも1層の接着促進層を含む。この多層構造体は、さらに、追加層を含み得る。
【0017】
本発明による多層構造体は、エポキシプレプレグ層を含む。有用なプレプレグは、時には、誘電基板と呼ばれているが、織物ガラス、セルロース、紙シートまたは他の強化材料にエポキシ樹脂または部分硬化エポキシ樹脂を含浸することにより、作製され得る。
【0018】
本発明に従ってエポキシプレプレグを製造するのに使用されるエポキシ樹脂は、非アミン硬化剤を使って製造される。言い換えれば、このエポキシプレプレグ樹脂は、アミン硬化剤、例えば、ポリアミン(例えば、ジシアンジアミド、ポリメチレンジアミン、ポリエーテルジアミンおよび他の脂肪族ポリアミン)、脂環式ポリアミン(例えば、メンタンジアミン(menthanediamine))および芳香族ポリアミン(例えば、フェニレンジアミン、トルエンジアミンおよびメチレンジアニリン))を使って製造されない。
【0019】
エポキシ樹脂は、エポキシ単量体またはエポキシプレポリマーと硬化剤とから製造される熱硬化性樹脂である。硬化剤は、コア活性(coreactive)で多官能性の試薬であり、これは、活性水素原子を有する。このプレプレグを調製する際に使用できる化合物には、単官能性エポキシ樹脂、二官能性エポキシ樹脂、三官能性エポキシ樹脂、四官能性エポキシ樹脂、五官能性エポキシ樹脂およびそれらのブレンド、混合物および反応生成物が挙げられる。一般的に言えば、エポキシ樹脂は、エピクロロヒドリンと、モノ−、ジ−およびトリヒドロキシフェノール化合物、多核ポリヒドロキシフェノール化合物および/または脂肪族ポリオールとを反応させることにより、製造できる。ジ−およびトリヒドロキシフェノール化合物の例には、レゾルシノールおよびフロログルシノールが挙げられる;多核ポリヒドロキシフェノール化合物の例には、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタンおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニルが挙げられる;そして脂肪族ポリオールの例には、1,4−ブタンジオールおよびグリセロールが挙げられる。しばしば、これらのエポキシ樹脂は、難燃性を与えるために、臭素原子を含有する。
【0020】
エポキシ樹脂組成物は、エポキシ化合物および硬化剤を使って製造される。この硬化剤は、この組成物中にて、このエポキシ化合物を硬化するのに有効な量で存在しており、これは、一般に、エポキシ化合物1当量あたり、約0.75〜約1.25当量の化学量論量である。重量%の点から見ると、この硬化剤は、エポキシ化合物および硬化剤の合計重量に基づいて、一般に、約10〜約70重量%、好ましくは、約15〜約50重量%、最も好ましくは、約15〜約40重量%の量で存在している。
【0021】
1実施形態では、この硬化剤は、C原子、H原子およびO原子、および必要に応じて、ハロゲン原子(例えば、Br原子)を含有する化合物である。本発明に従ったエポキシ樹脂に有効な硬化剤には、例えば、酸(特に、有機カルボン酸および酸塩)、無水物(特に、有機酸無水物)、アルコキシド、フェノキシド、重合体チオールおよびフェノールが挙げられる。フェノール硬化剤には、フェノール−ノボラック化合物、クレゾール−ノボラック化合物、他の多価フェノール化合物、ならびに一核性芳香族フェノールが挙げられる。
【0022】
フェノール硬化剤には、さらに、多価フェノール、例えば、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、p−t−ブチルカテコール、サリゲニン、ビスフェノール−A、ビフェノール、トリメチロールアリルオキシフェノール、トリヒドロキシジフェニルジメチルエタン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(dihydroybiphenyl)、ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノール樹脂、および任意の対応する臭化化合物が挙げられる。
【0023】
酸硬化剤には、無機酸(例えば、鉱酸)および有機酸(例えば、ポリカルボン酸(例えば、アジピン酸、フタル酸、グルタル酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、シトラコン酸、イタコン酸、トリメリト酸、ピロメリト酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ダイマー酸およびポリアクリル酸))が挙げられる。
【0024】
無水物硬化剤には、無水フタル酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アルケニル酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、リノール酸の無水マレイン酸付加物、無水マレイン酸とスチレンの共重合体、共役ジエン重合体の無水マレイン酸付加物、アセチレン−共役ジエンランダム共重合体の無水マレイン酸付加物、中性脂肪の無水マレイン酸付加物、メチルシクロペンタジエンの無水マレイン酸付加物、無水メチル−2−置換ブテニルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ピロメリト酸、無水シクロペンタンテトラカルボン酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコール、ビストリメリテート、無水トリメリト酸、無水ドデシルコハク酸、および無水ジクロロコハク酸が挙げられる。
【0025】
1実施形態では、エポキシ樹脂組成物に好ましい硬化剤には、約1.75より高いフェノール官能性を有するフェノール化合物がある。好ましいフェノール硬化剤には、フェノールノボラックがあり、これは、酸溶液中にてジヒドロキシフェノール(例えば、レゾルシノールまたはビスフェノール−A)とホルムアルデヒドとを反応させることにより、調製される。好ましいフェノールノボラック樹脂硬化剤は、酸溶液中でホルムアルデヒドを備えたビスフェノール−Aである。好ましいフェノールノボラック樹脂硬化剤には、フェノール基1個あたり約60〜約500、好ましくは、約60〜約300の重量を有し、そして平均して、1分子あたり、約2個より多いフェノール性水酸基、好ましくは、3〜約5個のフェノール性水酸基を有するビスフェノール−Aノボラックがある。このようなフェノールノボラック硬化剤は、Shell製のEpikure(登録商標)、特に、Epikure(登録商標)DX−175の商品名で入手できる。
【0026】
好ましい実施形態では、このエポキシ樹脂用の硬化剤は、BRWE5300の商品名でGeorgia Pacific Resins,Inc.から入手できるビスフェノール−Aホルムアルデヒドノボラックである。この好ましい硬化剤は、酸触媒(通常、シュウ酸)を使って製造され、そして約125℃で、約800〜約1600cpsの溶融粘度、120のヒドロキシル当量、および約80℃〜約105℃のMettler軟化点により特徴付けられる。それより高いかまたは低い溶融粘度あるいは軟化点(これは、高いかまたは低い分子量の指標となる)を有する他のビスフェノール−Aホルムアルデヒドノボラックは、所望の反応特性を有する促進剤を得るためにビスフェノール−Aをホルムアルデヒドとの酸触媒反応で使用しなければならないので、その任意の促進剤として使用でき、それらのヒドロキシル当量は、120であるのが好ましい。好ましい実施形態では、このビスフェノール−Aホルムアルデヒドノボラックは、エポキシ:ノボラックおよびエポキシ当量:フェノール性ヒドロキシル当量の比の点で、その化学量論レベル未満の量で存在している。
【0027】
防炎性が望まれる用途では、この硬化剤は、フェノール樹脂硬化剤および臭化フェノール硬化剤の混合物であり得る。この臭化フェノール硬化剤は、少なくとも1個の遊離フェノール性水酸基およびその芳香環上に1個またはそれ以上の臭素原子を有する任意の単量体状または重合体状化合物であり得る。適当な臭化フェノール硬化剤の例には、臭化ビスフェノール−Aノボラック、臭化フェノールノボラック、臭化ポリフェニレンオキシド、臭化ビスフェノール−Aおよび臭化ビスフェノール−Aカーボネートが挙げられる。この臭化ビスフェノール−Aは、難燃性を高めるのに有効な量、一般に、このエポキシ化合物および硬化剤の合計重量に基づいて、約40重量%までの量、通常、約10〜約30重量%で、存在している。
【0028】
このエポキシ樹脂組成物の成分の短時間および/または低温での硬化を促進するために、任意の硬化促進剤が使用され得る。多くの適当な促進剤(例えば、尿素、イミダゾール、ホスフェン(phosphenes)、オクトエート(octoates)および三フッ化ホウ素)は、当該技術分野で公知である。現在好ましい種類の促進剤には、イミダゾール、例えば、1−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾールおよびプロピルイミダゾールがある。その入手可能性および性能特性のために、2−メチルイミダゾールは、好ましい促進剤である。この促進剤は、この組成物中にて、この組成物の硬化温度を高めるかおよび/または硬化温度を低くするのに有効な量、一般に、このエポキシ樹脂組成物の重量に基づいて、約0.001〜約7重量%、好ましくは、約0.01〜約3重量%の量で、存在している。硬化促進剤は、このエポキシ樹脂と架橋しないので、硬化剤ではない。
【0029】
このエポキシ樹脂は、このエポキシプレプレグの適用プロセスパラメータにより支配される特定の仕様内で設計される。このエポキシ樹脂処方物は、典型的には、エポキシ樹脂をガラス基板に塗布するのに必要な時間にわたってこのエポキシ樹脂が硬化を受けない温度で、液状である。このエポキシ樹脂は、典型的には、十分に低い粘度であり、これは、塗布時点で圧力バックアップロールを使用することなく、また、相当な量のVOC類を使用することなく、そのウェブの良好な「ウェットアウト(wetout)」または飽和を達成する。しかしながら、このエポキシ樹脂は、一旦、この基板に塗布すると、典型的には、加熱ゾーンに達する前に、エポキシ樹脂−ウェブの組合せから落ちない程度に十分な粘度を有する。
【0030】
1実施形態では、このエポキシ樹脂は、約0.5〜約10ポアズ、好ましくは、約0.5〜約6ポアズの範囲の粘度を有する。好ましい実施形態では、このエポキシ樹脂は、約175〜190のWPEを有するビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル、約310〜約350のWPEおよび約30〜50%の臭素含量を有するビスフェノール−Aの臭化ジグリシジルエーテル、フェノールノボラック硬化剤、および2−メチルイミダゾール促進剤のブレンドである。
【0031】
任意の1実施形態では、処理をし易くするために系の粘度を低くするのに有効な量で存在している水性有機溶媒または希釈剤を含有するエポキシ樹脂が使用され得る。水性または極性有機溶媒の例には、ケトン、アルコールおよびグリコールエーテルが挙げられる。選択した溶媒は、一般に、約160℃未満の沸点を有する。エポキシ樹脂に好ましい溶媒には、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン)が挙げられ、例えば、これらとアルキレングリコールエーテル(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル)との溶媒混合物が挙げられる。この組成物中の固形成分の割合は、存在している他の成分の量および組成物の目的用途に依存して、広く変えることができるが、溶媒媒介系中の溶媒は、一般に、このエポキシ樹脂の全重量の約1〜約40重量%を構成する。
【0032】
この樹脂組成物に好ましいエポキシ樹脂には、エポキシノボラック、例えば、DEN439およびDEN438が挙げられ、これらは、Dow Chemical Co.から入手できる。DEN439樹脂は、3.8のエポキシ官能性、191〜210のエポキシ当量、および約48℃〜約58℃のMettler軟化点により特徴付けられる。DEN438は、3.6のエポキシ官能性、176〜181のエポキシ当量、および約52℃で約20,000〜約50,000cpsの粘度を有するとして特徴付けられる。使用できる他のエポキシノボラック樹脂には、DEN485があり、これもまた、Dow Chemical Co.により製造されている。DEN485は、5.5のエポキシ官能性、165〜195のエポキシ当量、および約66℃〜約80℃の軟化点を有する。
【0033】
他のエポキシ樹脂には、Ciba Chemical Co.により製造されたエポキシクレゾールノボラック、例えば、ECN1235(これは、2.7のエポキシ官能性、200〜227のエポキシ当量、および約34℃〜約42℃の融点を有する);ECN1273(これは、4.8のエポキシ官能性、217〜233のエポキシ当量、および約68℃〜約78℃の融点を有する);ECN1280(これは、5.0のエポキシ官能性、213〜233のエポキシ当量、および約78℃〜約85℃の融点を有する);およびECN1299(これは、5.4のエポキシ官能性、217〜244のエポキシ当量、および約85℃〜約100℃の融点を有する)が挙げられる。
【0034】
適切なエポキシ樹脂には、また、四官能性フェノール、例えば、MTO163(これは、Ciba Chemical Co.から入手でき、そして4のエポキシ官能性、179〜200のエポキシ当量および約55℃〜約95℃の融点を有する)、およびEPON(登録商標)1031(これは、Shellから入手でき、そして3.5のエポキシ官能性および200〜240のエポキシ当量を有し、これは、メチルエチルケトン中の80重量%溶液として、約25℃で、約Z2〜約Z7の動粘度を有する固形樹脂である)が挙げられる。
【0035】
他の適切なエポキシ樹脂には、変性エポキシノボラック、例えば、Shell製のEPI−REZ SU樹脂、例えば、EPI−REZ SU−2.5(これは、2.5のエポキシ官能性、180〜200のエポキシ当量、および約52℃で約2500〜約4500センチストークスの溶融粘度を有する)、EPI−REZ SU−3.0(これは、3.0のエポキシ官能性、187〜211のエポキシ当量、および約52℃で約20,000〜約50,000センチストークスの溶融粘度を有する)およびEPI−REZ SU−8(これは、8.0のエポキシ官能性、195〜230のエポキシ当量、および約77℃〜約82℃の融点を有する)が挙げられる。
【0036】
好ましい二官能性エポキシ樹脂には、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテルエポキシ樹脂EPON(登録商標)826があり、これは、Shellから入手でき、2のエポキシ官能性、178〜186のエポキシ当量、および約25℃で約6500〜約9500cpsの粘度により特徴付けられる。EPON(登録商標)826のオフセットには、Araldite GY6008(これは、Ciba Chemical Co.から入手できる)、DER333(これは、 Dow Chemical Co.から入手できる)、およびEPOTUF37−139(これは、Reichold Co,から入手できる)が挙げられる。
【0037】
他の適切なビスフェノール−Aジグリシジルエーテルエポキシ樹脂には、Shell製の以下のものが挙げられる:EPON(登録商標)828(これは、185〜192のエポキシ当量および約25℃で約11,000〜約15,000cpsの粘度を有する);EPON(登録商標)830(これは、190〜198のエポキシ当量および約25℃で約17,700〜約22,500cpsの粘度を有する);EPON(登録商標)1123(これは、約800の分子量を有するビスフェノール−Aの臭化ジグリシジルエーテルである);およびEPON(登録商標)834(これは、230〜280のエポキシ当量、およびジエチレングリコールモノブチルエーテル中の70重量%溶液として測定したとき、約25℃でO−VのGardner−Holdt粘度を有する)。
【0038】
適切なビスフェノール−Fジグリシジルエーテルエポキシ樹脂には、Shell製のEPON(登録商標)DPL−862(これは、166〜177のエポキシ当量および約25℃で約3,000〜約4,500cpsの粘度を有する)、およびCiba Chemical Co.製のビスフェノール−Fジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(例えば、Araldite GY281(これは、158〜175のエポキシ当量および約25℃で約5,000〜約7,000cpsの粘度を有する)およびAraldite GY308(これは、173〜182のエポキシ当量および約25℃で約6,500〜約8,000cpsの粘度を有する))が挙げられる。
【0039】
使用できる他のエポキシ樹脂には、環状脂肪族エポキシ樹脂、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(Union Carbide製のERL4221)(これは、131〜143のエポキシ当量および約25℃で約350〜約450cpsの粘度を有する);2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサンメタジオキサン(Union Carbide製のERL4234)(これは、133〜154のエポキシ当量および約38℃で約7,000〜約17,000cpsの粘度を有する);および3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチルアジペート(Union Carbide製のERL4289)(これは、205〜216のエポキシ当量および約25℃で約500〜約1000cpsの粘度を有する)が挙げられる。他の業者が製造したエポキシ樹脂のいずれかのオフセットまたはエポキシ樹脂混合物もまた、使用できる。
【0040】
他の実施形態では、このエポキシプレプレグは、ビフェノール型エポキシ樹脂であり、これは、ビフェノール化合物およびフェノール樹脂硬化剤(これは、C原子、H原子およびO原子および必要に応じて、臭素原子を含有する)から製造される。1種またはそれ以上のビフェノール化合物をエピクロロヒドリンと反応させてビスフェノールエポキシ樹脂を製造し、次いで、(通常の方法を使用して)このフェノール樹脂硬化剤を組み込むことにより、ビフェノール型エポキシ樹脂が得られる。好ましい実施形態では、このフェノール樹脂硬化剤は、多価フェノール樹脂硬化剤であり、これは、C原子、H原子およびO原子および必要に応じて、臭素原子を含有する。
【0041】
このビフェノール型エポキシ樹脂を製造するのに出発物質として使用されるビフェノール化合物の例には、4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4−ビフェノール、3,5−ジブチル−4,4’− ビフェノール、3,3’−ジフェニル−4,4’− ビフェノール、3,3’−ジブロモ−4,4’− ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’− ビフェノール、3,3’−ジメチル−5,5’−ジブチル−4,4’− ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラブチル−4,4’− ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラブロモ−4,4’−ビフェノールなどが挙げられる。
【0042】
3,3’,5’,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールから誘導したエポキシ樹脂および3,3’,5’,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールから誘導したエポキシ樹脂と4,4’−ビフェノールから誘導したエポキシ樹脂との混合物は、それぞれ、「EPIKOTE YX4000」(商品名) および「EPIKOTE YL6121」(商品名)として、Yuka Shell Epoxy Co.から市販されている。
【0043】
このビフェノールエポキシ樹脂に組み込まれるフェノール樹脂硬化剤は、その芳香環上に1種またはそれ以上のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物から誘導したフェノール樹脂である。好ましい実施形態では、このビフェノールエポキシ樹脂に組み込まれるフェノール樹脂硬化剤は、その芳香環上の隣接位置で結合した2個またはそれ以上のフェノール性水酸基を有する多価フェノール化合物から誘導した多価フェノール樹脂である。それらの芳香環上の隣接位置で結合した2個またはそれ以上のフェノール性水酸基を有する多価フェノール化合物は、以下の一般式(I)、(II)、(III)および(IV)で表わされる化合物であり得る:
【0044】
【化1】
Figure 0003681118
ここで、R2は、1個〜約10個の炭素原子を有するアルキル基、置換または非置換フェニル基、置換または非置換アラルキル基、アルコキシ基、水酸基またはハロゲン原子であり、各R2は、同一または異なり、そしてp1は、0〜約2の整数である;
【0045】
【化2】
Figure 0003681118
ここで、R3は、1個〜約10個の炭素原子を有するアルキル基、置換または非置換フェニル基、置換または非置換アラルキル基、アルコキシ基、水酸基またはハロゲン原子であり、各R3は、同一または異なり、そしてp2は、0〜約4の整数である;
【0046】
【化3】
Figure 0003681118
ここで、R4は、1個〜約10個の炭素原子を有するアルキル基、置換または非置換フェニル基、置換または非置換アラルキル基、アルコキシ基、水酸基またはハロゲン原子であり、各R4は、同一または異なり、そしてp3は、0〜約4の整数である;
【0047】
【化4】
Figure 0003681118
ここで、R5は、1個〜約10個の炭素原子を有するアルキル基、置換または非置換フェニル基、置換または非置換アラルキル基、アルコキシ基、水酸基またはハロゲン原子であり、各R5は、同一または異なり、そしてp4は、0〜約4の整数である。
【0048】
それらの芳香環上の隣接位置で結合した2個またはそれ以上のフェノール性水酸基を有する化合物の具体的な例には、カテコール、メチルカテコール、ジメチルカテコール、ブチルカテコール、フェニルカテコール、メトキシカテコール、ピロガロール、ヒドロキシヒドロキノン、テトラヒドロキシベンゼン、ブロモカテコール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、メチル−1,2−ジヒドロキシナフタレン、ジメチル−1,2−ジヒドロキシナフタレン、ブチル−1,2−ジヒドロキシナフタレン、メトキシ−1,2−ジヒドロキシナフタレン、ヒドロキシ−1,2−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシ−1,2−ジヒドロキシナフタレン、ブロモ−1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、メチル−2,3−ジヒドロキシナフタレン、ジメチル−2,3−ジヒドロキシナフタレン、ブチル−2,3−ジヒドロキシナフタレン、メトキシ−2,3−ジヒドロキシナフタレン、ヒドロキシ−2,3−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシ−2,3−ジヒドロキシナフタレン、ブロモ−2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、メチル−1,8−ジヒドロキシナフタレン、ジメチル−1,8−ジヒドロキシナフタレン、ブチル−1,8−ジヒドロキシナフタレン、メトキシ−1,8−ジヒドロキシナフタレン、ヒドロキシ−1,8−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシ−1,8−ジヒドロキシナフタレン、ブロモ−1,8−ジヒドロキシナフタレンなどが挙げられる。
【0049】
この実施形態のエポキシ樹脂組成物中の多価フェノール樹脂硬化剤は、上記のように、芳香族環の隣接した位置に結合した2個またはそれ以上のフェノール性水酸基を有する多価フェノール化合物から誘導した多価フェノール樹脂であるものの、この多価フェノール樹脂を調製する方法には、特に制限はない。一般に、いずれの理論でも束縛することを望まないものの、その調製は、カルボニル基を有する化合物との付加縮合反応、カルボニル基を有する化合物との付加反応、不飽和結合を有する化合物との付加反応、またはα−ヒドロキシアルキルベンゼンまたはα−アルコキシアルキルベンゼンとの縮合反応などを介して、前記多価フェノール化合物(これは、その芳香環上の隣接位置で結合した2個またはそれ以上のフェノール性水酸基を有する)の樹脂に対するオリゴマー化を包含すると考えられている。
【0050】
カルボニル基を有する化合物は、任意の種類のアルデヒドまたはケトンであり得る。例には、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、グリオキサール、テレフタルアルデヒド(terphthalaldehyde)、アセトン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどが挙げられる。不飽和結合を有する化合物の例には、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、ジイソプロペニルナフタレン、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン、テルペンなどが挙げられる。カルボニル基および不飽和結合を有する化合物の例には、クロトンアルデヒド、イソプロペニルアセトフェノンなどが挙げられる。
【0051】
この多価フェノール化合物の具体的な追加例には、α−ヒドロキシアルキルベンゼン、α−アルコキシアルキルベンゼン、α,α’−ジヒドロキシレン、α,α’−ジメトキシキシレン、ジヒドロキシメチルフェノール、トリヒドロキシメチルベンゼン、トリヒドロキシメチルフェノール、ジヒドロキシメチルクレゾール、テトラヒドロキシメチルビスフェノールAなどが挙げられる。
【0052】
樹脂を形成するオリゴマー化のための、芳香環上の隣接位置で結合した2個またはそれ以上のフェノール性水酸基を有する多価フェノール化合物と、カルボニル基を有する化合物、不飽和結合を有する化合物、またはα−ヒドロキシアルキルベンゼンまたはα−アルコキシアルキルベンゼンとの反応は、任意の通常の反応方法を使用して実行され得る。すなわち、この反応は、約1〜約20時間にわたって、約20℃〜約200℃の範囲内の温度で、酸触媒の存在下にて、実行され得る。
【0053】
この多価フェノール化合物を製造するのに有用な酸触媒には、塩酸、硫酸、シュウ酸、トルエンスルホン酸、酸性を示す有機酸、フルオロホウ酸、ヘテロポリ酸、活性白土などが挙げられる。使用する酸性触媒の量は、典型的には、このフェノール化合物の全量の100重量部に対して、約0.1〜約5重量部である。この反応のためには、不活性溶媒(例えば、芳香族炭化水素、アルコール、エーテルなど)が使用され得、さらに、その縮合反応の条件(例えば、触媒など)に依存して、ケトン溶媒が使用され得る。
【0054】
市販の調製されたエポキシプレプレグ(これは、アミン硬化剤では製造されていない)の具体的な例には、General Electricから入手できる商品名「TS」のもの、Polycladから入手できる商品名「ATS」のもの、およびIBMから入手できる商品名「Driclad」のものが挙げられる。これらの市販の調製されたエポキシプレプレグは、様々なガラス転移温度(Tg)を有し、これは、典型的には、約100℃〜約200℃である。具体的な例には、140℃のTgまたは180℃のTgを有するエポキシプレプレグ(これは、アミン硬化剤では製造されていない)が挙げられる。エポキシプレプレグはまた、米国特許第5,618,891号;第5,597,876号;第5,492,722号;および第5,478,599号で記述されている;その関連部分の内容は、本明細書中で参考として援用されている。これらの関連部分は、種々のエポキシ樹脂および前駆体、C原子、H原子およびO原子および必要に応じて、Br原子を含有する硬化剤(非アミン硬化剤)、およびエポキシ樹脂およびエポキシプレプレグを製造する方法の記述を含む。
【0055】
本発明の多層構造体は、接着促進層を含む。この接着促進層は、この金属箔層の少なくとも一面および/またはエポキシプレプレグ層の少なくとも一面に位置し得る。この接着促進層はまた、この金属箔層とプレプレグ層の間に位置し得る。1実施形態では、この接着促進層は、クロムおよびエポキシシランカップリング剤の少なくとも1種が存在しないことにより、特徴付けられる。この接着促進層は、窒素含有シラン化合物を含有する。窒素含有シラン化合物とは、少なくとも1個の窒素原子を含有するシラン化合物である。窒素含有シラン化合物には、アミノシラン化合物(これには、モノ−、ジ−およびトリ−アミノシラン化合物を含む)、イミダゾールシラン化合物、ピロールシラン化合物およびピリジンシラン化合物が挙げられる。
【0056】
窒素含有シラン化合物の例には、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ピロール、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール、β−トリメトキシシリルエチル−2−ピリジン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルメチルジエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピル−ジエチレントリアミン、N−トリエトキシシリルプロピル尿素などが挙げられる。
【0057】
塗布前に溶媒中に存在しているシランの濃度は、約0.01重量%〜約10重量%の範囲である。好ましくは、溶媒中のシランの濃度は、約0.1重量%〜約5重量%の範囲である。さらに好ましくは、溶媒中のシランの濃度は、約0.5重量%〜約2重量%の範囲である。適当な溶媒には、1種またはそれ以上の水および有機溶媒(例えば、アルコール、ケトン、セロソルブ、テトラヒドロフランなど)が挙げられる。シラン沈着溶液を調製する一般方法は、当業者に公知である。
【0058】
本発明で併用される金属箔層は、アルミニウム、アンチモン、ヒ素、クロム、コバルト、銅、金、ニッケル、リン、白金、銀、ハンダ、チタン、亜鉛およびそれらの組合せおよび合金の1種またはそれ以上を含有する。好ましい実施形態では、この金属箔層は、銅または銅ベースの合金の箔である。これらの金属箔は、当該技術分野で公知であり、そして少なくとも2つの技術のうちの1つを使用して製造される。鋳造箔または圧延箔は、圧延のような方法によって銅または銅合金のストリップまたはインゴットの厚さを機械的に減らすことにより、製造される。電着金属箔は、回転しているカソードドラム上に金属イオンを電気分解的に沈着することにより、次いで、沈着したストリップをカソードから剥離することにより、製造される。電着銅箔が好ましい。
【0059】
この金属箔は、典型的には、約0.0002インチ〜約0.02インチの範囲の呼び厚さを有する。箔の厚さは、時には、重量によって表わされ、典型的には、本発明の金属箔は、約1/8〜約14oz/ft2の範囲の重量または厚さを有する。
【0060】
電着金属箔は、平滑な光輝(ドラム)面および粗いマット(金属沈着物成長領域)面を有する。本発明の接着促進層は、この箔のいずれかの面に接着でき、ある場合には、両面に接着される。
【0061】
1実施形態では、この箔(電着または鋳造した)うち、この接着促進層を接着した面は、「標準プロフィール面」、「低プロフィール面」または「超低プロフィール面」である。「標準プロフィール面」との用語は、本明細書中では、約10μm以下のRtmを有する金属箔面を意味する。「低プロフィール面」との用語は、約7μm以下のRtmを有する金属箔面を意味する。「超低プロフィール面」との用語は、約4μm以下のRtmを有する金属箔面を意味する。Rtmとは、5回の連続試料抽出測定の各々から得た最大の最高最低垂直測定値の平均であり、これは、Rank Taylor Hobson,Ltd.,Leicester,Englandから販売されているSurftronic 3プロフィロメーター(profilometer)を使用して、測定できる。
【0062】
これらの箔は、本発明の接着剤を塗布する前に、表面粗化処理を受けるものの、この多層構造体に望ましい接着特性は、この金属箔を追加の表面粗化処理にかけることなく、達成できる。それゆえ、本発明の1実施形態では、この金属箔は、その接着促進層が接着された面に任意の追加表面粗化処理を行わないことにより、特徴付けられる。「追加表面粗化処理」との用語は、基板または生金属箔上で実行される任意の処理であって、この金属箔の表面の粗さを高める処理を意味する。本発明の他の実施形態では、この金属箔は、この接着促進層が接着された面での少なくとも1回の追加表面粗化処理を行うことにより、特徴付けられる。
【0063】
これらの処理には、結節形状または粉末形状で電気分解的に沈着した銅、または結節または樹状で成長する酸化銅が挙げられる。1実施形態では、圧延中または引き続いた研磨(これは、標準プロフィール面の粗さを超えて、粗さを高める)によって鋳造金属箔に与えられる機械的な粗さは、追加表面粗化処理であると見なされる。1実施形態では、電着(これは、標準プロフィール面の粗さを超えて、粗さを高める)中に電着金属銅に与えられる粗さは、追加表面粗化と見なされる。1実施形態では、この生金属箔またはベース金属箔に与えられる任意の粗さであって、該箔の粗さを標準プロフィール面を粗さを超えて高める粗さは、追加表面粗化処理と見なされる。1実施形態では、この生金属箔またはベース金属箔に与えられる任意の粗さであって、該箔の粗さを低プロフィール面を粗さを超えて高める粗さは、追加表面粗化処理と見なされる。1実施形態では、この生金属箔またはベース金属箔に与えられる任意の粗さであって、該箔の粗さを極低プロフィール面を粗さを超えて高める粗さは、追加表面粗化処理と見なされる。
【0064】
1実施形態では、この接着促進層が接着されるベース金属箔または生金属箔の面は、この金属箔に接着促進層を塗布する前には、未処理である。「未処理である」との用語は、本明細書中では、その箔の特性を磨くか高める目的のために引き続いた処理を受けていない生金属箔またはベース金属箔を意味するように使用される。
【0065】
上で示したように、追加表面粗化処理を受けた金属箔に接着促進層を塗布することは、本発明の範囲内である。それゆえ、1実施形態では、この金属箔の一面または両面は、この接着促進層を塗布する前に、銅または酸化銅の粗化層で処理される。この銅は、結節形状または粉末形状で、電気分解的に沈着できる。この酸化銅は、結節または樹状で成長できる。
【0066】
1実施形態では、この接着促進層が接着されるベース金属箔または生金属箔の面は、この金属箔の特性または得られた積層体の特性を磨くか高める目的のために、接着促進層を塗布する前に、1層またはそれ以上の表面処理層で処理される。この金属箔のうち、この接着促進層を塗布していない任意の面は、必要に応じて、また、そこに塗布したこのような処理層の1層またはそれ以上を有することができる。これらの表面処理は、当該技術分野で公知である。
【0067】
1実施形態では、この金属箔の一面または両面は、この接着促進層を塗布する前に、少なくとも1層の金属層で処理され、該金属層中の金属は、アンチモン、黄銅、青銅、コバルト、インジウム、モリブデン、ニッケル、スズ、亜鉛およびそれらの2種またはそれ以上の混合物からなる群から選択される。この種の金属層は、ある場合には、障壁層と呼ばれる。これらの金属層は、好ましくは、約0.01〜約1ミクロンの範囲、さらに好ましくは、約0.05〜約0.1ミクロンの範囲の厚さを有する。
【0068】
1実施形態では、この金属箔の一面または両面は、この接着促進層を塗布する前に、少なくとも1層の金属層で処理され、該金属層中の金属は、アルミニウム、アンチモン、ヒ素、クロム、クロム−亜鉛合金、モリブデン、ニッケル、リン、スズ、亜鉛またはそれらの2種またはそれ以上の混合物である。この種の金属層は、ある場合には、安定化層と呼ばれる。これらの金属層は、好ましくは、約0.005〜約0.05ミクロンの範囲、さらに好ましくは、約0.01〜約0.02ミクロンの範囲の厚さを有する。
【0069】
1実施形態では、この金属箔の一面または両面は、この接着促進層を塗布する前に、上述のように、まず、少なくとも1層の障壁層で処理され、次いで、少なくとも1層の安定化層で処理される。他の実施形態では、この金属箔の一面または両面は、この接着促進層を塗布する前に、少なくとも1層の銅または酸化銅の粗化層で処理され、次いで、上述の種類の少なくとも1層の障壁層で処理される。1実施形態では、この金属箔の一面または両面は、この接着促進層を塗布する前に、少なくとも1層の銅または酸化銅の粗化層で処理され、次いで、上述の種類の少なくとも1層の安定化層で処理される。1実施形態では、この金属箔の一面または両面は、この接着促進層を塗布する前に、少なくとも1層の銅または酸化銅の粗化層で処理され、次いで、この粗化層に、上述の種類の少なくとも1層の障壁層が接着され、次いで、この障壁層に、少なくとも1層の安定化層が接着される。
【0070】
この接着促進層は、金属箔層と明確に規定したエポキシプレプレグ層との間での接着性を高めるように適合される。この接着促進層は、この金属箔の一面または両面に塗布され、得られる接着促進層が塗布された金属箔面は、上述のように、処理されているかまたは未処理である。この接着促進層は、公知の塗布方法を使用して、この金属箔面に塗布され得、これらの方法には、逆ローラー被覆、ドクターブレード被覆、浸漬、塗装および噴霧が挙げられる。この接着促進層を塗布する方法は、もし望ましいなら、何回か繰り返され得る。
【0071】
この金属箔層面への接着促進層の塗布は、典型的には、好ましくは、約15℃〜約45℃の温度、さらに好ましくは、約20℃〜約30℃の温度で、行われ得る。この金属箔面に接着促進層を塗布することに続いて、この接着促進層は、その表面の乾燥を高めるために、好ましくは、約1秒間〜約10分間にわたって、1実施形態では、約5秒間〜約5分間にわたって、好ましくは、約50℃〜約200℃の温度まで、1実施形態では、約140℃〜約170℃の温度まで加熱することにより、半硬化(B段階)される。
【0072】
そこにB段階接着促進層を塗布した金属銅箔は、一般に、約2〜約18μm、1実施形態では、約4〜約11μm、他の実施形態では、約5〜約8μmのマット面粗さRtmを有する。本発明の1実施形態では、これらの箔は、約1/2オンス/平方フィートの重量を有し、そのマット面のRtmは、約2〜約12μm、または約4〜約8μmである。1実施形態では、これらの箔は、約1オンス/平方フィートの重量を有し、そのマット面のRtmは、約2〜約16μm、または約5〜約9μmである。1実施形態では、これらの箔は、約2オンス/平方フィートの重量を有し、そのマット面のRtmは、約6〜約18μm、または約8〜約11μmである。1実施形態では、これらの箔の光輝面のRtmは、約4μm未満または約3μm未満であるか、または約1.5〜約3μm、または約2〜約2.5μmの範囲である。
【0073】
そこにB段階接着促進層を塗布した金属箔は、1層またはそれ以上のプレプレグ層に結合できる。これらの接着促進層は、この金属箔層とエポキシプレプレグとの間の結合強度または剥離強度を高める。この金属箔の利点は、これらの箔が、任意の追加表面粗さを適用しなくてもよいが、酸環境でも、エポキシプレプレグ層で、有効結合または剥離強度を示すことにある。これらの箔は、標準プロフィール面、低プロフィール面および極低プロフィール面でさえも有し得、それでも、許容できる剥離強度を提供できる。これらの金属箔を使って、そのマット面または光輝面のいずれかは、プレプレグ層に効果的に結合できる。
【0074】
この多層構造体のある種の実施形態を作製する際には、このエポキシプレプレグ層および金属箔層の両方が、ロールに巻き付けた材料の長いウェブの形状で提供されることが有用である。巻き付けた材料は、これらのロールから引き出され、そして長方形のシートに切断される。これらの長方形のシートは、次いで、集合体の積み重ねで、積み上げられるか集められる。各集合体は、そのいずれかの面(すなわち、一面)に箔のシートを備えた1枚またはそれ以上のエポキシプレプレグシートを含み得、各場合では、そこに接着促進層を接着した金属箔シートの面(すなわち、それらの面のうちの一面)は、このエポキシプレプレグに隣接して位置している。
【0075】
この多層構造体は、金属箔のシート間でエポキシプレプレグのシートを挟んだ積層体を作製するために、積層プレスのプレート間で、通常の積層温度および圧力を受け得る。あるいは、この金属箔およびエポキシプレプレグが圧延されずに連続ウェブとして加熱プレスを通って後にシートに切断される場合、連続積層工程が使用され得る。
【0076】
熱および圧力を加えることにより、この金属箔層は、このエポキシプレプレグ層に対してしっかりと押し付けられ、この多層構造体が受ける温度は、この樹脂を活性化して、硬化させる;すなわち、この樹脂の架橋、それゆえ、この金属箔層のエポキシプレプレグ層との堅い結合。一般的に言えば、この積層操作は、約30〜約1000psiの範囲の圧力、約150℃〜約250℃の範囲の圧力、および約50秒〜約6時間の範囲の積層サイクルを含む。1実施形態では、連続積層工程は、真空下で使用されるか、または追加圧力は使用されず、その温度は、約200℃までであり、その積層時間は、約30分未満である。得られた積層体は、次いで、プリント回路基板(PCB)を作製するのに利用され得る。
【0077】
得られた積層体は、多層回路基板を作製する工程の一部として、導線または導電パターンを形成する減法(subtractive)金属食刻工程を受け得る。次いで、食刻パターンの上には、上述の技術を使用して、第二接着促進層が塗布され得、次いで、第二接着促進層の後に食刻パターンに接着した第二エポキシプレプレグ層は、食刻パターンと第二エポキシプレプレグとの間に位置付けられて両方に接着される。多層回路基板を作製する技術は、当該技術分野で周知である。同様に、減法エッチング工程は、周知であり、その一例は、米国特許第5,017,271号で開示されており、その内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0078】
積層体からPCB類を作製するには、多数の製造方法が利用できる。それに加えて、電子素子(例えば、ラジオ、テレビ、VCR類、コンピュータなど)、乗り物(例えば、自動車、トラック、航空機、ボート、電車など)、機械類、道具、電話回線装置などの無数の潜在的な最終用途がある。これらの方法および最終用途は、当該技術分野で公知である。
【0079】
以下の実施例は、本発明を例示する目的で提示されている。他に指示がなければ、以下の実施例だけでなく、本明細書および請求の範囲全体を通して、全ての部およびパーセントは、重量基準であり、全ての温度は、摂氏であり、そして全ての圧力は、大気圧である。
【0080】
【表1】
Figure 0003681118
【0081】
【表2】
Figure 0003681118
【0082】
【表3】
Figure 0003681118
【0083】
【表4】
Figure 0003681118
【0084】
【表5】
Figure 0003681118
【0085】
【表6】
Figure 0003681118
表1〜6では、エポキシと表示されたシランは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである;クロロは、3−クロロプロピルトリメトキシシランである;メタクリルは、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランである;スチリルジアミンは、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミン)プロピルトリメトキシシランである;エポキシシクロヘキシルは、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである;アミノは、アミノプロピルトリエトキシシランである;ジアミノおよびジアミノAの両方は、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランである;ジアミノBは、OSi/Witcoから入手できるA1120である;そしてイミダゾールは、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾールである。
【0086】
上記表1〜6は、剥離強度で示すように、非アミン硬化剤を使って製造したエポキシ樹脂から誘導されるエポキシプレプレグ層に関して、種々のシラン化合物を使った積層体の接着強度間の比較を表わす。この接着促進層(シラン化合物)の各々は、銅箔に適用され、次いで、上記エポキシプレプレグ層に積層される。さらに具体的には、これらのシラン化合物の各々の約1部は、約99部の水と混合され、次いで、電着銅箔に塗布される。被覆した箔は、次いで、250psiの圧力で、エポキシプレプレグに積層され、177℃に加熱され、そして約1時間にわたって共に維持され、続いて、室温まで冷却される。これらの積層体の全ては、10本の線を与えるように描かれて食刻され、全ては、0.008インチ(8ミル)幅である。
【0087】
これらの線は、中間で剥離されて、the IPC Test Methods Manualの2.4.8のthe After Thermal Stressの節にあるような初期剥離強度を与える。次いで、パターン化積層体は、次いで、30分間または60分間のいずれかの間、50%塩酸溶液に浸漬される。その最終剥離強度については、浸漬した0.008インチの線は、次いで、the IPC Test Methods Manualの2.4.8のthe After Thermal Stressの節にあるように、剥離される。
【0088】
表1は、Polyclad ATS 140℃ Tgエポキシプレプレグを使用して、追加粗化処理をしないで、1オンス銅箔のマット面にシラン化合物を塗布した結果を報告している。その浸漬時間は、60分間である。表2は、General Electric TSエポキシプレプレグを使用して、2オンス銅箔のマット面にシラン化合物を塗布した結果を報告している。その浸漬時間は、60分間である。表3は、General Electric TSエポキシプレプレグを使用して、0.5オンス銅箔のマット面にシラン化合物を塗布した結果を報告している。その浸漬時間は、60分間である。表4は、General Electric TSエポキシプレプレグを使用して、安定剤処理で両面を粗化および障壁処理した1オンス銅箔(これは、通例、二重処理箔と呼ばれている)の光輝面にシラン化合物を塗布した結果を報告している。その浸漬時間は、30分間である。表5は、Polyclad ATS 140℃ Tgエポキシプレプレグを使用して、表4のように、1オンス銅箔の光輝面にシラン化合物を塗布した結果を報告している。その浸漬時間は、30分間である。表6は、Polyclad ATS 180℃ Tgエポキシプレプレグを使用して、粗化処理、障壁層および安定剤層で、1オンス銅箔のマット面にシラン化合物を塗布した結果を報告している。その浸漬時間は、60分間である。
【0089】
1実施態様では、50%のHCl水溶液で60分間浸漬した後の本発明による多層構造体の剥離強度を初期剥離強度と比較すると、その損失割合は、典型的には、約25%未満であり、しばしば、約20%未満である。他の実施態様では、50%のHCl水溶液で60分間浸漬した後の本発明による多層構造体の剥離強度を初期剥離強度と比較すると、その損失割合は、約15%未満である。さらに他の実施態様では、50%のHCl水溶液で60分間浸漬した後の本発明による多層構造体の剥離強度を初期剥離強度と比較すると、その損失割合は、約10%未満である。
【0090】
本発明による多層構造体は、酸性環境では、予想外に高い剥離強度を示すので、本発明による多層構造体(これは、非アミノ硬化剤を使って作製されたエポキシプレプレグを含む)は、完全または部分層間剥離のおそれなしに、安全に、酸処理(これは、酸食刻処理、酸活性化処理および酸クリーニング工程を含む)を受け得る。
【0091】
本発明は、その好ましい実施態様に関して説明しているものの、それらの種々の変更は、この明細書を読めば、当業者に明かなことが理解できるはずである。従って、本明細書中で開示した発明は、添付の特許請求の範囲に入るようなこれらの変更を含むと解釈されることが理解できるはずである。

Claims (9)

  1. 下:
    金属箔層;
    プレプレグ層であって、ここで、該プレプレグ層は、エポキシ樹脂ならびに酸、無水物、アルコキシド、フェノキシド、重合体チオールおよび/またはフェノールを含む非アミン硬化剤から製造される、プレプレグ層;および
    接着促進層であって、該接着促進層は、該金属箔層と該プレプレグ層の間にあり、
    該非アミン硬化剤が、酸、無水物、アルコキシド、フェノキシド、重合体チオールおよび/またはフェノールを含む場合には、該接着促進層は窒素含有シラン化合物を含み;または
    該非アミン硬化剤が、酸、無水物および/またはフェノールである場合には、該接着促進層はアミノシラン化合物を含む、接着促進層、
    を含む、多層構造体であって、
    ここで、60分間50%HCl水溶液中に浸漬した後に、25%未満の剥離強度の損失が生じる、多層構造体。
  2. 前記金属箔層が、銅または銅合金を含有する、請求項に記載の多層構造体。
  3. 前記金属箔層が、アルミニウム、アンチモン、ヒ素、黄銅、クロム、コバルト、インジウム、モリブデン、ニッケル、リン、スズまたは亜鉛の少なくとも1種の金属層を含む、請求項2に記載の多層構造体。
  4. 前記金属箔層が、アルミニウム、アンチモン、ヒ素、クロム、コバルト、インジウム、モリブデン、ニッケル、リン、スズまたは亜鉛の少なくとも1種の金属層を含む、請求項3に記載の多層構造体。
  5. 前記プレプレグ層が、ジシアンジアミド基が存在しないことにより特徴付けられる、請求項1に記載の多層構造体。
  6. 前記エポキシ樹脂が、ビスフェノールAエポキシ樹脂またはエポキシ化フェノールノボラック樹脂を含む、請求項1に記載の多層構造体。
  7. 前記非アミン硬化剤が、炭素原子、水素原子および酸素原子、および必要に応じて、臭素原子から本質的になる、請求項1に記載の多層構造体。
  8. 前記接着促進層が、前記窒素含有シラン化合物であり、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ピロール、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール、β−トリメトキシシリルエチル−2−ピリジン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルメチルジエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピル−ジエチレントリアミン、またはN−トリエトキシシリルプロピル尿素の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の多層構造体。
  9. 前記接着促進層が、前記窒素含有シラン化合物であり、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、またはN−メチルアミノプロピルトリメトキシシランの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の多層構造体。
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